WO2021245790A1 - リチウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

リチウム二次電池は、リチウムイオンの挿入および脱離が可能な正極101と、リチウムイオンの挿入および脱離が可能な負極102と、リチウムイオン導電性を有する透明な電解質103とを備え、前記正極101および前記負極102は、透明導電膜203が形成された透明基板201、201上にそれぞれ形成され、前記電解質103は、固体電解質を含む。

Description

リチウム二次電池
 本発明は、リチウム二次電池に関する。
 リチウムイオンの挿入および脱離反応を用いるリチウム二次電池は、エネルギー密度の高い二次電池として様々な電子機器、自動車の電源、電力貯蔵などの用途で、世界中で使用されている。現在もなお、リチウム二次電池は、性能向上や低コストに向け、電極材料や電解質材料に関する研究開発が進められている。
 近年では、スマートフォンやIoT機器の発展により、モバイル電源としてより大きな注目を集めており、透明ディスプレイや極薄型ディスプレイなどの電源として、電池そのものの柔軟性やデザイン性なども要求されることがある。
 薄型のリチウム二次電池としては、Hayashiらは、非特許文献1において、Pt/Ti集電極膜上に作製したLiCoO2正極膜上に、さらに、固体電解質としてLiPoN(Li3Po4中の酸素を窒素で部分置換することによってリチウムイオン導電性が発現した透明の非晶質膜)、負極として金属リチウムおよび負極集電体としてCuを、それぞれRF(Radio Frequency)スパッタ法、真空蒸着法を用いて厚さがμmオーダーの薄型で曲げることができる電池を作製し、電流密度0.1mA/cm2の放電電流で、約250μAh/gの放電容量を示すことを報告している。
M. Hayashi, M. Takahashi and T. Shodai, J. Power Sources, 189, 416-422 (2009)
 上記のように、これまでに薄型で曲げることができる二次電池に関する検討はなされている。しかしながら、非特許文献1や市販の電池において、可視光の透過性については考慮されていない。
 また、負極材料は、充放電により体積が膨張収縮し、基板から剥離してしまうことによる失活化により使用できる負極材料が限定されてしまうが、透明性のある材料を使った電池を実現できれば、デバイスのデザイン性や様々な機器に利用できる可能性があり、用途の幅が大きく広がることが想定される。
 本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、可視光を透過する、充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
 本発明の一態様は、リチウム二次電池であって、リチウムイオンの挿入および脱離が可能な正極と、リチウムイオンの挿入および脱離が可能な負極と、リチウムイオン導電性を有する、透明な電解質と、を備え、前記正極および前記負極は、透明導電膜が形成された透明基板上に、それぞれ形成され、前記電解質は、固体電解質を含む。
 本発明によれば、可視光を透過する、充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るリチウム酸化物の構成を示す上面概略図である。 本発明の実施形態に係るリチウム酸化物の構成を示す断面概略図である。 実施例1のリチウム二次電池の光透率を示す図である。 実施例1、2および比較例の初回充放電曲線を示す図である。 実験例1、2および比較例の20サイクルまでの放電容量を示す図である。 基板から負極が剥離し電解液内に沈殿した図である。
 以下に、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
 本実施形態のリチウム二次電池は、リチウムイオンの挿入および脱離が可能な正極と、リチウムイオンの挿入および脱離が可能な負極と、リチウムイオン導電性を有する透明な電解質と、を備える。正極および負極は、透明導電膜が形成された透明基板上にそれぞれ形成される。電解質は、固体電解質を含む。
 具体的には、正極は、リチウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含む。負極は、金属リチウム、リチウムと合金を形成可能な金属、もしくは、リチウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含む。
 正極および負極は、例えば以下のような方法で作製することができるが、本発明はこれに限定されない。
 まず、ガラスなどの可視光透過性のある基板全体に、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)等の透明導電膜を形成する。基盤の透明導電膜の上に、リチウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を所定の厚さで製膜することで、正極を形成する。透明導電膜および正極は、例えばスパッタリング、蒸着などの手法を用いて製膜する。なお、製膜の手法は、これらに限定されない。
 負極についても同様に、可視光透過性のある基板全体にITO等の透明導電膜を形成し、透明導電膜上に、負極としてリチウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を、所定の厚さで製膜する。
 本実施形態の電解質には、リチウムイオン導電性を有する物質であって、電子導電性を有しない物質で、可視光透過性がある固体電解質を使用することができる。例えば、固体の電解質としては、Li、Ba、Ca、Cl、Y、La、Sr、Cu、Bi、Zr、、Ta、Nbなどから構成されるLISICON型、ペロブスカイト型、ガーネット型などの酸化物、Li3.3PO3.8N0.22(LiPON)などの酸窒化物、Li、Ge、P、S、Si、Clなどから構成されるガラスセラミック、Thio-LISICONなどの硫化物、LiBH4、3LiBH4-LiI、Li2(CB9H10)(CB11H12)などの水素化物からなる群より選択される少なくとも1種を用いることができる。
 また、固体電解質として、無機材料だけでは得られない、有機材料であるポリマーが添加された可撓性や柔軟性を有するポリマー電解質を用いてもよい。ポリマー電解質としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)に、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)もしくはポリフッ化ビニリデン(PVdF)、およびリチウム塩を溶解させたものを用いることができる。
 また、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、及びイオン交換膜などの透光性のあるセパレータに、電解質を含侵して使用することもできる。例えば、リチウム二次電池は、正極と負極の間にセパレータを含んでもよい。この場合、透光性のあるセパレータに液状の電解質を含浸させて使用することができる。また、有機電解質又は水系電解質などの液状の電解質を、ポリマー電解質等に含浸させて、固体化してもよい。
 図1Aおよび図1Bは、本実施形態のリチウム二次電池の構成を模式的に示す図である。図1Aは、リチウム二次電池の上面概略図である。図1Bは、リチウム二次電池の断面概略図である。図示するリチウム二次電池は、正極101と、負極102と、正極101および負極102との間に配置される電解質103とを含む。電解質103は、正極101および負極102に接する。
 また、リチウム二次電池は、正極の透明な基板201と、負極の透明な基板202と、透明導電膜203と、接着剤104とを含むことができる。本実施形態では、透明導電膜203にITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)を用いる。以下、透明導電膜203は、ITO203ともいう。また、本実施形態では、正極および負極の透明基板201、202に、ガラス基板を用いる。
 このリチウム二次電池は、例えば、正極101、負極102、及び固体電解質103を、ITO膜203が製膜されている各透明基板201、202に、所望の通りに配置し、正極101および負極102の各電極端子部のみが外部に露出するように、これらの透明基板201、202の縁を覆うように接着剤204で封止することで調整することができる。なお、接着剤204のかわりに、シールなどを用いて封止してもよい。
 本実施形態では、透明な固体の電解質103を、正極の透明基板201および負極の透明基板202で挟み込み、真空中で接着剤104やシール材等を用いて封止する。これにより、本実施形態では、可視光を透過し、正極101および負極102が透明基板201、202から剥離することを抑制可能なリチウム二次電池を提出することができる。
 以下に、本実施形態のリチウム二次電池の実施例を、詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に示したものに限定されるのではなく、本発明の趣旨及び範囲を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
 [実施例1]
 実施例1のリチウム二次電池は、以下の手順で作製した。
 (ITO付ガラス基板)
 実施例1では、正極101および負極102の各透明基板101、102に、縦100mm×横100mm、厚さ2mmのガラス基板をそれぞれ用いる。各ガラス基板101、102に、RFスパッタ法によりITO203を150nmの厚さでコートし製膜した。スパッタは、ITO(5wt%SnO2)ターゲットを用い、アルゴン:1.0Paをフローさせながら、RF出力:100Wで行った。
 (正極)
 ITO203が製膜されたガラス基板201の縦90mm×横100mmに、RFスパッタ法により、正極101としてリン酸コバルト酸リチウム(LiCoPO4)を200nmの厚さで成膜した。スパッタは、LiCoPO4セラミックターゲットを用い、アルゴンと酸素の流通分圧比を3 : 1でトータルのガス圧を3.7Paとし、RF出力:700 Wの条件で行なった。
 このように製膜された正極101は、縦10mm×横100mmだけ正極材料が製膜されず、ITO203が露出している部分がある。この露出部分を、電極端子として利用する。
 (負極)
 ITO203が製膜されたガラス基板202の縦90mm×横100mmに、RFスパッタ法により、負極102として酸化ケイ素(SiO)を、100nmの厚さで成膜した。スパッタは、SiOセラミックターゲットを用い、アルゴンと酸素の流通分圧比を3 : 1でトータルのガス圧を4.0Paとし、RF出力:700 Wの条件で行なった。
 このように製膜された負極102は、縦10mm×横100mmだけ負極材料が製膜されず、ITO203が露出している部分がある。この露出部分を、電極端子として利用する。
 (電解質)
 電解質103に、リン酸リチウム(Li3PO4)を用いた。上記作製した正極101(LiCoPO4膜)上の全体に、RFスパッタ法により、電解液103として、リン酸リチウム(Li3PO4)を、200nmの厚さで成膜した。スパッタは、Li3PO4セラミックターゲットを用い、アルゴンと酸素の流通分圧比を3 : 1でトータルのガス圧を3.7Paとし、RF出力:700 Wの条件で行なった。
 このようして作製した正極101および電解質103の上から、プロピレンカーボネート(PC)にリチウム塩としてリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド (LiTFSI)を1mol/L溶解させた有機電解液を30μL、正極のガラス基板201の中心に流し込み、ガラス基板201を回転台の上に固定したのち、50rpmで回転させて、電解液103をキャストした。
 (電池作製)
 上記で作製した負極102を、正極の透明基盤201および負極の透明基板202からITO203がそれぞれ露出するように、正極101および電解質103が形成された透明基盤201と、負極102が形成された透明基板204とを重ね合わせる。この重ね合わせたものの、正極101と電解質103と負極102とが重なっている縦90mm×横100mmの縁を接着剤204で封止し、接着剤204が固まる前に真空乾燥機に入れ、真空乾燥し、接着剤204を固化させて、リチウム二次電池を作製した。
 (電池性能)
 リチウム二次電池の充放電試験は、市販の充放電測定システムを用いて、正極(負極)の有効面積当たりの電流密度1μA/cm2にて充放電した。充電終止電圧は5.0V、放電終止電圧3.0Vの電圧範囲で充放電試験を行った。リチウム二次電池の充放電試験は、25℃の恒温槽内(雰囲気は通常の大気環境下)で測定を行った。
 図2に、実施例1で作製したリチウム二次電池の可視光領域における光透率を測定した結果を示す。実施例1のリチウム二次電池は、可視光領域(約400nmから780nm)において、60%以上の透過率を示している。したがって、実施例1のリチウム二次電池は、可視光を透過することが分かる。
 図3に、実施例1と、後述する実施例2および比較例との初回充放電曲線を示す。図3において、実線は、実験例1の充電特性および放電特性を示す。破線は、実験例2の充電特性および放電特性し、点線は、比較例の充電特性および放電特性を示す。
 図3から、実施例1のリチウム二次電池は、不可逆容量(充電容量と放電容量の差)が小さい可逆的な充放電が可能であり、放電容量は約0.192mAh、平均放電電圧は約3.8 Vであることが分かる。
 図4に、実験例1と、実施例2および比較例との初回から20サイクルまでの放電容量を示す。図4から、実施例1のリチウム二次電池は、20サイクル目で0.01mAh程度の容量減少しか見られず、安定したサイクル特性を有することが分かる。
 以上により、本実施例のリチウム二次電池は、可視光を透過する、充放電サイクル特性に優れた高いエネルギー密度を有する。具体的には、本実施例では、エネルギー密度の高いSiO負極の体積膨張収縮によるガラス基板からの剥離を、固体電解質を用いることで抑制し、安定的な充放電サイクルが可能なリチウム二次電池を実現することができる。
 [実施例2]
 (負極)
 実施例2では、負極102として、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)を用いた。Li4Ti5O12は、体積の膨張収縮が起こりにくい材料である。本実施例では、負極102以外は、実施例1と同様の方法でリチウム二次電池を作製した。
 (電池性能)
 リチウム二次電池の充放電試験は、市販の充放電測定システムを用いて、正極(負極)の有効面積当たりの電流密度1μA/cm2にて充放電した。充電終止電圧は2.8V、放電終止電圧1.0Vの電圧範囲で充放電試験を行った。電池の充放電試験は、25℃の恒温槽内(雰囲気は通常の大気環境下)で測定を行った。
 本実施例のリチウム二次電池は、図3および図4に示すように、サイクル特性が安定している。なお、本実施例のリチウム二次電池は、エネルギー密度(放電電圧、容量)が、実施例1に比べて小さい。
 また、本実施例のリチウム二次電池における、可視光領域における光透率を測定した結果を、後述する表1に示す。本実施例のリチウム二次電池は、可視光領域(約400nmから780nm)において、60%以上の透過率を示した。したがって、本実施例のリチウム二次電池は、可視光を透過する。
 [実施例3]
 本実施例では、ITO付ガラス基板201、201、正極101および負極102は、実施例1と同様の手順で作製した。
 (電解質)
 実施例3では、電解質103にポリマーを添加したポリマー電解質を用いた。具体的には、本実施例では、結着材であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)粉末と、プロピレンカーボネート(PC)に、リチウム塩としてリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド (LiTFSI)を1mol/L溶解させた有機電解液と、分散媒としてテトラヒドロフラン(THF)とを、重量比で4:6:10で混合した溶液を、露点-50℃以下の乾燥空気中において60℃で1時間攪拌し、当該溶液を200Φのシャーレに50ml流し込み、50℃で12時間真空乾燥することで、厚さ0.1mmの透明な膜(ポリマー電解質)を作製した。
 (電池作製)
 上記ポリマー電解質103を縦90mm×横100mmに成形した。正極101および負極102を、ポリマー電解質103の製膜面が向かい合うように、かつ、製膜面のみが全て覆われるように挟み込み、正極の透明基盤201と、ポリマー電解質103と、負極の透明基板202とを重ね合わせる。この重ね合わせたものの、正極101とポリマー電解質103と負極102とが重なっている縦90mm×横100mmの縁を、接着剤204で封止し、接着剤204が固まる前に、真空乾燥機に入れ、真空乾燥し、接着剤204を固化させてリチウム二次電池を作製した。
 (電池性能)
 リチウム二次電池の充放電試験は、市販の充放電測定システムを用いて、正極(負極)の有効面積当たりの電流密度1μA/cm2にて充放電した。充電終止電圧は5.0V、放電終止電圧2.5Vの電圧範囲で充放電試験を行った。電池の充放電試験は、25℃の恒温槽内(雰囲気は通常の大気環境下)で測定を行った。
 表1に、実施例3の初回放電容量、平均放電電圧、20サイクル目の放電容量、および可視光領域の透過率を示す。表1より、実施例3は、実施例1よりさらに安定したサイクル特性を示していることが分かる。これは、酸化物等の固体電解質に対し、ポリマー電解質を用いることにより、ポリマー特有の柔軟性による負極の密着性が高く、負極の体積膨張の緩衝材となりことから、負極がガラス基板から剥離することによる失活化を、より効果的に抑制できているためと考えられる。実施例3のリチウム二次電池は、可視光領域(約400nmから780nm)において、70%以上の透過率を示していた。したがって、実施例3のリチウム二次電池は、可視光を透過する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 
 [比較例]
 比較例では、ITO付ガラス基板、正極および負極は、実施例1と同様の手順で作製した。
 (電解質)
 比較例では、電解質として、プロピレンカーボネート(PC)に、リチウム塩としてリチウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド (LiTFSI)を1mol/L溶解させた有機電解液のみを用いた。
 (電池作製)
 縦100mm×横70mm×厚さ0.5mmのスペーサーを、正極のITO付ガラス基板および負極のITO付ガラス基板で挟み込み、正極および負極が重なっている縦90mm×横100mmの4辺のうち3辺の縁を接着剤で封止し、接着剤を固化させた。その後、スペーサーを抜き取り、空いている1辺の隙間から、上記の有機電解液を、縦90mm×横100mmの全体が有機電解液で満たされるまで注入し、空いている1辺を接着剤で封止することでリチウム二次電池を作製した。
 (電池性能)
 リチウム二次電池の充放電試験は、市販の充放電測定システムを用いて、正極(負極)の有効面積当たりの電流密度1μA/cm2にて充放電した。充電終止電圧は5.0V、放電終止電圧3.0Vの電圧範囲で充放電試験を行った。リチウム二次電池の充放電試験は、25℃の恒温槽内(雰囲気は通常の大気環境下)で測定を行った。
 図3、図4および表1に示すように、比較例は、初期充電において大きな容量を示したが、その後の放電において容量が著しく減少した。これは、負極のSiOは、エネルギー密度は大きいが、充電時のリチウムイオン挿入時に体積が膨張して、図5に示すように、ITOが製膜されたガラス基板から負極が有機電解液中に剥離してしまい失活化してしまったことによるものと考えられる。
 一方、実施例1から3では、固体電解質を利用しており、負極が物理的にITO付ガラス基板に押さえつけられていることで、剥離が抑制されているため、安定した充放電サイクル特性を得られると考えられる。
 [実施例4-7]
 実施例4-7では、ITO付ガラス基板201、201、正極101および負極102を、実施例1と同様の手順で作製した。
 (電解質)
 実施例4-7の電解質103は、実施例3のポリマー電解質の膜厚(0.1mm)を調整して作成した。実施例4の膜厚は0.05mm、実施例5の膜厚は0.5mm、実施例6の膜厚は1mm、実施例7の膜厚は2mmである。
 (電池作製)
 実施例4-7のリチウム二次電池は、各膜厚のポリマー電解質を用いて、実施例3と同様の手順で作製した。
 (電池性能)
 実施例4-7のリチウム二次電池の充放電試験は、市販の充放電測定システムを用いて、正極(負極)の有効面積当たりの電流密度1μA/cm2にて充放電した。充電終止電圧は5.0V、放電終止電圧2.5Vの電圧範囲で充放電試験を行った。電池の充放電試験は、25℃の恒温槽内(雰囲気は通常の大気環境下)で測定を行った。
 表2に、実施例3-7のリチウム二次電池の初回放電容量、平均放電電圧および20サイクル目の放電容量を示す。実施例3は、前述したポリマー電解質の膜厚が0.1mmのリチウム二次電池である。実施例4-7のリチウム二次電池は、可視光領域(約400nmから780nm)において、65%以上の透過率を示している。したがって、実施例4-7のリチウム二次電池は、可視光を透過する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 
 電解質の膜厚が0.1~1mmの実施例3、5、6は、ほぼ同様の性能を示している。一方、0.1mm未満の膜厚が薄すぎるリチウム二次電池(実施例4)では、サイクル特性が悪化した。また、2mmの膜厚が厚すぎるリチウム二次電池(実施例7)では、放電電圧が低下した。
 電解質の膜厚が薄い場合、負極の体積膨張の緩衝効果が発揮されず、失活化してしまうことが原因と考えられる。電解質の膜厚が厚い場合、電解質のイオン泳動の距離が長くなり、リチウム二次電池の内部抵抗増大の原因となっていることが考えられる。このことから、ポリマー電解質の膜厚は0.1~1mmであることが望ましい。
 上記実施形態により、可視光透過性があり充放電サイクル特性に優れた高エネルギー密度を有するリチウム二次電池を作製することができる。また、本実施形態のリチウム二次電池は、様々な電子機器の駆動源等として使用することができる。
 なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、様々な変形および組み合わせが可能である。
 101:正極
 102:負極
 103:電解質
 201、202:ガラス基板(透明基板)
 203:ITO(透明導電膜)
 204:接着剤

Claims (3)

  1.  リチウムイオンの挿入および脱離が可能な正極と、
     リチウムイオンの挿入および脱離が可能な負極と、
     リチウムイオン導電性を有する、透明な電解質と、を備え、
     前記正極および前記負極は、透明導電膜が形成された透明基板上に、それぞれ形成され、
     前記電解質は、固体電解質を含む
     リチウム二次電池。
  2.  前記電解質に、ポリマーが添加された
     請求項1記載のリチウム二次電池。
  3.  前記電解質の厚さは、0.1~1mmである
     請求項1または2記載のリチウム二次電池。
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