JP5383264B2 - 電線、電線構造体、電線の製造方法、および電線構造体の製造方法 - Google Patents

電線、電線構造体、電線の製造方法、および電線構造体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電線および電線の製造方法などに関し、特に、電線が水や油などが多く存在する環境で使用される電線および電線の製造方法などに関する。
複数の素線(金属線)からなる芯線が被覆部により被覆された電線は既に広く知られている。この種の電線は、その端部や、接続された機能部品の接続部分などが、水や油などが多く存在する環境で使用されることがある。この場合に電線は、その内部において、複数の素線が撚られるなどして中心部に集合された状態で芯線が配設されているものの、素線間には小さな隙間があいた状態で配設されているため、電線の芯線の端部など(被覆部から露出した箇所)が水や油などに浸かってしまうと、毛細管現象によりこれらの水や油などが複数の素線間の隙間を通して流れ込んでしまい、芯線の酸化などの不具合を発生するおそれがある。
このような不具合に対処する方法として、例えば、特許文献1には、複数の素線からなる芯線において、所定長さ毎に素線同士を互いに溶着させたり、素線間にシアノアクリレートなどのシール材を充填したりして、素線間の隙間を埋める構造が開示されている。この構造によれば、電線の芯線に水や油などが外部から侵入した場合でも、前記溶着部やシール材充填部により水や油などがせき止められ、この水や油などが電線内をさらに進んで流れ込むことを阻止できる。
また、特許文献2には、電線の端部から露出した複数の素線(当該特許文献2では芯線と表記している)の端部に、熱硬化性樹脂を浸漬して、電線の端部から露出した複数の素線間に水や油などが侵入することを防止する構造が開示されている。
また、特許文献3には、超低密度ポリエチレン等に吸水膨張性高分子を混合してなる水密組成物を素線間の隙間に充填した構造が開示されており、また、特許文献4には、複数の素線の外周面および隙間に高吸水性樹脂粉末を充填付着させた構造が開示されている。これらの構成によれば、電線の端部から素線の外周面や隙間に水が浸入すると前記吸水膨張性高分子や前記高吸水性樹脂粉末が膨潤して素線間の隙間が閉鎖され、水が浸入することを防止できるよう構成されている。
すなわち、これらの特許文献1〜4においては、単体の電線において、複数の素線間に水や油などが浸入して、電線の内部を長手方向に沿って水が浸入することを阻止する構造が開示されている。
しかし、これらの引用文献1〜4の技術を採用することにより、電線内の素線間の隙間を埋め、水、油の侵入を抑制することはできるが、電線使用時の電線外部からの負荷応力によって、電線が屈曲したり歪みが生じた際に、使用材料の親和性、密着が不十分な場合には、電線被覆材と充填材、充填材と素線間で界面剥離を生じ、再び電線内に隙間が生じてしまう懸念があった。また、電線の端部における複数の素線間に各種のシール材を充填したものを用いて、電線の端部同士を接続すると、接続部分にシール材が混入するなどして接続不良を招いてしまうおそれがあり、また、接続状態が良好になるようにシール材の充填量を抑えるなどして変更すると、シール不良となってしまうおそれがある。
これに対して、特許文献5には、互いに接続した2本の電線間で、片方の電線内から他方の電線内に油が流れないよう図った電線の接続装置が開示されている。この電線の接続装置は、図6に示すように、電線51、52の端部の被覆部(当該文献では皮膜と表記)を剥離させ、これにより外部に露出した状態となった芯線53、54(当該文献では金属線と表記)を、導電性の金属板よりなるジョイント端子55でかしめて接続し、この接続部(当該文献では連結部と表記)をターミナルケース56の空洞内に挿入するとともに、このターミナルケース56の空洞内に、エポキシ樹脂またはシリコン樹脂などの絶縁性、耐熱性、耐油性を有する樹脂57を注入して、前記接続部および電線51、52の端部近傍箇所と、ターミナルケース56の内周面との間の間隙を埋めるように樹脂57を充填、固化させたものである。なお、図6における58はターミナルケース56内に押し込まれたゴムブッシュである。
また、図7に示すように、特許文献6においても同様な接続装置が開示されている(図6に示す接続装置と同様な機能を有する構成要素に同符号を付し、その説明を省略する)。なお、この特許文献6においては、充填される樹脂57が柔軟性を有する熱硬化性樹脂とされ、気密性を向上させるよう図られている。
なお、ジョイント端子55による電線51、52の端部の芯線53、54同士の接続装置については、各文献において詳細な記載はないが、一般には、電線51、52の端部の芯線53、54同士が重なる状態でジョイント端子55をかしめて接続することが通例である。
これらの特許文献5、特許文献6に記載された電線の接続装置によれば、電線51、52を電気的に接続できるとともに、露出した芯線53、54の周りにも樹脂57が充填されているため、電線51、52における芯線53、54と被覆部との境界面などをつたって流れてきた油が外部に漏れ出たり、外部から接続部分側に侵入したりすることを最小限に抑えることができる。
特開2005−276766号公報 特開2007−317470号公報 特開平10−204227号公報 特開平8−185722号公報 特公平1−59467号公報 特許2766558号公報
しかしながら、特許文献5、特許文献6に記載された従来の電線の接続装置では、単に、電線51、52の芯線53、54やジョイント端子55の周りに樹脂57を充填しただけの構成であるので、芯線53、54が複数の素線から構成されている場合に、芯線53、54における素線間の隙間に樹脂57が良好には充填されないおそれがある。また特にジョイント端子55の内部では、芯線53、54同士がジョイント端子55により押圧力をかけられた状態で圧接されているので、ジョイント端子55でかしめられた芯線53、54における素線間の極めて小さくなった隙間や、芯線53、54とジョイント端子55内周面との間の隙間には樹脂57が良好には充填されないおそれがある。したがって、これらのように、芯線53、54における素線間の隙間に樹脂57が良好には充填されなかったり、芯線53、54における素線間の極めて小さくなった隙間や、芯線53、54とジョイント端子55内周面との間の隙間に樹脂57が良好には充填されなかったりした場合には、これらの隙間を通して毛細管現象により、油が一方の芯線53から他方の芯線54に流れ込んでしまうおそれがある。
また、特許文献5に記載された従来の電線の接続装置では、単に、ジョイント端子55の空洞部に樹脂57を充填しただけであるので、図6に示す、電線51の被覆部外周と樹脂57との境界面や、被覆されていない芯線53、54の外周と樹脂57との境界面や、ジョイント端子55の外周と樹脂57との境界面などに僅かではあるが隙間を生じるおそれがある。したがって、一方の電線51の被覆部外周と樹脂57との境界面や、電線51における芯線53と樹脂57との境界面をつたって流れてきた油が、ジョイント端子55の外周と樹脂57との境界面を介してつたわって、他方の電線52の被覆されていない芯線54部分から、他方の電線52内に侵入するおそれがある。
さらに、特許文献5、6に開示された電線の接続装置は、何れも構造が極めて複雑であるので、製造コストが多大となる欠点もある。
本発明は上記課題を解決するもので、連続した電線であって、電線内に水、油が侵入した場合であっても、水、油が電線を接続した機器側にまで移動しないよう、連続した電線の一部を切断し、そこに付加的に接続構造を設けることで、水、油の移動を確実に遮断するものであり、通常の電線、または充填材によって隙間を埋めた電線を用いた場合であっても、電線使用時に電線外部から負荷応力が加わり、水、油の移動を促すような隙間を完全に閉じ、そこから先に水、油の移動が生じないよう遮断する、高い信頼性を持った電線および電線の製造方法や、これに類似する電線構造体および電線構造体の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明の電線は、複数の素線からなる芯線が被覆部で被覆された電線であって、各電線の芯線同士が、隙間を有して互いに接していない状態で、はんだ付けされ、はんだ付け部と、各芯線におけるはんだ付け部および被覆部から露出した部分と、各被覆部の端部とが、第1の樹脂で封止されてなる内側樹脂封止部により覆われ、前記内側樹脂封止部における前記はんだ付け部に対応する箇所の外周に、この内側樹脂封止部の外周を全周から締め付ける締付け材が配設され、前記内側樹脂封止部と、前記締付け材の両側面部と、前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分とが、第2の樹脂で封止されてなる外側樹脂封止部により覆われていることを特徴とする。
この構成により、各電線の芯線同士が、隙間を有して互いに接していない状態で、はんだ付けされているので、電線の芯線間にはんだが確実に良好に流れ込み、電線の芯線間に隙間を生じることを確実に防止できる。したがって、各電線の芯線同士を良好に接続させることができるとともに、一方の電線の芯線における素線間に油や水などが浸入していた場合でも、この油や水などがはんだ付け部で確実にせき止められ、他方の電線の芯線に油や水などが浸入することを防止できる。つまり、各電線の芯線同士を当接させた状態ではんだ付けすると、当接部近傍にはんだが入りこまない小さな隙間を生じるおそれがある。したがって、一方の電線の芯線における素線間に油や水などが浸入していた場合には、前記隙間を介して一方の電線の芯線に侵入していた油や水などが他方の電線の芯線に侵入してしまうおそれがあるが、本発明ではこのような不具合を生じることが無い。
また、はんだ付け部、各芯線の露出部、および各被覆部の端部が、第1の樹脂で封止されてなる内側樹脂封止部により覆われているだけでなく、前記内側樹脂封止部における前記はんだ付け部に対応する箇所の外周に、この内側樹脂封止部の外周を全周から締め付ける締付け材が配設されているので、締付け材の締付け力によって、はんだ付け部と内側樹脂封止部との境界面に隙間を生じることを確実に防止でき、この結果、一方の電線内部に油や水などが浸入していた場合でも、この油や水などが、はんだ付け部と内側樹脂封止部との境界面を介して、他の電線側に移動することをより確実に防止することができる。さらに、一方の電線側の内側樹脂封止部と外側樹脂封止部との境界面に油や水がしみこんだ場合でも、この境界面に沿って流れようとした(しみ込もうとした)油や水が締付け材でせき止められて、他方の電線側に流れ込むことを防止できる。
また、本発明の電線構造体は、複数の素線からなる芯線が被覆部で被覆された電線と、被覆されていない金属体とが、電気的に接続されてシールされた電線構造体であって、前記電線の芯線と前記金属体とが、隙間を有して互いに接していない状態で、はんだ付けされ、はんだ付け部と、前記芯線におけるはんだ付け部および被覆部から露出した部分と、前記金属体のはんだ付け部から露出した部分とが、第1の樹脂で封止されてなる内側樹脂封止部により覆われ、前記内側樹脂封止部における前記はんだ付け部に対応する箇所の外周に、この内側樹脂封止部の外周を全周から締め付ける締付け材が配設され、前記内側樹脂封止部と、前記締付け材の両側面部と、前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分と、前記金属体の前記内側樹脂封止部から露出した部分とが、第2の樹脂で封止されてなる外側樹脂封止部により覆われていることを特徴とする。
この構成により、電線の芯線と金属体とが、隙間を有して互いに接していない状態で、はんだ付けされているので、電線の芯線と金属体との間にはんだが確実に良好に流れ込んで、これらの間に隙間を生じることを確実に防止できる。したがって、電線の芯線と金属体とを良好に接続させることができるとともに、一方の電線の芯線における素線間に油や水などが浸入していた場合でも、この油や水などがはんだ付け部で確実にせき止められ、金属体側に油や水などが浸入することを防止できる。つまり、電線の芯線と金属体とを当接させた状態ではんだ付けすると、当接部近傍にはんだが入りこまない小さな隙間を生じるおそれがある。したがって、電線の芯線における素線間に油や水などが浸入していた場合には、前記隙間を介して電線の芯線に侵入していた油や水などが金属体に侵入してしまうおそれがあるが、本発明ではこのような不具合を生じることが無い。
また、はんだ付け部と、前記芯線の露出部分と、前記金属体のはんだ付け部から露出した部分とが、第1の樹脂で封止されてなる内側樹脂封止部により覆われているだけでなく、内側樹脂封止部における前記はんだ付け部に対応する箇所の外周に、この内側樹脂封止部の外周を全周から締め付ける締付け材が配設されているので、締付け材の締付け力によって、はんだ付け部と内側樹脂封止部との境界面に隙間を生じることを確実に防止でき、この結果、電線内部に油や水などが浸入していた場合でも、この油や水などが、はんだ付け部と内側樹脂封止部との境界面を介して、金属体側に移動することを防止することができる。さらに、電線側の内側樹脂封止部と外側樹脂封止部との境界面に油や水がしみこんだ場合でも、この油や水が締付け材でせき止められて、金属体側に流れ込むことを防止できる。
また、本発明の電線、または電線構造体は、前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分の外周に、前記電線の外周を全周から締め付ける補助締付け材が配設され、前記内側樹脂封止部と、前記締付け材の少なくとも両側面部と、前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分と、前記補助締付け材とが、前記第2の樹脂で封止されてなる前記外側樹脂封止部により覆われていることを特徴とする。
この構成により、前記外側樹脂封止部をなす前記第2の樹脂と前記電線の被覆部や前記金属体との密着性があまりよくない場合でも、前記補助締付け材の締付け力により、前記補助締付け材が前記電線の被覆部や前記金属体に密着することになる。したがって、例え、前記電線の内部から油や水が前記電線の被覆部の周りを伝わって、前記外側樹脂封止部との境界面に沿って移動した場合でも、この油や水が前記補助締付け材によりせき止められ、これにより、前記外側樹脂封止部より外部に油や水が染み出てくることを防止することができる。
また、本発明の電線の製造方法は、複数の素線からなる芯線が被覆部で被覆された電線の製造方法であって、各電線の芯線同士を、隙間を有して互いに接していない状態で、はんだ付けするはんだ付け工程と、はんだ付け部と、各芯線におけるはんだ付け部および被覆部から露出した部分と、各被覆部の端部とを、第1の樹脂で封止して内側樹脂封止部を形成する内側樹脂封止工程と、前記内側樹脂封止部における前記はんだ付け部に対応する箇所の外周に、この内側樹脂封止部の外周を全周から締め付ける締付け材を配設する締付け材配設工程と、前記内側樹脂封止部と、前記締付け材の両側面部と、前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分とを、第2の樹脂で封止して外側樹脂封止部を形成する外側樹脂封止工程とを有することを特徴とする。これにより、電線同士を良好に接続できながら、一方の電線側からの油や水などが他方の電線側に浸入することを確実に防止できる電線を得ることができる。
また、本発明の電線構造体の製造方法は、複数の素線からなる芯線が被覆部で被覆された電線と、被覆されていない金属体とを、電気的に接続してシールする電線構造体の製造方法であって、前記電線の芯線と前記金属体とを、隙間を有して接していない状態で、はんだ付けするはんだ付け工程と、はんだ付け部と、前記芯線におけるはんだ付け部および被覆部から露出した部分と、前記金属体のはんだ付け部から露出した部分とを、第1の樹脂で封止して内側樹脂封止部を形成する内側樹脂封止工程と、前記内側樹脂封止部における前記はんだ付け部に対応する箇所の外周に、この内側樹脂封止部の外周を全周から締め付ける締付け材を配設する締付け材配設工程と、前記内側樹脂封止部と、前記締付け材の両側面部と、前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分と、前記金属体の前記内側樹脂封止部から露出した部分とを、第2の樹脂で封止して外側樹脂封止部を形成する外部側樹脂封止工程とを有することを特徴とする。これにより、電線と金属体とを良好に接続できながら、電線側からの油や水などが金属体側に浸入することを確実に防止できる電線の接続装置を得ることができる。
また、本発明の電線または電線構造体の製造方法は、前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分の外周に、前記電線の外周を全周から締め付ける補助締付け材を配設する補助締付け材配設工程を有し、前記外側樹脂封止工程において、前記内側樹脂封止部と、前記締付け材の少なくとも両側面部と、前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分と、前記補助締付け材とを、前記第2の樹脂で封止して前記外側樹脂封止部を形成することを特徴とする。
本発明によれば、各電線の芯線同士、または電線の芯線と金属体とを、隙間を有して互いに接していない状態で、はんだ付けしたことにより、各電線の芯線同士、または電線の芯線と金属体とを、良好に接続させることができるとともに、一方の電線の芯線における素線間に油や水などが浸入していた場合でも、この油や水などをはんだで確実にせき止めることができて、他方の電線の芯線や金属体に油や水などが浸入することを防止でき、この結果、水密性などの信頼性を向上することができる。また、内側樹脂封止部におけるはんだ付け部に対応する箇所の外周に、この内側樹脂封止部の外周を全周から締め付ける締付け材を配設したことによって、はんだと内側樹脂封止部との境界面に隙間を生じることを確実に防止でき、この結果、一方の電線内部に油や水などが浸入していた場合でも、この油や水などが、はんだと内側樹脂封止部との境界面を介して、他の電線側や金属体側に移動することを防止することができ、これによっても、水密性などの信頼性を向上することができる。さらに本発明によれば、各電線の芯線同士、または電線の芯線と金属体との間での、気体の侵入も確実に防止することができ、水密性だけでなく、良好な気密性を確保することができる。
また、前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分の外周に、前記電線の外周を全周から締め付ける前記補助締付け材を装着したことにより、前記補助締付け材が前記電線の被覆部や前記金属体に密着することになる。したがって、例え、前記電線の内部から油や水が前記電線の被覆部の周りを伝わって、前記外側樹脂封止部との境界面に沿って移動した場合でも、この油や水が前記補助締付け材によりせき止められ、これにより、前記外側樹脂封止部より外部に油や水が染み出てくることを防止することができ、さらに水密性などの信頼性を向上することができる。
(a)および(b)はそれぞれ本発明の実施の形態に係る電線の断面図である。 (a)〜(f)はそれぞれ同電線の各製造工程の外形を示す図である。 (a)〜(f)はそれぞれ同電線の各製造工程を示す断面図である。 (a)および(b)はそれぞれ本発明の他の実施の形態に係る電線構造体の断面図である。 (a)〜(f)はそれぞれ同他の実施の形態に係る電線構造体の各製造工程を示す断面図である。 従来の電線の接続装置の断面図である。 他の従来の電線の接続装置の断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る電線および電線の製造方法、電線構造体および電線構造体の製造方法を図面に基づき説明する。図1は本発明の実施の形態に係る電線の断面図、図2は同電線の各製造工程の外形を示す図、図3は同電線の各製造工程を示す断面図である。
図1(a)に示すように、本発明の実施の形態に係る電線は、複数の素線(図示せず)の撚り線(撚っていないものでもよい)からなる芯線11、21が被覆部12、22で被覆された電線10、20同士を、互いに電気的に接続させてシールさせたものである。そして特に、本発明の実施の形態に係る電線は、各電線10、20の芯線11、21同士が、隙間を有しており、互いに接していない状態で、はんだ付けされている。より詳しくは、各電線10、20の芯線11、21の端面同士が対向し、これらの端面の間に隙間を有する姿勢で配置されているとともに、電線10、20の芯線11、21の各端面と、これらの端面に続く各芯線11、21の外周面をはんだが覆う状態ではんだ付けされている。また、はんだ付け部30と、各芯線11、21におけるはんだ付け部30および被覆部12、22から露出した露出部11a、21aと、各被覆部12、22の端部12a、22aとが、第1の樹脂で封止されてなる内側樹脂封止部31により円柱状に囲まれた状態で覆われている。そして、内側樹脂封止部31におけるはんだ付け部30に対応する箇所の外周に、この内側樹脂封止部31の外周を全周から締め付けるリング状の締付け材32が配設され、また、各電線10、20における内側樹脂封止部31から露出した部分の外周には、電線10、20の外周を全周から締め付けるリング状の補助締付け材34がそれぞれ配設されている。さらに、内側樹脂封止部31と、締付け材32の両側面部と、電線10、20における内側樹脂封止部31から露出した部分と、各電線10、20に装着された補助締付け材34とが、第2の樹脂で封止されてなる外側樹脂封止部33により円柱状(角柱状などでもよい)に囲まれた状態で覆われている。なお、補助締付け材34は必ずしも設けなくてもよい。また、図1(b)に示すように、外側樹脂封止部33により、締付け材32の両側面部だけでなく、その外周面も含めて、すなわち、締付け材32全体を覆ってもよい。
また、このような電線10、20を配設する使用環境としては、連続した電線10、20の途中部分や電線10、20の接続部分が、水や油などが多く存在する環境で使用される。例えば、電線10が各種のセンサなどの機能部品の電線部分であり、この機能部品の電線部分や端部が、潤滑油が貯留されている自動車のエンジンなどに配設され、この機能部品に、電気を供給するとともに信号を受け取る信号線である電線20が接続される場合など(すなわち、電線10、20の途中部分が油中や水中に配線される場合、または電線10または電線20の先端部分が油中や水中に配線される場合など)である。
ここで、内側樹脂封止部31をなす第1の樹脂としては、エラストマー樹脂が適している。さらにこのエラストマー樹脂としては、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体)、SEBS(スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共重合体)、SEPS(スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロック共重合体)などのポリスチレン系熱可塑性エラストマー(TPE)、または部分架橋TPO、動的架橋TPO(TPV)などのポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPE)、またはポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPE)、またはポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリアミド系(PA6、PA12)熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリ塩化ビニル系熱可塑性エラストマー(TPE)などを用いるとよい。
また、電線10、20の被覆部12、22をなす材料としては、ポリ塩化ビニル系樹脂(補助締付け材34を設けない場合)、架橋/非架橋ポリエチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、フッ素系樹脂(PFAほか、補助締付け材34を設ける場合)、その他それぞれのアロイ樹脂などが適している。
また、外側樹脂封止部33をなす第2の樹脂としては熱可塑性樹脂で形成し、締付け材32や補助締付け材34をなす材料としては、前記熱可塑性樹脂と同じ材料で形成すると、より好ましいが、これに限るものではない。また、締付け材32や補助締付け材34をなす材料は、成形後の冷却に伴って収縮する適度な成形収縮性を有する熱可塑性樹脂を用いる。ここで、外側樹脂封止部33をなす熱可塑性樹脂の種類としては、特に限定されないが、たとえば、以下に述べる材料を用いる。PP、PE、PVCに代表される汎用樹脂、PBT、POM、PAに代表されるエンプラ樹脂、PPS、LCP、PAR、PEEKに代表されるスーパーエンプラ樹脂の中から適宜選択可能である。さらに、この熱可塑性樹脂として、電線10や電線20の被覆部12、22と同じ材料の樹脂を用いてもよい。また、これらの外側樹脂封止部33をなす第2の樹脂、締付け材32や補助締付け材34としては、密着性に優れ、成形収縮率が大きいものが好ましい。
電線10、20の被覆部12、22をなす材料として、フッ素系樹脂を用いた場合、耐熱性に優れた電線10、20として使用することができるが、その際に、外側樹脂封止部33の材料となる熱可塑性樹脂と、締付け材32や補助締付け材34の材料となる熱可塑性樹脂として、耐熱性の高いPPS、LCP等を使用することで、高温環境下での使用が可能となるため好ましい。
なお、第1の組み合わせ例としては、電線10、20の被覆部12、22としてフッ素系樹脂、内側樹脂封止部31をなすエラストマー樹脂(第1の樹脂)として、ポリオレフィン系エラストマー樹脂、外側樹脂封止部33をなす熱可塑性樹脂(第2の樹脂)および締付け材32や補助締付け材34をなす材料として、PPSを用いるとよい。また、第2の組み合わせ例としては、電線10、20の被覆部12、22として塩化ビニル系樹脂、内側樹脂封止部31をなすエラストマー樹脂(第1の樹脂)として、ポリエステル系エラストマー樹脂、外側樹脂封止部33をなす熱可塑性樹脂(第2の樹脂)および締付け材32をなす材料として、PBTを用いるとよい。被覆部12、22が塩化ビニル系樹脂、外側樹脂封止部33がPBTを用いた場合は、塩化ビニル系樹脂とPBTとの密着性が優れるために、補助締付け材34は用いなくても気密性が得られる。しかし、使用環境によっては塩化ビニル系樹脂とPBTとの界面が剥離する懸念があり、そのような場合は、密着性に優れる材料同士の接合においても補助締付け材34を用いておくことがより好ましい。なお、使用環境に応じて、いろいろな組み合わせの材料を用いればよく、使用環境に対応させながら、電線10、20の被覆部12、22と、外側樹脂封止部33をなす熱可塑性樹脂および締付け材32や補助締付け材34との密着性が良好な組み合わせ、電線10、20の被覆部12、22と内側樹脂封止部31をなすエラストマー樹脂との密着性が良好な組み合わせ、内側樹脂封止部31をなすエラストマー樹脂と外側樹脂封止部33をなす熱可塑性樹脂および締付け材32や補助締付け材34との密着性が良好な組み合わせを適宜選択する。
次に、上記電線の製造方法(製造工程)を図2(外形図)、図3(断面図)を参照しながら説明する。
まず、図2(a),(b)、図3(a),(b)に示すように、電線の途中切断部分や、各電線10、20の端部において芯線11、21を露出させた状態で、各電線10、20の芯線11、21の露出部11a、21a同士を、隙間を有して互いに接していない状態で、はんだ付けする(はんだ付け工程)。
次に、図2(c)、図3(c)に示すように、はんだ付け部30と、各芯線11、21におけるはんだ付け部30および被覆部12、22から露出した露出部11a、21aと、各被覆部12、22の端部12a、22aとを、第1の樹脂(エラストマー樹脂)で封止して内側樹脂封止部31を形成する(内側樹脂封止工程)。
この後、図2(d)、図3(d)に示すように、内側樹脂封止部31におけるはんだ付け部30に対応する箇所の外周に、この内側樹脂封止部31の外周を全周から締め付ける締付け材32を配設する(締付け材配設工程)。また、各電線10、20における内側樹脂封止部31から露出した部分の外周に、電線10、20の外周を全周から締め付けるリング状の補助締付け材34をそれぞれ配設する(補助締付け材配設工程)。この場合に、締付け材32や補助締付け材34は、適度な成形収縮性を有する樹脂を成形することにより配設する。つまり、締付け材32については、適度な成形収縮性を有する締付け材形成用の熱可塑性樹脂を、内側樹脂封止部31におけるはんだ付け部30に対応する箇所の外周に成形するとともに、この締付け材形成用の熱可塑性樹脂を、成形後の冷却により内側樹脂封止部31の径方向に収縮させることで、締付け材32により、内側樹脂封止部31を外周から締め付けた状態で装着する。また、補助締付け材34については、適度な成形収縮性を有する締付け材形成用の熱可塑性樹脂を、各電線10、20の被覆部12、22の外周に成形するとともに、この締付け材形成用の熱可塑性樹脂を、成形後の冷却により各電線10、20の被覆部12、22の径方向に収縮させることで、補助締付け材34により、各電線10、20の被覆部12、22を外周から締め付けた状態で装着する。なお、補助締付け材34は、各電線10、20の被覆部12、22と外側樹脂封止部33との密着性が低い場合などに必要に応じて設ける。
そして最後に、図2(e)、図3(e)、または図2(f)、図3(f)に示すように、内側樹脂封止部31と、締付け材32の両側面部(または、締付け材32の両側面部および外周面部、すなわち締付け材32全体)と、各電線10、20における内側樹脂封止部31から露出した部分と、2つの補助締付け材34(補助締付け材34を設けた場合)とを、第2の樹脂で封止して外側樹脂封止部33を形成する(外側樹脂封止工程)。
これらの工程により、図1(a),(b)に示す電線10、20を良好に製造できる。
なお、この電線10、20の1例としては、例えば、直径1.6mmの電線10、20の場合には、各電線10、20の芯線11、21同士の隙間が2〜3mmほど(例えば、各電線10、20の被覆部12、22間の離間距離が7mm程度)となるように離してはんだ付けする。また、内側樹脂封止部31の直径が3.6mm、締付け材32の外径が5.5mm、補助締付け材34の外径が3.6mm、外側樹脂封止部33の直径が5.5mm(図1(a)に示す場合)、長さが17mmとなるようにそれぞれ封止成形すればよいが、これに限るものではない。
上記構成によれば、各電線10、20の芯線11、21同士が、隙間を有して互いに接していない状態で、はんだ付けされているので、はんだ付け時において、電線10、20の芯線11、21間にはんだが確実に良好に流れ込み、電線10、20の芯線11、21間に隙間を生じることを確実に防止できる。したがって、各電線10、20の芯線11、21同士を良好に接続させることができるとともに、一方の電線10の芯線11における素線間に油や水などの液体や空気の気体が浸入していた場合でも、この油や水や空気などが、はんだ付け部30で確実にせき止められ、他方の電線20の芯線21に油や水などの液体や空気などの気体が浸入することを防止できる。つまり、各電線の芯線同士を当接させた状態ではんだ付けすると、当接部近傍にはんだが入りこまない小さな隙間を生じるおそれがある。したがって、一方の電線の芯線における素線間に油や水などが浸入していた場合には、前記隙間を介して一方の電線の芯線に侵入していた油や水、空気などが他方の電線の芯線に侵入してしまうおそれがあり、他の電線の芯線の酸化などが促進されて劣化するおそれがあるが、本発明ではこのような不具合を生じることが無い。
また、上記構成によれば、はんだ付け部30、各芯線11、21の露出部11a、21aおよび各被覆部12、22の端部12a、22aが、内側樹脂封止部31により覆われているだけでなく、内側樹脂封止部31におけるはんだ付け部30に対応する箇所の外周を全周から締め付ける締付け材32が配設されているので、締付け材32の締付け力によって、はんだ付け部30と内側樹脂封止部31との境界面に隙間を生じることを確実に防止でき、この結果、一方の電線10の内部に油や水などの液体や空気などの気体が浸入していた場合でも、この油や水、空気などが、はんだ付け部30と内側樹脂封止部31との境界面を介して、他の電線20側に移動することを防止することができる。さらに、万一、一方の電線10側の内側樹脂封止部31と外側樹脂封止部33との境界面に油や水がしみこんだ場合でも、この油や水が締付け材32でせき止められて、他方の電線20側の内側樹脂封止部31と外側樹脂封止部33との境界部に流れ込むことを防止できる。
また、上記構成によれば、補助締付け材34を設けることで、外側樹脂封止部33をなす第2の樹脂と電線10、20の被覆部12、22との密着性があまりよくない場合でも、補助締付け材34の締付け力により、補助締付け材34が電線10、20の被覆部12、22に密着することになる。したがって、例え、電線10の内部から油や水、空気などがその電線10の被覆部12の周りを伝わって、外側樹脂封止部33との境界面に沿って移動した場合でも、この油や水が補助締付け材34によりせき止められ、これにより、外側樹脂封止部33より外部に油や水が染み出てくることを防止することができる。
さらに、上記構成によれば、外側樹脂封止部33を設けることにより、内側樹脂封止部31や電線10、20の端部、補助締付け材34をそれぞれ保護することができるとともに、内側樹脂封止部31や、電線10、20の被覆部12、22、締付け材32、補助締付け材34とのそれぞれに対して密着性の高い材料を用いることで、各部材間に対する水密性や気密性を高めることができる。
また、上記構成により、電線10、20の外部から、この電線10、20の内部に油や水、空気などが入り込むことも防止できる。
なお、上記実施の形態では、電線10、20の途中部分や、電線10、20の端部同士を接続する場合について説明したが、これに限るものではなく、図4(a),(b)に示すように、電線10と、金属端子などの金属体40とを接続してなる電線構造体の場合にも同様な構成を適用することができる。すなわち、電線10の芯線11と金属体40とが、隙間を有して接していない状態で、はんだ付けされ、はんだ付け部30と、芯線11におけるはんだ付け部30および被覆部12から露出した部分と、金属体40のはんだ付け部30から露出した部分とが、第1の樹脂で封止されてなる内側樹脂封止部31により覆われ、内側樹脂封止部31におけるはんだ付け部30に対応する箇所の外周に、この内側樹脂封止部31の外周を全周から締め付ける締付け材32が配設され、内側樹脂封止部31と、締付け材32の両側面部(または締付け材32の両側面部および外周面部、すなわち、締付け材32全体)と、電線10における内側樹脂封止部31から露出した部分と、金属体40の内側樹脂封止部31から露出した部分とが、第2の樹脂で封止されてなる外側樹脂封止部33により覆われている電線の接続装置にも適用可能である。この場合には、電線10の内部に油や水、空気などが流入していた場合でも、電線10と金属体40とを良好に接続できながら、前記油や水、空気などが、金属体40側に伝わることを阻止できて、油や水(空気を含んだ場合も含む)が金属体40に付着して金属体40が酸化するなどの不具合の発生を防止することができる。
なお、この実施の形態でも、必要に応じて、電線10における内側樹脂封止部31から露出した被覆部12の外周や金属体40における内側樹脂封止部31から露出した部分に、この電線10の被覆部12の外周を全周から締め付ける補助締付け材34や金属体40の外周を全周から締め付ける補助締付け材34を配設し、内側樹脂封止部31と、締付け材32の両側面部と、電線10における内側樹脂封止部31から露出した被覆部12の外周と、金属体40における内側樹脂封止部31から露出した部分と、補助締付け材34とを、第2の樹脂で封止されてなる外側樹脂封止部33により覆ってもよく、同様の利点を得ることができる。
なお、この電線10と金属体40とを接続してなる電線構造体の製造方法としては、上記電線の製造方法と同様の方法により、良好に製造できる。すなわち、まず、図5(a),(b)に示すように、各電線10の端部において芯線11を露出させた状態で、電線10の芯線11の露出部11aと金属体40の端部とを、隙間を有して互いに接していない状態で、はんだ付けし(はんだ付け工程)、次に、図5(c)に示すように、はんだ付け部30と、芯線11におけるはんだ付け部30および被覆部12から露出した露出部11aと、被覆部12の端部12aと、金属体40の端部とを、第1の樹脂(エラストマー樹脂)で封止して内側樹脂封止部31を形成する(内側樹脂封止工程)。この後、図5(d)に示すように、内側樹脂封止部31におけるはんだ付け部30に対応する箇所の外周に、この内側樹脂封止部31の外周を全周から締め付ける締付け材32を配設する(締付け材配設工程)。また、電線10と金属体40における内側樹脂封止部31から露出した部分の外周に、電線10と金属体40の外周を全周から締め付けるリング状の補助締付け材34をそれぞれ配設する(補助締付け材配設工程)。この場合に、締付け材32や補助締付け材34は、適度な成形収縮性を有する樹脂を成形することにより配設する。つまり、締付け材32については、適度な成形収縮性を有する締付け材形成用の熱可塑性樹脂を、内側樹脂封止部31におけるはんだ付け部30に対応する箇所の外周に成形するとともに、この締付け材形成用の熱可塑性樹脂を、成形後の冷却により内側樹脂封止部31の径方向に収縮させることで、締付け材32により、内側樹脂封止部31を外周から締め付けた状態で装着する。また、補助締付け材34については、適度な成形収縮性を有する締付け材形成用の熱可塑性樹脂を、電線10の被覆部12、22の外周や金属体40の外周に成形するとともに、この締付け材形成用の熱可塑性樹脂を、成形後の冷却により電線10の被覆部12および金属体40の径方向に収縮させることで、補助締付け材34により、電線10の被覆部12および金属体40を外周から締め付けた状態で装着する。なお、補助締付け材34は、電線10の被覆部12と外側樹脂封止部33との密着性が低い場合、金属体40と外側樹脂封止部33との密着性が低い場合などに必要に応じて設ける。
そして最後に、図5(e)または図5(f)に示すように、内側樹脂封止部31と、締付け材32の両側面部(または締付け材32の両側面部および外周面部、すなわち締付け材32全体)と、電線10における内側樹脂封止部31から露出した部分と、金属体40における内側樹脂封止部31から露出した部分と、2つの補助締付け材34(補助締付け材34を設けた場合)とを、第2の樹脂で封止して外側樹脂封止部33を形成する(外側樹脂封止工程)。これらの工程により、図4に示す電線構造体を良好に製造できる。
また、上記各実施の形態の構成によれば、比較的簡単な構造であるため、このような電線や電線構造体としての製造コストを比較的低く抑えることができる利点もある。
10、20 電線
11、21 芯線
12、22 被覆部
30 はんだ付け部
31 内側樹脂封止部
32 締付け材
33 外側樹脂封止部
34 補助締付け材
40 金属体

Claims (8)

  1. 複数の素線からなる芯線が被覆部で被覆された電線であって、
    電線の芯線同士が、隙間を有して互いに接していない状態で、はんだ付けされ、
    はんだ付け部と、各芯線におけるはんだ付け部および被覆部から露出した部分と、各被覆部の端部とが、第1の樹脂で封止されてなる内側樹脂封止部により覆われ、
    前記内側樹脂封止部における前記はんだ付け部に対応する箇所の外周に、この内側樹脂封止部の外周を全周から締め付ける締付け材が配設され、
    前記内側樹脂封止部と、前記締付け材の両側面部と、前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分とが、第2の樹脂で封止されてなる外側樹脂封止部により覆われている
    ことを特徴とする電線。
  2. 前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分の外周に、前記電線の外周を全周から締め付ける補助締付け材が配設され、
    前記内側樹脂封止部と、前記締付け材の少なくとも両側面部と、前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分と、前記補助締付け材とが、前記第2の樹脂で封止されてなる前記外側樹脂封止部により覆われている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電線。
  3. 複数の素線からなる芯線が被覆部で被覆された電線と、被覆されていない金属体とが、電気的に接続されてシールされた電線構造体であって、
    前記電線の芯線と前記金属体とが、隙間を有して互いに接していない状態で、はんだ付けされ、
    はんだ付け部と、前記芯線におけるはんだ付け部および被覆部から露出した部分と、前記金属体のはんだ付け部から露出した部分とが、第1の樹脂で封止されてなる内側樹脂封止部により覆われ、
    前記内側樹脂封止部における前記はんだ付け部に対応する箇所の外周に、この内側樹脂封止部の外周を全周から締め付ける締付け材が配設され、
    前記内側樹脂封止部と、前記締付け材の両側面部と、前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分と、前記金属体の前記内側樹脂封止部から露出した部分とが、第2の樹脂で封止されてなる外側樹脂封止部により覆われている
    ことを特徴とする電線構造体。
  4. 前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分の外周に、前記電線の外周を全周から締め付ける補助締付け材が配設され、
    前記内側樹脂封止部と、前記締付け材の少なくとも両側面部と、前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分と、前記補助締付け材とが、前記第2の樹脂で封止されてなる前記外側樹脂封止部により覆われている
    ことを特徴とする請求項3に記載の電線構造体。
  5. 複数の素線からなる芯線が被覆部で被覆された電線の製造方法であって、
    各電線の芯線同士を、隙間を有して互いに接していない状態で、はんだ付けするはんだ付け工程と、
    はんだ付け部と、各芯線におけるはんだ付け部および被覆部から露出した部分と、各被覆部の端部とを、第1の樹脂で封止して内側樹脂封止部を形成する内側樹脂封止工程と、
    前記内側樹脂封止部における前記はんだ付け部に対応する箇所の外周に、この内側樹脂封止部の外周を全周から締め付ける締付け材を配設する締付け材配設工程と、
    前記内側樹脂封止部と、前記締付け材の両側面部と、前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分とを、第2の樹脂で封止して外側樹脂封止部を形成する外側樹脂封止工程と
    を有することを特徴とする電線の製造方法。
  6. 前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分の外周に、前記電線の外周を全周から締め付ける補助締付け材を配設する補助締付け材配設工程を有し、
    前記外側樹脂封止工程において、前記内側樹脂封止部と、前記締付け材の少なくとも両側面部と、前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分と、前記補助締付け材とを、前記第2の樹脂で封止して前記外側樹脂封止部を形成する
    ことを特徴とする請求項5に記載の電線の製造方法。
  7. 複数の素線からなる芯線が被覆部で被覆された電線と、被覆されていない金属体とを、電気的に接続してシールする電線構造体の製造方法であって、
    前記電線の芯線と前記金属体とを、隙間を有して接していない状態で、はんだ付けするはんだ付け工程と、
    はんだ付け部と、前記芯線におけるはんだ付け部および被覆部から露出した部分と、前記金属体のはんだ付け部から露出した部分とを、第1の樹脂で封止して内側樹脂封止部を形成する内側樹脂封止工程と、
    前記内側樹脂封止部における前記はんだ付け部に対応する箇所の外周に、この内側樹脂封止部の外周を全周から締め付ける締付け材を配設する締付け材配設工程と、
    前記内側樹脂封止部と、前記締付け材の両側面部と、前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分と、前記金属体の前記内側樹脂封止部から露出した部分とを、第2の樹脂で封止して外側樹脂封止部を形成する外部側樹脂封止工程と
    を有することを特徴とする電線構造体の製造方法。
  8. 前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分の外周に、前記電線の外周を全周から締め付ける補助締付け材を配設する補助締付け材配設工程を有し、
    前記外側樹脂封止工程において、前記内側樹脂封止部と、前記締付け材の少なくとも両側面部と、前記電線における前記内側樹脂封止部から露出した部分と、前記補助締付け材とを、前記第2の樹脂で封止して前記外側樹脂封止部を形成する
    ことを特徴とする請求項7に記載の電線構造体の製造方法。
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