JP5375671B2 - 流量制御弁及びこれを具備する内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

流量制御弁及びこれを具備する内燃機関のバルブタイミング制御装置 Download PDF

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Description

吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の弁開閉特性を保持及び変更可能な可変機構に対する作動油の給排状態を弁体の位置に応じて変更することにより弁開閉特性を制御する流量制御弁、及びこれを具備する内燃機関のバルブタイミング制御装置に関する。
内燃機関に設けられるバルブタイミング制御装置は、クランクシャフトに駆動連結された第1の回転体とカムシャフトに駆動連結された第2の回転体とを油圧駆動式の可変機構を通じて相対回転させ、クランクシャフトに対するカムシャフトの相対回転位相を変更することにより、そのカムシャフトにより開閉される吸気弁や排気弁のバルブタイミングを変更するものとして広く実用化されている。
またこうしたバルブタイミング制御装置の可変機構では、第1の回転体と第2の回転体とによって区画形成される進角室及び遅角室に対する作動油の給排状態を変更し、両回転体を相対回転させて所定の位相に保持することにより、吸気弁や排気弁のバルブタイミングが目標角となるようにこれを変更するようにしている。
ところで、可変機構に対して給排される作動油の供給源には、クランクシャフトの回転に基づいて駆動される機関駆動式のオイルポンプが採用されている。このため、例えば内燃機関の運転を停止してから長時間が経過した後、換言すれば可変機構の進角室及び遅角室をはじめその油圧系に作動油がほとんど残留していない状況下で機関始動を行う場合には、両回転体を所定の位相に保持するための油圧を十分に確保することができない。このため、バルブタイミングがその目標角から大きく乖離した状態となったり、カムトルク変動によってカムシャフトに作用するトルク変動によりバルブタイミングが不必要に変動したりすることがある。このようにバルブタイミングの目標角に対する乖離やバルブタイミングの不必要な変動が生じると、機関始動性の悪化や異音の発生を招くおそれがある。
そこでこのような状況を避けるべく、第1の回転体及び第2の回転体との相対回転位相を機械的に固定するロック機構を可変機構の一部として備えるバルブタイミング制御装置が種々提案されている。例えば、機関運転を停止するとき多くの場合では、バルブタイミングが最遅角状態となってカムシャフトの回転が停止する。このため、ロック機構としては、機関停止に伴ってバルブタイミングが最遅角状態となったときに、両回転体の相対回転を固定するものが従来から広く採用されている。
また近年では、特許文献1に記載されるように、こうしたロック機構として、バルブタイミングが最進角状態及び最遅角状態の間の中間角となるように、第1の回転体と第2の回転体との相対回転位相をその中間位相に固定するものも提案されている。
以下、図20を参照して、特許文献1に記載されるものも含め、両回転体の相対回転位相を中間位相に固定するロック機構の一般的な構成例及び動作例についてその概略を説明する。
カムシャフトに駆動連結される第2の回転体400には、収容空間401が形成されるとともに、この収容空間401の内部にはロックピン402と、同ロックピン402の端部が収容空間401から突出するようにこれを付勢するロック用ばね403とがそれぞれ収容されている。また、収容空間401においてロックピン402を挟んでロック用ばね403と反対側に位置する部分には、作動油の油圧によりロックピン402の端部が突出することなく収容空間401に収容されるように同ロックピン402を付勢する解除室404が形成されている。更に、クランクシャフトに駆動連結される第1の回転体300には、両回転体300,400の相対回転位相が中間位相となってロックピン402の端部が突出したときに、その端部が嵌合可能なロック穴301が形成されている。
そして、ロック機構をアンロック状態からロック状態に移行させる場合には、進角室500及び遅角室600に対する作動油の給排状態を変更してロックピン402とロック穴301とが対向する位置関係となるように両回転体300,400を相対回転させる。そしてこれに併せ、解除室404から作動油を排出して同解除室404の油圧を低下させることにより、ロックピン402の端部をロック用ばね403の弾性力により同収容空間401から突出させてロック穴301に嵌合させる。その結果、両回転体300,400の相対回転が中間位相に固定され、バルブタイミングは中間角に保持されるようになる。
一方、ロック機構をロック状態からアンロック状態に移行させる場合には、解除室404に作動油を供給して同解除室404の油圧を上昇させることにより、ロックピン402をその油圧により付勢して収容空間401に完全に収容された状態とする。その結果、両回転体300,400の相対回転位相が中間位相となっても、ロックピン402の端部はロック穴301から抜脱された状態となるため、バルブタイミングを機関運転状態に即した目標角に変更することが可能になる。
また、バルブタイミング制御装置には、こうしたロック機構も含め、可変機構に対する作動油の給排状態を変更するための2つの流量制御弁701,702が設けられている。これら流量制御弁701,702は、生成された駆動信号を取り込み、その弁体を駆動信号に対応する位置に変位させることにより、上述した進角室500や遅角室600、あるいは解除室404といった各油圧室に供給する作動油の量及び同油圧室から排出される作動油の量を調節したり、進角室500及び遅角室600に対する作動油の給排を停止したりするようにしている。そしてこれにより、バルブタイミングをそのときどきに応じた変化速度をもって進角又は遅角させるとともに、同バルブタイミングをその目標角に保持することができる。またロック機構についても、これをアンロック状態からロック状態に切り替えることでバルブタイミングを中間角に保持することができるようになる。
特開2001−041012号公報
ところで、このように両回転体の相対回転位相を中間位相に固定するロック機構を備えたバルブタイミング制御装置の流量制御弁では、上述したように可変機構の進角室及び遅角室に対する作動油の給排状態を変更する機能とロック機構の解除室に対する作動油の給排状態を変更する機能とを併せ有する必要がある。そしてこれら両機能にかかる要求が十分に満たされていないと、ロックピンがロック穴と嵌合せずに両回転体の相対回転位相が中間位相に固定されないまま、すなわちロック機構がアンロック状態のまま機関運転が停止されてしまうことがある。
この点、特許文献1には、可変機構の進角室及び遅角室に対する作動油の給排状態を変更する機能とロック機構の解除室に対する作動油の給排状態を変更する機能とを、2つの流量制御弁に分担させるようにした構成が記載されている。こうした構成によれば、可変機構の進角室及び遅角室に対する作動油の給排状態と、ロック機構の解除室に対する作動油の給排状態とを個別に変更することができるため、ロック機構をロック状態として両回転体の相対回転位相を中間位相に固定する、すなわちバルブタイミングを中間角に固定する、といった機関停止時に実行されるバルブタイミング制御にかかる信頼性を高めることができるようになる。
しかしながら、このように可変機構及びそのロック機構に対する作動油の給排状態を2つの流量制御弁を通じて変更するようにしたバルブタイミング制御装置にあっては、部品点数や重量の増加やそれら流量制御弁の搭載スペースをそれぞれ確保する必要が生じる等の背反事項も存在する。
このため、単一の流量制御弁に、可変機構及びそのロック機構に対する作動油の給排状態をそれぞれ変更する機能を付与することも考えられるが、この場合、弁体等により形成される作動油の流通経路が複雑なものになりやすい。更に、流量制御弁には、弁体等の形状誤差、駆動信号を生成する際の誤差、駆動信号に応じて弁体を所定位置に変位させる際に生じる誤差等、種々の誤差が存在するが、上述したように作動油の流通経路が複雑なものになるとその誤差による悪影響も大きくなるため、駆動信号に基づいて変位する弁体の位置、換言すれば作動油の給排状態がその目標とする状態と異なるものになることがある。
もっとも、このような状態が生じても、バルブタイミング制御に及ぼす影響が比較的小さいものであれば、これを許容することもできる。しかしながらその一方で、機関運転状態が急激に変化することによりバルブタイミングを極めて高い応答性をもって変更する必要がある場合、換言すればバルブタイミングを変更する際の速度を相対的に大きくする必要がある場合等、流量制御弁による作動油の給排状態がバルブタイミング制御に及ぼす影響が大きく、その給排状態のばらつきを無視することができない場合も当然ながら存在する。そしてこのような場合には、流量制御弁の弁体について精度の高い位置制御が要求されることとなる。ところが、上述したような種々の誤差により駆動信号と弁体の位置との相関関係が設計仕様上要求されるものと異なる状況となることは避けられないため、弁体の位置制御、すなわち流量制御弁の流量制御について常に高い精度を維持するには自ずと限界があり、これがバルブタイミングを変更する際の精度を向上させる上での支障となっている。
なおこうした流量制御弁にかかる問題は、上述したバルブタイミング制御装置の可変機構に適用されるものに限らず、吸気弁や排気弁の開弁時期、閉弁時期、開口量(リフト量)、開弁期間、吸気弁及び排気弁が双方とも開弁状態となる期間(バルブオーバラップ)、並びにこれらを適宜組み合わせた総合的な特性等々、それ以外の弁開閉特性を変更するため可変機構に適用される流量制御弁についても同様に発生し得る。また、流量制御弁が適用される可変機構としてロック機構を備えるものを例示したが、設計要求から作動油の流通経路が複雑になるものや、形状/体格が制限されるために、上述したような誤差の影響を受けやすい流量制御弁にあっても共通した問題となっている。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、種々の誤差に起因して駆動信号と弁体の位置との相関関係が設計仕様上要求されるものと異なる状況が生じることがあっても、これによる流量制御弁の流量制御にかかる精度が悪化することを抑制することができ、ひいては可変機構により弁開閉特性を変更する際の精度についても向上させることの可能な流量制御弁及びこれを具備する内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、駆動信号に対応した位置に変位する弁体を含み、吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の弁開閉特性を保持及び変更可能な可変機構に対する作動油の給排状態を前記弁体の位置に応じて変更することにより前記弁開閉特性を制御する流量制御弁であって、前記駆動信号が変化しても前記弁体がその変位可能な範囲の両端を除く特定位置にて停止したままの状態となる不感特性を有するとともに、前記弁体にかかる前記特定位置は、前記可変機構を通じて前記弁開閉特性をその目標値に変更するときの位置に設定されることを要旨としている。
この発明によれば、弁体の目標位置を特定位置とする場合には、駆動信号がその本来の値から変化しても弁体の位置が変化しない不感特性を有しているため、その特定位置と駆動信号に基づく弁体の実位置との間に生じる偏差を極めて小さな範囲に制限することができる。すなわち、弁体を含めた流量制御弁の形状誤差、駆動信号を生成する際の誤差、この駆動信号に応じて弁体に作用する荷重の誤差等、種々の誤差に起因して、駆動信号と弁体の位置との相関関係が設計仕様上要求されるものと異なる状況が生じることがあっても、これが弁体の位置制御に及ぼす悪影響を流量制御弁の不感特性により吸収することができる。そしてこれにより弁体の目標位置を特定位置として吸気弁や排気弁の弁開閉特性を変更する場合には、上述した種々の誤差に起因して流量制御弁の流量制御にかかる精度が悪化することを抑制することができ、ひいては可変機構により弁開閉特性を変更する際の精度についても向上させることが可能になる。
なお、上述した弁開閉特性の代表例として、吸気弁や排気弁の開閉時期(バルブタイミング)を挙げることができるが、同弁開閉特性にはそれ以外にも、吸気弁や排気弁について、その開弁時期、閉弁時期、開口量(リフト量)、開弁期間、吸気弁及び排気弁が双方とも開弁状態となる期間(バルブオーバーラップ)、並びにこれらを適宜組み合わせた特性も含まれる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の流量制御弁において、前記駆動信号を取り込んで同駆動信号に対応する大きさの駆動力にて前記弁体を所定方向に付勢する駆動部と、前記弁体の変位量に対応する大きさの弾性力にて同弁体を前記所定方向と反対方向に付勢するばね部とを更に含み、前記弁体は前記駆動部の駆動力及び前記ばね部の弾性力が平衡状態となることにより前記駆動信号に対応する所定の位置に停止するものであり、前記ばね部は前記弁体が前記特定位置にあるときには前記弁体を前記所定方向と反対方向に付勢する弾性力が所定幅の不感帯にある任意の値をとることが可能な非線形特性を有してなることを要旨としている。
この発明によれば、駆動信号を変化させることにより、駆動部の駆動力を増加させて弁体を変位させる際、同弁体が特定位置に達すると、駆動部の駆動力を更に増大させてもこれと平衡状態となるばね部の弾性力が不感帯の最大値を上回るまでは、弁体は変位することなくその特定位置に停止した状態となる。同様に、駆動部の駆動力を減少させて弁体を変位させる際、同弁体が特定位置に達すると、駆動部の駆動力を更に減少させてもこれと平衡状態となるばね部の弾性力が不感帯の最小値を下回るまでは、弁体は変位することなくその特定位置に停止した状態となる。このように、ばね部の弾性特性を非線形化することで、駆動信号が変化しても弁体が特定位置に停止する不感特性を流量制御弁に付与することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の流量制御弁において、前記ばね部は、前記弁体を前記所定方向と反対方向に付勢する第1のばねと前記弁体を前記所定方向に付勢する第2のばねと、前記弁体が前記駆動部の駆動力により前記所定方向に変位して前記特定位置に達するまで同弁体と係合して前記第2のばねの弾性力を伝達しつつ同弁体とともに変位可能な可動部と、前記弁体が前記駆動部の駆動力により前記特定位置から更に前記所定方向に変位するときに前記第2のばねの弾性力により所定の残留荷重が前記弁体に作用している状態で前記所定方向における前記可動部の変位を規制する規制部とを含むことを要旨としている。
この発明では、駆動信号を変化させることにより、駆動部の駆動力を増加させて弁体を所定方向に変位させる際、弁体が特定位置に達するまでは規制部によって可動部の変位が規制されることはないため、同弁体は第1のばねの弾性力により所定方向と反対方向に付勢されるとともに第2のばねの弾性力により付勢される。したがってこの場合には、ばね部の弾性力、すなわち第1のばね及び第2のばねの合成弾性力と駆動部の駆動力とが平衡状態となる位置に弁体が停止する。そして、弁体が特定位置に達すると、規制部により可動部の変位が規制されるようになるため、その規制直前に第2のばねから可動部を介して弁体に作用していた残留荷重が規制直後からは消失するようになる。その結果、駆動信号を変化させることにより、駆動部の駆動力を更に増加させても、その増加量が残留荷重の大きさに相当する変化量を上回るまでは、弁体は変位することなく特定位置に停止するようになる。そして、駆動部の駆動力が更に増加してその増加量が変化量を上回るようになると、可動部が規制部によって規制されるため、第2のばねの弾性力が弁体に作用せず、第1のばねの弾性力のみによって弁体が所定方向と反対方向に付勢されるようになる。この結果、ばね部の弾性力、すなわち第1のばねの弾性力と駆動部の駆動力とが平衡状態となる位置に弁体が停止することとなる。
一方、駆動信号を変化させることにより、駆動部の駆動力を減少させて弁体を所定方向と反対方向に変位させる際、弁体が特定位置に達するまでは規制部によって可動部の変位が規制されているため、同弁体は第1のばねの弾性力のみによって所定方向と反対方向に付勢される。したがってこの場合には、駆動部の駆動力と、ばね部の弾性力、すなわち第1のばねの弾性力とが平衡状態となる位置に弁体が停止する。そして、弁体が特定位置に達すると、可動部の変位が規制部により規制された状態となる。その結果、駆動信号を変化させることにより、駆動部の駆動力を更に減少させても、その減少量が残留荷重の大きさに相当する変化量を上回るまでは、弁体は変位することなく特定位置に停止するようになる。そして、駆動部の駆動力が更に減少し、その減少量が変化量を上回るようになると、規制部による規制が解除されて可動部が変位可能になるため、第1のばねの弾性力に加えて第2のばねの弾性力により弁体が所定方向と反対方向に付勢される状態となり、ばね部の弾性力、すなわち第1のばね及び第2のばねの合成弾性力と駆動部の駆動力とが平衡状態となる位置に弁体が停止することとなる。
すなわちこうした構成を採用することにより、ばね部の弾性特性を非線形化することができ、駆動信号が変化しても弁体が特定位置に停止する不感特性を流量制御弁に付与することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の流量制御弁において、前記ばね部は、前記弁体を前記所定方向と反対方向にそれぞれ付勢する第1及び第2のばねと、前記弁体が前記駆動部の駆動力により前記特定位置から更に前記所定方向に変位するときに同弁体と係合して前記第2のばねの弾性力を伝達しつつ同弁体とともに変位可能な可動部と、前記弁体が前記駆動部の駆動力により前記所定方向に変位して前記特定位置に達するまで前記第2のばねが所定の予荷重を有する状態となるように前記所定方向と反対方向における前記可動部の変位を規制する規制部とを含むことを要旨としている。
この発明では、駆動信号を変化させることにより、駆動部の駆動力を増加させて弁体を所定方向に変位させる際、弁体が特定位置に達するまでは弁体が可動部と係合しないため、同弁体は第1のばねの弾性力のみによって所定方向と反対方向に付勢される。したがってこの場合には、ばね部の弾性力、すなわち第1のばねの弾性力と駆動部の駆動力とが平衡状態となる位置に弁体が停止する。そして、このように弁体が特定位置に達すると、同弁体と可動部とが係合するようになるため、第1のばねの弾性力に加え、規制部により予荷重を有する状態でその変位が規制されていた第2のばねの弾性力も弁体に作用するようになる。その結果、駆動信号を変化させることにより、駆動部の駆動力を更に増加させても、その増加量が予荷重の大きさに相当する変化量を上回るまでは、弁体は変位することなく特定位置に停止するようになる。そして、駆動部の駆動力が更に増加し、その増加量が変化量を上回るようになると、第1のばね及び第2のばねの各弾性力によって弁体が所定方向と反対方向に付勢されるようになる。この結果、ばね部の弾性力、すなわち第1のばねと第2のばねの合成弾性力と駆動部の駆動力とが平衡状態となる位置に弁体が停止することとなる。
一方、駆動信号を変化させることにより、駆動部の駆動力を減少させて弁体を所定方向と反対方向に変位させる際、弁体が特定位置に達するまでは弁体が可動部と係合しているため、同弁体は第1のばね及び第2のばねの各弾性力によって所定方向と反対方向に付勢される。したがってこの場合には、駆動部の駆動力と、ばね部の弾性力、すなわち第1のばね及び第2のばねの合成弾性力とが平衡状態となる位置に弁体が停止する。そして、弁体が特定位置に達すると、弁体と可動部との係合が解除可能な状態となる。その結果、駆動信号を変化させることにより、駆動部の駆動力を更に減少させても、その減少量が予荷重の大きさに相当する変化量を上回るまでは、弁体は変位することなく特定位置に停止するようになる。そして、駆動部の駆動力が更に減少し、その減少量が変化量を上回るようになると、弁体と可動部との係合が解除されて可動部が変位可能になる。このため、弁体は第1のばねの弾性力によってのみ所定方向と反対方向に付勢される状態となり、ばね部の弾性力、すなわち第1のばねの弾性力と駆動部の駆動力とが平衡状態となる位置に弁体が停止することとなる。
すなわちこうした構成を採用することにより、ばね部の弾性特性を非線形化することができ、駆動信号が変化しても弁体が特定位置に停止する不感特性を流量制御弁に付与することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の流量制御弁において、前記弁体は前記可変機構に対する作動油の給排状態に基づいて前記弁開閉特性を変更する際の速度が同一となる複数の位置に変位可能であり、それら複数の位置のいずれか一つが前記特定位置に設定されることを要旨としている。
上述したような誤差に起因して駆動信号と弁体の位置との相関関係が設計仕様上要求されるものと異なる状況が生じた場合、例えば弁開閉特性を変更する際の速度を監視するとともに、その速度が設計仕様上要求されるものと一致したときの駆動信号の値に基づいて駆動信号と弁体の位置との相関関係を補正する、すなわち学習処理を通じて実情に即した相関関係を求めるようにすることもできる。しかしながら、弁体が弁開閉特性を変更する際の速度を同一とする複数の位置に変位可能である場合には、弁開閉特性を変更する際の速度が設計仕様上要求されるものと一致したとしても、そのときの駆動信号がそれら複数の位置のいずれに対応するものであるか判断が不可能か、可能であったとしてもその信頼性は極めて低いものとなる。
この発明によれば、このように弁開閉特性を変更する際の速度が同一となる弁体の位置が複数存在する場合であっても、それらのうちのいずれか一つを特定位置として設定することで、こうした学習処理によらずとも流量制御弁の流量制御にかかる精度の悪化を抑制することができる。
請求項6に記載の発明は、内燃機関のクランクシャフトに駆動連結された第1の回転体と、吸気弁及び排気弁の少なくとも一方を所定のバルブタイミングにて開閉するカムシャフトに駆動連結された第2の回転体と、前記第1及び第2の回転体により区画形成されてそれら両回転体の相対回転位相をその油圧に基づいて変更する油圧室としての進角室及び遅角室と、これら油圧室に対する作動油の給排状態に基づきバルブタイミングを変更して同バルブタイミングをその目標角に保持する可変機構と、同可変機構に対する作動油の給排状態を変更する流量制御弁とを備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記流量制御弁として請求項1〜4のいずれか一項に記載の流量制御弁を具備し、その流量制御弁の弁体にかかる前記特定位置は、前記可変機構を通じてバルブタイミングがその目標角と一致するようにこれを変更するときの位置に設定されることを要旨としている。
この発明によれば、請求項1〜5のいずれか一項に記載される発明と同等の作用効果を得ることができる。すなわち、流量制御弁の弁体における目標位置を特定位置とする場合には、駆動信号がその本来の値から変化しても弁体の位置が変化しない不感特性を有しているため、その特定位置と駆動信号に基づく弁体の実位置との間に生じる偏差を極めて小さな範囲に制限することができる。これにより、弁体の目標位置を特定位置として吸気弁や排気弁のバルブタイミングを変更する場合には、上述した種々の誤差に起因して流量制御弁の流量制御にかかる精度が悪化することを抑制することができ、バルブタイミングを変更する際の精度を向上させることができるようになる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記弁体にかかる前記特定位置は、バルブタイミングの変更速度をその可変範囲において相対的に大きい状態とするときの位置に設定されることを要旨としている。
この発明によれば、機関運転状態の急激な変化によりバルブタイミングの目標角が大幅に変化する場合でも、その目標角の変化に対し高い応答性をもってバルブタイミングを変更することができる。
一般に、内燃機関においては、その燃焼特性が吸入空気の流入状態によって大きく左右されるが、こうした吸入空気の流入状態は、吸気弁の開閉特性、特にそのバルブタイミングと極めて高い相関を有している。すなわち、吸気弁のバルブタイミングは排気弁のバルブタイミングと比較して機関性能に及ぼす影響が大きい。このため、請求項8に記載の発明によるように、可変機構が吸気弁のバルブタイミングを変更するものとすれば、良好な機関性能を得ることができる。
また例えば、吸気弁のバルブタイミングについては、これを機関運転状態に基づいて進角させることにより、吸気効率を高めて機関出力を増大させるようにしたり、バルブオーバーラップを増大させてポンピングロスの低減、ひいては燃費の改善を図るようにしたりすることができる。このため、吸気弁のバルブタイミングを進角させる際には、流量制御弁の流量制御について高い精度が要求されることとなる。そこで、請求項9に記載の発明によるように、弁体の特定位置を吸気弁のバルブタイミングを進角するときの位置に設定すれば、流量制御弁の流量制御にかかる精度が悪化することを抑制することができ、吸気弁のバルブタイミングを好適に進角させることができる。更に、請求項10に記載の発明によるように、弁体の特定位置をバルブタイミングの進角速度を最大とするときの位置に設定すれば、上述したような効果が一層顕著なものとなる。
請求項11に記載の発明は、請求項6〜10のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記可変機構はバルブタイミングが最進角状態と最遅角状態との間の中間角となるように前記両回転体の相対回転位相を中間位相に固定するものであってそのロック状態とアンロック状態とが前記流量制御弁を通じて制御される作動油の給排状態に基づいて切り替えられるロック機構を含み、前記弁体にかかる前記特定位置は、前記ロック機構をアンロック状態とし前記可変機構を通じてバルブタイミングをその目標角に変更するときの位置に設定されることを要旨としている。
この発明によれば、特にロック機構がアンロック状態としてバルブタイミングを変更する際に同バルブタイミングをその目標角まで好適に変更することができる。なお、こうしたロック機構は、例えば、請求項12に記載の発明によるように、ロック機構が第1の回転体及び第2の回転体の一方に形成された収容空間に収容されるロックピンと、収容空間に設けられてロックピンの端部が収容空間から突出するように同ロックピンを付勢するロック用ばねと、収容空間においてロックピンを挟んでロック用ばねと反対方向に位置するとともにロックピンが収容空間に収容されるように流量制御弁から供給される作動油の油圧に基づいてこれを付勢する解除室と、両回転体の他方に形成されてロックピンの端部が嵌合可能なロック穴とを含み、解除室に対する作動油の給排状態が弁体の位置に応じて変更されることにより、ロックピンがロック穴に嵌合されたロック状態とロックピンがロック穴から抜脱されたアンロック状態とが切り替えられるといった構成にてこれを具現化することができる。
また、ロック機構の中間角を機関停止時や機関アイドル時を含む低負荷状態に適した値に設定し、機関停止に先立ってロック機構をロック状態に移行させておけば、機関始動に適したバルブタイミングにて内燃機関の運転を再開することができる。その結果、良好な機関始動性を確保することができるとともに、機関始動後においては安定したアイドル運転を行うことができるようになる。
そしてこのように機関停止に先立ってロック機構をロック状態に移行させるためには、例えば請求項13に記載の発明によるように、ロックピンが突出するように解除室から作動油を排出するとともに両回転体の回転軸を中心とする周方向においてロックピン及びロック穴が予め設定された所定の距離をもって離間した離間状態からそれらが近接するように両回転体を相対回転させ、ロックピン及びロック穴の位置が一致したときにロックピンがロック穴に嵌合してロック機構がアンロック状態からロック状態に移行可能なロック位置に弁体が変位可能であって同弁体の位置をロック位置とするときの駆動信号の値をロック指示値とし、更にロックピン及びロック穴が離間状態となるように可変機構を通じて両回転体を相対回転させる処理を前処理とし、ロックピン及びロック穴が離間状態となったときに駆動信号をロック指示値に保持する処理を後処理としたとき、ロック機構がアンロック状態にあり且つ機関運転状態が低負荷状態であることを条件にそれら前処理及び後処理を順次実行してバルブタイミングを中間角に固定する固定手段を更に備えるといった構成を採用することが望ましい。なおこの構成において、ロック機構がアンロック状態にあり且つ機関運転状態が低負荷状態であるときに、ロックピン及びロック穴の位置関係が既に上述したような離間状態になっているのであれば、前処理の実行についてはこれを省略することができる。
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記両回転体の相対回転位相を検出する検出手段と、前記ロック機構がアンロック状態にあり且つ機関運転状態が低負荷状態であるときに前記前処理を実行するとともに、前記駆動信号を前記ロック指示値側に連続的に変化させ、前記検出手段を通じて検出される相対回転位相の変化が停止したときの前記駆動信号の値を新たな前記ロック指示値として学習する学習手段とを更に備えることを要旨としている。
この発明によれば、駆動信号とこれに対応する弁体の位置との相関関係が設計仕様上要求されるものと異なる状況が生じても、弁体の位置をロック位置として、ロック機構をアンロック状態からロック状態に移行させる際の駆動信号の値、すなわちロック指示値を実際に即したかたちで学習することができ、ロック機構の動作にかかる信頼性を向上させることができるようになる。なお、請求項12に記載の発明と同様、ロック機構がアンロック状態にあり且つ機関運転状態が低負荷状態であるときに、ロックピン及びロック穴の位置関係が既に上述したような離間状態になっているのであれば、前処理の実行についてはこれを省略することができる。
請求項15に記載の発明は、請求項13に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記両回転体の相対回転位相を検出する検出手段と、前記ロック機構がロック状態にあるときに前記駆動信号の値を前記ロック指示値から連続的に変化させることにより前記解除室から作動油が排出される状態から供給される状態として同解除室の油圧を上昇させ、前記検出手段を通じて検出される相対回転位相が停止状態から変化したときの前記駆動信号の値をアンロック指示値として求めるとともに、設計仕様上規定されるロック指示値及びアンロック指示値との差分に基づいて先に求めたアンロック指示値を補正した値を新たなロック指示値として学習する学習手段とを更に備えることを要旨としている。
上述したように駆動信号とこれに対応する弁体の位置との相関関係が設計仕様上要求されるものと異なる状況が生じることにより、弁体の位置をロック位置としてロック機構をアンロック状態からロック状態に移行させる際の駆動信号の値、すなわちロック指示値が設計仕様上予め設定された値から変化すると、ロック機構をロック状態からアンロック状態に移行させるための弁体の位置に対応する駆動信号の値、すなわちアンロック指示値も同様に変化することとなる。この発明は、こうした点に着目したものであり、実際に即したかたちで求められるアンロック指示値を設計仕様上規定されるロック指示値とアンロック指示値との差分に基づいて補正することにより、ロック指示値についてもこれを実際に即したかたちで学習することができ、ロック機構の動作にかかる信頼性を向上させることができるようになる。
請求項16に記載の発明は、請求項13〜15のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記前処理を通じて前記ロックピン及び前記ロック穴を前記離間状態としたときにはバルブタイミングが中間角よりも遅角した状態となり、前記駆動信号の値を前記ロック指示値としたときバルブタイミングは進角側に変更されることを要旨としている。
例えば、ロックピンがロック穴に嵌合することなくロック機構がアンロック状態で機関運転が停止されると多くの場合では、バルブタイミングが中間角よりも遅角した状態でカムシャフトの回転が停止するようになる。ここで機関運転が停止されてからの経過時間が短く、進角室及び遅角室をはじめ油圧系にまだ多くの作動油が残留している状況の下で内燃機関を再始動する場合には、可変機構を通じてバルブタイミングを中間角まで進角させつつ、ロックピンをロック穴に嵌合させることができる。この発明によれば、このような機関始動時にアンロック状態にあるロック機構をロック状態とする場合と同様な状況のもとで、バルブタイミングを進角させつつ上述した学習値を求めるようにしているため、同学習値の信頼性を高めることができるようになる。
請求項17に記載の発明は、請求項12〜16のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、前記流量制御弁は前記可変機構に対する作動油の給排状態として、前記進角室に作動油を供給するとともに前記遅角室から作動油を排出し且つ前記解除室から作動油を排出する第1のモードと、前記第1のモードであるときよりも少ない量の作動油を前記進角室に供給するとともに前記遅角室から作動油を排出し且つ前記解除室から作動油を排出する第2のモードと、前記進角室に作動油を供給するとともに前記遅角室から作動油を排出し且つ前記解除室に作動油を供給する第3のモードと、前記進角室及び前記遅角室に対する作動油の給排を停止し且つ前記解除室に作動油を供給する第4のモードと、前記進角室から作動油を排出するとともに前記遅角室に作動油を供給し且つ前記解除室に作動油を供給する第5のモードとを含むものであり、前記駆動信号の変化に基づいて前記弁体がその初期位置から変位したとき、前記弁体の位置が第1の領域にあるときには作動油の給排状態が第1のモードに設定され、前記弁体の位置が前記第1の領域よりも前記弁体の変位量が大きい第2の領域にあるときには作動油の給排状態が第2のモードに設定され、前記弁体の位置が前記第2の領域よりも前記弁体の変位量が大きい第3の領域にあるときには作動油の給排状態が第3のモードに設定され、前記弁体の位置が前記第3の領域よりも前記弁体の変位量が大きい第4の領域にあるときには作動油の給排状態が第4のモードに設定され、前記弁体の位置が前記第4の領域よりも前記弁体の変位量が大きい第5の領域にあるときには作動油の給排状態が第5のモードに設定されることを要旨としている。
この発明では、流量制御弁の給排状態が第1のモードとなると、ロック機構がロック状態となっていれば、バルブタイミングを中間角のまま維持しつつ進角室に作動油が充填されるようになる。一方、ロック機構がアンロック状態となっていれば、進角室に作動油が充填されてバルブタイミングを進角させることが可能になるとともに、ロックピンは突出可能な状態となる。流量制御弁の弁体が更に変位し、その給排状態が第2のモードとなると、ロック機構がロック状態となっていれば、バルブタイミングは中間角のまま維持される。一方、ロック機構がアンロック状態となっていれば、進角室に作動油が供給されることによりバルブタイミングが徐々に進角され、同バルブタイミングが中間角、すなわち両回転体が中間位相となったときにロックピンがロック穴に嵌合してロック機構はロック状態となる。流量制御弁の弁体が更に変位すると、その給排状態が第3、第4、第5のモードと順次変化し、これにより、ロック機構がアンロック状態に維持されたまま、バルブタイミングがそれぞれ進角/保持/遅角されるようになる。
本発明にかかる内燃機関のバルブタイミング制御装置を具体化した第1実施形態について、その構成を示す構成図。 同実施形態の可変機構について、(a)はその平面構造を示す平面図、(b)は(a)のDA−DA線に沿う断面構造を示す断面図。 同実施形態の作動油供給機構と可変機構及びそのロック機構とについて、それらの間における作動油の給排状態を示す模式図。 同実施形態の流量制御弁について、その給排状態が第1のモードにあるときの断面構造を示す断面図。 同実施形態の流量制御弁について、その給排状態が第2のモードにあるときの断面構造を示す断面図。 同実施形態の流量制御弁について、その給排状態が第3のモードにあるときの断面構造を示す断面図。 同実施形態の流量制御弁について、その給排状態が第4のモードにあるときの断面構造を示す模式図。 同実施形態の流量制御弁について、その給排状態が第5のモードにあるときの断面構造を示す断面図。 同実施形態の流量制御弁について、同流量制御弁の各ポートの連通面積とスプールのストロークとの関係を示すグラフ。 同実施形態の流量制御弁について、(a)は各給排状態と可変機構及びそのロック機構に対する作動油の給排状態との関係をそれぞれ示すテーブル、(b)はそれら給排状態における可変機構及びロックピンの動作態様と駆動信号のデューティ比との関係を示すテーブル。 同実施形態の流量制御弁について、(a)はそのスプールのストロークが「0」のときの断面構造を示す断面図、(b)はストロークが所定のストロークにあるときの断面構造を示す断面図。 同実施形態におけるスプールのストロークとこれに作用するばね部の合成弾性力との関係を示すグラフ。 同じくスプールのストロークとこれに作用するばね部の合成弾性力との関係を示すグラフ。 同実施形態の電子制御装置により実行される「学習処理」について、その処理手順を示すフローチャート。 同実施形態におけるスプールのストローク、可変機構及びそのロック機構に対する作動油の給排状態、並びに駆動信号のデューティ比との関係を示すグラフ。 本発明の内燃機関のバルブタイミング制御装置を具体化した第2実施形態における流量制御弁について、(a)はそのスプールのストロークが「0」のときの断面構造を示す断面図、(b)はストロークが所定の値にあるときの断面構造を示す断面図。 同実施形態におけるスプールのストロークとこれに作用するばね部の合成弾性力との関係を示すグラフ。 同じく、スプールのストロークとこれに作用するばね部の合成弾性力との関係を示すグラフ。 本発明のその他の実施形態において、電子制御装置により実行される「学習処理」について、その処理手順を示すフローチャート。 従来のバルブタイミング制御装置について、その可変機構の断面構造を示す断面図。
(第1実施形態)
図1〜図15を参照して、本発明にかかる流量制御弁及びこれを具備する内燃機関のバルブタイミング制御装置として、これを吸気弁のバルブタイミングを変更するためのバルブタイミング制御装置として具体化した第1実施形態について説明する。なお、以下において特に明示しない限り、単に「バルブタイミング」と記載した場合は、吸気弁のバルブタイミングを意味することとする。
図1に示されるように、内燃機関10の下部には作動油を貯留するオイルパン61が取り付けられている。なお、オイルパン61に貯留される作動油は内燃機関10の各部を潤滑するための潤滑油としての機能も併せ有している。一方、内燃機関10の上部には、吸気弁31、排気弁34をそれぞれ開閉駆動するためのカムシャフト32,35がそれぞれ設けられている。吸気弁31のカムシャフト32にはそのバルブタイミングを変更するためのバルブタイミング制御装置が設けられている。吸気弁31のカムシャフト32にはクランクシャフト11の回転力がチェーン(図示略)からバルブタイミング制御装置を介して伝達される。これに対して、排気弁34のカムシャフト35にはクランクシャフト11の回転力がチェーンを介して直接伝達される。そしてこのようにクランクシャフト11の回転力によって各カムシャフト32,35が回転することにより、それらカムシャフト32,35に形成されたカム33,36により吸気弁31及び排気弁34がそれぞれ開閉駆動される。
バルブタイミング制御装置は、吸気弁31のバルブタイミングを変更する油圧駆動式の可変機構40と、この可変機構40に作動油を供給する作動油供給機構60と、この作動油供給機構60を通じて可変機構40の作動状態、すなわちバルブタイミングを制御する電子制御装置20とを備えている。
作動油供給機構60は、オイルパン61の作動油を可変機構40に供給する一方で同可変機構40の作動油をオイルパン61に戻す複数の油路からなる作動油回路70と、オイルパン61の作動油を汲み上げて作動油回路70に供給するオイルポンプ62と、作動油回路70の途中に設けられて可変機構40の各部に対する作動油の給排状態を変更する流量制御弁63とを備えている。なお、このオイルポンプ62としては、クランクシャフト11によって駆動される機関駆動式のものが採用されている。
また、電子制御装置20は、クランク角センサ21及びカム角センサ22を含む各種センサの検出信号を取り込み、それら検出信号に基づき機関運転状態に適したバルブタイミングの目標角(目標値)を設定するとともに、この目標角と実際のバルブタイミングとが一致するようにクランクシャフト11に対するカムシャフト32の相対回転位相をこれを制御する。
次に図2を参照して、可変機構40の構成について説明する。なお、図2(a)は、可変機構40から図2(b)に示されるカバー44を取り外した状態の同可変機構40の平面構造を示すものであり、図2(b)は図2(a)のDA−DA線に沿う可変機構40の断面構造を示す断面図である。図2では、カムシャフト32及びスプロケット43は同図2(a)に示す回転方向RAに回転するものとする。
図2(a)に示されるように、可変機構40は、クランクシャフト11と同期して回転する第1の回転体41と、カムシャフト32に固定されることにより同カムシャフト32と同期して回転する第2の回転体45とにより構成されている。
図2(b)に示されるように、この第1の回転体41は、クランクシャフト11とチェーンを介して連結されることにより同クランクシャフト11と同期して回転するスプロケット43と、スプロケット43に組み付けられてスプロケット43と一体に回転するハウジング42と、このハウジング42に取り付けられるカバー44とにより構成されている。図2(a)に示されるように、ハウジング42には径方向内側に向けて突出する3つの区画壁41Aがその周方向においてほぼ等角度間隔を隔てて形成されている。
一方、同図2(a)に示されるように、第2の回転体45はそのボス45Bがカムシャフト32の端部に固定されている。また、このボス45Bには、その外周面から径方向外側に突出する3つのベーン45Aがその周方向においてほぼ等角度間隔を隔てて形成されている。
そして、第1の回転体41における区画壁41Aの内周面と第2の回転体45におけるボス45Bの外周面とが摺動可能に当接することにより、3つの収容室46が形成されるとともに、それら収容室46に対してベーン45Aが揺動可能にそれぞれ配設されている。またこれにより、各収容室46はベーン45Aによってそれぞれ進角室47と遅角室48とに区画されている。これら進角室47及び遅角室48に対する作動油の給排状態が作動油供給機構60の流量制御弁63(いずれも図1参照)を通じて制御されることにより、可変機構40の第1の回転体41と第2の回転体45との相対回転位相、換言すればバルブタイミングがそのときどきに応じた変化速度をもって進角又は遅角されるとともに目標角に保持される。
次に、バルブタイミングを変更する際の可変機構40の動作態様について説明する。
進角室47に対して作動油を供給する一方で遅角室48から作動油を排出することにより、第2の回転体45が第1の回転体41に対して回転方向RA(図2(a)参照)に相対回転すると、それに伴ってクランクシャフト11に対するカムシャフト32の相対回転位相が変更される結果、バルブタイミングが進角されるようになる。そして、第2の回転体45が第1の回転体41に対して回転方向RAに更に回転し、ベーン45Aの少なくとも一つが区画壁41Aに当接して相対回転がそれ以上できない状態(最進角位相)となると、バルブタイミングは最進角となる。
一方、遅角室48に対して作動油を供給する一方で進角室47から作動油を排出することにより、第2の回転体45が第1の回転体41に対して回転方向RAと反対方向に回転すると、それに伴ってクランクシャフト11に対するカムシャフト32の相対回転位相が変更される結果、バルブタイミングが遅角されるようになる。そして、第2の回転体45が第1の回転体41に対して回転方向RAと反対方向に更に回転し、ベーン45Aの少なくとも一つが区画壁41Aに当接して相対対回転がそれ以できない状態(最遅角位相)となると、バルブタイミングは最遅角となる。
また、図2(a),(b)に示されるように、可変機構40には、進角室47及び遅角室48の油圧の大きさにかかわらず、第1及び第2の回転体41,45の相対回転位相を最進角位相と最遅角位相との間にある中間位相に固定するロック機構50が設けられている。このようにロック機構50を通じて第1及び第2の回転体41,45の相対回転位相が中間位相に固定されることにより、バルブタイミングは最進角と最遅角との間の中間角に固定される。なお、この中間角(中間位相)は、吸気弁31のバルブタイミングと、吸気弁31及び排気弁34のバルブオーバーラップが機関始動時及びアイドリング時に適したものとなるように設定されている。
次に、ロック機構50の構造及び動作態様について図2(b)を参照して説明する。
同図2(b)に示されるように、第2の回転体45に形成された3つのベーン45Aのうち一つには、ロックピン51が収容される収容空間55が形成されるとともに、同収容空間55にはロックピン51の端部が収容空間55から突出するようにこれを第1の回転体41側に向けて付勢するロック用ばね53が収容されている。また、収容空間55においてロックピン51を挟んでロック用ばね53と反対側に位置する部分には、作動油が供給される解除室52が形成されている。この解除室52の油圧に基づいてロックピン51はロック用ばね53の弾性力と反対方向に付勢される。一方、第1の回転体41には、両回転体41,45の相対回転位相が中間位相となったとき、換言すればバルブタイミングが中間角となったときに、ロックピン51が嵌脱可能なロック穴54が形成されている。
こうしたロック機構50にあっては、両回転体41,45の相対回転位相が中間位相となっているときに、解除室52から作動油が排出されてその油圧が低下すると、ロックピン51はロック用ばね53の弾性力により収容空間55から突出し、その端部がロック穴54に嵌合する。すなわち、ロック機構50がロック状態となる。このようにロック機構50がロック状態にある場合には、バルブタイミングは中間角に固定される。一方、このようにロック状態にあるとき、解除室52に作動油を供給してその油圧を増加させると、ロックピン51はその油圧に基づく力によりロック用ばね53の付勢方向とは反対の方向に付勢され、ロック穴54から抜脱して収容空間55に収容される。すなわち、ロック機構50がアンロック状態となる。このようにロック機構50がアンロック状態にある場合には、バルブタイミングは進角室47及び遅角室48に対する作動油の給排状態に基づいて任意の角度に変更することができるようになる。
次に、図3を参照して、ロック機構50を含めた可変機構40と、作動油供給機構60との間における作動油の流通態様について説明する。
上述したように、可変機構40には、複数の進角室47及び複数の遅角室48、及びロック機構50の解除室52がそれぞれ設けられている。
作動油回路70は、複数の油路、すなわち供給油路71、排出油路72、進角油路73、遅角油路74、解除用油路75により構成されている。ここで、供給油路71は、オイルポンプ62から吐出されるオイルパン61の作動油を流量制御弁63に対して供給する。一方、排出油路72は、可変機構40から流量制御弁63に排出された作動油をオイルパン61に戻す。なお、この排出油路72は、実際には管や孔等の一定の形状を有するものではなく、作動油をオイルパン61に導く上で適した形状を有する内燃機関10の内壁(例えばチェーンケースの内壁等)等がこれに相当する。
また、進角油路73は、流量制御弁63と各進角室47との間で作動油を流通する。また、遅角油路74は、流量制御弁63と各遅角室48との間で作動油を流通する。更に、解除用油路75は、流量制御弁63と解除室52との間で作動油を流通する。
これら進角油路73、遅角油路74、解除用油路75はそれぞれ、進角室47、遅角室48、解除室52に対してそれぞれ独立して接続されている。すなわち、流量制御弁63は、それら油圧室47,48,52に対する作動油の給排状態をほぼ独立して制御可能な弁としての機能を有している。
次に、図4〜図8を参照して、流量制御弁63の構造について説明する。なお、これら図4〜図8はいずれも流量制御弁63の軸方向に沿う断面構造を異なる給排状態について示している。ここで、軸方向において図中右側を「先端側」とし、その図中左側を「基端側」とする。また、各図中の矢印は作動油の流通状態を示す。また、図4〜図8では、簡略化のため後述するアクチュエータや各種ばね等々についてはその図示を省略している。
流量制御弁63は、大きくは、複数のポートが形成されたハウジング80と、このハウジング80に収容されてその軸方向に往復動可能なスプール90とによって構成されている。流量制御弁63のスプール90を変位させることにより、複数のポート同士の連通/遮断状態が切り替えられて進角室47、遅角室48、解除室52に対する作動油の給排状態が変更される。
ハウジング80には、供給油路71がそれぞれ接続される一対の供給ポート84,89が形成されている。ハウジング80にはその他にも、進角油路73が接続される進角ポート86、遅角油路74が接続される遅角ポート87、解除用油路75が接続される解除油用ポート88がそれぞれ形成されている。一方、スプール90の基端側には排出油路72に作動油を排出する排出ポート85が形成されている。供給ポート84,89のうち一方の供給ポート84は、スプール90の位置に応じて、進角ポート86を介して進角油路73に作動油を供給し、あるいは遅角ポート87を介して遅角油路74に作動油を供給するためのものである。他方の供給ポート89は解除油用ポート88を介して解除用油路75に対して作動油を供給するためのものである。
一方、スプール90は、小径部91と大径部92とによって構成されている。これら小径部91及び大径部92には、その内部に軸方向に沿って延伸し基端側で開口する排出孔93が形成されるとともに、この排出孔93に連通する導入孔94が軸方向における中央部分に形成されている。
大径部92は、軸方向における長さの異なった複数の弁によって構成されている。すなわち、大径部92は、基端から先端側に向かって順に配設される第1の弁92A、第2の弁92B、第3の弁92C、第4の弁92D、第5の弁92Eをそれぞれ含み、これら各弁92A〜92Eによってハウジング80の各ポート84〜89が開放又は閉鎖され、あるいは各ポートの連通面積が変更される。なお、こうした各ポート84〜89の開放/閉鎖状態は、それらポート84〜89に対する各弁92A〜92Eの位置関係、換言すればスプール90の位置に基づいて決定される。
すなわち、進角ポート86は、これが第1の弁92Aから開放されるとき、供給ポート84及び排出油路72のいずれか一方と連通する。また、遅角ポート87は、これが第3の弁92Cから開放されるとき、導入孔94及び排出孔93を介して排出ポート85と連通するか、あるいは供給ポート84と連通する。また、ロック機構50の供給ポート89は、これが第5の弁92Eから開放されるとき、ロック機構50の解除油用ポート88と連通する。また、この解除油用ポート88は、これが第5の弁92Eから開放されるとき、導入孔94及び排出孔93を介して排出ポート85と連通するか、あるいは供給ポート89と連通する。なお、第2の弁92B及び第4の弁92Dは、進角油路73、遅角油路74、解除用油路75を通じて進角室47、遅角室48、解除室52にそれぞれ給排される作動油の量を更に微細に調節する。
そしてこのように、進角室47、遅角室48、解除室52に給排される作動油の量が調節されることにより、バルブタイミングを進角させる状態と遅角させる状態との切り替え、進角する際の速度及び遅角する際の速度、ロック穴54に対するロックピン51の嵌脱状態、その嵌脱する際の速度がきめ細かく調整される。
また、流量制御弁63は、スプール90がハウジング80において最も基端側にあるときの位置を初期位置として、同初期位置から先端側に変位したときの変位量(ストロークx)に応じて、その給排状態が第1のモード、第2のモード、第3のモード、第4のモード、及び第5のモードのいずれかに設定される。以下、これら各モードについて順に説明する。なお、流量制御弁63は、電気的な駆動信号の状態、具体的にはデューティ比Dの値に基づいて駆動する電磁駆動式のアクチュエータ(以下、「アクチュエータ」)100を内蔵している。このアクチュエータ100はスプール90の基端部と当接してこれを先端側に付勢する駆動軸100aを有している。電子制御装置20は各種センサから取り込まれる情報に基づいて機関運転状態を検出するとともに、その機関運転状態に応じた大きさのデューティ比Dを有する駆動信号を生成する。そして、アクチュエータ100はこの駆動信号を取り込むとともに、そのデューティ比Dの値に基づく駆動力Faにてスプール90を駆動軸100aにより先端側に付勢する。すなわち、スプール90のストロークxはこのデューティ比Dの値によって決定されることとなる。
[第1のモード]
スプール90が図4に示す初期位置にあり、ストロークxが第1の領域にある場合、進角ポート86は、供給ポート84と連通されるとともに、排出油路72との連通が第1の弁92Aにより遮断される。また、遅角ポート87は導入孔94及び排出孔93を介して排出ポート85と連通されるとともに、供給ポート84との連通が第3の弁92Cにより遮断される。更に、解除油用ポート88は、導入孔94及び排出孔93を介して排出ポート85と連通されるとともに、供給ポート89との連通が第5の弁92Eにより遮断される。
そして、第1のモードにおいては、こうしたポート同士の連通/遮断状態に基づいて、オイルポンプ62から吐出される作動油が供給油路71、供給ポート84、進角ポート86、及び進角油路73の順に流通して進角室47に供給される。また、遅角室48の作動油が遅角油路74、遅角ポート87、導入孔94、排出孔93、排出ポート85、排出油路72の順に流通してオイルパン61に戻される。また、解除室52の作動油が解除用油路75、解除油用ポート88、導入孔94、排出孔93、排出ポート85、排出油路72の順に流通してオイルパン61に戻される。
[第2のモード]
図5に示されるように、スプール90が図4に示す初期位置よりも先端側の位置にあり、そのストロークxが第1の領域よりも大きい第2の領域にある場合、進角ポート86は供給ポート84と連通されるとともに、排出油路72との連通が第1の弁92Aにより遮断される。また、遅角ポート87は導入孔94及び排出孔93を介して排出ポート85と連通されるとともに、供給ポート84との連通が第3の弁92Cにより遮断される。更に、解除油用ポート88は、導入孔94及び排出孔93を介して排出ポート85と連通されるとともに、供給ポート89との連通が第5の弁92Eにより遮断される。
そして、第2のモードにおいてはこうしたポート同士の連通/遮断状態に基づいて、オイルポンプ62から吐出される作動油が供給油路71、供給ポート84、進角ポート86、及び進角油路73の順に流通して進角室47に供給される。また、遅角室48の作動油が遅角油路74、遅角ポート87、導入孔94、排出孔93、排出ポート85、排出油路72の順に流通してオイルパン61に戻される。また、解除室52の作動油が解除用油路75、解除油用ポート88、導入孔94、排出孔93、排出ポート85、排出油路72の順に流通してオイルパン61に戻される。
なお、このとき、供給ポート84と進角ポート86とが連通され、供給油路71から進角油路73に作動油が供給されるものの、スプール90が第1のモードの場合よりも先端側に変位しているため、供給ポート84と進角ポート86との連通が第2の弁92Bにより狭められる。すなわち、供給ポート84と進角ポート86との連通状態において、供給ポート84と進角ポート86との連通面積sが小さくなる。これにより、第2のモードにおいては、供給ポート84から進角ポート86に流入する作動油の流量が、第1のモードにおけるそれよりも少なくなる。
[第3のモード]
図6に示されるように、スプール90が図5に示す位置よりも先端側の位置にあり、そのストロークxが第2の領域よりも大きい第3の領域にある場合、進角ポート86は供給ポート84と連通されるとともに、排出油路72との連通が第1の弁92Aにより遮断される。また、遅角ポート87は、導入孔94及び排出孔93を介して排出ポート85と連通されるとともに、供給ポート84との連通が第3の弁92Cにより遮断される。更に、解除油用ポート88は供給ポート89と連通されるとともに、排出ポート85との連通が第4の弁92Dにより遮断される。
そして、第3のモードにおいてはこうしたポート同士の連通/遮断状態に基づいて、オイルポンプ62から吐出される作動油が供給油路71、供給ポート84、進角ポート86、及び進角油路73の順に流通して進角室47に供給される。また、遅角室48の作動油が遅角油路74、遅角ポート87、導入孔94、排出孔93、排出ポート85、排出油路72の順に流通してオイルパン61に戻される。また、オイルポンプ62から吐出される作動油が供給油路71、供給ポート89、解除油用ポート88、解除用油路75の順に流通して解除室52に供給される。
なお、この第3のモードにおいて、連通面積sが最大となる状態、すなわち、進角室47に対する作動油の供給量が最大流量となる状態を「最大進角モード」として設定する。
[第4のモード]
図7に示されるように、スプール90が図6に示す位置よりも先端側にあり、そのストロークxが第3の領域にあるときよりも大きくなり第4の領域にある場合、進角ポート86は供給ポート84との連通が第1の弁92Aにより遮断される。また、遅角ポート87は供給ポート84及び排出ポート85との連通が第3の弁92Cにより遮断される。更に、解除油用ポート88は供給ポート89と連通されるとともに、排出油路72との連通が第4の弁92Dにより遮断される。
そして、第4のモードにおいてはこうしたポート同士の連通/遮断状態に基づいて、オイルポンプ62から吐出される作動油が供給油路71、解除用油路75、供給ポート89、解除油用ポート88の順に流通して解除室52に供給される。
[第5のモード]
図8に示されるように、スプール90が図7に示す位置よりも先端側にあり、そのストロークxが第4の領域にあるときよりも大きくなり第5の領域にある場合、進角ポート86は排出油路72と連通されるとともに、供給油路71との連通が第1の弁92Aにより遮断される。また、遅角ポート87は供給ポート84と連通されるとともに、排出ポート85との連通が第3の弁92Cにより遮断される。更に、解除油用ポート88は供給ポート89と連通されるとともに、排出ポート85との連通が第4の弁92Dにより遮断される。
そして、第5のモードにおいてはこうしたポート同士の連通/遮断状態に基づいて、進角室47の作動油が進角油路73、進角ポート86、排出ポート85、排出油路72の順に流通してオイルパン61に戻される。また、オイルポンプ62から吐出される作動油が供給油路71、供給ポート84、遅角ポート87、遅角油路74の順に流通して遅角室48に供給される。更にオイルポンプ62から吐出される作動油が供給油路71、供給ポート89、解除油用ポート88、解除用油路75の順に流通して解除室52に供給される。
次に、スプール90のストロークxと、可変機構40及びロック機構50の各ポートの連通面積sとの関係について図9を参照して説明する。上述したように、スプール90が先端側に変位し、ストロークxが増大するのに伴って各ポートの連通面積sが変化することにより、そのときどきの流量制御弁63の給排状態が第1のモードから第5のモードの各種モード間で切り替えられる。
すなわち、第1のモードでは、供給ポート84と進角ポート86との連通面積s(「84→86」として図示)が所定の面積に設定されることにより、進角油路73に対して供給油路71から所定量の作動油が供給される。また、また遅角ポート87と排出ポート85との連通面積s(「87→85」として図示)が所定の面積に設定されることにより、遅角油路74から排出油路72に所定量の作動油が排出される。更に、解除油用ポート88と排出ポート85との連通面積s(「88→85」として図示)が所定の面積に設定されることにより、解除用油路75から排出油路72に所定量の作動油が排出される。なお、ロック機構50がロック状態となって機関停止した後の通常機関始動時には、流量制御弁63の給排状態としてこの第1のモードが選択される。
第2のモードでは、供給ポート84と進角ポート86との連通面積s(「84→86」)が第1のモードと比較して極小さい面積に維持されて、供給油路71から進角油路73に供給される作動油についても第1のモードと比較して少なくなる。この場合、作動油の供給量は第1のモードと比較して少なくなる。また、遅角ポート87と排出ポート85との連通面積s(「87→85」)は漸減し、遅角油路74から排出油路72に排出される作動油の量もこれに伴って徐々に減少する。更に、解除油用ポート88と排出ポート85との連通面積s(「88→85」)は減少し、これに伴って解除用油路75から排出油路72から排出される作動油の量も減少する。なお、機関運転を停止する際及びアイドル運転中は、流量制御弁63の給排状態としてこの第2のモードが選択される。
第3のモードでは、供給ポート84と進角ポート86との連通面積s(「84→86」)が一旦増大して最大値となる。したがって、供給油路71から進角油路73に対する作動油の供給量も一旦その最大量まで増加する。このように、供給ポート84と進角ポート86との連通面積s(「84→86」)が最大値となる領域、すなわち、進角油路73(進角室47)に対する作動油の供給量が最大量となる状態を以下「最大進角モード」という。そしてこのように供給ポート84と進角ポート86との連通面積s(「84→86」)が最大値となった後は同連通面積sは減少し、これに伴って供給油路71から進角油路73に対する作動油の供給量も徐々に減少するようになる。また、遅角ポート87と排出ポート85との連通面積s(「87→85」)は減少し、これに伴って遅角油路74から排出油路72に排出される作動油の量が減少する。更に、供給ポート89と解除油用ポート88との連通面積s(「89→88」として図示)が増大して、供給油路71から解除用油路75に供給される作動油の量が増加する。
なお、第2のモードから第3のモードに切り替わる前には、ストロークxの増大に伴って解除油用ポート88と排出ポート85との連通面積s(「88→85」)が「0」にまで減少して解除用油路75から排出油路72に排出されるの作動油の量が「0」となる。更にストロークxが増大すると供給ポート89と解除油用ポート88との連通面積s(「89→88」)が徐々に増大して供給油路71から解除用油路75に作動油が供給されるようになる。
次に、第4のモードでは、供給ポート89と解除油用ポート88との連通面積s(「89→88」)が徐々に増大して、供給油路71から解除用油路75に対して供給される作動油の量が徐々に増加する他は、進角ポート86、遅角ポート87はいずれも第1の弁92A、第3の弁92Cにより閉鎖状態となっているため、進角油路73、遅角油路74に対する作動油の給排量は「0」となる。すなわちこの場合には、バルブタイミングは所定の目標角に保持されることとなる。
第5のモードでは、供給ポート89と解除油用ポート88との連通面積s(「89→88」)が漸増し、供給油路71介して解除用油路75に供給される作動油の量もこれに伴って徐々に増大する。また、供給ポート84と遅角ポート87との連通面積s(「84→87」として図示)が増大して、供給油路71から遅角油路74に対して供給される作動油の量が増加する。更にストロークxが増加すると、排出ポート85と進角ポート86との連通面積s(「86→85」として図示)が増大して、進角油路73から排出される作動油の量が増加するようになる。
以上、第1のモード〜第5のモードにおける、進角室47、遅角室48、解除室52に対する作動油の給排状態、可変機構40の動作態様、ロックピン51の動作態様、駆動信号のデューティ比Dの値との関係についてまとめると図10に示すようになる。
図10(b)において、ストロークxに応じたデューティ比Dの値、換言すれば、流量制御弁63の給排状態を第1のモード〜第5のモードとするためのデューティ比Dの値はそれぞれ、α%,β%,γ%,δ%,ε%として予め設定されている。なお、これらデューティ比Dの値は第1のモード及び第2のモードに対応するα%、β%を除き、機関運転状態等に基づき所定範囲をもって適宜変更することができる。例えば、最大進角モードに対応するデューティ比Dの値は、流量制御弁63の給排状態を第3のモードとするデューティ比Dの一つとしてγ’%に設定されている。なお、これら各デューティ比Dの値については、(α<β<γ<δ<ε)なる大小関係が成立している。
また、図10(b)のロックピン51に関する表記について、「突出」には、解除室52の作動油が排出されてロックピン51がロック用ばね53の弾性力によって収容空間55から突出してロック穴54に嵌合した状態はもとより、ロックピン51がロック穴54に嵌合することなくロック用ばね53の弾性力によりスプロケット43の対向面に対して押圧されている状態も含む。
内燃機関10では、機関運転状態に応じて流量制御弁63の給排状態にかかる各モードを選択することにより、機関燃焼の最適化や機関出力の増大を図るようにしている。例えば、内部EGR量を増大させてポンピングロスの低減を図る場合には、流量制御弁63の給排状態として第3のモードを選択してバルブタイミングを進角させる。一方、例えば、排気の吹き返しを抑制して、吸気効率の向上を図る場合には、流量制御弁63の給排状態として第5のモードを選択してバルブタイミングを遅角させる。そしてその後、実際のバルブタイミングとその目標角とが一致したときに流量制御弁63の給排状態として第4のモードを選択してバルブタイミングを目標角に維持する。その他、例えば内燃機関10をアイドル運転に移行させる際には、ロック穴54に対してロックピン51が遅角側にある場合は、流量制御弁63の給排状態として第2のモードを選択する。一方、ロック穴54に対してロックピン51が進角側にある場合は、まず流量制御弁63の給排状態を一旦第5のモードに設定してバルブタイミングを遅角させる。その後に流量制御弁63の給排状態として第2のモードを選択する。これにより、バルブタイミングが徐々に進角するとともに、解除室52からは作動油が排出されるようになる。その結果、周方向におけるロック穴54とロックピン51との位置が一致した時点、すなわちバルブタイミングが中間角となった時点でロックピン51はロック穴54に嵌合され、バルブタイミングが中間角に固定される。なお、このようにアイドル運転中はロックピン51がロック穴54に嵌合されバルブタイミングは中間角に固定されているため、一旦アイドル運転を経由して機関運転が停止される通常の機関停止時には、バルブタイミングは中間角にロックされた状態で機関運転が停止するようになる。
次に、図11を参照して、流量制御弁63の構造について説明する。なお、同図11においては、ハウジング80及びスプール90の各ポートや各弁については、簡略化のためいずれもその図示を割愛している。図11において(a)はスプール90が初期位置にあってそのストロークxが第1の領域にあるときの状態を示し、(b)はスプール90が先端側に所定量だけ変位してストロークxが第1の領域から増大したときの状態を示す。
上述したように、アクチュエータ100は、電子制御装置20により生成されるデューティ比Dの値に基づく駆動力Faにてスプール90をその駆動軸100aにより先端側に付勢する。
具体的には、駆動信号のデューティ比Dの値が最小値Dminとなるときに駆動力Faが最小となる一方、デューティ比Dの値が増大するのに伴って駆動力Faは増大し、更にデューティ比Dの値が最大値Dmaxとなるときに駆動力Faは最大となる。そして、流量制御弁63はこの駆動力Faによりスプール90が先端側に付勢されて変位することで可変機構40に対する作動油の給排状態を変更する。すなわち、流量制御弁63はスプール90のストロークxに応じてその作動油の給排状態が上述した第1のモード〜第5のモードのうちのいずれか一つに選択的に切り替えられる。
また、流量制御弁63において、その先端側にはハウジング80とスプール90との間に第1のばね81が設けられている。この第1のばね81はストロークxに応じた弾性力f1(x)を発生し、この弾性力f1(x)によりスプール90を基端側に付勢する。すなわち、スプール90は第1のばね81の弾性力f1(x)により、アクチュエータ100の駆動力Faによって付勢される方向(先端側)とは反対方向(基端側)に付勢(以下、「反付勢」)される。一方、ハウジング80において、その基端側部分にはスプール90の基端部が位置する内部空間80aが形成されるとともに、この内部空間80aには有底円筒状をなす可動部83がその軸方向において往復動可能に収容されている。この可動部83にはその底部にスプール90の最基端部が挿脱可能な挿通孔83aが形成されている。
また、ハウジング80には、内部空間80aの先端側部分の一部を区画する段差が形成されている。この段差は、可動部83と当接することにより、可動部83が更に先端側に変位しないようにこれを規制する規制部80bとして機能する。更に、流量制御弁63において、その基端側にはハウジング80と可動部83との間に第2のばね82が設けられている。この第2のばね82はストロークxに応じた弾性力f2(x)を発生し、この弾性力f2(x)により可動部83を介してスプール90を先端側に付勢する。
次に、デューティ比Dの値がその最小値Dminから最大値Dmaxまで増大するのに伴って駆動力Faが増大し、これによりスプール90がその初期位置から先端側に変位する場合、すなわちストロークxが増大する場合において、アクチュエータ100の駆動力Fa、第1及び第2のばね81,82の弾性力f1(x),f2(x)、及びストロークxの関係について説明する。
まず、第1のばね81、第2のばね82の弾性係数をそれぞれ「k1」,「k2」としたとき、これらは以下の式(1)に示す大小関係が成立するように設定されている。なお、この所定値k0は、スプール90における位置制御の信頼性、具体的にはストロークxとそれに応じて変化する各ばね81,82の弾性力f1(x),f2(x)との間のS/N比が十分に確保できるように設定されている。

k1,k2>k0>0 …(1)

そして、スプール90を基端側に反付勢する第1のばね81の弾性力f1(x)、同スプール90を先端側に付勢する第2のばね82の弾性力f2(x)は、ストロークxをパラメータとする以下の各式(2),(3)によって求められる。なお、これら式(2),(3)において、「f1p」,「f2p」は、駆動信号のデューティ比Dの値が最小値Dminとなり、スプール90がその初期位置に停止してストロークxが「0」であるときに、第1のばね81、第2のばね82にそれぞれ発生している予荷重である。

f1(x)=−(k1・x+f1p) …(2)
f2(x)=−k2・x+f2p …(3)

したがって、第1のばね81の弾性力f1(x)及び第2のばね82の弾性力f2(x)の合成弾性力Fs(x)は以下の式(4)によって求められる。

Fs(x)=f1(x)+f2(x)
=−(k1+k2)・x+(f2p−f1p) …(4)

そして、これがアクチュエータ100の駆動力Fa(x)と平衡状態になるとすると、以下の式(5)が成立する。

Fa(x)=−Fs(x)
=(k1+k2)・x+(f1p−f2p) …(5)

ここで、駆動信号のデューティ比Dの値が最小値Dminとなり、スプール90がその初期位置に停止してストロークxが「0」であるとき、駆動力Fa(x)は、上式(5)において(x=0)とした以下の式(6)に示される大きさとなる。

Fa(0)=f1p−f2p …(6)

ちなみに、アクチュエータ100に対する電力供給が停止されてスプール90の駆動を停止する場合であっても、図11(a)に示されるように、可動部83が規制部80bに当接することなく、スプール90の基端部と駆動軸100aとが当接した状態に維持されるための条件として、ストロークxを「0」としたときの合成弾性力Fs(x)について、以下の式(7)に示す関係が満たされている必要がある。

Fs(x)≦0 …(7)

更に上式(4),(7)において(x=0)とすると以下の式(8)が導出される。

Fs(0)=f2p−f1p≦0
f1p>f2p …(8)

上式(8)から明らかなように、上記条件を満たすためには、第1のばね81の予荷重f1pが第2のばね82の予荷重f2p以上に設定されていることが必要になる。そして、この式(8)の関係が満たされていることを前提とすると、第1のばね81及び第2のばね82により構成されるばね部の弾性力、すなわち合成弾性力Fs(x)は、上式(4)から明らかなように常に負の値をとる。このため、スプール90はストロークxの大きさに関わらず、このばね部により常に基端側に反付勢されることとなる。
次に、駆動信号のデューティ比Dの値が最小値Dminから増大し、これに伴ってストロークxが「0」から増大する場合について説明する。このように駆動信号のデューティ比Dの値が最小値Dminから増大すると、アクチュエータ100の駆動力Fa(x)が増大する。そして、このように増大した駆動力Fa(x)及び第2のばね82の弾性力f2(x)の合力が第1のばね81の弾性力f1(x)を上回るようになると、スプール90は駆動軸100aにより押圧されて同駆動軸100aとともに先端側に変位するようになる。
またこの場合、可動部83はスプール90に当接した状態で同スプール90とともに先端側に変位する。そして、ストロークxが更に増大して可動部83が更に先端側に変位すると、同可動部83の変位が規制部80bの位置に達して同規制部80bと係合された状態となるため、可動部83の変位が規制部80bによって規制されるようになる。
またこのように、規制部80bによって可動部83の変位が規制された状態となるときのストロークxを「x1」とすると、デューティ比Dの値が増大することによってストロークxが「x1」に達したときの合成弾性力Fs(x)は、次式(9)に基づいて求めることができる。

Fs(x1)=f1(x1)+f2(x1) …(9)

上記式(7)及び式(8)から明らかなように、この合成弾性力Fs(x1)は常に負の値をとる。このため、スプール90は合成弾性力Fs(x1)より常に基端側に反付勢されることとなる。このように、可動部83の変位が規制部80bによって規制されることにより、その規制直前まで可動部83を介してスプール90に作用していた第2のばね82の弾性力f2(x)(=−k2・x1+f2p)が消失するようになる。したがって、ストロークxが「x1」に達したときの合成弾性力Fs(x)は、式(9)に加え、以下の式(10)によっても導出することができる。このため、合成弾性力Fs(x)は以下の式(11)により規定される範囲で変化することができる。

Fs(x1)=f1(x1)+f2(x1)−f2(x1)
=f1(x1) …(10)

最小値: f1(x1)+f2(x1)<Fs(x1)<最大値:f1(x1) …(11)

このため、駆動信号のデューティ比Dの値を変化させても、これに対応する合成弾性力Fs(x)が式(11)により規定される範囲で変化するのであれば、ストロークx、すなわちスプール90の位置が変化することはない。 ここで、第2のばね82は、ストロークxが「0」から増大するのに伴って徐々にその弾性力f2(x)が減少するものの、可動部83の変位が規制部80bにより規制される状態になっても未だ弾性変形した状態にある。すなわち、この第2のばね82については、以下の式(12)に示す条件が満たされるように、その弾性係数k2及び予荷重f2pがそれぞれ設定されている。

f2(x1)=−k2・x1+f2p>0 …(12)

そして、この第2のばね82の弾性力f2(x1)が可動部83を介してスプール90に伝達され、同スプール90に所定の残留荷重(=f2(x1))が作用している状態で、可動部83の変位が規制部80bより規制されるようになる。そしてこれにより、第1のばね81及び第2のばね82により構成されるばね部は、ストロークxが「x1」にあるときには、その合成弾性力Fs(x)が所定幅の不感帯にある任意の値をとることができるようになる。すなわち、ストロークxが「x1」となると、デューティ比Dの値に基づいて駆動力Fa(x)を更に増大しても、その増大量が残留荷重の大きさに相当する変化量(=|f2(x1)|)を上回るようになるまでは、ストロークxが変化することはなく、スプール90は停止した状態となる。
そして、更にデューティ比Dの値が増大し、これに伴ってストロークxが増大すると(x>x1)、図11(b)に示されるように、可動部83とスプール90との係合が完全に解除されてそれらは離間し、スプール90のみが駆動軸100aにより押圧されることで先端側に変位するようになる。そしてこの場合、合成弾性力Fs(x)及び駆動力Fa(x)はそれぞれ以下の式(13),(14)に基づいて求めることができる。

Fs(x)=−k1・x−f1p …(13)
Fa(x)=−Fs(x)=k1・x+f1p …(14)

このように第1のばね81及び第2のばね82により構成されるばね部は、ストロークxについて(x≦x1)なる関係が満たされる領域Aと(x>x1)なる関係が満たされる領域Bとにおいてその弾性特性が異なり、またそれら領域Aと領域Bとの間で弾性特性が不連続に変化する非線形特性を有している。このような非線形特性を有するばね部を採用することにより、駆動信号のデューティ比Dの値が変化してもスプール90が変位しない不感特性を流量制御弁63に付与することができるようになる。なお、デューティ比Dの値を増大させてアクチュエータ100の駆動力Fa(x)を増大させることにより、ストロークxを増大させる例について説明したが、デューティ比Dの値を減少させてアクチュエータ100の駆動力Fa(x)を低下させることにより、ストロークxを減少させる場合についても同様である。
図12は、こうしたスプール90のストロークxと合成弾性力Fs(x)との関係を示している。
駆動信号のデューティ比Dの値が最小値Dminとなり、スプール90がその初期位置に停止してストロークxが「0」であるとき、駆動力Fa(x)は先の式(6)により求められる値となる(図中の「f1p−f2p」)。
次に、駆動信号のデューティ比Dの値が増大して、これに伴ってストロークxが「x1」から増大するとき(x≦x1)、第1のばね81の弾性力f1(x)及び第2のばね82の弾性力f2(x)は、それぞれ先の式(2)及び(3)から求められるように、ストロークxとともに変化する(それぞれ図中の破線、一点鎖線)。そして、このときの合成弾性力Fs(x)は、先の式(4)にて求められる値となる(図中の二点鎖線)。
更に、デューティ比Dの値が増大することによってストロークxが「x1」に達すると、合成弾性力Fs(x)は、上述したように先の式(11)にて示される範囲の任意の値を取り得るようになる(図中の実線)。すなわち上述したように、デューティ比Dの値の増大に基づいて駆動力Fa(x)が増大しても、その増大量が先の式(12)に示す残留荷重の大きさに相当する変化量(=|f2(x1)|)を上回るようになるまでは、ストロークxが変化することはなく、スプール90が停止した状態となる。
そして、更にデューティ比Dの値が増大して、これに伴ってストロークxが「x1」から増大するとき(x>x1)、すなわち、駆動力Fa(x)が残留荷重を上回るようになったとき、駆動力Fa(x)は、先の式(14)に示す値となる。
ここで、電子制御装置20において駆動信号のデューティ比Dの値を生成する際に生じる誤差、電子制御装置20からアクチュエータ100に駆動信号を付加する際に生じる誤差、駆動信号のデューティ比Dの値に基づいてアクチュエータ100からスプール90に付加される駆動力Fa(x)の誤差等々が生じ得る点については既に述べたとおりである。仮に、デューティ比Dの値とストロークxとが線形的な関係を有している、すなわち不感特性を有していない通常の流量制御弁を想定すると、合成弾性力Fs(x)は図12の二点鎖線にて示されるようになる。そしてこの場合、設計仕様上想定したデューティ比Dの値に対応した駆動力Fa(x)(実線B)が発生する場合には、同図12の点B1においてこの駆動力Fa(x)と合成弾性力Fs(x)とが平衡状態となる。一方、同じデューティ比Dの値に対応する駆動力Fa(x)が大きい値にずれた場合(実線A)には、駆動力Fa(x)が合成弾性力Fs(x)を大きく上回るようになり、それらが平衡状態となることはない。他方、同じデューティ比Dの値に対応する駆動力Fa(x)が小さい値にずれた場合(実線C)には、同図12の点C1においてこの駆動力Fa(x)と合成弾性力Fs(x)とが平衡状態となる。
このように、設計仕様上想定したストロークxと駆動力Fa(x)との関係に誤差が存在している場合、バルブタイミングの進角状態/遅角状態との切り替え、進角速度/遅角速度、ロック機構50においてロックピン51の嵌脱状態をストロークxに応じてきめ細かく調整するようにした流量制御弁63の流量制御に及ぼす悪影響が無視できないものとなる。
この点、本実施形態のように、不感特性が付与された流量制御弁63においては、こうした誤差が存在することによりデューティ比Dの値に対応する合成弾性力Fs(x)が設計仕様上想定したものよりも大きい場合(図12:実線A)や小さい場合(図12:実線C)であっても、スプール90のストロークxはいずれも「x1」となる。このように流量制御弁63が不感特性を有することにより、すなわち合成弾性力Fs(x)の変化に対してストロークxが変化しない不感帯が存在することにより、デューティ比Dの値についての誤差を吸収することができるようになる。
なお、この不感帯にて吸収することのできる駆動力Fa(x)の誤差は、同不感帯の大きさFD1に応じて異なるものとなる。すなわち、この不感帯の大きさFD1は、ストロークxが「x1」となったときの残留荷重の大きさに相当する変化量、すなわちストロークxがストロークxを「x1」としたときの合成弾性力Fs(x)の最大値と最小値との差分絶対値であり、次式(15)に基づいて求めることができる。なお、このようにストロークxが「x1」となるときのスプール90の位置を以下では必要に応じて「特定位置」と称することとする。

FD1=|f2(x1)|
=|−k2・x1+f2p| …(15)

この不感帯の大きさFD1が大きくなるほど、実際のデューティ比Dの値と設計仕様上のデューティ比Dの値との間に誤差が存在していたり、デューティ比Dの値に対する駆動力Fa(x)の大きさに誤差が存在している場合であっても、そうした誤差をより確実に吸収することができるようになる。
ところで、内燃機関10においてその吸気弁31のバルブタイミングについては、バルブタイミングを目標角まで進角させる際においては特に良好な応答性が求められる。すなわち、バルブタイミングの進角速度が速やかに上昇するように、ストロークxについての精密な制御が求められる。
そこで、本実施形態では、流量制御弁63が最大進角モードとなるとき、すなわちバルブタイミングを最大速度にて進角させることのできるスプール90の位置に不感帯を設定するようにしている。これにより、上述したような種々の誤差が存在している場合であっても、その誤差を不感帯にて吸収できるようになり、流量制御弁63を最大進角モードとして進角室47に対し多量の作動油を供給することができるようになる。
ところで上述したように、デューティ比Dの値と駆動力Fa(x)との対応関係に誤差が存在していても、その誤差が不感帯を超えない範囲であればこれを吸収し、スプール90を特定位置、すなわちストロークxが「x1」となる位置に変位させることができる。ただしこれは、その特定位置と、不感帯として実際に設定されている位置とが一致していることがその前提となる。このため例えば、第1のばね81及び第2のばね82等々、スプール90の位置に影響を及ぼす部材について形状誤差や組付誤差等が存在する結果、第1および第2のばね81,82の弾性特性が本来の特性と大きく異なるものとなっている場合には、そもそもスプール90における特定位置に不感帯を設定することが困難となり、流量制御弁63において所望の流量特性が得られなくなる。もっとも、こうしたスプール90の位置誤差が流量制御弁63の流量特性に及ぼす影響が小さく、製造コスト等を考慮しても設計仕様上許容できる範囲にあれば、こうした誤差による影響を許容することができる。本実施形態にかかる流量制御弁63では不感特性を付与することにより、こうした誤差についても以下に記載するようにその影響を小さく抑えることができる。
図13は、流量制御弁63が最大進角モードとなるスプール90のストロークxに対応するように不感帯を設定したときのストロークxと合成弾性力Fs(x)との関係を示す。まず、不感帯が設定されるスプール90のストロークxを「x1」とし、デューティ比Dの値に対応する駆動力Fa(x)が設計仕様上想定される実線Bに沿って変化する場合、スプール90は同図13の例えば点B1に示す状態にて駆動力Fa(x)と合成弾性力Fs(x)とが平衡状態となり、そのストロークxが「x1」となる位置に停止する。
一方、流量制御弁63の弾性特性にかかる誤差により実際の弾性特性が図13に一点鎖線にて示す特性となり、デューティ比Dの値に対応する駆動力Fa(x)が種々の誤差を考慮したときに最も大きくなる場合(実線A)、図13の例えば点A1に示す状態にて駆動力Fa(x)と合成弾性力Fs(x)とが平衡状態となる。したがって、スプール90はそのストロークxが「x1+σ」となる位置に停止する。
他方、流量制御弁63の弾性特性にかかる誤差により実際の弾性特性が図13に二点鎖線にて示す特性となり、デューティ比Dの値に対応する駆動力Fa(x)が種々の誤差を考慮したときに最も小さくなる場合(実線C)、図13の例えば点C1に示す状態にて駆動力Fa(x)と合成弾性力Fs(x)とが平衡状態となる。したがって、スプール90はそのストロークxが「x1−σ」となる位置に停止する。このため、本実施形態では、ストロークxにかかる誤差「2σ」が所定量以上とならないように、第1のばね81や第2のばね82等の部材の形状誤差や組付誤差を管理し、流量制御弁63の流量特性に及ぼす影響を設計仕様上許容できる範囲に留めるようにしている。
また、上述したような種々の誤差が存在している場合、流量制御弁63の第2のモードにおいても、それら誤差の影響により、流量制御弁63の給排状態が実際に第2のモードとなるデューティ比Dの値が異なることとなり、バルブタイミングを中間角に円滑に固定する際の支障となり得る。
そこで、本実施形態にかかるバルブタイミング制御装置では、流量制御弁63の給排状態を第2のモードとするためのデューティ比Dの値を学習する学習処理を実行するようにしている。以下、この一連の処理について、図14を参照して説明する。なお、この学習処理は内燃機関10がアイドル運転状態にあること等、種々の条件が成立しているときに実行される。
この一連の処理ではまず、ステップS110にて、バルブタイミングが最遅角であるか否かを判断する。バルブタイミングが最遅角であるか否かの判断は、クランク角センサ21及びカム角センサ22の検出信号に基づいて電子制御装置20によってなされる。このステップS110にてバルブタイミングが最遅角ではないと判断すると、ステップS170にて、第2のモードに対応するデューティ比Dの値の学習に先立つ前処理として、第2の回転体45の回転位相が第1の回転体41よりも遅角側となるように、すなわちバルブタイミングが遅角されるようにこれを制御する。具体的には、流量制御弁63の給排状態を第5のモードに所定時間が経過するまで維持する等として第1及び第2の回転体41,45を相対回転させることによりバルブタイミングを最遅角とする。
一方、ステップS110にてバルブタイミングが最遅角である旨判断したとき、後処理として以降のステップS120及びステップS130を実行する。すなわち、ステップS120にて、種々の誤差を考慮しても、ロック機構50が確実にアンロック状態となる値にデューティ比Dを設定する。具体的には、流量制御弁63の給排状態を第3のモードに設定する等して、ロック機構50の解除室52に作動油が供給されることによりロックピン51が収容室46に収容され、バルブタイミングが変更可能な値にデューティ比Dを設定する。そして、このようにデューティ比Dの値を設定した後、ステップS130にて、流量制御弁63が第2のモードとなるように、換言すればデューティ比Dの値が設計仕様上予め設定されているβ%に近づくようにデューティ比Dの値を徐々に減少させる。その結果、ロックピン51とロック穴54とが近接するようにバルブタイミングを徐々に進角させるとともに、ロック機構50の解除室52から作動油が排出することによりロックピン51を突出状態に移行させる。
そして次に、ステップS140では、こうした操作を通じてロックピン51がロック穴54に嵌合されたか否かを判断する。すなわち、バルブタイミングが進角するように進角室47及び遅角室48に対する作動油の給排状態を設定しているのにもかかわらず、クランク角センサ21及びカム角センサ22の検出信号に基づいて求められる実際のバルブタイミングが所定期間にわたって同一の値を示していることをもって、ロックピン51がロック穴54に嵌合されている旨、すなわちバルブタイミングが中間角に固定されている旨判断する。
このステップS140にてロックピン51がロック穴54に嵌合されていない旨判断されたとき、再びステップ130に戻り、同ステップS140にて肯定結果が得られるまでデューティ比Dの値を減少させる。一方、ステップS140にてロックピン51がロック穴54に嵌合されている旨判断されたとき、ステップS150にて、そのときのデューティ比Dの値をバルブタイミングを中間角に固定可能なロック指示値として学習する。更に、ステップS160では、このロック指示値が所定量だけ減少するようにこれを補正し、その補正値を新たなロック指示値とする。図9に示されるように、ロック指示値はこれが小さい値に設定されるときほど、解除油用ポート88と排出ポート85との連通面積が増大し、解除室52から排出される作動油の量が増大する。ステップS160は、上述した一連の学習処理において求められるロック指示値に誤差が存在していたとしても、ロックピン51とロック穴54との位置が一致したときに確実にロックピン51が突出状態となっているように、ロック指示値を補正するための処理である。
図15に、ストロークx、可変機構40及びロック機構50に対する作動油の流量、デューティ比Dの値との関係についてその一例を示す。同図15において、一点鎖線は進角室47に対する作動油の供給量変化、破線は遅角室48に対する作動油の供給量変化、そして二点鎖線はロック機構50の解除室52に対する作動油の供給量変化をそれぞれ示している。なお、流量制御弁63の特性、すなわち、可変機構40及びロック機構50に対する作動油の給排特性は、基本的には図9に示されるストロークxと各連通面積sとの関係に基づいて決定されるものの、実際には上述したような種々の誤差の影響によって作動油の給排特性は変化する。図15は、こうした変化を含めた実際の流量制御弁63における給排特性を例示している。
流量制御弁63は、図12にて示すように、基本的にデューティ比Dの値が大きくなるにつれて、換言すれば合成弾性力Fs(x)が大きくなるにつれてストロークxも大きくなる特性を有している。但し、ストロークxが「x1」となる特定位置においては、駆動力Fa(x)が作用する場合であってもストロークxが変化しない不感特性を有している。そして不感帯は、この特定位置は、解除室52に作動油が供給されてロック機構50がアンロック状態になっている状況のもと、進角室47に対する作動油の供給量が最大となる最大進角モード内に設定されている。そして上述したように、種々の誤差が存在している場合であっても、流量制御弁63の給排状態を最大進角モードとする場合については、流量制御弁63の流量制御にかかる精度がこうした誤差によって悪化することを抑制することができ、バルブタイミングを速やかに進角させることができるようになる。
以上説明したように、本実施形態によれば以下の効果を奏することができる。
(1)スプール90の目標位置をストロークxが「x1」となる特定位置とする場合には、駆動信号のデューティ比Dに対応する駆動力Fa(x)がその本来の値から変化しても、スプール90の位置が変化しない不感特性を有しているため、その特定位置と駆動力Fa(x)に基づくスプール90の実位置との間に生じる偏差を極めて小さな範囲に制限することができる。すなわち、スプール90を含めた流量制御弁63の形状誤差、機関運転状態に基づいて駆動信号を生成する際の誤差、この駆動信号に応じてスプール90に作用する荷重の誤差等、種々の誤差に起因して、駆動信号(デューティ比Dの値)とスプール90の位置との相関関係が設計仕様上要求されるものと異なる状況が生じることがあっても、これがスプール90の位置制御に及ぼす悪影響を流量制御弁63の不感特性により吸収することができる。そしてこれによりスプール90の目標位置を特定位置として吸気弁31のバルブタイミングを変更する場合には、上述した種々の誤差に起因して流量制御弁63の流量制御にかかる精度が悪化することを抑制することができ、ひいては可変機構40によりバルブタイミングを変更する際の精度を向上させることができるようになる。
(2)図15の点A,B,Cに示されるように、本実施形態のバルブタイミング制御装置では、進角室47に対する作動油の供給量がストロークxを「x1」としたときと同一となる状況が複数存在する。このため、バルブタイミングを進角する際の速度が設計仕様上要求されるものと一致したことをもってその速度に対応するストロークxを学習するようにしても、そのときの駆動信号がそれら複数の位置のいずれに対応するものであるか判断不能か、仮に可能であったとしてもその信頼性は極めて低いものとなる。この点、上記実施形態によれば、このように進角室47に対する作動油の供給量が同一となるスプール90の位置が複数存在する場合であっても、それらのうちのいずれか一つを特定位置として設定することで、こうした学習処理によらずとも流量制御弁63の流量制御にかかる精度の悪化を抑制することができる。
(3)一般に、内燃機関においては、その燃焼特性が吸入空気の流入状態によって大きく左右されるが、こうした吸入空気の流入状態は、吸気弁31の開閉特性、特にそのバルブタイミングと極めて高い相関を有している。すなわち、吸気弁31のバルブタイミングは排気弁のバルブタイミングと比較して機関性能に及ぼす影響が大きい。この点、上記実施形態によれば、こうした吸気弁31のバルブタイミングをその制御対象としているため、良好な機関性能を得ることができる。
(4)吸気弁31のバルブタイミングについては、これを機関運転状態に基づいて進角させることにより、吸気効率を高めて機関出力を増大させるようにしたり、バルブオーバーラップを増大させてポンピングロスの低減を図るようにしたりすることができる。上記実施形態によれば、スプール90の特定位置を吸気弁31のバルブタイミングを進角するときの位置に設定するようにしているため、流量制御弁63の流量制御にかかる精度が悪化することを抑制することができ、吸気弁31のバルブタイミングを好適に進角させることができる。
(5)スプール90の特定位置を、バルブタイミングの変更速度をその進角させる際の可変範囲において相対的に大きいとき、すなわちバルブタイミングの進角速度を最も大きくするときの位置に設定するようしている。このため、機関運転状態の急激な変化によりバルブタイミングの目標角が大幅に進角側に変化する場合でも、その目標角の変化に対し高い応答性をもってバルブタイミングを変更することができる。
(6)ロック機構50の中間角を機関停止時や機関アイドル時を含む低負荷状態に適した値に設定し、機関停止に先立ってロック機構50をロック状態に移行するようにした。これにより、機関始動に適したバルブタイミングにて内燃機関10の運転を再開することができる。その結果、良好な機関始動性を確保することができるとともに、機関始動後においては安定したアイドル運転を行うことができるようになる。
(7)ロック機構50がアンロック状態にあるときから連続的に駆動信号のデューティ比Dを減少させて同ロック機構50がロック状態に移行したときのデューティ比Dの値を新たなデューティ比Dとして学習するようにした。これにより、駆動信号のデューティ比Dの値とこれに対応するスプール90の位置との相関関係が設計仕様上要求されるものと異なる状況が生じても、スプール90の位置をロック位置として、ロック機構50をアンロック状態からロック状態に移行させる際の駆動信号のデューティ比Dの値、すなわちロック指示値を実際に即したかたちで学習することができ、ロック機構50の動作にかかる信頼性を向上させることができるようになる。また、こうした学習を定期的に実行することにより、駆動信号のデューティ比Dの値とこれに対応するスプール90の位置との相関関係が経時変化する場合であっても、その経時変化に即したロック指示値に更新することができる。
(8)また、バルブタイミングが中間角よりも遅角した状態からバルブタイミングを進角させつつ、ロック機構50がロック状態となる駆動信号のデューティ比D値を学習するようにした。これにより、機関停止時や機関アイドル時にバルブタイミングを中間角に固定する通常のロック操作時と同様の状況下でロック指示値の学習を行うことができるようになり、その学習値の信頼性を高めることができるようになる。
(9)更に、実際にロックピン51がロック穴54に嵌合されたときのデューティ比Dの値から所定量減量補正した値をロック指示値としているため、ロック機構50を確実にロック状態とすることができるロック指示値としてこれを学習することができるようになる。
(第2実施形態)
図16〜図18を参照して、本発明の第2実施形態について、先の第1実施形態との相違点を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する構成についてはその説明を割愛する。
第1実施形態では、スプール90を可動部83を介して先端側に付勢する第2のばね82を設け、これに所定の残留荷重(=f2(x1))が作用している状態で可動部83の変位を規制部80bにより規制することにより、流量制御弁63に不感特性を付与するようにした。
これに対して、本実施形態では、第1実施形態の第2のばね82に替えて、スプール90を可動部202を介して基端側に反付勢するばね(機能は異なるが第1実施形態と同様「第2のばね82」と称する)を設け、これを予荷重f2pを有する状態でその変位を規制するとともに、フランジ部95と可動部202とが係合状態となったときに、この第2のばね82の予荷重f2pがスプール90に作用するようにした。このように、本実施形態では第1実施形態とは異なる態様にて不感特性を流量制御弁63に付与するようにしている。
以下、図16を参照して、本実施形態の流量制御弁63の構造について説明する。なお、同図16では、ハウジング80及びスプール90の各ポートや各弁についていずれもその図示を割愛している。また、図16において(a)は、スプール90が初期位置にあってそのストロークxが第1の領域にあるときの状態を示し、(b)は、スプール90が先端側に所定量だけ変位してストロークxが第1の領域から増大したときの状態を示す。
同図16に示されるように、ハウジング80には、内部空間80aの先端側部分の一部を区画する段差80cが形成されている。また、ハウジング80の内部空間80aには有底円筒状をなす可動部202がその軸方向において往復動可能に収容されている。
流量制御弁63において、その基端側には段差80cと可動部202との間に第2のばね82が設けられている。この第2のばね82はストロークxに応じて発生する弾性力f2(x)により可動部202を介してスプール90を基端側に反付勢する。また、スプール90の基端部には、フランジ95aを有するフランジ部95が固定されている。また、可動部202は、段差80cとの間で第2のばね82を予荷重f2pを有した状態で規制する規制部202aと、スプール90のフランジ部95と係合可能な係合部202bとにより形成されている。
次に、デューティ比Dの値がその最小値Dminから最大値Dmaxまで増大するのに伴って駆動力Fa(x)が増大し、これによりスプール90がその初期位置から先端側に変位する場合、すなわちストロークxが増大する場合において、アクチュエータ100の駆動力Fa(x)、第1及び第2のばね81,82の弾性力f1(x),f2(x)、及びストロークxの関係について説明する。
第2のばね82の弾性係数を「k2」としたとき、これは以下の式(16)に示す大小関係が成立するように設定されている。なお、この所定値k0は、スプール90における位置制御の信頼性、具体的にはストロークxとそれに応じて変化する各ばね81,82の弾性力との間のS/N比が十分に確保できるように設定されている。

k2>k0>0 …(16)

まず、駆動信号のデューティ比Dの値が最小値Dminとなり、スプール90がその初期位置に停止してストロークxが「0」であるとき、図16(a)に示されるように、スプール90に固定されたフランジ部95のフランジ95aと可動部202の係合部202bとは係合していない状態に維持されているため、この場合の駆動力Fa(x)は、以下の式(17)に示される大きさとなる。

Fa(0)=f1(0)=f1p …(17)

次に、駆動信号のデューティ比Dの値が最小値Dminから増大し、これに伴ってストロークxが「0」から増大する場合について説明する。このように駆動信号のデューティ比Dの値が最小値Dminから増大すると、アクチュエータ100の駆動力Fa(x)が増大する。そして、このように増大した駆動力Fa(x)が第1のばね81の弾性力f1(x)を上回るようになると、スプール90は駆動軸100aにより押圧されて同駆動軸100aとともに先端側に変位するようになる。この場合の合成弾性力Fs(x)は次式(18)に基づいて求められる。


Fs(x)=f1(x)
=−(k1・x+f1p) …(18)

そして、ストロークxが更に増大してスプール90が更に先端側に変位すると、同フランジ95aが可動部202の係合部202bの位置に達して同係合部202bと係合するようになる。
更にデューティ比Dの値が増大し、これに伴ってストロークxが増大すると(x>x1)、図16(b)に示されるように、フランジ95aと係合部202bとが完全に係合するようになる。その結果、フランジ95aとともに可動部202が先端側に変位するようになる。
このように、フランジ部95と係合部202bが係合された状態となるときのストロークxを「x1」とすると、デューティ比Dの値が増大することによってストロークxが「x1」に達したときの合成弾性力Fs(x)は、その係合直前まで作用していなかった第2のばね82の弾性力f2(x)が加算されるようになる。この場合の弾性力f2(x)及び合成弾性力Fs(x)は次式(19),(20)に基づいて求めることもできる。なお、この式(19)において、「f2p」は、可動部202の係合部202bとスプール90のフランジ95aとが係合する前に、第2のばね82に発生している予荷重である。

f2(x)=−{k2・(x―x1)+f2p} …(19)

Fs(x1)=f1(x)+f2(x)
=−(k1+k2)・x−(f1p+f2p)+k2・x1 …(20)

最小値:f1(x1)<Fs(x1)<最大値:f1(x1)+f2(x1) …(21)

式(21)から明らかなように、駆動信号のデューティ比Dの値を変化させても、これに対応する合成弾性力Fs(x)が式(21)により規定される範囲で変化するのであれば、ストロークx、すなわちスプール90の位置が変化することはない。このように、第1のばね81及び第2のばね82により構成されるばね部は、ストロークxが「x1」にあるときには、その合成弾性力Fs(x)が所定の不感帯にある任意の値をとることができるようになる。すなわち、駆動信号のデューティ比Dの値が増大してスプール90が変位し、そのストロークxが「x1」となると、デューティ比Dの値に基づいて駆動力Fa(x)が増大しても、その増大量が予荷重f2pの大きさに相当する変化量(=|f2(x1)|)を上回るようになるまでは、ストロークxが変化することはなく、スプール90は停止した状態となる。
そして、更にデューティ比Dの値が増大し、これに伴ってストロークxが増大すると(x>x1)、図16(b)に示されるように、フランジ95aと係合部202bとが完全に係合し一体となって変位するようになる。そして、スプール90が駆動軸100aにより押圧されることで同スプール90及び可動部202の双方が先端側に変位するようになる。そしてこの場合、駆動力Fa(x)は以下の式(22)に基づいて求めることができる。

Fa(x)=−Fs(x)
=(k1+k2)x+(f1p+f2p)−k2・x1 …(22)

このように第1のばね81及び第2のばね82により構成されるばね部は、ストロークxについて(x≦x1)なる関係が満たされる領域Aと(x>x1)なる関係が満たされる領域Bとにおいてその弾性特性が異なり、またそれら領域Aと領域Bとの間で弾性特性が不連続に変化する非線形特性を有している。このような非線形特性を有するばね部を採用することにより、駆動信号のデューティ比Dの値が変化してもスプール90が変位しない不感特性を流量制御弁63に付与することができるようになる。なお、デューティ比Dの値を増大させてアクチュエータ100の駆動力Fa(x)を増大させることにより、ストロークxを増大させるを例に説明したが、デューティ比Dの値を減少させてアクチュエータ100の駆動力Fa(x)を減少させることにより、ストロークxを減少させる場合についても同様である。
図17はこうしたスプール90のストロークxと合成弾性力Fs(x)との関係を示している。
駆動信号のデューティ比Dの値が最小値Dminとなり、スプール90がその初期位置に停止してストロークxが「0」であるとき、駆動力Fa(x)は、前述した式(17)にて示される(図中の「f1p」)。
次に、駆動信号のデューティ比Dの値が増大して、これに伴ってストロークxが「0」から増大するとき(x≦x1)、合成弾性力Fs(x)は弾性力f1(x)となり、前述した式(18)にて示される(図中の一点鎖線)。
更に、デューティ比Dの値が増大することによってストロークxが「x1」に達したとき、前述した式(19)にて示される弾性力f2(x)が加算されるようになる(図中の二点鎖線)。そして、デューティ比Dの値に基づいて駆動力Fa(x)が増大しても、その増大量が予荷重f2p(=f2(x1))の大きさに相当する変化量(=|f2(x1)|)を上回るようになるまでは、ストロークxが変化することはなく、スプール90が停止した状態となる。
そして、更にデューティ比Dの値が増大して、これに伴ってストロークxが「x1」から増大するとき(x>x1)、すなわち、駆動力Fa(x)が予荷重f2pを上回るようになったとき、駆動力Fa(x)は前述した式(22)に示す値にて変化するようになる(図17にて実線で示す)。すなわち、流量制御弁63にはストロークxが「x1」であるときに予荷重f2pを不感帯とする不感特性が付与されている。このように不感特性が付与された流量制御弁63においては、上述した種々の誤差が存在することによりデューティ比Dの値に対応する合成弾性力Fs(x)が設計仕様上想定したものよりも大きい場合や小さい場合であっても、スプール90のストロークxはいずれも「x1」となる。このように流量制御弁63が不感特性を有することにより、すなわち合成弾性力Fs(x)の変化に対してストロークxが変化しない不感帯が存在することにより、デューティ比Dの値についての誤差を吸収することができるようになる。
なお、この不感帯にて吸収することのできる駆動力Fa(x)の誤差は、同不感帯の大きさFD2に応じて異なるものとなる。すなわち、この不感帯の大きさFD2は、ストロークxが「x1」となったときの予荷重の大きさに相当する変化量、すなわちストロークxがストロークxを「x1」としたときの合成弾性力Fs(x)の最大値と最小値との差分絶対値であり、次式(23)に基づいて求めることができる。

FD2=|f1(x1)+f2(x1)−f1(x1)|
=|f2(x1)|
=|f2p| …(23)

また、図18に示されるように、本実施形態における不感帯の大きさFD2(=|f2p|)は、第1実施形態における不感帯の大きさFD1(=|−k2・x1+f2p|)と比較してΔFD(=k2・x1>0)だけ大きく設定されることとなる。すなわち、デューティ比Dの値とスプール90の位置と相関関係にかかる誤差を吸収することのできる不感帯を大きくすることが可能となる。このように、本実施形態によれば、先の第1実施形態にて記載した(1)〜(9)の効果に加え、(10)不感帯を拡大することができ、種々の誤差によって駆動信号のデューティ比Dの値とスプール90の位置との相関関係が設計仕様上要求されるものと異なる状況が生じてもこれを好適に吸収することができる、といった効果を奏することができるようになる。
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記各実施形態に限られるものではなく、例えば以下に示す態様をもって実施することもできる。また以下の各変形例は、上記各実施形態についてのみ適用されるものではなく、異なる変形例同士を互いに組み合わせて実施することもできる。
・上記各実施形態では、駆動信号による駆動力Fa(x)及び第1のばね81による弾性力f1(x)及び第2のばね82による弾性力f2(x)のそれらの関係により、流量制御弁63に不感特性を付与するようにしたが、不感特性を形成するための構成はこれに限られない。例えば、駆動信号に対応して発生する駆動力が特定の範囲で変化しないアクチュエータを採用することで不感特性を流量制御弁に付与することもできる。こうした構成であっても、上述した(1)〜(10)の作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態では、不感特性が設定されるスプール90の特定位置を、流量制御弁63の第3のモードにおいて進角室47に供給される作動油の量が最も多くなる位置に設定したが、その他の第3のモードや第5のモードに設定することもできる。こうした構成であっても、上述した(1)、(3)及び(6)〜(10)の作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態では、ロック機構50がアンロック状態にあるときから連続的に駆動信号を減少させて同ロック機構50がロック状態に移行したときの駆動信号の値を学習するようにした。これに対して、ロック機構50がロック状態にあるときから連続的に駆動信号を増加させて同ロック機構50がアンロック状態に移行したときの駆動信号の値をアンロック指示値として求めるとともに、設計仕様上規定されるロック指示値と設計仕様上規定されるアンロック指示値との差分に基づいて先に求めたアンロック指示値を補正した値をロック指示値として学習するようにしてもよい。
この場合の一連の学習処理について、図19を参照して説明する。なお、この学習処理は内燃機関10がアイドル運転状態にあること等、種々の条件が成立しているときに実行される。
この一連の処理ではまず、ステップS210にて、ロック機構50がロック状態にあるか否かを判断する。ロック機構50がロック状態にあるか否かの判断は、クランク角センサ21及びカム角センサ22の検出信号に基づいて電子制御装置20によってなされる。このステップS210にてロック機構50がロック状態にない旨判断されるとこの処理を一旦終了する。
一方、ステップS210にてロック機構50がロック状態に旨判断したときには、ステップS220にて、種々の誤差を考慮しても、ロックピン51が確実に突出状態となる値にデューティ比Dを設定する。具体的には、流量制御弁63の給排状態を第2のモードにする等して、ロック機構50の解除室52から作動油が排出されることによりロックピン51が収容室46から突出した状態とする。そして、このようにデューティ比Dの値を設定した後、ステップS230にて、流量制御弁63が第3のモードとなるように、換言すればデューティ比Dの値が設計仕様上予め設定されているγ%に近づくようにデューティ比Dの値を徐々に増大させる。その結果、ロックピン51とロック穴54とが近接するようにバルブタイミングを徐々に進角させるとともに、ロック機構50の解除室52に作動油を供給することによりロックピン51を収容室46に収容する状態に移行させる。
そして次に、ステップS240では、こうした操作を通じてロックピン51がロック穴54から抜脱されたか否かを判断する。すなわち、クランク角センサ21及びカム角センサ22の検出信号に基づいて、バルブタイミングが中間角にて保持されている状態から進角する状態に移行したか否かを判断する。
このステップS240にてロックピン51がロック穴54から抜脱されていない旨判断されたとき、再びステップ230に戻り、同ステップS240にて肯定結果が得られるまでデューティ比Dの値を増大させる。一方、ステップS240にてロックピン51がロック穴54から抜脱された状態にある旨判断されたとき、ステップS250にて、そのときのデューティ比Dの値をロックピン51がロック穴54に嵌合された状態から抜脱された状態に移行するアンロック指示値として学習する。そしてステップS260では、このアンロック指示値を補正することによりロック指示値、すなわち、バルブタイミングを中間角に固定可能なロック指示値を求める。
すなわち、設計仕様上で正規の流量特性を有する流量制御弁63であれば、解除室52から作動油を排出してロックピン51をロック穴54に確実に嵌合することのできるデューティ比Dの値(ロック指示値)、解除室52に作動油を供給してロックピン51をロック穴54から確実に抜脱することのできるデューティ比Dの値(アンロック指示値)、そしてそれらの差分ΔD(図9参照)はいずれも設計仕様上規定されている。したがって、ステップS250にて求められた実際のアンロック指示値からこの差分ΔDを減算補正することにより、実際にロックピン51をロック穴54に嵌合するとことのできるロック指示値を求めることができる。こうした構成であっても、上述した(1)〜(6)、(10)の作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態では、ロック指示値を学習する際に、まず、バルブタイミングが最遅角であるか否かを判断するようにしたが、これを最遅角以外とすることもできる。すなわち、両回転体41,45の相対回転位相としてロックピン51がロック穴54よりも遅角側にある位相であるか否かを判断するようにすればよい。
・上記各実施形態では、駆動信号のデューティ比Dの値を変更することにより、駆動力Fa(x)を変更するようにしたが、駆動信号の電圧値、電流値を変更するようにしてもよい。こうした構成であっても、上述した(1)〜(10)の作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態では、アクチュエータとして駆動信号のデューティ比Dが増大するのに伴ってその駆動軸の突出量が増大するものを例に挙げたが、例えば駆動信号のデューティ比Dが増大するのに伴ってその駆動軸の突出量が減少するものを採用することもできる。すなわち、アクチュエータはスプールを適宜変位させることで流量制御弁の給排特性を変更できるものであればよい。
・流量制御弁63における各ポート間の連通面積sは、上記各実施形態にて例示した内容に限られるものではない。要するに、第1のモード〜第5のモードを選択的に切り替えることができるものであれば、いずれの流量制御弁63に対しても本発明を適用することが可能である。こうした構成であっても、上述した(1)〜(10)の作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態では、解除室52に給排される油圧により、ロックピン51をロック穴54に対して嵌脱する構成としたが、ロック穴54に作動油が給排される構成、或いは解除室52と併せてロック穴54に給排される油圧により、ロックピン51をロック穴54に対して嵌脱する構成を採用することもできる。
・上記各実施形態では、ロック機構50の構成として、第2の回転体45にロックピン51及び解除室52及びロック用ばね53が設けられるとともに、第1の回転体41にロック穴54が設けられる構成を採用したが、ロック機構50の構成はこれに限られるものではない。例えば、第1の回転体41にロックピン51及び解除室52及びロック用ばね53を設け、第2の回転体45にロック穴54を設けることもできる。こうした構成であっても、上述した(1)〜(10)の作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態のロック機構50は、第2の回転体45に設けられるロックピン51がロック用ばね53の弾性力により第1の回転体41に向けて突出して、同回転体41に設けられるロック穴54に嵌合することによりバルブタイミングが中間角に固定される構成としたが、これを次のように変更することもできる。すなわち、第1の回転体にロックピンが径方向に往復動可能に設けるとともに、第2の回転体には径方向に凹設されたロック穴を形成し、これらを嵌脱するようにしたロック機構を採用することもできる。こうした構成であっても、上述した(1)〜(10)の作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態のロック機構50に更に以下のような機能を付加するようにしてもよい。まず、第1の回転体41にロックピン51の周方向における移動軌跡に沿って延伸する態様のロック溝をロック穴54の遅角側に形成する。このロック溝はロック穴54よりもその深さを浅く設定する。こうした構成を採用した場合には、バルブタイミングが中間角に固定されることなく機関停止した後の機関始動時には、カムトルクの変動により、両回転体が相対回転する際に、ロックピン51がロック溝に没入して両回転体41,45の相対回転位相が所定範囲に規制されるようになる。そしてこのように相対回転可能な範囲がある程度規制された状況のもと、更に両回転体41,45がカムトルクの変動によって相対回転すると、ロックピン51がロック穴54に嵌合されてバルブタイミングが中間角に固定されるようになる。すなわち、両回転体41,45の相対回転可能な位相を徐々に制限することにより、ロックピン51がロック穴54に速やかに嵌合してバルブタイミングを中間角に固定することができるようになる。こうした構成であっても、上述した(1)〜(10)の作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態では、1つのロックピン51を1つのロック穴54に嵌合させて、バルブタイミングを中間角に固定するようにしたが、この機能を2つのロックピンと2つのロック穴とによって実現することもできる。すなわち、第1のロックピンを第1のロック穴に嵌合させて第2の回転体45が中間位相よりも進角側へ移動することを規制し、第2のロックピンを第2のロック穴に嵌合させて第2の回転体45が中間位相よりも遅角側へ移動することを規制してバルブタイミングを中間角に固定するようにしてもよい。こうした構成であっても、上述した(1)〜(10)の作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態では、可変機構40としてバルブタイミングを中間角に固定するロック機構50を備えるものを採用したが、ロック機構50により固定されるバルブタイミングは中間角に限られるものではなく、これを最進角または最遅角に変更することもできる。要するに、ロック機構50により固定されるバルブタイミングは、最進角及び最遅角及び中間角のいずれであってもよい。こうした構成であっても、上述した(1)〜(5)の作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態では、吸気弁31の可変機構40を備えるバルブタイミング制御装置に対して本発明を適用したが、排気弁34の可変機構を備えるバルブタイミング制御装置に対しても上記各実施形態に準じた態様をもって、本発明を適用することはできる。こうした構成であっても、上述した(1)、(2)、(5)〜(10)の作用効果を奏することができる。
・上記各実施形態では、バルブタイミングを弁開閉特性の代表例として挙げたが、同弁開閉特性にはそれ以外にも、吸気弁や排気弁について、その開弁時期、閉弁時期、開口量(リフト量)、開弁期間、吸気弁及び排気弁が双方とも開弁状態となる期間(バルブオーバーラップ)、並びにこれらを適宜組み合わせた特性も含まれる。
・可変機構40及び流量制御弁63の構成をはじめとして本発明の適用対象となるバルブタイミング制御装置の構成は上記各実施形態にて例示した内容に限られるものではない。すなわち、バルブタイミングを変更する可変機構と、この可変機構に対する作動油の給排状態を制御する流量制御弁とを備えるものであれば、いずれのバルブタイミング制御装置に対しても本発明を適用することは可能であり、その場合にも上記各実施形態の作用効果に準じた作用効果を奏することはできる。
10…内燃機関、11…クランクシャフト、20…電子制御装置、21…クランク角センサ、22…カム角センサ、31…吸気弁、32…カム、33…カムシャフト、34…排気弁、35…カム、36…カムシャフト、40…可変機構、41…第1の回転体、41A…区画壁、42…ハウジング、43…スプロケット、44…カバー、45…第2の回転体、45A…ベーン、45B…ボス、46…収容室、47…進角室、48…遅角室、50…ロック機構、51…ロックピン、52…解除室、53…ロック用ばね、54…ロック穴、55…収容空間、60…作動油供給機構、61…オイルパン、62…オイルポンプ、63…流量制御弁、70…作動油回路、71…供給油路、72…排出油路、73…進角油路、74…遅角油路、75…解除用油路、80…ハウジング(規制部)、80a…内部空間、80b…規制部、80c…段差、81…第1のばね、82…第2のばね、83…可動部、83a…挿通孔、84…供給ポート、85…排出ポート、86…進角ポート、87…遅角ポート、88…解除油用ポート、89…供給ポート、90…スプール、91…小径弁、92…大径弁、92A…第1の弁、92B…第2の弁、92C…第3の弁、92D…第4の弁、92E…第5の弁、93…排出孔、94…導入孔、95…フランジ部、95a…フランジ、100…アクチュエータ(駆動部)、100a…駆動軸、202…可動部、202a…規制部、202b…係合部。

Claims (17)

  1. 駆動信号に対応した位置に変位する弁体を含み、吸気弁及び排気弁の少なくとも一方の弁開閉特性を保持及び変更可能な可変機構に対する作動油の給排状態を前記弁体の位置に応じて変更することにより前記弁開閉特性を制御する流量制御弁であって、
    前記駆動信号が変化しても前記弁体がその変位可能な範囲の両端を除く特定位置にて停止したままの状態となる不感特性を有するとともに、前記弁体にかかる前記特定位置は、前記可変機構を通じて前記弁開閉特性をその目標値に変更するときの位置に設定される
    ことを特徴とする流量制御弁。
  2. 前記駆動信号を取り込んで同駆動信号に対応する大きさの駆動力にて前記弁体を所定方向に付勢する駆動部と、前記弁体の変位量に対応する大きさの弾性力にて同弁体を前記所定方向と反対方向に付勢するばね部とを更に含み、
    前記弁体は前記駆動部の駆動力及び前記ばね部の弾性力が平衡状態となることにより前記駆動信号に対応する所定の位置に停止するものであり、
    前記ばね部は前記弁体が前記特定位置にあるときには前記弁体を前記所定方向と反対方向に付勢する弾性力が所定幅の不感帯にある任意の値をとることが可能な非線形特性を有してなる
    請求項1に記載の流量制御弁。
  3. 前記ばね部は、
    前記弁体を前記所定方向と反対方向に付勢する第1のばねと前記弁体を前記所定方向に付勢する第2のばねと、
    前記弁体が前記駆動部の駆動力により前記所定方向に変位して前記特定位置に達するまで同弁体と係合して前記第2のばねの弾性力を伝達しつつ同弁体とともに変位可能な可動部と、
    前記弁体が前記駆動部の駆動力により前記特定位置から更に前記所定方向に変位するときに前記第2のばねの弾性力により所定の残留荷重が前記弁体に作用している状態で前記所定方向における前記可動部の変位を規制する規制部とを含む
    請求項2に記載の流量制御弁。
  4. 前記ばね部は、
    前記弁体を前記所定方向と反対方向にそれぞれ付勢する第1及び第2のばねと、
    前記弁体が前記駆動部の駆動力により前記特定位置から更に前記所定方向に変位するときに同弁体と係合して前記第2のばねの弾性力を伝達しつつ同弁体とともに変位可能な可動部と、
    前記弁体が前記駆動部の駆動力により前記所定方向に変位して前記特定位置に達するまで前記第2のばねが所定の予荷重を有する状態となるように前記所定方向と反対方向における前記可動部の変位を規制する規制部とを含む
    請求項2に記載の流量制御弁。
  5. 前記弁体は前記可変機構に対する作動油の給排状態に基づいて前記弁開閉特性を変更する際の速度が同一となる複数の位置に変位可能であり、それら複数の位置のいずれか一つが前記特定位置に設定される
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の流量制御弁。
  6. 内燃機関のクランクシャフトに駆動連結された第1の回転体と、吸気弁及び排気弁の少なくとも一方を所定のバルブタイミングにて開閉するカムシャフトに駆動連結された第2の回転体と、前記第1及び第2の回転体により区画形成されてそれら両回転体の相対回転位相をその油圧に基づいて変更する油圧室としての進角室及び遅角室と、これら油圧室に対する作動油の給排状態に基づきバルブタイミングを変更して同バルブタイミングをその目標角に保持する可変機構と、同可変機構に対する作動油の給排状態を変更する流量制御弁とを備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記流量制御弁として請求項1〜4のいずれか一項に記載の流量制御弁を具備し、
    その流量制御弁の弁体にかかる前記特定位置は、前記可変機構を通じてバルブタイミングがその目標角と一致するようにこれを変更するときの位置に設定される
    ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  7. 前記弁体にかかる前記特定位置は、バルブタイミングの変更速度をその可変範囲において相対的に大きい状態とするときの位置に設定される
    請求項6に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  8. 前記可変機構は吸気弁のバルブタイミングを変更するものである
    請求項6又は請求項7に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  9. 前記弁体にかかる前記特定位置は、前記吸気弁のバルブタイミングを進角させるときの位置に設定される
    請求項8に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  10. 前記弁体にかかる前記特定位置は、バルブタイミングの進角速度を最大とするときの位置に設定される
    請求項9に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  11. 請求項6〜10のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記可変機構はバルブタイミングが最進角状態と最遅角状態との間の中間角となるように前記両回転体の相対回転位相を中間位相に固定するものであってそのロック状態とアンロック状態とが前記流量制御弁を通じて制御される作動油の給排状態に基づいて切り替えられるロック機構を含み、
    前記弁体にかかる前記特定位置は、前記ロック機構をアンロック状態とし前記可変機構を通じてバルブタイミングをその目標角に変更するときの位置に設定される
    ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  12. 前記ロック機構は、
    前記第1の回転体及び前記第2の回転体の一方に形成された収容空間に収容されるロックピンと、
    前記収容空間に設けられて前記ロックピンの端部が前記収容空間から突出するように同ロックピンを付勢するロック用ばねと、
    前記収容空間において前記ロックピンを挟んでロック用ばねと反対方向に位置するとともに前記ロックピンが前記収容空間に収容されるように前記流量制御弁から供給される作動油の油圧に基づいてこれを付勢する解除室と、
    前記両回転体の他方に形成されて前記ロックピンの端部が嵌合可能なロック穴とを含み、
    前記解除室に対する作動油の給排状態が前記弁体の位置に応じて変更されることにより、前記ロックピンが前記ロック穴に嵌合されたロック状態と前記ロックピンが前記ロック穴から抜脱されたアンロック状態とが切り替えられる
    請求項11に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  13. 請求項12に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記ロックピンが突出するように前記解除室から作動油が排出されるとともに前記両回転体の回転軸を中心とする周方向において前記ロックピン及び前記ロック穴が予め設定された所定の距離をもって離間した離間状態からそれらが近接するように前記両回転体を相対回転させ、前記ロックピン及び前記ロック穴の位置が一致したときに前記ロックピンが前記ロック穴に嵌合して前記ロック機構がアンロック状態からロック状態に移行可能なロック位置に前記弁体が変位可能であって同弁体の位置を前記ロック位置とするときの前記駆動信号の値をロック指示値とし、
    更に前記ロックピン及び前記ロック穴が前記離間状態となるように前記可変機構を通じて前記両回転体を相対回転させる処理を前処理とし、前記ロックピン及び前記ロック穴が前記離間状態となったときに前記駆動信号を前記ロック指示値に保持する処理を後処理としたとき、
    前記ロック機構がアンロック状態にあり且つ機関運転状態が低負荷状態であることを条件にそれら前処理及び後処理を順次実行してバルブタイミングを前記中間角に固定する固定手段を更に備える
    ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  14. 請求項13に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記両回転体の相対回転位相を検出する検出手段と、
    前記ロック機構がアンロック状態にあり且つ機関運転状態が低負荷状態であるときに前記前処理を実行するとともに、前記駆動信号を前記ロック指示値側に連続的に変化させ、前記検出手段を通じて検出される相対回転位相の変化が停止したときの前記駆動信号の値を新たなロック指示値として学習する学習手段とを更に備える
    ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  15. 請求項13に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記両回転体の相対回転位相を検出する検出手段と、
    前記ロック機構がロック状態にあるときに前記駆動信号の値を前記ロック指示値から連続的に変化させることにより前記解除室から作動油が排出される状態から供給される状態として同解除室の油圧を上昇させ、前記検出手段を通じて検出される相対回転位相が停止状態から変化したときの前記駆動信号の値をアンロック指示値として求めるとともに、設計仕様上規定されるロック指示値及びアンロック指示値との差分に基づいて先に求めたアンロック指示値を補正した値を新たなロック指示値として学習する学習手段とを更に備える
    ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  16. 前記前処理を通じて前記ロックピン及び前記ロック穴を前記離間状態としたときにはバルブタイミングが中間角よりも遅角した状態となり、前記駆動信号の値を前記ロック指示値としたときにはバルブタイミングは進角側に変更される
    請求項13〜15のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  17. 請求項12〜16のいずれか一項に記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置において、
    前記流量制御弁は前記可変機構に対する作動油の給排状態として、
    前記進角室に作動油を供給するとともに前記遅角室から作動油を排出し且つ前記解除室から作動油を排出する第1のモードと、
    前記第1のモードであるときよりも少ない量の作動油を前記進角室に供給するとともに前記遅角室から作動油を排出し且つ前記解除室から作動油を排出する第2のモードと、
    前記進角室に作動油を供給するとともに前記遅角室から作動油を排出し且つ前記解除室に作動油を供給する第3のモードと、
    前記進角室及び前記遅角室に対する作動油の給排を停止し且つ前記解除室に作動油を供給する第4のモードと、
    前記進角室から作動油を排出するとともに前記遅角室に作動油を供給し且つ前記解除室に作動油を供給する第5のモードとを含むものであり、
    前記駆動信号の変化に基づいて前記弁体がその初期位置から変位したとき、
    前記弁体の位置が第1の領域にあるときには作動油の給排状態が第1のモードに設定され、
    前記弁体の位置が前記第1の領域よりも前記弁体の変位量が大きい第2の領域にあるときには作動油の給排状態が第2のモードに設定され、
    前記弁体の位置が前記第2の領域よりも前記弁体の変位量が大きい第3の領域にあるときには作動油の給排状態が第3のモードに設定され、
    前記弁体の位置が前記第3の領域よりも前記弁体の変位量が大きい第4の領域にあるときには作動油の給排状態が第4のモードに設定され、
    前記弁体の位置が前記第4の領域よりも前記弁体の変位量が大きい第5の領域にあるときには作動油の給排状態が第5のモードに設定される
    ことを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。
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