JPH1122498A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JPH1122498A
JPH1122498A JP9178602A JP17860297A JPH1122498A JP H1122498 A JPH1122498 A JP H1122498A JP 9178602 A JP9178602 A JP 9178602A JP 17860297 A JP17860297 A JP 17860297A JP H1122498 A JPH1122498 A JP H1122498A
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hydraulic
valve
oil
internal combustion
camshaft
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JP9178602A
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Nobuo Habu
信男 土生
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、バルブタイミング制御装置の消費
電力を低下させ、内燃機関の燃料消費率を向上させるこ
とを課題とする。 【解決手段】 本発明は、クランク軸側部材に対するカ
ムシャフト側部材の回転位相を進角もしくは遅角させる
べく一端から他端にわたって作動する位相変更部材と、
カムシャフト側部材の回転位相を進角させるべく位相変
更部材に油圧を印加する第1の油圧室と、カムシャフト
側部材の回転位相を遅角させるべく位相変更部材に油圧
を印加する第2の油圧室と、第1の油圧室、第2の油圧
室、オイルパン、オイルポンプを選択的に連通させる弁
体、及び電気式のアクチュエータを有する油圧制御弁と
を備えたバルブタイミング制御装置であり、油圧制御弁
は、アクチュエータの非通電時に、位相変更部材を一端
と他端との中間位置に保持すべく弁体を固定する弁体固
定手段を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の吸気弁
あるいは排気弁の開閉時期を制御するバルブタイミング
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関では、燃料消費率の向上や機関
出力の向上等の相反する要件を満たすべく、吸気弁や排
気弁の開閉時期を機関運転状態に応じた最適なタイミン
グに変更する可変バルブタイミング装置が用いられてい
る。
【0003】このような可変バルブタイミング装置とし
ては、例えば、クランクプーリとベルトを介して連結さ
れ、前記クランクプーリの回転力をカムシャフトに伝達
すべきタイミングプーリと、カムシャフトとの間に、前
記タイミングプーリ及び前記カムシャフトと噛合しつ
つ、軸方向に進退自在な筒状のピストンを設け、前記ピ
ストンとタイミングプーリの噛合面、もしくは前記ピス
トンとカムシャフトの噛合面を、螺旋状のはす歯(ヘリ
カルスプライン)で構成し、前記ピストンの進退によ
り、タイミングプーリに対するピストンの回転位相もし
くは前記ピストンに対するカムシャフトの回転位相を変
更し、その結果、前記タイミングプーリに対するカムシ
ャフトの回転位相を変更する装置がある。
【0004】前記可変バルブタイミング装置では、前記
ピストンの進退は油圧で制御され、前記ピストンを所望
の位置に保持する場合も油圧により筒体の進退を抑制す
るが、タイミングプーリの回転力をカムシャフトへ伝達
する際、前記ピストンは、タイミングプーリからの回転
力やその反力を受け、前記ヘリカルスプラインに沿って
回動しようとするので、前記油圧が前記ピストンを保持
しきれずにリークし、前記ピストンが移動してしまう虞
があった。
【0005】このような問題点を解決するものとして、
特開平6−330712号公報に記載されたバルブタイ
ミング調整装置がある。このバルブタイミング調整装置
は、ピストンに働く回転力により油がリークした際、リ
ーク量に対応する量の油を供給し、油圧の低下を防止し
て、前記ピストンを所望の位置に保持せしめようとする
装置である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したようなバルブ
タイミング調整装置は、電磁ソレノイド等の電気式のア
クチュエータにより駆動されて前記ピストンに印加すべ
き油圧を制御するオイルコントロールバルブを有してお
り、前記ピストンを進出方向端部と退行方向端部との中
間位置に保持する場合は、前記ピストンに作用する回転
力によりリークした油量を補うべく、オイルコントロー
ルバルブに駆動電流を供給し続けなければならない。こ
のため、消費電力の増加による燃料消費率の悪化を招く
という問題がある。
【0007】本発明は、上記したような問題点に鑑みて
なされたものであり、油圧式のバルブタイミング制御装
置において、油圧を制御するオイルコントロールバルブ
の消費電力を低下させ、内燃機関の燃料消費率を向上さ
せることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、以下のような手段を採用した。すなわ
ち、本発明は、クランク軸側部材に対するカムシャフト
側部材の回転位相を変更すべく一端から他端にわたって
作動する位相変更部材と、前記クランク軸側部材に対す
る前記カムシャフト側部材の回転位相が進角するよう前
記位相変更部材を作動させるべく油圧を発生する第1の
油圧室と、前記クランク軸側部材に対する前記カムシャ
フト側部材の回転位相が遅角するよう前記位相変更部材
を作動させるべく油圧を発生する第2の油圧室と、前記
第1の油圧室に連通する第1の油圧通路と、前記第2の
油圧室に連通する第2の油圧通路と、油を貯蓄する油貯
蓄手段と、前記油貯蓄手段の油を所定の圧力で吐出する
油圧発生源と、前記第1の油圧通路、前記第2の油圧通
路、前記油貯蓄手段、前記油圧発生源を選択的に連通さ
せる弁体、及び駆動電力に応じて前記弁体を駆動するア
クチュエータを有する油圧制御弁と、を備える内燃機関
のバルブタイミング制御装置であって、前記油圧制御弁
は、前記アクチュエータの非通電時に、前記位相変更部
材が前記一端と前記他端との中間位置に保持されるよう
前記第1の油圧室及び前記第2の油圧室に油圧を発生さ
せるべく、前記弁体を固定する弁体固定手段を備えるこ
とを特徴とする。
【0009】このように構成されたバルブタイミング制
御装置では、前記クランク軸側部材に対する前記カムシ
ャフト側部材の回転位相を進角させるときは、前記油圧
制御弁のアクチュエータは、前記第1の油圧通路と前記
油圧発生源とを連通させると同時に、前記第2の油圧通
路と前記油貯蓄手段とを連通させるよう前記弁体を駆動
する。
【0010】このとき、前記油圧発生源からの油圧が前
記第1の油圧通路を経て第1の油圧室に印加され、前記
第2の油圧室の油圧が前記第2の油圧通路を経て前記油
貯蓄手段へと戻されるので、第1の油圧室の油圧は、第
2の油圧室の油圧より大きくなる。その結果、前記位相
変更部材は、前記第1の油圧室の油圧を受けて一端側
(あるいは他端側)へ作動し、前記カムシャフト側部材
の回転位相を前記クランク軸側部材の回転位相より進め
る。
【0011】また、前記クランク軸側部材に対する前記
カムシャフト側部材の回転位相を遅角させるときは、前
記油圧制御弁のアクチュエータは、前記第1の油圧通路
と前記油貯蓄手段とを連通させると同時に、前記第2の
油圧通路と前記油圧発生源とを連通させるよう前記弁体
を駆動する。
【0012】このとき、前記油圧発生源からの油圧が前
記第2の油圧通路を経て第2の油圧室に印加され、前記
第1の油圧室の油圧が前記第1の油圧通路を経て前記油
貯蓄手段へと戻されるので、第2の油圧室の油圧は、第
1の油圧室の油圧より大きくなる。その結果、前記位相
変更部材は、前記第2の油圧室の油圧を受けて他端側
(あるいは一端側)へ作動し、前記カムシャフト側部材
の回転位相を前記クランク軸側部材の回転位相より遅く
らせる。
【0013】また、前記油圧制御弁は、前記クランク軸
側部材に対する前記カムシャフト側部材の回転位相を、
最も進んだ角度と最も遅れた角度との間の所望の角度に
保持する場合、アクチュエータに対する駆動電力の供給
を停止する。このとき、前記弁体固定手段は、前記位相
変更部材が前記一端と前記他端との中間位置に保持され
るよう前記弁体を固定するので、前記カムシャフト側部
材の回転位相が所望の角度に保持される。このように、
前記カムシャフト側部材の回転位相を所望の角度に保持
する際、電力が消費されず、バルブタイミング制御装置
の消費電力が低減する。
【0014】前記した弁体保持手段は、例えば、前記弁
体を所定の位置に固定する付勢手段であってもよい。
尚、上記したように構成されたバルブタイミング制御装
置では、アクチュエータが故障した場合、特に、前記位
相変更部材が吸気弁と排気弁のバルブオーバラップ量を
大きくする位置にあるとき前記アクチュエータが故障す
ると、内燃機関の運転状態とは無関係に前記弁体が固定
され、前記位相変更部材が吸排気弁のバルブオーバラッ
プ量を大きくする位置に保持されるので、吸入空気の慣
性効果が得られ難くい低負荷領域でもバルブオーバラッ
プ量が大きいままとなり、燃焼室から一旦排出された燃
焼ガスが燃焼室に逆流する、いわゆる内部EGR(Exha
ust Gas Recircuration:排気ガス再循環)が発生し、
混合気の燃焼不良や失火を招く。
【0015】このような症状は、アイドル時等の極低回
転域で顕著となり、内燃機関の振動増加やエンジンスト
ール等を誘発する。そこで、本発明にかかるバルブタイ
ミング制御装置では、前記油圧制御弁は、前記弁体を所
定の位置に固定する付勢手段と、前記内燃機関の機関負
荷が小さい時に、前記吸排気弁のバルブオーバラップ量
を小さくする位置に前記位相変更部材が保持されるべ
く、前記付勢手段の付勢力を変更する付勢力変更手段と
を備えるようにしてもよい。
【0016】このように構成された油圧制御弁によれ
ば、前述したように前記位相変更部材が吸排気弁のバル
ブオーバラップ量を大きくする位置にあるときに前記ア
クチュエータが故障した場合でも、内燃機関の負荷が小
さくなると、前記付勢力変更手段が前記付勢手段の付勢
力を変更するので、前記弁体の位置が変更され、それに
伴って前記位相変更部材が吸排気弁のバルブオーバラッ
プ量を小さくする位置へ移動する。この結果、バルブオ
ーバラップに起因する内部EGRが抑制され、混合気の
燃焼不良が防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかる内燃機関の
バルブタイミング制御装置の実施の形態について図面に
基づいて説明する。
【0018】〈実施の形態1〉先ず、本発明の第1の実
施の形態について図1〜図5に基づいて説明する。図1
は、本発明にかかるバルブタイミング制御装置を適用す
る内燃機関1の概略構成を示す。
【0019】内燃機関1は、複数の気筒2を備え、各気
筒2には軸方向に摺動自在なピストン3が装填され、こ
のピストン3は、機関出力軸であるクランクシャフト5
9と連結される。前記ピストン3の上方には、燃焼室4
が形成され、この燃焼室4に臨むよう点火栓5が取り付
けられるとともに、吸気ポート6及び排気ポート7がそ
れぞれ燃焼室4に開口し、吸気ポート6を開閉する吸気
弁8と排気ポート7を開閉する排気弁9が設けられる。
【0020】そして、内燃機関1には、クランクシャフ
ト59が所定角度回転する都度、パルス信号を出力する
クランクポジションセンサ25と、冷却水の温度に対応
した電気信号を出力する水温センサ58とが取り付けら
れ、これらクランクポジションセンサ25及び水温セン
サ58の出力信号は、電気配線を介してエンジンコント
ロール用の電子制御ユニット:ECU28に入力され
る。
【0021】続いて、内燃機関1は、前記吸気弁8を開
閉駆動するインテーク側カムシャフト10と、前記排気
弁9を開閉駆動するエキゾースト側カムシャフト11を
備える。これらのインテーク側カムシャフト10とエキ
ゾースト側カムシャフト11の先端には、図2に示すよ
うに、タイミングプーリ10a、11aが取り付けら
れ、これらのタイミングプーリ10a、11aは、クラ
ンクシャフト59の先端に取り付けられたクランクプー
リ4aとタイミングベルト27を介して連結され、クラ
ンクシャフト59の回転が前記タイミングプーリ10
a、11aを介してインテーク側カムシャフト10及び
エキゾースト側カムシャフト11へ伝達されるようにな
っている。
【0022】そして、タイミングプーリ10a、11a
とクランクプーリ4aの歯数は、クランクシャフト59
が2回転する都度、インテーク側カムシャフト10及び
エキゾースト側カムシャフト11が1回転するよう設定
され、吸気弁8及び排気弁9がクランクシャフト59の
回転、すなわち、各気筒2の吸気行程、圧縮行程、膨張
行程、排気行程に同期して、所定のタイミングで開閉す
るようになっている。
【0023】さらに、前記インテーク側カムシャフト1
0には、インテーク側カムシャフト10の変位角度に応
じた電気信号を出力するカムポジションセンサ26が取
り付けられ、このカムポジションセンサ26の出力信号
は、電気配線を介してECU28に入力されるようにな
っている。
【0024】ここで図1に戻り、前記吸気ポート6は、
内燃機関1に取り付けられた吸気枝管13と連通し、前
記吸気枝管13はサージタンク14に連結され、サージ
タンク14は吸気管15を介してエアクリーナボックス
16と接続される。続いて、前記吸気枝管13には、そ
の噴孔が前記吸気ポート6に臨むよう燃料噴射弁21が
取り付けられ、前記吸気管15には、図示しないアクセ
ルペダルと連動して、前記吸気管15内の吸気通路を開
閉するスロットル弁17が設けられる。
【0025】そして、前記スロットル弁17が開弁する
と、エアクリーナボックス16を通過した新気は、前記
吸気管15を通ってサージタンク14に一旦蓄積され、
吸気脈動を平滑化された後、吸気枝管13を介して各シ
リンダ2の吸気ポート6へ分配及び供給される。続い
て、前記燃料噴射弁21より燃料が噴射され、前記吸気
弁8が開弁すると、前記吸気ポート6に供給された新気
は、前記燃料噴射弁21より噴射された燃料とともに燃
焼室4へ流れ込む。
【0026】さらに、前記サージタンク14には、サー
ジタンク14内の吸気圧力に対応した電気信号を出力す
る吸気圧センサ29が設けられ、前記スロットル弁17
には、スロットル弁17の開度に応じた電気信号を出力
するスロットルポジションセンサ30が取り付けられ
る。これら吸気圧センサ29及びスロットルポジション
センサ30は、それぞれ電気配線を介してECU28に
接続され、各センサの出力信号がECU28に入力され
るようになっている。
【0027】次に、前記排気ポート7は、内燃機関1に
取り付けられた排気枝管18と連通し、この排気枝管1
8は、排気浄化用の触媒19を介して排気管20に接続
される。そして、前記排気弁9が開弁すると、燃焼室4
から排出された排気は、前記排気ポート7を経て排気枝
管18に流れ込み、次いで触媒19を通って排気管20
へと導かれ、図示しないマフラを経て大気中に放出され
る。
【0028】さらに、前記排気枝管18には、排気枝管
18内を流れる排気ガス中の酸素濃度に対応した電気信
号を出力する酸素センサ31が取り付けられる。この酸
素センサ31の出力信号は、電気配線を介してECU2
8に入力されるようになっている。
【0029】また、前記インテーク側カムシャフト10
のタイミングプーリ10aには、クランクシャフト59
に対するインテーク側カムシャフト10の回転位相を変
更する可変バルブタイミング機構12が取り付けられ
る。この可変バルブタイミング機構12は、第1の油圧
供給管36及び第2の油圧供給管37を介してオイルコ
ントロールバルブ22と接続される。
【0030】前記オイルコントロールバルブ22は、本
発明にかかる油圧制御弁を実現し、クランクシャフト5
9の回転力を駆動源とするオイルポンプ23と接続され
るとともに、内燃機関1の潤滑油を貯蓄するオイルパン
24と接続される。前記オイルポンプ23は、本発明に
かかる油圧発生源を実現し、前記オイルパン24は、本
発明にかかる油貯蓄手段を実現する。
【0031】そして、前記オイルコントロールバルブ2
2は、前記オイルポンプ23から圧送されてくる潤滑油
を前記可変バルブタイミング機構12へ供給するととも
に、前記可変バルブタイミング機構12に供給された潤
滑油をリークさせて前記オイルパン24へ返すことによ
り、前記可変バルブタイミング機構12に印加される油
圧を制御する。
【0032】ここで、可変バルブタイミング機構12及
びオイルコントロールバルブ22の構成について図3〜
図5に基づいて説明する。インテーク側カムシャフト1
0は、そのジャーナル部10bを、内燃機関1のシリン
ダヘッド1aとこれに取り付けられるベアリングキャッ
プ32とにより回転自在に支持される。そして、前記ジ
ャーナル部10bの外周には、前記ベアリングキャップ
32と当接する部位に、周方向に沿う2つの環状溝3
3、34が形成される(以下、基端寄りの環状溝33を
第1環状溝33、先端寄りの環状溝34を第2環状溝3
4と称する)。
【0033】これに対応して、前記ベアリングキャップ
32には、前記第1環状溝33と対向する位置で開口す
る第1油圧供給路32aと、前記第2環状溝34と対向
する位置で開口する第2油圧供給路32aとが形成され
る。これら第1及び第2油圧供給路32a、32bは、
第1及び第2の油圧供給管36、37を介してオイルコ
ントロールバルブ22と連通する。
【0034】続いて、前記ジャーナル部10bの軸中心
部には、第1油圧通路10fが形成され、前記ジャーナ
ル部10bの軸中心部からオフセットされた位置には、
前記第1油圧通路10fと略平行な第2油圧通路10h
が形成される。前記第1油圧通路10fの基端には、前
記第1環状溝33の一部と連通する連通路10gが形成
される。また、前記第2油圧通路10hの基端には、前
記第2環状溝34の一部と連通する連通路10iが形成
される。
【0035】次に、前記ジャーナル部10bの先端部に
は、タイミングプーリ10aが取り付けられる。その
際、タイミングプーリ10aは、前記ジャーナル部10
bの周方向に形成された環状突部10dと、前記ジャー
ナル部10の先端に取り付けられるカムシャフトスリー
ブ10cとに挟まれ、軸方向への移動を規制されつつ、
前記ジャーナル部10bに対して相対回動自在に取り付
けられる。尚、前記カムシャフトスリーブ10cは、本
発明にかかるカムシャフト側部材の一例であり、ピン3
8及びボルト39によって前記ジャーナル部10bに固
定され、前記ジャーナル10bと一体で回転する。
【0036】続いて、前記タイミングプーリ10aに
は、前記カムシャフトスリーブ10cを包囲するカバー
12aが取り付けられる。このカバー12aは、本発明
にかかるクランク軸側部材の一例であり、前記カムシャ
フトスリーブ10cの外径より径大な内径を有する有底
の筒体12dと、この筒体12dの基端側に位置し、前
記筒体12dより径大な内外径を有する筒体12cとを
一体成型してなる(以下、小径な筒体を先端側小径部1
2d、大径な筒体を基端側大径部12cと称する)。そ
して、前記基端側大径部12cの基端には、フランジ1
2bが形成され、このフランジ12bが前記タイミング
プーリ10aの一側面にボルト44で固定される。
【0037】このとき、前記カムシャフトスリーブ10
cの外周と前記先端側小径部12dの内周とは、径方向
に所定間隔を介して対向し、これらの周面には、互いに
逆のねじれ角を有する螺旋状の溝(ヘリカルスプライ
ン)10e、12fが形成される。尚、前記カムシャフ
トスリーブ10c外周のヘリカルスプライン10eと前
記先端側小径部12d内周のヘリカルスプライン12f
とのいずれか一方は、ねじれ角をゼロとして、軸方向と
平行な直線溝を有するスプラインとしてもよい。
【0038】次に、前記先端側小径部12dと前記カム
シャフトスリーブ10cとの隙間には、ジャーナル10
bの軸方向に沿って進退自在な筒状の油圧ピストン40
が挿入される。この油圧ピストン40は、本発明にかか
る位相変更部材の一例であり、その基端にフランジ40
aが形成され、このフランジ40aが前記基端側大径部
12c内に位置するよう前記カバー12aと前記カムシ
ャフトスリーブ10cとの隙間に挿入される。その際、
前記フランジ40aの縁部は、前記基端側大径部12c
の内壁と液密且つ摺動自在に当接する。
【0039】そして、前記油圧ピストン40の内周に
は、前記カムシャフトスリーブ10c外周のヘリカルス
プライン10eと噛み合うヘリカルスプライン40bが
形成され、前記油圧ピストン40の外周には、前記先端
側小径部12d内周のヘリカルスプライン12fと噛み
合うヘリカルスプライン40cが形成され、これらヘリ
カルスプライン同士の噛み合いにより、タイミングプー
リ10aの回転が、カバー12a、油圧ピストン40、
カムシャフトスリーブ10cを経て、インテーク側カム
シャフト10に伝達される。
【0040】ここで、前記タイミングプーリ10a、前
記カバー12a、及びジャーナル1bにより囲まれた空
間は、前記油圧ピストン40のフランジ40aを境にし
て、基端側に位置する基端側空間部42と先端側に位置
する先端側空間部41との2室に分割される。前記先端
側空間部41は、本発明にかかる第1の油圧室に相当
し、前記ボルト39を軸方向に貫通する油圧通路39a
を介して、前記第1油圧通路10fと連通する。このと
き、前記先端側空間部41は、前記した油圧通路39
a、第1油圧通路10f、連通路10g、第1環状溝3
3、及び第1油圧供給路32aを介して、前記第1の油
圧供給管36と連通する。このように、油圧通路39
a、第1油圧通路10f、連通路10g、第1環状溝3
3、第1油圧供給路32a、及び第1の油圧供給管36
は、本発明にかかる第1の油圧通路を実現する。
【0041】次に、前記基端側空間部42は、タイミン
グプーリ10aに形成された連通路43を介して、前記
ジャーナル部10bの周方向に形成された第3環状溝3
5と連通し、この第3環状溝35の一部は、連通路10
jを介して第2油圧通路10hと連通する。このとき、
前記基端側空間部42は、前記した連通路43、第3環
状溝35、連通路10j、第2油圧通路10h、連通路
10i、第2環状溝34、及び第2油圧供給路32bを
介して、前記第2の油圧供給管37と連通する。このよ
うに、連通路43、第3環状溝35、連通路10j、第
2油圧通路10h、連通路10i、第2環状溝34、第
2油圧供給路32b、及び前記第2の油圧供給管37
は、本発明にかかる第2の油圧通路を実現する。
【0042】このように構成された可変バルブタイミン
グ機構12では、第1の油圧供給管36より油圧が印加
され、第2の油圧供給管37より油圧がリークされる
と、前記第1の油圧供給管36より印加された油圧が前
記先端側空間部41に印加され、前記基端側空間部42
に印加されていた油圧が第2の油圧供給管37へリーク
されるので、前記油圧ピストン40は、先端側から基端
側へ移動する。その際、油圧ピストン40は、前記先端
側小径部12dのヘリカルスプライン12fと前記油圧
ピストン40外周のヘリカルスプライン40cとの噛み
合いにより、前記カバー12aに対して相対回動すると
同時に、前記カムシャフトスリーブ10c外周のヘリカ
ルスプライン10eと前油圧ピストン40内周のヘリカ
ルスプライン40bとの噛み合いにより、前記カムシャ
フトスリーブ10cを相対回動させつつ移動する。
【0043】ここで、各ヘリカルスプライン12f、4
0c、40b、10eは、油圧ピストン40が前記カバ
ー12aに対して相対回動する方向と油圧ピストン40
が前記カムシャフトスリーブ10cを相対回動させる方
向とが一致するよう形成されるとともに、前記油圧ピス
トン40が先端側から基端側へ移動すると前記カムシャ
フトスリーブ10cの回転位相が前記カバー12aの回
転位相より進むよう形成されるので、前記カムシャフト
スリーブ10cは、前記カバー12aに対して、前記油
圧ピストンが前記カバー12aに対して相対回動した角
度と前記油圧ピストンが前記カムシャフトスリーブ10
cを相対回動させた角度とを加算した角度だけ進角する
ことになる。
【0044】また、第1の油圧供給管36より油圧がリ
ークされ、第2の油圧供給管37より油圧が印加された
場合、前記第2の油圧供給管37より印加された油圧が
前記基端側空間部42に印加され、前記先端側空間部4
1に印加されていた油圧が第1の油圧供給管36へリー
クされるので、前記油圧ピストン40は、基端側から先
端側へ移動する。その際、油圧ピストン40は、前記先
端側小径部12dのヘリカルスプライン12fと前記油
圧ピストン40外周のヘリカルスプライン40cとの噛
み合いにより、前記カバー12aに対して相対回動する
と同時に、前記カムシャフトスリーブ10c外周のヘリ
カルスプライン10eと前油圧ピストン40内周のヘリ
カルスプライン40bとの噛み合いにより、前記カムシ
ャフトスリーブ10cを相対回動させつつ移動する。
【0045】ここで、各ヘリカルスプライン12f、4
0c、40b、10eは、前記油圧ピストン40が基端
側から先端側へ移動すると前記カムシャフトスリーブ1
0cの回転位相が前記カバー12aの回転位相より遅れ
るよう形成されるので、前記カムシャフトスリーブ10
cは、前記カバー12aに対して、前記油圧ピストンが
前記カバー12aに対して相対回動した角度と前記油圧
ピストンが前記カムシャフトスリーブ10cを相対回動
させた角度とを加算した角度だ遅角することになる。
【0046】次に、前記オイルコントロールバルブ22
は、磁性材料を略筒状に形成したヨーク45と、このヨ
ーク45の先端側に連結される有底筒状のスリーブ49
を備える。前記ヨーク45は、軸中心部に進退自在に内
装されるムービングコア48と、2つのソレノイドコイ
ル46、47(前記スリーブ49側に位置するソレノイ
ドコイル47をメインソレノイド47、前記スリーブ4
9と反対側に位置するソレノイドコイル46をサブソレ
ノイド46と称する)とを備える。
【0047】前記メインソレノイド47と前記サブソレ
ノイド46は、コイルの巻線方向が互いに相反してお
り、前記メインソレノイド47のみに電流が印加された
ときは、前記ムービングコア48にはフレミングの法則
に従った駆動力が働き、前記スリーブ49側へ進出し、
前記サブソレノイド46のみに電流が印加されたとき
は、前記ムービングコア48には前記メインソレノイド
47に電流が印加されたときとは逆方向の駆動力が働
き、前記スリーブ49側と反対方向へ退行する。
【0048】続いて、前記スリーブ49は、前記スリー
ブ49の内径と略同径な外径を有する4つの大径部56
a、56b、56c、56dと、前記スリーブ49の内
径より径小な外径を有し、前記大径部56a、56b、
56c、56dを直列に連結するシャフト56eとから
なるスプール56を、軸方向に進退自在に内装する。
【0049】そして、前記スリーブ49の周壁には、ス
リーブ49の内部と外部とを連通する、5つの開口部5
0、51、52、53、54が形成され、開口部50が
前記第1の油圧供給管36に接続され、開口部51が前
記第2の油圧供給管37に接続され、開口部52、53
が前記オイルパン24に連通し、開口部54が前記オイ
ルポンプ23に連通する。
【0050】さらに、前記スリーブ49内の先端部分に
は、前記スプール56の先端に位置する大径部56dと
当接して前記スプール56を先端側から基端側へ付勢す
るスプリング55が内装され、前記スリーブ49内の基
端部分には、前記スプール56の基端に位置する大径部
56aと当接して前記スプール56を基端側から先端側
へ付勢するスプリング57が内装される。これらのスプ
リング55、57の付勢力は、前記スプール56が前記
開口部50及び前記開口部51と前記開口部54とを連
通させる位置で停止するよう設定される。
【0051】このように構成されたオイルコントロール
バルブ22では、メインソレノイド47及びサブソレノ
イド46に電流が印加されない場合は、上記したように
スプリング55、56の付勢力により、前記スプール5
6は、前記開口部50及び前記開口部51と前記開口部
54とを連通させる位置で停止する。このとき、オイル
ポンプ23より圧送される潤滑油は、開口部54よりス
リーブ49内へ流れ込み、次いで開口部50及び開口部
51を経て第1の油圧供給管36及び第2の油圧供給管
37へ流れる。
【0052】そして、前記第1及び第2の油圧供給管3
6、37に流れ込んだ潤滑油は、前記可変バルブタイミ
ング機構12の先端側空間部41及び基端側空間部42
の双方に供給され、その結果、先端側空間部41に印加
される油圧と基端側空間部42に印加される油圧が均等
になり、可変バルブタイミング機構12の油圧ピストン
40を所定の位置に保持する。
【0053】続いて、メインソレノイド47のみに電流
が印加された場合は、ムービングコア48が進出方向へ
移動し、スプール56を進出方向へ押す。そして、ムー
ビングコア48がヨーク45内を進出方向端部まで移動
すると、前記スプール56は、図4に示すように、スリ
ーブ49の開口部52を閉塞し、開口部50と開口部5
4を連通させ、さらに開口部51と開口部53を連通さ
せる。
【0054】これにより、オイルポンプ23より圧送さ
れる潤滑油が開口部54を経てスリーブ49内へ流れ込
み、次いで開口部50及び第1の油圧供給管36を経て
可変バルブタイミング機構12の先端側空間部41に供
給される。また、前記可変バルブタイミング機構12の
基端側空間部42内の潤滑油は、第2の油圧供給管37
及び開口部51を経てスリーブ49内へ流れ込み、次い
で開口部53を経てオイルパン24へと導かれる。
【0055】このとき、可変バルブタイミング機構12
の先端側空間部41の油圧が基端側空間部42の油圧よ
りも高くなり、油圧ピストン40が先端側から基端側へ
と移動する。
【0056】また、サブソレノイド46のみに電流が印
加された場合は、ムービングコア48が退行方向へ移動
し、スリーブ56を退行方向へ引っ張る。そして、前記
スプール56が退行方向の端部まで移動すると、前記ス
プール56は、図5に示すように、スリーブ49の開口
部53を閉塞し、開口部50と開口部52を連通させ、
さらに開口部51と開口部54を連通させる。
【0057】これにより、オイルポンプ23より圧送さ
れる潤滑油が開口部54を経てスリーブ49内へ流れ込
み、次いで開口部51及び第2の油圧供給管37を経て
可変バルブタイミング機構12の基端側空間部42に供
給される。また、前記可変バルブタイミング機構12の
先端側空間部41内の潤滑油は、第1の油圧供給管36
及び開口部50を経てスリーブ49内へ流れ込み、次い
で開口部52を経てオイルパン24へと導かれる。
【0058】このとき、可変バルブタイミング機構12
の基端側空間部42の油圧が先端側空間部41の油圧よ
りも高くなり、油圧ピストン40が基端側から先端側へ
と移動する。
【0059】このように、前記スプール56は本発明に
かかる弁体を実現し、前記メインソレノイド47及びサ
ブソレノイド46は本発明にかかるアクチュエータを実
現し、さらに前記スプリング55、57は本発明にかか
る弁体固定手段(付勢手段)を実現する。
【0060】ここで図1に戻り、ECU28は、クラン
クポジションセンサ25、カムポジションセンサ26、
吸気圧センサ29、スロットルポジションセンサ30、
酸素センサ31、あるいは水温センサ58等の各種セン
サからの出力信号を入力し、それらの出力信号値に基づ
いて、点火栓5、燃料噴射弁21、及びオイルコントロ
ールバルブ22を制御する。
【0061】以下、本実施の形態の作用及び効果につい
て述べる。ECU28は、オイルコントロールバルブ2
2を制御する際、例えば、クランクポジションセンサ2
5の出力信号より、クランクシャフト59の回転数、す
なわち内燃機関1の機関回転数:NEを算出し、次いで
吸気圧センサ29の出力信号(吸気圧力):PMを入力
し、これら機関回転数:NE及び吸気圧力:PMより機
関負荷:LDを算出する。そして、ECU28は、前記
機関負荷:LDと前記機関回転数:NEと吸気弁8の目
標変位角:VTTとの関係を示すマップより、前記機関
負荷:LD及び前記機関回転数:NEに対応する目標変
位角:VTTを求める。
【0062】そして、ECU28は、カムポジションセ
ンサ26の出力信号よりインテーク側カムシャフト10
の実際の変位角度(実変位角):VTを求め、実変位
角:VTを前記目標変位角:VTTとすべく、オイルコ
ントロールバルブ22を制御する。その際、ECU28
は、前記実変位角:VTと前記目標変位角:VTTとを
比較し、インテーク側カムシャフト10の実変位角を変
更するために使用されるデューティ比を算出する。
【0063】続いて、ECU28は、算出されたデュー
ティ比を、オイルコントロールバルブ22のメインソレ
ノイド47あるいはサブソレノイド46の駆動電流値に
換算し、算出された駆動電流値を前記メインソレノイド
47あるいは前記サブソレノイド46に印加する。
【0064】ここで、前記目標変位角は、内燃機関1の
負荷が大きいときは、クランクシャフト59に対するイ
ンテーク側カムシャフト10の回転位相を進角させるよ
う設定される。この場合、吸気弁8の開弁時期と排気弁
9の開弁時期とのバルブオーバラップ量が大きくなるの
で、吸入空気の慣性効果により燃焼室4に対する吸入空
気の充填効率が高められ、機関出力が向上する。
【0065】一方、前記目標変位角は、内燃機関1の負
荷が小さいときは、クランクシャフト59に対するイン
テーク側カムシャフト10の回転位相を遅角させるよう
設定される。この場合、吸気弁8の開弁時期と排気弁9
の開弁時期とのバルブオーバラップ量が小さく、あるい
はバルブオーバラップ量がゼロになるので、燃焼室4か
ら一旦排出された燃焼ガスが燃焼室4内へ逆流せず、内
部EGRの割合が低減され、混合気の燃焼不良が抑制さ
れる。
【0066】そして、前記目標変位角:VTTと前記実
変位角:VTとが一致したとき、ECU28は、実変位
角:VTを保持すべく前記オイルコントロールバルブ2
2を制御する。具体的には、ECU28は、前述した図
3の説明で述べたように、オイルコントロールバルブ2
2のメインソレノイド47及びサブソレノイド46に対
する通電を停止する。
【0067】このとき、オイルコントロールバルブ22
では、スプリング55の付勢力とスプリング57の付勢
力とが釣り合い、スプール56がスリーブ49の開口部
50及び51と開口部54とを連通させる位置に保持さ
れるので、オイルポンプ23からの潤滑油が前記開口部
54、50、51を介して第1の油圧供給管36及び第
2の油圧供給管37に印加され、次いで可変バルブタイ
ミング機構12の先端側空間部41と基端側空間部42
とに均等に印加される。
【0068】この結果、先端側空間部41の油圧と基端
側空間部42の油圧とが釣り合い、油圧ピストン40
は、先端側あるいは基端側への移動を停止し、その停止
位置に保持される。
【0069】このように、本実施の形態によれば、可変
バルブタイミング機構12において基端側と先端側の中
間位置に油圧ピストン40を保持する場合、すなわち、
吸気弁8の開閉時期を一定にする場合、オイルコントロ
ールバルブ22に対して電流を印加する必要がないの
で、可変バルブタイミング機構12の制御にかかる消費
電力が低減され、消費電力の増加による燃料消費率の悪
化を防止することができる。
【0070】尚、本実施の形態では、本発明にかかる油
圧制御弁として、メインソレノイド47及びサブソレノ
イド46の非通電時に、開口部54が開口部50と開口
部51とに同時に連通する位置、すなわちオイルポンプ
23からの油圧が先端側空間部41と基端側空間部42
とに同時に印加される位置にスプール56を固定するオ
イルコントロールバルブ22を例に挙げたが、非通電時
に、開口部54と開口部50とが連通すると同時に開口
部51が閉塞される位置、すなわちオイルポンプ23か
らの油圧が先端側空間部41に印加されると同時に前記
基端側空間部42が密閉される位置に前記スプール56
を固定するようにしてもよい。
【0071】〈実施の形態2〉次に、本発明の第2の実
施の形態について図6〜図7に基づいて説明する。尚、
図6〜図7では、前述の第1の実施の形態と同一の構成
要素については同一の符号を付加し、その説明は省略す
る。
【0072】前述の第1の実施の形態で述べたバルブタ
イミング制御装置では、オイルコントロールバルブ22
は、メインソレノイド47及びサブソレノイド46の非
通電時に、可変バルブタイミング機構12の先端側空間
部41及び基端側空間部42の双方に均等に油圧が印加
されるよう動作するので、例えば、吸気弁8の開閉時期
が進角した状態、すなわち吸排気弁8、9のバルブオー
バラップ量を増大させた状態で前記メインソレノイド4
7及び前記サブソレノイド46がフェイルした場合、オ
イルコントロールバルブ22が前記の進角状態を保持す
べく動作し、運転状態に関係なく前記の進角状態が保持
される。そして、内燃機関1の運転状態が低負荷領域に
なると、バルブオーバラップ量の増大に起因した燃焼不
良が発生してしまう。
【0073】そこで、本実施の形態に示すバルブタイミ
ング制御装置では、オイルコントロールバルブ22を図
6に示すような構成とした。すなわち、オイルコントロ
ールバルブ22には、スリーブ49の基端に、スプリン
グ57を内装する空間部65と連通し、前記空間部65
よりも径小な空間部64を形成する。そして、前記スリ
ーブ49には、前記空間部64とスリーブ49の外部と
を連通する開口部62を形成する。この開口部62は、
オイルポンプ23へと通じている。
【0074】続いて、前記空間部65には、スプリング
57より基端側に位置し、その外径が前記空間部65の
内径と略同一であり、且つ、中心部分に前記スプール5
6のシャフト56eを貫通させる孔を有する環状のスプ
リングストッパ60が、前記シャフト56の軸方向に沿
って往復動自在に収容される。
【0075】さらに、前記空間部65の周壁には、周方
向に沿って突出した環状の突起61が形成される。これ
により、前記スプリングストッパ60は、前記空間部6
4及び前記空間部65間の段差と前記突起61との間
を、前記スプール56の軸方向に沿って往復動自在とな
る。
【0076】ここで、スリーブ49に内装される2つの
スプリング55、57の付勢力は、前記スプリングスト
ッパ60が前記突起61と当接する位置、すなわち前記
スプリングストッパ60が最も先端寄りに位置するとき
に釣り合い、前記スプール56を、開口部50、51と
開口部54とを連通させる位置に保持するよう設定され
る。
【0077】そして、図7に示すように、前記スプリン
グストッパ60が前記空間部64、65の段差と当接す
る位置、すなわち前記スプリングストッパ60が最も基
端寄りに位置するときは、前記スプール56の基端側に
位置するスプリング57の付勢力は、前記スプール56
の先端側に位置するスプリング55の付勢力よりも弱く
なるので、前記スプール56が基端側へと移動され、そ
の結果、前記スリーブ49の開口部50と開口部52が
連通するとともに、開口部51と開口部54が連通す
る。このように構成されたオイルコントロールバルブ2
2では、前記スプリングストッパ60は、空間部64の
油圧とスプリング55、57の付勢力との大小関係によ
り動作する。そして、空間部64の油圧は、オイルポン
プ23の吐出力に応じて決定され、オイルポンプ23
は、クランクシャフト59の回転力を駆動力とするの
で、クランクシャフト59の回転数が低い場合は、オイ
ルポンプ23の吐出力が弱まり、前記空間部64の圧力
が低下する。一方、クランクシャフト59の回転力が高
い場合は、オイルポンプ23の吐出力が強くなり、前記
空間部の圧力が高くなる。
【0078】ここで、前記スプリング55、57の付勢
力は、上記したようにスプリングストッパ60が最も先
端寄りに位置するときに、スプール56が開口部50、
51と開口部54とを連通させる位置に保持されるよう
設定され、且つ、クランクシャフト59の回転数が所定
回転数以上の運転領域(すなわち、オイルポンプ23の
吐出力が所定値以上となる運転領域)では、空間部64
の油圧より小さくなるよう設定される。そして、前記所
定回転数は、内燃機関1のアイドル回転数の近傍に設定
することが好ましい。
【0079】前記スプリング55、57の付勢力を上記
したように設定すれば、機関回転数がアイドル回転数近
傍にあるとき、前記スプリング55、57の付勢力が前
記空間部64の油圧より大きくなり、前記スプリングス
トッパ60が最も基端寄りの位置(空間部64、65間
の段差と当接する位置)に保持される。そして、メイン
ソレノイド47及びサブソレノイド46が非通電状態に
あれば、前記スプリング55の付勢力が前記スプリング
57の付勢力より大きくなり、前記スプール56が基端
側へと移動し、オイルポンプ23からの油圧が基端側空
間部42に印加されると同時に、先端側空間部41の油
圧がオイルパン24へ返される。
【0080】一方、機関回転数がアイドル回転数近傍よ
り高いとき、前記空間部64の油圧が前記スプリング5
5、57の付勢力より大きくなり、前記スプリングスト
ッパ60が最も先端寄りの位置(突起61と当接する位
置)に保持される。そして、メインソレノイド47及び
サブソレノイド46が非通電状態にあれば、前記スプリ
ング55の付勢力と前記スプリング57の付勢力とは、
スプール56が開口部50、51と開口部54とを連通
させる位置にあるときに釣り合い、その結果、オイルポ
ンプ23からの油圧が先端側空間部41と基端側空間部
42とに均等に印加される。
【0081】このように、スプリングストッパ60と空
間部64は、本発明にかかる付勢力変更手段を実現す
る。以下、本実施の形態の作用及び効果について述べ
る。
【0082】ECU28は、前述の第1の実施の形態で
述べたように、各センサからの信号に基づいて、オイル
コントロールバルブ22を制御する。そして、オイルコ
ントロールバルブ22のメインソレノイド47あるいは
サブソレノイド46がフェイルした場合、オイルコント
ロールバルブ22では、その時点の機関回転数が所定回
数以上であれば、オイルポンプ23から空間部64に印
加される油圧が前記スプリング55、57の付勢力より
大きくなるので、スプリングストッパ60は、突起61
と当接する位置、すなわち最も先端側の位置に保持され
る。
【0083】スプリングストッパ60が最も先端側に位
置するとき、スプール56は、スプリング55、57に
より、開口部50、51と開口部54とを連通させる位
置に保持され、その結果、可変バルブタイミング機構1
2の先端側空間部64と基端側空間部65とに均等な油
圧が印加される。このとき、油圧ピストン40は、先端
側空間部64と基端側空間部65とから均等な油圧を受
けるので、先端側あるいは基端側への移動を停止し、そ
の停止位置に保持される。
【0084】そして、機関回転数が所定回転数未満にな
ると、前記空間部64の油圧が前記スプリング55、5
7の付勢力より小さくなるので、スプリングストッパ6
0は、最も基端寄りの位置(空間部64、65間の段差
と当接する位置)へ移動する。このように前記スプリン
グストッパ60が最も基端側に移動すると、前記スプリ
ング57の付勢力が前記スプリング55の付勢力よりも
弱くなり、その結果、スプール56が前記スプリング5
5の付勢力を受けて基端側へと移動し、開口部50と開
口部52とを連通させると同時に、開口部51と開口部
54とを連通させる位置に保持される。
【0085】このとき、可変バルブタイミング機構12
の先端側空間部41の油圧が第1の油圧供給管36を通
ってオイルコントロールバルブ22の開口部50へ達
し、次いで前記開口部50からオイルコントロールバル
ブ22内へ流れ込み、さらに前記オイルコントロールバ
ルブ22内から開口部52を経てオイルパン24へ返さ
れる。そして、オイルポンプ23からの潤滑油がオイル
コントロールバルブ22の開口部54を通ってオイルコ
ントロールバルブ22内へ流れ込み、次いで開口部51
を経て第2の油圧供給管37へ流れ、さらに前記第2の
油圧供給管37を経て可変バルブタイミング機構12の
基端側空間部42へ流れ込む。
【0086】このように、可変バルブタイミング機構1
2では、先端側空間部41の油圧がリークされるととも
に、基端側空間部42に油圧が印加されるので、基端側
空間部42の油圧が先端側空間部41の油圧より大きく
なり、油圧ピストン40は、前記基端側空間部42の油
圧を受けて先端側へと移動し、最も先端寄りの位置に保
持される。
【0087】この結果、クランクシャフト59に対する
インテーク側カムシャフト10の回転位相が遅れ、吸気
弁8の開閉時期が遅角され、吸気弁8と排気弁9とのバ
ルブオーバラップ量が減少する。
【0088】従って、本実施の形態によれば、前述の第
1の実施の形態と同様の効果が得られるとともに、吸気
弁8の開閉時期を進角させた状態でメインソレノイド4
7あるいはサブソレノイド46がフェイルした場合で
も、機関回転数がアイドル回転数近傍になると、クラン
クシャフト59に対するインテーク側カムシャフト10
の回転位相が遅らされ、吸排気弁8、9のバルブオーバ
ラップ量が減少されるので、内部EGRが抑制され、燃
焼不良を防止することができる。
【0089】
【発明の効果】本発明にかかる内燃機関のバルブタイミ
ング制御装置では、油圧制御弁のアクチュエータの非通
電時に、位相変更部材を一端と他端との中間位置に保持
すべく弁体が固定されるので、バルブタイミング制御装
置の消費電力が低減され、その結果、消費電力の増加に
起因する燃料消費率の低下を防止することができる。
【0090】また、油圧制御弁が付勢手段と付勢力変更
手段とを備えるようにすれば、アクチュエータが故障し
た場合、特に吸排気弁のバルブオーバラップ量が大きい
状態でアクチュエータが故障した場合に、その状態で位
相変更部材が固定されるが、内燃機関の負荷が小さくな
ると、前記付勢力変更手段により前記付勢手段の付勢力
が変更され、その結果、前記位相変更部材が吸排気弁の
バルブオーバラップ量を小さくする位置へ移動されるの
で、内部EGRが抑制され、混合気の燃焼不良が防止さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる内燃機関のバルブタイミング
制御装置を適用する内燃機関の概略構成図
【図2】 クランクシャフトの回転をインテーク側カム
シャフト及びエキゾースト側カムシャフトへ伝達するし
くみを説明する図
【図3】 第1の実施の形態における可変バルブタイミ
ング機構及びオイルコントロールバルブの構成を示す図
【図4】 第1の実施の形態における可変バルブタイミ
ング機構及びオイルコントロールバルブの動作を説明す
る図(1)
【図5】 第1の実施の形態における可変バルブタイミ
ング機構及びオイルコントロールバルブの動作を説明す
る図(2)
【図6】 第2の実施の形態における可変バルブタイミ
ング機構及びオイルコントロールバルブの構成を示す図
【図7】 第2の実施の形態における可変バルブタイミ
ング機構及びオイルコントロールバルブの動作を説明す
る図
【符号の説明】
1・・・・内燃機関 8・・・・吸気弁 9・・・・排気弁 10・・・インテーク側カムシャフト 10a・・タイミングプーリ 10b・・ジャーナル部 10c・・カムシャフトスリーブ 10e・・ヘリカルスプライン 10f・・第1油圧通路 10g・・連通路 10h・・第2油圧通路 10i・・連通路 10j・・連通路 11・・・エキゾースト側カムシャフト 12・・・可変バルブタイミング機構 12a・・カバー 22・・・オイルコントロールバルブ 23・・・オイルポンプ 24・・・オイルパン 32a・・第1油圧供給路 32b・・第2油圧供給路 33・・・第1環状溝 34・・・第2環状溝 35・・・第3環状溝 36・・・第1の油圧供給管 37・・・第2の油圧供給管 39a・・油圧通路 40・・・油圧ピストン 41・・・先端側空間部 42・・・基端側空間部 43・・・連通路 46・・・サブソレノイド 47・・・メインソレノイド 55・・・スプリング 56・・・スプール 57・・・スプリング 60・・・スプリングストッパ 64・・・空間部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランク軸側部材に対するカムシャフト
    側部材の回転位相を変更すべく一端から他端にわたって
    作動する位相変更部材と、 前記クランク軸側部材に対する前記カムシャフト側部材
    の回転位相が進角するよう前記位相変更部材を作動させ
    るべく油圧を発生する第1の油圧室と、 前記クランク軸側部材に対する前記カムシャフト側部材
    の回転位相が遅角するよう前記位相変更部材を作動させ
    るべく油圧を発生する第2の油圧室と、 前記第1の油圧室に連通する第1の油圧通路と、 前記第2の油圧室に連通する第2の油圧通路と、 油を貯蓄する油貯蓄手段と、 前記油貯蓄手段の油を所定の圧力で吐出する油圧発生源
    と、 前記第1の油圧通路、前記第2の油圧通路、前記油貯蓄
    手段、前記油圧発生源を選択的に連通させる弁体、及び
    駆動電力に応じて前記弁体を駆動するアクチュエータを
    有する油圧制御弁と、 を備える内燃機関のバルブタイミング制御装置であっ
    て、 前記油圧制御弁は、前記アクチュエータの非通電時に、
    前記位相変更部材が前記一端と前記他端との中間位置に
    保持されるよう前記第1の油圧室及び前記第2の油圧室
    に油圧を発生させるべく、前記弁体を固定する弁体固定
    手段を備えることを特徴とする内燃機関のバルブタイミ
    ング制御装置。
  2. 【請求項2】 前記弁体保持手段は、前記弁体を所定の
    位置に固定する付勢手段であることを特徴とする請求項
    1記載の内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】 前記弁体保持手段は、前記弁体を所定の
    位置に固定する付勢手段と、 前記内燃機関の機関負荷が小さくなると、前記内燃機関
    の吸排気弁のバルブオーバラップ量を小さくする位置に
    前記位相変更部材が保持されるべく、前記付勢手段の付
    勢力を変更する付勢力変更手段と、 を備えることを特徴とする請求項1記載の内燃機関のバ
    ルブタイミング制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011179385A (ja) * 2010-02-26 2011-09-15 Toyota Motor Corp 流量制御弁及びこれを具備する内燃機関のバルブタイミング制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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