JPS6010023Y2 - 冷熱用電子部品等の樹脂モ−ルド構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は冷熱用電子部品等の樹脂モールド構造に関する
ものである。

従来の樹脂モールド電気部品には、複数の細線を撚り合
わせた複数単芯あるいは複数複芯の絶縁被覆リード線が
用いられていたが、この複数を撚り合てせたリード線は
、各細線間に絶縁被覆を施した後においても空隙があり
、その空隙中を湿気あるいは水が容易に移動するため、
例えば第１図のごとく電気および電子部品をリード線の
絶縁被覆部を含めて、樹脂でモールドしてもリード線の
他側の芯線部から湿気あるいは水が侵入し、電気および
電子部品が侵食される恐れがある。

第１図〜第３図において、１はマイクロリレーあるいは
サーミスタ等の電気および電子部品、２は電子部品等１
のリード線接続用の端子、３は熱可塑性樹脂被覆あるい
はゴム被覆等の絶縁被覆８にて撚線９を覆ったリード線
、４は端子２とリード線３とを例えば半田付は等によっ
て接続した部分であり、５はモールド樹脂の硬化物、６
はリード線を電源に接続するためにリード線に取付けら
れた圧着端子であり、７はその圧着端子用の絶縁スリー
ブである。

第１図に示した樹脂モールド電気および電子部品のリー
ド線として複線撚り合わせ絶縁被覆線が使用されてもの
を、仮りに低温の雰囲気、例えば冷蔵庫等の蒸発器に取
り付けて使用したとすれば、冷蔵庫の蒸発器は約−３０
’Ｃ程度に冷やされるため、第１図に示したリード線３
のモールド樹脂に埋込まれた部分およびその近傍も約−
３０′Ｃに冷却され、−３０℃の飽和水蒸気圧が約０．
３８ｍｍＨｇであるため絶縁被覆中の撚り合わせ細線間
にある空気中の水蒸気は当然、結氷状態で分離される。

しかるに６の圧着端子部分が冷蔵庫外にあったとすると
、例えば２０℃の湿度６０％ＲＨとしても約１０．５ｍ
ｍＨｇの水蒸気圧の湿気があるため、その湿気が撚り合
わせ細線間の空隙を通して、−３０’Ｃに冷却されるリ
ード線の樹脂埋込み部分およびその近傍に供給されるた
め、その部分の撚り合わせ細線間の空隙は水または氷で
満たされる状態になり、特に冷蔵庫の蒸発器の除霜運転
時に氷が一度水になり、除霜運転が終了して冷凍運転に
入ると、再度氷結し、その氷結に伴う体積膨張によるス
トレスによって、リード線３と電気および電子部品の端
子２との接続部分４の表面および端子２自身の表面とモ
ールド樹脂硬化物５との間に剥離が生じ、水がやがて１
の電気および電子部品に到達する。

これを防止するために、圧着端子部分６を冷蔵庫内に設
置して冷凍運転中において樹脂モールド部と圧着端子部
の温度差をなくすよう考慮した場合には、蒸発器の除霜
運転時において除霜水あるいは除霜時に発生する水蒸気
によって、圧着端子部６が直接攻撃されるため適切な考
慮とは云い難い。

上述した水の侵入を防止する別の手段として、端子部２
をできるだけ長くするとか、接続部４のリード線３の芯
線むき出し部を溶融半田浴に浸し、絶縁被覆内部に半田
を浸透させ、その空隙部を半田で埋める等の手段が採ら
れているが、前者はモールド部の形状が大形化する欠点
があり、また、後者は作業の難かしさと仕上りのバラツ
キ等があり完全な効果が得られない等の問題がある。

本考案はかかるリード線からの氷の侵入と云う問題を解
決するために熱可塑性樹脂被覆あるいはゴム被覆を有す
る導体が銅線の単線単芯のリード線あるいは単線複芯の
リード線を用いた樹脂モールド電気および電子部品を提
供するものである。

第３図は本考案で用いる絶縁被覆を有するリード線の断
面構造を示すものであり、イは単線単芯、口は単線複芯
の１例を示す。

本考案は以上説明した如（熱可塑性樹脂被覆・ゴム被覆
等の絶縁被覆８を有するリード線３の先端の芯線９をサ
ーミスタ等に結線し、このサーミスタ等からリード線３
の芯線および絶縁被覆８の一部にわたってモールド樹脂
５にてモールドしてなる電子部品を冷熱用蒸発器の一部
に取付けるとともに、この電子部品のリード線を細線か
らなる銅線の単線単芯としたものであるから、冷蔵庫・
ルームエアコンの冷熱用樹脂モールド電気部品は熱可塑
性樹脂被覆あるいはゴム被覆を有する単線単芯あるいは
単線複芯のリード線を用いたことによって、その導体部
分からの水の侵入する恐れがなくなるので、低温高湿雰
囲気あるいは特に水中で使用しても優秀な耐湿、耐水寿
命が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来良く知られている表面に絶縁被覆を有する
リード線が取り付けられた樹脂モールド電気および電子
部品の１例、第２図および第３図は従来の樹脂モールド
電気および電子部品のリード線として用いられている絶
縁被覆リード線の複線単芯断面図および複線複芯断面図
、第４図および第５図は本考案の樹脂モールド電気およ
び電子部品に用いる絶縁被覆リード線の単線単芯断面図
および単線複芯断面図である。 １・・・・・・電気および電子部品、２・・・電気およ
び電子部品のリード線接続端子、３・・・・・・絶縁被
覆を施したリード線、４・・・・・・２と３との接続部
分、５・・・・・・モールド樹脂硬化物、６・・・・・
・圧着端子、７・・・・・・絶縁スリーブ、８・・・・
・・リード線の絶縁被覆、９・・・・・・リード線の芯
線。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 熱可塑性樹脂被覆・ゴム被覆等の絶縁被覆８を有す
   るリード線３の先端の芯線９をサーミスタ等に結線し、
   このサーミスタ等からリード線３の芯線９および絶縁被
   覆８の一部にわたってモールド樹脂５にてモールドして
   なる電子部品を冷却用蒸発器の一部に取付けるとともに
   、このサーミスタのリード線を細線からなる銅線の単線
   単芯としたことを特徴とする冷熱用電子部品等の樹脂モ
   ールド構造。 ２ 導体として銅線単線複芯のリード線を用いた実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の冷熱用電子部品等の樹脂
   モールド構造。