JP2014089836A - 活物質およびそれを用いた二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電の繰り返しによる放電容量の劣化が小さく、サイクル特性に優れた活物質とそれを用いた二次電池を提供する。
【解決手段】いずれもTiおよびPを含む第1の結晶相および第2の結晶相を含み、前記第1の結晶相が、立方晶のTiPであり、前記第2の結晶相が、Ti20、Ti25および前記第1の結晶相とは異なる結晶構造を有するTiPのうち少なくとも1種である活物質を、二次電池の負極として用いることにより、サイクル特性を向上させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、活物質およびそれを用いた二次電池に関する。
近年、二次電池は、携帯電話やノートPCだけでなく、電気自動車用バッテリーとしてもその用途を広げており、さらに風力や太陽光発電の電圧安定化など大型用途での利用も期待されている。
二次電池は、一般に正極と負極と電解液(質)とから構成されており、正極および負極には、電気伝導を担うイオンの挿入または吸着、および脱離が可能な活物質が含まれている。二次電池の開発においては、充放電条件および使用条件に応じて、容量が大きく、寿命が長い電極を製作可能な活物質を開発することが特に重要である。
従来より、負極用の活物質としては黒鉛やハードカーボンなどの炭素系材料や合金系材料が、正極用の活物質としては電気伝導を担うイオン(Li、Naなど)とCo、Niなどの複合酸化物が検討され、利用されてきた。また、近年では、レアメタルの資源リスクの増大により、低コストのFe、Mn、Ti、Pなどを主成分とする活物質が盛んに検討されている。中でもTiPは、電気伝導を担うイオンを構成元素として含まないにもかかわらず、活物質としての有用性が報告されている。
例えば、特許文献1では、LiFe1-X(式中、Mは4価でも安定に
存在する遷移金属を表し、0≦X<1を、Yは0≦Y≦1を表す)で表される化合物からなる非水系電解質二次電池用電極活物質が提案されており、TiPを正極用活物質として用いた例が示されている。
一方、特許文献2および非特許文献1においては、水系電解液を用いたリチウム二次電池の負極用活物質として、TiPを用いることが提案されている。
特開2002−246025号公報 特開2008−282665号公報
Haibo Wang, Kelong Huang, Yuqun Zeng, Sai Yang, Liquan Chen, Electrochimica Acta, Volume 52, Issue 9, 15 February 2007, Pages 3280-3285
しかしながら、特許文献1に記載されているTiPを含有する正極では、電位が低いためエネルギー密度が低いという問題があった。また、特許文献2および非特許文献1に記載されているようにTiPを負極用活物質として用いた場合は、充放電の繰り返しにより容量が低下するという問題があった。
本発明は、上記の課題を鑑みてなされたもので、充放電の繰り返しによる放電容量の低下が小さく、サイクル特性に優れた活物質およびそれを用いた二次電池を提供することを目的とする。
本発明の活物質は、いずれもTiおよびPを含む第1の結晶相および第2の結晶相を含む活物質であって、前記第1の結晶相が、立方晶のTiPであり、前記第2の結晶相が、Ti20、Ti25および前記第1の結晶相とは異なる結晶構造を有するTiPのうち少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明の二次電池は、正極と、負極と、電解質とを有し、前記負極が上記の活物質を含むことを特徴とする。
本発明によれば、充放電の繰り返しによる放電容量の劣化が小さく、サイクル特性に優れた活物質、およびそれを用いた二次電池を提供できる。
本発明の一実施形態である二次電池の概略断面図である。 二次電池の外観を示す斜視図である。 実施例の試料No.12の負極に用いた活物質のX線回折チャートである。
本発明の一実施形態である二次電池について、図1および図2を用いて説明する。本実施形態の二次電池は、正極1と負極3との間に電解質層2を有し、これらは発電要素4を構成している。また、正極1および負極3の電解質層2に面する側とは反対側の面には、それぞれ正極側集電層5Pおよび負極側集電層5Nが設けられている。図1に示した発電要素4を、図2に示すような電池ケースに収納することにより二次電池が形成される。電池ケースの形態はラミネートタイプやチューブ型、コイン型など多種多様であるが、いずれの形態であっても良い。図2に示す6Nおよび6Pは、それぞれ外部回路と負極および正極とを電気的に接続する負極端子および正極端子であり、7はラミネートフィルムである。
負極3には、いずれもTiおよびPを含む第1の結晶相および第2の結晶相を含む活物質を用いる。第1の結晶相は、立方晶のTiP(JCPDSのNo.00−038
−1468)であり、第2の結晶相は、Ti20、Ti25および前記第1の結晶相とは異なる結晶構造を有するTiPのうち少なくとも1種である。活物質を構成する結晶相が、1種類の立方晶TiP単独であった場合、容量の点では約90mAh/gの放電容量を得られるが、充放電サイクル特性に関しては十分な特性を得ることができない。その原因の一つは充放電による活物質の結晶格子の体積変化に起因した電極の劣化であると考えられる。
一方、立方晶のTiP以外のTiおよびPを含む結晶相、たとえばTi20、Ti25は、活物質としての活性が低い、あるいは不活性であるため、第1の結晶である立方晶のTiPとともにこれらの結晶相を第2の結晶相として含む活物質を用いることにより、充放電により第1の結晶相が体積変化するときに第2の結晶相が緩衝材となり、サイクル特性が向上する。このような結晶相としては、上記以外に第1の結晶相とは異なる結晶構造を有するTiPであってもよく、そのようなTiPとしては、擬六方晶や、第1の結晶相とは異なる結晶構造を有する立方晶(JCPDSのNo.00−052−1470)をとるものがある。第2の結晶相をこのようなTiPとすることにより、第2の結晶相の組成や構造を第1の結晶相に近いものとすることができ、第1の結晶相と第2の結晶相との間に整合性の高い界面を形成することができるため、サイクル特性の改善効果が特に著しいものとなる。なお、第2の結晶相は単
独の結晶相であっても、複数の結晶相を含んでいてもよい。
本実施形態における第2の結晶相の存在は、活物質のX線回折パターンにより確認できるが、第2の結晶相に由来するX線回折ピークが第1の結晶相に由来するX線回折ピークと一部重なることがあるため、第1の結晶相のX線回折ピークとは独立して存在するX線回折ピーク(以下、第2の結晶相単独のX線回折ピークという)の有無により、第2の結晶相が存在するか否かを判断する。以下、X線回折ピークを単に回折ピークという場合もある。
第1の結晶相に対する第2の結晶相の存在比率としては、活物質のX線回折パターンにおいて、第1の結晶相のメインピークである(600)面を示すX線回折ピークの強度に対する第2の結晶相単独の回折ピークのうち最大の強度を有するX線回折ピークの強度(以下、第2の結晶相のピーク強度比ともいう)が、1〜10%であることが好ましい。
第2の結晶相のピーク強度比を1%以上とすることで、第2の結晶相により第1の結晶相の体積変化を緩和する効果が十分得られ、サイクル特性が向上する。また、第2の結晶相のピーク強度比を10%以下とすることで、充分な容量を得るために必要な量の第1の結晶相を、活物質中に確保することができる。
なお、本実施形態においては、負極3に、上記の第1の結晶相および第2の結晶相を含む活物質以外の活物質を含んでいても構わない。また、工程上の不可避不純物としてたとえばAl、Zr、Mg、Mn、Ti、Fe、V、Co、Crなどを0.5質量%以下の割合で含有していてもよい。
このような活物質は、固相反応法、水熱合成法など公知の種々の方法で作製することができる。たとえば、所定の組成のTi、Pが含まれる混合原料粉末や、共沈法により得られるTi、Pが含まれる前駆体を、大気中にて700〜1150℃の範囲の温度で加熱処理することにより、第1の結晶相である立方晶のTiPと、第2の結晶相であるTi20、Ti25とを含む活物質を合成することができる。なお、この場合、第2の結晶相の比率を調整するには、原料粉末や前駆体に含まれるTiとPとの比率を適宜調整すればよい。
また、上記の温度範囲に加熱する前に、前処理として300〜600℃の範囲の温度で1時間以上保持することにより、第1の結晶相とは異なる結晶構造を有するTiPを含む活物質を合成することができる。
得られた活物質は、必要に応じボールミルやビーズミル等の手法により粉砕するなどして粒度調整を行ってもよい。粒度調整を行う場合、活物質の粉末の平均粒径は、それを用いる二次電池の使用条件や電極の作製方法に応じて適正な範囲に調整すればよく、たとえば0.1〜50μmの範囲から目的に応じた適正な範囲を選択して調整すればよい。粉末の平均粒径は、たとえば回折散乱法による粒度分布測定などにより確認できる。
得られた活物質を用いて電極を作製する。たとえば、得られた活物質を80質量%、導電助剤としてアセチレンブラックを10質量%およびバインダーとしてポリフッ化ビニリデンを10質量%に、さらに溶媒として15質量%のNMP(N−メチルピロリドン)を添加してスラリーを作製する。作製したスラリーを、ドクターブレード法などの周知のシート成形法により、たとえばAlやステンレス、Ni、Cu等の金属箔上に塗布し溶剤を乾燥することで、いずれもTiおよびPを含む第1の結晶相および第2の結晶相を含む活物質と、導電助剤と結着剤とを含む電極を作製できる。
バインダーは、ポリフッ化ビニリデン以外にも、たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリイミド樹脂(PI)、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂など、用途によって適したものを選んで使用できる。また、導電助剤も、アセチレンブラックの代わりにケッチェンブラックやカーボンナノチューブ、黒鉛、ハードカーボン、金属(アルミニウム、金、白金など)の粉末、無機導電性酸化物(酸化インジウムスズ(ITO)ガラス、酸化スズなど)など、使用電圧範囲において化学的に安定で導電性を示すものであればその材料はいずれでも良い。
また、得られた活物質の粉末を用いて、押し出し成形やロールコンパクション法などの成形法によって圧粉体を作製し、電極を形成してもよい。また、活物質の粉末を焼成し、導電助剤やバインダーを含まない焼結体として用いてもよい。
電極中における活物質の粒子の平均粒径は、これを用いる二次電池の電圧範囲や温度などの使用条件に応じて、たとえば0.1〜50μmの範囲から適正な範囲を選んで調整すればよい。たとえば高出力が必要な二次電池用途に用いる場合、活物質の粒子の平均粒径は0.5〜1.0μmの比較的微小な範囲とすることが好ましい。
なお、電極中における活物質の粒子の平均粒径の制御は、シート成形や圧粉体により電極を形成する場合には活物質の粉末の粒度調整により行うことができ、焼結体を用いて電極を形成する場合には、活物質の粉末の粒度調整および焼成温度の調整により行うことができる。電極中における活物質の粒子の平均粒径は、たとえば電極の断面において、走査型電子顕微鏡(SEM)と波長分散型X線分析(WDS)により活物質の粒子を判別し、撮影した写真を画像解析して算出するなどして求めることができる。
正極1に用いる活物質は、例えば、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物、二酸化マンガン、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムバナジウム複合酸化物、酸化バナジウムなどや、ナトリウムコバルト複合酸化物、ナトリウムマンガン複合酸化物、二酸化マンガン、ナトリウムニッケル複合酸化物、ナトリウムニッケル鉄複合酸化物、ナトリウム鉄複合酸化物、ナトリウムクロム複合酸化物などが挙げられる。これらの活物質の粒子を用いて上述したような製法により電極を作製することにより、正極1が得られる。
電解質層2としては、水系電解液や、有機電解液やイオン液体等の非水系電解液をセパレータに含浸させたものや、高分子固体電解質、無機固体電解質、溶融塩等のいずれも用いることができる。
水系電解液や非水系電解液を含浸させるセパレータには、イオンを通し、かつ正負極のショートを防止することが求められる。具体的には、ポリオレフィン繊維性の不織布やポリオレフィン製の微多孔膜、ガラスフィルター、セラミックの多孔質材料などを用いることができる。ここで、ポリオレフィンとしてはポリエチレン、ポリプロピレンを挙げることができ、一般的にリチウムイオン電池などの二次電池に用いられるセパレータが適用可能である。
水系電解液としては、たとえば1〜2mol/Lの硫酸リチウムや硝酸リチウム、硫酸
ナトリウム、硝酸ナトリウムなどの水溶液を用いることができる。このような水系電解液は、pHの調整により水の電気分解電位を変化させることができるため、二次電池の充電電位を変えることも可能である。
有機電解液は、有機溶媒と電解質塩によって構成され、必要に応じて電極表面への被膜
形成、過充電防止、難燃性の付与等を目的とした添加剤を加えてもよい。有機溶媒としては、高誘電率を有し、低粘性、低蒸気圧のものが好適に用いられ、このような材料としては、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、メチルエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートから選ばれる1種もしくは2種以上を混合した溶媒が挙げられる。電解質塩としては、たとえばLiBF4,LiPF6,LiClO4,LiCF3SO3,LiAsF6,LiN(CF3SO2)2,LiN(C2F5SO2)等のリチウム塩や、過塩素酸ナトリウム(NaClO)、四フッ化ホウ酸ナトリウム(NaBF)、六フッ化リン酸ナトリウム(NaPF)、NaN(FSO、NaN(CFSO、NaN(CSO等のナトリウム塩が挙げられる。このうち、NaN(SOF)、NaN(CFSOおよびNaN(CSOは、他のアルカリ金属塩と混合して一定温度以上の環境で使用することで、溶融塩としても用いることができる。
電解質層2として高分子固体電解質や無機固体電解質を用いる場合は、その厚みをたとえば10μm以下、さらには3μm以下と薄くすることができ、同一体積の二次電池と比較して活物質をより多く詰め込めるため、高容量化が進み、結果としてエネルギー密度向上にも寄与することができる。ただし、固体電解質は、ショートを防止するために絶縁破壊やピンホールによるショートを起こさない必要最低限の厚みを確保する必要がある。
なお、本実施形態における活物質は、充放電への寄与が少ない第2の結晶相を含むことにより、活物質の水中での安定性が向上するため、特に水系電解液を用いた二次電池の負極用の活物質として好適である。
また、本実施形態における活物質は、特にナトリウムイオンをやり取りすることにより充放電を行う二次電池の負極3に用いた場合に、サイクル特性の改善効果が著しい。ナトリウムのイオン半径はリチウムよりも大きく、充放電による結晶格子の体積変化も大きい。したがって、ナトリウム二次電池は通常、リチウム二次電池よりサイクル特性の劣化が大きいが、本実施形態の活物質を負極3に用いたナトリウム二次電池では、充放電による体積変化が少ない第2結晶相が存在することにより、充放電に起因する負極3の体積変化が緩和されるため、特にサイクル特性の劣化を効果的に抑制することができる。
正極側集電層5Pには、正極の電位において溶解などの反応が発生しない耐食性を有する材料を用いればよい。このような材料としては、たとえば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、金、白金等を含む金属材料や合金、黒鉛、ハードカーボン、ガラス状炭素等の炭素質材料、ITOガラス、酸化すずなどの無機導電性酸化物材料などを用いることができる。その中でもアルミニウム、金、白金は耐食性に優れ、容易に入手できるため好ましい。特にアルミニウムは、表面に酸化被膜を形成して不動態化し、高い電位においても耐食性に優れる点から好ましい。
負極側集電層5Nには、負極の電位においてLiやNaとの合金化などの副反応が発生しない材料を用いればよい。このような材料としては、たとえば、銅、ニッケル、真鍮、亜鉛、アルミニウム、ステンレス、タングステン、金、白金等を含む金属材料や合金、黒鉛、ハードカーボン、ガラス状炭素等の炭素質材料、ITOガラス、酸化すずなどの無機導電性酸化物材料などを用いることができる。特に、導電性が高く比較的安価な点から、アルミニウムまたはニッケルを用いることが好ましい。特にアルミニウムは、銅やニッケルと同様に導電性が高く比較的安価であり、リチウムに対しては合金を形成するため使用できないが、ナトリウムに対しては不活性であるため、正極および負極のいずれにも集電体として用いることが可能である。
正極側集電層5Pおよび負極側集電層5Nは、これらの金属材料からなる金属箔やメッシュを用いてもよいし、金属材料、炭素質材料またはITOガラスや酸化すずなどの無機導電性酸化物材料などをフィラーとした導電性インクなどを電極材料表面に塗布し、乾燥させたものを用いてもよい。また、白金やアルミニウム、チタンなどの金属を電極材料表面に蒸着したものであってもよい。
なお、金属箔またはメッシュを用いる場合、その厚みは5〜20μmとすることが好ましい。また、金属箔を使用する場合は、電極材料との接着力向上のために、金属箔の表面を粗面化処理したものを用いてもよい。この場合、金属箔の表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)にして0.5〜2μmであることが好ましい。金属箔の表面粗さは、触針式、光干渉式等の表面粗さ計や、レーザー顕微鏡、原子間力顕微鏡(AFM)等を用いて測定する。一般的に使用される触針式表面粗さ計を用いる場合は、JIS B0601に基づいて、たとえば、触針先端径を2μm、測定長を4.8mm、カットオフ値を0.8mmという条件で測定すればよい。
以上、本実施形態の二次電池について説明したが、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲で種々変更したものにも適用することができる。
以下、本発明の活物質およびそれを用いた二次電池について、実施例に基づき詳細に説明する。
まず、活物質の素原料としてアナターゼ型TiO(東邦チタニウム製)とNHPO(リン酸二水素アンモニウム)を、TiとPの比率が表1に示す比率となるように配合し、イソプロピルアルコール(IPA)を溶媒としてスラリー化し、ZrOボールを用いてボールミルにて20時間混合した。混合後のスラリーを乾燥した後、大気中で加熱処理を行い、活物質を合成した。加熱処理は表1に示した条件で行った。
合成した活物質のX線回折(XRD)測定を行い、回折パターンを解析して活物質に含まれる結晶相を同定した。活物質に含まれる結晶相のうち、JCPDSのNo.00−0
38−1468で同定されるTiPの結晶相を第1の結晶相とし、それ以外のTiおよびPを含む結晶相を第2の結晶相として、第1の結晶相のメインピークである(600)面を示すピークの強度I1に対する、第2の結晶相単独のピークのうち最大の強度を有するピークの強度I2の比率I2/I1を算出した。第2の結晶相として同定された結晶相の種類、I2として用いた回折ピークの2θおよび回折ピーク強度の比率I2/I1を表1に示す。なお、X線回折測定はCuKα線を用いて行った。
合成した活物質を用いて負極を作製した。合成した活物質の粉末を80質量%、導電助剤としてアセチレンブラックを10質量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを10質量%、溶媒としてNMP(N−メチルピロリドン)を15質量%混合してスラリーを作製した。このスラリーを、負極側集電層となる金属箔の上にドクターブレード法により塗布し、溶媒を乾燥することにより、厚さ50μmの負極を形成した。
正極は、市販のLiMn粉末(戸田工業製)または合成したNa0.7MnO2.05粉末を活物質として用いた。これらの活物質の粉末を80質量%、導電助剤としてアセチレンブラックを10質量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデンを10質量%、溶媒としてNMP(N−メチルピロリドン)を15質量%混合してスラリー作製し、正極側集電層となる金属箔の上にドクターブレード法により塗布し、溶媒を乾燥することにより、厚さ50μmの正極を形成した。
得られた正極および負極を、集電層である金属箔と共に10×10cmの正方形状に切断し、さらに集電層である金属箔の電極が形成されていない側の面の端部に、同一の材質からなる金属箔を正極端子または負極端子として、スポット溶接で取り付けた。
作製した正極と負極との間に、電解液を含んだポリプロピレン/ポリエチレン製のセパレータを配置し、外装体である袋状のアルミニウムラミネートフィルムに収納し、電解液を注入した。電解液には、有機溶媒であるプロピレンカーボネート(PC)にLiClOまたはNaN(CFSO(NaTFSIともいう)を1mol/Lで溶解したもの、あるいはLiNOまたはNaSOを2mol/L溶解した水溶液を用いた。正極に用いた活物質、正極側集電層および負極側集電層の材質、電解液の種類を表2に示す。
電解液を注入した後、正極端子および負極端子の端部が外装体の開口部から露出した状態で外装体の開口部を熱溶着により密閉し、二次電池とした。
作製した二次電池の充放電特性を、0.2Cの条件で評価した。表2に初期放電容量と、放電−充電1回を1サイクルとした100サイクルの充放電試験後の放電容量維持率を示す。
Figure 2014089836
Figure 2014089836
表1および表2に示すように、試料No.1〜8、10〜13、15、16、18、19の二次電池は、第1の結晶相である立方晶のTiPの他に第2の結晶相としてTi20、Ti25および前記第1の結晶相とは異なる結晶構造を有するTiPのうち少なくとも1種を含む活物質を用いて負極が形成されているため、サイクル特性が大幅に改善され、100サイクルの充放電試験後の容量維持率が80%を超えていることが分かる。
1・・・・正極
2・・・・電解質層
3・・・・負極
4・・・・発電要素
5N・・・負極側集電層
5P・・・正極側集電層
6N・・・負極端子
6P・・・正極端子
7・・・・ラミネートフィルム

Claims (6)

  1. いずれもTiおよびPを含む第1の結晶相および第2の結晶相を含み、
    前記第1の結晶相が、立方晶のTiPであり、
    前記第2の結晶相が、Ti20、Ti25および前記第1の結晶相とは異なる結晶構造を有するTiPのうち少なくとも1種であることを特徴とする活物質。
  2. 前記第2の結晶相である前記TiPが、擬六方晶または前記第1の結晶相とは異なる結晶構造を有する立方晶であることを特徴とする請求項1に記載の活物質。
  3. 前記活物質のX線回折パターンにおいて、
    前記第2の結晶相に由来するとともに、前記第1の結晶相に由来するX線回折ピークとは独立して存在するX線回折ピークのうち、最大の強度を有する回折ピークの強度が、
    前記第1の結晶相の(600)面を示す回折ピークの強度に対して1〜10%であることを特徴とする請求項1または2に記載の活物質。
  4. 正極と、負極と、電解質とを有し、前記負極が請求項1乃至3のいずれかに記載の活物質を含むことを特徴とする二次電池。
  5. 前記電解質が、水系の電解液であることを特徴とする請求項4に記載の二次電池。
  6. 前記正極と前記負極との間でナトリウムイオンをやり取りすることにより充放電を行うことを特徴とする請求項4または5に記載の二次電池。
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