JP6992685B2 - 電線の芯線露出部の防水構造 - Google Patents

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Description

この発明は車両、船舶、航空機、機械装置等における電線の芯線露出部を防水する技術に関する。
特許文献1は、一端が閉鎖すると共に一端が開口している円筒形状の樹脂製で、内部に端末集中スプライス部を挿入すると共にシール剤を充填する保護キャップを開示している。特許文献1では、保護キャップの開口側に小径部を設けられると共に、上記シール剤の液面を位置させる軸方向中間に拡径部が設けられている。保護キャップ内に挿入される端末集中スプライス部および電線群が開口側の小径部の内周面に接触した状態で中間の拡径部内周面との間に所要の隙間をあける設定とされている。
特開平10-83845号公報
しかしながら、過度の冷熱環境下においては、保護キャップ内において硬化したシール剤に割れが生じてしまう恐れがある。
そこで、本発明は、過度の冷熱環境下等においても、内部防水部の割れを抑制することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係る電線の芯線露出部の防水構造は、芯線露出部を有する電線と、前記芯線露出部の周囲を覆うように設けられ前記芯線露出部を防水する内部防水部と、前記内部防水部の周りに外部空間と仕切られた空間を形成する外装部材とを備え、前記芯線露出部は、前記電線の端部に設けられ、前記内部防水部は、前記芯線露出部が収容された内部キャップと、前記内部キャップ内に充填固化された止水剤とを含む。
第2の態様は、第1の態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記外装部材は、前記内部防水部の外周面を、その外周面に対して間隔をあけた状態で囲って、前記内部防水部の外周側に筒状の空間を形成する部材とされている。
第3の態様は、第2の態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記空間の隙間が1mm以上となる部分を含むものである。
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記外装部材の厚みが1mm以上とされているものである。
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記外装部材は、エラストマー、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の少なくとも1つによって形成されているものである。
第6の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記外装部材は、金属によって形成されているものである。
第7の態様は、第1から第6のいずれか1つの態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記内部キャップ内における前記止水剤の硬化液面が、前記内部キャップの開口縁部よりも奥側に位置しているものである。
第8の態様は、第1から第7のいずれか1つの態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記外装部材は、前記内部キャップの外周面を、その外周面に対して間隔をあけた状態で囲う外部キャップを含むものである。
第9の態様は、第8の態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記外部キャップの開口側端部は、前記芯線露出部を囲む部分の内径よりも小さい内径となる部分を含むものである。
第10の態様は、第9の態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記外部キャップの前記開口側端部は、内周側に突出する複数の環状突部を含む形状に形成されているものである。
第11の態様は、第8から第10のいずれか1つの態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記外部キャップの開口縁部が前記内部キャップの開口縁部の位置に合せられているものである。
第1の態様によると、外装部材によって内部防水部の周りに外部空間と仕切られた空間が形成される。周囲の温度変化が内部防水部に伝わり難くなり、過度の冷熱環境下等においても、内部防水構造の割れを抑制することができる。
第2の態様によると、内部防水部の周囲全体において外部の熱が内部防水部に伝わり難くなり、内部防水部の割れを有効に抑制できる。
第3の態様によると、内部防水部の周りに、隙間が1mm以上となる部分を含む空間が形成されるため、周囲の温度変化がより内部防水部に伝わり難くなり、内部防水構造の割れをより抑制することができる。
第4の態様によると、外装部材が変形し難くなり、空間の厚みを維持し易い。
第5の態様によると、外装部材を容易に形成できる。
第6の態様によると、輻射熱を反射し易くなり、輻射熱の影響による温度変化を抑制できる。
第1の態様によると、電線の端部の芯線露出部を、内部キャップと、内部キャップ内に充填固化された止水剤とによって、防水することができる。
第7の態様によると、内部キャップ内において硬化液面よりも上側の位置で、空間を確保し易い。
第8の態様によると、内部キャップの外周面を、その外周面に対して間隔をあけた状態で、外部キャップで囲むことによって、内部キャップの周囲に空間を形成することができる。
第9の態様によると、外部キャップの開口側端部は、芯線露出部を囲む部分の内径よりも小さい内径となる部分を含むため、芯線露出部の周囲に空間を確保し易い。
第10の態様によると、複数の環状突部の間で空間を形成することができ、その空間の存在によって、外部の熱が芯線露出部に熱が伝わり難くすることができる。
第11の態様によると、外部キャップの開口縁部が内部キャップの開口縁部の位置に合せられているため、内部キャップの先端側で空間を確保し易い。
実施形態に係る電線の芯線露出部の防水構造を示す部分断面図である。 電線の芯線露出部の防水構造の製造方法の一例を示す説明図である。 電線の芯線露出部の防水構造の製造方法の一例を示す説明図である。 電線の芯線露出部の防水構造の製造方法の一例を示す説明図である。 第1変形例に係る電線の芯線露出部の防水構造を示す部分断面図である。 第2変形例に係る電線の芯線露出部の防水構造を示す部分断面図である。 第3変形例に係る電線の芯線露出部の防水構造を示す部分断面図である。
以下、実施形態に係る電線の芯線露出部の防水構造について説明する。図1は、実施形態に係る電線の芯線露出部の防水構造20を示す部分断面図である。図2~図4は電線の芯線露出部の防水構造20の製造方法の一例を示す説明図である。
電線の芯線露出部の防水構造20は、電線10と、内部防水部21と、外装部材30とを備える。
ここでは、防水構造20は、複数の電線10を備える。電線10は、芯線12と、被覆14とを備える。
芯線12は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の導電材料によって形成される。芯線12は、1本又は複数本の素線で構成される。電線10が複数である場合、複数の電線10の芯線12の種類は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
被覆14は、樹脂等の絶縁材料が芯線12の周囲に押出成形されるなどして形成される。
電線10は、芯線露出部12aを含む。ここでは、電線10の端部の被覆14が除去されることで、電線10の端部に芯線12が露出した芯線露出部12aが形成されている。
複数の電線10の端部の芯線露出部12a同士が接合されて接合部16が形成されている。芯線露出部12a同士は、例えば、抵抗溶接或は超音波溶接等の溶接、端子の圧着、または半田付け等によって接合される。
内部防水部21は、上記芯線露出部12aの周囲を覆うように設けられ、当該芯線露出部12aを防水する部分である。
ここでは、内部防水部21は、内部キャップ22と、止水剤26とを含む。
内部キャップ22は、一端が開口すると共に他端が閉じられた筒状の部材である。内部キャップ22の内径φ0は、電線10の端部の芯線露出部12a、ここでは、複数の電線10の芯線露出部12aの接合部16を収容可能で、かつ、収容状態で接合部16の周囲全体と内部キャップ22との間に隙間を設けることができる程度の大きさに設定されている。
より具体的には、内部キャップ22の一端から延在方向中間部は、同一径部分が連続する筒形状に形成されている。内部キャップ22の他端は、外部に向けて半球状に膨出する形状に形成されている。内部キャップ22の一端及び延在方向中間部の内径φ0は、電線10の外径、ここでは、複数の電線10を束ねた部分に外接しつつ囲む円の径よりも大きく設定されている。また、内部キャップ22の長さ寸法L1は、上記接合部16及び芯線露出部12aの長さ寸法よりも大きく設定されている。
このため、複数の電線10を束ねた部分及び接合部16を内部キャップ22内に収容することができ、かつ、当該収容状態で、接合部16及び複数の電線10の周囲全体において、それらを内部キャップ22の内周面から隔てることができる。
内部キャップ22は、ディップ成型によって形成してもよいし、射出金型成型によって形成してもよい。
内部キャップ22が上記形状であることは必須ではない。内部キャップは、延在方向中間部で最も太くなる紡錘形状をなしていてもよい。また、内部キャップの延在方向中間部が円筒状をなしていることは必須ではなく、楕円筒状の他、三角筒、四角筒等の多角筒状をなしていてもよい。
内部キャップ22は、エラストマー、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の少なくとも1つによって形成される。エラストマーとしては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、合成ゴム等を挙げることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂等を挙げることができる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
上記内部キャップ22内に芯線露出部12a(ここでは接合部16及び被覆14のうち接合部16に近い端部分)が収容されている。止水剤26は、内部キャップ22内に充填固化されている。この止水剤26は、内部キャップ22内において、芯線露出部12aと内部キャップ22の内周面との隙間、より具体的には、接合部16及び被覆14のうち接合部16に近い端部分と内部キャップ22の内周面との隙間を埋めた状態で固化されている。
止水剤26としては、主剤と硬化剤とを含む液状止水剤を、芯線露出部12aを収容した内部キャップ22内に注入し、内部キャップ22内で硬化させたものを用いることができる。止水剤26は、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。止水剤26は、2液硬化タイプ、湿気硬化タイプ、光硬化タイプ等、各種硬化タイプのものを用いることができる。止水剤26には、PBA(ポリブチルアクリレート)等のゴム系改質剤が混合されたものを用いるか、或は、PMMA(ポリメチルメタクリレート)等の衝撃に強い樹脂が用いられてもよい。もっとも、後述するように、本防水構造20においては、空間Sによって外部からの熱の影響が緩和されているため、上記のように割れ防止を重要視した樹脂を用いなくても樹脂割れを抑制できるため、コスト削減に貢献する。
内部キャップ22内における止水剤26の硬化液面26Fは、内部キャップ22の開口縁部よりも奥側に位置していてもよい(図3参照)。硬化液面26Fは、液状の止水剤26が内部キャップ22内に注入された状態で、当該液状の止水剤26の液面となっており、その後、液状の止水剤26が硬化することで、硬化液面26Fが形成される。硬化液面26Fは、芯線露出部12aよりも上方でかつ内部キャップ22の開口縁部よりも奥側に位置しているとよい。例えば、内部キャップ22の全長L1を40mmとし、内部キャップ22の底部に対する硬化液面26Fの距離L2を30~35mmとしてもよい(図3参照)。
内部キャップ22内において、芯線露出部12a(接合部16)の先端部は、内部キャップ22の底に接触していてもよいし、当該底から離れた位置に存在していてもよい。
本実施形態では、内部防水部21は、内部キャップ22と止水剤26とを含む例で説明したが、必ずしもそのような構成である必要は無い。
例えば、内部防水部21は、芯線露出部12a(接合部16)を覆うように、樹脂をモールド成型した構成であってもよい。また、内部防水部21は、芯線露出部12a(接合部16)に、内部にホットメルト等の止水剤を設けた熱収縮チューブで覆い、当該熱収縮チューブを熱収縮させると共に、熱収縮チューブと芯線露出部12a(接合部16)との間に止水剤を充填配置した構成であってもよい。内部防水部21は、芯線露出部12a(接合部16)に直接接触した状態で、芯線露出部12a(接合部16)の周囲を覆う構成としてもよい。
外装部材30は、内部防水部21の周りに外部空間と仕切られた空間Sを形成する部材である。外装部材30によって形成される空間Sは、外部空間の空気が容易に流通しない程度に、当該外部空間と仕切られていればよく、空気漏れが生じないように完全に仕切られている必要は無い。空間Sは、空気が満たされた空間であってもよいし、減圧された空間であってもよい。
ここでは、外装部材30は、内部防水部21の周面を、その外周面に対して間隔をあけた状態で囲って、内部防水部21の外周側に筒状の空間Sを形成する部材である。ここでは、空間Sは、外装部材30の内部の底と内部キャップ22の底との間にも形成されている。つまり、空間Sは、内部防水部21の周囲で筒状をなす部分と、その部分の下側に連続し内部防水部21の底の外側に広がる部分とを含み、全体として有底筒状の空間をなす。
より具体的には、外装部材30は、一端が開口すると共に他端が閉じられた筒状の外部キャップ32を含む。外部キャップ32は、内部キャップ22の外周面を、その外周面に対して間隔をあけた状態で囲う部材である。つまり、外部キャップ32は、内部キャップ22よりも大きく、内部キャップ22を外部キャップ32内に配設した状態で、内部キャップ22と外部キャップ32との間に空間Sを設けることができるようになっている。
より具体的には、外部キャップ32の延在方向中間部は、外部キャップ32の延在方向中間位置に向けて両端側から徐々に太くなる紡錘形状に形成されている。例えば、外部キャップ32の長さLが60mmであり、その一端側の開口縁部からの距離L3が30mmの箇所、すなわち、外部キャップ32の延在方向中央位置を、最も太くなる部分に形成してもよい。
外部キャップ32の延在方向中間部において最も太くなる部分の内径φ2は、内部キャップ22の外径φ1よりも大きく形成されており、例えば、内部キャップ22の外径φ1に2mmを付加した大きさと同じかこれよりも大きく形成されている。例えば、内部キャップ22の外径φ1を8mmとし、外部キャップ32の最も太い部分の内径φ2を10mmとしてもよい。このため、外部キャップ32内に内部キャップ22を収容した状態で、内部キャップ22の外周面と外部キャップ32の内周面との間の空間Sは、間隔t1が1mm以上となる部分を含む。内部キャップ22の外周囲において、当該空間Sの間隔t1の上限は、例えば、10mm以下としてもよい。
また、外部キャップ32の一端側にある開口側端部33は、芯線露出部12a(接合部16)を囲む部分の内径よりも小さい内径φ3となる部分を含む。ここでは、外部キャップ32の延在方向中間部は、内径φ2が10mmとなる最も太い部分の両側に向けて徐々に細くなる紡錘形状に形成されており、その紡錘形状をなす部分に連続して開口側端部33が形成されている。開口側端部33は、内周側に突出する複数の環状突部33pを含む形状に形成されている。より具体的には、開口側端部33は、筒形状であり、その延在方向に沿って間隔をあけて外周側から内周側に向けて環状に絞られた部分が形成されることで、複数の環状突部33pが形成されている。環状突部33pは、開口側端部33の延在方向において隣の部分よりも内周側に環状に突出している。環状突部33pが、芯線露出部12a(接合部16)を囲む部分の内径よりも小さい内径φ3となる部分である。例えば、環状突部33pの内径φ3は、上記φ2が10mmであるとすると、例えば、8mmとしてもよい。
この場合、内部キャップ22の開口側端部を、外部キャップ32の開口側端部33内に配設するようにして、内部キャップ22を外部キャップ32内に収容すると、内部キャップ22のうち芯線露出部12a(接合部16)を囲む部分が、外部キャップ32の延在方向中間部に配設される。この状態で、内部キャップ22のうち芯線露出部12a(接合部16)を囲む部分の外周面と外部キャップ32の内周面との間に、それらの周方向に沿ってほぼ均等な間隔の環状の空間Sが形成されることになる。このため、内部キャップ22の周囲全体に空間Sを確保し易い。
内部キャップ22のうち芯線露出部12a(接合部16)を囲む部分を、外部キャップ32の延在方向中間部の位置に安定して配設するためには、外部キャップ32の開口縁部が内部キャップ22の開口縁部の位置に合せられていることが好ましい(図4参照)。
また、外部キャップ32の開口側端部33において、環状突部33pの隣には、内周側からみて環状に凹む環状凹部33qが形成されることになる。環状凹部33qの内周面は、内部キャップ22の開口側端部の外周面から距離を隔てて配置される。このため、外部キャップ32内に内部キャップ22を配設した状態で、内部キャップ22の開口側端部の外周面と環状凹部33qの内周面と2つの環状突部33pとの間に環状の空間Tが形成されることになる(図4参照)。
外部キャップ32の他端は、外部に向けて半長球状に膨出する形状に形成されている。外部キャップ32の長さ寸法L4は、内部キャップ22の先端部と外部キャップ32の先端部とを隔てることができる程度に、内部キャップ22の長さ寸法L1よりも大きいことが好ましい。例えば、内部キャップ22の長さ寸法L1を40mmとすると、外部キャップ32の長さ寸法L4を60mmとしてもよい。
もっとも、内部キャップ22の周囲に空間Sが形成されており、内部キャップ22の先端には空間が形成されない構成であってもよく、この場合には、内部キャップ22の先端部は外部キャップ32の先端部内に接触していてもよい。
外部キャップ32の厚みt2は、当該外部キャップ32の形状を一定に維持できる程度の大きさであることが好ましく、例えば、外部キャップ32の厚みt2は1mm以上であってもよい。外部キャップ32の厚みt2は5mm以下であってもよい。
外部キャップ32は、ディップ成型によって形成してもよいし、射出金型成型によって形成してもよい。
外部キャップ32が上記形状であることは必須ではない。外部キャップ32の延在方向中間部は、同じ内径が連続する円筒形状をなしていてもよい。また、外部キャップの延在方向中間部が円筒状をなしていることは必須ではなく、楕円筒状の他、三角筒、四角筒等の多角筒状をなしていてもよい。
外部キャップ32は、エラストマー、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の少なくとも1つによって形成される。エラストマーとしては、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、合成ゴム等を挙げることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂等を挙げることができる。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を挙げることができる。
外部キャップ32内に内部防水部21が収容された状態で、外部キャップ32が内部防水部21又は電線10に固定されている。ここでは、外部キャップ32の開口側の縁部と内部キャップ22の開口側の縁部とが一致した状態で、外部キャップ32の開口側端部33から、当該開口側端部33から延出する電線10(ここでは電線10の束)に至る部分に粘着テープ40が巻回され、これにより、外部キャップ32が電線10に固定されている。なお、内部キャップ22の開口は、粘着テープ40によって閉じられているため、内部キャップ22内において硬化液面26Fの上側にも、外部空間と仕切られた空間が形成されている。このように、内部防水部21の周囲に外部キャップ32を取付けることで防水構造20を製造することができるため、安価で作業性に優れた防水構造20を得ることができる。
外部キャップ32を取付けるための構成は上記例に限られない。例えば、外部キャップ32の開口から内部キャップ22の開口側端部が延出している場合、外部キャップ32の開口側端部33から、当該開口側端部33から延出する内部キャップ22の開口側端部に至る部分に粘着テープを巻回して、外部キャップ32を内部キャップ22に固定するようにしてもよい。
その他、結束バンド等で外部キャップ32の開口側端部33を締付けて内側の電線10又は内部キャップ22に固定するようにしてもよい。また、接着剤等を用いて、外部キャップ32を電線10又は内部キャップ22に固定するようにしてもよい。また、電線10の被覆14の端部又は内部防水部21の開口側端部に、外部キャップ32の開口側端部33内に嵌る嵌込部分を形成し、外部キャップ32の開口側端部33を当該嵌込部分に外嵌めするようにしてもよい。
電線の芯線露出部の防水構造20の製造方法の一例について説明する。
まず、図2に示すように、芯線露出部12aを含む電線10を準備する。ここでは、複数の電線10の芯線露出部12aが接合されて接合部16とされたものを準備する。そして、接合部16及び当該接合部16に繋がる被覆14の端部を、内部キャップ22内に入れる。この前又は後に、ノズル26N等から内部キャップ22内に液状の止水剤26Bを注入する。この際、液状の止水剤26Bの液面が、内部キャップ22の開口側の縁部よりも奥側に位置する程度の量、液状の止水剤26を注入するとよい。そして、液状の止水剤26Bを硬化させる。これにより、内部キャップ22内に硬化した止水剤26が形成され、電線の端部に内部防水部21が形成される。
次に、図3及び図4に示すように、内部防水部21を外部キャップ32内に入れる。この際、内部キャップ22の開口側の縁部と外部キャップ32の開口側の縁部との位置を合せ、内部キャップ22の開口側端部が外部キャップ32の開口側端部33内に位置するようにする。すると、環状突部33pが内部キャップ22の開口側の端部の周囲に接する。環状突部33pは、外部キャップ32の延在方向中間部よりも内周側に突出していることから、外部キャップ32の延在方向中間部において、環状突部33pの突出寸法分程度、外部キャップ32の延在方向中間部の内周面と内部キャップ22の外周面とを隔てることができる。これにより、内部キャップ22の周囲に環状の空間Sを形成することができる。また、外部キャップ32の先端部に対して内部キャップ22が離れていることから、内部キャップ22の先端側にも空間Sを設けることができる。
この後、粘着テープ40等によって、外部キャップ32を内部キャップ22又は電線10に固定する。これにより、電線の芯線露出部の防水構造20を製造することができる。
本実施形態によると、外装部材30によって、内部防水部21の周りに外部空間と仕切られた空間Sが形成される。このため、周囲の温度変化が内部防水部21に伝わり難くなり、過度の冷熱環境下等においても、内部防水構造の割れを抑制することができる。
ここで、芯線露出部12aに関する防水の問題としては、芯線露出部12aの周囲又は被覆14の端部の周囲において内部防水部21の割れが生じることによって、外部からの水が当該割れを通って芯線露出部12aに浸入する現象が想定される。本実施形態においては、内部防水部21に温度変化が生じ難くなり、線膨張等に起因して、内部防水部21、例えば、止水剤26に割れが生じ難くなり、もって、防水性を維持し易い。
なお、芯線露出部12aに関しては止水に関する問題もある。止水は、上記防水(外部からの水の浸入)に加えて、電線10間の水の行き来の問題を含む。すなわち、接合部16において複数の電線10の芯線露出部12a同士が接合されている場合、1つの電線10に浸入した水が他の接合部16を介して他の電線10に伝わってしまうことがあり、これをも抑制することが望まれる。通常、止水剤26は、芯線露出部12aの素線間にも充填された状態で硬化しているため、電線間止水も図られている。ところが、線膨張等に起因して、素線間の止水剤26に割れが生じると、電線間の止水が破壊されてしまうことになる。本実施形態においては、内部防水部21に温度変化が生じ難くなり、線膨張等に起因する素線間の止水剤26の割れも抑制されるため、止水性も維持し易い。
また、外装部材30は、内部防水部21の外周面を、その外周面に対して間隔をあけた状態で囲って、内部防水部21の外周側に筒状の空間Sを形成する。このため、内部防水部21の周囲全体において外部の熱が内部防水部21に伝わり難くなり、内部防水部21の割れを有効に抑制できる。
また、内部防水部21の周りに形成される空間Sが、間隔が1mm以上となる部分を含んでいれば、外部の熱が内部防水部21に伝わり難くなり、内部防水部21の割れを有効に抑制できる。
また、外装部材30の厚みt2が1mm以上であると、熱等によって外装部材30が変形し難くなり、内部防水部21と外装部材30との間に空間Sを確保し易くなる。これにより、外部の熱が内部防水部21に伝わり難くなる状態を維持し易くなり、内部防水部21の割れを有効に抑制できる。特に、外部キャップ32がエラストマー、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の少なくとも1つによって形成されている場合に、外装部材30の変形を抑制するためには、外装部材30の厚みt2を1mm以上とするとよい。
また、外装部材30が、エラストマー、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の少なくとも1つによって形成されていると、外装部材30を容易に形成できる。なお、内部防水部21の周りに外装部材30によって空間Sを形成することができればよいので、この点からは、外装部材30を形成する材料は特に問わない。
また、内部防水部21については、芯線露出部12aが収容された内部キャップ22と、内部キャップ22に充填固化された止水剤26とによって、防水することができる。かかる構成としては、従来から用いられた構成を流用することもできる。
また、内部キャップ22内における止水剤26の硬化液面26Fが、内部キャップ22の開口縁部よりも奥側に位置しているため、内部キャップ22内において硬化液面26Fの上側の位置においても、熱の伝わりを抑制する空間を確保し易い。これにより、内部防水部21の割れを有効に抑制できる。
また、外装部材30は、内部キャップ22の外周面を、その外周面に対して間隔をあけた状態で囲う外部キャップ32を含むため、この外部キャップ32によって内部キャップ22の周囲に空間Sを形成することができる。また、かかる外部キャップ32は、内部キャップ22を大きくして形成すればよいため、内部キャップ22を製造する設備を流用し易く、当該外部キャップ32を容易に製造できる。
また、外部キャップ32の開口側端部33は、芯線露出部12aを囲む部分である延在方向中間部の内径よりも小さい内径φ3となる部分を含むため、内部キャップ22のうち芯線露出部12aを囲む部分の周囲に空間Sを確保し易い。
また、開口側端部33の内径φ3は、内部キャップ22の開口側端部をがたつき無く嵌め込める内径である。ここでは、開口側端部33の内径φ3は、内部キャップ22の外径φ1と同じである。このため、内部キャップ22の開口側端部を安定して外部キャップ32の開口側端部33に挿入保持することができ、内部キャップ22の周囲に安定して空間Sを確保し易い。
また、外部キャップ32の開口側端部33は、内周側に突出する複数の環状突部33pを含む形状に形成されているため、複数の環状突部33pの間で空間を形成することができ、その空間の存在によって、外部の熱が芯線露出部12aに伝わり難くすることができる。
複数の環状突部33pによって、内部キャップ22の開口側端部を安定して一定姿勢に保ち易い。
また、外部キャップ32の開口縁部が内部キャップ22の開口縁部の位置に合せられているため、外部キャップ32の延在方向において外部キャップ32の位置と内部キャップ22の位置とが安定して揃えることができ、内部キャップ22の先端側で空間を安定して確保し易い。
このような電線の芯線露出部の防水構造20は、車両、船舶、航空機、機械装置等で水かかりの可能性がある部位等で多様な態様で広く用いることができる。例えば自動車のエンジン付近等は、熱源付近でかつ水かかりがある部位である。このような部位において、複数のセンサーがありアース回路等が並列接続されている場合、本電線の芯線露出部の防水構造20を用いてアース回路を一つに纏めて接地部位に接続できる構成を実現することができ、機器等の配線接続作業を容易にすることができる。
なお、実際に止水剤26としてビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いてサンプルを作成し、温度復帰時間が5分以内の試験装置を用いて、冷熱衝撃試験を行った。
冷熱衝撃試験では、サンプルを、-40℃の環境で30分曝し、120℃の環境で30分曝すことを1サイクルとして1000サイクルの環境下に曝した。この冷熱環境下に曝したサンプルについて、電線10に200hPaの気圧を加え空気漏れが生じないか否かの試験、芯線露出部12aと外部との間で100MΩ以上の絶縁性能が確保されているか否か、所定の電圧印加条件でリーク電流が100μAを超えるか否かの試験を行った。
サンプルAとして、電線10の端部に内部防水部21が形成されているが、上記外装部材30が無いものでかつ、上記試験結果が不合格となるものを準備した。
サンプルBとして、上記サンプルAに外装部材30を形成したものを準備した。なお、各部のサイズは、上記実施形態において例示した値又は範囲内に設定した。
この場合、上記試験結果が不合格となるサンプルAに外装部材30を設けたサンプルBでは、試験結果が合格となることを確認した。
この結果から、外装部材30によって空間Sを設けることで、防水性が向上することがわかる。
また、止水剤26としてビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いたサンプルCにおいて、内部防水部21の周囲の空間の最大隙間である間隔t1を1mmとしたものを準備した。このサンプルCを、130℃の高温で熱し、サンプルCの温度を130℃で飽和させた後取出し、これを10℃の水で急冷し、サンプルCの温度が40℃に降下するまでの時間を測定した。
この場合、40℃に降下するまでの時間は、外装部材30が無いサンプルが同条件で40℃に降下するまでの時間の2倍以上となることがわかった。このため、空間Sの隙間t1を1mm以上とすれば、温度変化を効果的に抑制できることがわかる。
{変形例}
各種変形例について説明する。
上記実施形態では、外部キャップ32がエラストマー、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の少なくとも1つによって形成されていると説明したが、外部キャップ32の材料は特に限定されない。
例えば、図5に示す第1変形例のように、外装部材30は、金属で形成される外部キャップ132を含んでいてもよい。金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、ステンレス等を用いることができる。また、金属で形成された外部キャップ132の開口側端部133は、内部キャップ22又は電線10(電線10の束)に向けて塑性変形されることで、内部キャップ22又は電線10(電線10の束)にかしめ固定されていてもよい。加締め変形は、開口側端部133の延在方向において複数箇所においてなされ、上記環状突部33pと同様の環状突部133pが形成された構成とすることが好ましい。もちろん、上記実施形態と同様に、外部キャップ132が粘着テープ等によって固定されていてもよい。また、その他、接着剤等を用いて、外部キャップ132を電線10又は内部キャップ22に固定するようにしてもよい。また、電線10の被覆14の端部又は内部防水部21の開口側端部に、外部キャップ132の開口側端部33内に嵌る嵌込部分を形成し、外部キャップ132の開口側端部133を当該嵌込部分に外嵌めするようにしてもよい。
第1変形例によると、金属で形成された外部キャップ132が輻射熱を反射することができるため、輻射熱の影響による内部防水部21の温度変化を抑制でき、この点からも、内部防水部21の割れを抑制できる。
本実施形態及び各変形例では、内部キャップ22を外部キャップ32内に入れて、当該内部キャップ22と外部キャップ32との間に空間Sを形成する構成とした。かかる空間Sは、内部キャップ22と外部キャップ32との間に形成されなくてもよい。
例えば、内部防水部21を、外部と仕切られた空間を内部に有する部材で囲ってもよい。
そのような部材としては、自身の内部に外部と仕切られた空間を有する空間内包部材を用いることができる。空間内包部材としては、例えば、発泡樹脂等の発泡部材、2つの樹脂シート等の間に空気を封じ込めた気泡緩衝材、繊維の集合体で形成された繊維集合部材(不織布、織布等)を用いることができる。発泡部材は、自身の内部に外部の空間と仕切られた多数の空間を有する部材であると考えることができる。気泡緩衝材も自身の内部に外部の空間と仕切られた空間を有する部材であると考えることができる。繊維集合部材は、繊維の間の空間内の空気は、外部の空気と入れ替り難く、従って、繊維間に外部の空間と仕切られた空間を有する部材であると考えることができる。
このため、上記空間内包部材で内部防水部21を囲えば、当該内部防水部21の周囲に、外部の空間と仕切られた空間を形成することができる。
図6に示す第2変形例のように、空間内包部材230は、金型成型、加熱圧縮成型、加熱接合、縫製等によって、一端側が開口し他端側が閉じた有底筒形状に形成され、その内部に内部キャップ22が収容された構成であってもよい。空間内包部材230が有底筒形状に形成されている場合、空間内包部材230が内部防水部21の外周面に隙間無く接していてもよい。当該空間内包部材と内部防水部21との間に隙間が形成されていてもよい。空間内包部材230は、上記外部キャップ32と異なり、空間Sを形成するために、自体の形状を維持できる程度に硬い物質でなくてもよい。
また、図7に示す第3変形例のように、空間内包部材330がシート状又は帯状に形成され、内部防水部21に巻付けられ、両面テープ、接着剤又は粘着テープ等によって当該巻付状態が維持された構成であってもよい(図7では粘着テープ40を図示)。空間内包部材330は、内部防水部21の周囲を覆うが先端側は覆わない構成であってもよいし、内部防水部21の周囲及び先端側を覆う構成であってもよい。
また、本実施形態及び上記各変形例では、電線10の端部に芯線露出部12aが形成され、当該端部の芯線露出部12aの防水構造について説明した。しかしながら、上記実施形態等で説明した構成は、電線の延在方向中間部に芯線露出部が形成されている場合において、当該芯線露出部12aを防水する構造についても適用可能である。例えば、電線の延在方向中間部の露出芯線部を、光硬化樹脂、熱硬化樹脂等の樹脂、熱収縮チューブ等で覆って内部防水部とし、この内部防水部の周りに外部空間と仕切られた空間を形成する外装部材を設けた構成としてもよい。この場合の外装部材としては、中間部よりも両端部が狭まったチューブ部材を用い、当該チューブ部材の両端部及び電線に粘着テープを巻付けて、当該チューブ部材と内部防水部との間に空間を設ける構成、発泡シート、発泡テープを巻付ける構成等を採用することができる。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。例えば、金属製のキャップの内側に発泡樹脂等が設けられていてもよい。
本開示は、下記の各態様を開示する。
第1の態様に係る電線の芯線露出部の防水構造は、芯線露出部を有する電線と、前記芯線露出部の周囲を覆うように設けられ前記芯線露出部を防水する内部防水部と、前記内部防水部の周りに外部空間と仕切られた空間を形成する外装部材とを備える。
第2の態様は、第1の態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記外装部材は、前記内部防水部の外周面を、その外周面に対して間隔をあけた状態で囲って、前記内部防水部の外周側に筒状の空間を形成する部材とされている。
第3の態様は、第2の態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記空間の隙間が1mm以上となる部分を含むものである。
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記外装部材の厚みが1mm以上とされているものである。
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記外装部材は、エラストマー、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の少なくとも1つによって形成されているものである。
第6の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記外装部材は、金属によって形成されているものである。
第7の態様は、第1から第6のいずれか1つの態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記芯線露出部は、前記電線の端部に設けられ、前記内部防水部は、前記芯線露出部が収容された内部キャップと、前記内部キャップ内に充填固化された止水剤とを含むものである。
第8の態様は、第7の態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記内部キャップ内における前記止水剤の硬化液面が、前記内部キャップの開口縁部よりも奥側に位置しているものである。
第9の態様は、第7又は第8の態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記外装部材は、前記内部キャップの外周面を、その外周面に対して間隔をあけた状態で囲う外部キャップを含むものである。
第10の態様は、第9の態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記外部キャップの開口側端部は、前記芯線露出部を囲む部分の内径よりも小さい内径となる部分を含むものである。
第11の態様は、第10の態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記外部キャップの前記開口側端部は、内周側に突出する複数の環状突部を含む形状に形成されているものである。
第12の態様は、第9から第11のいずれか1つの態様に係る電線の芯線露出部の防水構造であって、前記外部キャップの開口縁部が前記内部キャップの開口縁部の位置に合せられているものである。
第1の態様によると、外装部材によって内部防水部の周りに外部空間と仕切られた空間が形成される。周囲の温度変化が内部防水部に伝わり難くなり、過度の冷熱環境下等においても、内部防水構造の割れを抑制することができる。
第2の態様によると、内部防水部の周囲全体において外部の熱が内部防水部に伝わり難くなり、内部防水部の割れを有効に抑制できる。
第3の態様によると、内部防水部の周りに、隙間が1mm以上となる部分を含む空間が形成されるため、周囲の温度変化がより内部防水部に伝わり難くなり、内部防水構造の割れをより抑制することができる。
第4の態様によると、外装部材が変形し難くなり、空間の厚みを維持し易い。
第5の態様によると、外装部材を容易に形成できる。
第6の態様によると、輻射熱を反射し易くなり、輻射熱の影響による温度変化を抑制できる。
第7の態様によると、電線の端部の芯線露出部を、内部キャップと、内部キャップ内に充填固化された止水剤とによって、防水することができる。
第8の態様によると、内部キャップ内において硬化液面よりも上側の位置で、空間を確保し易い。
第9の態様によると、内部キャップの外周面を、その外周面に対して間隔をあけた状態で、外部キャップで囲むことによって、内部キャップの周囲に空間を形成することができる。
第10の態様によると、外部キャップの開口側端部は、芯線露出部を囲む部分の内径よりも小さい内径となる部分を含むため、芯線露出部の周囲に空間を確保し易い。
第11の態様によると、複数の環状突部の間で空間を形成することができ、その空間の存在によって、外部の熱が芯線露出部に熱が伝わり難くすることができる。
第12の態様によると、外部キャップの開口縁部が内部キャップの開口縁部の位置に合せられているため、内部キャップの先端側で空間を確保し易い。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10 電線
12a 芯線露出部
20 防水構造
21 内部防水部
22 内部キャップ
26 止水剤
26F 硬化液面
30 外装部材
32、132 外部キャップ
33、133 開口側端部
33p 環状突部
33q 環状凹部
40 粘着テープ
230、330 空間内包部材
S 空間
T 空間

Claims (11)

  1. 芯線露出部を有する電線と、
    前記芯線露出部の周囲を覆うように設けられ前記芯線露出部を防水する内部防水部と、
    前記内部防水部の周りに外部空間と仕切られた空間を形成する外装部材と、
    を備え、
    前記芯線露出部は、前記電線の端部に設けられ、
    前記内部防水部は、前記芯線露出部が収容された内部キャップと、前記内部キャップ内に充填固化された止水剤とを含む、電線の芯線露出部の防水構造。
  2. 請求項1に記載の電線の芯線露出部の防水構造であって、
    前記外装部材は、前記内部防水部の外周面を、その外周面に対して間隔をあけた状態で囲って、前記内部防水部の外周側に筒状の空間を形成する部材である、電線の芯線露出部の防水構造。
  3. 請求項2に記載の電線の芯線露出部の防水構造であって、
    前記空間の隙間が1mm以上となる部分を含む、電線の芯線露出部の防水構造。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電線の芯線露出部の防水構造であって、
    前記外装部材の厚みが1mm以上である、電線の芯線露出部の防水構造。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電線の芯線露出部の防水構造であって、
    前記外装部材は、エラストマー、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の少なくとも1つによって形成されている、電線の芯線露出部の防水構造。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電線の芯線露出部の防水構造であって、
    前記外装部材は、金属によって形成されている、電線の芯線露出部の防水構造。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電線の芯線露出部の防水構造であって、
    前記内部キャップ内における前記止水剤の硬化液面が、前記内部キャップの開口縁部よりも奥側に位置している、電線の芯線露出部の防水構造。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電線の芯線露出部の防水構造であって、
    前記外装部材は、前記内部キャップの外周面を、その外周面に対して間隔をあけた状態で囲う外部キャップを含む、電線の芯線露出部の防水構造。
  9. 請求項8に記載の電線の芯線露出部の防水構造であって、
    前記外部キャップの開口側端部は、前記芯線露出部を囲む部分の内径よりも小さい内径となる部分を含む、電線の芯線露出部の防水構造。
  10. 請求項9に記載の電線の芯線露出部の防水構造であって、
    前記外部キャップの前記開口側端部は、内周側に突出する複数の環状突部を含む形状に形成されている、電線の芯線露出部の防水構造。
  11. 請求項8から請求項10のいずれか1つに記載の電線の芯線露出部の防水構造であって、
    前記外部キャップの開口縁部が前記内部キャップの開口縁部の位置に合せられている、電線の芯線露出部の防水構造。
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