JP5381290B2 - 自動車のトランクリッドの開閉装置 - Google Patents

Description

本発明は、自動車の車体後部にトランクルームを設け、このトランクルーム内を開閉するトランクリッドに、ロック開放時のポップアップ機能を持たせるようにした自動車のトランクリッドの開閉装置に関する。

従来の自動車のトランクリッドの開閉構造は一般に次のような構造のものが知られている。
トランクリッドの裏面にヒンジアームの一端が固定され、トランクルーム内の車体パネルにヒンジアームの他端が回動可能に取り付けられている。ヒンジアームはトランクリッドを上方に開ける際に車体パネルと干渉しないように下方に大きく湾曲させた曲がり部を有している。このヒンジアームの曲がり部の途中には、ヒンジリンクの一端が軸支されており、このヒンジリンクの他端には受け部が設けられている。一方、トランクルーム内には、２本のトーションバーが車幅方向に配設されており、このトーションバーに設けられたクランク部が左右のヒンジリンクの受け部にそれぞれ係合して配設されている（特許文献１）。

このように、ヒンジアームとトーションバーのクランク部とは、ヒンジリンクを介して連結され、トランクリッドを開いた状態から閉じることにより、トーションバーが捩じられ、これにより捩じれトルクがトランク部からヒンジリンクとヒンジアームにバネ作用として伝わり、トランクリッドに対して開き方向の復元力が付与される。こうして、トランクリッドのロックが解除された際に、この復元力を利用してトランクリッドを浮き上がらせる作用、いわゆるポップアップ機能を持たせている。これによって、ユーザーがトランクリッドの開閉状態を一目で判断することができる。

特開平１０−２３６３３７号公報

上記のようにトーションバーの捩じれトルクをトランクリッドの開閉の動力源としている車においては、トランクリッドのヒンジ機構部のリンク部形状とトーションバーの出力を工夫することで適当なポップアップ量を得ることが可能である。しかしリンク機構部の占有スペース、トランクリッド重量、トーションバーの捩じれトルクのバラツキ等多くの因子を考慮して設計しなければならず、理想的なポップアップ量（５０ｍｍ程度もしくはトランク開度５ｄｅｇ前後）を成立させることは困難であった。また、何より設計に莫大な時間と労力が必要であった。
図１３に従来のトーションバーによるヒンジアームをヒンジブラケットに軸支するピン周りトルク（●線）とトランク自重によるトルク（▲線）のトルク設定を示す。従来、トーションバーのバネのみでトランクリッドのポップアップとトランクリッドを開ける方向のトルクを設定するので、トルク線が接近しつつ２回交差する繊細な設定を必要とし、リンク部材の公差やトーションバーの反力公差を厳密に管理する必要がある。また、上記の繊細な設定の中で確実にポップアップするように設定すると、設定ポップアップ角度を２０度程度と大きくする必要があり、高級感や見栄えの向上で求められるポップアップ角度５度を設定することは、更に厳密な品質管理が必要となる。

本発明は、トーションバーの捩じれトルクをトランクリッドのヒンジアームに伝えるリンク機構部に、トランクリッドのロックが解除された際に、トーションバーと協働してトランクリッドをポップアップ状態に保持する弾発手段を装着して最適なポップアップ量を得ることができる自動車のトランクリッドの開閉装置を提供することを目的とする。

本発明は、上記課題を解決するため、一端部をトランクリッドに固定したヒンジアームの他端部を回動可能に車体パネル側に取り付けると共に、このヒンジアームの途中にヒンジリンクの一端を回動可能に取り付け、このヒンジリンクの他端に前記トランクリッドに対して開き方向の復元力を付与するトーションバーの捩じれトルクを作用させるようにした自動車のトランクリッドの開閉装置において、前記トランクリッドをロックしたとき弾性変形され、前記トランクリッドのロックを解除したときに、復元力によりトランクリッドをポップアップ状態に保持する弾発手段を上記ヒンジリンク部に装着し、前記弾発手段は、前記トランクリッドを開け切ったとき、前記トランクリッドの開きに反発するように前記ヒンジアームとヒンジリンクとの間に弾発力を付与する位置に設けられ、かつ、前記弾発手段として、中間部を折り返して反転させた反転部を有し、かつ、一端部に前記ヒンジリンク部側に取り付けられるベース部を有するとともに、他端部に円弧状の湾曲部を有するポップアップスプリングを用いたことにある。
また、本発明は、前記ヒンジリンクが前記ヒンジアームの途中に回動可能に取り付けられる回転軸と同軸に前記ベース部が回転可能に取り付けられていることにある。
さらに、本発明は、前記トランクリッドをロックした時、前記ポップアップスプリングの反転部をヒンジアームに当接させて弾性変形させ、前記トランクリッドのロックを解除したときに、前記トーションバーの復元力とともにポップアップスプリングの復元力によりトランクリッドをポップアップ状態に保持するように構成し、前記トランクリッドを開け切ったとき、前記ヒンジアームとヒンジリンクに挟まれる領域に前記ポップアップスプリングの反転部が位置し、前記ポップアップスプリングの反転部が前記ヒンジアームとヒンジリンクに当接することにより前記ヒンジアームとヒンジリンクとの間に弾発力を付与するように構成したことにある。

本発明によれば、トランクリッドのロックを解除したときにトランクリッドをポップアップ状態に保持する弾発手段を上記ヒンジリンクに装着したので、リンク機構部の形状及び大きさに影響されず、かつトーションバーの性能のばらつきに影響されない最適なポップアップ状態にトランクリッドを保持することができる。また、トーションバーと弾発手段が協働してトランクリッドをポップアップ状態に保持するので、トーションバーの性能のバラツキによる影響を受けにくく、設計工数の削減を図ることができる。さらに、前記弾発手段は、前記トランクリッドを開け切ったとき、前記トランクリッドの開きに反発するように前記ヒンジアームとヒンジリンクとの間に弾発力を付与する位置に設けられているので、トランクリッドの開く速度を減衰させるとともに、トランクリッドの全開時の跳ね返りによる振動を減少させる効果がある。また、前記弾発手段として、中間部を折り返して反転させた反転部を有し、かつ、一端部に前記ヒンジリンク部側に取り付けられるベース部を有するとともに、他端部に円弧状の湾曲部を有するポップアップスプリングを用いたので、ポップアップスプリングの復元力によりトランクリッドをポップアップ状態に保持することができるとともに、ポップアップスプリングの部品が小さいのでトランクルーム容量に影響を与えることがなく、組みつけが簡単である。
またさらに、前記ヒンジリンクが前記ヒンジアームの途中に回動可能に取り付けられる回転軸と同軸に前記ベース部が回転可能に取り付けられているので、リンク機構部の占有スペースを縮小することができる。
また、前記トランクリッドをロックした時、前記ポップアップスプリングの反転部をヒンジアームに当接させて弾性変形させ、前記トランクリッドのロックを解除したときに、前記トーションバーの復元力とともにポップアップスプリングの復元力によりトランクリッドをポップアップ状態に保持するように構成し、前記トランクリッドを開け切ったとき、前記ヒンジアームとヒンジリンクに挟まれる領域に前記ポップアップスプリングの反転部が位置し、前記ポップアップスプリングの反転部が前記ヒンジアームとヒンジリンクに当接することにより前記ヒンジアームとヒンジリンクとの間に弾発力を付与するように構成したので、ポップアップスプリングの部品が小さいのでトランクルーム容量に影響を与えることがなく、組みつけが簡単である。

本発明の実施の形態による自動車のトランクリッドの開閉装置を示す斜視図である。 本発明の実施の形態によるトランクリッドを閉めた状態の自動車のトランクリッドの開閉装置を示す側面図である。 本発明の実施の形態によるトランクリッドを開けた状態の自動車のトランクリッドの開閉装置を示す側面図である。 図１のトランクリッドの開閉装置のリンク機構を示す斜視図である。 図2のポップアップスプリングの組付け方法を示す斜視図である。 図2のポップアップスプリングの組付け状態を示す斜視図である。 図2のトランクリッドを閉めた状態のポップアップスプリングの動作を示す側面図である。 図７のトランクリッドのロックを解除した状態のポップアップスプリングの動作を示す側面図である。 図８のトランクリッドを開ける状態におけるポップアップスプリングの動作を示す側面図である。 図９のトランクリッドを開け切った状態におけるポップアップスプリングの動作を示す側面図である。 本発明によるトーションバーによるピン周りの回転トルク（●線）とトランク自重によるトルク（▲線）のトルクとの関係を示すグラフである。 ポップアップスプリングによるポップアップ効果を示すグラフである。 従来のトーションバーによるピン周りの回転トルク（●線）とトランク自重によるトルク（▲線）のトルクとの関係を示すグラフである。

［第１実施形態］
以下図示の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図１〜図４において、自動車の車体１には、乗員席とは区画されてトランクルーム２が設けられ、このトランクルーム２には、開閉自在のトランクリッド３が設けられている。このトランクリッド３には、トランクルーム２内との間にリンク機構部４が設けられ、このリンク機構部４によって開閉自在にトランクリッド３が装着されている。

前記リンク機構部４は、トランクリッド３のインナパネル３ａに一端部１０ａを装着された左右のヒンジアーム（トランクヒンジ）１０と、トランクルーム２内のパーテションパネル等の車体パネル５に装着され、かつ前記ヒンジアーム１０の他端部１０ｂを回動可能に支持した左右のヒンジブラケット２０と、左右のヒンジブラケット２０相互間に掛け渡された一対のトーションバー３０_１、３０_２と、前記トーションバー３０_１、３０_２とヒンジアーム１０との間に設けられたヒンジリンク４０とで構成されている。

左右のヒンジアーム１０はそれぞれ略Ｕ字形状に湾曲して形成されたもので、一端部１０ａをトランクリッド３のインナパネル３ａに固定され、他端部１０ｂを左右のヒンジブラケット２０の一端部２０ａにそれぞれ回動可能に支持されている。ヒンジブラケット２０は、車体後方側の一端部２０ａに、トランクルーム２の外側に向けて逆Ｕ字形部２１を有し、この逆Ｕ字形部２１の両側側壁２１ａに、ピン孔２１ｂが形成されている。ヒンジアーム１０の他端部１０ｂを両側側壁２１ａの間に組付け、ピン孔２１ｂにピン２２を通すことによって、ヒンジアーム１０の他端部１０ｂをピン２２によって回転自在に支持している。ヒンジブラケット２０は、逆Ｕ字形部２１の反対側の他端部２０ｂ側に、下部側に向けて左右一対の側壁部２３を有し、この側壁部２３の後端に車体前方に向けてスリット部２３ａが設けられている。側壁部２３には、下端部側に開口２３ｂを有する切欠き部２３ｃが設けられ、この切欠き部２３ｃの内面側の後方縁部にスリット部２３ａ側に向けてスリット部２３ｄが設けられている。

一対のトーションバー３０_１、３０_２は、互いに対称に配置され、一端部に略逆Ｕ字状のクランク部３０ａが形成され、他端部にヒンジブラケット２０の側壁部２３の切欠き部２３ｃに係合して固定される折り返し部３０ｂが形成されている。図４には、トーションバー３０_１の一端部と、トーションバー３０_２の他端部を示している。
トーションバー３０_１、３０_２は、それぞれ一端部側のクランク部３０ａの両側を両側壁部２３のスリット部２３ａに係合されて支持されており、他端部側の折り返し部３０ｂを側壁部２３の切欠き部２３ｃに係合され、スリット部２３ａに折り返し部３０ｂを係合させて固定されている。折り返し部３０ｂの先端には折り曲げ部３０ｃが設けられており、この折り曲げ部３０ｃを側壁部２３の壁面に係合させて抜け止めが図られている。

前記ヒンジリンク４０は、ヒンジアーム１０の他端部１０ｂ側の途中に一端部４０ａを軸支され、トーションバー３０_１、３０_２のクランク部３０ａに他端部４０ｂを係合させたものである。ヒンジリンク４０は、図５および図６に示すように、２枚のプレートあるいは一枚のプレートを二つ折りにして形成されている。ヒンジリンク４０は、互いに一定間隔で対向する一端部４０ａ側の一対のプレート４１に互いに対向する取付孔４０ｄを形成し、この取付孔４０ｄを、ヒンジアーム１０の他端部１０ｂの両側面に形成された車幅方向の取付孔１０ｃに重ねて、ピン４２を介して留められ、ヒンジアーム１０に回転自在に軸支されている。また、ヒンジリンク４０は、他端部４０ｂ側の互いに重ね合わされた一対のプレート４１端部に、端面から長手方向にＵ字状の受け部４０ｃが形成され、この受け部４０ｃに前記一方のトーションバー３０_１（または３０_２）のクランク部３０ａが係合支持されている。

前記ヒンジリンク４０には、図５および図６に示すように、前記トランクリッド３のロックを解除したときにトランクリッド３をポップアップ状態に保持する弾発手段としてのポップアップスプリング５０が組み付けられている。このポップアップスプリング５０は、中間部を折り返して反転させた帯状の板バネ５１の一端部に外側に向けて半円状の湾曲部５１ａを形成し、板バネ５１の他端部に、車幅方向に互いに対向する一対の支持部５１ｂを設けたもので、前記湾曲部５１ａと支持部５１ｂは互いに反対方向に向けて延出して形成されている。
前記帯状の板バネ５１の幅Ｈ_１は、前記一端部４０ａ側の一対のプレート４１相互間の幅Ｈ_２よりも小さく形成されており、前記一対の支持部５１ｂ相互間の幅Ｈ_３も一対のプレート４１相互間の幅Ｈ_２よりも小さく形成されている。

前記一対の支持部５１ｂには、一側に幅方向の外側に向けて延出するベース部としてのフランジ部５１ｂ_１が形成されている。一方、前記湾曲部５１ａの基端部には、車幅方向外側に向けて延出するストッパ片５１ａ_１が形成されている。フランジ部５１ｂ_１とストッパ片５１ａ_１は、ヒンジリンク４０の車体前後方向の両端面４０ｅ１，４０ｅ２を挟むように組み付けられている。
フランジ部５１ｂ_１とストッパ片５１ａ_１とは、互いに一定間隔で平行に配置され、前記ヒンジリンク４０の厚み方向の両端面４０ｅ１，４０ｅ２に係合するように形成されている。前記一対の支持部５１ｂの互いに対応する位置に前記取付孔１０ｃに合致する取付孔５１ｃが形成されている。この取付孔５１ｃをヒンジアーム１０の取付孔１０ｃおよびヒンジリンク４０の取付孔４０ｄに合わせてピン４２によって回転自在に軸支することでヒンジリンク４０およびポップアップスプリング５０がヒンジアーム１０に支持されている。中間部を折り返した前記ポップアップスプリング５０の反転部５１ｄには、前記一対の支持部５１ｂと同方向に延出した突出部５１ｅが設けられている。

上記構成による自動車のトランクリッドの開閉装置の動作を図７ないし図１２を参照しながら説明する。
図７はトランクリッド３を閉めた状態のリンク機構部４を示したもので、ヒンジアーム１０の回動に伴って、ポップアップスプリング５０の突出部５１ｅがヒンジアーム１０の他端部１０ｂの端面１０ｄに当接して図示矢視のように押し出され、ヒンジアーム１０を押し出す力が常時、作用している。このとき、トランクリッド３には、トーションバー３０_１、３０_２のバネ作用とともに、ポップアップスプリング５０のバネ作用が働き、トランクリッド３を開ける方向の力が作用している。

図８はトランクリッド３のロックを解除した状態のリンク機構部４を示したもので、トーションバー３０_１、３０_２のバネ作用とともに、ポップアップスプリング５０のバネ作用により、トランクリッド３はポップアップした状態になる。こうして、ポップアップスプリング５０は自然状態に戻る。
このときのトーションバー３０_１、３０_２のクランク部３０ａは、図７の位置ａから図８の位置ｂまでの変化がポップアップ角度αとなる。
図９は、トランクリッド３のロックを解除した後、トランクリッド３が開く途中の状態のリンク機構４を示したもので、トランクリッド３とともにヒンジアーム１０が回動し、ヒンジリンク４０がヒンジアーム１０から次第に離れていくことになる。このとき、トーションバー３０_１、３０_２のクランク部３０ａは、ヒンジリンク４０の受け部４０ｃに係合しているため、ヒンジリンク４０の回動とともに回動し、位置ｃへと移動する。こうして、ポップアップスプリング５０の突出部５１ｅがヒンジアーム１０から離れ、ポップアップスプリング５０のフランジ部５１ｂ_１がヒンジアーム１０の端面１０ｄとの接触から離れる。

図１０は、トランクリッド３が開放された状態のリンク機構４を示したもので、ヒンジアーム１０の回動とともにヒンジリンク４０が大きく回動して開き、トーションバー３０_１、３０_２のクランク部３０ａも位置ｄに移動して大きく回動する。このとき、ポップアップスプリング５０の湾曲部５１ａがヒンジアーム１０の端面１０ｄに接触して圧縮されてバネ作用が働き、トランクリッド３の開く速度を減衰させる。また、トランクリッド３のヒンジアーム１０とヒンジリンク４０との間にポップアップスプリング５０の湾曲部５１ａの弾性力が作用しているので、トランクリッドの全開時の跳ね返りによる振動を減少させる。

図１１に示す本案でのトーションバー３０_１、３０_２によるヒンジアーム１０をヒンジブラケット２０に軸支するピン２２周りの回転トルク（●線）とトランク自重によるトルク（▲線）のトルク設定では、トルク線の交差はポップアップ角度５度の１点だけに設定し、５度以上において常に「ピン２２周りの回転トルク＞トランク自重によるトルク」とトランクが開く方向にトルクをかけることができる。
ここで、５度以下においては、図１２に示すように、本案のポップアップスプリングがトランクを押し上げてポップアップ角度５度を実現する。
また、トランクリッド３を開け切る手前で上記ポップアップスプリングによってトランクリッド３の開く速度を減衰することができる。
このため、トーションバー３０_１、３０_２によるピン２２周りの回転トルクの設定は簡単になり、リンク部材の公差やトーションバー３０_１、３０_２の反力公差の管理において余裕ができ、生産性・コストに対し有利となる。

上記実施の形態によると、トランクリッド３のロックを解除したときにトランクリッド３をポップアップ状態に保持する弾発手段としてのポップアップスプリング５０をヒンジリンク４０に装着したので、リンク機構部４の形状及び大きさに影響されず、かつトーションバーの性能のばらつきに影響されない最適なポップアップ状態にトランクリッド３を保持することができる。また、トーションバー３０_１、３０_２とポップアップスプリング５０が協働してトランクリッド３をポップアップ状態に保持するので、トーションバー３０_１、３０_２の性能のバラツキによる影響を受けにくく、設計工数の削減を図ることができる。
また、前記トランクリッド３を開け切ったとき、前記トランクリッド３の開きに反発するように前記ヒンジアーム１０とヒンジリンク４０との間に弾発力を付与する位置に前記ポップアップスプリング５０の湾曲部５１ａが設けられているので、トランクリッド３の開く速度を減衰させるとともに、トランクリッド３の全開時の跳ね返りによる振動を減少させる効果がある。

さらに、ポップアップスプリング５０は、中間部を折り返して反転させた反転部５１ｄを有し、かつ、一端部に前記ヒンジリンク４０部側に取り付けられるフランジ部５１ｂ_１を有するとともに、他端部に円弧状の湾曲部５１ａを有するように構成されており、かつポップアップスプリング５０の反転部５１ｄには、一対の支持部５１ｂと同方向に延出した突出部５１ｅが設けられているので、前記トランクリッド３をロックした時、前記ポップアップスプリング５０の反転部５１ｄの突出部５１ｅをヒンジアーム１０に当接させて反転部５１ｄを弾性変形させ、前記トランクリッド３のロックを解除したときに、前記トーションバー３０_１、３０_２の復元力とともにポップアップスプリング５０の反転部５１ｄの復元力によりトランクリッド３をポップアップ状態に保持することができる。ポップアップスプリング５０の部品が小さいのでトランクルーム容量に影響を与えることがなく、組みつけが簡単である。

なお、本発明は、上記実施の形態のみに限定されるものではなく、例えば、ポップアップスプリング５０は、ヒンジリンク４０に取り付けてヒンジアーム１０の端面１０ｄに当接してバネ作用を生じるものであれば、どのような形状のものでも良い。特に帯状の板バネ５１を折り曲げて湾曲部５１ａ、反転部５１ｄ、突出部５１ｅ、フランジ部５１ｂ_１を形成したが、どのような形状のものでも良いなど、その他、本発明の要旨を変更しない範囲内で、適宜、変形、変更して実施し得ることは言うまでもない。

１ 自動車の車体
２ トランクルーム
３ トランクリッド
４ リンク機構部
５ 車体パネル
１０ ヒンジアーム
２０ ヒンジブラケット
３０_１、３０_２ トーションバー
３０ａ クランク部
４０ ヒンジリンク
４０ａ 一端部
４０ｂ 他端部
４０ｃ 受け部
５０ ポップアップスプリング
５１ａ 湾曲部
５１ｂ 支持部
５１ａ_１ ストッパ片
５１ｂ_１ フランジ部
５１ｄ 反転部
５１ｅ 突出部

Claims (3)

1. 一端部をトランクリッドに固定したヒンジアームの他端部を回動可能に車体パネル側に取り付けると共に、このヒンジアームの途中にヒンジリンクの一端を回動可能に取り付け、このヒンジリンクの他端に前記トランクリッドに対して開き方向の復元力を付与するトーションバーの捩じれトルクを作用させるようにした自動車のトランクリッドの開閉装置において、前記トランクリッドをロックしたとき弾性変形され、前記トランクリッドのロックを解除したときに、復元力によりトランクリッドをポップアップ状態に保持する弾発手段を上記ヒンジリンク部に装着し、前記弾発手段は、前記トランクリッドを開け切ったとき、前記トランクリッドの開きに反発するように前記ヒンジアームとヒンジリンクとの間に弾発力を付与する位置に設けられ、かつ、前記弾発手段として、中間部を折り返して反転させた反転部を有し、かつ、一端部に前記ヒンジリンク部側に取り付けられるベース部を有するとともに、他端部に円弧状の湾曲部を有するポップアップスプリングを用いたことを特徴とする自動車のトランクリッドの開閉装置。
2. 前記ヒンジリンクが前記ヒンジアームの途中に回動可能に取り付けられる回転軸と同軸に前記ベース部が回転可能に取り付けられていることを特徴とする請求項１に記載の自動車のトランクリッドの開閉装置。
3. 前記トランクリッドをロックした時、前記ポップアップスプリングの反転部をヒンジアームに当接させて弾性変形させ、前記トランクリッドのロックを解除したときに、前記トーションバーの復元力とともにポップアップスプリングの復元力によりトランクリッドをポップアップ状態に保持するように構成し、前記トランクリッドを開け切ったとき、前記ヒンジアームとヒンジリンクに挟まれる領域に前記ポップアップスプリングの反転部が位置し、前記ポップアップスプリングの反転部が前記ヒンジアームとヒンジリンクに当接することにより前記ヒンジアームとヒンジリンクとの間に弾発力を付与するように構成したことを特徴とする請求項１または２に記載の自動車のトランクリッドの開閉装置。
   

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