JP5380826B2 - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。
従来、リチウムイオン二次電池としては、リチウム含有複合酸化物からなる正極と、非水電解液と、球状コークスやメソフェーズ小球体を原料としたメソカーボンマイクロビーズなどの易黒鉛化性の炭素材料(ソフトカーボン)の球状粒子を含む負極とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の電池では、層状構造の未発達な疑黒鉛化材料を負極に用いるものに比して、充放電を繰り返し行う際の特性であるサイクル特性を向上することができるとしている。
特開平4−115457号公報
ところで、近年では、黒鉛を負極とする電池の改良が進み、高電圧・高エネルギー密度を示すものが開発されており、小型・軽量化を図ることにより、ノートパソコンや携帯電話などの情報通信機器関係などに既に実用化されている。しかしながら、負極に黒鉛を用いた場合には、高い体積エネルギー密度を示す一方、例えば作動電圧がリチウム金属析出電位に近接しており、金属リチウムが析出しやすいことから、急速的な充電を行いにくいなどの問題点がある。また、特許文献1に記載の電池のように、負極にソフトカーボンを用いた場合には、ソフトカーボンが充放電時の電位形状に傾きがあることがあり、その作動電圧とリチウム金属析出電位とに差が生じるため、急速的な充電をしやすいことがある一方、その出力性能や耐久性能がまだ十分でなく、更なる出力特性の向上や、充放電のサイクルを繰り返した際の更なるサイクル特性の向上が望まれていた。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、より急速な充放電を可能とすると共に、サイクル特性をより向上することができるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、リチウムイオン二次電池について、表面を黒鉛化した無定形炭素を負極に用いることにより、より急速な充放電を可能とすると共に、サイクル特性をより向上することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のリチウムイオン二次電池は、
リチウムを含有する正極活物質を有する正極と、
表面を黒鉛化した無定形炭素を含む負極活物質を有する負極と、
前記正極と前記負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えたものである。
このリチウムイオン二次電池では、より急速な充放電を可能とすると共に、サイクル特性をより向上することができる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推測される。例えば、リチウムイオン二次電池として用いたときに、黒鉛を負極活物質として用いた黒鉛負極の表面に形成される被膜と、無定形炭素(例えばソフトカーボン)を負極活物質として利用した無定形炭素負極の表面に形成される被膜との互いの性質が異なることが考えられ、黒鉛負極に形成される被膜が、サイクル耐久特性や入出力特性において優れていることが考えられる。一方、表面以外では、電池の作動電圧とリチウム金属析出電位とに差が生じるという無定形炭素の特性を生かし、充電時におけるより金属リチウムの析出を抑制可能である。このように、黒鉛を負極活物質として利用した際の有益な特性と無定形炭素を負極活物質として利用した際の有益な特性とが相互に発揮されているからであると推測される。
本発明のリチウムイオン二次電池は、リチウムを含有する正極活物質を有する正極と、表面が黒鉛化された無定形炭素を含む負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備えている。
本発明のリチウムイオン二次電池の正極は、リチウムを含有する正極活物質を備えている。この正極は、例えば正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。正極活物質としては、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物などを用いることができる。具体的には、例えばリチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム鉄複合リン酸化物、これらの複合酸化物に他の元素を添加したものなどが挙げられる。導電材は、正極の電気伝導性を確保するためのものであり、例えばカーボンブラック、アセチレンブラック、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類等の炭素物質粉末状体の1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等を用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴムの水分散体等を用いることもできる。正極活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、例えばNメチル2ピロリドンなどの有機溶剤を用いることができる。集電体としては、アルミニウム箔や銅箔などを用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池の負極は、表面を黒鉛化した無定形炭素を含む負極活物質を有する負極を備えている。無定形炭素としては、ハードカーボンやソフトカーボンなどが挙げられるが、表面を黒鉛化したソフトカーボン(以下表面黒鉛化ソフトカーボンとも称する)が好ましい。ここでは、表面黒鉛化ソフトカーボンを含む負極活物質について主に説明する。この負極は、例えば負極活物質と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。この表面黒鉛化ソフトカーボンは、ラマン分光測定による1580cm-1領域のピーク強度に対する1360cm-1領域のピーク強度である強度比I1360/I1580をラマンR値とすると、ソフトカーボン粒子の表層領域のラマンR値がソフトカーボン粒子の中心領域のラマンR値よりも0.2以上小さい値を示すものである。このラマンR値の差が0.2以上異なるものとすれば、表層領域を黒鉛側の特性とし、中心領域をソフトカーボン側の特性とすることができる。ここで、表層領域とは、外表面から中心までの距離Xのうち外表面から距離Xの1割(外表面から距離0.1X)の領域をいうものとする。また、中心領域とは、表層領域以外の中心部分の領域をいうものとする。このラマンR値の差は、表層領域のラマンR値が中心領域のラマンR値よりも0.3〜0.7の範囲で小さいことがより好ましい。こうすれば、より好適な出力特性やサイクル特性を得ることができる。また、表層領域のラマンR値は、0.5以上0.9以下の範囲にあることが好ましく、0.6以上0.8以下の範囲にあることがより好ましい。また、中心領域のラマンR値は、0.8以上1.2以下の範囲にあることが好ましく、0.9以上1.1以下の範囲にあることがより好ましい。
この表面黒鉛化ソフトカーボンの作製は、例えば以下の方法により行うことができる。基材としてのソフトカーボン粒子と、黒鉛粒子とを、混合し、アトライターなどの混合粉砕器を用いてメカノケミカル反応によりソフトカーボン粒子の表面に黒鉛粒子をコーティングする。続いてこのコーティングした粒子を不活性ガス(例えばアルゴン)中、中心領域が黒鉛化しない程度の約1000℃の温度で熱処理を行うことにより、黒鉛化性が高い表層領域を有するソフトカーボン粒子を得ることができる。ソフトカーボン粒子としては、例えば、コークスやメソフェーズピッチカーボンなどを用いることができる。また、黒鉛粒子としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛などを用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池の負極において、負極中の活物質の充填密度が1.0g/cm3以上1.2g/cm3以下であることが好ましい。この値が1.0g/cm3以上では活物質同士の密着性を向上して導電性を高めることができ、この値が1.2g/cm3以下ではリチウムイオンを円滑に移動させることができる。この表面黒鉛化ソフトカーボン粒子の粒径は、10μm以上40μm以下の範囲であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。10μm以上では中心領域をソフトカーボンとしつつ表層領域を黒鉛化しやすく、40μm以下では粒子同士の密着性をより高めやすい。結着材としては、ポリフッ化ビニリデンなどの含フッ素樹脂等を用いることができ、溶剤としてはNメチル2ピロリドン等の有機溶剤を用いることができる。また、集電体としては、アルミニウム箔や銅箔などを用いることができる。なお、この負極に正極と同様の導電材を添加してもよい。
本発明のリチウムイオン二次電池において、イオン伝導媒体は、例えば液体状の有機溶媒電解液やイオン性液体、固体状のポリマー固体電解質や無機固体電解質、ゲル電解質などを用いることができる。このうち、液体状のもの、特に、支持塩を含む非水系電解液などを用いることが好ましい。支持塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、LiPF6,LiClO4,LiAsF6,LiBF4,Li(CF3SO22N,Li(CF3SO3),LiN(C25SO2)などの公知の支持塩を用いることができる。これらの支持塩は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。支持塩の濃度としては、0.1〜2.0Mであることが好ましく、0.8〜1.2Mであることがより好ましい。電解液としては、非プロトン性の有機溶媒を用いることができる。このような有機溶媒としては、例えば環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル等が挙げられる。環状カーボネートとしては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニルカーボネート等がある。鎖状カーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等がある。環状エステルカーボネートとしては、例えばガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン等がある。環状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等がある。鎖状エーテルとしては、例えばジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等がある。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。これらのうち、エチレンカーボネート(EC)と、ジメチルカーボネート(DMC)と、エチルメチルカーボネート(EMC)とを混合して用いることが好ましい。このとき、20体積%以上40体積%以下のエチレンカーボネートと、30体積%以上40体積%以下のジメチルカーボネートと、30体積%以上40体積%以下のエチルメチルカーボネートと、を混合して用いることが好ましい。こうすれば、より好適な出力特性及びサイクル特性を得ることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、2次電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。図1は、本発明のリチウムイオン二次電池10の一例を示す模式図である。このリチウムイオン二次電池10は、集電体11に正極活物質12を形成した正極シート13と、集電体14の表面に表面黒鉛化ソフトカーボン15と結着材16とを含む負極活物質17を形成した負極シート18と、正極シート13と負極シート18との間に設けられたセパレータ19と、正極シート13と負極シート18の間を満たす電解液20と、を備えたものである。このリチウムイオン二次電池10では、正極シート13と負極シート18との間にセパレータ19を挟み、これらを捲回して円筒ケース22に挿入し、正極シート13に接続された正極端子24と負極シートに接続された負極端子26とを配設して形成されている。この負極シート18は、基材であるソフトカーボンの中心領域の外周側を黒鉛化した表層領域15bにより覆われている表面黒鉛化ソフトカーボン15が結着材16により集電体14に固着されて形成されている。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、表面黒鉛化ソフトカーボンを含む負極活物質を有する負極としたが、表面を黒鉛化したハードカーボンを含む負極活物質を有する負極を備えたものとしてもよい。
以下には、リチウムイオン二次電池を具体的に作製した例を、実験例として説明する。
[実験例1]
正極活物質としてニッケル酸リチウムを用い、活物質を85重量%、導電材としてカーボンブラックを10重量%、結着材としてポリフッ化ビニリデンを5重量%混合し、分散剤としてNメチル2ピロリドンを適量添加し、スラリー状の正極材とした。この正極材スラリーを20μm厚のアルミニウム箔集電体の両面に均一に塗布し、加熱乾燥して正極塗布シートを作製した。その後、この塗布シートをロールプレスに通して正極中の活物質の充填密度が2.0g/cm3となるようにプレスして高密度化し、52mm幅×450mm長の矩形状に切り出して正極電極とした。負極活物質として表面黒鉛化ソフトカーボンを用い、負極活物質量を95重量%、結着材としてポリフッ化ビニリデンを5重量%混合し、正極と同様に負極スラリーを作製し、これを10μm厚の銅箔集電体の両面に均一に塗布し、加熱乾燥して負極塗布シートを作製した。その後、この塗布シートをロールプレスに通して負極中の活物質の充填密度が1.1g/cm3となるようにプレスして高密度化し、54mm幅×500mm長の矩形状に切り出して負極電極とした。これらの正極電極と負極電極とを56mm幅で25μm厚のポリエチレン製セパレータを挟んで捲回し、ロール状の電極体とし、このロール状の電極体を18650型円筒ケースに挿入し、非水電解液を含浸させたあとに、密閉して実験例1の円筒型リチウムイオン二次電池とした。非水電解液として、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)を体積%で1:1:1となるように混合した混合溶媒に、6フッ化リン酸リチウムを1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。
[ラマン分光測定]
実験例のリチウムイオン二次電池の負極活物質に用いた表面黒鉛化ソフトカーボンをレーザラマン分光システム(日本分光(株)製、NRS−3300)を用いて測定した。波長532nmの励起光でラマン分光測定を行い、炭素の積層構造を表す1580cm-1近傍領域のピークと炭素の乱層構造を表す1360cm-1近傍領域のピーク強度比I1360/I1580をラマンR値として算出した。なお、表面黒鉛化ソフトカーボンについては、外表面から中心までの距離Xのうち外表面から距離Xの1割(外表面から距離0.1X)の領域を表層領域とし、それ以外の領域を中心領域とし、各々の領域について任意の5点測定しその平均値をラマンR値とした。一方、後述する黒鉛やソフトカーボンでは、表層領域の区別無しに任意の5点を測定しその平均値をラマンR値とした。実施例1に用いた表面黒鉛化ソフトカーボンの表層領域、中心領域、後述する実験例6に用いたソフトカーボン、のラマンスペクトルを図2に示す。
[内部抵抗及び内部抵抗上昇率の評価]
内部抵抗の測定は、電池容量の50%(SOC=50%)に調整したあとに0.5A、1A、2A、3A、5Aの電流を流し、10秒後の電池電圧を測定した。流した電流と電圧とを直線近似し、その傾きからIV抵抗、即ち電池内部抵抗を求めた。内部抵抗上昇率は、作製したリチウムイオン二次電池の実使用温度範囲の上限と目される60℃の温度条件下で、電流密度2mA/cm2の定電流で充電上限電圧である4.1Vまで充電し、次いで電流密度2mA/cm2の定電流で放電下限電圧である2.5Vまで放電を行う充放電を1サイクルとし、このサイクルを合計500サイクル行う充放電サイクル試験を行ったのち、上述の内部抵抗測定を行い、初期内部抵抗R0、500サイクル後の内部抵抗Rsとして次式(1)により求めるものとした。実験例1のラマンR値、非水電解液の溶媒の組成、負極中の活物質の充填密度(g/cm3)、実験例1を100とした初期内部抵抗、充放電サイクル試験による内部抵抗増加率(%)を表1に示す。また、この表1には、後述する実験例2〜13の測定結果も示した。
内部抵抗上昇率(%)=(Rs−R0)/R0×100 …式(1)
Figure 0005380826
[実験例2〜5]
実験例1で作製した電池の負極中の活物質の充填密度を1.0g/cm3とした以外は実験例1と同様に作製し、実験例2のリチウムイオン二次電池とした。実験例1で作製した電池の負極中の活物質の充填密度を1.2g/cm3とした以外は実験例1と同様に作製し、実験例3のリチウムイオン二次電池とした。実験例1で作製した電池の非水電解液の混合溶媒を、EC:DMC:EMCの比が体積%で4:1:5となるようにした以外は実験例1と同様に作製し、実験例4のリチウムイオン二次電池とした。実験例1で作製した電池の非水電解液の混合溶媒を、EC:DMC:EMCの比が体積%で4:5:1となるようにした以外は実験例1と同様に作製し、実験例5のリチウムイオン二次電池とした。これら実験例2〜5についても、実験例1と同様に、内部抵抗及び内部抵抗上昇率を測定した。
[実験例6〜11]
実験例1で作製した電池の負極活物質をソフトカーボンとした以外は実験例1と同様に作製し、実験例6のリチウムイオン二次電池とした。実験例1で作製した電池の負極活物質を黒鉛とした以外は実験例1と同様に作製し、実験例7のリチウムイオン二次電池とした。実験例4で作製した電池の負極活物質をソフトカーボンとした以外は実験例4と同様に作製し、実験例8のリチウムイオン二次電池とした。実験例5で作製した電池の負極活物質をソフトカーボンとした以外は実験例5と同様に作製し、実験例9のリチウムイオン二次電池とした。これら実験例6〜11についても、実験例1と同様に、内部抵抗及び内部抵抗上昇率を測定した。実験例4で作製した電池の負極活物質を黒鉛とした以外は実験例4と同様に作製し、実験例10のリチウムイオン二次電池とした。実験例5で作製した電池の負極活物質を黒鉛とした以外は実験例5と同様に作製し、実験例11のリチウムイオン二次電池とした。これら実験例6〜11についても、実験例1と同様に、内部抵抗及び内部抵抗上昇率を測定した。
[実験例12,13]
実験例1で作製した電池の負極中の活物質の充填密度を1.4g/cm3とした以外は実験例1と同様に作製し、実験例12のリチウムイオン二次電池とした。実験例1で作製した電池の負極中の活物質の充填密度を0.8g/cm3とした以外は実験例1と同様に作製し、実験例13のリチウムイオン二次電池とした。これら実験例12,13についても、実験例1と同様に、内部抵抗及び内部抵抗上昇率を測定した。
[放電曲線]
負極活物質として、表面黒鉛化ソフトカーボン、ソフトカーボン、黒鉛についての電気化学挙動として放電曲線と電位形状について検討した。上述した実験例1,6,7について、室温の温度条件下で、電流密度0.1mA/cm2の定電流で充電上限電圧である4.1Vまで充電し、次いで電流密度0.1mA/cm2の定電流で放電下限電圧である2.5Vまで放電を行う充放電を行い、放電曲線を測定した。各カーボン材料を負極に用いたリチウムイオン二次電池の放電曲線を図3に示す。
[電気化学挙動]
10μm厚の銅箔集電体に実験例1,6,7のいずれか1つの負極スラリーを片面塗布し、加熱乾燥させて電極シートを作製した。その後、この塗布したシートを直径16mmの円盤状に打ち抜き、1tの圧力で加圧し、作用極とした。対極にはリチウム金属箔(厚さ0.5mm)を用い、直径18mmの円盤状に打ち抜くことにより電極を準備した。上記非水電解液を含浸させたポリエチレン製セパレータを作用極と対極の間に挟んで2016コインセルを作製した。室温の条件下で、電流密度0.1mA/cm2の定電流で下限電位0Vまで還元させ、その後電流の無機を逆転させて上限電位3Vまで酸化させることにより、各カーボン材料の電気化学挙動を評価した。作用極と対極を用いたコインセルで評価した各カーボン材料の電位形状を図4に示す。
[実験結果]
実験例1〜13の結果によると、溶媒の組成比及び負極中の活物質の充填密度が同じもの同士で比較すると、黒鉛やソフトカーボンに比べ、表面層に黒鉛層が形成された表面黒鉛化ソフトカーボンでは、より内部抵抗が低く、且つ抵抗増加率も小さな値を示しており、サイクル特性をより向上することができることが明らかとなった。また、ソフトカーボンを基本とするため、表面黒鉛化ソフトカーボンでは、作動電圧とリチウム金属析出電位とに差を設けることが可能であり、より急速な充放電を可能とすることができる。また、溶媒の組成については、EC:DMC:EMCが体積比で1:1:1である実験例1〜3がより好適な測定結果が得られた。また、負極中の活物質の充填密度は、1.0〜1.2g/cm3の範囲がより好適であることが明らかとなった。また、図3に示すように、表面黒鉛化ソフトカーボンでは、黒鉛とソフトカーボンとの中間の放電曲線を示すことがわかった。また、図4に示すように、黒鉛では、0.1〜0.2Vに電位を示すのに対し、ソフトカーボンでは0〜1Vに傾きを有する電位を示す。一方、表面黒鉛化ソフトカーボンでは、黒鉛とソフトカーボンとの中間の電位形状を示した。図4の0Vは、リチウム金属析出電位に相当することから、無定形炭素ではリチウム金属析出電位から離れており、急速充電特性に優れていることがわかった。
本発明のリチウムイオン二次電池10の一例を示す模式図である。 表面黒鉛化ソフトカーボンの表層領域、中心領域、ソフトカーボンのラマンスペクトルである。 各カーボン材料を負極に用いたリチウムイオン二次電池の放電曲線である。 作用極と対極を用いたコインセルで評価した各カーボン材料の電位形状である。
符号の説明
10 リチウムイオン二次電池、11 集電体、12 正極活物質、13 正極シート、14 集電体、15 表面黒鉛化ソフトカーボン、15a 中心領域、15b 表層領域、16 結着材、17 負極活物質、18 負極シート、19 セパレータ、20 電解液、22 円筒ケース、24 正極端子、26 負極端子。

Claims (3)

  1. リチウムを含有する正極活物質を有する正極と、
    表面を黒鉛化した無定形炭素を含む負極活物質を有する負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備え
    前記負極は、前記無定形炭素がソフトカーボンである負極活物質を有し、前記負極中の活物質の充填密度が1.0〜1.2g/cm 3 である、
    リチウムイオン二次電池。
  2. 前記負極は、ラマン分光測定による1580cm-1領域のピーク強度に対する1360cm-1領域のピーク強度である強度比I1360/I1580をラマンR値とすると、前記ソフトカーボン粒子の表層領域の該ラマンR値が0.5以上0.9以下の範囲にあり、前記ソフトカーボン粒子の中心領域の該ラマンR値が0.8以上1.2以下の範囲にあり、前記ソフトカーボン粒子の表層領域の該ラマンR値が前記ソフトカーボン粒子の中心領域の該ラマンR値よりも0.3以上小さい前記負極活物質を有する、請求項に記載のリチウムイオン二次電池。
  3. 前記イオン伝導媒体は、20体積%以上40体積%以下のエチレンカーボネートと、30体積%以上40体積%以下のジメチルカーボネートと、30体積%以上40体積%以下のエチルメチルカーボネートと、を溶媒として含んでいる、請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池。
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