JP2009024600A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関に適したバルブタイミングの調整と、打音の抑制とを実現するバルブタイミング調整装置の提供。
【解決手段】駆動軸と共に回転する第一回転体としてのハウジング18と、従動軸2と共に回転し、ハウジング18との間において進角室51〜54及び遅角室55〜58を回転方向に形成する第二回転体としてのベーンロータ14であって、進角室51〜54又は遅角室55〜58への作動油供給により従動軸2を駆動軸に対する進角側又は遅角側へ駆動するベーンロータ14と、駆動軸に対する従動軸2の位相を目標位相領域に制限する場合に、進角室51〜54へ作動油を供給するための進角供給期間及び遅角室55〜58へ作動油を供給するための遅角供給期間を交互に繰り返す供給制御手段としての制御部30と、を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の吸気弁及び排気弁の少なくとも一方である動弁の開閉タイミング(以下、「バルブタイミング」という。)を調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、駆動軸と共に回転する第一回転体としてのハウジングと、従動軸と共に回転する第二回転体としてのベーンロータとを備えたバルブタイミング調整装置が知られている。この種のバルブタイミング調整装置では、ハウジングのシューとベーンロータのベーンとの間において回転方向に形成した進角室又は遅角室へ作動流体を供給することにより、従動軸を駆動軸に対する進角側又は遅角側へ駆動してバルブタイミングを調整するようにしている。
こうした構成のバルブタイミング調整装置において従動軸には、例えば特許文献1に開示されるように、内燃機関の回転に応じて従動軸を進角させる側又は遅角させる側へ周期的に変動する変動トルクが作用する。ここで変動トルクは、例えば従動軸によって開閉駆動される動弁からのスプリング反力の他、従動軸によってメカポンプが駆動されるような場合には、当該メカポンプからの駆動反力等によって、発生するものである。このような変動トルクが従動軸を通じて伝達されるバルブタイミング調整装置では、当該変動トルクや、進角室及び遅角室への流体供給によって発生する回転トルク、また従動軸を付勢するスプリングを設けた場合にはその付勢トルク等、従動軸に作用するトルクがバランスすることによって、駆動軸に対する従動軸の位相(以下、「機関位相」という。)が決まることになる。
特開2006−63835号公報
さて、特許文献1に開示のように、進角室及び遅角室への流体供給用の電磁スプール弁を制御することによれば、機関位相を目標位相領域に制限してバルブタイミングを実質的に保持することができる。ここで、従動軸において変動トルクの平均トルクが他のトルク(例えば上記付勢トルク)とバランスするとき又は実質的に零になるとき(例えば従動軸の軸受フリクションが実質的に零のとき)には、電磁スプール弁から進角室及び遅角室の双方への流体供給を停止して、従動軸に作用する回転トルクを実質的に零にすることにより、機関位相を目標位相領域に制限することが可能になる。しかし、その場合には、変動トルクがピークトルクに達する等して比較的大きくなったときに、進角室又は遅角室が圧縮されて作動流体の流出を招き、ハウジングに対してベーンロータをばたつかせるおそれがある。こうしたばたつき現象は、機関位相を目標位相領域に正しく制限して内燃機関に適したバルブタイミングに調整することを難しくするのみならず、ベーンロータがハウジングと衝突することにより打音を生じさせることになるため、望ましくない。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、内燃機関に適したバルブタイミングの調整と、打音の抑制とを実現するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の駆動軸から吸気弁及び排気弁の少なくとも一方である動弁を開閉駆動する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、当該動弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、駆動軸と共に回転する第一回転体と、従動軸と共に回転し、第一回転体との間において進角室及び遅角室を回転方向に形成する第二回転体であって、進角室又は遅角室へ作動流体が供給されることにより、従動軸を駆動軸に対する進角側又は遅角側へ駆動する第二回転体と、進角室及び遅角室への作動流体の供給を制御する供給制御手段であって、機関位相を目標位相領域に制限する場合に、進角室へ作動流体を供給するための進角供給期間及び遅角室へ作動流体を供給するための遅角供給期間を交互に繰り返す供給制御手段と、を備えることを特徴とする。
このような発明によると、機関位相を目標位相領域に制限する場合には、進角供給期間及び遅角供給期間を交互に繰り返して進角室及び遅角室の一方を作動流体の供給状態とすることができる。これによれば、進角室や遅角室から作動油が流出し難くなるので、変動トルクの平均トルクが他のトルクとバランスした状態又は実質的に零の状態となっても、第一回転体に対する第二回転体のばたつきを抑制可能となる。したがって、機関位相を目標位相領域に正しく制限して内燃機関に適したバルブタイミングに調整すると共に、第一及び第二回転体の衝突による打音の発生を抑制することができるのである。
尚、進角供給期間及び遅角供給期間において進角室及び遅角室への作動流体の供給は、連続的に行われるものであってもよいし、断続的に行われるものであってもよい。
請求項2に記載の発明は、従動軸に作用する変動トルクの平均トルクとは反対側へ従動軸を付勢する付勢トルクを発生する弾性部材を備える。これによれば、機関位相を目標位相領域に制限する場合において、変動トルクの平均トルクが弾性部材の付勢トルクとバランスするようなことがあっても、進角供給期間及び遅角供給期間の繰り返しによって第二回転体のばたつきを抑制することができるのである。
請求項3に記載の発明によると、供給制御手段は、機関位相を目標位相領域に制限するための制限条件が成立し且つ当該機関位相に関する実位相が目標位相領域の進角端及び遅角端のうち平均トルクと反対側の端に達した場合に、進角供給期間及び遅角供給期間を交互に繰り返す。これによれば、機関位相の目標位相領域への制限中に変動トルクの平均トルクが弾性部材の付勢トルクとバランスすることにより、機関位相に関する実位相が目標位相領域の進角端及び遅角端のうち平均トルクと反対側の端に達するような場合には、確実に進角供給期間及び遅角供給期間を繰り返して、第二回転体のばたつきを抑制することができるのである。
請求項4に記載の発明によると、供給制御手段は、制限条件が成立し且つ実位相が平均トルクと反対側となる目標位相領域の進角端又は遅角端に達した場合に、実位相を目標位相領域内の中間位相へ戻した後、進角供給期間及び遅角供給期間を交互に繰り返す。これによれば、目標位相領域の端に達した実位相を当該領域内の中間位相へ戻した後に進角供給期間及び遅角供給期間が繰り返されることになるので、当該繰り返しの最初の期間によって実位相が目標位相領域から外れてしまう事態を防止することができる。
請求項5に記載の発明によると、内燃機関の回転数が高くなるほど増大する平均トルクの大きさが弾性部材の付勢トルクの最小値と一致するときの回転数を、基準回転数と定義すると、供給制御手段は、機関位相を目標位相領域に制限するための制限条件が成立し且つ内燃機関の実回転数が基準回転数以上となった場合に、進角供給期間及び遅角供給期間を交互に繰り返す。このような発明において、内燃機関の実回転数が基準回転数以上となるときには、変動トルクの平均トルクが弾性部材の付勢トルクとバランスする可能性が生じる。しかし、内燃機関の実回転数が基準回転数以上となった場合には、進角供給期間及び遅角供給期間が交互に繰り返されることになるので、変動トルクの平均トルクが弾性部材の付勢トルクとバランスしたとしても、第二回転体のばたつきを確実に抑制することができるのである。
請求項6に記載の発明によると、供給制御手段は、機関位相を目標位相領域に制限する間は継続して、進角供給期間及び遅角供給期間を交互に繰り返す。これによれば、変動トルクの平均トルクが他のトルクとバランスした状態又は実質的に零の状態にあっても、機関位相を目標位相領域に制限する間中、進角供給期間及び遅角供給期間の継続的な繰り返しが実現されることによって、第二回転体のばたつきを抑制することができるのである。
請求項7に記載の発明によると、進角室又は遅角室へ作動流体が供給されることにより、従動軸を駆動軸に対する進角側又は遅角側へ駆動する回転トルクが発生し、供給制御手段は、変動トルクに対して異周期の回転トルクを発生するように進角供給期間及び遅角供給期間を交互に繰り返す。これによれば、変動トルクに対して異周期の回転トルクを進角供給期間及び遅角供給期間の繰り返しにより発生させることで、当該回転トルクを変動トルクと対抗させて第二回転体のばたつきを抑制することができるのである。
尚、変動トルクに対して異周期の回転トルクとは、変動トルクに対して位相が完全に一致する回転トルクを除くものであり、変動トルクと周期の長さが相違するトルク並びに変動トルクと周期の長さは一致するが位相の反転した反転周期の逆位相トルクを含んでいる。
請求項8に記載の発明によると、進角室又は遅角室へ作動流体が供給されることにより、従動軸を駆動軸に対する進角側又は遅角側へ駆動する回転トルクが発生し、供給制御手段は、機関位相を目標位相領域に制限するための制限条件が成立し且つ進角室及び遅角室へ供給される作動流体の圧力が設定値以下となった場合に、進角供給期間及び遅角供給期間を交互に繰り返す。このような発明において、進角室及び遅角室へ供給される作動流体の圧力が設定値以下の低圧状態になると、当該作動流体の供給によって発生する回転トルクが小さくなり、変動トルクに起因する第二回転体のばたつきが生じ易くなる。しかし、上述した如き進角供給期間及び遅角供給期間の繰り返しによれば、作動流体の低圧状態下にあっても、第二回転体のばたつきを抑制することができるのである。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図1〜3は、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を車両の内燃機関に適用した例を示している。バルブタイミング調整装置1は、作動流体として作動油を用いる油圧制御式であり、排気弁のバルブタイミングを調整する。バルブタイミング調整装置1は、内燃機関の「駆動軸」であるクランクシャフト(図示しない)の駆動力を内燃機関の「従動軸」であるカムシャフト2へ伝達する駆動力伝達系において油圧駆動される駆動部10、並びに駆動部10への作動油供給を制御する「供給制御手段」としての制御部30を備えている。尚、本実施形態において排気弁を開閉駆動するカムシャフト2には、メカポンプである内燃機関用の燃料噴射ポンプ(図示しない)が連繋しており、カムシャフト2の回転に応じて当該燃料噴射ポンプが駆動されるようになっている。
(駆動部)
まず、駆動部10について説明する。駆動部10において、「第一回転体」としてのハウジング18は、スプロケット11、シューハウジング12及びフロントプレート13から構成されている。
シューハウジング12は円筒状に形成され、回転方向に略等間隔となる箇所から径方向内側へ突出する仕切部として複数のシュー12a,12b,12c,12dを有している。各シュー12a〜12dの突出側端面は、図2の紙面垂直方向から見て円弧状であり、ベーンロータ14のボス部14aの外周壁面に摺接する。各シュー12a〜12dの突出側端面に設けられた凹部には、シール部材15が嵌合装着されている。また、回転方向において隣り合うシュー12a〜12dの間には、それぞれ収容室50が形成される。各収容室50は、対応するシューの側面とシューハウジング12の内周壁面とで囲まれており、図2の紙面垂直方向から見て扇状である。
スプロケット11及びフロントプレート13はそれぞれ円筒状及び円環板状に形成され、それらの間にシューハウジング12を同軸上に挟持した状態で、当該シューハウジング12と共にボルト固定されている。スプロケット11は、図示しないタイミングチェーンを介してクランクシャフトと連繋している。これによりハウジング18は、内燃機関の運転によりクランクシャフトからスプロケット11へ駆動力が伝達されるときに、クランクシャフトと共に回転する。尚、このときハウジング18は、図2,3の時計方向へ回転する。
「第二回転体」としてのベーンロータ14はハウジング18内に収容されており、ベーンロータ14の軸方向の両端面はスプロケット11の内側面及びフロントプレート13の内側面に摺接する。ベーンロータ14は、円柱状のボス部14aと、ベーン14b,14c,14d,14eとを有している。
円筒状のブッシュ20は、フロントプレート13の内周側に相対回転可能に挿入された状態で、ボス部14aの一端部に同軸上に嵌合している。ボス部14aは、同軸上のカムシャフト2に対してブッシュ20と共にボルト固定されている。したがって、カムシャフト2及びブッシュ20と共にベーンロータ14は、図2,3の時計方向へ回転する。また、ベーンロータ14は、ハウジング18に対してカムシャフト2と共に相対回転可能である。尚、図2,3において、矢印Xは、ハウジング18に対するベーンロータ14の進角側Xへの相対回転方向を表し、また矢印Yは、ハウジング18に対するベーンロータ14の遅角側Yへの相対回転方向を表している。
アシストスプリング22は、「弾性部材」としてのねじりコイルスプリングであり、ブッシュ20の内周側に配置されている。アシストスプリング22の一端部は、ハウジング18に固定の係止ピン18aにより係止され、アシストスプリング22の他端部は、ベーンロータ14のボス部14aに設けられた係止溝部14fにより係止されている。アシストスプリング22が発生する復原力は、ハウジング18に対してベーンロータ14を進角側Xへ付勢する付勢トルクTとして働く。
各ベーン14b〜14eは、ボス部14aにおいて回転方向に略等間隔となる箇所から径方向外側へ突出し、それぞれ対応する収容室50内に収容されている。各ベーン14b〜14eの突出側端面は、図2の紙面垂直方向から見て円弧状に形成され、シューハウジング12の内周壁面に摺接する。各ベーン14b〜14eの突出側端面に設けられた凹部には、シール部材16が嵌合装着されている。
各ベーン14b〜14eは、それぞれ対応する収容室50を回転方向に二分することによって、進角室と遅角室とをハウジング18との間に形成している。具体的には、シュー12aとベーン14bの間に進角室51、シュー12bとベーン14cの間に進角室52、シュー12cとベーン14dの間に進角室53、シュー12dとベーン14eの間に進角室54がそれぞれ形成されている。また、シュー12dとベーン14bの間に遅角室55、シュー12aとベーン14cの間に遅角室56、シュー12bとベーン14dの間に遅角室57、シュー12cとベーン14eの間に遅角室58がそれぞれ形成されている。
したがって、ベーンロータ14がハウジング18に対して進角側Xの最端位置にあるときには、各進角室51〜54の容積が最大となり、各遅角室55〜58の容積が最小となる。一方、ベーンロータ14がハウジング18に対して遅角側Yの最端位置にあるときには、各遅角室55〜58の容積が最大となり、各進角室51〜54の容積が最小となる。
進角室51〜54はそれぞれ、スプロケット11に形成された進角通路61〜64と連通し、それら進角通路61〜64はいずれも、カムシャフト2に形成された進角通路71と連通している。一方、遅角室55〜58はそれぞれ、ベーンロータ14に形成された遅角通路65〜68と連通し、それら遅角通路65〜68はいずれも、カムシャフト2に形成された遅角通路72と連通している。
ベーン14bには、ストッパピン26が収容されている。ストッパピン26は、圧縮コイルスプリング28の復原力によりスプロケット11の嵌合リング27に嵌合することで、ベーンロータ14をハウジング18に対する進角側Xの最端位置に拘束する。一方、ストッパピン26は、スプロケット11に形成された通路29を通じて遅角室55から供給される作動油の圧力を受けて、嵌合リング27からの離脱位置に軸方向変位することで、ハウジング18に対するベーンロータ14の相対回転を許容する。
(制御部)
次に、制御部30について説明する。制御部30において、進角通路73及び遅角通路74はそれぞれ、カムシャフト2の進角通路71及び遅角通路72と連通する。
切換制御弁31は、進角通路73、遅角通路74、ポンプ通路75及びドレイン通路76,77と接続されている。ここでポンプ通路75には、流体供給源であるオイルポンプ4が設置されており、オイルポンプ4はポンプ通路75の上流側を通じてオイルタンク5から作動油を汲み上げ、ポンプ通路75の下流側を通じて作動油を切換制御弁31側へと吐出する。尚、本実施形態のオイルポンプ4は、クランクシャフトによって駆動されるメカポンプである。ドレイン通路76,77は、切換制御弁31からオイルタンク5側へ作動油を排出可能に設けられている。
切換制御弁31は、通電により電磁駆動部32が発生する駆動力と、リターンスプリング33が当該駆動力の反対向きに発生する復原力との釣り合いに応じて、スプール34を軸方向移動させる電磁スプール弁である。上述の如き通路73〜77の接続形態にある切換制御弁31は、電磁駆動部32に与えられる駆動電流に従ったスプール34の軸方向移動によって、ポンプ通路75及びドレイン通路76,77のうち進角通路73及び遅角通路74にそれぞれ連通する通路を切り換える。
具体的に、電磁駆動部32に与えられる駆動電流が基準値Iよりも小さい値となるときには、図4に示すように進角通路73がポンプ通路75と連通し、オイルポンプ4からの吐出油がポンプ通路75を通じて進角通路73へ供給される。またこのとき、図4に示すように遅角通路74がドレイン通路76と連通し、遅角通路74の作動油がドレイン通路76を通じてオイルタンク5へ排出される。
電磁駆動部32に与えられる駆動電流が基準値Iよりも大きい値となるときには、図5に示すように遅角通路74がポンプ通路75と連通し、オイルポンプ4からの吐出油がポンプ通路75を通じて遅角通路74へ供給される。またこのとき、図5に示すように進角通路73がドレイン通路77と連通し、進角通路73の作動油がドレイン通路77を通じてオイルタンク5へ排出される。
電磁駆動部32に与えられる駆動電流が基準値Iとなるときには、図6に示すように、進角通路73及び遅角通路74と、ポンプ通路75及びドレイン通路76,77との間の連通が遮断される。したがって、オイルポンプ4からの吐出油は進角通路73及び遅角通路74のいずれにも供給されず、また進角通路73及び遅角通路74の作動油は、それら通路73,74に滞留することとなる。
さて、図1に示す制御部30において制御回路36は、メモリ36aを有するマイクロコンピュータからなり、切換制御弁31への通電を制御する機能と共に、内燃機関の運転を制御する機能を備えている。具体的に制御回路36には、切換制御弁31の他、カム角センサ7やクランク角センサ8等の複数のセンサが電気接続されている。制御回路36は、クランクシャフトに対するカムシャフト2の機関位相に関して実位相及び目標位相を各センサの出力に基づき算出し、それら位相の算出結果に応じて切換制御弁31への通電、即ち当該弁31に与える駆動電流を制御する。尚、ここでカム角センサ7は、例えばカムシャフト2の周辺等に設置され、カムシャフト2の回転角を検出する。また、クランク角センサ8は、例えばクランクシャフトの周辺等に設置され、クランクシャフトの回転角を検出する。
以上、バルブタイミング調整装置1の駆動部10及び制御部30について説明した。以下、駆動部10に作用する変動トルクについて説明する。
(変動トルク)
内燃機関の運転時には、カムシャフト2によって開閉駆動される排気弁からのスプリング反力並びにカムシャフト2によって駆動される燃料噴射ポンプの駆動反力に応じて、変動トルクがカムシャフト2及びベーンロータ14に作用する。ここで図7に例示するように、変動トルクは、クランクシャフトに対するカムシャフト2の機関位相を遅角させる方向の正トルクと、当該機関位相を進角させる方向の負トルクとの間において、周期的に変動するものである。そして、特に本実施形態の変動トルクは、カムシャフト2とそれを軸受するジャーナル(図示しない)との間のフリクションに起因して、正トルクのピークトルクTc+が負トルクのピークトルクTc−よりも大きくなる傾向を示す。したがって、変動トルクの平均トルク(以下、「平均変動トルク」という。)Tcaは、本実施形態では、アシストスプリング22の付勢トルクTとは反対向きとなる正トルクの側、即ち遅角側Yに偏っていると共に、図8に示すように内燃機関の回転数が高くなるほど増大することとなる。
以上、駆動部10に作用する変動トルクについて説明した。以下、バルブタイミング調整装置1の特徴的作動について説明する。
(特徴的作動)
内燃機関の停止状態においては、圧縮コイルスプリング28の復原力によって、ストッパピン26が嵌合リング27に嵌合する。かかる停止状態の内燃機関が始動すると、オイルポンプ4が駆動されると共に、制御回路36が切換制御弁31に与える駆動電流を基準値Iよりも大きい値に制御することにより、遅角通路74がポンプ通路75と連通する。すると、オイルポンプ4の吐出油がポンプ通路75及び遅角通路74,72,65〜68を経て、各遅角室55〜58へ供給される。その結果、ストッパピン26は、通路29を通じて遅角室55からの作動油の圧力を受けることになるため、当該油圧が所定値まで上昇することにより、ストッパピン26が圧縮コイルスプリング28の復原力に抗して嵌合リング27から離脱する。したがって、ベーンロータ14がハウジング18に対して相対回転可能な状態となる。
この後、制御回路36は、切換制御弁31への通電を制御することにより、ポンプ通路75及びドレイン通路76,77のうち進角通路73及び遅角通路74と連通する通路を逐次切り換えて、バルブタイミングを調整する。以下、バルブタイミング調整のための詳細作動を説明する。
(1)進角作動
まず、バルブタイミングを進角させる場合の作動について説明する。内燃機関においてアクセルのオフ状態又は出力トルクが必要な低・中速高負荷状態を表す運転条件が成立すると、制御回路36は、切換制御弁31に与える駆動電流を基準値Iよりも小さい値に制御することにより、進角通路73をポンプ通路75と連通させると共に、遅角通路74をドレイン通路76と連通させる。その結果、オイルポンプ4の吐出油がポンプ通路75及び進角通路73,71,61〜64を経て、各進角室51〜54へ供給される。またこのときには、各遅角室55〜58の作動油が遅角通路65〜68,72,74及びドレイン通路76を経て、オイルタンク5へ排出される。これらにより、各進角室51〜54に面するベーン14b〜14eに作動油の圧力が印加され、ハウジング18に対する進角側Xへベーンロータ14を相対回転駆動するように回転トルクTが発生する。その結果、クランクシャフトに対するカムシャフト2の機関位相、ひいてはバルブタイミングが進角することとなる。
(2)遅角作動
次に、バルブタイミングを遅角させる場合の作動について説明する。内燃機関において軽負荷となる通常運転状態を表す運転条件が成立すると、制御回路36は、切換制御弁31に与える駆動電流を基準値Iよりも大きい値に制御することにより、遅角通路74をポンプ通路75と連通させると共に、進角通路73をドレイン通路77と連通させる。その結果、オイルポンプ4の吐出油がポンプ通路75及び遅角通路74,72,65〜68を経て、各遅角室55〜58へ供給される。またこのときには、各進角室51〜54の作動油が進角通路61〜64,71,73及びドレイン通路77を経て、オイルタンク5へ排出される。これらにより、各遅角室55〜58に面するベーン14b〜14eに作動油の圧力が印加され、ハウジング18に対する遅角側Yへベーンロータ14を相対回転駆動するように回転トルクTが発生する。その結果、クランクシャフトに対するカムシャフト2の機関位相、ひいてはバルブタイミングが遅角することとなる。
(3)保持作動
次に、バルブタイミングを実質的に保持する場合の作動について説明する。アクセルの保持状態等、内燃機関の運転安定状態を表す運転条件(以下、「安定条件」という。)が「制限条件」として成立すると、制御回路36は、まず、上記(1)の進角作動と同様に切換制御弁31への駆動電流を制御して各進角室51〜54へ作動油を供給することで、平均変動トルクTcaに抗する進角側Xの回転トルクTを発生させる。このとき制御回路36は、クランクシャフトに対するカムシャフト2の機関位相についてカム角センサ7及びクランク角センサ8の出力に基づく実位相Pを算出し、当該実位相Pを所定の目標位相領域ΔPに制限するように切換制御弁31への駆動電流を基準値Iより小さい範囲で調整する。その結果、バルブタイミングが実質的に保持されることとなる。
このようにしてバルブタイミングを実質的に保持しているときには、図8に黒丸にて例示するように、平均変動トルクTcaがアシストスプリング22の付勢トルクTとバランスすることがある。この場合、切換制御弁31への駆動電流を調整しても、当該調整が基準値Iよりも小さい範囲であることにより各進角室51〜54への作動油供給が継続されるため、平均変動トルクTcaの偏りとは反対側となる目標位相領域ΔPの進角端にまで実位相Pが達することとなる。したがって、この場合に制御回路36は、上記(2)の遅角作動と同様に切換制御弁31への駆動電流を制御して各遅角室55〜58へ作動油を供給することにより、実位相Pを目標位相領域ΔP内の中間位相へ戻した後、繰返供給処理を実行する。
具体的に繰返供給処理では、上記(1)の進角作動と同様に切換制御弁31への駆動電流を制御して各進角室51〜54へ油供給するための進角供給期間と、上記(2)の遅角作動と同様に切換制御弁31への駆動電流を制御して各遅角室55〜58へ油供給するための遅角供給期間とを、図9〜11の各分図(b)の如く交互に繰り返す。このとき実位相Pについては、目標位相領域ΔPに制限することで、バルブタイミングの保持を継続させる。
ここで、特に本実施形態の繰返供給処理では、進角供給期間の全域で各進角室51〜54への油供給を継続すると共に、遅角供給期間の全域で各遅角室55〜58への油供給を継続する。さらに、本実施形態の繰返供給処理では、内燃機関の回転数と変動トルクの変動周期ω(図7参照)との間の相関を表す相関情報に基づいて、現在の内燃機関の実回転数Nに応じた変動周期ωを算出し、図9〜11の各分図(a),(c)の如く当該変動周期ωとは異周期の回転トルクTを発生するように、進角供給期間及び遅角供給期間を交互に繰り返す。このとき回転トルクTの周期については、実位相Pが目標位相領域ΔPを超えない限りにおいて、図9(c)の如く変動トルクの変動周期ωよりも短いものであってもよいし、図10(b)の如く変動周期ωよりも長いものであってもよいし、図11(c)の如く変動周期ωと長さは同じであるが位相(進角・遅角)の反転した反転周期であってもよい。
尚、内燃機関の回転数と変動トルクの変動周期ωとの間の相関情報については、バルブタイミング調整装置1と共に車両に搭載される内燃機関の仕様に応じて、マップ、テーブル又は演算式等の形態で予め設定されるものであり、制御回路36のメモリ36aに記憶されて変動周期ωの算出に利用されるようになっている。但し、変動トルクの変動周期ωをカム角センサ7及びクランク角センサ8の出力から学習し、その学習結果に基づいてメモリ36aを相関情報を随時更新するようにしてもよい。
また、以上の保持作動については、「制限条件」としての上記安定条件が不成立となるまで、継続されることとなる。
このように、実位相Pを目標位相領域ΔPに制限する場合に平均変動トルクTcaが付勢トルクTとバランスしたとしても、当該制限下での進角供給期間及び遅角供給期間の繰り返しによって、進角室51〜54及び遅角室55〜58の一方には必ず作動油が供給されることになる。これによれば、比較的大きな変動トルクの作用下にあっても、進角室51〜54や遅角室55〜58から作動油が流出し難くなるので、アシストスプリング22の付勢トルクTを増大させなくても、ハウジング18に対するベーンロータ14のばたつきを抑制することができる。また、進角供給期間及び遅角供給期間は、変動トルクの変動周期ωと異周期の回転トルクTを発生するように繰り返されることになるので、当該回転トルクTが変動トルクに対抗してベーンロータ14のばたつき抑制効果が高められるのである。
以上、第一実施形態によれば、実位相Pを目標位相領域ΔPに正しく制限して内燃機関に適したバルブタイミングに調整すると共に、ハウジング18及びベーンロータ14間の衝突による打音の発生を抑制することが可能となる。
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。
図12に示すように、内燃機関によって駆動されるオイルポンプ4の作動油の吐出圧、即ち進角室51〜54及び遅角室55〜58へ供給される作動油の油圧は、内燃機関の回転数に追従して高くなる。また、作動油の油圧は、環境温度によっても変化する。
そこで、第二実施形態では、切換制御弁31への駆動電流を基準値Iよりも小さな範囲で調整してバルブタイミングを実質的に保持する通常の保持作動(以下、単に「通常の保持作動」という)の実行中に、実位相Pが目標位相領域ΔPの進角端に達し且つ作動油の圧力が設定値S以下となった場合には、制御回路36が実位相Pを目標位相領域ΔP内の中間位相へ戻した後、第一実施形態と同様な繰返供給処理を実行する。これによれば、作動油の圧力が設定値S以下という低油圧状態において発生し易くなるベーンロータ14のばたつきを、当該低油圧状態において確実に抑制することができるのである。
尚、通常の保持作動中に実位相Pが目標位相領域ΔPの進角端に達しても、作動油の圧力が設定値S(例えば250kPa程度)を超えている場合には、当該設定値S以下の場合よりもベーンロータ14のばたつきが発生し難くなる。そこで、この場合に本実施形態では、繰返供給処理を実行しないで、通常の保持作動を継続するのである。
(第三実施形態)
本発明の第三実施形態は第一実施形態の変形例である。図13に示すようにアシストスプリング22の付勢トルクTは、ハウジング18に対するベーンロータ14の相対回転位置、即ちクランクシャフトに対するカムシャフト2の機関位相が遅角側Yへ変化するほど増大する。また、第一実施形態(図8参照)で説明したように平均変動トルクTcaは、内燃機関の回転数が高くなるほど増大する。したがって、図14に示すように、平均変動トルクTcaの大きさが付勢トルクTの最小値Tsminと一致するときの内燃機関の回転数を基準回転数Nと定義すると、内燃機関の実回転数Nが当該基準回転数N以上となるときには、平均変動トルクTcaが付勢トルクTとバランスする可能性がある。
そこで、第三実施形態では、通常の保持作動中に実回転数Nが基準回転数N以上となった場合には、制御回路36が第一実施形態と同様な繰返供給処理を実行する。これによれば、平均変動トルクTcaが付勢トルクTとバランスした場合には、繰返供給処理によって確実にベーンロータ14のばたつきを抑制することができるのである。
尚、実回転数Nが基準回転数N未満の場合には、平均変動トルクTcaが付勢トルクTとバランスする可能性が低くなる。そこで、この場合に本実施形態では、繰返供給処理を実行しないで、通常の保持作動を継続するのである。
(第四実施形態)
本発明の第四実施形態は第一実施形態の変形例である。第四実施形態において制御回路36は、図15に示すように、「制限条件」としての安定条件が成立するのに応じて第一実施形態と同様な繰返供給処理を開始し、安定条件が不成立となるのに応じて当該繰返供給処理を終了する。即ち、本実施形態では、安定条件の成立により実位相Pを目標位相領域ΔPに制限する間中、繰返供給処理が継続されることとなる。したがって、第四実施形態によれば、平均変動トルクTcaがアシストスプリング22の付勢トルクTとバランスしたとしても、繰返供給処理によって確実にベーンロータ14のばたつきを抑制することができるのである。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
例えば、カムシャフト2とその軸受ジャーナルとの間のフリクションをベアリングの介装によって実質的に零にすると共に、アシストスプリング22を設けないようにしてもよい。このような構成にあっても、第四実施形態と同様な繰返供給処理を継続する保持作動によって、ベーンロータ14のばたつきを抑制することが可能となる。
また、第一〜第四実施形態では、進角供給期間において各進角室51〜54への油供給を断続させるようにしてもよい。同様に、第一〜第四実施形態では、遅角供給期間において各遅角室55〜58への油供給を断続させるようにしてもよい。
さらに、第一実施形態では、通常の保持作動の実行中に実位相Pが目標位相領域ΔPの進角端に達した場合に、第一実施形態と同様な繰返供給処理を、遅角供給期間から即座に開始するように実行してもよい。同様に、第二実施形態では、通常の保持作動の実行中に実位相Pが目標位相領域ΔPの進角端に達し且つ作動油の圧力が設定値S以下となった場合に、第一実施形態と同様な繰返供給処理を、遅角供給期間から即座に開始するように実行してもよい。
またさらに、第三実施形態では、第二実施形態に準じて、通常の保持作動中に内燃機関の実回転数Nが基準回転数N以上となり且つ作動油の圧力が設定値S以下となった場合に、第一実施形態と同様な繰返供給処理を実行するようにしてもよい。同様に、第四実施形態では、「制限条件」としての安定条件が成立するのに応じて通常の保持作動を開始し、そその最中に作動油の圧力が設定値S以下となった場合に、第一実施形態と同様な繰返供給処理を実行するようにしてもよい。
加えて、第一〜第四実施形態では、ハウジング18がクランクシャフトと共に回転し、ベーンロータ14がカムシャフト2と共に回転する例を示した。しかし、本発明は、ベーンロータ14がクランクシャフトと共に回転し、ハウジング18がカムシャフト2と共に回転するバルブタイミング調整装置にも適用することができる。
さらに加えて、第一〜第四実施形態では、排気弁のバルブタイミングを制御するバルブタイミング調整装置に本発明を適用した例を示したが、本発明は、吸気弁のバルブタイミングを制御する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置にも適用することもできる。
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す構成図であって、駆動部に関する部分は図2のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1の駆動部の側面図である。 図1の制御部の作動を説明するための模式図である。 図1の制御部の作動を説明するための模式図である。 図1の制御部の作動を説明するための模式図である。 図1の駆動部に作用する変動トルクについて説明するための模式図である。 図1の駆動部に作用する平均変動トルクと、当該駆動部に発生する付勢トルクとについて説明するための模式図である。 図1のバルブタイミング調整装置の特徴を説明するための模式図である。 図1のバルブタイミング調整装置の特徴を説明するための模式図である。 図1のバルブタイミング調整装置の特徴を説明するための模式図である。 本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置の特徴を説明するための模式図である。 本発明の第三実施形態によるバルブタイミング調整装置の特徴を説明するための模式図である。 本発明の第三実施形態によるバルブタイミング調整装置の特徴を説明するための模式図である。 本発明の第四実施形態によるバルブタイミング調整装置の特徴を説明するための模式図である。
符号の説明
1 バルブタイミング調整装置、2 カムシャフト(従動軸)、4 オイルポンプ、5 オイルタンク、7 カム角センサ、8 クランク角センサ、10 駆動部、12 シューハウジング、12a,12b,12c,12d シュー、14 ベーンロータ(第二回転体)、14a ボス部、14b,14c,14d,14e ベーン、18 ハウジング(第一回転体)、20 ブッシュ、22 アシストスプリング(弾性部材)、30 制御部(供給制御手段)、31 切換制御弁、36 制御回路、36a メモリ、50 収容室、51,52,53,54 進角室、55,56,57,58 遅角室、61,62,63,64,71,73 進角通路、65,66,67,68,72,74 遅角通路、75 ポンプ通路、76,77 ドレイン通路、I 基準値、N 基準回転数、N 実回転数、P 実位相、ΔP 目標位相領域、S 設定値、Tca 平均変動トルク、Tc+,Tc− ピークトルク、T 付勢トルク、Tsmin 最小値、T 回転トルク、X 進角側、Y 遅角側、ω 変動周期

Claims (8)

  1. 内燃機関の駆動軸から吸気弁及び排気弁の少なくとも一方である動弁を開閉駆動する従動軸に駆動力を伝達する駆動力伝達系に設けられ、当該動弁の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、
    前記駆動軸と共に回転する第一回転体と、
    前記従動軸と共に回転し、前記第一回転体との間において進角室及び遅角室を回転方向に形成する第二回転体であって、前記進角室又は前記遅角室へ作動流体が供給されることにより、前記従動軸を前記駆動軸に対する進角側又は遅角側へ駆動する第二回転体と、
    前記進角室及び前記遅角室への作動流体の供給を制御する供給制御手段であって、前記駆動軸に対する前記従動軸の位相を目標位相領域に制限する場合に、前記進角室へ作動流体を供給するための進角供給期間及び前記遅角室へ作動流体を供給するための遅角供給期間を交互に繰り返す供給制御手段と、
    を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記従動軸に作用する変動トルクの平均トルクとは反対側へ前記従動軸を付勢する付勢トルクを発生する弾性部材を備えることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記供給制御手段は、前記駆動軸に対する前記従動軸の位相を前記目標位相領域に制限するための制限条件が成立し且つ当該位相に関する実位相が前記目標位相領域の進角端及び遅角端のうち前記平均トルクと反対側の端に達した場合に、前記進角供給期間及び前記遅角供給期間を交互に繰り返すことを特徴とする請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記供給制御手段は、前記制限条件が成立し且つ前記実位相が前記平均トルクと反対側となる前記進角端又は前記遅角端に達した場合に、前記実位相を前記目標位相領域内の中間位相へ戻した後、前記進角供給期間及び前記遅角供給期間を交互に繰り返すことを特徴とする請求項3に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記内燃機関の回転数が高くなるほど増大する前記平均トルクの大きさが前記付勢トルクの最小値と一致するときの前記回転数を、基準回転数と定義すると、
    前記供給制御手段は、前記駆動軸に対する前記従動軸の位相を前記目標位相領域に制限するための制限条件が成立し且つ前記内燃機関の実回転数が前記基準回転数以上となった場合に、前記進角供給期間及び前記遅角供給期間を交互に繰り返すことを特徴とする請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記供給制御手段は、前記駆動軸に対する前記従動軸の位相を前記目標位相領域に制限する間は継続して、前記進角供給期間及び前記遅角供給期間を交互に繰り返すことを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記進角室又は前記遅角室へ作動流体が供給されることにより、前記従動軸を前記駆動軸に対する進角側又は遅角側へ駆動する回転トルクが発生し、
    前記供給制御手段は、前記変動トルクに対して異周期の前記回転トルクを発生するように前記進角供給期間及び前記遅角供給期間を交互に繰り返すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記進角室又は前記遅角室へ作動流体が供給されることにより、前記従動軸を前記駆動軸に対する進角側又は遅角側へ駆動する回転トルクが発生し、
    前記供給制御手段は、前記駆動軸に対する前記従動軸の位相を前記目標位相領域に制限するための制限条件が成立し且つ前記進角室及び前記遅角室へ供給される作動流体の圧力が設定値以下となった場合に、前記進角供給期間及び前記遅角供給期間を交互に繰り返すことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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