JP5407062B2 - 活物質及び電極の製造方法、活物質、電極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

活物質及び電極の製造方法、活物質、電極及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池、それに用いる活物質及び電極の製造方法、その製造方法で製造した活物質及び電極に関するものである。
リチウムイオン二次電池等の電気化学デバイスの負極活物質として、黒鉛等の炭素材料より充放電容量の大きい金属酸化物粒子(例えば、SnO粒子等)が数多く研究されている(例えば、特許文献1〜3、非特許文献1〜5参照)。しかし、活物質としてこのような金属酸化物粒子を用いた場合、炭素材料に比べて著しくサイクル特性が悪い。この原因として、例えば金属酸化物粒子が充放電サイクルの経過に伴って膨張収縮することにより、金属酸化物粒子が集電体から解離してしまい、金属酸化物粒子と集電体との導通がとれなくなることが考えられている。
特開2001−143694号公報 特開2002−110151号公報 特開平6−275268号公報 Electrochemical、Society、Vol.140、No.5、L81-L82(1993) Electrochemistry、Vol.72、NO.45(2004) Electrochimica Acta、Vol.53、No.179(2007) ECS Transactions、Vol.3、No.9、P.29(2006) 次世代自動車用高性能蓄電システム技術開発(Li−EADプロジェクト)平成20年度新規採択テーマ研究計画発表会 要旨集、p.6
上で述べたように従来の金属酸化物では、活物質として十分なサイクル特性を得るには至っておらず、サイクル特性を更に向上させることが可能な活物質及びその製造方法が望まれている。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、十分なサイクル特性を有する金属酸化物を用いた活物質及び電極の製造方法、活物質、電極及びリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
以上のような背景を踏まえて本発明者らは、特定の方法で活物質としての金属酸化物の粒子群を炭素材料の表面に堆積することで、従来よりもサイクル特性が向上する活物質が得られることを見出した。その方法は金属フルオロ錯体水溶液中に炭素材料を浸漬し、必要に応じて下記の化学式(1)の平衡が右に進むように補足剤と言われる化学物質を添加するものである。この方法は、液相析出(LPD)法と言われている。
MF (x−2n)+nHO=MO+xF+2nH (1)
BO+4H+4F=HBF+3HO (2)
Al+6H+6F=HAlF+3/2H (3)
補足剤としては、ほう酸(HBO)、アルミニウム(Al)等が用いられる。ほう酸は(2)式のようにふっ化物イオンと反応しHBFとなる。ふっ化物イオンが消費されると(1)の平衡が右に進み金属酸化物としてのMOが生成することを促進する。また、Alもまた(3)式のようにふっ化物イオンと反応しHAlFとなる。その結果(1)式において金属酸化物としてのMOが生成する方向に平衡が進むことになる。
このようないわゆる液相析出法で金属酸化物の粒子群を作製するときの原料と生成物(酸化物)の例を、表1に示した。
液相析出法を用いると、炭素材料のように表面に凹凸のある物質であっても、表面に緻密で結晶性が良く炭素材料に対する密着性の良い金属酸化物(ZrO、TiO、SiO、ZnO、CuO、In、SnO、MgO、Al等)の粒子群を被覆することが可能である。
本発明にかかる活物質の製造方法は、炭素材料に対して金属フルオロ錯体を含む水溶液を接触させる工程を含む。これにより、金属フルオロ錯体を構成する金属の酸化物である金属酸化物の粒子群が炭素材料の表面に担持される。
また、本発明にかかる電極の製造方法は、炭素材料及びバインダーを含有する活物質層を備えた電極に対して、金属フルオロ錯体を含む水溶液を接触させる工程を含む。これにより、金属フルオロ錯体を構成する金属の酸化物である金属酸化物の粒子群が活物質層中の主として炭素材料の表面に担持される。
本発明により得られた活物質及び電極を用いたリチウムイオン二次電池は、従来に比してサイクル特性が良好となる。この理由は明らかではないが、金属酸化物の粒子群が炭素材料の表面に直接担持されることがその一つの要因と考えられる。従来電極を作製するには、金属酸化物粒子と、炭素材料等の導電助剤と、バインダーとを混合した塗料を集電体上に塗布して電極が作製される。一方、本発明では、活物質及び電極の製造において、金属フルオロ錯体を含む水溶液を炭素材料に接触させることにより、金属酸化物の粒子群が炭素材料に直接担持される。この場合、従来のようにバインダーで接着する電極作製方法と比較して、金属酸化物の粒子群と炭素材料との密着性が向上すると考えられる。これにより、充放電時に金属酸化物に膨張収縮が生じた場合であっても、金属酸化物の粒子群が炭素材料から解離することが抑制されることとなる。したがって、電子伝導性を維持しやすく、サイクル特性を高く保持することができるものと考えられる。
ここで、金属フルオロ錯体を含む水溶液が、金属フルオロ錯体からふっ化物イオンを化学的に捕捉する捕捉剤をさらに含むことが好ましい。これにより、(1)式の平衡を右に移動させて酸化物の析出を促進することができる。
捕捉剤としては、ほう酸、アルミニウム、塩化第1鉄、塩化第2鉄、水酸化ナトリウム、アンモニア、チタン、鉄、ニッケル、マグネシウム、銅、亜鉛、シリコン、2酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化ビスマス、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等が挙げられ、中でもほう酸が好ましい。
また、金属フルオロ錯体は、すずフルオロ錯体及びチタンフルオロ錯体からなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。これにより、これらの金属から構成される金属酸化物の粒子群が炭素材料の表面に析出するという効果がある。
本発明に係る活物質は、炭素材料と、炭素材料の表面に直接担持された金属酸化物の粒子群と、を備える。このような活物質は、上述の方法により容易に製造でき、このような活物質及び電極を用いたリチウムイオン二次電池は、従来に比してサイクル特性が良好となる。
また、炭素材料は、カーボンブラック又は活性炭であることが好ましい。この場合、負極の活物質として機能することが可能な炭素材料を用いることにより、負極の電池容量を高めることができる。
金属酸化物は、酸化すず及び酸化チタンからなる群から選択される少なくとも1つであることが好ましい。
更に、酸化すずの粒子群の平均結晶子サイズは1〜6nm、酸化チタンの粒子群の平均結晶子サイズは3〜20nmであることが好ましい。この場合、充放電サイクルの経過に伴う金属酸化物の膨張収縮がより一層抑制されることとなる。これにより、金属酸化物の粒子群が炭素材料から解離し導通がとれなくなることがより一層抑制されるため、サイクル特性をより一層向上させることができる。
また、金属酸化物の粒子群は、炭素材料の表面で層を形成してもよい、この層の厚みは、5〜30nmであることが好ましい。また、金属酸化物の層は、層状であっても粒子状であってもどちらでも良い。
また、本発明の電極は、上述の活物質を有する。
また、本発明のリチウムイオン二次電池は、上述の電極を備える。
十分なサイクル特性を有する金属酸化物を用いた活物質及び電極の製造方法、活物質、電極及びリチウムイオン二次電池が提供される。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。また、各図面の寸法比率は、必ずしも実際の寸法比率とは一致していない。
(リチウムイオン二次電池)
まず、本発明にかかる活物質や電極を用いたリチウムイオン二次電池について図1を参照して簡単に説明する。
リチウムイオン二次電池100は、主として、積層体30、積層体30を密閉した状態で収容するケース50、及び積層体30に接続された一対のリード60,62を備えている。
積層体30は、一対の電極10、20がセパレータ18を挟んで対向配置されたものである。正極10は、正極集電体12上に正極活物質層14が設けられた物である。負極20は、負極集電体22上に負極活物質層24が設けられた物である。正極活物質層14及び負極活物質層24がセパレータ18の両側にそれぞれ接触している。正極集電体12及び負極集電体22の端部には、それぞれリード60,62が接続されており、リード60,62の端部はケース50の外部にまで延びている。
(第1実施形態)
(負極及びその製造方法)
本発明の実施形態について説明する。第1実施形態では、あらかじめ炭素材料の表面に金属酸化物の粒子群を担持した負極活物質を形成し、この表面改質された負極活物質を用いて負極を作製する。
(負極活物質の製造方法)
まず、炭素材料を用意する。炭素材料としては、カーボンブラック(以後、CBと略記する場合がある。)、活性炭、黒鉛、カーボンナノチューブが好ましく、カーボンブラック、活性炭がより好ましい。
炭素材料の平均粒径は特に限定されないが、カーボンブラックの場合では、3〜500nmが好ましく、20〜300nmがより好ましく、30〜200nmが更に好ましい。カーボンブラックの平均粒径は、カーボンブラックを透過型電子顕微鏡で観察して求める。活性炭又は黒鉛の場合では、平均粒径は0.1〜30μmが好ましく、1〜20μmがより好ましく、2〜10μmが更に好ましい。活性炭又は黒鉛の平均粒径は、例えば、体積基準粒径分布における50%径であるD50として定義できる。粒径分布はレーザー回折散乱法等により容易に取得することができる。カーボンナノチューブは、直径が0.7〜700nm、長さが0.1〜10μmであることが好ましい。
続いて、金属フルオロ錯体を含む水溶液を用意する。金属フルオロ錯体としては、すずフルオロ錯体、けい素フルオロ錯体、チタンフルオロ錯体、ジルコニウムフルオロ錯体、インジウムフルオロ錯体、マグネシウムフルオロ錯体、亜鉛フルオロ錯体、アルミニウムフルオロ錯体等が挙げられ、中でも、すずフルオロ錯体、チタンフルオロ錯体が好ましい。
具体的には、金属フルオロ錯体としては、ふっ化ジルコン酸(HZrF)、ふっ化ケイ酸(HSiF)、ふっ化チタン酸(HTiF)、又はこれらの塩、ふっ化すず(SnF、SnF)、ふっ化インジウム(InF)、ふっ化銅(CuF)、ふっ化マグネシウム(MgF)、ふっ化亜鉛(ZnF)、ふっ化アルミニウム(AlF)等からなる群から選択される少なくとも1つが挙げられる。中でも、ふっ化チタン酸、これらの塩、及び、ふっ化すずからなる群から選択される少なくとも1つが好ましい。
金属フルオロ錯体の塩としては、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられ、例えば、KZrF,KSiF,KTiF,CaZrF,CaSiF,CaTiF,(NHZrF,(NHSiF,(NHTiF等が挙げられる。
また、このような金属フルオロ錯体は、例えば、フルオロ錯体ではない金属化合物をふっ酸(HF)水溶液、ふっ化水素アンモニウム(NHF・HF)水溶液、ふっ化アンモニウム(NHF)水溶液等に溶解させることによっても得ることができる。例えばオキシ水酸化鉄(FeOOH)、水酸化コバルト(Co(OH))をNHF・HF水溶液に溶解させると、水溶液中でFeF 3−、CoF 4−のような金属フルオロ錯体になるので、本発明に利用可能である。
水溶液における金属フルオロ錯体の濃度は、金属フルオロ錯体の水への溶解度に制限されるが、概ね0.001〜1M程度が好ましい。尚、M=mol/Lである。
また、この水溶液には、金属フルオロ錯体からふっ化物イオン(F)を引き抜くことができる捕捉剤を含んでも良い。捕捉剤を添加すると、金属酸化物の堆積速度を速くすることができる。
捕捉剤としては、ほう酸(HBO)、アルミニウム(Al)、塩化第1鉄(FeCl)、塩化第2鉄(FeCl)、水酸化ナトリウム(NaOH)、アンモニア(NH)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マグネシウム(Mg)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、シリコン(Si)、2酸化ケイ素(SiO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化ビスマス(Bi)、酸化アルミニウム(Al)、酸化マグネシウム(MgO)等が挙げられ、中でもほう酸が好ましい。付け加えるが、補足剤は必ずしも使う必要はない。
ほう酸を使う場合の濃度は、ほう酸の水への溶解度に制限されるが、処理溶液において0.01〜0.6M程度とすることが好ましい。
そして、炭素材料を、この金属フルオロ錯体を含む水溶液と接触させる。具体的には、炭素材料を金属フルオロ錯体を含む水溶液中に投入し、必要に応じて攪拌等すればよい。また、金属フルオロ錯体水溶液と、捕捉剤とを初めから混合してしまうのではなく、捕捉剤の水溶液に炭素材料を分散し、そこに金属フルオロ錯体水溶液を滴下しても良い。捕捉剤を用いない場合には、水に炭素材料を分散し、そこに金属フルオロ錯体水溶液を滴下しても良い。
水溶液中では、例えば、
MF (x−2n)+nHO⇔MO+xF+2nH (1)
という平衡反応が成立しており、捕捉剤としてのHBOやAlが存在すると、
BO+4H+4F=HBF+3HO (2)
Al+6H+6F=HAlF+3/2H (3)
となり、(1)式の平衡を右側にシフトさせる。
詳しくは、ほう酸は(2)式のようにふっ化物イオンと反応しHBFとなる。ふっ化物イオンが消費されると(1)の平衡が右に進み金属酸化物であるMOが生成することを促進する。また、Alもまた(3)式のようにふっ化物イオンと反応しHAlFとなる。その結果(1)式において金属酸化物であるMOが生成する方向に平衡が進むことになる。金属フルオロ錯体の種類により(1)式の反応速度が十分速い場合や、生成する金属酸化物自身が捕捉剤として機能する場合には、捕捉剤を用いなくてもよい。
すなわち、このような処理により、図2(a)に示すように、炭素材料1の表面に、金属酸化物の粒子群2が直接担持された活物質5が得られる。ここで、直接担持とは、バインダーを介することなく、金属酸化物の粒子群2が炭素材料1の表面に支持されていることをいう。
また、金属酸化物の粒子群2には、F、及び/又は、Bが含まれている場合がある。例えば、活物質全体(炭素材料1+金属酸化物の粒子群2+F+B)に対するFの濃度は50〜5000質量ppm、Bの濃度は10〜1000質量ppmであることができる。
金属酸化物の粒子群2の平均結晶子サイズは、酸化すずの場合は1〜6nmが好ましく、2〜4nmがより好ましく、2〜3nmが更に好ましい。酸化チタンの場合は3〜20nmであることが好ましく、5〜17nmがより好ましく、10〜15nmが更に好ましい。酸化すずの場合、平均結晶子サイズが1nm未満であると、容量が小さくなる傾向にあり、6nmを超えると、サイクル特性が悪くなる傾向にある。酸化チタンの場合、平均結晶子サイズが3nm未満であると、容量が小さくなる傾向にあり、20nmを超えると、サイクル特性が悪くなる傾向にある。なお、このような平均結晶子サイズは、X線回折により検出される金属酸化物に由来するピークの半値幅を用いて、下記シェラー(Scherrer)式(4)により算出される。
D=Kλ/(B・cosθ) (4)
(式中、D:平均結晶子サイズ、K:シェラー定数、λ:測定X線波長、β:回折線半値幅、θ:回折角)
なお、金属酸化物の粒子群2の平均粒径は、特に限定されず、例えば0.1〜10μmである。
また、活物質における炭素材料1等の炭素材料成分と金属酸化物成分の質量の合計に対する金属酸化物成分の質量の割合は、0.1〜75質量%とすることが好ましい。金属酸化物成分の質量の割合が0.1質量%未満では、リチウムイオン二次電池における負極の電池容量が少なくなる傾向にあり、75質量%超では、サイクル特性が悪くなる傾向にある。
金属酸化物の粒子群2は、図2(a)のように、炭素材料1の表面に部分的に付着している場合が多いが、図2(b)のように、炭素材料1の表面に金属酸化物の粒子群2によって層2aが形成される場合もある。この場合の層2aの厚みは特に限定されないが、例えば、5〜30nmが好ましく、3〜20nmがより好ましい。5nm未満では負極の電池容量が小さくなる傾向があり、30nm超ではサイクル特性が悪くなる傾向がある。
金属酸化物の粒子群2の平均結晶子サイズ、炭素材料1及び金属酸化物の粒子群2の合計質量に対する金属酸化物の粒子群2の質量割合、及び、層2aの形成の有無や層2aの厚みは、炭素材料1と水溶液との接触時間、温度、金属フルオロ錯体や捕捉剤の濃度を適切な値にすることにより容易に制御できる。
また、金属酸化物の粒子群2を担持する際の水溶液のpHは、1.5〜12とすることが好ましい。粒子群2の担持中には、例えば、(1)式によるHの生成等により水溶液のpHが変動する場合が多い。そして、pHが1.5未満となると金属酸化物が溶解する場合があり、また、pHが12超となると水溶液中の金属フルオロ錯体の金属イオンが水酸化物となって沈殿する場合がある。なお、本発明では、水溶液のpHを上記範囲において強酸性とした場合であっても、炭素材料1が溶解することはない。したがって、粒子群2の担持中に水溶液のpHを1.5〜12に維持することにより、炭素材料1上に好適に金属酸化物の粒子群2の担持ができる。粒子群2の担持時の水溶液のpHを上述の範囲に維持するには、pHの変動幅を予測して粒子群2の担持終了時のpHが上述の範囲内となるように粒子群2の担持前の水溶液のpHを予め規定することや、粒子群2の担持途中で酸(塩酸等)や塩基(アンモニア水等)の添加を行うこと等が挙げられる。
このような処理により、炭素材料1の表面に金属酸化物の粒子群2が担持された活物質5を得たら、ろ過等により、水溶液と活物質5とを分離し、水等により活物質5を洗浄し、乾燥する。このように、本発明では熱処理を施すことなく、結晶性の高い金属酸化物の粒子群2を有する活物質5を得ることができる。なお、より結晶性を高めるために熱処理を施しても良い。
(負極の製造方法)
続いて、活物質5を用いて負極(電極)20を作製する。まず、活物質5、負極集電体22及びバインダーを用意する。
負極集電体22としては、例えば銅箔を用いることができる。バインダーは、上記の活物質5を集電体に結着することができれば特に限定されず、公知のバインダーを使用できる。例えば、ポリふっ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のふっ素樹脂や、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)と水溶性高分子(カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、デキストリン、グルテン等)との混合物等が挙げられる。
そして、前述の活物質5を、溶媒にバインダーを溶解又は分散させた溶液に添加してスラリーを調整する。溶媒としては、例えば、NMP(N−メチル−2−ピロリジノン)、水等を用いることができる。
そして、活物質、バインダー等を含むスラリーを、負極集電体22の表面に塗布し、乾燥させることにより、図1のように、負極集電体22、及び、負極活物質層24を備える負極20が完成する。なお、負極活物質層24には、金属酸化物の粒子群2が担持されていないカーボンブラック等の導電助剤を添加してもよい。
(正極の製造方法)
一方、正極10は、公知の方法により製造できる。具体的には、例えば、正極集電体12としては、アルミニウム製の箔等を使用できる。また、正極活物質層14としては、正極活物質、導電助剤、及び、バインダーを含むものを使用できる。バインダーは、負極と同様のものを使用できる。
正極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、ClO )とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の電極活物質を使用できる。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMn(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)等の複合金属酸化物が挙げられる。
導電助剤としては、例えば、カーボンブラック等の炭素材料、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
正極10の製造方法は、負極20の製造方法と同様にスラリーを調整して集電体に塗布すればよい。
(リチウムイオン二次電池の製造方法)
さらに、上述の正極及び負極以外に、電解質溶液、セパレータ18、ケース50、リード60、62を用意する。
電解質溶液は、正極活物質層14、負極活物質層24、及び、セパレータ18の内部に含有させるものである。電解質溶液としては、特に限定されず、例えば、第1実施形態では、リチウム塩を含む電解質溶液(電解質水溶液、有機溶媒を使用する電解質溶液)を使用することができる。ただし、電解質水溶液は電気化学的に分解電圧が低いことにより、充電時の耐用電圧が低く制限されるので、有機溶媒を使用する電解質溶液(非水電解質溶液)であることが好ましい。電解質溶液としては、リチウム塩を非水溶媒(有機溶媒)に溶解したものが好適に使用される。リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiClO4、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiCF3、CF2SO3、LiC(CF3SO23、LiN(CF3SO22、LiN(CF3CF2SO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiN(CF3CF2CO)2、LiBOB等の塩が使用できる。なお、これらの塩は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、及び、ジエチルカーボネート等が好ましく挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を任意の割合で混合して使用してもよい。
なお、第1実施形態において、電解質溶液は液状以外にゲル化剤を添加することにより得られるゲル状電解質であってもよい。また、電解質溶液に代えて、固体電解質(固体高分子電解質又はイオン伝導性無機材料からなる電解質)が含有されていてもよい。
また、セパレータ18も、電気絶縁性の多孔体から形成されていればよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリオレフィンからなるフィルムの単層体、積層体や上記樹脂の混合物の延伸膜、或いは、セルロース、ポリエステル及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも1種の構成材料からなる繊維不織布が挙げられる。
ケース50は、その内部に積層体30及び電解液を密封するものである。ケース50は、電解液の外部への漏出や、外部からのリチウムイオン二次電池100内部への水分等の侵入等を抑止できる物であれば特に限定されない。例えば、ケース50として、図1に示すように、金属箔52を高分子膜54で両側からコーティングした金属ラミネートフィルムを利用できる。金属箔52としては例えばアルミニウム箔を、高分子膜54としてはポリプロピレン等の膜を利用できる。例えば、外側の高分子膜54の材料としては融点の高い高分子例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等が好ましく、内側の高分子膜54の材料としてはポリエチレン、ポリプロピレン等が好ましい。
リード60,62は、アルミニウム、ニッケル等の導電材料から形成されている。
そして、公知の方法により、リード60、62を正極集電体12、負極集電体22にそれぞれ溶接し、正極10の正極活物質層14と負極20の負極活物質層24との間にセパレータ18を挟んだ状態で、電解液と共にケース50内に挿入し、ケース50の入り口をシールすればよい。
第1実施形態では、金属酸化物の粒子群2は炭素材料1の表面に担持された活物質5を用いている。これにより、従来に比してサイクル特性が良好となる。このことは、金属酸化物の粒子群2が炭素材料1の表面に直接担持されることにより、金属酸化物の粒子群2と炭素材料1との密着性が向上することが関与しているものと考えられる。この場合、充放電時に金属酸化物に膨張収縮が生じたとしても、金属酸化物の粒子群2が炭素材料1から解離することが抑制されることとなり、電子伝導性を維持しやすいためであると考えられる。また、金属酸化物の平均結晶子サイズがnmサイズであり非常に小さいことも、サイクル特性向上の一因となっているとも考えられる。この要因は、リチウムイオンの挿入脱離に伴う結晶の膨張収縮が起こる場合であっても、平均結晶子サイズが小さいことによって結晶の破壊が起こりにくいためと推測される。
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。本発明では、金属酸化物の粒子群2を担持する前の炭素材料1を用いてあらかじめ負極活物質層24を含む負極20を製造する。そして、この負極20を、金属フルオロ錯体を含む水溶液に接触させることにより、負極活物質層24中の炭素材料1の表面に金属酸化物の粒子群2を担持する。
負極20の製造方法については、表面改質を行っていない炭素材料1を用いる以外は第1実施形態と同様である。また、負極20を接触させる金属フルオロ錯体を含む水溶液についても第1実施形態と同様である。また、接触させる条件については、第1実施形態と同様にすればよい。
第2実施形態においても、負極を処理することにより、負極活物質層24中の炭素材料1の表面が第1実施形態と同様に改質され、金属酸化物の粒子群2が担持される。これにより、第1実施形態と同様に、本願発明の効果を得ることができる。
参考例1]
SnF(森田化学工業社製)とHBO(関東化学社製)とを水に溶解させ、それぞれの濃度が0.01M、0.05Mである水溶液を800ml準備した。この水溶液にカーボンブラック(電気化学工業社製、平均粒径:36nm)10gを添加し、室温で撹拌して分散させた。67時間後、溶液をろ過・水洗した後に乾燥して、Sn酸化物の粒子群により被覆されたカーボンブラックを回収した。ろ液のpHは2.6であった。
このカーボンブラックに付着した金属酸化物について、ICP(高周波誘導結合プラズマ分析装置、島津製作所製ICPS−8000)で測定したところ、金属酸化物担持カーボンブラック中にはSnOが9.8質量%含まれていた。このSn酸化物に被覆されたカーボンブラックのX線回折(XRD)パターンを測定(PANalytical製、型式:X’pert MPD、線源種:Cu)したところ、SnOのピークが検出され、結晶質のSnOが存在していることが確認された。SnO2のピークからシェラー式により求めた平均結晶子サイズは約4.4nmであった。なお、SnO2由来の全てのピークの半値幅を用いてそれぞれについて結晶子サイズを算出し、その平均値を平均結晶子サイズとした。
また、このSnOに被覆されたカーボンブラック(以下、SnO担持CBと表記する。)を走査型透過電子顕微鏡(STEM)で分析した。SnO担持CBのTEM像を、図3及び図4に示す。図3は、高倍率のTEM写真であるが、SnO粒子の平均結晶子サイズは、約5nmであることが確認された。また、図4は、低倍率のTEM写真であるが、カーボンブラックの周囲にSnO粒子が付着しているのが確認された。なお、図4中、CBはカーボンブラックに相当し、Aは分析に用いた埋め込み樹脂に相当する。
[電極の作製]
このSnO担持CBを負極活物質とし、PVDFをバインダーとして負極を作製した。PVDFを溶解したNMP溶液に、このSnO担持CBを加えて混合し塗料を作製した。組成比は、SnO担持CB:PVDF=75.0:25.0質量%であった。この塗料を集電体である銅箔(厚み16μm)にドクターブレード法で塗布後、乾燥(100℃)、圧延した。
[電池の作製]
次に、得られた負極と、その対極であるLi箔(厚さ100μm)とを、それらの間にポリエチレンからなるセパレータを挟んで積層し、積層体(素体)を得た。この積層体を、アルミラミネートパックに入れ、このアルミラミネートパックに電解液である1MLiPF/EC+DEC(30:70、体積比)を注入した後、真空シールし、電極評価用セル(縦48mm、横34mm、厚さ2mm)を作製した。
〔電気特性の評価〕
この電池の電池特性について、充放電電流0.1Cで電圧範囲0〜3V、測定温度25℃で測定した。初期放電容量を100%とすると、100サイクル後の放電容量は90%であった。
[実施例2]
SnFとHBOとを水に溶解させ、それぞれの濃度が0.01M、0.05Mである水溶液を800ml準備した。この水溶液にカーボンブラック10gを添加し、室温で撹拌して分散させた。24時間後、溶液をろ過・水洗した後に乾燥して、Sn酸化物の粒子群により被覆されたカーボンブラックを回収した。ろ液のpHは3.4であった。
この金属酸化物担持CBについてXRD測定をしたところ、SnOのピークが検出され、結晶質のSnOが存在していることが確認された。また、XRD測定により求めたこのSnO粒子の平均結晶子サイズは3.4nmであった。また、XRFで測定(蛍光X線分析装置、リガクZSX−100e)したところ、金属酸化物担持CB中にはSnOが1.6質量%含まれていた。参考例1と同様に電極・電池の作製、電池特性の測定を行った。初期放電容量を100%とすると、100サイクル後の放電容量は91%であった。
[実施例3]
SnFを水に溶解させ、濃度が0.1Mである水溶液を800ml準備した。この水溶液にカーボンブラック10gを添加し、室温で撹拌して分散させた。71時間後、溶液をろ過・水洗した後に乾燥して、Sn酸化物の粒子群により被覆されたカーボンブラックを回収した。ろ液のpHは2.0であった。
この金属酸化物担持CBをXRD測定したところ、SnOのピークが検出され、結晶質のSnOが存在していることが確認された。また、XRD測定により求めたこのSnO粒子の平均結晶子サイズは2.5nmであった。また、XRF(蛍光X線分析装置、リガクZSX−100e)で測定したところ、金属酸化物担持CB中にはSnOが13.1質量%含まれていた。参考例1と同様に電極・電池の作製、電池特性の測定を行った。初期放電容量を100%とすると、100サイクル後の放電容量は92%であった。
[比較例1]
関東化学(株)製の試薬のSnO粒子を負極活物質とし、電極の組成をSnO:CB:PVDF=90.0:5.0:5.0質量%とした以外は、電極・電池の作製方法、電池特性の測定方法は参考例1と同様にした。XRD測定により求めたこのSnO粒子の平均結晶子サイズは、11nmであった。初期放電容量を100%とすると、100サイクル後の放電容量は10%であった。
[比較例2]
関東化学(株)製の試薬のSnO粒子を負極活物質とし、電極・電池の作製方法、電池特性の測定方法は参考例1と同様にした。XRD測定により求めたこのSnO粒子の平均結晶子サイズは、77nmであった。初期放電容量を100%とすると、100サイクル後の放電容量は9%であった。
[比較例3]
シーアイ化成(株)製の試薬のSnO粒子を負極活物質とし、電極・電池の作製方法、電池特性の測定方法は参考例1と同様にした。XRD測定により求めたこのSnO粒子の平均結晶子サイズは、18nmであった。初期放電容量を100%とすると、100サイクル後の放電容量は11%であった。
[比較例4]
SnF、HBO、PEG200(分子量200のポリエチレングリコール)を用いてSnO粒子単体を合成した。水500mlにSnFを溶解させ、次にHBOを溶解させた。そして、PEG200を添加し、水を加えて800mlの水溶液とした。SnF、HBO、PEG200のそれぞれの濃度は、0.01M、0.05M、1Mであった。この水溶液は、数分すると白く濁ってSnO粒子が生成していることがわかった。室温静置3日後にこの分散液を遠心分離・ろ過・水洗した後に乾燥を行い、超微粒子状のSnO粒子を得た。XRD測定により求めたこのSnO粒子の平均結晶子サイズは、3.0nmであった。このSnO粒子を負極活物質として、参考例1と同様に電極・電池の作製、電池特性の測定を行った。初期放電容量を100%とすると、100サイクル後の放電容量は20%であった。
[比較例5]
比較例4のSnO粒子を負極活物質とし、電極の組成を実施例2と同様にSnO:CB:PVDF=1.2:73.8:25.0質量%とした以外は、電極・電池の作製方法、電池特性の測定方法は参考例1と同様にした。初期放電容量を100%とすると、100サイクル後の放電容量は30%であった。
[実施例4]
金属フルオロ錯体として(NHTiFを使用し、反応時間を24時間とした以外は、全て参考例1と同様に活物質の作製を行った。ろ液のpHは3.6であった。XRD測定によりTiO(アナターゼ型)のピークが検出され、結晶質のTiOが存在していることが確認された。XRD測定による平均結晶子サイズは、16nmであった。TiO2(アナターゼ型)由来の全てのピークの半値幅を用いてそれぞれについて結晶子サイズを算出し、その平均値を平均結晶子サイズとした。XRFで測定したところ金属酸化物担持CB中にはTiOが0.29質量%含まれていた。参考例1と同様に電極・電池の作製、電池特性の測定を行った。初期放電容量を100%とすると、100サイクル後の放電容量は91%であった。
[実施例5]
反応時間を70時間とした以外は、全て実施例4と同様に行った。ろ液のpHは3.6であった。XRD測定によりTiO(アナターゼ型)のピークが検出され、結晶質のTiOが存在していることが確認された。XRD測定による平均結晶子サイズは、18nmであった。金属酸化物担持CB中にはTiOが1.8質量%含まれていた。初期放電容量を100%とすると、100サイクル後の放電容量は90%であった。
[実施例6]
(NHTiF、HBOのそれぞれの濃度を0.1M、0.2M、反応時間を71時間とした以外は、全て実施例4と同様に行った。ろ液のpHは3.8であった。XRD測定によりTiO(アナターゼ型)のピークが検出され、結晶質のTiOが存在していることが確認された。XRD測定による平均結晶子サイズは、15nmであった。金属酸化物担持CB中にはTiOが10.9質量%含まれていた。初期放電容量を100%とすると、100サイクル後の放電容量は92%であった。
[比較例6]
関東化学(株)製の試薬のTiO粒子(ルチル型)を負極活物質とし、電極・電池の作製方法、電池特性の測定方法は比較例1と同様に行った。XRD測定により求めたこのTiO粒子の平均結晶子サイズは、670nmであった。初期放電容量を100%とすると、100サイクル後の放電容量は15%であった。
[比較例7]
シーアイ化成(株)製の試薬のTiO粒子(アナターゼ型)を負極活物質とし、電池の作製方法、電池特性の測定方法は比較例1と同様に行った。XRD測定により求めたこのTiO粒子の平均結晶子サイズは、38nmであった。初期放電容量を100%とすると、100サイクル後の放電容量は18%であった。
[比較例8]
(NHTiF、HBO、PEG200を用いて、TiO粒子単体を合成した。水500mlに(NHTiFを溶解させ、次にHBOを溶解させた。そして、PEG200を添加し、水を加えて800mlの水溶液とした。(NHTiF、HBO、PEG200の各濃度は、0.01M、0.05M、1Mであった。この水溶液は、数分すると白く濁ってTiO粒子が生成していることがわかった。室温静置3日後にこの分散液を遠心分離・ろ過・水洗した後に乾燥を行い、超微粒子状のTiO粒子を得た。XRD測定により求めたこのTiO粒子の平均結晶子サイズは、7.3nmであった。このTiO粒子を負極活物質として、参考例1と同様に電極・電池の作製、電池特性の測定を行った。初期放電容量を100%とすると、100サイクル後の放電容量は30%であった。
[比較例9]
比較例8のTiO粒子(アナターゼ型)を負極活物質とし、電極の組成を実施例4と同様のTiO:CB:PVDF=0.2:74.8:25.0質量%とした以外は、電極・電池の作製方法、電池特性の測定方法は参考例1と同様に行った。初期放電容量を100%とすると、100サイクル後の放電容量は40%であった。
表2、3に参考例1、実施例〜6及び比較例1〜9の活物質、平均結晶子サイズ、活物質組成、電極組成及び電池特性の評価結果について示す。

図1は、第1実施形態にかかるリチウムイオン二次電池を説明する概略断面図である。 図2は、第1実施形態にかかる活物質の概略断面図である。 図3は、参考例1により得られた活物質の高倍率のTEM写真である。 図4は、参考例1により得られた活物質の低倍率のTEM写真である。
符号の説明
1…炭素材料、2…金属酸化物の粒子群、2a…層、5…活物質、20…負極(電極)、24…負極活物質層(活物質層)、100…リチウムイオン二次電池。

Claims (8)

  1. 炭素材料と、前記炭素材料の表面に直接担持された金属酸化物の粒子群と、を備え、前記金属酸化物の粒子群が、酸化すずの粒子群及び酸化チタンの粒子群からなる群から選択される少なくとも1つであり、前記酸化すずの粒子群の平均結晶子サイズが1〜4nmである活物質の製造方法であって、
    炭素材料に対して、金属フルオロ錯体と、前記金属フルオロ錯体からふっ化物イオンを化学的に捕捉する捕捉剤とを含む水溶液を接触させる工程を備え、
    前記炭素材料は、カーボンブラック又は活性炭であり、
    前記金属フルオロ錯体は、すずフルオロ錯体及びチタンフルオロ錯体からなる群から選択される少なくとも1つである、活物質の製造方法。
  2. 炭素材料と、前記炭素材料の表面に直接担持された金属酸化物の粒子群と、を備え、前記金属酸化物の粒子群が、酸化すずの粒子群及び酸化チタンの粒子群からなる群から選択される少なくとも1つであり、前記酸化すずの粒子群の平均結晶子サイズが1〜4nmである活物質を含有する活物質層を備えた電極の製造方法であって、
    炭素材料及びバインダーを含有する活物質層を備えた電極に対して、金属フルオロ錯体を含む水溶液を接触させる工程を備え、
    前記金属フルオロ錯体は、すずフルオロ錯体及びチタンフルオロ錯体からなる群から選択される少なくとも1つである、電極の製造方法。
  3. 炭素材料に対して、すずフルオロ錯体及びチタンフルオロ錯体からなる群から選択される少なくとも1つである金属フルオロ錯体を含む水溶液を接触させることにより生成する活物質であって、
    炭素材料と、前記炭素材料の表面に直接担持された金属酸化物の粒子群と、を備え、
    前記金属酸化物の粒子群は、酸化すずの粒子群及び酸化チタンの粒子群からなる群から選択される少なくとも1つであり、
    前記酸化すずの粒子群の平均結晶子サイズは、1〜4nmである、活物質。
  4. 前記炭素材料は、カーボンブラック又は活性炭である、請求項3記載の活物質。
  5. 前記酸化チタンの粒子群の平均結晶子サイズは、3〜20nmである、請求項3又は4記載の活物質。
  6. 前記金属酸化物の粒子群は前記炭素材料の表面で層を形成し、前記層の厚みは、5〜30nmである、請求項3〜5のいずれか一項記載の活物質。
  7. 請求項3〜6のいずれか一項記載の活物質を有する、電極。
  8. 請求項7記載の電極を備える、リチウムイオン二次電池。
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