JP4945054B2 - リチウムポリマー二次電池とその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウムポリマー二次電池とその製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、従来よりも充放電サイクル特性と低温特性に優れたリチウムポリマー二次電池とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
IT技術の進歩に伴い携帯電話、携帯情報端末機器、ノートパソコン等の電源としてリチウムイオン二次電池が数多く使用されてきている。
【0003】
近年、リチウムイオン二次電池の有機電解液の代わりに固体電解質層を使用したリチウムポリマー二次電池の開発が盛んに行われてきており、有機電解液を高分子の物理架橋によってマトリックス化した固体電解質層を使用するベルコア型と呼ばれるリチウムポリマー二次電池が市場に出てくるに至った。
【0004】
しかしながら、物理架橋を利用したリチウムポリマー二次電池は高温環境下、又は電池の異常発熱時に、固体電解質層のマトリックスが相分離してしまい、有機電解液が染み出してしまう可能性が高く、電池の信頼性においてまだ問題が残されている。また、相分離を起こしたリチウムポリマー二次電池は充放電サイクルを繰り返すと、急激な容量低下を突然起こしてしまうことがあり、サイクル特性にも課題が残っている。
【0005】
そこで物理架橋に対して、化学結合による架橋を利用して有機電解液をマトリックス化した高分子固体電解質層を使用するリチウムポリマー二次電池が開発されてきている。この高分子固体電解質層は、不飽和二重結合を少なくとも1つ以上有するモノマーとリチウム塩を含有する有機電解液とを混合した溶液を、熱や光等のエネルギーによって架橋(重合)させたものである。そのため、一度架橋した高分子固体電解質層は、高温環境下や電池の異常発熱時でもマトリックスが相分離を起こすことが少ない。したがって信頼性が高く、充放電サイクル特性にも優れたリチウムポリマー二次電池として有望であると考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
熱や光等のエネルギーによって架橋して得られた高分子固体電解質層を用いるリチウムポリマー二次電池は、高温環境下や電池の異常発熱時でも液の染み出しによる液漏れ等を起こしにくく、充放電サイクルを繰り返した時の急激な容量低下を起こさないという利点を有している。しかし、高分子固体電解質層は化学架橋による堅牢な網目構造を形成しているため、物理架橋を利用したリチウムポリマー二次電池よりもイオンの移動度が低くなり、特に−20℃というような低温では放電容量が低くなってしまうという課題が残っている。
【0007】
また、リチウムポリマー二次電池は高分子固体電解質層を正極と負極の間に電解質層として介在させているのであるが、この電解質層は有機電解液を含んでいるマトリックスであるため電池内部の短絡を防ぐには強度が不十分である。そこで、セパレータを有機電解液とともに一体化させて高分子固体電解質層として使用するのが一般的である。しかしながら、セパレータを使用すると、例えば紫外線照射等によって架橋して高分子固体電解質層を得ようとした場合、その光がセパレータによって遮られてしまい、架橋が不十分となり電池の信頼性を損ねてしまうという課題も残っている。
【0008】
光の透過率の測定を電池へ利用した技術は、例えば特開平9−7577号公報(特許文献1)では電池内でポリマー電解質の相変化の程度を測定する技術、特開平11−121003号公報(特許文献2)ではリチウム二次電池用負極の炭素材料を製造する際の原料の調製基準を判断するという技術に応用されている。しかしながら、リチウムポリマー二次電池の高分子固体電解質層の性能を改善することに光透過率を関連付けて適用したものはこれまで開示されていない。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−7577号公報
【特許文献2】
特開平11−121003号公報
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたものであり、充放電サイクル特性を損なうことなく低温特性に優れたリチウムポリマー二次電池とその製造方法を提供することを目的としている。
【0011】
かくして本発明によれば、有機電解液と活物質の存在下で架橋させた高分子によりそれぞれ一体化させた正極及び負極と、両極間に位置し、かつ有機電解液と界面活性剤が塗布されたセパレータ(不織布を含まない)の存在下で架橋させた高分子により一体化させた高分子固体電解質層とからなり、前記有機電解液がγ−ブチロラクトンを含有し、かつ、前記高分子固体電解質層が50%以上の光透過率を有し、該セパレータの光反射率が、波長355nmのそれより波長320nmのそれの方が高いことを特徴とするリチウムポリマー二次電池が提供される。
【0012】
また、本発明によれば、上記リチウムポリマー二次電池の製造方法であって、有機電解液及び架橋前の高分子の存在下でのセパレータの光透過率が50%以上になるように調整した後、架橋前の高分子を架橋させることで高分子固体電解質層を得る工程を含むことを特徴とするリチウムポリマー二次電池の製造方法が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1に本発明のリチウムポリマー二次電池の一例の概略断面図を示す。図1中の1はセパレータ、2は高分子固体電解質層、3は正極活物質、4は負極活物質、5は集電体である。
【0014】
本発明における高分子固体電解質層中のセパレータは、特に限定されることなく、公知のセパレータを使用することができる。
【0015】
セパレータの厚さは5〜30μmが好ましく、特に好ましくは8〜25μmである。5μmより薄くなると機械的強度が低くなり電池の正極と負極が短絡する場合があるため好ましくない。30μmより厚くなると電極間距離が長くなり電池内部のインピーダンスが高くなるばかりか、不飽和二重結合を少なくとも1つ以上有するモノマーとリチウム塩を含有する有機電解液とを混合した溶液を染み込ませた時の光透過率が低くなる場合があるため好ましくない。
【0016】
また、セパレータとしては、微多孔質膜、不織布等が挙げられるが、不織布は、微多孔質膜より細孔の径が大きく、電極活物質粒子が不織布を貫通してしまい、電池の短絡を起こす可能性が高い。そのため、微多孔質膜を使用することが好ましい。特に、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエチレンとポリプロピレンの複合体からなるポリオレフィン系微多孔質膜が強度とコストの面から好ましい。ここで、微多孔質膜とは、0.01〜10μmの孔が、102〜1012個/cm2存在する膜をいう。
【0017】
更にγ−ブチロラクトン(GBL)のようなポリオレフィン系膜に浸透しにくい溶媒を使用する場合は、膜の溶媒親和性を向上したものが好ましい。向上方法としては、酸素プラズマで膜の表面を処理をする方法、界面活性剤で膜をコートする方法等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。この内、界面活性剤で向上させることが好ましい。なお、界面活性剤が劣化してしまうとγ‐ブチロラクトンを含有する有機電解液のセパレータへの浸透性は低下してしまう。そこで、セパレータ表面を紫外可視分光分析で調べた結果、波長355nmの反射率が波長320nmの反射率よりも高くなっているセパレータは、界面活性剤が劣化しており、有機電解液の浸透性が低くなるので好ましくないことが分かった。よって、反射率は、波長355nmのそれより波長320nmのそれの方が高いことが好ましい。
【0018】
本発明における高分子固体電解質層の有機電解液は、GBLを含む有機溶媒に所定の濃度でリチウム塩を溶かした溶液が用いられる。有機電解液中の水分量は50ppm以下が好ましく、特に好ましくは20ppm以下である。水分量が多いと電池を充電する際に、水の電気分解が起こることで、充放電効率が低下するので好ましくない。
【0019】
リチウム塩濃度は0.5〜2.5mol/lが好ましい。0.5mol/lより低濃度では、高分子固体電解質層の電荷の濃度が低くなり、電池内部のインピーダンスが高くなる場合があり好ましくない。2.5mol/lより高濃度では、リチウムイオンとアニオンの再結合を起こしてしまい、イオン伝導度が低下し電池内部のインピーダンスが高くなる場合があり好ましくない。
【0020】
リチウム塩の種類は特に限定されないが、LiPF6、LiBF4、LiN(CF3SO2)2等が使用できる。
【0021】
有機溶媒中の必須成分であるGBLは、その他の溶媒に対して体積比で60%以上含まれているのが好ましい。GBLが60%より少なくなると−20℃のような低温ではイオン伝導度が低くなり、電池の低温特性が劣化するので好ましくない。その他の溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)等の環状カーボネート類や、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状カーボネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類や、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン等の鎖状エーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のエステル類や、その他、アセトニトリル、スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これら他の溶媒は、複数種用いてもよい。
【0022】
より具体的には、例えば、負極活物質に黒鉛系材料を用いた場合、GBLにECを混合した溶媒が充放電効率を低下させることなく低温特性も向上できるので好適である。特にGBL:ECの体積比が、60:40〜80:20であるのが好ましい。60:40よりGBLが少なくなると−20℃の低温でのイオン伝導度が低くなり、電池の性能も低くなる場合があるので好ましくない。80:20よりGBLが多くなると電池の充放電効率が低下し、充放電サイクルを繰り返すと電池容量の劣化を起こす場合があるので好ましくない。
【0023】
高分子固体電解質層の架橋(重合)前の高分子(モノマー)としては、分子内にエチレンオキシド単位とプロピレンオキシド単位を含んでいるランダム共重合体又はブロック共重合体であり、その末端基にアクリロイル基又はメタクリロイル基等の不飽和結合をもつ多官能性化合物が好ましい。それは、GBLのような高分子等の溶解能の高い溶媒の存在下でも架橋できるからである。また単官能基を有するモノマーと多官能基を有するモノマーを混合することにより多種多様の架橋構造の固体電解質層が作製できる。
【0024】
モノマーのリチウム塩を含む有機電解液に対する量は、モノマー:有機電解液の重量比が7:93〜3:97であるのが好ましい。モノマーの量が7:93より多くなると高分子固体電解質層のイオン伝導度が低くなる場合があるので好ましくない。モノマーの量が3:97より少なくなると架橋反応が十分でなくなる場合があるので好ましくない。
【0025】
架橋(重合)反応を促進するために、開始剤を使用してもよい。光エネルギーにより反応が始まる開始剤としては、フォスフィンオキシド系、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、α−ヒドロキシケトン系、ミヒラーケトン系、ベンジル系、ベンゾイン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルメチルケタール系化合物等が挙げられる。これら開始剤は、1種又は2種以上を混合して使用してもよい。
【0026】
熱エネルギーにより反応が始まる開始剤としては、有機過酸化物系化合物が好適である。その具体例としては、イソブチリルパーオキサイド、α,α′−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート等が挙げられる。これら開始剤は、1種又は2種以上を混合して使用してもよい。
【0027】
これら開始剤は、モノマーとリチウム塩を含有する有機電解液とを混合した溶液の総重量に対して100〜5000ppmの割合で添加するのが好ましい。
【0028】
具体的な高分子固体電解質層の製造法としては、まず、モノマーと、リチウム塩を含有する有機電解液とを混合した溶液(場合によっては開始剤も添加する)を予めセパレータに染み込ませる。次に、光で架橋する場合は、波長が300〜800nmの範囲の光を5〜500mW/cm2の照度で1〜1200秒照射し、熱で架橋する場合は、30〜80℃で0.5〜100時間熱処理して、高分子固体電解質層を作製することができる。
【0029】
光で架橋する際、波長が300nmよりも短くなると、モノマー自身の分解やリチウム塩の分解が起こる場合があり好ましくない。800nmよりも長くなると架橋反応が不十分となる場合があり好ましくない。熱で架橋する際、温度が30℃よりも低くなると、架橋反応が不十分となる場合があるので好ましくない。80℃よりも高くなるとその溶液に含まれる有機溶媒の揮発やリチウム塩の分解が起こる場合があるので好ましくない。
【0030】
本発明では、セパレータにモノマーとリチウム塩を含有する有機電解液とを混合した溶液が十分に浸透しているかどうかを確認するために、例えば、波長365nmの紫外線を照射してセパレータ越しにその照度を測定することが重要である。この測定により、簡便でかつ高性能なリチウムポリマー二次電池の製造方法を提供することができる。セパレータは溶液を染み込ませる前は白色で光の透過率はほぼ0%であるが、溶液を染み込ませると半透明〜透明になる。したがってセパレータへの溶液の染み込み方を光の透過率で定量化することもできる。このとき、
【0031】
透過率=(セパレータ越しの照度)/(セパレータ無しの照度)×100(%)が、50%未満であるとセパレータへの溶液の染み込みが不十分であるため、電池の内部抵抗が高くなるばかりか、光で架橋する場合の架橋反応も不十分となってしまうので好ましくない。また、架橋後においても高分子固体電解質層の光透過率は架橋前のセパレータの光透過率とほぼ同等であるか1〜2%低下する程度であるため、架橋前あるいは架橋後どちらで測定してもよい。また、架橋後に測定すれば、特性の優れた高分子固体電解質層のみを予め選択することができる。
【0032】
また本発明では、セパレータへの有機電解液の浸透性を向上させるために界面活性剤を塗布したセパレータを用いるのが好ましいのであるが、その界面活性剤の劣化が進んでいるかどうかを確認するために、波長320nmの光反射率と波長355nmの光反射率の比較を行うことが重要である。この場合はセパレータには有機電解液を染み込ませる前の状態で測定する必要がある。このとき、
反射率=(セパレータからの反射光の強度)/(セパレータへ照射前の光強度)×100(%)
で波長355nmのそれが、波長320nmのそれより低い値であることが好ましい。波長355nmのそれが、波長320nmのそれより高くなるとセパレータへ塗布された界面活性剤が劣化しているので好ましくない。
【0033】
本発明における高分子固体電解質層は、リチウム塩を含む有機電解液を含浸もしくは保持させたものである。このような層はマクロ的には固体状態であるが、ミクロ的にはリチウム塩溶液が連続相を形成し、溶媒を用いない高分子固体電解質層よりも高いイオン伝導度を示す。
【0034】
正極活物質としては、特に限定されず、当該分野で公知のものをいずれも使用することができる。例えば、本発明では、リチウムを含有する金属酸化物を正極活物質として使用することができる。特に、Lia(A)b(B)cO2(ここで、Aは遷移金属元素の1種又は2種以上の元素である。Bは周期律表IIIB、IVB及びVB族の非金属元素及び半金属元素、アルカリ土類金属、Zn、Cu、Ti等の金属元素の中から選ばれた1種又は2種以上の元素である。a,b,cはそれぞれ0<a≦1.15、0.85≦b+c≦1.30、0<cである。)で示される層状構造の複合酸化物もしくはスピネル構造を含む複合酸化物の少なくとも1つから選ばれることが好ましい。また、これら金属酸化物は有機過酸化物の熱重合開始剤の反応を促進する効果もあるため好ましい。
【0035】
代表的な複合酸化物としては、LiCoO2、LiNiO2、LiCoxNi1-xO2(0<x<1)等が挙げられる。これら複合酸化物は、負極活物質に炭素質材料を用いた場合、
(1)炭素質材料自身の充電・放電に伴う電圧変化(約1V vs. Li/Li+)が起こっても十分に実用的な作動電圧を示す、
(2)電池の充電・放電反応に必要なリチウムイオンが、電池を組み立てる前から、例えばLiCoO2、LiNiO2等の形で既に電池内に含有されている
という利益を有する。
【0036】
負極活物質としては、特に限定されず、当該分野で公知のものをいずれも使用することができる。例えば、負極活物質として、炭素質材料を使用できる。炭素質材料は、電気化学的にリチウムを挿入/脱離し得る材料が好ましい。リチウムを挿入/脱離する電位は、金属リチウムの析出/溶解電位に近いため、高エネルギー密度の電池を構成できる。その典型例は、粒子状(鱗片状、塊状、繊維状、ウィスカー状、球状、粉砕粒子状等)の天然もしくは人造黒鉛である。メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ粉末、等方性ピッチ粉末等を黒鉛化して得られる人造黒鉛を使用してもよい。
【0037】
より好ましい炭素質材料として、非晶質炭素を表面に付着させた黒鉛粒子が挙げられる。付着方法としては、黒鉛粒子をタール、ピッチ等の石炭系重質油、又は重油等の石油系重質油に浸漬して引き上げ、炭化温度以上へ加熱して重質油を分解することで得ることができる。また、必要に応じて得られた炭素質材料を粉砕してもよい。このような処理により、充電時に負極で起こる有機溶媒、リチウム塩の分解反応が有意に抑制されるため、充放電サイクル寿命を改善し、また同分解反応によるガス発生を抑止することが可能となる。
【0038】
なお、炭素質材料は、BET法により測定される比表面積に関わる細孔が、非晶質炭素の付着によってある程度塞がれている。具体的な比表面積は、1〜5m2/gの範囲が好ましい。比表面積がこの範囲より大きくなると、有機溶媒にリチウム塩を溶解した有機電解液との接触面積も大きくなり、それらの分解反応が起こりやすくなるため好ましくない。また、負極上に高分子固体電解質層を形成するための開始剤の吸着量が増えるため、モノマーの架橋が阻害されるため好ましくない。比表面積がこの範囲より小さくなると、電解質との接触面積も小さくなるため、電気化学的反応速度が遅くなり、電池の負荷特性が低くなる場合があるので好ましくない。
【0039】
正極、負極は、基本的には正極、負極活物質をバインダーにて固定化したそれぞれの活物質層を、集電体となる金属箔上に形成したものである。前記集電体となる金属箔の材料としては、アルミニウム、ステンレス、チタン、銅、ニッケル等が挙げられる。この内、電気化学的安定性、延伸性及び経済性を考慮すると、正極用にはアルミニウム箔、負極用には銅箔が好ましい。
【0040】
なお、箔以外の正極、負極集電体の形態として、メッシュ、エキスパンドメタル、ラス体、多孔体あるいは樹脂フィルムに電子伝導材をコートしたもの等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0041】
正極、負極の作製に当たって必要であれば黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、導電性金属酸化物等の化学的に安定な導電材を活物質と組み合わせて使用し、電子伝導を向上させることができる。
【0042】
また、正極、負極の作製にあたって、バインダーは化学的に安定で、適当な溶媒には溶けるが有機電解液には冒されない樹脂の中から選ぶことが好ましい。多くの樹脂が知られているが、例えば有機溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に選択的に溶けるが有機電解液には安定なポリフッ化ビニリデン(PVDF)が好んで使用される。なお、溶媒に溶解しないバインダーは、分散液として使用してもよい。
【0043】
他に使用できる樹脂は、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フッ化ビニル、クロロプレン、ビニルピリジン、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びその誘導体、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、環状ジエン(例えばシクロペンタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等)等の重合体及び共重合体が挙げられる。
【0044】
電極は、活物質と、必要であれば導電材を、バインダー樹脂の溶液に混練してペーストをつくり、これを金属箔に適当なコーターを用いて均一な厚みで塗布し、乾燥後プレスすることによって作製できる。電極中のバインダーの割合は必要最低限とすることが好ましく、電極を100重量部として、一般に1〜15重量部で十分である。導電材は、電極を100重量部として、2〜15重量部が一般的である。
【0045】
本発明のリチウムポリマー二次電池は、例えば、以下の方法により作製できる。
(1)予め正極、負極及びセパレータそれぞれに、不飽和二重結合を少なくとも1つ以上有するモノマーとリチウム塩を含有する有機電解液とを混合した溶液を染み込ませ、各々に熱又は光又はその両方のエネルギーを照射し架橋して得たものを貼り合わせて電池を作製する方法。
(2)予めどちらか一方の電極上にセパレータを載せたものと、もう一方の電極とに、不飽和二重結合を少なくとも1つ以上有するモノマーとリチウム塩を含有する有機電解液とを混合した溶液を染み込ませ、両者に熱又は光又はその両方のエネルギーを照射し架橋して得たものを貼り合わせて電池を作製する方法。
(3)予め正極と負極の間にセパレータを挟み込み、そこへ不飽和二重結合を少なくとも1つ以上有するモノマーとリチウム塩を含有する有機電解液とを混合した溶液を染み込ませ、熱又は光又はその両方のエネルギーを照射し架橋して電池を作製する方法。
【0046】
上記本発明によれば、充放電サイクル特性を損なうことなく低温特性に優れたリチウムポリマー二次電池を提供することができる。
【0047】
正極、セパレータ及び負極からなる単位は、重ね合わせて、あるいは捲回して積層型もしくは捲回型のリチウムポリマー二次電池を構成することができる。
【0048】
作製した電池は、鉄にニッケルめっきを施したものやアルミニウム製の円筒缶、角型缶、又は、アルミニウム箔に樹脂をラミネートしたフィルムを外装材として用いることができるがこれらに限定されるものではない。
【0049】
これらの電池製造工程は、水分の浸入を防ぐためにアルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下か乾燥した空気中で行うことが好ましい。
【0050】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明がこれらにより何ら制限されるものではない。なお、作製する電池の容量はすべて20mAhとなるようにした。また、実施例1〜3は参考例である。
【0051】
(実施例1)
以下の工程にて実施例1の電池を作製した。
【0052】
a)正極の作製
平均粒径7μmのLiCoO2を100重量部と、導電材のアセチレンブラック5重量部とバインダーのPVDFを5重量部とを混合し、溶剤としてNMPを適量加え混練して正極材ペーストを得た。これを20μmのAl箔上に塗布し乾燥後プレスして正極シートを得た。この正極シートを30×30mmに裁断しAl集電タブを溶接して正極を得た。
【0053】
b)負極の作製
黒鉛粒子の表面に非晶質炭素を付着させた炭素材料粉末(平均粒径12μm、比表面積2m2/g)100重量部とバインダーのPVDFとを重量比で100:9となるように混合し、溶剤としてNMPを適量加え混練して負極材ペーストを得た。これを18μmのCu箔上に塗布し乾燥後プレスして負極シートを得た。この負極を30×30mmに裁断しNi集電タブを溶接して負極を得た。
【0054】
c)高分子固体電解質層のプレカーサー溶液調製
GBLとECとの80:20体積比混合溶媒にLiBF4を2mol/lの濃度になるように溶解して有機電解液を得た。
【0055】
この有機電解液95重量%に、分子量7500〜9000の3官能ポリエーテルポリオールアクリル酸エステル3.5重量%と分子量2800〜3000の単官能ポリエーテルポリオールアクリル酸エステル1.5重量%とを混合し、更に光重合開始剤である2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルフォスフィンオキシド2000ppmを上記溶液に対して添加してプレカーサー溶液を得た。
【0056】
d)電池の組立て
上記で得られた正極の上に、ポリオキシプロピレングリコールで表面処理したポリプロピレン製セパレータ(厚さ24μm)を載せ、プレカーサー溶液を注液した。これを2枚の石英ガラス板(厚さ500μm)で挟み、波長365nmの紫外線を20mW/cm2の照度で2分間照射した。次に、負極にプレカーサー溶液を注液し正極同様に紫外線照射した。それらを正極と負極が対向するように貼り合わせ、外装材であるAlラミネート樹脂フィルム製の袋に挿入し、熱シーラーで封止した。それを60℃で24時間加熱処理して電池を完成させた。また、高分子固体電解質層だけの波長365nmの光透過率は87%であった(紫外線照射前は89%であった)。
【0057】
(実施例2)
以下の工程にて実施例2の電池を作製した。
a)正極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して正極を得た。
b)負極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して負極を得た。
c)高分子固体電解質層のプレカーサー溶液調製
GBLとECとの60:40体積比混合溶媒にLiBF4を1mol/lの濃度になるように溶解して有機電解液を得た。
【0058】
この有機電解液80重量%に、分子量7500〜9000の3官能ポリエーテルポリオールアクリル酸エステル12重量%と分子量220〜300の単官能ポリエーテルポリオールアクリル酸エステル8重量%とを混合し、更に光重合開始剤であるビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキシド3000ppmを上記溶液に対して添加してプレカーサー溶液を得た。
【0059】
d)電池の組立て
上記で得られた正極の上に、ポリオキシエチレングリコールで表面処理したポリエチレン製セパレータ(厚さ9μm)を載せ、プレカーサー溶液を注液した。これを2枚の石英ガラス板(厚さ500μm)で挟み、波長365nmの紫外線を20mW/cm2の照度で2分間照射した。次に、負極にプレカーサー溶液を注液し正極同様に紫外線照射した。それらを正極と負極が対向するように貼り合わせ、外装材であるAlラミネート樹脂フィルム製の袋に挿入し、熱シーラーで封止した。それを80℃で2時間加熱処理して電池を完成させた。また、高分子固体電解質層だけの波長365nmの光透過率は92%であった(紫外線照射前は93%であった)。
【0060】
(実施例3)
以下の工程にて実施例3の電池を作製した。
a)正極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して正極を得た。
b)負極の作製
人造黒鉛粉末(平均粒径12μm、比表面積5m2/g)100重量部とバインダーのPVDFとを重量比で100:9となるように混合し、溶剤としてNMPを適量加え混練して負極材ペーストを得た。これを18μmのCu箔上に塗布し乾燥後プレスして負極シートを得た。この負極を30×30mmに裁断しNi集電タブを溶接して負極を得た。
【0061】
c)高分子固体電解質層のプレカーサー溶液調製
GBLとECとの75:25体積比混合溶媒にLiBF4を0.8mol/lの濃度になるように溶解して有機電解液を得た。
【0062】
この有機電解液97重量%に、分子量7500〜9000の3官能ポリエーテルポリオールアクリル酸エステル2.4重量%と分子量220〜300の単官能ポリエーテルポリオールアクリル酸エステル0.6重量%とを混合し、更に熱重合開始剤であるt−ブチルパーオキシネオデカノエート1000ppmを上記溶液に対して添加してプレカーサー溶液を得た。
【0063】
d)電池の組立て
上記で得られた負極と正極との間に、酸素プラズマで表面処理したポリエチレン製セパレータ(厚さ13μm)を挟み、外装材であるAlラミネート樹脂フィルム製の袋にそれらを挿入し、c)で得られたプレカーサー溶液を注入しその袋を封止した。それを60℃で72時間加熱処理して電池を完成させた。また、高分子固体電解質層だけの波長760nmの光透過率を測定した。光透過率は59%であった(加熱前は60%であった)。
【0064】
(比較例1)
以下の工程にて比較例1の電池を作製した。
a)正極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して正極を得た。
b)負極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して正極を得た。
c)高分子固体電解質層のプレカーサー溶液調製
ECとDMCとの30:70体積比混合溶媒にLiBF4を1.5mol/lの濃度になるように溶解して有機電解液を得た。
その他は実施例1と同様の操作を繰り返してプレカーサー溶液を得た。
【0065】
d)電池の組立て
上記で得られた正極の上にポリプロピレン製セパレータ(厚さ24μm)を載せ、プレカーサー溶液を注液した。これを2枚の石英ガラス板(厚さ500μm)で挟み、波長365nmの紫外線を20mW/cm2の照度で2分間照射した。次に、負極にプレカーサー溶液を注液し正極同様に紫外線照射した。それらを正極と負極が対向するように貼り合わせ、外装材であるAlラミネート樹脂フィルム製の袋に挿入し、熱シーラーで封止した。それを60℃で24時間加熱処理して電池を完成させた。また、高分子固体電解質層だけの波長365nmの光透過率は80%であった(加熱前は82%であった)。
【0066】
(比較例2)
以下の工程にて比較例2の電池を作製した。
a)正極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して正極を得た。
b)負極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して正極を得た。
c)高分子固体電解質層のプレカーサー溶液調製
実施例1と同様の操作を繰り返してプレカーサー溶液を得た。
【0067】
d)電池の組立て
上記で得られた正極の上にポリプロピレン製セパレータ(厚さ30μm)を載せ、プレカーサー溶液を注液した。その他は実施例1と同様の操作を繰り返して電池を完成させた。また、高分子固体電解質層だけの波長365nmの光透過率は48%であった(紫外線照射前は49%であった)。
【0068】
(比較例3)
以下の工程にて比較例3の電池を作製した。
a)正極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して正極を得た。
b)負極の作製
実施例1と同様の操作を繰り返して正極を得た。
c)高分子固体電解質層のプレカーサー溶液調製
実施例1と同様の操作を繰り返してプレカーサー溶液を得た。
【0069】
d)電池の組立て
上記で得られた正極の上にポリエステル製不織布(厚さ40μm)を載せ、プレカーサー溶液を注液した。その他は実施例1と同様の操作を繰り返して電池を完成させた。また、高分子固体電解質層だけの波長365nmの光透過率は73%であった(紫外線照射前は75%であった)。
【0070】
上記作製した各々の電池を定電流4mAで4.2Vまで充電し4.2V到達後は定電圧で電流が1mAに減衰するまで充電(以下0.2C充電と呼ぶ)し、定電流20mAで25℃と−20℃で3Vまで放電させた時の低温容量維持率と、25℃で500回まで0.2C充電と定電流20mAで3Vまで放電を繰り返した時のサイクル維持率を測定した。これらの定義は以下の式で表される。
低温容量維持率(%)=(−20℃の放電容量)/(25℃の放電容量)×100
サイクル維持率(%)=(500回目の放電容量)/(初回の放電容量)×100
上記実施例と比較例の結果を以下の表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
表1で示すように、実施例1と比較例1との結果から電池のサイクル特性を維持しつつ低温特性を向上させるためには、高分子固体電解質層の光透過率が50%以上であっても、GBLを含有する高分子固体電解質層を使用する必要があることが判明した。
【0073】
また、実施例1と比較例2との結果から高分子固体電解質層の光透過率が50%未満であると、電池の低温特性もサイクル特性も低下することが判明した。
【0074】
更に実施例1と比較例3との結果から光透過率が50%以上であっても、セパレータではなく不織布では電池内部の短絡を引き起こし、サイクル特性が維持できないことが判明した。
【0075】
(実施例4)
図2のような紫外可視分光分析結果のプロファイルを示すポリオキシエチレングリコールを塗布したポリプロピレン製セパレータ(厚さ25μm)を用い、その他の条件は実施例1と同様にして電池を完成させた。また、高分子固体電解質層だけの波長365nmの光透過率は88%であった(紫外線照射前は89%であった)。なお、照射された光の波長ごとの反射率の変化を図2に示す。
【0076】
上記作製した各々の電池を実施例1〜3、比較例1〜3で評価したように同様に電池性能を評価した。その結果を反射率と併せて表2に示す。
【0077】
(比較例4)
図2のような紫外可視分光分析結果のプロファイルを示すポリオキシエチレングリコールを塗布したポリプロピレン製セパレータ(厚さ25μm、約2年間室内放置後)を用い、その他の条件は実施例1と同様にして電池を完成させた。また、高分子固体電解質層だけの波長365nmの光透過率は47%であった(紫外線照射前は49%であった)。なお、照射された光の波長ごとの反射率の変化を図2に示す。
【0078】
上記作製した各々の電池を実施例1〜3、比較例1〜3で評価したように同様に電池性能を評価した。その結果を反射率と併せて表2に示す。
【0079】
【表2】
【0080】
表2で示すように、波長355nmの光反射率が、波長320nmのそれより低い実施例4の電池の方が、比較例4の電池に比べて、低温特性、サイクル特性共に優れていることが分かる。これは比較例4の電池で使用されたセパレータの界面活性剤であるポリオキシエチレングリコールが何らかの理由で劣化したため、セパレータへの電池の浸透性が低くなり、電池の性能が低くなったものと考えられる。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、優れたサイクル特性を維持しつつも−20℃のような低温でも性能劣化を起こさないリチウムポリマー二次電池を提供できる。
【0082】
また、高分子固体電解質層の架橋前のモノマーとγ−ブチロラクトンのセパレータへの浸透性を光透過率で測定するという製造方法は、簡便でかつ高性能なリチウムポリマー二次電池の製造方法であることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリチウムポリマー二次電池の概略断面図である。
【図2】実施例4と比較例4の照射された光の波長ごとの反射率の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 セパレータ
2 高分子固体電解質層
3 正極活物質
4 負極活物質
5 集電体
Claims (8)
- 有機電解液と活物質の存在下で架橋させた高分子によりそれぞれ一体化させた正極及び負極と、両極間に位置し、かつ有機電解液と界面活性剤が塗布されたセパレータ(不織布を含まない)の存在下で架橋させた高分子により一体化させた高分子固体電解質層とからなり、前記有機電解液がγ−ブチロラクトンを含有し、かつ、前記高分子固体電解質層が50%以上の光透過率を有し、該セパレータの光反射率が、波長355nmのそれより波長320nmのそれの方が高いことを特徴とするリチウムポリマー二次電池。
- 前記セパレータが、ポリエチレン、ポリプロピレン又はポリエチレンとポリプロピレンの複合体からなる微多孔質膜であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムポリマー二次電池。
- 前記有機電解液が、更にエチレンカーボネートを含有し、γ−ブチロラクトン:エチレンカーボネートの体積比が、60:40〜80:20であることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウムポリマー二次電池。
- 前記高分子固体電解質層に含まれる高分子が、分子内にエチレンオキシド単位とプロピレンオキシド単位を含んだランダム共重合体又はブロック共重合体であり、その末端基にアクリロイル基又はメタクリロイル基の不飽和結合をもつ多官能性化合物からなるモノマーを重合させたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のリチウムポリマー二次電池。
- 前記正極及び負極のいずれか一方を構成する高分子と、前記高分子固体電解質層を構成する高分子とが、同時に架橋することにより得られた高分子である請求項1〜4のいずれか1つに記載のリチウムポリマー二次電池。
- 前記正極及び負極を構成する高分子と、前記高分子固体電解質層を構成する高分子とが、同時に架橋することにより得られた高分子である請求項1〜4のいずれか1つに記載のリチウムポリマー二次電池。
- 請求項1〜6のいずれか1つに記載のリチウムポリマー二次電池の製造方法であって、有機電解液及び架橋前の高分子の存在下でのセパレータの光透過率が50%以上になるように調整した後、架橋前の高分子を架橋させることで高分子固体電解質層を得る工程を含むことを特徴とするリチウムポリマー二次電池の製造方法。
- 前記光透過率が、300〜800nmの範囲の波長の光で測定されることを特徴とする請求項7に記載のリチウムポリマー二次電池の製造方法。
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