JP5675731B2 - 車両の開口部用開閉装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の開口部用開閉装置の改良技術に関する。
車両の開口部用開閉装置は、各種の開口部を開閉体によって開閉するものである。該開口部用開閉装置としては、例えばトランク開口部をトランクリッドによって開閉するものが、特許文献1から知られている。
特許文献1で知られている車両の開口部用開閉装置は、車体の後部に形成されたトランクのトランク開口部と、該トランク開口部を開閉するトランクリッドと、該トランクリッドを車体にスイング可能に支持するヒンジアームと、該ヒンジアームをトランクリッドの開き方向へ付勢するトーションバーと、を含む。
詳しく述べると、トーションバーの一端部は、車体に相対回転を規制されて連結されている。トーションバーの他端部は、バー径方向外側に折れ曲がった略クランク状に形成され、該クランク部分の先端には樹脂製の弾性パイプがパイプ中心回りに回転可能に嵌め込まれている。トーションバーの付勢力は、弾性パイプを介してヒンジアームに伝えられる。ヒンジアームは該付勢力によってトランクリッドを開く。
しかしながら、トーションバーが捩れたときに、クランク部分も同じ方向に捩れる。この結果、クランク部分に嵌め込まれている弾性パイプは、ヒンジアームに対して相対的に傾き得る。つまり、弾性パイプは、ヒンジアームに対して均一に接触せず、偏って当たることがあり得る。従って、ヒンジアームに対し、トーションバーの付勢力がトランクリッドの開き方向とは多少異なる方向に作用する。このような現象は、ヒンジアーム及びトランクリッドのスイング動作の円滑化を図る上で不利である。しかも、開口部用開閉装置の耐久性を高めるためには、弾性パイプが偏って摩耗する、いわゆる偏摩耗の発生を極力抑制するための改良の余地がある。
さらには、トランクリッドの開閉速度は、最適な速度であることが好ましい。そのためには、ヒンジアームのスイング速度は最適値に設定されることが求められる。しかし、トーションバーに回転可能に嵌め込まれている弾性パイプと、ヒンジアームとの間には、滑り摩擦がほとんど発生しない。ヒンジアームのスイング速度は、トーションバーの付勢力だけに依存するので、必ずしも最適値であるとは限らない。これに対し、トランクリッドの開閉速度を設定するための、摩擦力を発生する機構を新たに設けることが考えられるが、部品数が増すので得策ではない。
実開平1−079775公報
本発明は、開口部用開閉装置の耐久性を高めるとともに、開閉体のスイング動作の円滑化及び開閉速度の最適化を図ることができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明によれば、車体に形成された開口部を開閉する開閉体と、該開閉体を前記車体にスイング可能に支持するヒンジアームと、該ヒンジアームを前記開閉体の開き方向へ付勢するトーションバーと、を含む車両の開口部用開閉装置において、前記ヒンジアームの表面に設けられたスライドレール部と、該スライドレール部に案内されて前記ヒンジアームのアーム長手方向にスライド可能なスライダと、を有し、該スライダは、前記スライドレール部に対して前記トーションバーの付勢方向へ常に面接触した状態に保持され、該トーションバーは、前記スライダに連結されていることを特徴とする車両の開口部用開閉装置が提供される。
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記スライダは、前記トーションバーを嵌め込みによって連結するためのバー連結用開口を有し、該バー連結用開口は、前記トーションバーによって前記ヒンジアームを付勢する方向に対し、逆方向に開放している。
請求項3に記載のごとく、さらに好ましくは、前記バー連結用開口は、前記スライドレール部に対する前記スライダのスライド方向とは直交する直交方向に延びる溝部によって構成され、該溝部は、溝長手方向の中央に位置する中央部と、該中央部に対し溝長手方向の両側に位置する両端部とから成り、前記中央部は、溝長手方向に平行なストレート溝に形成され、前記両端部は、前記中央部から溝長手方向外側へ向かって広がるテーパ溝に形成されている。
請求項4に記載のごとく、さらに好ましくは、前記開口部は、前記車体の後部に設けられたトランク開口部によって構成され、前記開閉体は、前記トランク開口部を開閉するトランクリッドによって構成され、前記スライドレール部は、アーム基端部分の前面に位置し、前記トーションバーの支持中心は、前記ヒンジアームのスイング中心よりも車体後方に位置している。
請求項5に記載のごとく、さらに好ましくは、該スライドレール部は、該スライドレール部に対する前記スライダの下降可能な最下限位置を規定するためのストッパを有し、
前記最下限位置は、前記アーム基端部分のスイング運動に従って前記スライダが最も下降する最下降動作位置、又は該最下降動作位置に対して更に下降可能な一定の遊び代を加えた位置に設定されている。
請求項6に記載のごとく、さらに好ましくは、前記トランクリッドが全開に開いた状態における、前記スライドレール部に対する前記スライダの位置は、前記最下降動作位置よりも上位に設定されている。
請求項7に記載のごとく、さらに好ましくは、前記ストッパは、前記スライドレール部に形成された係止用凸部によって構成され、前記スライダには、前記係止用凸部に係止可能な係止部が形成されている。
請求項8に記載のごとく、さらに好ましくは、前記スライダは、前記スライドレール部に対して前記ストッパとは反対側から着脱可能に設けられている。
請求項9に記載のごとく、さらに好ましくは、前記アーム基端部分の前面には、該アーム基端部分のスイング中心寄りの部位に位置する第1取付孔と、該第1取付孔よりも前記スイング中心から離れた部位に位置する第2取付孔とを有し、前記スライドレール部は、前記アーム基端部分に対して別部材によって構成され且つ該アーム基端部分の前面に重ねられる部材であり、前記第1取付孔に引っ掛ける略L字状の掛け止め爪部と、前記第2取付孔にスナップフィットによって係止するクリップ部とを有している。
請求項1に係る発明では、スライドレール部に対して、スライダはトーションバーの付勢方向に常に面接触した状態に保持されている。このため、トーションバーが捩れ、スライダに対して傾いて連結されている場合であっても、スライドレール部に対してスライダが面接触した状態を十分に維持できる。従って、ヒンジアームに対し、トーションバーの付勢力が開閉体の開き方向とは多少異なる方向に作用した場合であっても、ヒンジアーム及び開閉体のスイング動作を円滑に行わせることができる。しかも、スライドレール部とスライダとの接触面が偏って摩耗する、いわゆる偏摩耗の発生を極力抑制することができる。この結果、開口部用開閉装置の耐久性を高めることができる。
さらに、請求項1に係る発明では、スライドレール部とスライダとの間には、滑り摩擦力が発生する。該滑り摩擦力を適宜設定することによって、ヒンジアームのスイング速度を最適値に設定することができる。この結果、開閉体の開閉速度を最適な速度に、容易に設定することができる。しかも、開閉体の開閉速度を設定するための、摩擦力を発生する機構を設ける必要はなく、この結果、部品数の低減を図ることができる。
請求項2に係る発明では、スライダは、トーションバーを嵌め込みによって連結するためのバー連結用開口を有している。ヒンジアームの表面に設けられているスライドレール部に対し、スライダを組み付けた状態において、該スライダのバー連結用開口にトーションバーを嵌め込むだけで、スライダにトーションバーを容易に組み付けることができる。しかも、バー連結用開口は、トーションバーによってヒンジアームを付勢する方向に対し、逆方向に開放している。該付勢方向とは反対方向へ捩られているトーションバーを、バー連結用開口に位置合わせするだけで、該トーションバーは自己の付勢力によって、バー連結用開口へ自動的に嵌り込む。従って、ヒンジアームに組み付けられているスライダに対する、トーションバーの組み付け性が高い。さらには、バー連結用開口に嵌め込まれたトーションバーによって、そのまま、ヒンジアームを開閉体の開き方向へ付勢することができる。
請求項3に係る発明では、バー連結用開口は、スライダのスライド方向に対して直交方向に延びる溝部によって構成されている。該溝部は、溝長手方向の中央に位置するストレート溝と、該ストレート溝の両端から溝長手方向外側へ広がるテーパ溝とから成る。このため、トーションバーは、溝部に対して傾いた状態であっても、ストレート溝だけに連結する。つまり、傾いた該トーションバーが溝部の長手方向端部に片当たりすることはない。従って、バー連結用開口の耐久性を高めることができる。しかも、トーションバーが溝部に対して傾いた状態であっても、該トーションバーをストレート溝だけで受けることができる。該トーションバーの付勢力は、溝部の溝長手方向の中央位置に作用する。この結果、スライドレール部に対するスライダの傾きを防止できるので、該スライダを一層円滑にスライドさせることができる。
請求項4に係る発明では、車両のトランク開口部を開閉するためのトランクリッドの開閉方向は、上下方向である。該トランクリッドを車体に支持するヒンジアームのアーム基端部分は、車体に前後スイング可能に取り付けられている。トーションバーの支持中心は、ヒンジアームのスイング中心よりも車体後方に位置している。スライドレール部は、アーム基端部分の前面に位置している。スライダは、スライドレール部に案内されて、ヒンジアームのアーム長手方向にスライド可能である。トランクリッドが開いた状態では、スライダはヒンジアームの下部に位置する。
トーションバーをスライダのバー連結用開口に組み付けるには、次のようにすればよい。スライドレール部に組み付けられているスライダは、トランクリッドを全開まで開くことにより、自動的に下方へ移動する。下方へ移動した該バー連結用開口の位置は、トーションバーが嵌り込み可能な位置に設定しておけばよい。反付勢方向へ捩られているトーションバーは、自己の付勢力によって、バー連結用開口へ自動的に嵌り込む。従って、ヒンジアームに組み付けられているスライダに対する、トーションバーの組み付け性が、一層高まる。
しかも、ヒンジアームにトーションバーを近づけることができたので、トランクルームの有効スペースが増える。
請求項5に係る発明では、スライドレール部は、スライダの下降可能な最下限位置を規定するためのストッパを有する。スライダは、スライドレール部に対して最下限位置よりも下降することが規制される。つまり、スライダは、アーム基端部分のスイング運動に従って下降するものの、ストッパによって最下限位置の上に保持される。このため、スライドレール部とスライダとトーションバーの他端部との組み付け性を、更に高めることができる。
請求項6に係る発明では、トランクリッドが全開に開いた状態における、スライドレール部に対するスライダの位置は、最下降動作位置よりも上位に設定されている。このため、仮にトランクリッドを全開よりも過大に開いた、いわゆるオーバーストローク操作をした場合であっても、スライダはストッパに強く当たることはない。この結果、該ストッパの耐久性を高めることができる。
請求項7に係る発明では、ストッパは、スライドレール部に形成された係止用凸部によって構成されている。一方、スライダには、係止用凸部に係止可能な係止部が形成されている。係止用凸部に係止部を係止させることにより、スライドレール部にスライダを保持することができる。このため、スライドレール部にスライダを仮組みした上で、次工程に搬送することができるので、搬送性が高まる。
請求項8に係る発明では、スライダは、アーム基端部分に位置しているスライドレール部に対して、ストッパとは反対側から着脱可能に設けられている。このため、アーム基端部分に設けられている状態のスライドレール部に対して、スライダを容易に交換することができる。スライダの交換作業性が高まる。
請求項9に係る発明では、スライドレール部は、アーム基端部分に対し別部材によって構成されている。このため、大型のアーム基端部分に一体に形成されている場合に比べて、スライドレール部を容易に生産することができる。さらに、スライドレール部は掛け止め爪部とクリップ部とを有している。該掛け止め爪部は、アーム基端部分のスイング中心寄りの部位に位置する第1取付孔に、引っ掛けられる。該クリップ部は、アーム基端部分に対して第1取付孔よりもスイング中心から離れた部位に位置する第2取付孔に、スナップフィットによって係止される。
スライドレール部に対するスライダのスライド方向に対して、トーションバーからバー連結用開口へ作用する付勢力の付勢方向は、直角ではない。このため、スライドレール部の上部(スイング中心寄りの部分)には、アーム基端部分から離れる方向の力が働くことが多い。これに対し、請求項9に係る発明では、スライドレール部の上部に掛け止め爪部を有している。該掛け止め爪部は、クリップ部よりも係止性能が比較的安定している。このため、アーム基端部分に対するスライドレール部の取付状態を、十分に維持することができる。
本発明の実施例1に係る開口部用開閉装置を備えた車両の後部の斜視図である。 図1に示された開口部用開閉装置の斜視図である。 図2に示された左側のヒンジ機構とトーションバーとスライド機構の斜視図である。 図3に示された左側のヒンジ機構とトーションバーとスライド機構の側面図である。 図4に示された左側のヒンジ機構とトーションバーとスライド機構の分解図である。 図5に示された左のヒンジブラケットに対するバー支持部材とトーションバーの連結構成を拡大して表した分解図である。 図2に示された左のヒンジ機構とトーションバーとスライド機構の関係を模式的に表した概念図である。 図4に示されたスイング基端部分とヒンジ機構を該スイング基端部分の長手に沿って断面した断面図である。 図8の9−9線に沿った断面図である。 図8に示されたスライド機構の分解図である。 図10に示されたスライダのバー連結用開口とバー案内部とバー保持部とを拡大して表した構成図である。 図10に示されたスライドレール部とスライダとの関係を表した関係図である。 図2に示されたトランクリッドの自重によるトルクとトーションバーによるトルクとの関係を表したグラフである。 本発明の実施例2に係る開口部用開閉装置のスイング基端部分とヒンジ機構を該スイング基端部分の長手に沿って断面した断面図である。 図14に示されたスライド機構の斜視図である。 図14に示されたスライドレール部とスライダとトーションバーの他端部との分解図である。 図16に示されたスライドレール部とスライダとの関係を背面側から見た図である。 図14に示されたスライダがスライドレール部の基準面に位置している状態を示す図である。 図18に示されたスライダがスライドレール部の隆起面まで変位した状態を示す図である。 図19に示されたスライダがスライドレール部の高位面まで変位した状態を示す図である。 図1に示されたトランクリッドの開閉状態を説明する図である。
本発明を実施するための形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Leは左側、Riは右側、CLは車幅中心を示す。
実施例1に係る車両の開口部用開閉装置について、図1〜図13に基づき説明する。図1は、開口部用開閉装置11を備えた車両10の後部を示している。該開口部用開閉装置11は、車両10に形成された各種の開口部13を開閉体14によって開閉するものである。例えば、該開口部用開閉装置11は、車両10の後部に備えているトランクルーム12のトランク開口部13(開口部13)をトランクリッド14(開閉体14)によって開閉するように構成される。
図1及び図2に示されるように、該開口部用開閉装置11は、トランクリッド14と、左右のヒンジ機構20L,20Rと、左右のトーションバー40L,40Rと、左右のスライド機構50,50と、によって構成されている。左右のヒンジ機構20L,20Rは、トランクルーム12内の左右に位置する。左右のヒンジ機構20L,20Rは、互いに左右対称形に構成されている他には、実質的に同じ構成である。左右のトーションバー40L,40Rも、互いに左右対称形に構成されている他には、実質的に同じ構成である。以下、左のヒンジ機構20Lと左のトーションバー40Lを主に説明し、右のヒンジ機構20Rと右のトーションバー40Rについては、必要に応じて説明する。
左のヒンジ機構20Lは、車体16のパネル17(例えばパーセルシェルフ17)に取り付けられたヒンジブラケット21Lと、該ヒンジブラケット21Lにトランクリッド14をスイング可能に支持するヒンジアーム31Lと、から成る。この結果、トランクリッド14は、車体16にスイング可能に支持される。
図3〜図5に示されるように、ヒンジブラケット21Lは、被取付部22とアーム支持部23とバー支持部24とから成る、鋼板の折り曲げ成形品である。
被取付部22は、パネル17に取り付けられる部分である。該被取付部22は、車両後方から見たときに、下方が開放された略逆U字状に形成されている。該被取付部22の天板には取付孔22a,22bが設けてあり、パネル17の下面にボルト止めされる。
アーム支持部23は、該被取付部22の中間部に一体に形成されている。詳しく述べると、該アーム支持部23は、被取付部22の左右の側板がそのまま車両後方へ延びたものであり、支持軸25を嵌合するために車幅方向に貫通した支持孔23a,23bが形成されている。
バー支持部24は、被取付部22の下部及びアーム支持部23の下部に一体に形成されており、被取付部22及びアーム支持部23よりも車幅方向へ幅広に設定されている。該バー支持部24は、車両後方から見たときに、下方が開放された略逆U字状に形成されており、左のトーションバー40Lを支持するために、車体後方へ開口した水平な左右の第1スリット24a,24bが形成されている。このスリット24a,24bは、車幅方向に互いに同心に位置している。
図5及び図6に示されるように、左右の第1スリット24a,24bには、樹脂性の左右のバー支持部材26,26が装着されている。該左右のバー支持部材26,26は、左右の第1スリット24a,24bによって左のトーションバー40Lの他端部42を支持する場合に、該左のトーションバー40Lの捩れ運動を円滑にするための部材である。該左右のバー支持部材26,26は、左のトーションバー40Lを後から挿入するためのスリット26a,26aを有するとともに、該左右の第1スリット24a,24bにスナップフィット(弾性を有した係止)によって嵌め込まれている。
図5及び図6に示されるように、車幅方向内側のバー支持部材24の側板には、第1スリット24bの後方に第2スリット24cとバー掛け止め用孔24dとが形成されている。バー掛け止め用孔24dは、第2スリット24cの上に位置し、車幅方向に貫通している。第2スリット24c及びバー掛け止め用孔24dは、右のトーションバー40Rの一端部41を掛け止める部分である。
図2〜図4に示されるように、アーム支持部23には、支持軸25によってヒンジアーム31Lのスイング基端が前後スイング可能に支持されている。該ヒンジアーム31Lは、例えば断面形状及び太さが一定の角パイプにより、側面視略U字状に形成された部材であって、スイング先端にトランクリッド14が取り付けられている。該ヒンジアーム31Lのなかの、スイング基端側の部分32のことを、以下「アーム基端部分32」という。該アーム基端部分32は、トランクリッド14の全閉状態において、車体16に対するスイング中心P1(支持軸25の中心P1)から前下方へ真っ直ぐに延びた、直線状の部分である。
図4に示されるように、アーム基端部分32は、スイング中心P1に対して、実線によって示された前下方のリッド全閉位置P11と、想像線によって示された後下方のリッド全開位置P12との間を、前後スイング運動が可能である。リッド全閉位置P11は、図2に示されるように、トランクリッド14が全閉まで閉じたときの位置である。リッド全開位置P12は、図1に示されるように、トランクリッド14が全開まで開いたときの位置である。
図2に示されるように、左のトーションバー40Lは、車幅方向に延びて、左のヒンジアーム31Lをトランクリッド14の開き方向Roへ付勢する付勢部材である。右のトーションバー40Rは、車幅方向に延びて、右のヒンジアーム31Rをトランクリッド14の開き方向Roへ付勢する付勢部材であり、左のトーションバー40Lに対して実質的に同じ機能を有する。左右のトーションバー40L,40R同士は、車体前後方向に互いに交差しており、不必要に移動させないために、クリップ48によってパーセルシェルフ17に固定される。
図7に示されるように、該左のトーションバー40Lの一端部41は、略U字状に折り返されており、右のヒンジブラケット21Rの第2スリット24c及びバー掛け止め用孔24dに掛け止められている。この結果、左のトーションバー40Lの一端部41は、車体16に対し相対回転を規制されて連結されている。
図4〜図6に示されるように、左のトーションバー40Lの他端部42は、略クランク状(略U字状)に形成されている。詳しく述べると、他端部42は、直線状のトーションバー40Lの途中からバー径方向外側へ延びた一対の延出部45,45と、該一対の延出部45,45の各先端間を繋いだ直線状の押し当て部43(付勢力作用部43)と、から成る。該押し当て部43は、直線状のトーションバー40Lに対して平行である。
さらに、左のトーションバー40Lは、他端部42にバー被支持部44,44を有する。該バー被支持部44,44は、左右のバー支持部材26,26を介し、左右の第1スリット24a,24b(バー支持部24a,24b)によって回転可能に支持される。つまり、左のトーションバー40Lは、車体16に対し回転可能に支持されている。左右の第1スリット24a,24bによるバー被支持部44,44の支持中心P2、つまり車体16に対する左のトーションバー40Lの支持中心P2は、ヒンジアーム31Lのスイング中心P1よりも車体後方に位置している。より詳しくは、左のトーションバー40Lの他端部42の支持中心P2は、ヒンジアーム31Lのスイング中心P1の後下方に位置している。該押し当て部43は、バー被支持部44,44からオフセット量Lo(図5参照)だけオフセットしている。左のトーションバー40Lの支持中心P2に対する押し当て部43のスイング半径は、該オフセット量Loと同一である。
図7に示されるように、左のトーションバー40Lの他端部42の押し当て部43は、左のスライド機構50を介して、ヒンジアーム31Lをトランクリッド14(図2参照)の開き方向Roへ付勢している。
図2〜図4に示されるように、左右のスライド機構50,50は、左右のスライドレール部51(左のみを示す)と、左右のスライダ61(左のみを示す)と、から成る。該左右のスライドレール部51及び該左右のスライダ61は、例えば硬質樹脂によって形成される。
該左右のスライドレール部51は、互いに同じ構成である。該左右のスライダ61も、互いに同じ構成である。以下、左のスライドレール部51と左のスライダ61を主に説明し、右のスライドレール部51と右のスライダ61については、必要に応じて説明する。
図3及び図4に示されるように、該左のスライドレール部51は、上下に細長い略平板状の部材によって構成されるとともに、左のヒンジアーム31Lの表面32a(車体前側の面32a、前面32a)に設けられている。つまり、スライドレール部51は、アーム基端部分32の前面32aに位置する。該スライドレール部51の上端51dは、アーム基端部分32のスイング中心P1寄りに位置している。
より具体的に述べると、図5、図8及び図9に示されるように、該スライドレール部51は、アーム基端部分32に対して別部材によって構成され、且つ裏面51bを該アーム基端部分32の前面32aに重ねられる部材である。このため、スライドレール部51は、大型のアーム基端部分32に一体に形成されている場合に比べて、容易に生産することができる。
該スライドレール部51の裏面51bが、該アーム基端部分32の前面32aに重ね合わされた状態において、該スライドレール部51の裏面51bはアーム基端部分32の前面32aに対して平行である。該スライドレール部51の厚さは、一定である。従って、該スライドレール部51の表面51c(被スライド面51c)は、該スライドレール部51の裏面51bに対して平行であり、且つ、アーム基端部分32の前面32aに対して平行である。
アーム基端部分32の前面32aには、該アーム基端部分32のスイング中心P1寄りの部位に位置する第1取付孔33と、該第1取付孔33よりもスイング中心P1から下方へ離れた部位に位置する第2取付孔34とを有する。スライドレール部51は、第1取付孔33に引っ掛ける略L字状の掛け止め爪部52と、第2取付孔34にスナップフィットによって係止するクリップ部53とを有している。図9に示されるように、スライドレール部51の幅は、アーム基端部分32よりも幅広に設定されている。
アーム基端部分32にスライドレール部51を組み付ける手順は次の通りである。先ず、第1取付孔33に対して掛け止め爪部52を差し込みながら掛け止める。次に、そのまま、該第1取付孔33よりも下位に位置している第2取付孔34にクリップ部53を押し込んで爪を掛け止める。
図8、図10及び図11に示されるように、該スライダ61は、アーム基端部分32のスイング運動に従い、スライドレール部51に案内されてヒンジアーム31のアーム長手方向にスライド可能、つまり、上下変位が可能である。該左右のスライダ61には、左右のトーションバー40L,40Rが連結、つまり他端部42,42が連結される。
該スライダ61は、スライド方向に沿った両側の縁61a,61aからスライドレール部51の縁51a,51aを包み込むように略L字状に形成された、一対のアーム部62,62を有する。該一対のアーム部62,62は、一対の延出部63,63と一対の折り返し部64,64とから成る。
該一対の延出部63,63は、スライドレール部51の被スライド面51cに対向するスライド面61b(対向面61b、裏面61b)から、スライドレール部51の縁51a,51aの近傍を通って、スライドレール部51の裏面51b側へ延びている。該一対の折り返し部64,64は、一対の延出部63,63の先端から、スライドレール部51の裏面51bに沿って、互いに対向する方向へ延びている。スライダ61のスライド面61bから一対の折り返し部64,64までの間隔dsの大きさは、スライドレール部51の厚さtrよりも大きく設定されている。
このようにして、スライダ61のスライド面61bには、スライド方向に沿った両側の縁61a,61aに、互いに向かい合って開口した一対のスライド溝65,65が形成されている。該一対のスライド溝65,65の溝幅ds(間隔ds)は、スライドレール部51の両側の縁部51a,51aの厚さtrよりも大きく設定されている。スライダ61は、該一対のスライド溝65,65にスライド可能に嵌合している。
スライドレール部51の被スライド面51cと、スライダ61のスライド面61bとは、平坦面に形成されている。スライダ61のスライド面61bは、スライドレール部51の被スライド面51cの上を、スライド可能である。
図3、図8及び図10に示されるように、スライダ61は、バー連結用開口71とバー案内部75とバー保持部77とを有している。該バー連結用開口71は、トーションバー40Lの他端部42の押し当て部43を嵌め込みによって連結する部分であり、スライダ61に一体に形成されている。このように、トーションバー40Lの他端部42(押し当て部43)は、スライダ61に対し相対回転可能に且つ捩り変位可能に連結されている。
該スライダ61は、スライドレール部51に対してトーションバー40Lの付勢方向Rtに常に面接触した状態に保持されている。言い換えると、スライダ61のスライド面61bは、スライドレール部51に対して離間不能に保持、つまり、トーションバー40Lがヒンジアーム31Lを付勢する方向Rtに離間することなく、保持されている。
バー連結用開口71とバー案内部75とバー保持部77とについて、図11に基づき、より詳しく説明する。図11(a)は、側方から見たスライダ61を示している。図11(b)は、図11(a)のb−b線に沿った断面構成を示している。図11(c)は、図11(a)のc矢視線方向から見たスライダ61を示している。
該バー連結用開口71は、スライドレール部51に対するスライダ61のスライド方向SLとは直交する直交方向に延びる溝部によって構成されている。該溝部71(バー連結用開口71)は、スライダ61の裏面61bとは反対側に開口している。言い換えると、該溝部71は、図4に示されるトーションバー40Lによって、つまり他端部42によってヒンジアーム31Lを付勢する方向Rtに対し、逆方向に開放している。
さらに、該溝部71は、スライダ61のスライド方向SLとは直交する直交方向SCに貫通している。該溝部71は、溝長手方向の中央に位置する中央部72と、該中央部72に対し溝長手方向の両側に位置する両端部73,73と、から成る。中央部72は、溝長手方向に平行なストレート溝に形成されている。両端部73,73は、中央部72から溝長手方向外側へ向かって広がるテーパ溝に形成されている。
このため、図10及び図11に示されるように、トーションバー40Lの他端部42は、溝部71に対して傾いた状態であっても、ストレート溝72(中央部72)だけに連結する。つまり、傾いた該他端部42が溝部71の長手方向端部73,73に片当たりすることはない。従って、バー連結用開口71の耐久性を高めることができる。しかも、トーションバー40Lの他端部42が溝部71に対して傾いた状態であっても、該他端部42をストレート溝72だけで受けることができる。該他端部42の付勢力は、溝部71の溝長手方向の中央位置(中央部72)に作用する。この結果、スライドレール部51に対するスライダ61の傾きを防止できるので、該スライダ61を一層円滑にスライドさせることができる。
該バー案内部75は、バー支持部24(図5参照)の第1スリット24a,24bに支持されているトーションバー40Lの押し当て部43をバー連結用開口71に嵌め込む際に、該押し当て部43を該バー連結用開口71へ案内することが可能に傾斜した部分であり、スライダ61に一体に形成されている。該バー案内部75の傾斜方向は、アーム基端部分32のスイング中心P1(図4参照)寄りの部位から、バー連結用開口71へ向かって下り勾配となる方向である。
該バー保持部77は、バー連結用開口71に嵌め込まれた状態の押し当て部43が、該バー連結用開口71から脱落しないように規制する部分であり、スライダ61に一体に形成されている。該バー保持部77は、スライダ61に対しバー案内部75とは反対側から起立し、該起立した先端からバー連結用開口71の開口端へ向かって垂下しており、該垂下した下端はスライダ61のスライド方向SLに弾性変形が可能である。押し当て部43がバー連結用開口71に嵌め込まれるときには、バー保持部77は弾性変形することによって、押し当て部43の嵌め込みを許容する。押し当て部43がバー連結用開口71に嵌め込まれた後には、バー保持部77はバー連結用開口71からの押し当て部43の脱落を規制する。
図10及び図12に示されるように、スライドレール部51は、一対の係止用凹部55,55と幅広部56と一対のスロープ57,57と抜け止め部58とを有している。図12(a)は、スライドレール部51の上部にスライダ61が位置していることを示している。トランクリッド14(図2参照)が全閉まで閉じている状態のときに、該スライダ61は図12(a)に示される位置にある。この位置は、図4に示される全閉位置P21に対応する。
該幅広部56は、スライドレール部51のなかの、一対の係止用凹部55,55が位置している幅広の部分である。該幅広部56の幅寸法Weは、スライドレール部51のなかの、幅広部56を除く他の部分59(通常スライド部分59)の幅寸法Wnよりも大きく設定されている。
該一対のスロープ57,57は、通常スライド部分59と幅広部56との間の幅が緩やかに変わるように、スライドレール部51の両側の縁51a,51aに形成されている。通常スライド部分59の両側の縁51a,51aから一対のスロープ57,57が傾き始める点57a,57aのことを、スロープ始点57a,57aという。
一対の係止用凹部55,55は、例えばスライドレール部51の両側の縁51a,51aに形成されている。つまり、該一対の係止用凹部55,55は、スライドレール部51の厚み方向に貫通した断面円弧状の溝に形成されている。一方、スライダ61には、一対の係止用凹部55,55に係止可能な凸状の一対の係止部79,79が形成されている。該一対の係止部79,79は、一対の延出部63,63の内面から互いに対向するように突出しており、各延出部63,63の延び方向に細長い断面円弧状の凸状に形成されている。該一対の係止部79,79の先端間の距離は、スライドレール部51の通常スライド部分59の幅寸法Wnと同じ、又は該幅寸法Wnよりも若干大きく設定されている。
上記図12(a)に示されるスライダ61は、スライドレール部51に案内されて下方にスライドする。この結果、図12(b)に示されるように、一対の係止部79,79は、一対のスロープ57,57の傾き始めとなるスロープ始点57a,57aに位置する。このため、スライダ61は、スライドレール部51に対して、更に下降することが規制される。つまり、一対のスロープ始点57a,57aは、ストッパの機能を有する。以下、一対のスロープ始点57a,57aのことを、適宜「一対のストッパ57a,57a」という。
このように、スライドレール部51は、スライダ61の下降可能な最下限位置を規定するためのストッパ57a,57aを有する。該一対のストッパ57a,57aの位置は、図4に示される最下限位置P24に対応する。つまり、スライダ61は、アーム基端部分32のスイング運動に従って下降するものの、ストッパ55,55によって最下限位置P24の上に保持される。このため、スライドレール部51とスライダ61とトーションバー40の他端部42との組み付け性を、更に高めることができる。
その後、スロープ始点57a,57aに位置しているスライダ61を、更に強く押し下げることによって、該スライダ61はスライドレール部51に案内されて、更に下方にスライドする。スライドレール部51に一対のスロープ57,57を有しているので、スライダ61は通常スライド部分59と幅広部56との間を、円滑に移動することができる。スライダ61が樹脂製品であるから、一対の延出部63,63は、互いに離反する方向へ多少弾性変形をすることが可能である。該スライダ61が、通常スライド部分59から幅広部56へ移動することによって、一対の係止部79,79は幅広部56に乗り上がり、更に一対の係止用凹部55,55に係止する。この場合に、一対の延出部63,63の自己復帰力によって、比較的強く係止することができる。
図12(c)は、スライダ61がスライドレール部51の下部に位置することによって、一対の係止部79,79が一対の係止用凹部55,55に係止した状態を示している。該係止用凹部55,55に係止部79,79を係止させることにより、スライドレール部51にスライダ61を保持することができる。このため、スライドレール部51にスライダ61を仮組みした上で、次工程に搬送することができるので、搬送性が高まる。
図4を参照しつつ説明すると、上述したように、アーム基端部分32は、スイング中心P1に対して、実線によって示された前下方のリッド全閉位置P11と、想像線によって示された後下方のリッド全開位置P12との間を、前後スイング運動が可能である。リッド全閉位置P11は、図2に示されるように、トランクリッド14が全閉まで閉じたときの位置である。リッド全開位置P12は、図1に示されるように、トランクリッド14が全開まで開いたときの位置である。
この場合に、トーションバー40Lの押し当て部43の中心は、スイング中心P2(トーションバー40Lの支持中心P2)に対して、実線によって示された前下方の全閉位置P21と、想像線によって示された後下方の全開位置P22との間を、スイング軌跡R1上を前後スイング運動する。つまり、アーム基端部分32がリッド全閉位置P11に位置するときに、押し当て部43の中心は全閉位置P21に位置する。アーム基端部分32がリッド全開位置P12に位置するときに、押し当て部43の中心は全開位置P22に位置する。該押し当て部43のスイング軌跡R1は、トーションバー40Lの他端部42の支持中心P2(トーションバー40Lの支持中心P2)を基準とした、真円状の軌跡である。
上下2つのスイング中心P1,P2を通るスイング中心線Lsに対して、押し当て部43のスイング軌跡R1が合致する点P23(合致点P23)は、全閉位置P21と全開位置P22との間に位置する。アーム基端部分32のスイング中心P1を基準とした、合致点P23のスイング軌跡はR2である。該2つのスイング軌跡R1,R2は、共にスイング中心P1,P2を基準とした下向き円弧状の軌跡である。
上述のように、上下2つのスイング中心P1,P2同士が合致していない。つまり、中心P1に対して中心P2は下方に位置している。このため、アーム基端部分32がリッド全閉位置P11からリッド全開位置P12までスイングするスイング角に対して、押し当て部43が全閉位置P21から全開位置P22までスイングするスイング角は、大きい(角度差がある)。この結果、中心P1を基準とした合致点P23のスイング軌跡R2に対し、中心P2を基準とした合致点P23のスイング軌跡R1は合致しない。
このような角度差があっても、実施例1はスライド機構50を有しているので、各部の運動を円滑に行うことができる。つまり、スライド機構50によって角度変換を行っている。具体的には、スライダ61は、アーム基端部分32に沿ってスライドレール部51上だけを、上下スライド可能である。この結果、該スライダ61は、押し当て部43のスイング運動に従って、角度変換を行っている。
上下2つのスイング中心P1,P2側から、スイング中心線Lsに沿う方向(矢印Lx方向)に、2つのスイング軌跡R1,R2を見たときに、合致点P23は押し当て部43及びスライダ61の最下降動作位置となる。該合致点P23のことを、以下「最下降動作位置P23」という。該最下降動作位置P23は、スライドレール部51に対するスライダ61の下降可能な下限界であると、考えることができる。つまり、該最下降動作位置P23は、トーションバー40Lがスライダ61に連結された状態においての、該スライダ61の可動範囲における下限位置である。
押し当て部43が全閉位置P21から全開位置P22までスイング変位するときに、トーションバー40Lの付勢力を受けたスライダ61は、全閉位置P21から最下降動作位置P23まで下降しつつ後方にスイングした後に、該最下降動作位置P23から全開位置P22まで上昇しつつ後方にスイングする。
スイング中心線Ls上には、アーム基端部分32のスイング運動に従ってスライダ61が最も下降する最下降動作位置P23に、又は該最下降動作位置P23の下方に、最下限位置P24が設定されている。該最下限位置P24は、トーションバー40Lがスライダ61に連結されていない状態においての、該スライダ61の可動範囲における下限位置である。つまり、該最下限位置P24は最下降動作位置P23、又は最下降動作位置P23に対し、更に下降可能な一定の遊び代αを加えた位置に設定されている。トーションバー40Lの支持中心P2から最下限位置P24までの距離β(図示せず)は、バー被支持部44から押し当て部43までのオフセット量Loに、遊び代αを加えた大きさである(β=Lo+α)。但し、遊び代αの値は、0を下回らない値である(α≧0)。
トランクリッド14が全開に開いた状態における、スライドレール部51に対するスライダ61の位置は、最下降動作位置P23よりも上位の全開位置P22に、設定されている。このため、仮にトランクリッド14(図1参照)を全開よりも過大に開いた、いわゆるオーバーストローク操作をした場合であっても、スライダ61は例えば凸状のストッパ55,55に強く当たらない。つまり、スライダ61はストッパ55,55に強く当たることはない。この結果、該ストッパ55,55の耐久性を高めることができる。
該抜け止め部58は、スライドレール部51の下端からスライダ61が脱落しないように、スライドレール部51に形成されている。該スライドレール部51の被スライド面51cにおいて、スライダ61のスライド可能な領域Tet(図10参照)は、該スライドレール部51の上端51dから抜け止め部58までの範囲である。
スライダ61は、アーム基端部分32に位置しているスライドレール部51に対して、ストッパ55,55とは反対側(抜け止め部58とは反対側)から着脱可能に設けられている。このため、アーム基端部分32に設けられている状態のスライドレール部51に対して、スライダ61を容易に交換することができる。スライダ61の交換作業性が高まる。
実施例1の説明をまとめると、次の通りである。図4に示されるように、スライドレール部51に対して、スライダ61はトーションバー40Lの付勢方向Rtに常に面接触した状態に保持されている。このため、トーションバー40Lの他端部42が捩れ、スライダ61に対して傾いて連結されている場合であっても、スライドレール部51に対してスライダ61が面接触した状態を十分に維持できる。従って、ヒンジアーム31Lに対し、トーションバー40L(図2参照)の付勢力がトランクリッド14の開き方向Roとは多少異なる方向に作用した場合であっても、ヒンジアーム31L及びトランクリッド14のスイング動作を円滑に行わせることができる。しかも、スライドレール部51とスライダ61との接触面が偏って摩耗する、いわゆる偏摩耗の発生を極力抑制することができる。この結果、開口部用開閉装置11の耐久性を高めることができる。
さらには、スライドレール部51とスライダ61との間には、滑り摩擦力が発生する。該滑り摩擦力を適宜設定することによって、ヒンジアーム31Lのスイング速度を最適値に設定することができる。この結果、トランクリッド14の開閉速度を最適な速度に、容易に設定することができる。しかも、トランクリッド14の開閉速度を設定するための、摩擦力を発生する機構を設ける必要はなく、この結果、部品数の低減を図ることができる。
さらには、スライダ61は、トーションバー40Lを嵌め込みによって、つまり他端部42を嵌め込みによって連結するためのバー連結用開口71を有している。ヒンジアーム31Lの表面に設けられているスライドレール部51に対し、スライダ61を組み付けた状態において、該スライダ61のバー連結用開口71にトーションバー40Lの他端部42を嵌め込むだけで、スライダ61にトーションバー40Lを容易に組み付けることができる。
しかも、バー連結用開口71は、トーションバー40Lの他端部42によってヒンジアーム31Lを付勢する方向Rtに対し、逆方向に開放している。該付勢方向Rtとは反対方向へ捩られているトーションバー40Lの他端部42を、バー連結用開口71に位置合わせするだけで、該他端部42は自己の付勢力によって、バー連結用開口71へ自動的に嵌り込む。従って、ヒンジアーム31Lに組み付けられているスライダ61に対する、トーションバー40Lの組み付け性が高い。さらには、バー連結用開口71に嵌め込まれたトーションバー40Lによって、そのまま、ヒンジアーム31Lをトランクリッド14の開き方向へ付勢することができる。
さらには、車両10のトランク開口部13を開閉するためのトランクリッド14の開閉方向は、上下方向である。該トランクリッド14を車体16に支持するヒンジアーム31Lのアーム基端部分32は、車体16に前後スイング可能に取り付けられている。ヒンジアーム31Lをトランクリッド14の開き方向へ付勢するトーションバー40Lは、車幅方向に延びている。トーションバー40Lの他端部42の支持中心P2は、ヒンジアーム31Lのスイング中心P1よりも車体後方に位置している。スライドレール部51は、アーム基端部分32の前面32aに位置している。スライダ61は、スライドレール部51に案内されて、ヒンジアーム31Lのアーム長手方向にスライド可能である。トランクリッド14が開いた状態では、スライダ61はヒンジアーム31Lの下部に位置する。
トーションバー40Lの他端部42をスライダ61のバー連結用開口71に組み付けるには、次のようにすればよい。スライドレール部51に組み付けられているスライダ61は、トランクリッド14を全開まで開くことにより、自動的に下方へ移動する。下方へ移動した該バー連結用開口71の位置は、トーションバー40Lの他端部42が嵌り込み可能な位置に設定しておけばよい。反付勢方向へ捩られているトーションバー40Lの他端部42は、自己の付勢力によって、バー連結用開口71へ自動的に嵌り込む。従って、ヒンジアーム31Lに組み付けられているスライダ61に対する、トーションバー40Lの組み付け性が、一層高まる。
しかも、ヒンジアーム31Lにトーションバー40Lを近づけることができたので、トランクルーム12(図1参照)の有効スペースが増える。
さらには、図5に示されるように、スライドレール部51は掛け止め爪部52とクリップ部53とを有している。該掛け止め爪部52は、アーム基端部分32のスイング中心P1寄りの部位に位置する第1取付孔33に、引っ掛けられる。該クリップ部53は、アーム基端部分32に対して第1取付孔33よりもスイング中心P1から離れた部位に位置する第2取付孔34に、スナップフィットによって係止される。
図3に示されるように、スライドレール部51に対するスライダ61のスライド方向SLに対して、トーションバー40Lからバー連結用開口71へ作用する付勢力の付勢方向Rtは、直角ではない。このため、スライドレール部51の上部(スイング中心P1寄りの部分)には、アーム基端部分32から離れる方向の力が働くことが多い。
これに対し、実施例1では、スライドレール部51の上部に掛け止め爪部52を有している。該掛け止め爪部52は、クリップ部53よりも係止性能が比較的安定している。このため、アーム基端部分32に対するスライドレール部51の取付状態を、十分に維持することができる。
図13は、実施例1の開口部用開閉装置11の、トランクリッド14の自重によるトルクと左右のトーションバー40L,40Rによるトルクとの関係を表したグラフである。このグラフは、横軸をトランクリッド14の開度θ°とし、縦軸をトルクTq(N・m)として、開度θ°に対するトルク特性を表している。実線によって表された曲線Qwは、トランクリッド14の自重によるトルクの特性を示している。破線によって表された曲線Qsは、左右のトーションバー40L,40Rによるトルクの特性を示している。
曲線Qwから明らかなように、トランクリッド14の自重によるトルクの特性は、上向き放物線の特性であることが判る。これに対し、曲線Qsから明らかなように、左右のトーションバー40L,40Rによるトルクの特性は、上記曲線Qwと同様の特性を示している。従って、トランクリッド14の自重によるトルクと、左右のトーションバー40L,40Rによるトルクとの、差が小さい。この結果、トランクリッド14を人力によって開ける操作力は小さくてすむので、操作性がよい。
実施例2に係る車両の開口部用開閉装置11Aについて、図14乃至図21に基づき説明する。実施例2の車両の開口部用開閉装置11Aは、上記図8〜図12に示されている実施例1の左右のスライド機構50を、図14〜図17に示される左右のスライド機構50A(左のみを示す)に変更したことを特徴とし、他の構成については上記図1〜図12に示される構成と同じなので、説明を省略する。以下、左のスライド機構50Aについて説明し、右のスライド機構50Aについては説明を省略する。
より具体的に述べると、図14〜図17に示されるように、実施例2の左のスライド機構50Aは、左のスライドレール部51Aと左のスライダ61Aと、から成る。左のスライドレール部51Aの基本的な構成は、上記実施例1の左のスライドレール部51と同じである。左のスライダ61Aの基本的な構成は、上記実施例1の左のスライダ61と同じである。
図14は上記図8に対応させて表している。図16(a)は、図10に対応させて表している。図16(b)は、図16(a)に示されたスライダ61Aの下端部分を裏側から見た構成を示している。図17(a)は、スライドレール部51Aに対してスライダ61Aが分解された構成を裏側から見た図である。
図14〜図17(a)に示されるように、該スライドレール部51Aは、スライダ61Aのスライド可能な領域Tetの一部に、該スライダ61Aとの間の摩擦力が大きい摩擦力増大部82を有している。該摩擦力増大部82は、スライドレール部51Aの被スライド面51cの一部が、トーションバー40Lの付勢方向Rt(図4参照)に対し、逆方向へ隆起した隆起面によって構成されている。以下、摩擦力増大部82のことを、適宜「隆起面82」と言い換える。
詳しく述べると、スライドレール部51Aの被スライド面51cは、上端51dから下方の抜け止め部58へ向かって、この順に位置した基準面81と前記隆起面82と高位面83とを有する、いわゆる段差面である。該基準面81と該隆起面82と該高位面83は、上から下へ連続しており、被スライド面51cに一体形成されている。
該基準面81は、被スライド面51cの基準となる最も低い、つまりヒンジアーム31Lの表面32aに最も近い、平坦な面である。
該隆起面82は、基準面81の下端81aから下方へ向かって緩い上り傾斜となる、つまりヒンジアーム31Lの表面32aから離れる方へ傾いた、平坦な傾斜面である。このように、該隆起面82は、トーションバー40Lの付勢方向Rt(図4参照)に対して逆方向へ隆起した面である。
該高位面83(平坦面83)は、隆起面82の頂部82aから、そのまま下方へ向かって抜け止め部58まで延びる、平坦な面である。つまり、隆起面82の頂部82aには、そのままの高さでスライダ61Aのスライド面61bがスライド可能な高位面83が連続している。該高位面83は、被スライド面51cのなかの隆起面82以外の面81、つまり基準面81に対して平行である。該スライドレール部51Aの裏面51bが、該アーム基端部分32の前面32aに重ね合わされた状態において、該スライドレール部51Aの裏面51bはアーム基端部分32の前面32aに対して平行である。従って、基準面81及び高位面83は、該スライドレール部51Aの裏面51b(縁51aの裏面を含む)に対して平行であり、且つ、アーム基端部分32の前面32aに対して平行である。
該基準面81に対して、隆起面82の頂部82a及び高位面83は、高さHiだけ高い位置にある。基準面81におけるスライドレール部51Aの厚さT1に対し、隆起面82の頂部82a及び高位面83におけるスライドレール部51Aの厚さT2は、高さHiだけ大きい(T2=T1+Hi)。スライドレール部51Aには、基準面81に対して高さHi分の隆起部84が形成されていることになる。
基準面81に対する隆起面82の傾き始点は、該基準面81の下端81aに位置する。該基準面81の領域Te1は、該スライドレール部51Aの上端51dから該基準面81の下端81aまでの範囲に設定されている。該隆起面82の領域Te2は、基準面81の下端81aから該隆起面82の頂部82aまでの範囲に設定されている。該高位面83の領域Te3は、隆起面82の頂部82aから抜け止め部58までの範囲に設定されている。
図18(a)、(b)は、スライダ61Aがスライドレール部51Aの基準面81の上部に位置していることを示している。トランクリッド14(図2参照)が全閉まで閉じている状態のときに、該スライダ61Aの下端面61cは、図18(a)に実線によって示される停止位置STにある。該停止位置STは、図4に示される全閉位置P21に対応する。基準面81の下端81a(隆起面82の始点81a)は、該停止位置STに隣接している。つまり、隆起面82は、トランクリッド14の全閉状態時におけるスライダ61Aの停止位置STに、隣接している。
この状態から、基準面81上を下方へ向かってスライド変位したスライダ61Aは、想像線によって示されるように、隆起面82に乗り上がる。この状態を図19に示す。図19(a)は、スライダ61Aが、隆起面82のなかの頂部82aに到る直前の部位82bに位置していることを示している。図19(b)は、図19(a)のb−b線に沿った断面を示している。上記実施例1(図11(c)参照)と同様に、スライダ61Aのスライド面61bから一対の折り返し部64,64までの間隔ds、つまり一対のスライド溝65,65の溝幅dsの大きさは、スライドレール部51Aの厚さT1(実施例1の厚さtrに相当する)よりも大きく設定されている。
しかも、図16(a)及び図19(a)に示されるように、実施例2の間隔dsの大きさは、スライドレール部51Aの被スライド面51cに対し、スライダ61Aのスライド面61bがスライドして隆起面82を乗り越える際に、スライダ61Aに有している一対の折り返し部64,64がスライドレール部51Aの裏面51bに一時的に接することが可能な大きさに設定されている。このため、スライド面61bが隆起面82を乗り越える場合には、一対のアーム部62,62の各折り返し部64,64は、スライドレール部51Aの裏面51bに一時的に接する。その分、接触面積が一時的に増すので、摩擦抵抗を一時的に増大させることができる。
さらには、図19(a)及び図19(b)に示されるように、スライダ61Aのスライド面61bのなかの、トーションバー40Lの他端部42が連結された部位(トーションバー40が連結された部位)に相当するバー位置85は、一対の折り返し部64,64が、スライドレール部51Aの裏面51bに一時的に接したときに、隆起面82のなかの頂部82aに到る直前の部位82bに位置するように設定されている。このため、スライド面61bが隆起面82の頂部82aを乗り越える直前に、摩擦抵抗が一時的に増大する。その直後、スライド面61bが隆起面82の頂部82aを乗り越えた時点に、一対のアーム部62,62の各折り返し部64,64は、スライドレール部51Aの裏面51bに接しなくなるので、摩擦抵抗は再び減少する。この結果、軽い力によってトランクリッド14を開くことができる。
図20(a)、(b)は、スライド面61bが隆起面82の頂部82aを乗り越えた状態を示している。隆起面82の頂部82aには、そのままの高さでスライダ61Aのスライド面61bがスライド可能な高位面83が連続している。該高位面83は、被スライド面51cのなかの他の部位81、つまり基準面81に対して平行である。このため、スライド面61bが隆起面82の頂部82aを乗り越えた後には、一対のアーム部62,62の各折り返し部64,64は、スライドレール部51Aの裏面51bに接しない状態を維持する。従って、摩擦抵抗が小さい状態が維持されるので、変動の無い軽い操作力によって、トランクリッド14を全開まで開くことができる。
その後、全開状態のトランクリッド14を閉め始めるときには、図20(a)、(b)に示されるように、一対のアーム部62,62の各折り返し部64,64は、スライドレール部51Aの裏面51bに接しない状態にある。従って、摩擦抵抗が小さい状態が維持されるので、トランクリッド14を閉め始めるときの操作力を、軽減することができる。
その後、トランクリッド14の全閉に閉め終わる直前(閉め間際)にも、図18(a)、図18(b)に示されるように、一対のアーム部62,62の各折り返し部64,64は、スライドレール部51Aの裏面51bに接しない状態にある。従って、摩擦抵抗が小さい状態が維持されるので、トランクリッド14を閉め終わるときの操作力を、軽減することができる。しかも、トランク開口部13に対するトランクリッド14の閉め間際の閉め荷重が小さくてすむので、確実に閉めることができる、いわゆる閉まり性が高い。
このように、スライドレール部51Aの被スライド面51cは、一様ではなく、起伏を有した、いわゆるカム面に形成されている。スライダ61Aは、該カム面の起伏に案内されながらスライド変位する。しかも、被スライド面51cと、スライダ61Aのスライド面61bとの間の、摩擦抵抗も変化する。トランクリッド14の開閉動作や開閉荷重を、最適化することができる。
図16及び図17(a)に示されるように、スライドレール部51Aは、一対のストッパ55A,55Aを有している。該一対のストッパ55A,55Aは、スライドレール部51Aに対するスライダ61Aの下降可能な最下限位置P24(図4参照)を規定するための部分であって、該スライドレール部51Aに一体に形成されている。該ストッパ55A,55Aは、一対の係止用凸部によって構成されている。該一対の係止用凸部55A,55A(ストッパ55A,55A)は、スライドレール部51Aの厚み方向に貫通した断面円弧状の凸状に形成されている。
一方、スライダ61Aには、一対の係止用凸部55A,55Aに係止可能な凹状の一対の係止部79A,79Aが形成されている。該一対の係止部79A,79Aは、一対の延出部63,63の内面に互いに対向するように窪んでおり、各延出部63,63の延び方向に細長い断面円弧状の溝に形成されている。
図17(b)は、スライドレール部51Aの下部にスライダ61Aが位置して、一対のストッパ55A,55Aによって停止した状態を裏側から見た図である。想像線によって示されたスライダ61Aは、図18(a)に実線によって示された停止位置に対応している。図17(b)に想像線によって示されるスライダ61Aは、スライドレール部51Aに案内されて下方にスライドする。この結果、図17(b)に実線によって示されるように、スライダ61Aの下端面61cは、ストッパ55A,55Aに当接する。このため、スライダ61Aは、スライドレール部51Aに対して、更に下降することが規制される。
このように、スライドレール部51Aは、スライダ61Aの下降可能な最下限位置P24を規定するためのストッパ55A,55Aを有する。該一対のストッパ55A,55Aの位置は、図4に示される最下限位置P24に対応する。つまり、スライダ61Aは、アーム基端部分32のスイング運動に従って下降するものの、ストッパ55A,55Aによって最下限位置P24の上に保持される。このため、スライドレール部51Aとスライダ61とトーションバー40Lの他端部42との組み付け性を、更に高めることができる。
図17(c)は、スライダ61Aがスライドレール部51Aの最も下部に位置することによって、一対の係止部79A,79Aが一対の係止用凸部55A,55Aに係止した状態を示している。係止用凸部55A,55Aに係止部79A,79Aを係止させることにより、スライドレール部51Aにスライダ61Aを保持することができる。このため、スライドレール部51Aにスライダ61Aを仮組みした上で、次工程に搬送することができるので、搬送性が高まる。
実施例2によれば、上記実施例1の作用、効果と同様の作用、効果を発揮する。さらに実施例2では、スライドレール部51Aは、スライダ61Aのスライド可能な領域Tetの一部に、該スライダ61Aとの間の摩擦力が大きい摩擦力増大部82を有している。このため、スライド可能な領域Tetのなかの摩擦力増大部82を、スライダ61Aがスライドするときの、スライドレール部51Aとスライダ61Aとの間に滑り摩擦力(増大部位の滑り摩擦力)は、他の部位81をスライダ61Aがスライドするときの滑り摩擦力(一般部位の滑り摩擦力)よりも大きい。
スライドレール部51Aに摩擦力増大部82を設けるだけなので、増大部位の滑り摩擦力がトーションバー40Lの付勢力を上回るように、摩擦力増大部82を適宜に容易に設定することができる。例えば摩擦力増大部82の大きさ、形状、表面荒さ、突起の有無を容易に設定することができる。しかも、摩擦力増大部82の構成が簡単であり、スライドレール部51Aとは別個の部品を設ける必要がなく、コストを増加させずにすむ。
増大部位の滑り摩擦力が、トーションバー40Lの付勢力によるスライド荷重を上回るようにするだけで、開閉運動中のヒンジアーム31及びトランクリッド14(開閉体14)を、人為的に任意の開度で一時停止させることができる。また、増大部位の滑り摩擦力が、トーションバー40Lの付勢力によるスライド荷重を上回ることにより、図21に示されるように、トランクリッド14が開き始めの時点に一気に全開になる(想像線の14Aの位置になる)、いわゆるポップアップすることを抑制して、途中の開度(想像線の14Bの位置)にすることができる。しかも、ポップアップを抑制するための、別個の部材を設ける必要もない。
さらには、摩擦力増大部82は、スライドレール部51Aの被スライド面51cの一部が、トーションバー40Lの付勢方向に対して逆方向へ隆起した隆起面82によって構成されている。スライダ61Aのスライド面61bが、トーションバー40Lの付勢力に抗して隆起面82に乗り上がることによって、滑り摩擦力が増大する。簡単な構成によって摩擦力増大部82を構成することができる。
さらには一対のスライド溝65,65は、スライドレール部51Aの両側の縁部51a,51aにスライド可能に嵌合している。このため、スライダ61Aは、略平板状のスライドレール部51Aに対して表裏方向に、つまりトーションバー40Lの付勢方向Rt(図4参照)や反付勢方向に抜け出ることはない。
さらには、一対のスライド溝65,65の溝幅ds、つまり、スライダのスライド面61bから一対の折り返し部64,64までの間隔dsの大きさは、スライドレール部の厚さT2よりも大きく設定されている。しかも、該スライダ61Aは、スライドレール部51Aに対して、トーションバー40Lの付勢方向Rtに常に面接触した状態に保持されている。このため、スライダ61Aのスライド面61bが隆起面82に乗り上がっていない場合には、一対のアーム部62,62の各折り返し部64,64は、スライドレール部51Aの裏面51bに接しない。その分、接触面積が小さいので摩擦抵抗を抑制することができる。
さらには、図18(a)に示されているように、隆起面82は、トランクリッド14(図2参照)の全閉状態時におけるスライダ31Aの停止位置STに、隣接している。このため、例えばトランクリッド14のラッチ機構(図示せず)をアンラッチ操作した際に、トランクリッド14が全閉状態から少しだけ開いた状態のときに、隆起面82によってスライダ61Aを一時停止させることができる。スライダ61Aが一時停止するので、トランクリッド14も一時停止する。従って、トランクリッド14の不要な開動作を抑制することができる。例えば、アンラッチ操作をした後、トランクリッド14を開き操作するために、開口部13とトランクリッド14との間に手を入れることができる程度の開きスペースを確保した状態で、トランクリッド14を一時停止状態にすることができる。
なお、本発明では、実施例2の摩擦力増大部82は、隆起面の構成に限定されるものではない。例えば、スライドレール部51Aの被スライド面51cは、基準面81に対して起伏のない均一な平坦面とし、前記隆起面82に相当する範囲Te2の表面荒さを変えることによって、該表面荒さを変更した部位を摩擦力増大部82とすることができる。また、摩擦力増大部82をスライドレール部51Aのスライド方向の両縁(側面)に突起を設け、該突起を摩擦力増大部82とすることができる。
本発明の車両10の開口部用開閉装置11,11Aは、車体16の後部に設けられたトランク開口部13を開閉するトランクリッド14を開閉する装置に好適である。
10…車両、11,11A…開口部用開閉装置、13…開口部(トランク開口部)、14…開閉体(トランクリッド)、16…車体、20L,20R…ヒンジ機構、21L,21R…ヒンジブラケット、31L,31R…ヒンジアーム、32…アーム基端部分、32a…アーム基端部分の前面(ヒンジアームの表面)、33…第1取付孔、34…第2取付孔、40L,40R…トーションバー、41…トーションバーの一端部、42…トーションバーの他端部、43…押し当て部(付勢力作用部)、50…スライド機構、51…スライドレール部、51a…縁、51b…裏面、51c…被スライド面、52…掛け止め爪部、53…クリップ部、55A…ストッパ(係止用凸部)、61…スライダ、61a…縁、61b…スライド面、62…アーム部、63…延出部、64…折り返し部、71…バー連結用開口(溝部)、72…中央部(ストレート溝)、73…両端部(テーパ溝)、79,79A…係止部、81…他の部位(基準面)、81a…ストッパ部、82…摩擦力増大部(隆起面)、83…平坦面(高位面)、84…隆起部、85…バー位置、ds…間隔の大きさ、P1…アーム基端部分のスイング中心(ヒンジアームのスイング中心)、P2…トーションバーの支持中心、P22…トランクリッドが全開に開いた状態におけるスライドレール部に対するスライダの位置、P23…スライダの最下限位置、P24…スライダの最下降動作位置、Ro…開閉体(トランクリッド)の開き方向、Rt…トーションバーの付勢方向、SL…スライダのスライド方向、ST…停止位置、tr…スライドレール部の厚さ、α…遊び代。

Claims (9)

  1. 車体に形成された開口部を開閉する開閉体と、該開閉体を前記車体にスイング可能に支持するヒンジアームと、該ヒンジアームを前記開閉体の開き方向へ付勢するトーションバーと、を含む車両の開口部用開閉装置において、
    前記ヒンジアームの表面に設けられたスライドレール部と、該スライドレール部に案内されて前記ヒンジアームのアーム長手方向にスライド可能なスライダと、を有し、
    該スライダは、前記スライドレール部に対して前記トーションバーの付勢方向へ常に面接触した状態に保持され、
    該トーションバーは、前記スライダに連結されていることを特徴とする車両の開口部用開閉装置。
  2. 前記スライダは、前記トーションバーを嵌め込みによって連結するためのバー連結用開口を有し、
    該バー連結用開口は、前記トーションバーによって前記ヒンジアームを付勢する方向に対し、逆方向に開放していることを特徴とする請求項1記載の車両の開口部用開閉装置。
  3. 前記バー連結用開口は、前記スライドレール部に対する前記スライダのスライド方向とは直交する直交方向に延びる溝部によって構成され、
    該溝部は、溝長手方向の中央に位置する中央部と、該中央部に対し溝長手方向の両側に位置する両端部とから成り、
    前記中央部は、溝長手方向に平行なストレート溝に形成され、
    前記両端部は、前記中央部から溝長手方向外側へ向かって広がるテーパ溝に形成されている、ことを特徴とする請求項2記載の車両の開口部用開閉装置。
  4. 前記開口部は、前記車体の後部に設けられたトランク開口部によって構成され、
    前記開閉体は、前記トランク開口部を開閉するトランクリッドによって構成され、
    前記スライドレール部は、アーム基端部分の前面に位置し、
    前記トーションバーの支持中心は、前記ヒンジアームのスイング中心よりも車体後方に位置している、ことを特徴とする請求項2又は請求項3記載の車両の開口部用開閉装置。
  5. 該スライドレール部は、該スライドレール部に対する前記スライダの下降可能な最下限位置を規定するためのストッパを有し、
    前記最下限位置は、前記アーム基端部分のスイング運動に従って前記スライダが最も下降する最下降動作位置、又は該最下降動作位置に対して更に下降可能な一定の遊び代を加えた位置に設定されている、ことを特徴とする請求項4記載の車両の開口部用開閉装置。
  6. 前記トランクリッドが全開に開いた状態における、前記スライドレール部に対する前記スライダの位置は、前記最下降動作位置よりも上位に設定されていることを特徴とする請求項5記載の車両の開口部用開閉装置。
  7. 前記ストッパは、前記スライドレール部に形成された係止用凸部によって構成され、
    前記スライダには、前記係止用凸部に係止可能な係止部が形成されている、ことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の車両の開口部用開閉装置。
  8. 前記スライダは、前記スライドレール部に対して前記ストッパとは反対側から着脱可能に設けられている、ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項記載の車両の開口部用開閉装置。
  9. 前記アーム基端部分の前面には、該アーム基端部分のスイング中心寄りの部位に位置する第1取付孔と、該第1取付孔よりも前記スイング中心から離れた部位に位置する第2取付孔とを有し、
    前記スライドレール部は、前記アーム基端部分に対して別部材によって構成され且つ該アーム基端部分の前面に重ねられる部材であり、前記第1取付孔に引っ掛ける略L字状の掛け止め爪部と、前記第2取付孔にスナップフィットによって係止するクリップ部とを有している、ことを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項記載の車両の開口部用開閉装置。
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