JP2018137940A - 熱収縮キャップの製造方法、熱収縮キャップおよび熱収縮キャップ付電線 - Google Patents

熱収縮キャップの製造方法、熱収縮キャップおよび熱収縮キャップ付電線 Download PDF

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Shigeo Matsufuji
茂雄 松藤
須藤 博
Hiroshi Sudo
博 須藤
幸康 坂本
Yukiyasu Sakamoto
幸康 坂本
宏介 蓮井
Kosuke Hasui
宏介 蓮井
佑樹 矢部
Yuki Yabe
佑樹 矢部
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Abstract

【課題】熱収縮キャップの栓部が流れ出すことを抑制可能な技術を提供することを目的とする。【解決手段】熱収縮キャップの製造方法は、下記工程(a)及び(b)を備える。工程(a)は、内包体34と、加熱により崩壊する材料で形成され前記内包体34を包む外皮36とを含むカプセル32を、両端が開口する熱収縮チューブ21の一端部22の内部に配置する工程である。工程(b)は、前記一端部22を加熱することによって、前記一端部22を収縮させると共に前記外皮36を崩壊させつつ前記内包体34を硬化させて前記一端部22の開口を封止する栓部30を形成する工程である。【選択図】図2

Description

この発明は、電線端部を止水する技術に関する。
特許文献1は、熱収縮チューブの内壁にホットメルト接着剤を設け、一端を先に加熱収縮させて封止して熱収縮キャップを形成したのち、当該熱収縮キャップを電線に被せて熱収縮キャップの残りの部分を加熱収縮させて電線接続部を密封する方法を開示している。
特開平11−178142号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、熱収縮キャップの一端部の栓はホットメルト接着剤によって形成されている。このため、熱収縮キャップを電線に装着させる時の加熱の際に熱を掛け過ぎると、栓を構成するホットメルト接着剤が流れ出す恐れがあった。
そこで、本発明は、熱収縮キャップの栓部が流れ出すことを抑制可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係る熱収縮キャップの製造方法は、(a)内包体と、加熱により崩壊する材料で形成され前記内包体を包む外皮とを含むカプセルを、両端が開口する熱収縮チューブの一端部の内部に配置する工程と、(b)前記一端部を加熱することによって、前記一端部を収縮させると共に前記外皮を崩壊させつつ前記内包体を硬化させて前記一端部の開口を封止する栓部を形成する工程と、を備える。
第2の態様に係る熱収縮キャップの製造方法は、第1の態様に係る熱収縮キャップの製造方法であって、前記カプセルは、第1内包体と前記第1内包体を包む第1外皮とを有する第1カプセルと、前記第1内包体と混ざり合うことによって硬化反応を生じさせる第2内包体と前記第2内包体を包む第2外皮とを有する第2カプセルとを含み、前記工程(b)において各カプセルの各外皮が崩壊することによって、前記第1内包体と前記第2内包体とが混合する。
第3の態様に係る熱収縮キャップの製造方法は、第1又は第2の態様に係る熱収縮キャップの製造方法であって、前記熱収縮チューブの内面には、電線を止水するためのホットメルト接着剤が前記工程(a)の前に予め塗布されており、前記外皮は、前記熱収縮チューブの内面に塗布された前記ホットメルト接着剤と同系統の材料で形成されている。
第4の態様に係る熱収縮キャップの製造方法は、第3の態様に係る熱収縮キャップの製造方法であって、前記ホットメルト接着剤および前記栓部を形成する前記内包体のSP値の差の絶対値が4以下である。
第5の態様に係る熱収縮キャップの製造方法は、第1から第4のいずれか1つの態様に係る熱収縮キャップの製造方法であって、前記カプセルの外形は収縮前の前記熱収縮チューブの内形と同形状に形成されている。
第6の態様に係る熱収縮キャップは、電線の露出芯線部に被せられる熱収縮キャップであって、両端が開口する熱収縮チューブを材料として一端部から他端部に向けて小径部と前記小径部に連なる大径部とを有する形状に形成され、少なくとも前記大径部を含む部分が熱収縮可能な外装部と、硬化した状態で前記熱収縮チューブを収縮させる温度で流動性を有しない材料を主成分として形成され、前記小径部の内側に設けられて前記外装部の前記一端部の開口を塞ぐ栓部と、を備える。
第7の態様に係る熱収縮キャップは、第6の態様に係る熱収縮キャップであって、前記外装部の内面にホットメルト接着剤が設けられており、前記栓部の外周面は凹凸形状を呈し、前記凹凸形状の隙間に前記ホットメルト接着剤が収まっている。
第8の態様に係る熱収縮キャップ付電線は、第6又は第7の態様に係る熱収縮キャップと、芯線が露出した露出芯線部を含む領域に熱収縮した状態にある前記熱収縮キャップが被せられている電線と、を備える。
第1から第5の態様によると、カプセル内の内包体が熱収縮チューブを収縮させる際の加熱に伴って硬化することによって熱収縮キャップにおける栓部が形成されるため、熱収縮キャップを電線に被せて他端部を加熱収縮させる際に栓部が流動しにくくなる。これにより、熱収縮キャップの栓部が流れ出すことを抑制することができる。
特に、第2の態様によると、内包体が一液型の場合に比べてカプセル単体の保管が容易になる。
特に、第3の態様によると、電線止水用のホットメルト接着剤が予め塗布された熱収縮チューブを用いる場合でも、工程(b)で加熱した際に、外皮とホットメルト接着剤とがなるべく均一に混ざり合いやすくなる。このため、これらの間にいわゆる相分離が生じにくくなり、ホットメルト接着剤と栓部とがはがれにくくなる。
特に、第4の態様によると、ホットメルト接着剤および栓部を形成する内包体が良好な相溶性を有するため、ホットメルト接着剤と栓部との間にいわゆる相分離が生じにくくなり、ホットメルト接着剤と栓部とがはがれにくくなる。
特に、第5の態様によると、カプセル配置時にカプセルが熱収縮チューブの内部に収まった状態でカプセルと熱収縮チューブとが位置ずれしにくい。また、熱収縮チューブの収縮時に収縮に係る力がカプセルに均一に作用しやすくなる。
第6から第8の態様によると、熱収縮キャップを電線に被せて大径部を加熱収縮させる際に栓部が流動しにくくなる。これにより、熱収縮キャップの栓部が流れ出すことを抑制することができる。
特に、第7の態様によると、栓部とホットメルト接着剤との間に界面が生じていても、平坦でなくなる分、栓部とホットメルト接着剤とがはがれにくい。
実施形態に係る熱収縮キャップを示す概略断面図である。 実施形態に係る熱収縮キャップを製造する様子を示す説明図である。 図1の部分拡大図である。 実施形態に係る熱収縮キャップを電線に装着する様子を示す説明図である。 実施形態に係る熱収縮キャップ付電線を示す概略断面図である。 熱収縮キャップの製造方法の変形例を示す説明図である。
{実施形態}
以下、実施形態に係る熱収縮キャップ及びその製造方法について説明する。
<熱収縮キャップ>
まず、図1を参照しつつ実施形態に係る熱収縮キャップ10について説明する。図1は、実施形態に係る熱収縮キャップ10を示す概略断面図である。
熱収縮キャップ10は、止水等を目的として電線50の露出芯線部54(図4参照)に被せられる部材である。熱収縮キャップ10は、一端部22が閉じた閉管状に形成され、他端部23の開口から電線50を内部に挿入可能とされる。また、熱収縮キャップ10は、少なくとも電線50の挿入口となる他端部23を含む領域が熱収縮可能とされる。これにより、熱収縮キャップ10を電線50に被せた後、他端部23を含む領域を熱収縮させることによって、熱収縮キャップ10が電線50に密着し、良好な止水性を得ることが可能となる。具体的には、熱収縮キャップ10は、外装部20と、栓部30とを備える。また、熱収縮キャップ10の内面には、電線止水用のホットメルト接着剤40が設けられている。
外装部20は、両端が開口する熱収縮チューブ21(図2参照)を材料として一端部22から他端部23に向けて小径部24と小径部24に連なる大径部25とを有する形状に形成されている。外装部20において、少なくとも大径部25を含む部分が熱収縮可能とされる。例えば、軸心方向に一様な径を有する熱収縮チューブ21の一端部22を熱収縮させて小径部24とすると共に、他端部23を熱収縮させないことによって、大径部25とすることができる。
栓部30は、小径部24の内側に設けられて、外装部20の一端部22の開口を塞ぐ部材である。ここでは、栓部30は樹脂材料が硬化して形成されている。係る樹脂材料としては、硬化した状態で熱収縮チューブ21を熱収縮させる温度で流動性を有しない材料を主成分とするものである。例えば、係る樹脂材料としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤を用いることができる。また、例えば、熱収縮チューブ21を熱収縮させる温度で流動性を有しない物であれば熱可塑性樹脂を主成分とする接着剤であってもよい。例えば、樹脂材料として熱可塑性樹脂を主成分とする接着剤を用いる場合、熱収縮チューブ21を熱収縮させる温度で、軟化しないものか、軟化したとしても熱収縮チューブ21内に設けられる電線止水用のホットメルト接着剤40よりも高粘度を有するものであることが考えられる。
<熱収縮キャップの製造方法>
次に、図2を参照しつつ熱収縮キャップ10の製造方法について説明する。図2は、実施形態に係る熱収縮キャップ10を製造する様子を示す説明図である。
ここではまず収縮前の熱収縮チューブ21の一端部22の内部にカプセル32を配置する(工程(a))。
熱収縮チューブ21は、両端が開口しており、径方向に熱収縮可能な部材である。またここでは、収縮前の熱収縮チューブ21は、軸心方向に沿って一様な径で連続している。もっとも、熱収縮チューブ21は一部で径の異なる部分があってもよい。
なお、当該工程(a)で言う収縮前とは、下記工程(b)での収縮を行う前を言い、工程(a)の前に、一部が収縮していてもよい。もっとも、当該工程(a)における収縮前の熱収縮チューブ21は、工程(b)において栓部30が形成される一端部22を含む部分、及びのちに電線50に被せる他端部23を含む部分が収縮可能である。
熱収縮チューブ21の内面には、電線50を止水するためのホットメルト接着剤40が工程(a)の前に予め塗布されている。図2に示す例では、ホットメルト接着剤40は、熱収縮チューブ21の内面全体に一様な厚みを有するように塗布されている。もっとも、ホットメルト接着剤40は、熱収縮チューブ21の内面の一部にのみ塗布されてもよい。また、内面全体に塗布される場合でも、一部で厚みが異なるように塗布されていてもよい。
もっとも、電線50を止水するためのホットメルト接着剤40が工程(a)の前に熱収縮チューブ21の内面に予め塗布されていることは必須ではない。例えば、ホットメルト接着剤40は工程(a)の後、又は下記工程(b)の後で塗布されてもよい。また、ホットメルト接着剤40は塗布されなくてもよい。
カプセル32は、内包体34と、内包体34を包む外皮36とを含む。
内包体34は、外皮36内で未硬化の状態で存在している。ここでいう未硬化の状態とは、熱硬化性樹脂が熱硬化したような不可逆的な硬化をしていないものを言う。従ってここでは熱可塑性樹脂のように硬化していても溶融および硬化を可逆的に繰り返すことができるものについては未硬化の状態に含むものとする。
外皮36は、熱収縮チューブ21を加熱する際に崩壊する材料で形成されている。係る材料としては、例えば、ホットメルト接着剤40のように加熱によって軟化するものであってもよいし、熱収縮チューブ21を加熱させて収縮させた際にその収縮力を受けて部分的に破れるなどして機械的に破壊されるものであってもよい。外皮36は、ここでは、熱収縮チューブ21の内面に塗布されたホットメルト接着剤40と同系統の材料で形成されているものとして説明する。特にここでは、外皮36は、熱収縮チューブ21の内面に塗布されたホットメルト接着剤40と同じ材料で形成されているものとして説明する。
外皮36は、崩壊の容易性という観点からはできる限り薄いことが好ましい。一方、カプセル32の保管および外皮36の形成という観点からはある程度厚みを有していることが好ましい。これらを鑑みて例えば、外皮36の厚みは0.7ミリメートル乃至1.0ミリメートル程度に設定されていることが好ましい。なお、外皮の厚みは全体に一定であることが好ましいが、必ずしもその必要はない。
ここではカプセル32は、第1カプセル32Aと第2カプセル32Bとを含む。第1カプセル32Aは、第1内包体34Aと、第1内包体34Aを包む第1外皮36Aとを有する。第2カプセル32Bは、第2内包体34Bと、第2内包体34Bを包む第2外皮36Bとを有する。
上記第1内包体34Aおよび第2内包体34Bは、混ざり合うことによって硬化反応を生じさせるものである。つまりここでは、2液を混合することによって硬化反応が生じる材料で栓部30を形成することになる。かかる材料としては、例えば、エポキシ樹脂系の2液型接着剤、ウレタン樹脂系の2液型接着剤、シリコーン樹脂系の2液型接着剤等を用いることができる。かかる2液型接着剤としては、常温硬化タイプのものであってもよいし、加熱硬化タイプのものであってもよい。従ってここでは、第1内包体34A及び第2内包体34Bのうち一方が、2液型接着剤の主剤であり、他方が、2液型接着剤のいわゆる硬化剤である。
各カプセル32の外形、ここでは各外皮36の外形は収縮前の熱収縮チューブ21の一端部22の内形と同形状に形成されている。具体的には、ここでは、熱収縮チューブ21の内周面が横断面円形状であるため、外皮36の外周面も横断面円形状に形成されている。ここでは、外皮36は円筒状に形成され、外皮36の直径は熱収縮チューブ21の内径と同程度である。なお、各カプセル32の内部の収容空間の大きさは、2液の混合比に合わせた大きさに設定されることが好ましい。これにより、配置するカプセル32が、第1内包体34Aを含む第1カプセル32Aを1つと、第2内包体34Bを含む第2カプセル32Bを1つの計2つで済む。もっとも、第1カプセル32Aと第2カプセル32Bとの数は複数であってもよく、また、数が異なっていてもよい。混合比が1対1でない場合には、多く混合する方のカプセル32の数を多くしてもよい。なお、図2に示す例では、第1カプセル32Aが第2カプセル32Bよりも開口側に位置しているが、逆であっても構わない。
カプセル32を熱収縮チューブ21内に配置したら次に一端部22を加熱機構80等によって加熱する。これによって一端部22を収縮させると共に外皮36を崩壊させつつ内包体34を硬化させて一端部22の開口を封止する栓部30を形成する(工程(b))。ここでは、工程(b)において、各カプセル32の外皮36が崩壊することによって、第1内包体34A及び第2内包体34Bが混合し、硬化が開始する。この際、栓部30の接着強度の向上又は硬化時間短縮等を目的として、必要に応じて、熱収縮チューブ21の熱収縮温度よりも高い温度で加熱することもあり得る。
ここでは、各カプセル32の外皮36とホットメルト接着剤40とは同じ材料で形成されているため、加熱後、熱の伝わり方によって多少の違いは考えられるが、ほぼ同様の挙動を示し、やがて共に流動化すると考えられる。そして、流動化したホットメルト接着剤40及び外皮36は、同じ材料で形成されているため相溶し、その界面が生じにくくなると考えられる。従って、完成品の熱収縮キャップ10では、予め塗布されたホットメルト接着剤40と外皮36との区別がつかない場合もあり得る。
またここで、ホットメルト接着剤40およびカプセル32の内包体34は、外皮36の崩壊後であって、内包体34の硬化前に共に流動状態になるときが存在する場合があると考えられる。なお、ここでは、ホットメルト接着剤40と同じ材料で形成されている外皮36についてもホットメルト接着剤40と共に流動状態になる。
具体的には、ホットメルト接着剤40及び外皮36については、加熱の進行と共に粘度が低下し、流動性を徐々に有するようになる。これに対して、内包体34については、第1内包体34A及び第2内包体34Bはそれぞれ混ざり合う前は一般的に流動性を有している。そして第1内包体34A及び第2内包体34Bが混ざり合った後に硬化が開始すると、その混合物は硬化の進行と共に粘度が上昇し、流動性が徐々になくなっていく。このように、加熱に伴い、ホットメルト接着剤40及び外皮36が流動性を徐々に増していく一方で、内包体34が徐々に流動性を失っていく過程の中で、加熱の仕方等によっては、それぞれがある程度の流動性を有している状況を得ることができる。
このような場合、ホットメルト接着剤40および内包体34のSP値の差の絶対値が4以下に設定されているとよい。これにより、共に流動状態にあるホットメルト接着剤40および内包体34の相溶性が良好なものになり、その界面で相分離が生じにくくなる。
ここで、SP値とは溶解度パラメータ(Solubility Parameter)とも言い、この値が近い程、相溶性が良くなることが経験的に知られている。SP値の計算方法としては、例えば、Hansen法、Fedors法等が知られている。なお、SP値の単位は、(cal/cm1/2であり、以下では単位を省略して記載している。また、SP値は添加物によって変化することがあるため、以下では、主成分のSP値を記載する。
ホットメルト接着剤40および内包体34のSP値の差の絶対値が4以下である組合せとしては、例えば、ホットメルト接着剤40として、ポリアミド樹脂系接着剤を用いると共に、内包体34としてエポキシ樹脂系接着剤を用いることが考えられる。具体的には、ポリアミド樹脂系接着剤の主成分がナイロン66であるとすると、ナイロン66のSP値は、13.6である。これに対してエポキシ樹脂のSP値は、10.9である。これらのSP値の差は2.7となる。従って、添加物によって多少変化したとしても、ホットメルト接着剤40として、ポリアミド樹脂系接着剤を用いると共に、内包体34としてエポキシ樹脂系接着剤を用いることによって、SP値の差の絶対値が4以下の組み合わせを容易に得ることができる。
もっとも、ホットメルト接着剤40および内包体34のSP値の差の絶対値が4以下であることは必須ではなく、4より大きくてもよい。
ここで、上記製造方法によって栓部30を形成すると、熱収縮チューブ21の収縮、ホットメルト接着剤40の軟化、及び内包体34の硬化がいずれも均一に生じるとは限らない。また、ホットメルト接着剤40と内包体34とが相溶するとは限らない。これらのため、栓部30とホットメルト接着剤40との間に明確な界面が生じると共に、栓部30の外周面が図3に示すような凹凸形状31を呈している場合があり得る。この場合、凹凸形状31の隙間にホットメルト接着剤40が収まる。これにより、いわゆるアンカー効果が生じることによって、栓部30と熱収縮チューブ21或いはホットメルト接着剤40とがはがれにくくなる。なお、図3では、上記凹凸形状31の凸部は、熱収縮チューブ21の内面に達しているが、達していない場合もあり得る。
もっとも、完成した熱収縮キャップ10において、栓部30とホットメルト接着剤40との間に明確な界面が生じず、これらの区別がつかない場合もあり得る。
<熱収縮キャップ付電線およびその製造方法>
次に、図4及び図5を参照しつつ熱収縮キャップ付電線60およびその製造方法について説明する。図4は、実施形態に係る熱収縮キャップ10を電線50に装着する様子を示す説明図である。図5は、実施形態に係る熱収縮キャップ付電線60を示す概略断面図である。
まず、収縮前の熱収縮キャップ10の他端部23の開口から電線50を熱収縮キャップ10に挿入すると、図4のような状態となる。
ここで図4に示す例では、熱収縮キャップ10が被せられている電線50として複数の被覆電線52が想定されている。各被覆電線52は、芯線53と芯線53を覆う被覆部分56とを含む。芯線53は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の導電材料によって形成される。芯線53は、1本又は複数本の素線で構成される。ここで被覆電線52が複数である場合、各被覆電線52の芯線53の種類は同じであってもよいし、異なっていてもよい。ここでは、被覆電線52として、銅、銅合金によって芯線53が形成された銅電線と、アルミニウム、アルミニウム合金によって芯線53が形成されたアルミニウム電線とが共存しているものとして説明する。被覆部分56は、樹脂等の絶縁材料が芯線53の周囲に押出成形されるなどして形成される。各被覆電線52の端部は、被覆部分56が剥がされて芯線53が露出した露出芯線部54とされている。露出芯線部54の少なくとも一部には芯線53同士が接合された接合部55が形成されている。芯線53同士は、例えば、抵抗溶接あるいは超音波溶接等の溶接、端子の圧着、または半田付け等によって接合される。
電線50は、例えば、その先端を栓部30に突き当てることなどによって長さ方向に位置決めされる。なお、電線50が挿入された状態で、熱収縮キャップ10と、電線50との少なくとも一方は、図示しない治具等で保持されているとよい。
熱収縮キャップ10に電線50が挿入されたら、加熱機構82によって、熱収縮キャップ10を加熱する。これにより、熱収縮キャップ10の他端部23が収縮すると共にホットメルト接着剤40が流動する。この加熱の際、栓部30については熱収縮チューブ21の熱収縮温度で流動しにくい材料を主成分としているため、流動して流れ出すといった事態が生じにくくなっている。そして、所定時間経過するなどして加熱が完了することによって熱収縮キャップ10が十分に収縮して、ホットメルト接着剤40を介して熱収縮キャップ10が電線50に密着した状態となる。この後、冷却することによって流動化したホットメルト接着剤40が固化し、図5に示される熱収縮キャップ付電線60が完成する。
上記態様によると、カプセル32内の内包体34が熱収縮チューブ21を収縮させる際の加熱に伴って硬化することによって熱収縮キャップ10における栓部30が形成されるため、熱収縮キャップ10を電線50に被せて他端部23を加熱収縮させる際に栓部30が流動しにくくなる。これにより、熱収縮キャップ10の栓部30が流れ出すことを抑制することができる。
また、2液硬化型の主剤と硬化剤とが別のカプセル32A、32Bとして存在するため、内包体34が一液硬化型の場合に比べてカプセル32A、32B単体の保管が容易になる。
また、外皮36と電線止水用のホットメルト接着剤40とが同系統の材料であるため、ホットメルト接着剤40が予め塗布された熱収縮チューブ21を用いる場合でも、工程(b)で加熱した際に、外皮36とホットメルト接着剤40とがなるべく均一に混ざり合いやすくなる。このため、これらの間にいわゆる相分離が生じにくくなり、栓部30が脱落しにくくなる。
また、栓部30と内包体34とのSP値の差の絶対値が4以下であるため、栓部30を形成する内包体34およびホットメルト接着剤40が良好な相溶性を有する。このため、ホットメルト接着剤40と栓部30との間にいわゆる相分離が生じにくくなり、ホットメルト接着剤40と栓部30とがはがれにくくなる。
また、カプセル32の外形が熱収縮チューブ21の内形と同形状であるため、カプセル32配置時にカプセル32が熱収縮チューブ21の内部に収まった状態でカプセル32と熱収縮チューブ21とが位置ずれしにくい。また、熱収縮チューブ21の収縮時に収縮に係る力がカプセル32に均一に作用しやすくなる。
また、栓部30が形成された状態で、栓部30の外周面の凹凸形状31の隙間にホットメルト接着剤40が収まっているため、栓部30とホットメルト接着剤40との間に界面が生じていても、その界面が平坦でなくなる分、栓部30とホットメルト接着剤40とがはがれにくい。
{変形例}
実施形態において、カプセル32の内包体34として2液型の材料を用いていたが、このことは必須ではない。カプセル32の内包体34として1液型の材料を用いることもできる。この場合、図6に示すように、工程(a)において、1液型の材料を内包体34Cとする1つのカプセル32Cを熱収縮チューブ21内に配置する。その後、熱収縮チューブ21の一端部22を加熱して、熱収縮チューブ21を熱収縮させつつ外皮36Cを崩壊させて内包体34Cを硬化させることによって、栓部を形成することができる。
当該1液型の材料としては、1液熱硬化型エポキシ系接着剤、1液湿気硬化型シリコーン樹脂系接着剤、1液湿気硬化型ウレタン樹脂系接着剤等が考えられる。
このように内包体34Cが1液型であると、使用するカプセル32Cの種類が1種類で済むので、部品管理が容易となる。
また、これまで、カプセル32の外形が熱収縮チューブ21の内形と同形状であるものとして説明したが、このことは必須ではない。カプセル32の外形が熱収縮チューブ21の内形より小さい場合もあり得る。この場合、カプセルの外形は収縮完了後の熱収縮チューブ21の内形よりも大きいことが好ましい。
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10 熱収縮キャップ
20 外装部
21 熱収縮チューブ
22 一端部
23 他端部
24 小径部
25 大径部
30 栓部
31 凹凸形状
32 カプセル
32A 第1カプセル
32B 第2カプセル
34 内包体
34A 第1内包体
34B 第2内包体
36 外皮
36A 第1外皮
36B 第2外皮
40 ホットメルト接着剤
50 電線
52 被覆電線
53 芯線
54 露出芯線部
55 接合部
56 被覆部分
60 熱収縮キャップ付電線

Claims (8)

  1. (a)内包体と、加熱により崩壊する材料で形成され前記内包体を包む外皮とを含むカプセルを、両端が開口する熱収縮チューブの一端部の内部に配置する工程と、
    (b)前記一端部を加熱することによって、前記一端部を収縮させると共に前記外皮を崩壊させつつ前記内包体を硬化させて前記一端部の開口を封止する栓部を形成する工程と、
    を備える、熱収縮キャップの製造方法。
  2. 請求項1に記載の熱収縮キャップの製造方法であって、
    前記カプセルは、第1内包体と前記第1内包体を包む第1外皮とを有する第1カプセルと、前記第1内包体と混ざり合うことによって硬化反応を生じさせる第2内包体と前記第2内包体を包む第2外皮とを有する第2カプセルとを含み、
    前記工程(b)において各カプセルの各外皮が崩壊することによって、前記第1内包体と前記第2内包体とが混合する、熱収縮キャップの製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の熱収縮キャップの製造方法であって、
    前記熱収縮チューブの内面には、電線を止水するためのホットメルト接着剤が前記工程(a)の前に予め塗布されており、
    前記外皮は、前記熱収縮チューブの内面に塗布された前記ホットメルト接着剤と同系統の材料で形成されている、熱収縮キャップの製造方法。
  4. 請求項3に記載の熱収縮キャップの製造方法であって、
    前記ホットメルト接着剤および前記栓部を形成する前記内包体のSP値の差の絶対値が4以下である、熱収縮キャップの製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の熱収縮キャップの製造方法であって、
    前記カプセルの外形は収縮前の前記熱収縮チューブの内形と同形状に形成されている、熱収縮キャップの製造方法。
  6. 電線の露出芯線部に被せられる熱収縮キャップであって、
    両端が開口する熱収縮チューブを材料として一端部から他端部に向けて小径部と前記小径部に連なる大径部とを有する形状に形成され、少なくとも前記大径部を含む部分が熱収縮可能な外装部と、
    硬化した状態で前記熱収縮チューブを収縮させる温度で流動性を有しない材料を主成分として形成され、前記小径部の内側に設けられて前記外装部の前記一端部の開口を塞ぐ栓部と、
    を備える、熱収縮キャップ。
  7. 請求項6に記載の熱収縮キャップであって、
    前記外装部の内面にホットメルト接着剤が設けられており、
    前記栓部の外周面は凹凸形状を呈し、前記凹凸形状の隙間に前記ホットメルト接着剤が収まっている、熱収縮キャップ。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の熱収縮キャップと、
    芯線が露出した露出芯線部を含む領域に熱収縮した状態にある前記熱収縮キャップが被せられている電線と、
    を備える、熱収縮キャップ付電線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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