JP3521215B2 - 自動車のドアチェッカ兼用ドアヒンジ - Google Patents

自動車のドアチェッカ兼用ドアヒンジ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車のドアヒ
ンジに係り、より詳しくは、ドアチェッカの機能を兼ね
られるようになっていることから、ドアに別途のドアチ
ェッカを装着する必要がなくなる自動車のドアチェッカ
兼用ドアヒンジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、図1に示すように、自動車のド
ア(110)は、上下に2カ所あるドアヒンジ(13
0)を介してボディ(120)に装着されて開閉され、
半ば部分にドアチェッカ(140)が設けられて、ドア
(110)が所定の位置に開放された状態を保持できる
ようになっている。
【0003】ドアヒンジ(130)は、図2に示すよう
に、ボディ側部材(131)とドア側部材(132)が
ヒンジピン(133)を介して相互に締結された構造か
らなり、ボディ側部材(131)とドア側部材(13
2)のフランジ(132a)には締結穴(131a、1
32b)が穿設されていることから、それぞれのボルト
を介してボディ(120)とドア(110)に装着され
る。
【0004】さらに、ドアチェッカ(140)は、図3
に示すように、ボディ(120)に装着されるヒンジブ
ラケット(141)と、そのヒンジブラケット(14
1)にヒンジ連結されるチェッカバー(142)と、そ
のチェッカバー(142)の他側部分が収容されて抜出
されないようになっているドア(110)に装着される
チェッカ胴体(143)とからなり、チェッカバー(1
42)には溝(142b)が形成されている。
【0005】したがって、ドア(110)がドアヒンジ
(130)を中心に回転される場合、チェッカ胴体(1
43)はチェッカバー(142)上で左右に移動される
が、ドア(110)が閉じられた状態はチェッカ胴体
(143)内のローラ(図示なし)は、ヒンジブラケッ
ト(141)に近い部位(142a)に位置している
が、ドア(110)が開放されると移動されて溝(14
2b)に位置される。
【0006】前記ローラは、チェッカ胴体(143)内
に設けられた支持手段(スプリングなど)によってチェ
ッカバー(142)側へ押される状態にあることから、
溝(142b)に係合された際、ドア(110)に外力
が作用しないかぎり、ドア(110)はその位置で開放
された状態を保持することになる。
【0007】上記のごとく、ドアヒンジ(130)とド
アチェッカ(140)は、それぞれボディ(120)と
ドア(110)との間に装着されて、ドア(110)が
ボディ(120)に装着された状態で回動されて開閉さ
れるようにし、さらに、ドア(110)が所定の位置で
開放された状態を保持できるようにする機能を持つ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ドアヒンジ
(130)とドアチェッカ(140)は、すべてボディ
(120)とドア(110)との間に装着され、ドア
(110)の開閉作用という同一の原因によって作用す
るにもかかわらず、相互に別個の物品からなっているこ
とから、組立工数が増加し、かつ、費用も増加するとい
う短所があった。
【0009】そこで、この発明は上記の問題点を解決す
るためになされたものであって、この発明の目的は、ド
アチェッカとドアヒンジの機能を1つの部品によって行
えるようにして、部品点数の減少によって組立工数およ
び費用の節減がはからるようにした自動車のドアチェッ
カ兼用ドアヒンジを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するためになされたこの発明は、ボディ側に装着するた
めの装着穴が穿設された装着プレートに円形胴体が形成
され、その円形胴体の端部にはストッパが形成され、上
下面にはヒンジピンが形成され、その上下のヒンジピン
には第1の溝と第2の溝を形成された形状の固定アーム
と、前記上下側ヒンジピンにそれぞれ嵌入されてヒンジ
ピンの第1、2の溝にドアの回転状態に伴って係合され
るスチールローラを備えた上部アームと下部アームおよ
びこれらを結合させる結合プレートとからなり、ドア側
を装着するため、上下部アームと結合プレートに装着穴
が穿設され、上部アームと下部アームの連結胴体には前
記固定アームのストッパが引掛かる係止端を形成された
回動アーム、およびその回動アームの上下部アームにそ
れぞれ覆われるキャップとから構成される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の一実施例につい
て添付図に沿つて詳述する。
【0012】この発明は、上記のごとく、ボディに装着
される固定アームと、その固定アームに回動可能に連結
されドアに装着される回動アームおよびその回動アーム
と前記固定アームの連結部を覆うキャップとからなる。
【0013】つまり、図4に示すように、固定アーム
(10)は、平坦板材である装着プレート(11)の3
個所に装着穴(11a)が穿設され、装着プレート(1
1)に円形胴体(12)が一体に形成され、その円形胴
体(12)の上下面にはヒンジピン(14)が形成さ
れ、そのヒンジピン(14)には装着プレート(11)
と同一線上の反対側に第2の溝(14b)が形成され、
その第2の溝(14b)と所定の間隔をおいて第1の溝
(14a)が形成される一方で、円形胴体(12)には
装着プレート(11)と同一線上に平坦方形突出片であ
るストッパ(13)が形成される構造である。
【0014】さらに、図5に示すように、回動アーム
(20)は、上部アーム(21)と下部アーム(27)
およびこれらを結合させる結合プレート(28)から構
成されており、上部アーム(21)と下部アーム(2
7)の形状および構造は、同一であることから上部アー
ム(21)についてのみ述べることにする。
【0015】上部アーム(21)は、上部のヒンジピン
(14)が嵌入される挿入穴(22a)を穿設された環
形胴体(22)の一側が延長されて連結胴体(23)が
形成され、その連結胴体(23)は垂直に折れ曲り延長
されて装着プレート(24)が形成された構造からな
り、環形胴体(22)には挿入穴(22a)の壁部から
連結胴体(23)側へ凹状に設置溝(22b)が形成さ
れて、その設置溝(22b)にスプリングやラバーなど
の弾性部材(25)によって支持されるローラ(26)
が設けられ、連結胴体(23)には背面に向けて係止突
起(23a)が形成され、装着プレート(24)には大
きいボルト穴である装着穴(24a)と小さいボルト穴
である結合穴(24b)が穿設される。
【0016】一方で、結合プレート(28)は、上部ア
ーム(21)の装着プレート(24)と下部アーム(2
7)の装着プレートとが併合された状態の面積と態様を
もつ略方形の板材であって、装着プレートに穿設された
装着穴および結合穴の対応位置に、同じく同一大の装着
穴(28a)と結合穴(28b)が穿設される。
【0017】したがって、図6に示すように、上部アー
ムと下部アームの環形胴体が固定アーム(10)のヒン
ジピン(14)の上下側にそれぞれ嵌入され、これによ
ってそれぞれの下部と上部が相互に密着された上下部ア
ームの装着プレートに結合プレート(28)を付合わせ
てから、装着プレートと結合プレートの結合穴を通して
ボルトとナットを締結することによって、固定アーム
(10)と回動アーム(20)を組立て、その固定アー
ム(10)と回動アーム(20)の連結部、つまり、上
部アーム(21)の上部と下部アーム(27)の下部に
雨水やゴミなどの侵入を防止するキャップ(30)を覆
うと、組立てが完了され、このように、相互に組立てら
れた状態で固定アーム(10)の装着プレート(11)
をボディに装着し、回動アーム(20)の装着プレート
と結合プレート(28)をドアに装着すると、この発明
のドアチェッカ兼用ドアヒンジが完成される。
【0018】以下、この発明の作用について述べる。
【0019】この発明のドアチェッカ兼用ドアヒンジ
は、円形のヒンジピン(14)が上下部アームの円形挿
入穴(22a)に挿入されて連結されたものであること
から、固定アーム(10)上で回動アーム(20)が回
動可能であり、これによってドアの開閉が可能なドアヒ
ンジの役割を正常に行える。
【0020】図6に示す状態は、ドアが完全に開放され
ている状態を示すものであって、その状態で回動アーム
(20)のローラ(26)は弾性部材(25)に押され
て固定アーム(10)のヒンジピン(14)に形成され
た第2の溝(14b)に係合されており、この際、固定
アーム(10)のストッパ(13)は回動アーム(2
0)の係止突起(23a)に係止されている。したがっ
て、ドアはそれ以上には開放されない。
【0021】一方、ドアを閉じる場合は、回動アーム
(20)が反時計方向へ回転されるが、回転される途中
にローラ(26)がヒンジピン(14)の第1の溝(1
4a)に係合されると、その位置でそれ以上には回転さ
れずに所定の開放状態を保持するようになる。
【0022】その後、ユーザーの意図に従ってドアがさ
らに閉じられる方向へ回転されると、ローラ(26)は
ヒンジピン(14)の表面によって押さえられて弾性部
材(25)を圧縮しつつ設置溝(22b)の内部に挿入
されているようになり、この場合、ドアはドアラッチに
ストライカーが挟まれることによって、完全に閉じられ
た状態を保持するようになる。
【0023】反面、ドアを開放する場合は、上記の場合
とは逆順の作用が起こるようになるが、第1の溝(14
a)にローラ(26)が係止されると、ドアが所定の開
放状態を保持するようになり、さらに開放されると、第
2の溝(14b)にローラ(26)が係合され、回動ア
ーム(20)の係止突起(23a)に固定アーム(1
0)のストッパ(13)が係止されることによって、ド
アはそれ以上には開放されずに、その状態での開放され
た位置を保持するようになる。
【0024】つまり、固定アーム(10)に形成された
第1、2の溝(14a、14b)と回動アーム(20)
に備えられたローラ(26)の相互作用によって前記ド
アヒンジはドアチェッカの機能を持つ。
【0025】
【発明の効果】上述のように、この発明は、ドアヒンジ
がドアチェッカの機能を兼用できることから、ドアの装
着端の上下部に2つのドアヒンジのみを装着すればすむ
ため、従来のドアチェッカを別途に設ける必要がなくな
ることから、部品点数の減少や費用が節減され、かつ、
組立工数が減少し作業効率が向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術によるドアの装着状態図である。
【図2】従来技術によるドアヒンジの斜視図である。
【図3】従来技術によるドアチェッカの斜視図である。
【図4】この発明によるドアチェッカ兼用ドアヒンジの
ボディ側部材の正面図と平面図である。
【図5】この発明によるドアチェッカ兼用ドアヒンジの
ドア側部材の正端面図と平断面図および右側面図であ
る。
【図6】この発明によるドアチェッカ兼用ドアヒンジの
組立て状態図である。
【符号の説明】
10 固定アーム 11 装
着プレート 11a 装着穴 12 円
形胴体 13 ストッパ 14 ヒ
ンジピン 14a、14b 第1、2の溝 20 回
動アーム 21 上部アーム 22 環
形胴体 22a 挿入穴 22b
設置溝 23 連結胴体 23a
係止突起 24 装着プレート 24a
装着穴 24b 結合穴 25 弾
性部材 26 ローラ 27 下
部アーム 28 結合プレート 28a
装着穴 28b 結合穴

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボディに装着される固定アームと、ドア
    に装着される回動アームおよびその回動アームが前記固
    定アームに対して回動可能に連結するヒンジピンとから
    なる自動車のドアヒンジにおいて、 前記固定アームに第1の溝と第2の溝を形成されたヒン
    ジピンとストッパが一体に形成され、前記回動アームに
    ドアの開かれる度合に応じて前記ヒンジピンの第1の溝
    と第2の溝に挿着されるローラと、前記ストッパが引掛
    かる係止突起が形成されてドアチェッカ機能を行えるよ
    うにされたことを特徴とする自動車のドアチェッカ兼用
    ドアヒンジ。
  2. 【請求項2】 前記固定アームは、装着穴を穿設された
    装着プレートに円形胴体が形成され、その円形胴体の上
    下面に前記ヒンジピンが形成され、そのヒンジピンには
    ドアが半ばぐらい開放された際、前記ローラが係合され
    る第1の溝とドアが完全に開放された際、ローラが係合
    される第2の溝が形成され、前記円形胴体の装着プレー
    トの反対側の位置には、平坦方形突出片であるストッパ
    が形成される構造とからなることを特徴とする請求項1
    に記載の自動車のドアチェッカ兼用ドアヒンジ。
  3. 【請求項3】 前記回動アームは、固定アームの上部ヒ
    ンジピンに嵌入されて回動される環形胴体の挿入穴の内
    面に設置溝が形成されて、その設置溝に弾性部材によっ
    て弾支される前記ローラが備えられており、前記環形胴
    体から延成された連結胴体に固定アームのストッパが引
    掛かる前記係止突起が形成され、前記連結胴体が垂直へ
    折曲されて装着プレートが形成された形状の上部アーム
    と、その上部アームと同一の形状および構造からなり、
    固定アームの下部ヒンジピンに嵌入される下部アーム、
    およびその下部アームと前記上部アームがそれぞれ上下
    部ヒンジピンに嵌入された状態で両者の装着プレートに
    締結されて、上部アームと下部アームを結合する結合プ
    レートとからなることを特徴とする請求項1に記載の自
    動車のドアチェッカ兼用ドアヒンジ。
  4. 【請求項4】 前記上部アームと下部アームの装着プレ
    ートと前記結合プレートには、相互間を結合するための
    小口径の結合穴が穿設され、結合された状態でドアに装
    着されるための大口径の装着穴が穿設されたことを特徴
    とする請求項3に記載の自動車のドアチェッカ兼用ドア
    ヒンジ。
  5. 【請求項5】 前記固定アームと回動アームとの連結部
    位には、キャップが覆われることを特徴とする請求項1
    に記載の自動車のドアチェッカ兼用ドアヒンジ。
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