JPH10115234A - 内燃機関のバルブタイミング制御装置 - Google Patents

内燃機関のバルブタイミング制御装置

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JPH10115234A
JPH10115234A JP8269986A JP26998696A JPH10115234A JP H10115234 A JPH10115234 A JP H10115234A JP 8269986 A JP8269986 A JP 8269986A JP 26998696 A JP26998696 A JP 26998696A JP H10115234 A JPH10115234 A JP H10115234A
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JP
Japan
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valve
intake
opening
intake valve
internal combustion
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Application number
JP8269986A
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English (en)
Inventor
Nobuo Habu
信男 土生
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】フューエルカット時のエンジンブレーキの働き
を向上させることができ、且つフューエルカット時の触
媒の劣化を低減させることのできる内燃機関のバルブタ
イミング制御装置を提供する。 【解決手段】エンジンには、吸気カムシャフトを進角又
は遅角させて吸気バルブの開弁時期を変更するバルブタ
イミング調整機構と、吸気バルブを開閉駆動するカムの
切り換えを行って同バルブのリフト量を変更するバルブ
リフト量調整機構とが設けられる。そして、フューエル
カット時には、バルブリフト量調整機構が制御されて破
線Y1で示すように吸気バルブの開弁時間が短くされ、
且つバルブタイミング調整機構が制御されて破線Y2で
示すように吸気バルブの開弁時期が早められる。その結
果、吸気行程中において吸気バルブが開いている時間が
短くなり、燃焼室へ吸入される空気の量が少なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のバルブ
タイミング制御装置に関し、特に内燃機関に設けられた
吸気バルブの開弁時期を調節する上で有効なバルブタイ
ミング制御構造の具現に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、車載用エンジン等の内燃機関
は、そのシリンダブロック内にピストンが往復移動可能
に設けられ、ピストンはコンロッドを介して内燃機関の
クランクシャフトに連結されている。そして、ピストン
の往復移動は、コンロッドによりクランクシャフトの回
転へと変換されるようになっている。
【0003】一方、シリンダブロックにはシリンダヘッ
ドが取り付けられ、シリンダヘッドとピストンの頭部と
の間には燃焼室が設けられている。シリンダヘッドには
燃焼室と連通する吸気通路及び排気通路が設けられてい
る。この吸気通路には同通路を流れる空気の量を制御す
るスロットルバルブと、吸気通路から燃焼室内へ向かっ
て燃料を噴射する燃料噴射弁とが設けられている。又、
排気通路には排気ガスを浄化するための触媒を備えた触
媒コンバータが接続されている。更に、シリンダヘッド
には、燃焼室内の混合ガスに点火するための点火プラグ
が設けられている。
【0004】ここで、吸気通路と燃焼室とは吸気バルブ
の開閉により連通・遮断され、排気通路と燃焼室とは排
気バルブの開閉により連通・遮断されるようになってい
る。それら吸気バルブ及び排気バルブを開閉させるため
のカムを備えたカムシャフトは、シリンダヘッドに回転
可能に支持されている。この吸気カムシャフト及び排気
カムシャフトは、タイミングベルト等を介して前記クラ
ンクシャフトに連結されている。
【0005】そして、内燃機関の吸気行程においては、
吸気バルブが開くとともに排気バルブが閉じられ、ピス
トンの移動により、燃料噴射弁から噴射される燃料と吸
気通路を流れる空気とからなる混合ガスが同吸気通路を
通って燃焼室へ吸入される。その後、圧縮行程において
吸気バルブと排気バルブとの両方が閉じられ、ピストン
の移動により燃焼室内の混合ガスが圧縮される。圧縮さ
れた混合ガスは点火プラグにより点火されて爆発し、そ
の爆発力によりピストンが前記と逆方向に移動して内燃
機関は爆発行程に移る。その後、内燃機関の排気行程に
おいて、吸気バルブが閉じるとともに排気バルブが開
き、ピストンの移動により燃焼室内の排気ガスが排気通
路及び触媒を介して外部へ排出される。
【0006】ところで、このように構成された内燃機関
においては、例えば特許開平5−5430号公報に記載
のバルブタイミング調節装置を用いることで、吸気バル
ブ及び排気バルブの開弁時期や開弁時間等の開閉特性を
変更することができ、ひいては内燃機関における出力の
向上やエミッションの低減等を図ることができるように
なる。
【0007】このバルブタイミング調節装置には、吸気
弁遅角制御装置とカム切換機構とが設けられている。吸
気弁遅角制御装置は、内燃機関の低負荷時に吸気カムシ
ャフトを遅角させて吸気バルブの開弁時期を遅らせ、内
燃機関の負荷が増大するに従い吸気カムシャフトを進角
させて吸気バルブの開弁時期を徐々に早くする。又、カ
ム切換機構は、カムシャフトに設けられた高回転用のカ
ムと低回転用のカムとの内のいずれかで吸気バルブを開
閉駆動するようにカムの切り換えを行い、そのカムの切
り換えにより吸気バルブの開弁時間及びバルブリフト量
を変更する。
【0008】即ち、カム切換機構は、内燃機関が所定回
転数以上のときには高回転用のカムが吸気バルブを開閉
駆動するようにカムの切り換えを行い、吸気バルブの開
弁時間を短くするとともにバルブリフト量を大きくす
る。又、カム切換機構は、内燃機関が所定回転数以下の
ときには低回転用のカムが吸気バルブを開閉駆動するよ
うにカムの切り換えを行い、吸気バルブの開弁時間を長
くするとともにバルブリフト量を小さくするようになっ
ている。
【0009】更に、内燃機関においては、エミッション
をより一層低減させたり燃料を節約したりするために、
例えばスロットルバルブ全閉で減速している場合に燃料
噴射弁から燃料が噴射されないように燃料カットする、
いわゆるフューエルカットが一般的に行われている。
【0010】従って、このような内燃機関では、吸気バ
ルブにおける開閉特性の変更により出力の向上やエミッ
ションの低減が図られ、しかもフューエルカットにより
エミッションの低減を一層確実に行うとともに燃費を向
上させることができるようになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記内燃機
関におけるフューエルカット時には、吸気行程の際に燃
焼室へ空気のみが吸入され、その後に燃焼室内の空気は
排気行程の際に排気通路及び触媒を介して外部へ排出さ
れる。その結果、触媒を通過する空気に含まれる酸素に
より触媒の劣化が促進されることになる。こうして触媒
が劣化した場合には、フューエルカットが解除されてい
る内燃機関の通常運転時において、HC、CO、NOx
等の排出が増加するなど、エミッションの悪化を招くこ
ととなる。
【0012】又、フューエルカット時において、吸気行
程の際には吸気バルブが開いているため、いわゆるエン
ジンブレーキの効きも悪くなっている。本発明はこのよ
うな実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、
燃料カット時のエンジブレーキの働きを向上させること
ができ、且つ燃料カット時の触媒の劣化を低減させるこ
とのできる内燃機関のバルブタイミング制御装置を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
め、請求項1記載の発明では、特に、内燃機関への燃料
供給がカットされたことを検出する燃料カット検出手段
と、前記燃料カット検出手段が燃料カットを検出したと
き、吸気バルブの開弁時期を早めるように開弁時期可変
手段を進角制御する制御手段とを備えた。
【0014】同構成によれば、内燃機関への燃料供給が
カットされると、吸気バルブの開弁時期が早められるた
め、吸気行程中において吸気バルブが開いている時間が
短くなる。従って、燃料カット時における吸気行程にお
いて、燃焼室へ空気を吸入させにくくして、エンジンブ
レーキの働きを向上させることができるようになる。
又、燃焼室へ空気が吸入されにくくなることにより、排
気行程の際に触媒へ送られる空気の量が少なくなるた
め、触媒の劣化を低減させることができるようになる。
【0015】請求項2記載の発明では、特に、吸気バル
ブを開閉駆動するために設けられたの第1のカムと、前
記吸気バルブを開閉駆動するために設けられ、その吸気
バルブを開閉駆動したときの開弁時間が、前記第1のカ
ムで前記吸気バルブを開閉駆動したときの開弁時間より
も長い第2のカムと、内燃機関の運転状態に応じて前記
第1及び第2のカムの切り換えを行うカム切換手段と、
前記内燃機関への燃料供給がカットされたことを検出す
る燃料カット検出手段と、前記燃料カット検出手段が燃
料カットを検出したとき、前記吸気バルブを開閉駆動す
るカムが前記第1のカムに切り換えられていることを条
件に、前記カム切換手段を制御するとともに、前記吸気
バルブの開弁時期を早めるように開弁時期可変手段を進
角制御する制御手段とを備えた。
【0016】同構成によれば、燃料カット時には、第1
のカムにより吸気バルブが開閉駆動され、その吸気バル
ブの開弁時間が短くされた状態で開弁時期が早められ
る。従って、吸気行程において吸気バルブが開いている
時間を、より一層短くすることができるようになる。
【0017】請求項3記載の発明では、前記制御手段
は、前記燃料カット検出手段が燃料カットを検出したと
き、前記吸気バルブの全開弁期間が前記内燃機関に設け
られた排気バルブの開弁期間に重なるよう前記開弁時期
可変手段を進角制御するものとした。
【0018】同構成によれば、燃料カット時には、吸気
バルブの全開弁期間が排気バルブの開弁期間と重なるた
め、吸気行程中において吸気バルブが開いている時間が
最も短くなる。その結果、触媒へ流れる空気の量が最小
限に抑えられるため、その空気に含まれた酸素による触
媒の劣化等がより確実に防止される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を自動車のエンジン
に具体化した一実施形態を図1〜図19に従って説明す
る。
【0020】図1及び図2に示すように、エンジン11
において、その下部にはスプロケット12aが取り付け
られたクランクシャフト12が回転可能に設けられ、
又、その上側にはシリンダブロック13が設けられてい
る。シリンダブロック13の上面にはシリンダヘッド1
4が取り付けられ、シリンダヘッド14には平行に延び
る吸気カムシャフト15及び排気カムシャフト16が回
転可能に支持されている。吸気カムシャフト15の端部
にはスプロケット17aを備えたバルブタイミング調整
機構17が取り付けられ、排気カムシャフト16の端部
にはスプロケット16aが取り付けられている。そし
て、スプロケット16a,17aは、タイミングチェー
ン18を介して、クランクシャフト12のスプロケット
12aに連結されている。又、吸気カムシャフト15に
は低リフト吸気カム19と高リフト吸気カム20とを備
えたバルブリフト量調整機構21が複数設けられ、排気
カムシャフト16には複数の排気カム22が固定されて
いる。
【0021】一方、図3に示すように、シリンダブロッ
ク13内にはピストン23が往復移動可能に設けられ、
ピストン23はコンロッド24を介してクランクシャフ
ト12に連結されている。ピストン23の往復移動は、
このコンロッド24によりクランクシャフト12の回転
へと変換されるようになっている。又、ピストン23の
頭部とシリンダヘッド14との間には燃焼室25が設け
られ、シリンダヘッド14には燃焼室25と連通する吸
気ポート26及び排気ポート27が設けられている。吸
気ポート26及び排気ポート27には、それぞれ吸気バ
ルブ28及び排気バルブ29が設けられている。
【0022】そして、吸気バルブ28の開閉により吸気
ポート26と燃焼室25とが連通・遮断され、排気バル
ブ29の開閉により排気ポート27と燃焼室25とが連
通・遮断される。この吸気バルブ28の開閉駆動は前記
吸気カムシャフト15の低リフト吸気カム19又は高リ
フト吸気カム20によって行われ、排気バルブ29の開
閉駆動は前記排気カムシャフト16の排気カム22によ
って行われるようになっている。
【0023】吸気ポート26及び排気ポート27には、
それぞれインテークマニホールド30及びエグゾースト
マニホールド31が接続されている。このインテークマ
ニホールド30内及び吸気ポート26内は吸気通路32
となっており、エグゾーストマニホールド31内及び排
気ポート27内は排気通路33となっている。
【0024】インテークマニホールド30において、そ
の上流側の端部にはフィルタ34aを備えたエアクリー
ナ34が設けられ、該エアクリーナ34よりも下流側に
はスロットルバルブ35が設けられている。スロットル
バルブ35の開度は自動車のアクセルを操作することに
より調節され、このスロットルバルブ35の開度調節に
より燃焼室25内へ吸入される空気の量が調節されるよ
うになっている。
【0025】又、インテークマニホールド30には、ス
ロットルバルブ35の開度を検出するためのスロットル
センサ36と、スロットルバルブ35よりも下流側に位
置する吸気通路32内の圧力を検出するための吸気圧セ
ンサ37とが設けられている。更に、インテークマニホ
ールド30における燃焼室25側の端部には、燃焼室2
5内へ向かって燃料を噴射するための燃料噴射弁38が
設けられている。この燃料噴射弁38は、空気が吸気通
路32を通って燃焼室25へ吸入されるとき、燃焼室2
5へ向けて燃料を噴射し、燃料及び空気からなる混合ガ
スを形成するようになっている。
【0026】又、シリンダヘッド14には、燃焼室25
へ吸入された混合ガスに点火するための点火プラグ39
aが設けられている。この点火プラグ39aは、エンジ
ン11に設けられたディストリビュータ39に接続され
ている。ディストリビュータ39には、エンジン11の
回転に連動して回転する図示しないロータと、ロータの
回転からエンジン11の回転数を検出する回転数センサ
40とが設けられている。
【0027】このように構成されたエンジン11におい
て、燃焼室25内に吸入された混合ガスに対して点火プ
ラグ39aにより点火が行われると、混合ガスは爆発し
て排気ガスになり排気通路33へ送り出される。排気通
路33内の排気ガスは、エグゾーストマニホールド31
における燃焼室25の下流側に接続された触媒コンバー
タ41を介して、外部へ排出されるようになっている。
この触媒コンバータ41には、排気ガスを浄化するため
の触媒41aが内蔵されている。
【0028】次に、前記バルブタイミング調整機構17
の具体的構成を説明する。図4に示すように、吸気カム
シャフト15のジャーナル15aが貫通するスリーブ7
1は、シリンダヘッド14の軸受部14aとカムキャッ
プ72とにより回転可能に支持されている。又、吸気カ
ムシャフト15はスリーブ71に対して回転可能となっ
ている。スリーブ71の先端側(図4中の左側)には、
吸気カムシャフト15の径方向に突出するフランジ71
aが設けられている。このフランジ71aの先端面に
は、前述したスプロケット17a及びカバー板73が、
吸気カムシャフト15の軸線方向へ順次重ねられてい
る。
【0029】一方、吸気カムシャフト15の先端には、
回転部材74がボルト75及びピン76により固定さ
れ、回転部材74は吸気カムシャフト15と一体回転す
るようになっている。その回転部材74、吸気カムシャ
フト15、スリーブ71及びシリンダヘッド14の軸受
部14aには、進角制御油路51及び遅角制御油路52
が図示の如く形成されている。
【0030】又、前記カバー板73の先端面には、回転
部材74を覆うように設けられたハウジング77が当接
している。そして、ハウジング77、カバー板73、ス
プロケット17a及びスリーブ71は、ボルト78及び
ピン79により一体回転可能に連結されている。
【0031】ここで、同バルブタイミング調整機構17
におけるこれら回転部材74及びハウジング77の詳細
構造について説明する。図5及び図6に示すように、ハ
ウジング77の内周面には、三つの溝部80がハウジン
グ77の周方向に等間隔に形成されている。又、回転部
材74の外周面には、その回転部材74の径方向へ突出
する三つのベーン81が、同回転部材74の周方向にこ
れも等間隔に設けられている。この各ベーン81はハウ
ジング77の各溝部80にそれぞれ挿入され、それら溝
部80内において各ベーン81の周方向両側には進角側
油圧室82及び遅角側油圧室83がそれぞれ区画形成さ
れている。そして、これら進角側油圧室82及び遅角側
油圧室83には、それぞれ前記進角制御油路51及び遅
角制御油路52が連通されている。
【0032】従って、こうしたバルブタイミング調整機
構17にあって、進角制御油路51から進角側油圧室8
2へオイルが供給されるとともに、遅角側油圧室83か
ら遅角制御油路52を介してオイルが排出されると、各
ベーン81の図6に矢指する態様での移動に基づき上記
回転部材74が同図6中右方向に回動し、スプロケット
17aに対する吸気カムシャフト15の相対回転位相が
変更される。因みに同バルブタイミング調整機構17に
あっては、前記タイミングチェーン18を介して伝達さ
れるクランクシャフト12の回転に基づき、スプロケッ
ト17a(ハウジング77)及び吸気カムシャフト15
は共に、図5,図6において右方向に回転する。従っ
て、この場合、吸気カムシャフト15はクランクシャフ
ト12に対して進角することとなり、吸気バルブ28の
開弁時期が早められるようになる。
【0033】又、遅角制御油路52から遅角側油圧室8
3へオイルが供給されるとともに、進角側油圧室82か
ら進角側制御油路51を介してオイルが排出されると、
各ベーン81の図5に矢指する態様での移動に基づき上
記回転部材74が同図5中左方向に回転し、スプロケッ
ト17aに対する吸気カムシャフト15の相対回転位相
が上記と逆方向に変更される。同バルブタイミング調整
機構17にあっては、この場合、吸気カムシャフト15
はクランクシャフト12に対して遅角することとなり、
吸気バルブ28の開弁時期が遅らされるようになる。
【0034】尚、こうした吸気バルブ28の開閉時期特
性の変更は通常、・エンジン11のアイドル時に、エン
ジン回転数の安定化を図るため、バルブオーバーラップ
が少なくなるように吸気バルブ28の開弁時期を早め
る。
【0035】・エンジン11が低回転高負荷状態のとき
に、出力トルクを向上させるために、吸気バルブ28の
閉弁を早める。・エンジン11が高回転状態のときに、
吸気効率を向上させるために、吸気バルブ28の閉弁を
遅くする。等々のかたちで実施される。
【0036】次に、前記バルブリフト量調整機構21の
具体的構成を説明する。図7に示すように、吸気カムシ
ャフト15には、前記低リフト吸気カム19及び高リフ
ト吸気カム20が取り付けられている。低リフト吸気カ
ム19は高リフト吸気カム20を挟むかたちで対に設け
られている。この両吸気カム19,20に対応する位置
には、前記吸気バルブ28が設けられている。又、両吸
気カム19,20には貫通孔19a,20aが設けら
れ、それら貫通孔19a,20aを吸気カムシャフト1
5が貫通している。そして、低リフト吸気カム19に設
けられた貫通孔19aの内周面は吸気カムシャフト15
の外周面に固着され、高リフト吸気カム20の貫通孔2
0aは吸気カムシャフト15よりも大径に形成されてい
る。
【0037】吸気カムシャフト15の軸線上には、その
軸線に沿って延びる油圧通路84が形成されている。油
圧通路84内には一対の受圧部材85が、吸気カムシャ
フト15の軸線方向へ略S字状に蛇行して延びるように
設けられている。又、吸気カムシャフト15には、一対
の孔86が同吸気カムシャフト15の径方向へ延びるよ
うに設けられている。この孔86には高リフト吸気カム
20に設けられた貫通孔20aの内周面から対向するよ
うに突出する一対のピン87が貫通し、それらピン87
は前記受圧部材85に接触している。一方、一対の受圧
部材85と油圧通路84の両端部との間にはそれぞれコ
イルスプリング88が設けられ、油圧通路84において
一対の受圧部材85の間に位置する部分には給排通路5
6が連通されている。
【0038】従って、こうしたバルブリフト量調整機構
21にあって、給排通路56から油圧通路84へオイル
が供給されると、油圧通路84内の油圧が上昇して一対
の受圧部材85がコイルスプリング86の付勢力に抗し
て互いに離間する方向に移動する。この移動により受圧
部材85が一対のピン87を介して高リフト吸気カム2
0を押し、その高リフト吸気カム20を低リフト吸気カ
ム19よりも吸気カムシャフト15の外側へ突出させ
る。その結果、吸気バルブ28は高リフト吸気カム20
によって開閉駆動されるようになる。
【0039】又、油圧通路84内のオイルが給排通路5
6を介して排出されると、油圧通路84内の油圧が下が
って一対の受圧部材85がコイルスプリング88の付勢
力により前記と逆方向へ移動する。この移動により受圧
部材85が一対のピン87を介して高リフト吸気カム2
0を引き、その高リフト吸気カム20を吸気カムシャフ
ト15の軸線へ向かって没入させる。その結果、吸気バ
ルブ28は低リフト吸気カム19によって開閉駆動され
るようになる。
【0040】尚、高リフト及び低リフト吸気カム20,
19で吸気バルブ28を開閉駆動した場合、吸気バルブ
28の開閉特性はそれぞれ図10に実線X及び破線Y1
で示される特性となる。即ち、高リフト吸気カム20で
開閉駆動されたときの吸気バルブ28のリフト量は、低
リフト吸気カム19で開閉駆動されたときの吸気バルブ
28のリフト量よりも大きくなる。又、高リフト吸気カ
ム20で開閉駆動されたときの吸気バルブ28の開弁時
間は、低リフト吸気カム19で開閉駆動されたときの吸
気バルブ28の開弁時間よりも長くなる。
【0041】これは、エンジン11の低回転時には低リ
フト吸気カム19で吸気バルブ28を開閉駆動してエン
ジン11への吸入空気量を少なくし、エンジン11の高
回転時には高リフト吸気カム20で吸気バルブ28を開
閉駆動してエンジン11への吸入空気量多くするためで
ある。
【0042】一方、吸気バルブ28が低リフト吸気カム
19で開閉駆動されているとき、前述したバルブタイミ
ング調整機構17を作動させて吸気バルブ28の開弁時
期を早めると、吸気バルブ28の開閉特性が図10に破
線Y1で示す状態から破線Y2で示す状態へと徐々に変
更される。そして、吸気カムシャフト15が最進角状態
になると、吸気バルブ28の開閉特性が破線Y2で示す
状態になり、吸気バルブ28の全開弁期間が、同図10
に実線Zで示す排気バルブ29の開弁期間と重なるよう
になっている。
【0043】次に、前記バルブタイミング調整機構17
及びバルブリフト量調整機構21に対してオイルを給排
し、同機構17,18を作動させるための油圧回路につ
いて説明する。
【0044】図8に示すように、バルブタイミング調整
機構17の進角制御油路51及び遅角制御油路52は、
オイルコントロールバルブ(OCV)53を介して、供
給通路54及び排出通路55に接続されている。又、バ
ルブリフト量調整機構21の給排通路56は、オイルス
イッチングバルブ(OSV)57を介して、供給通路5
4及び排出通路58に接続されている。
【0045】供給通路54は、例えば前記クランクシャ
フト12の回転に伴なって駆動されるオイルポンプ59
を介して、エンジン11の下部に設けられたオイルパン
60内に繋がっており、排出通路55,58は直接オイ
ルパン60内に繋がっている。尚、供給通路54はオイ
ルポンプ59よりも下流側において二股に分岐してお
り、その分岐した供給通路54がそれぞれOCV53及
びOSV57に接続されている。
【0046】OCV53は2位置4ポート型の電磁切換
弁であって、電磁ソレノイド61の消磁状態において
は、バネ62の付勢力によりA側流路を選択するように
切り換えられる。又、電磁ソレノイド61が励磁される
と、OCV53はB側流路を選択するように切り換えら
れる。
【0047】A側流路を選択するように切り換えられた
OCV53は、供給通路54と進角制御油路51とを連
通させ、且つ排出通路55と遅角制御油路52とを連通
させる。その結果、オイルパン60内のオイルは、オイ
ルポンプ59により、供給通路54、OCV53及び進
角制御油路51を介して、バルブタイミング調整機構1
7へ供給される。又、バルブタイミング調整機構17内
にあったオイルは、遅角制御油路52、OCV53及び
排出通路55を介して、オイルパン60内に戻される。
進角制御油路51からオイルが供給されたバルブタイミ
ング調整機構17は、前述したように吸気カムシャフト
15をクランクシャフト12に対して進角させ、吸気バ
ルブ28の開弁時期を早める。
【0048】一方、B側流路を選択するように切り換え
られたOCV53は、供給通路54と遅角制御油路52
とを連通させ、且つ排出通路55と進角制御油路51と
を連通させる。その結果、オイルパン60内のオイル
は、オイルポンプ59により、供給通路54、OCV5
3及び遅角制御油路52を介して、バルブタイミング調
整機構17へ供給される。又、バルブタイミング調整機
構17内にあったオイルは、進角制御油路51、OCV
53及び排出通路55を介して、オイルパン60内に戻
される。遅角制御油路52からオイルが供給されたバル
ブタイミング調整機構17は、前述したように吸気カム
シャフト15をクランクシャフト12に対して遅角さ
せ、吸気バルブ28の開弁時期を遅くする。
【0049】前記OSV57は2位置3ポート型の電磁
切換弁であって、電磁ソレノイド63の消磁状態におい
ては、バネ64の付勢力によりA側流路を選択するよう
に切り換えられる。又、電磁ソレノイド63が励磁され
ると、OSV57はB側流路を選択するように切り換え
られる。
【0050】A側流路を選択するように切り換えられた
OSV57は、供給通路54と給排通路56とを連通さ
せ、且つ排出通路58を遮断する。その結果、オイルパ
ン60内のオイルは、オイルポンプ59により、供給通
路54、OSV57及び給排通路56を介してバルブリ
フト量調整機構21へ供給される。この状態にあって
は、バルブリフト量調整機構21内の油圧が上昇し、前
述したように吸気バルブ28を開閉駆動するカムが低リ
フト吸気カム19から高リフト吸気カム20へ切り換え
られるように、同バルブリフト量調整機構21が作動す
る。
【0051】一方、B側流路を選択するように切り換え
られたOSV57は、排出通路58と給排通路56とを
連通させ、且つ供給通路54を遮断する。その結果、バ
ルブリフト量調整機構21内のオイルが、給排通路5
6、OSV57及び排出通路58を介してオイルパン6
0内へ戻され、同バルブリフト量調整機構21内のオイ
ルの油圧が減圧される。この状態にあっては、前述した
ように吸気バルブ28を開閉駆動するカムが高リフト吸
気カム20から低リフト吸気カム19へ切り換えられる
ように、バルブリフト量調整機構21が作動する。
【0052】次に、上記バルブイミング制御装置の電気
的構成を説明する。図9に示すように、バルブタイミン
グ制御装置に設けられた電子制御ユニット(以下「EC
U」という)89は、ROM90、CPU91、RAM
92及びバックアップRAM93を備えている。
【0053】ROM90には各種制御プログラムや、そ
の各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ
等が記憶され、CPU91はROM90に記憶された各
種制御プログラムに基づいて演算処理を実行するように
なっている。又、RAM92はCPU91での演算結果
や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶する
ようになっており、バックアップRAM93はエンジン
11の停止時に保存すべきデータを記憶するようになっ
ている。 そして、ROM90、CPU91、RAM9
2及びバックアップRAM93は、バス94を介して互
いに接続されるとともに、入力インターフェース95及
び出力インターフェース96と接続されている。
【0054】入力インターフェース95には前記回転数
センサ40、吸気圧センサ37及びスロットルセンサ3
6が接続され、出力インターフェース96には前記燃料
噴射弁38、OCV53及びOSV57が接続されてい
る。
【0055】次に、本実施形態のバルブタイミング制御
装置による制御態様を、図11〜図15のフローチャー
トを参照して説明する。尚、図11はバルブタイミング
制御についての制御ルーチンを示したものであり、図1
2はバルブリフト量制御についての制御ルーチンを示し
たものである。又、図13はアイドル時のフューエルカ
ット制御についての制御ルーチンを示したものであり、
図14は不整燃料噴射時のフューエルカット制御につい
ての制御ルーチンを示したものである。更に、図15は
フューエルカット時のバルブタイミング制御についての
制御ルーチンを示したものである。これら各制御はEC
U89を通じて所定の周期で繰り返し実行されるように
なっている。
【0056】図11に示すバルブタイミング制御ルーチ
ンにおいて、ECU89は、ステップS101の処理と
して、エンジン11の回転数を検出する回転数センサ4
0からの検出信号に基づきエンジン回転数neを読み込
む。併せて、ECU89はステップS102でエンジン
11の負荷、例えば吸気通路32内の圧力を検出する吸
気圧センサ37の検出値を読み込む。その後、ECU8
9はステップS103で、ROM90に記憶された図1
6に示すバルブタイミング進角マップを読み込む。この
バルブタイミング進角マップは、エンジン回転数neと
エンジン11のトルク(負荷)とをパラメータとするマ
ップである。
【0057】そして、エンジン11の運転状態が図中に
示される領域A内にある場合、ECU89はOCV53
を駆動制御して吸気カムシャフト15が進角するようバ
ルブタイミング調整機構17を作動させる。又、エンジ
ン11の運転状態が前記領域A内にない場合、ECU8
9はエンジン11の運転状態が図中に示される領域B内
にある場合を除き、OCV53の駆動制御により吸気カ
ムシャフト15が遅角するようバルブタイミング調整機
構17を作動させる。
【0058】次に、図12に示すバルブリフト量制御ル
ーチンにおいて、ECU89は、ステップS202の処
理として、回転数センサ40からの検出信号に基づきエ
ンジン回転数neを読み込む。併せて、ECU89はス
テップS202でエンジン11の負荷、例えば吸気圧セ
ンサ37からの検出値を読み込む。その後、ECU89
はステップS203で、ROM90に記憶された図17
に示すバルブリフト量切換マップを読み込む。このバル
ブリフト量切換マップも、エンジン回転数neとエンジ
ン11のトルク(負荷)とをパラメータとするマップで
ある。
【0059】そして、エンジン11の運転状態が図中に
示される直線Lよりも矢印α方向側に位置する場合、E
CU89はOSV57の駆動制御を行い、吸気バルブ2
8が高リフト吸気カム20で開閉駆動されるようにバル
ブリフト量調整機構21を作動させる。又、エンジン1
1の運転状態が直線Lよりも矢印β方向側に位置する場
合、ECU89はOSV57の駆動制御を行い、吸気バ
ルブ28が低リフトカム19で開閉駆動されるようにバ
ルブリフト量調整機構21を作動させる。
【0060】次に、図13に示すアイドル時フューエル
カット制御ルーチンにおいて、ECU89は、スロット
ルバルブ35の開度を検出するスロットルセンサ36か
らの検出信号に基づき、ステップS301の処理として
スロットルバルブ35が全閉か否かを判断する。そし
て、スロットルバルブ35が全閉でないとECU89が
判断した場合には、ECU89はこの制御ルーチンを一
旦終了する。又、スロットルバルブ35が全閉、即ちア
イドル状態であるとECU89が判断した場合には、ス
テップS302へ進む。
【0061】ECU89はステップS302で、回転数
センサ40からの検出信号に基づき、エンジン回転数n
eが回転数N1(例えば1400rpm)以上か否か判
断する。尚、回転数N1はROM90に予め記憶され、
その値はアイドル時のエンジン回転数よりも大きな値と
なっている。ここで、エンジン回転数neが回転数N1
よりも小さいとECU89が判断した場合には、ECU
89はこの制御ルーチンを一旦終了させる。又、エンジ
ン回転数neが回転数N1以上とECU89が判断した
場合にはステップS303に進む。
【0062】ECU89はステップS303の処理とし
て、アイドル時のフューエルカットフラグを「1」にセ
ットする。その後、ステップS304へ進み、ECU8
9は燃料噴射弁38への燃料供給をカット(フューエル
カット)する。
【0063】又、図14に示す不整噴射時フューエルカ
ット制御ルーチンでは、ECU89は、ステップS40
1の処理として、回転数センサ40からの検出信号に基
づき、エンジン回転数neが回転数N2(例えば160
0rpm)以上か否かを判断する。尚、回転数N2もR
OM90に予め記憶され、その値はアイドル時のエンジ
ン回転数よりも大きい値となっている。ここで、エンジ
ン回転数neが回転数N2よりも小さいとECU89が
判断した場合には、ECU89はこの制御ルーチンを一
旦終了させる。又、エンジン回転数neが回転数N2以
上とECU89が判断した場合にはステップS402に
進む。
【0064】ECU89は、ステップS402の処理と
して、エンジン回転数、吸気圧及びスロットル開度等に
基づき演算された燃料噴射弁38の燃料噴射時間TAU
が、ある所定の時間t以下であるか否かを判断する。
尚、時間tもROM90に予め記憶され、その値はスロ
ットルバルブ35が微小に開いたときの燃料噴射弁38
の燃料噴射時間TAUに対応した値になっている。ここ
で、燃料噴射時間TAUが時間tよりも大きいとECU
89が判断した場合には、ECU89はこの制御ルーチ
ンを一旦終了させる。又、燃料噴射時間TAUが時間t
以下、即ち不整噴射であるとECU89が判断した場合
にはステップS403に進む。
【0065】ECU89は、ステップS403の処理と
して、不整噴射時のフューエルカットフラグを「1」に
セットする。その後、スッテプS404へ進み、ECU
89は燃料噴射弁38への燃料供給をカット(フューエ
ルカット)する。
【0066】アイドル状態であれ、また不整燃料噴射時
であれ、上記のようにフューエルカットを行うことによ
り、エンジン11におけるエミッションの低減を図ると
ともに、燃料の消費を少なくして燃費を向上させること
ができるようになることは前述した通りである。
【0067】次に、図15に示すフューエルカット時バ
ルブタイミング制御ルーチンにおいて、ECU89は、
ステップS501の処理として、上述したアイドル時の
フューエルカットフラグが「1」にセットされているか
否かを判断する。そして、アイドル時のフューエルカッ
トフラグが「1」にセットされているとECU89が判
断した場合には、ステップS503へ進む。又、アイド
ル時のフューエルカットフラグが「1」にセットされて
いないとECU89が判断した場合には、ステップS5
02へ進む。
【0068】ECU89は、ステップS502の処理と
して、上述した不整噴射時のフューエルカットフラグが
「1」にセットされているか否かを判断する。そして、
不整噴射時のフューエルカットフラグが「1」にセット
されていないとECU89が判断した場合には、この制
御ルーチンを一旦終了させる。又、不整噴射時のフュー
エルカットフラグが「1」にセットされているとECU
89が判断した場合には、ステップS503へ進む。
【0069】このステップS503に進んだとき、エン
ジン11は、フューエルカットがなされているために図
16の領域B内に位置するような状態で運転されること
となり、またバブルリフト量調整機構21は吸気バルブ
28を低リフト吸気カム19で開閉駆動するように作動
されている。即ち、この状態にあっては、その吸気バル
ブ28の開閉特性が図10に破線Y1で示す状態にな
り、高リフト吸気カム20で開閉駆動されたときの吸気
バルブ28の開閉特性(図中の破線X)に比べ、同吸気
バルブ28の開弁時間が短くなるとともにリフト量が小
さくなっている。
【0070】そして、ECU89は、ステップS503
の処理として、OSV57を制御するための制御信号に
基づき、吸気バルブ28を開閉駆動するカムが低リフト
吸気カム19になっているか否かを判断し、該吸気バル
ブ28を開閉駆動するカムが低リフト吸気カム19にな
っていることを条件にステップS504へ進む。尚、こ
のとき、吸気バルブ28を開閉駆動するカムが低リフト
吸気カム19になっていないと判断される場合には、何
らかの異常が考えられるため、適宜のエラー処理を行な
うなどして、この制御ルーチンを一旦終了させる。
【0071】ECU89は、ステップS504の処理と
してOCV53の駆動制御を行い、吸気カムシャフト1
5が最進角状態となるようにバルブタイミング調整機構
17を作動させる。その結果、吸気バルブ28の開閉特
性が図10に破線Y2で示す状態となり、吸気バルブ2
8の全開弁期間が実線Zで示す排気バルブ29の開弁期
間と重なるようになる。
【0072】即ち、エンジン11の排気行程(BDC→
TDC)中に開く排気バルブ29の開弁時期に対し、前
述した吸気バルブ28の全開弁時期が重なることによ
り、エンジン11の吸気行程(TDC→BDC)中にお
いて吸気バルブ28が開いている時間が最も短くなる。
従って、フューエルカット時でのエンジン11の吸気行
程において、燃焼室25へ吸入される空気を最少にする
とともに、触媒コンバータ41へ送られる空気の量を最
少とすることができ、その空気に含まれる酸素による触
媒41aの劣化が確実に防止される。
【0073】又、一般に、フューエルカットを行なうよ
うなエンジンの低負荷時には、吸気バルブの開弁時期を
遅らせてバルブオーバーラップを短くし、エンジンの運
転状態を安定させることが行われている。その結果、従
来では吸気行程中において吸気バルブが開いている時間
が長くなるため、フューエルカット時における吸気行程
中のシリンダ内の負圧は図18に示すように比較的小さ
くなり、エンジンブレーキの効きが悪くなっていた。
【0074】しかし、本実施形態の装置では、上述した
ようなバルブタイミング制御及びバルブリフト量制御が
実行されることにより、フューエルカット時でのエンジ
ン11の吸気行程においてシリンダ内に空気が吸入され
にくくなる。従って、フューエルカット時において、吸
気行程中のシリンダ内の負圧が図19に示すように従来
よりも大きくなるため、その時のエンジンブレーキの効
きを向上させることができるようになる。
【0075】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、下記(a)及び(b)に示す効果が得られるように
なる。 (a)フューエルカット時には、吸気バルブ28を低リ
フト吸気カム19で駆動するようにカムの切り換えが行
われ、その吸気バルブ28の開弁時間が短くされる。更
に、その状態態で、吸気バルブ28の全開弁時期が排気
バルブ29の開弁時期と重なるまで、同吸気バルブ28
の開弁時期が早められる。従って、吸気行程中において
吸気バルブ28が開いている時間が最も短くなるため、
フューエルカット時での吸気行程において燃焼室25へ
吸入される空気を最少とすることができる。そのため、
フューエルカット時に触媒コンバータ41へ送られる空
気の量を最少とすることができ、その空気に含まれる酸
素による触媒41aの劣化を確実に防止することができ
る。
【0076】(b)フューエルカット時における吸気行
程中には、上述した理由により燃焼室25へ吸入される
空気が最少とされて、シリンダ内の負圧が従来よりも大
きくなるため、フューエルカット時のエンジンブレーキ
の効きを向上させることができる。
【0077】尚、本発明は、例えば以下のように変更し
て具体化することもできる。 (1)本実施形態のバルブタイミング調整機構17を、
例えば前記公報(特開5−5430号)に記載されてい
るようなリングギヤ式のものに変更してもよい。
【0078】(2)バルブリフト量調整機構21を省略
し、フューエルカット時には吸気バルブ28のリフト量
を変更せず、バルブタイミング調整機構17により同バ
ルブ28の開弁時期を早めるだけにしてもよい。この場
合、バルブタイミング制御装置の構成を簡略化すること
ができる。又、吸気行程中において吸気バルブ28が開
いている時間が従来よりは短くなるため、実施例に準じ
た効果を得ることはできる。
【0079】(3)本実施形態では、フューエルカット
時に吸気バルブ28の開弁期間全体が排気バルブ29の
開弁期間と重なるようにしたが、吸気バルブ28の開弁
期間の一部だけが排気バルブ29の開弁時期と重なるも
のであってもよい。この場合、吸気行程中における吸気
バルブ28が開いている時間が、従来及び上記(2)の
場合よりは短くなるため、上記(2)の効果よりも優
れ、且つ実施例に準じた効果を得ることはできる。
【0080】(4)本実施形態において、バルブリフト
量調整機構21は、例えば吸気バルブ28を駆動するカ
ムをロッカアームの選択によって変更するタイプのもの
であってもよい。
【0081】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、燃料カッ
ト時に吸気バルブの開弁時期が早められるため、吸気行
程中において吸気バルブが開いている時間が短くなる。
従って、燃料カット時における吸気行程において、燃焼
室へ空気を吸入させにくくして、エンジブレーキの働き
を向上させることができる。又、燃焼室へ空気が吸入さ
れにくくなることにより、排気行程の際に触媒へ送られ
る空気の量が少なくなるため、触媒の劣化を低減させる
ことができる。
【0082】請求項2記載の発明によれば、燃料カット
時には吸気バルブの開弁時間が短くされた状態で、その
吸気バルブの開弁時期が早められるため、吸気行程にお
いて吸気バルブが開いている時間を、より一層短くする
ことができる。
【0083】請求項3記載の発明によれば、燃料カット
時には、吸気行程中において吸気バルブが開いている時
間が最も短くなるため、触媒の劣化等をより確実に防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のエンジンを示す側面図。
【図2】同エンジンのシリンダヘッドを示す平面図。
【図3】同エンジンの内部構造を示す断面図。
【図4】バルブタイミング調整機構の構成を示す断面
図。
【図5】バルブタイミング調整機構の進角側及び遅角側
油圧室を示す断面図。
【図6】バルブタイミング調整機構の進角側及び遅角側
油圧室を示す断面図。
【図7】バルブリフト量調整機構の構成を示す断面図。
【図8】バルブタイミング調整機構及びバルブリフト量
調整機構に対するオイル給排の構造を示す油圧回路図。
【図9】バルブタイミング制御装置の電気的構成を示す
ブロック回路図。
【図10】吸気及び排気バルブの開閉特性を示すタイミ
ング図。
【図11】フューエルカット解除時におけるバルブタイ
ミング制御の制御態様を示すフローチャート。
【図12】フューエルカット解除時におけるバルブリフ
ト量制御の制御態様を示すフローチャート。
【図13】アイドル時におけるフューエルカット制御の
制御態様を示すフローチャート。
【図14】不整噴射時におけるフューエルカット制御の
制御態様を示すフローチャート。
【図15】フューエルカット時におけるバルブタイミン
グ制御の制御態様を示すフローチャート。
【図16】エンジン回転数とトルク(負荷)とをパラメ
ータとし、バルブタイミング制御時に使用するマップ。
【図17】エンジン回転数とトルク(負荷)とをパラメ
ータとし、バルブリフト量制御時に使用するマップ。
【図18】従来のエンジンにおける吸気行程中のシリン
ダ内圧を示す説明図。
【図19】本実施形態のエンジンにおける吸気行程中の
シリンダ内圧を示す説明図。
【符号の説明】
11…エンジン、17…バルブタイミング調整機構、1
9…低リフト吸気カム、20…高リフト吸気カム、21
…バルブリフト量調整機構、28…吸気バルブ、36…
スロットルセンサ、37…吸気圧センサ、38…燃料噴
射弁、40…回転数センサ、53…オイルコントロール
バルブ(OCV)、57…オイルスイッチングバルブ
(OSV)、89…電子制御ユニット(ECU)。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関に設けられた吸気バルブの開弁時
    期を調整する開弁時期可変手段を備えた内燃機関のバル
    ブタイミング制御装置において、 前記内燃機関への燃料供給がカットされたことを検出す
    る燃料カット検出手段と、 前記燃料カット検出手段が燃料カットを検出したとき、
    前記吸気バルブの開弁時期を早めるように前記開弁時期
    可変手段を進角制御する制御手段と、 を備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  2. 【請求項2】内燃機関に設けられた吸気バルブの開弁時
    期を調整する開弁時期可変手段を備えた内燃機関のバル
    ブタイミング制御装置において、 前記吸気バルブを開閉駆動するために設けられたの第1
    のカムと、 前記吸気バルブを開閉駆動するために設けられ、その吸
    気バルブを開閉駆動したときの開弁時間が、前記第1の
    カムで前記吸気バルブを開閉駆動したときの開弁時間よ
    りも長い第2のカムと、 前記内燃機関の運転状態に応じて前記第1及び第2のカ
    ムの切り換えを行うカム切換手段と、 前記内燃機関への燃料供給がカットされたことを検出す
    る燃料カット検出手段と、 前記燃料カット検出手段が燃料カットを検出したとき、
    前記吸気バルブを開閉駆動するカムが前記第1のカムに
    切り換えられていることを条件に、前記吸気バルブの開
    弁時期を早めるように前記開弁時期可変手段を進角制御
    する制御手段と、 を備えた内燃機関のバルブタイミング制御装置。
  3. 【請求項3】前記制御手段は、前記燃料カット検出手段
    が燃料カットを検出したとき、前記吸気バルブの全開弁
    期間が前記内燃機関に設けられた排気バルブの開弁期間
    に重なるよう前記開弁時期可変手段を進角制御するもの
    である請求項2記載の内燃機関のバルブタイミング制御
    装置。
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