JP2009129589A - スプライス部の防水方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】取り扱いが容易な防水剤を用い、かつ、耐熱性を有するスプライス部の防水構造とする。
【解決手段】スプライス部に熱収縮性チューブを通し、該熱収縮性チューブの長さ方向の両端を前記スプライス部の両端を越えて延在させ、前記熱収縮性チューブの長さ方向の一端側を加熱して、前記スプライス部の一方より延長する電線群の外周に密着させて取り付けると共に、前記熱収縮性チューブの他端側は電線群の外周を隙間をあけて囲み、前記隙間に熱硬化性樹脂粉末からなる固形防水剤を挿入し、その後、加熱して前記固形防水剤の熱硬化性樹脂粉末を溶融すると共に前記熱収縮性チューブを収縮させ、前記スプライス部を挟む両側の電線の絶縁被覆の外周に熱収縮性チューブを密着させると共に、前記スプライス部および該スプライス部と絶縁被覆との間の芯線露出部に前記溶融した熱硬化性樹脂を浸透させると共に、その外周に前記熱収縮性チューブを密着させている。
【選択図】図2

Description

本発明は、スプライス部の防水方法に関し、詳しくは、車両に配索するワイヤハーネスの複数の電線を接続しているスプライス部を液状の防水剤を用いずに、防水するものである。
従来、自動車に配索するワイヤハーネスにおいて、ワイヤハーネスの電線同士を接続する場合、電線の絶縁被覆を除去して芯線を露出させ、該芯線の露出部分を溶接、半田付けあるいは圧着端子により接続してスプライス部を形成している。このスプライス部を備えたワイヤハーネスを被水領域であるエンジンルームや車両下面に沿って配索する場合、スプライス部に水が侵入すると、芯線や圧着端子に腐食が発生し、かつ、芯線の隙間を通して電線端末のコネクタへの浸水が発生する問題があるため、従来より種々の防水構造が提供されている。
このような防水構造を設ける方法として、例えば、図7に示すように、電線w1とw2の絶縁被覆を皮剥ぎし、露出させた芯線を溶接してスプライス部1を形成し、該スプライス部1を下型2に設けた所要形状のキャビテイ2a内に挿入し、上型3をセットして液状の樹脂4を流し込み、スプライス部1を樹脂4によりモールドして防水する方法がある。
しかしながら、前記防水構造は液状の樹脂を防水剤として流し込むものであるため、該液状の樹脂を一定量、正確に流し込む定量管理に手間がかかる問題がある。また、スプライスする電線の本数や径に合わせた金型を設ける必要があり、コスト高になると共に、金型の作製にも手間がかかる。
また、他の防水構造として、本出願人は、特開2005−322537号公報(特許文献1)において、図8に示すように、前記と同様の方法で形成したスプライス部1に熱収縮チューブ5を被せ、熱収縮チューブ5の長さ方向の一端側を加熱して電線群のスプライス部1の外周に密着させた後、該熱収縮チューブ5の長さ方向の他端側において、該熱収縮チューブ5と前記電線群の外周面の隙間にホットメルト6を充填し、前記スプライス部1の芯線の隙間にホットメルトを流入させてシールすると共に該ホットメルト6の熱により熱収縮性チューブ5を熱収縮させる防水構造を提供している。
しかしながら、前記特許文献1で提供している防水方法では、防水剤としてホットメルトを用いており、該ホットメルトは液状であるため、注入器を用いて、注入量を監視しながら充填する必要があり、かつ、前記電線群と熱収縮チューブとの隙間に流し込んだ状態で、下端から流出しやすい等、取り扱いにくい問題がある。
また、ホットメルトは熱可塑性であるため、熱がかかると軟化・溶融し、そのため、高温環境下に曝された場合、スプライス部が熱収縮性チューブからずれたり、軟化・溶融したホットメルトが熱収縮性チューブから外部へ漏れる等の不具合が発生する恐れがある。
さらに、特許文献1では液化したホットメルトを電線間に浸透させるために低粘度のホットメルトを用いることが提案されているが、ホットメルトの溶融粘度は一般的に高く、電線間への浸透性は十分ではない。一方、浸透性を高めるために、ホットメルトの代わりに低粘度の液状の樹脂に用いた場合には、硬化するまでに液状樹脂が熱収縮性チューブから外部に漏れる不具合が発生し、作業工程上、好ましくない。
特開2005−322537号公報
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、取り扱いが容易な防水剤を用い、かつ、耐熱性を有するスプライス部の防水構造とすることを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、第1に、複数の電線の絶縁被覆の一部を剥離し、露出させた芯材同士を接続するスプライス部の防水方法であって、
熱収縮性チューブと、熱硬化性樹脂粉末からなる固形防水剤とを用い、
前記スプライス部に前記熱収縮性チューブを通し、該熱収縮性チューブの長さ方向の両端を前記スプライス部の両端を越えて延在させ、
前記熱収縮性チューブの長さ方向の一端側を加熱して、前記スプライス部の一方より延長する電線群の外周に密着させて取り付けると共に、前記熱収縮性チューブの他端側は電線群の外周を隙間をあけて囲み、
前記隙間に前記固形防水剤を挿入し、
その後、加熱して前記固形防水剤の熱硬化性樹脂粉末を溶融すると共に前記熱収縮性チューブを収縮させ、前記スプライス部を挟む両側の電線の絶縁被覆の外周に熱収縮性チューブを密着させると共に、前記スプライス部および該スプライス部と絶縁被覆との間の芯線露出部に前記溶融した熱硬化性樹脂を浸透させると共に、その外周に前記熱収縮性チューブを密着させていることを特徴とするスプライス部の防水方法を提供している。
前記のように、本発明のスプライス部の防水方法では、熱硬化性樹脂粉末からなる固形防水剤と熱収縮性チューブとを組み合わせて用いることを特徴としている。
前記熱収縮性チューブの内周と、スプライス部の外周及び電線群の外周との間に形成された隙間に、前記熱硬化性樹脂粉末からなる固形防水剤を挿入し、加熱して該熱硬化性樹脂粉末を溶融し、熱硬化させているため、従来よりも防水構造の耐熱性を向上させることができる。その結果、高温環境下に曝されても防水剤が軟化・溶融しないため、熱収縮性チューブがずれたり、防水剤が漏れたりせず、確実に防水することができる。また、固形防水剤を用いているため、液状の防水剤を用いる場合に比べて定量管理が極めて容易であり、電線の本数に応じて挿入する防水剤の量を簡単に調節でき、異なる形態のスプライス部の防水にも柔軟に対応することができる。かつ、充填作業中に防水剤が熱収縮性チューブの外部に漏れることを防ぐことができ、作業性にも極めて優れる。
なお、本願明細書において、「熱硬化性樹脂粉末」は、溶融温度で溶融した後に硬化させて固形としたものではなく、未硬化及び半硬化状態の熱硬化性樹脂粉末を指し、加熱により溶融して網状構造を形成し、不溶不融の状態に硬化するものである。
さらに、一度の加熱で熱硬化性樹脂粉末の溶融と熱収縮性チューブの収縮を行なっているので、再度熱収縮性チューブを加熱する必要がなく、簡単にスプライス部を防水することができる。また、熱硬化性樹脂粉末の溶融粘度はホットメルトの溶融粘度よりも一般的に低いため、電線間にも熱硬化性樹脂を十分に浸透させることができ、防水を確実にすることができる。
このように、本発明の防水方法では、スプライス部を挟む両側の電線の絶縁被覆の外周には熱収縮性チューブを密着させると共に、前記スプライス部および該スプライス部と絶縁被覆との間の芯線露出部に前記溶融した熱硬化性樹脂を浸透させ、さらに、その外周には前記熱収縮性チューブを密着させているので、スプライス部の防水を確実かつ簡単に行うことができる。
前記熱硬化性樹脂粉末は、粉末状態のままで前記隙間に供給し充填してもよい。
前記熱硬化性樹脂粉末の形状は特に限定されないが、粒状、フレーク状等のものを用いることができる。
また、前記粉末のままで充填せず、粉末を押し固めて比較的大きな固形防水剤として前記隙間に挿入して用いてもよい。その場合、棒状、球状、直方体状または立方体のペレットとし、これを複数本挿入することが好ましい。また、筒状のペレットとしてもよい。
このように熱硬化性樹脂粉末をペレットとすることにより、一定量の熱硬化性樹脂粉末を予め用意しておくことができるため、ハンドリングを容易にでき、作業性を向上させることができる。また、前記ペレットの形状をスプライス部に対応させれば、溶融した熱硬化性樹脂を均一かつ確実に行き渡らせることができるため、より好ましい。
本発明は、第2に、複数の電線の絶縁被覆の一部を剥離し、露出させた芯線同士を接続するスプライス部の防水方法であって、
熱収縮性チューブと、熱硬化性樹脂粉末を押し固めて筒状とした固形防水剤とを用い、
前記固形防水剤の中空部に前記スプライス部及び該スプライス部と絶縁被覆の間の芯線とを挿入し、
ついで、前記熱収縮性チューブを、前記固形防水剤の外周および該固形防水剤の長さ方向の両端より引き出される電線の絶縁被覆を所要寸法を包囲するように取り付け、
その後、加熱して前記熱収縮性チューブを収縮させ、前記スプライス部を挟む両側の電線の絶縁被覆の外周に前記熱収縮性チューブを密着させて前記固形防水剤を該熱収縮性チューブ内に封入した後、さらに加熱して前記固形防水剤を溶融して前記スプライス部および該スプライス部と絶縁被覆との間の芯線露出部に前記溶融した熱硬化性樹脂を浸透させると共に、その外周に前記熱収縮性チューブを密着させていることを特徴とするスプライス部の防水方法を提供している。
前記第2の発明では、熱硬化性樹脂粉末を押し固めて、筒状の固形防水剤としている。
筒状としているため、熱収縮性チューブを電線群に被せる前に、予め、筒状の固形防水剤の中空部にスプライス部及び該スプライス部と絶縁被覆の間の芯線とを挿入した後、該筒状の固形防水剤の外周および、その長さ方向の両端より所要寸法を前記熱収縮性チューブで囲んで取り付けている。
このように、固形防水剤を筒状とすることで、より簡単にスプライス部に取り付けることができ、かつ、加熱工程を一度にあるいは連続して行うことができる。そのため、第1の発明のように、先に熱収縮性チューブの一端側を電線群の外周に取り付ける工程を行わなくてもよく、作業工程をより簡単にすることができる。
この場合、溶融させる固形防水剤を確実に封入するため、熱収縮性チューブが収縮する温度を、筒状に成形した熱硬化性樹脂粉末が溶融・液化する温度よりも低く設定し、該熱硬化性樹脂粉末が溶融する前に熱収縮性チューブが収縮するようにしておくことが好ましい。しかし、熱収縮性チューブの外周を均一に加熱する等により、熱硬化性樹脂粉末が溶融、流動しないように筒状の熱硬化性樹脂粉末を封入できれば、前記収縮温度の設定は不要である。
前記第1、第2の発明において、前記防水剤となる熱硬化性樹脂粉末としては、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ユリア樹脂等の熱硬化性樹脂の粉末を用いることができる。
なかでも、溶融時の流動性、加工性に優れることから、前記熱硬化性樹脂粉末はエポキシ樹脂粉末からなることが好ましい。
熱収縮性チューブは、ポリオレフィン、フッ素系樹脂、塩素系樹脂、熱可塑性エラストマー等からなるものを用いることができる。特に、電子線架橋したポリオレフィンからなる熱収縮性チューブ(住友電工ファインポリマー社製の「スミチューブ(商品名)」)が好適に用いられる。
前述したように、第1の発明によれば、熱収縮性チューブの内周と、スプライス部の外周及び電線群の外周との間に形成された隙間に、熱硬化性樹脂粉末からなる固形防水剤を挿入し、加熱して該熱硬化性樹脂粉末を溶融し、熱硬化させているため、従来よりも防水構造の耐熱性を向上させることができる。その結果、高温環境下に曝されても防水剤が軟化・溶融しないため、熱収縮性チューブがずれたり、防水剤が漏れたりせず、確実に防水することができる。また、粉末・固体状の防水剤を用いているため、液状の防水剤を用いる場合に比べて定量管理が極めて容易であり、電線の本数に応じて挿入する防水剤の量を簡単に調節でき、異なる形態のスプライス部の防水にも柔軟に対応することができる。かつ、充填作業中に防水剤が熱収縮性チューブの外部に漏れることを防ぐことができ、作業性にも極めて優れる。
さらに、一度の加熱で熱硬化性樹脂粉末の溶融と熱収縮性チューブの収縮を行なっているので、再度熱収縮性チューブを加熱する必要がなく、簡単にスプライス部を防水することができる。また、熱硬化性樹脂粉末の溶融粘度はホットメルトの溶融粘度よりも一般的に低いため、電線間にも熱硬化性樹脂を十分に浸透させることができ、防水を確実にすることができる。
このようにして、前記スプライス部を挟む両側の電線の絶縁被覆の外周には熱収縮性チューブを密着させると共に、前記スプライス部および該スプライス部と絶縁被覆との間の芯線露出部に前記溶融した熱硬化性樹脂を浸透させ、さらにその外周には前記熱収縮性チューブを密着させているので、スプライス部の防水を確実かつ簡単に行うことができる
第2の発明によれば、防水剤を筒状とすることで防水剤及び熱収縮性チューブを共に前述した位置に配置することができるので、加熱工程を一度にあるいは連続して行うことができる。そのため、第1の発明のように先に熱収縮性チューブの一端側を電線群の外周に取り付ける工程を行わなくてもよく、作業工程をより簡単にすることができる。
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1及び図2に本発明の第1実施形態を示す。
ワイヤハーネスを構成する電線群のうち、電線w1の中間位置と電線w2の端末の絶縁被覆11を除去して露出させた芯線12同士を抵抗溶接または超音波溶接により溶接してスプライス部13を形成している。
スプライス部13、該スプライス部13の両側より延長する露出した芯線露出部12aおよび該芯線露出部12aに連続する絶縁被覆11の先端部分が、エポキシ樹脂からなる熱硬化性樹脂14に埋設されると共に、該熱硬化性樹脂14および該熱硬化性樹脂14から突出する電線w1、w2の外周面に熱収縮性チューブ15を密着させて、スプライス部13の防水部10を形成している。
前記防水部10の形成方法を説明する。
先ず、電線w1、w2の所要箇所の絶縁被覆11を除去して芯線12を露出させ、露出させた芯線12同士を溶接により接続して、スプライス部13を形成する。
次いで、図2(A)に示すように、スプライス部13を熱収縮性チューブ15に通す。このとき、熱収縮性チューブ15の長さ方向の両端をスプライス部13の両端を越えて延在させる。即ち、スプライス部13、芯線露出部12aおよび該芯線露出部12aに連続する絶縁被覆11の先端部分全体に熱収縮性チューブ15を被せている。
ついで、図2(B)に示すように、熱収縮性チューブ15の長さ方向の一端側を加熱し、スプライス部13より延長する電線w1、w2の外周に密着させる。他方側の熱収縮性チューブ15は加熱せず、該熱収縮性チューブ15の内周面と、スプライス部13の外周及び電線w1の外周を隙間15aをあけて囲んでいる。
次いで、図2(C)に示すように、電線w1、w2の外周に密着させた一端側が下方となるように、電線w1、w2を配置し、他端側の該熱収縮性チューブ15の内周面と電線w1の外周面の隙間15aから熱硬化性樹脂粉末からなる固形防水剤24を充填する。本実施形態では、熱硬化性樹脂粉末としてエポキシ樹脂粉末を用いている。
その後、図2(D)に示すように、熱収縮性チューブ15全体を加熱して固形防水剤24の熱硬化性樹脂粉末を溶融すると共に熱収縮性チューブ15を収縮させる。これにより、スプライス部13を挟む両側の電線w1、w2の絶縁被覆11の外周に熱収縮性チューブ15を密着させると共に、スプライス部13および芯線露出部12aに溶融した固形防水剤24を浸透させ、かつ、その外周に熱収縮性チューブ15を密着させている。
前記構成によれば、固形防水剤24として熱硬化性樹脂粉末を用い、該熱硬化性樹脂粉末を溶融後、熱硬化させているので、高温環境下に曝されても一旦硬化した防水剤の熱硬化性樹脂14は軟化・溶融せず、熱収縮性チューブ15がずれたり、防水剤が溶融して漏れたりすることがなく、防水を確実に行うことができる。また、粉末・固体状の防水剤を用いているため、防水剤の定量管理が極めて容易であり、電線の本数に応じて挿入する熱硬化性樹脂粉末の量を容易に調節することができる。
また、隙間に充填した熱硬化性樹脂粉末が溶融した状態で、ホットメルトよりも溶融粘度が低いため、芯線間の微小な隙間にも熱硬化性樹脂を十分に浸透させることができ、防水剤が充填されていない隙間を確実に無くすことができ、防水性能を高めることが出来る。さらに熱収縮性チューブ15の収縮と、該熱収縮性チューブ15内に充填した熱硬化性樹脂粉末の溶融を同時に行うことができるため、簡単にスプライス部13を防水することができる。
なお、スプライス部の形成は溶接に限らず半田付けでもよいし、図3に示すように中間圧着端子20のバレルにより電線w1、w2の露出させた芯線12を圧着してスプライス部13を形成してもよい。
図4に、第2実施形態の防水方法を示す。
第2実施形態は、前記隙間に挿入する固形防水剤として、熱硬化性樹脂粉末を粉末状態のままとせずに、熱硬化性樹脂粉末を予め押し固めて、棒状としたペレット34を固形防水剤として用いている。
棒状ペレット34は、図4に示されるように、熱収縮性チューブ15の内周面と電線w1の外周面の隙間に、複数本挿入している。
このように熱硬化性樹脂粉末24をペレット状とすることにより、規定量の熱硬化性樹脂粉末を予め用意しておくことができ、ハンドリングを容易し、作業性を向上させることができる。かつ、このようにペレットの形状をスプライス部13及び芯線露出部12aに対応させることで溶融した熱硬化性樹脂を長さ方向に均一に行き渡らせやすい。
他の構成及び効果は第1実施形態と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
図5に、第3実施形態の防水方法を示す。
図6(A)(B)(C)は、順に、図5(C)(D)(E)を長さ方向に沿って切断した断面図を示す。
第3実施形態の防水方法は、熱硬化性樹脂粉末を予め押し固めて筒状とした筒状ペレット44を固形防水剤として用いている。また、熱収縮性チューブ15が収縮する温度を、前記固形防水剤が溶融・液化する温度よりも低く設定している。
前記筒状ペレット44からなる固形防水剤を用いた防水方法では、まず、図5(A)に示すように、筒状ペレット44の中空部44aに、第1実施形態と同様の方法により形成したスプライス部13及び該スプライス部13の両側の芯線露出部12aを挿入する。
次いで、図5(B)(C)及び図6(A)に示すように筒状ペレット44の外周及び長さ方向の両端より所要寸法を熱収縮性チューブ15で囲んで取り付ける。
次いで、図5(D)及び図6(B)に示すように、熱収縮性チューブ15の外周を加熱して、熱収縮性チューブ15を収縮させ、スプライス部13を挟む両側の電線w1、w2の絶縁被覆11の外周に熱収縮性チューブ15を密着させて筒状ペレット44を熱収縮性チューブ15内に封入する。このとき、筒状ペレット44を構成する熱硬化性樹脂粉末24は未だ溶融・液化していない、あるいは一部溶融していても流動していない。
続けて加熱を行い、図5(E)及び図6(C)に示すように、筒状ペレット44を溶融すると共に熱収縮性チューブ15をさらに収縮させ、スプライス部13を挟む両側の電線w1、w2の絶縁被覆11の外周に熱収縮性チューブ15を完全に密着させると共に、スプライス部13および芯線露出部12aの芯線12の間に溶融した熱硬化性樹脂14を浸透させると共に、その外周に熱収縮性チューブ15を密着させている。
第3実施形態の防水方法によれば、第1実施形態のように先に熱収縮性チューブ15を電線w1、w2の外周に密着させて取り付けなくても防水剤を封入することができるので製造工程をより簡単にすることができる。
他の構成及び効果は第1実施形態と同様のため、同一符号を付して説明を省略する。
本発明の第1実施形態の防水方法により形成された防水部の断面図である。 (A)〜(D)は第1実施形態の防水方法を示す図面である。 第1実施形態のスプライス部の変形例を示す図面である。 本発明の第2実施形態の防水方法を示す図面である。 (A)〜(E)は第3実施形態の防水方法を示す図面である。 (A)は図5(C)の断面図、(B)は図5(D)の断面図、(C)は図5(E)の断面図を示す。 (A)〜(C)は従来例の防水構造の形成方法を示す図面である。 他の従来例の防水構造を示す図面である。
符号の説明
10 防水部
11 絶縁被覆
12 芯線
12a 芯線露出部
13 スプライス部
14 熱硬化性樹脂
15 熱収縮性チューブ
24 固形防水剤
34 棒状ペレット
44 筒状ペレット
w1、w2 電線

Claims (4)

  1. 複数の電線の絶縁被覆の一部を剥離し、露出させた芯材同士を接続するスプライス部の防水方法であって、
    熱収縮性チューブと、熱硬化性樹脂粉末からなる固形防水剤とを用い、
    前記スプライス部に前記熱収縮性チューブを通し、該熱収縮性チューブの長さ方向の両端を前記スプライス部の両端を越えて延在させ、
    前記熱収縮性チューブの長さ方向の一端側を加熱して、前記スプライス部の一方より延長する電線群の外周に密着させて取り付けると共に、前記熱収縮性チューブの他端側は電線群の外周を隙間をあけて囲み、
    前記隙間に前記固形防水剤を挿入し、
    その後、加熱して前記固形防水剤の熱硬化性樹脂粉末を溶融すると共に前記熱収縮性チューブを収縮させ、前記スプライス部を挟む両側の電線の絶縁被覆の外周に熱収縮性チューブを密着させると共に、前記スプライス部および該スプライス部と絶縁被覆との間の芯線露出部に前記溶融した熱硬化性樹脂を浸透させると共に、その外周に前記熱収縮性チューブを密着させていることを特徴とするスプライス部の防水方法。
  2. 前記熱硬化性樹脂粉末からなる固形防水剤は粉末状態のままで前記隙間に供給し、または、前記熱硬化性樹脂粉末を予め押し固めて、棒状、球状、直方体状または立方体のペレットからなる固形防水剤としておき、複数の前記ペレットを前記隙間に挿入している請求項1に記載のスプライス部の防水方法。
  3. 複数の電線の絶縁被覆の一部を剥離し、露出させた芯線同士を接続するスプライス部の防水方法であって、
    熱収縮性チューブと、熱硬化性樹脂粉末を押し固めて筒状とした固形防水剤とを用い、
    前記固形防水剤の中空部に前記スプライス部及び該スプライス部と絶縁被覆の間の芯線とを挿入し、
    ついで、前記熱収縮性チューブを、前記固形防水剤の外周および該固形防水剤の長さ方向の両端より引き出される電線の絶縁被覆を所要寸法を包囲するように取り付け、
    その後、加熱して前記熱収縮性チューブを収縮させ、前記スプライス部を挟む両側の電線の絶縁被覆の外周に前記熱収縮性チューブを密着させて前記固形防水剤を該熱収縮性チューブ内に封入した後、さらに加熱して前記固形防水剤を溶融して前記スプライス部および該スプライス部と絶縁被覆との間の芯線露出部に前記溶融した熱硬化性樹脂を浸透させると共に、その外周に前記熱収縮性チューブを密着させていることを特徴とするスプライス部の防水方法。
  4. 前記熱硬化性樹脂粉末はエポキシ樹脂粉末からなる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のスプライス部の防水方法。
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