JP2009167810A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高応答性のバルブタイミング調整装置の提供。
【解決手段】方向制御弁100の弁部材130は、進角位置及び遅角位置で進角端部132a及び遅角端部132bが進角室及び遅角室に接続される接続通路132、接続通路132に形成される第一弁座152及び第二弁座162、遅角端部132b側から進角端部132a側への作動油流れにより第一弁座152に着座し逆方向の作動油流れにより離座する第一弁体154、進角端部132a側から遅角端部132b側への作動油流れにより第二弁座162に着座し逆方向の作動油流れにより離座する第二弁体164、接続通路132と連通し進角位置及び遅角位置で作動油が入力される入力通路134を有する。方向制御弁100の第一制限部材170及び第二制限部材180は、それぞれ弁部材130の進角位置及び遅角位置で、対応する弁体154,164の着座を制限する。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、クランク軸と連動して回転する駆動回転体としてのハウジング並びにカム軸と連動して回転する従動回転体としてのベーンロータを備えた流体駆動式のバルブタイミング調整装置が、広く用いられている。こうしたバルブタイミング調整装置の一種として特許文献1には、ハウジングとベーンロータとの間において回転方向に区画した進角室又は遅角室に作動流体を供給することで、カム軸をクランク軸に対する進角側又は遅角側に駆動してバルブタイミングを調整する装置が開示されている。
具体的に、特許文献1の装置は、方向制御弁において往復移動可能に設けた弁部材を進角位置又は遅角位置に駆動することにより、流体入力源から入力される作動流体を進角室又は遅角室に供給するものである。この装置において、進角室及び遅角室のうち一方に作動流体を供給するときには、進角室及び遅角室のうち他方から排出される作動流体を当該一方の流体室への供給に再利用するようにしている。これによれば、カム軸から伝達される変動トルクにより進角室及び遅角室のうち流体供給側が容積拡大することになっても、再利用の作動流体により当該容積拡大分を補って、応答性を高めることが可能となる。尚、ここで変動トルクは、カム軸をクランク軸に対する進角側と遅角側とに交互に付勢するようにして作用するトルクである。
特開2006−177343号公報
さて、特許文献1の装置では、進角室及び遅角室をそれぞれ進角通路及び遅角通路を介して方向制御弁に接続すると共に、進角通路及び遅角通路の中途部を共通通路を介して方向制御弁に接続し、共通通路に一対の逆止弁を配設している。この構成において、例えばカム軸をクランク軸に対する進角側に駆動する際には、弁部材が進角位置に駆動されて共通通路及び遅角通路の間が方向制御弁内にて接続される。その結果、流体入力源から入力通路を通じて入力される作動流体と共に、遅角室から遅角通路に排出された作動流体が、共通通路へと出力されることになる。これによれば、共通通路に配設の一対の逆止弁のうち遅角通路側の逆止弁は、遅角通路に排出された作動流体の圧力によって閉弁する一方、当該一対の逆止弁のうち進角通路側の逆止弁は、開弁するので、流体入力源及び遅角室からの作動流体が進角室へと供給されるのである。
しかし、このような作動流体供給は、変動トルクのうちカム軸をクランク軸に対する進角側に付勢する負トルクの作用時には実現され得るものの、変動トルクのうちカム軸をクランク軸に対する遅角側に付勢する正トルクの作用時には実現困難となる。これは、後者の変動トルクにより遅角室が容積拡大することで、入力通路を通じて入力される作動流体が遅角通路に直接的に、又は共通通路において遅角通路側に配設された逆止弁の開弁により間接的に逆流し、遅角室まで供給されてしまうからである。
以上、進角駆動における遅角室への作動流体供給は、応答性の低下を招くものであり、またそうした応答性の低下は、カム軸をクランク軸に対する遅角側に駆動する際にも同様に生じることから、改善が望まれている。
したがって、本発明の目的は、応答性の高いバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、クランク軸と連動して回転する駆動回転体と、カム軸と連動して回転し、駆動回転体との間において進角室及び遅角室を回転方向に区画し、進角室又は遅角室に作動流体が供給されることによりカム軸をクランク軸に対する進角側又は遅角側に駆動する従動回転体と、弁部材が進角位置及び遅角位置の間を往復移動可能に設けられ、弁部材を進角位置に駆動することにより、流体入力源から入力される作動流体を進角室に供給し、弁部材を遅角位置に駆動することにより、流体入力源から入力される作動流体を遅角室に供給する方向制御弁と、を備えるバルブタイミング調整装置において、弁部材は、弁部材の進角位置及び遅角位置への駆動状態下、進角端部が進角室に接続され且つ遅角端部が遅角室に接続される接続通路と、接続通路の内周壁部に形成される第一弁座と、第一弁座よりも遅角端部側において接続通路の内周壁部に形成される第二弁座と、接続通路内に収容され、遅角端部側から進角端部側に向かう作動流体流れにより第一弁座に着座し、進角端部側から遅角端部側に向かう作動流体流れにより第一弁座から離座する第一弁体と、接続通路内に収容され、進角端部側から遅角端部側に向かう作動流体流れにより第二弁座に着座し、遅角端部側から進角端部側に向かう作動流体流れにより第二弁座から離座する第二弁体と、第一弁座及び第二弁座の間において接続通路と連通し、弁部材の進角位置及び遅角位置への駆動状態下、流体入力源から作動流体が入力される入力通路と、を有し、方向制御弁は、弁部材の進角位置への駆動状態下、第一弁体の第一弁座への着座を制限する第一制限部材と、弁部材の遅角位置への駆動状態下、第二弁体の第二弁座への着座を制限する第二制限部材と、が設けられることを特徴とする。
このような発明によると、弁部材が進角位置に駆動された場合に接続通路は、進角端部が進角室に接続され且つ遅角端部が遅角室に接続された状態となる。かかる接続状態下、変動トルクのうちカム軸をクランク軸に対する進角側に付勢する負トルク(以下、単に「負トルク」ともいう)が作用するときには、圧縮される遅角室から作動流体が接続通路の遅角端部に排出される。その結果、遅角端部側から進角端部側に向かう作動流体流れが接続通路に生じることにより、第一弁座よりも遅角端部側の第二弁座から接続通路内の第二弁体が離座するので、接続通路の内周壁部に形成された第二弁座を挟んで当該作動流体流れが許容されることになる。故に、作動流体が第二弁座よりも進角端部側に流れ、また必要に応じて、第一弁座及び第二弁座の間にて接続通路と連通する入力通路に流体供給源から入力の作動流体も進角端部側に流れることになるので、第一弁体が第一弁座に着座しようとする。しかし、このとき第一弁体は、第一制限部材により第一弁座への着座を制限されて強制的に第一弁座からの離座状態となるので、接続通路の内周壁部に形成の第一弁座を挟んで遅角端部側から進角端部側に向かう作動流体流れが確実に許容されることになる。したがって、負トルクによって容積拡大する進角室には、入力通路に入力の作動流体のみならず、遅角室から排出の作動流体をも供給して、当該容積拡大分を補うことができるのである。
一方、弁部材の進角位置への駆動により接続通路の進角端部及び遅角端部がそれぞれ進角室及び遅角端部に接続された状態下、変動トルクのうちカム軸をクランク軸に対する遅角側に付勢する正トルク(以下、単に「正トルク」ともいう)が作用するときには、圧縮される進角室から作動流体が接続通路の進角端部へと排出される。このとき、少なくとも第一制限部材によって第一弁体が第一弁座から離座させられることで、接続通路の内周壁部に形成の第一弁座を挟んで進角端部側から遅角端部側に向かう作動流体流れが確実に許容される。故に、作動流体が第一弁座よりも遅角端部側に流れ、また必要に応じて、第一弁座及び第二弁座の間にて接続通路と連通する入力通路に入力された作動流体も遅角端部側に流れることで、第一弁座よりも遅角端部側の第二弁座に第二弁体が着座することになる。したがって、正トルクによって容積拡大する遅角室に、進角室から排出の作動流体のみならず、入力通路に入力の作動流体が供給される事態を抑制することができる。
以上によれば、カム軸をクランク軸に対する進角側に駆動してバルブタイミングを進角させる際には、進角室に十分な量の作動流体を供給しつつ、遅角室から作動流体を排出させて、進角応答性を高めることができるのである。
また、請求項1に記載の発明によると、接続通路は、弁部材が遅角位置に駆動された場合にも、進角端部及び遅角端部がそれぞれ進角室及び遅角端部に接続された状態となる。かかる接続状態下、変動トルクのうち正トルクが作用するときには、圧縮される進角室から作動流体が接続通路の進角端部に排出される。その結果、進角端部側から遅角端部側に向かう作動流体流れが接続通路に生じることにより、第二弁座よりも進角端部側の第一弁座から接続通路内の第一弁体が離座するので、接続通路の内周壁部に形成された第一弁座を挟んで当該作動流体流れが許容されることになる。故に、作動流体が第一弁座よりも遅角端部側に流れ、また必要に応じて、第一弁座及び第二弁座の間にて接続通路と連通する入力通路に入力された作動流体も遅角端部側に流れることになるので、第二弁体が第二弁座に着座しようとする。しかし、このとき第二弁体は、第二制限部材により第二弁座への着座を制限されて強制的に第二弁座からの離座状態となるので、接続通路の内周壁部に形成の第二弁座を挟んで進角端部側から遅角端部側に向かう作動流体流れが確実に許容されることになる。したがって、正トルクによって容積拡大する遅角室には、入力通路に入力の作動流体のみならず、進角室から排出の作動流体をも供給して、当該容積拡大分を補うことができるのである。
一方、弁部材の遅角位置への駆動により接続通路の進角端部及び遅角端部がそれぞれ進角室及び遅角端部に接続された状態下、変動トルクのうち負トルクが作用するときには、圧縮される遅角室から作動流体が接続通路の遅角端部へと排出される。このとき、少なくとも第二制限部材によって第二弁体が第二弁座から離座させられることで、接続通路の内周壁部に形成の第二弁座を挟んで遅角端部側から進角端部側に向かう作動流体流れが確実に許容される。故に、作動流体が第二弁座よりも進角端部側に流れ、また必要に応じて、第一弁座及び第二弁座の間にて接続通路と連通する入力通路に入力された作動流体も進角端部側に流れることで、第二弁座よりも進角端部側の第一弁座に第一弁体が着座することになる。したがって、負トルクによって容積拡大する進角室に、遅角室から排出の作動流体のみならず、入力通路に入力の作動流体が供給される事態を抑制することができる。
以上によれば、カム軸をクランク軸に対する遅角側に駆動してバルブタイミングを遅角させる際には、遅角室に十分な量の作動流体を供給しつつ、進角室から作動流体を排出させて、遅角応答性を高めることができるのである。
請求項2に記載の発明によると、第一制限部材は、弁部材の進角位置への駆動状態下、第一弁座よりも遅角端部側において進角端部側から第一弁体と当接することで、第一弁体の第一弁座への着座を確実に制限することができる。また、請求項2に記載の発明によると、第二制限部材は、弁部材の遅角位置への駆動状態下、第二弁座よりも進角端部側において遅角端部側から第二弁体と当接することで、第二弁体の第二弁座への着座を確実に制限することができる。以上によれば、第一制限部材及び第二制限部材の各機能を正しく発揮させて、進角応答性及び遅角応答性の双方を高めることができるのである。
請求項3,14に記載の発明によると、第一制限部材は、弁部材の進角位置への駆動状態下、第一弁座の内周側を通して第一弁座よりも遅角端部側に突出することで、進角端部側から第一弁体に当接して当該弁体の第一弁座への着座を制限する機能を発揮し得る。一方で第一制限部材は、弁部材の遅角位置への駆動状態下、第一弁座の内周側から第一弁座よりも進角端部側に抜出することで、負トルク作用時における第一弁体の第一弁座への着座制限を解除し得る。
また、請求項3,14に記載の発明によると、第二制限部材は、弁部材の遅角位置への駆動状態下、第二弁座の内周側を通して第二弁座よりも進角端部側に突出することで、遅角端部側から第二弁体に当接して当該弁体の第二弁座への着座を制限する機能を発揮し得る。一方で第二制限部材は、弁部材の進角位置への駆動状態下、第二弁座の内周側から第二弁座よりも遅角端部側に抜出することで、正トルク作用時における第二弁体の第二弁座への着座制限を解除し得る。
以上によれば、第一制限部材及び第二制限部材の各機能を適時に正しく発揮させて、進角応答性及び遅角応答性の双方を高めることができるのである。
請求項4に記載の発明によると、入力通路側から流体入力源側に向かう作動流体流れを規制する入力逆止弁を備える。ここで、弁部材の進角位置並びに遅角位置の双方への駆動状態下、入力通路への作動流体の入力圧力によっては、進角室から接続通路に排出の作動流体や遅角室から接続通路に排出の作動流体が、流体入力源側に逆流するおそれがある。しかし、入力逆止弁が入力通路側から流体入力源側に向かう作動流体の逆流を規制するので、進角応答性も遅角応答性も十分に高めることができるのである。
請求項5に記載の発明によると、弁部材は、接続通路内における第一弁体及び第二弁体の間に収容され、第一弁体及び第二弁体をそれぞれ第一弁座側及び第二弁座側に付勢する弾性部材を有する。これによれば、弁部材の進角位置への駆動状態下、正トルク作用時に第二弁体を弾性部材により付勢して第二弁座に確実に着座させることができるので、進角応答性を低下させる遅角室への作動流体供給について抑制効果が高められる。同様に、弁部材の遅角位置への駆動状態下、負トルク作用時に第一弁体を弾性部材により付勢して第一弁座に確実に着座させることができるので、遅角応答性を低下させる進角室への作動流体供給について抑制効果が高められる。さらに、以上の効果をもたらす各弁体の付勢を、共通の弾性部材によって実現し得るので、構成の簡素化、ひいては生産性の向上に貢献することができるのである。
請求項6,11に記載の発明によると、第一弁体及び第二弁体は、それぞれ接続通路の内周壁部によりガイドされる第一ガイド部及び第二ガイド部を有する。このような第一ガイド部及び第二ガイド部のガイド作用によれば、それぞれ第一制限部材及び第二制限部材による第一弁体及び第二弁体の着座制限位置が安定する。したがって、第一制限部材及び第二制限部材の各機能を適時に正しく発揮させて、進角応答性及び遅角応答性の双方を高めることができるのである。
請求項7に記載の発明によると、弁部材は、接続通路の内周壁部によりガイドされると共に、第一弁体及び第二弁体をそれぞれ支持する第一支持部材及び第二支持部材を有する。このような第一弁体及び第二弁体を支持する第一支持部材及び第二支持部材のガイド作用によれば、それぞれ第一制限部材及び第二制限部材による第一弁体及び第二弁体の着座制限位置が安定し易くなる。したがって、第一制限部材及び第二制限部材の各機能を適時に正しく発揮させて、進角応答性及び遅角応答性の双方を高めることが可能となる
請求項8に記載の発明によると、第一弁体及び第二弁体は、それぞれ第一弁座及び第二弁座と反対側において互いに対向する第一対向部及び第二対向部を有する。これによれば、着座対象の弁座と反対側にて互いに対向する第一弁体及び第二弁体の各対向部は、それら弁体のうち少なくとも一方が着座対象の弁座からその反対側に離座することで、互いに当接可能となる。こうした対向部同士の当接によると、離座距離が制限されることになるので、少なくとも一方の弁体が離座状態から弁座に着座するまでの時間が短縮され得る。したがって、弁部材の進角位置及び遅角位置への駆動状態下、それぞれ正トルク及び負トルクの作用開始から短時間で第二弁体及び第一弁体の着座を実現させて、進角応答性及び遅角応答性を低下させる遅角室及び進角室への作動流体供給を高い確度で抑制することができる。
請求項9に記載の発明によると、第一対向部及び第二対向部のうち一方は、有底の嵌合孔を形成する筒状を呈し、第一対向部及び第二対向部のうち他方は、嵌合孔に相対摺動可能に嵌合する棒状を呈する。これによれば、第一対向部及び第二対向部のうち筒状の一方が形成する有底の嵌合孔に、第一対向部及び第二対向部のうち棒状の他方が相対摺動可能に嵌合することで、当該他方の対向部の先端面が確実に嵌合孔の底面と対向又は当接可能となる。したがって、弁部材の進角位置及び遅角位置への駆動状態下、それぞれ正トルク及び負トルクの作用時に進角応答性及び遅角応答性を低下させる遅角室及び進角室への作動流体供給について、抑制効果を高めることができるのである。
請求項10に記載の発明によると、第一対向部及び第二対向部のうち嵌合孔を形成する一方は、当該嵌合孔を外部の接続通路と連通させる連通孔を形成するので、それら対向部のうち他方の対向部の先端面と嵌合孔の底面との間に浸入した作動流体を、連通孔を通じて外部に排出可能となる。したがって、そうした浸入流体の存在に拘らず、少なくとも一方の弁体を着座状態の弁座から素早く離座させて、進角応答性及び遅角応答性の向上に貢献することができるのである。
請求項11に記載の発明によると、第一対向部及び第二対向部は、それぞれ第一ガイド部及び第二ガイド部を兼ねるので、構成が簡略化されて生産性が向上することになる。
請求項12に記載の発明によると、第一弁体は、接続通路内における第一弁座及び第二弁座の間を往復移動可能に収容されて第二弁体を兼ねるので、構成の簡略化によって生産性が向上することになる。
請求項13に記載の発明によると、進角位置及び遅角位置の間の中間位置への弁部材の駆動状態下、進角端部及び遅角端部がそれぞれ進角室及び遅角室に接続されると共に、第一制限部材及び第二制限部材がそれぞれ第一弁体の第一弁座への着座制限及び第二弁体の第二弁座への着座制限を解除する。
このような発明によると、弁部材が進角位置及び遅角位置のみならず、中間位置に駆動された場合にも、接続通路の進角端部及び遅角端部がそれぞれ進角室及び遅角端部に接続された状態となる。かかる接続状態下、変動トルクのうち負トルクの作用によって遅角室から作動流体が排出される接続通路では、遅角端部側から進角端部側に向かう作動流体流れが生じて第二弁体が第二弁座から離座する。その結果、作動流体が第二弁座よりも進角端部側に流れ、また必要に応じて、第一弁座及び第二弁座の間にて接続通路と連通する入力通路に入力された作動流体も進角端部側に流れることになる。このとき、第一制限部材による第一弁体の第一弁座への着座制限は解除された状態にあるので、進角端部側への作動流体流れによって第一弁体が第一弁座に着座する。したがって、遅角室からの作動流体排出が抑制されると共に、進角室への作動流体供給が規制されることになる。
一方、弁部材の中間位置への駆動により接続通路の進角端部及び遅角端部がそれぞれ進角室及び遅角端部に接続された状態下、変動トルクのうち正トルクの作用によって進角室から作動流体が排出される接続通路では、進角端部側から遅角端部側に向かう作動流体流れが生じて第一弁体が第一弁座から離座する。その結果、作動流体が第一弁座よりも遅角端部側に流れ、また必要に応じて、第一弁座及び第二弁座の間にて接続通路と連通する入力通路に入力された作動流体も遅角端部側に流れることになる。このとき、第二制限部材による第二弁体の第二弁座への着座制限は解除された状態にあるので、遅角端部側への作動流体流れによって第二弁体が第二弁座に着座する。したがって、進角室からの作動流体排出が抑制されると共に、遅角室への作動流体供給が規制されることになる。
以上によれば、進角室及び遅角室のうち変動トルクによる圧縮側に作動流体を滞留させて、クランク軸に対するカム軸の位相、ひいてはバルブタイミングを保持することができるのである。
請求項14に記載の発明によると、弁部材の中間位置への駆動状態下、第一制限部材は、第一弁座の内周側から第一弁座よりも進角端部側に抜出し、第二制限部材は、第二弁座の内周側から第二弁座よりも遅角端部側に抜出する。これによれば、弁部材の中間位置への駆動状態下、負トルク作用時における第一弁座への第一弁体の着座及び正トルク作用時における第二弁座への第二弁体の着座について、それぞれ第一制限部材及び第二制限部材が第一弁座及び第二弁座からの突出により制限する事態を回避して、バルブタイミングの保持性を高めることが可能となる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を車両の内燃機関に適用した例を示している。バルブタイミング調整装置1は、「作動流体」として作動油を用いる流体駆動式であり、「動弁」としての吸気弁のバルブタイミングを調整する。
(基本構成)
以下、バルブタイミング調整装置1の基本構成を説明する。バルブタイミング調整装置1は、内燃機関のクランク軸(図示しない)の駆動力を内燃機関のカム軸2に伝達する駆動力伝達系に設置されて作動油により駆動される駆動部10と、駆動部10への作動油供給を制御する制御部30とを備えている。
(駆動部)
図1,2に示すように、駆動部10において「駆動回転体」としてのハウジング11は、シューハウジング12及びスプロケット13から構成されている。
シューハウジング12は、有底円筒状の筒部12aと、仕切部として複数のシュー12b,12c,12dとを有している。
各シュー12b〜12dは、筒部12aにおいて回転方向に略等間隔となる箇所から径方向内側に突出している。各シュー12b〜12dの突出側端面は、図2の紙面垂直方向から見て円弧形の凹面状であり、ベーンロータ14のボス部14aの外周面に摺接する。回転方向において隣り合うシュー12b〜12dの間には、それぞれ収容室50が形成される。
スプロケット13は円環板状を呈しており、筒部12aの開口側に同軸上に装着されている。スプロケット13は、タイミングチェーン(図示しない)を介してクランク軸と連繋している。これにより、内燃機関の運転中は、クランク軸からスプロケット13に駆動力が伝達されることで、ハウジング11がクランク軸と連動して図2の時計方向に回転する。
「従動回転体」としてのベーンロータ14は、ハウジング11内に同軸上に収容されており、軸方向においてハウジング11と摺接する。ベーンロータ14は、円柱状のボス部14aと、ベーン14b,14c,14dとを有している。
ボス部14aは、カム軸2に対して同軸上にボルト固定される。これによりベーンロータ14は、カム軸2と連動して図2の時計方向に回転すると共に、ハウジング11に対して相対回転可能となっている。
各ベーン14b〜14dは、ボス部14aにおいて回転方向に略等間隔となる箇所から径方向外側に突出し、それぞれ対応する収容室50内に収容されている。各ベーン14b〜14dの突出側端面は、図2の紙面垂直方向から見て円弧形の凸面状に形成され、筒部12aの内周面に摺接する。
各ベーン14b〜14dは、それぞれ対応する収容室50を回転方向に二分することによって、進角室及び遅角室をハウジング11との間に区画している。具体的には、シュー12bとベーン14bの間に進角室52、シュー12cとベーン14cの間に進角室53、シュー12dとベーン14dの間に進角室54がそれぞれ形成されている。また、シュー12cとベーン14bの間に遅角室56、シュー12dとベーン14cの間に遅角室57、シュー12bとベーン14dの間に遅角室58がそれぞれ形成されている。
ベーン14bには、ロックピン26が収容されている。ロックピン26は圧縮コイルスプリング28の復原力により移動して、筒部12aの底壁部に設けられた嵌合孔27に嵌合することで、ベーンロータ14をハウジング11に対してロックする。ここで本実施形態では、クランク軸に対してカム軸2が最遅角する図2の相対回転位置にてベーンロータ14がハウジング11に対してロックされるようになっている。尚、ロックピン26は、ベーン14bを挟む進角室52及び遅角室56の少なくとも一方から供給される作動油の圧力を受けて嵌合孔27から離脱することで、ハウジング11に対するベーンロータ14のロックを解除可能となっている。
以上により駆動部10では、ロックピン26によるロックの解除下、進角室52〜54への作動油供給により、ベーンロータ14がハウジング11に対して進角側に相対回転するときには、カム軸2がクランク軸に対する進角側に駆動される。したがって、バルブタイミングが進角する。
一方、ロックの解除下、遅角室56〜58への作動油供給により、ベーンロータ14がハウジング11に対して遅角側に相対回転するときには、カム軸2がクランク軸に対する遅角側に駆動される。したがって、バルブタイミングが遅角する。
また一方、ロックの解除下、進角室52〜54及び遅角室56〜58に対して作動油供給が規制されることにより、ベーンロータ14がハウジング11と同速回転するときには、クランク軸に対するカム軸2の位相(以下、「機関位相」という)が保たれる。したがって、バルブタイミングが保持されるのである。
(制御部)
図1に示す制御部30において、カム軸2及びその軸受(図示しない)を通して設けられる進角通路72は、駆動部10の作動状態によらず進角室52〜54と連通する。また、カム軸2及びその軸受を通して設けられる遅角通路76は、駆動部10の作動状態によらず遅角室56〜58と連通する。
ポンプ通路80は、「流体入力源」としてのポンプ4の吐出口と連通しており、ポンプ4によってオイルパン5から汲み上げられた作動油が吐出されるようになっている。ここで本実施形態のポンプ4は、クランク軸によって駆動されるメカポンプであり、故に内燃機関の運転中は、作動油が継続してポンプ通路80に入力される。
方向制御弁100は、ソレノイド120の発生する電磁駆動力を利用して弁部材130を往復直線駆動する電磁制御弁である。この方向制御弁100は、進角通路72を介して進角室52〜54と連通する進角ポート112、遅角通路76を介して遅角室56〜58と連通する遅角ポート114、ポンプ4とは反対側においてポンプ通路80に連通する入力ポート116を有している。また、方向制御弁100は、弁部材130の移動位置によらず進角ポート112及び遅角ポート114の間を接続する接続通路132、接続通路132と連通し弁部材130の移動位置によらず入力ポート116に接続される入力通路134、接続通路132に配設される逆止弁150,160を有している。
ここで、進角ポート112側の第一逆止弁150は、接続通路132において遅角ポート114側から進角ポート112側に向かう方向を閉弁方向且つ逆方向を開弁方向としている。一方、遅角ポート114側の第二逆止弁160は、接続通路132において進角ポート112側から遅角ポート114側に向かう方向を閉弁方向且つ逆方向を開弁方向としている。方向制御弁100は、このような逆止弁150,160のうち閉弁に制限を与えるものを、弁部材130の移動位置に応じて選択するように構成されている。
ポンプ4及び入力ポート116と連通するポンプ通路80には、入力逆止弁190が配設されている。この入力逆止弁190は、ポンプ4側から入力ポート116側に向かう作動油流れ、即ちポンプ通路80における順流により開弁して、当該順流を許容する。一方、入力逆止弁190は、入力ポート116側からポンプ4側に向かう作動油流れ、即ちポンプ通路80における逆流により閉弁して、当該逆流を規制するのである。
制御回路200は、例えばマイクロコンピュータ等からなり、方向制御弁100のソレノイド120と電気的に接続されている。制御回路200は、ソレノイド120への通電を制御する機能と共に、内燃機関の運転を制御する機能を備えている。
以上により制御部30では、制御回路200が制御するソレノイド120への通電に従って方向制御弁100が弁部材130を駆動することで、逆止弁150,160のうち閉弁の制限対象が選択される。具体的には、第一逆止弁150の閉弁が制限されるときには、ポンプ4からポンプ通路80及び入力ポート116を通じて入力通路134に入力された作動油が、接続通路132、進角ポート112及び進角通路72を順次経由して、進角室52〜54に供給される。
一方、第二逆止弁160の閉弁が制限されるときには、ポンプ4からポンプ通路80及び入力ポート116を通じて入力通路134に入力された作動油が、接続通路132、遅角ポート114及び遅角通路76を順次経由して、遅角室56〜58に供給される。
また一方、逆止弁150,160の閉弁制限が共に解除されるときには、ポンプ4からポンプ通路80及び入力ポート116を通じて入力通路134に入力された作動油により逆止弁150,160が閉弁して、進角室52〜54及び遅角室56〜58への作動油供給が規制されるのである。
(特徴)
以下、バルブタイミング調整装置1の特徴を詳細に説明する。
(変動トルク)
内燃機関の運転中は、カム軸2によって開閉駆動される吸気弁からのスプリング反力等に起因して生じる変動トルクが、カム軸2を通じて駆動部10のベーンロータ14に作用する。ここで、図3に示すように変動トルクは、クランク軸に対してカム軸2を進角側に付勢する負トルクと、クランク軸に対してカム軸2を遅角側に付勢する正トルクとの間において、周期的に交互に変動するものである。尚、変動トルクは、例えば、正トルクのピークトルクT+が負トルクのピークトルクT−と実質的に等しくなることにより平均トルクが実質的に零となるものであってもよいし、正トルクのピークトルクT+が負トルクのピークトルクT−よりも大きくなることにより平均トルクが正トルク側に偏るものであってもよい。
(方向制御弁)
図4に示すように方向制御弁100は、スリーブ110、ソレノイド120、弁部材130、駆動軸139及びリターンスプリング140を備えている。
金属製のスリーブ110は円筒状を呈しており、一端部110aにソレノイド120が固定されている。スリーブ110には、遅角ポート114、入力ポート116及び進角ポート112が、一端部110a側から他端部110b側に向かう軸方向にこの順で設けられている。
金属製の弁部材130は丸棒状を呈しており、スリーブ110内に同軸上に収容されている。弁部材130の一端部130aには、ソレノイド120によって電磁駆動される駆動軸139が同軸上に連繋しており、それによって弁部材130が駆動軸139と共に軸方向に移動可能となっている。
リターンスプリング140は金属製の圧縮コイルスプリングからなり、スリーブ110内に同軸上に収容されている。リターンスプリング140は、スリーブ110においてソレノイド120とは反対側の端部110bに固定の後述の第一制限部材170と、弁部材130の駆動軸139とは反対側端部130bとの間に介装されている。リターンスプリング140は、圧縮変形によって復原力を発生することで、弁部材130を軸方向のソレノイド120側に付勢する。また、これに対してソレノイド120は、通電により電磁駆動力を発生することで、駆動軸139と共に弁部材130を軸方向のリターンスプリング140側に付勢する。したがって、方向制御弁100においては、リターンスプリング140が発生する復原力と、ソレノイド120が発生する電磁駆動力との釣り合いに応じて、弁部材130が駆動されることになる。
以上の構成の下、本実施形態の方向制御弁100は、逆止弁150,160を配設の接続通路132及び当該通路132に連通の入力通路134を弁部材130に形成し、さらに逆止弁150,160の閉弁を制限する制限部材170,180をスリーブ110に設けたところに、大きな特徴がある。
具体的に、接続通路132は、弁部材130内を軸方向に延伸するトンネル状に形成されている。接続通路132の一端部132aは、弁部材130の外周壁部に開口することで、図4〜6に示すように、弁部材130の移動位置によらず進角ポート112と常時接続されている。また、接続通路132の他端部132bは、弁部材130の外周壁部に開口することで、図4〜6に示すように、弁部材130の移動位置によらず遅角ポート114と常時接続されている。尚、以下の説明では、接続通路132において、進角ポート112と常時接続の端部132aを「進角端部132a」といい、遅角ポート114と常時接続の端部132bを「遅角端部132b」という。
入力通路134は、弁部材130を径方向に貫通する貫通孔状に形成されている。入力通路134の一端部は、接続通路132の内周壁部に両端部132a,132b間にて開口することで、当該通路132と連通している。また、入力通路134の他端部は、弁部材130の外周壁部に開口することで、図4〜6に示すように、弁部材130の移動位置によらず入力ポート116と常時接続されている。
図7に示すように第一逆止弁150は、第一弁座152と第一弁体154と弾性部材158とを組み合わせて構成されている。
第一弁座152は、接続通路132の内周壁部のうち遅角端部132b側を向く円環面によって、形成されている。
第一弁体154は金属からなり、接続通路132のうち第一弁座152の遅角端部132b側に隣接する収容通路部132c内に収容されている。第一弁体154は、第一シート部155、第一ガイド部156及び第一対向部157を有している。第一シート部155は、第一弁座152の内周側通路よりも大径且つ収容通路部132cよりも小径の円盤状を呈しており、第一弁座152と同軸上に配置されている。これにより第一シート部155は、第一弁座152に対して軸方向に離着座可能となっている。
図7,10に示すように第一ガイド部156は、第一シート部155の周方向の複数個所から径方向外側に向かって突出しており、収容通路部132cの内周壁部によって軸方向にガイド且つ径方向に調心されている。第一対向部157は、第一シート部155よりも小径の丸棒状を呈しており、第一シート部155から遅角端部132b側に向かって同軸上に突出している。
図7に示すように弾性部材158は、金属製の圧縮コイルスプリングからなり、収容通路部132c内において第一シート部155の遅角端部132b側に同軸上に収容されている。弾性部材158は、第一弁座152に対して軸方向にて向き合う第二逆止弁160と、第一シート部155との間に介装されている。弾性部材158は、圧縮変形によって復原力を発生することで、第一弁体154を第一弁座152側に付勢する。
以上の第一逆止弁150では、接続通路132において遅角端部132b側から進角端部132a側に向かう閉弁方向の作動油流れにより、図8の如く第一弁体154の第一シート部155が進角端部132a側の第一弁座152に着座することで、当該作動油流れが規制される。
一方、第一逆止弁150では、接続通路132において進角端部132a側から遅角端部132b側に向かう開弁方向の作動油流れにより、図5の如く第一弁体154の第一シート部155が進角端部132a側の第一弁座152から離座することで、当該作動油流れが許容されるのである。
このような第一逆止弁150に干渉作用を及ぼす第一制限部材170は金属からなり、第一固定部172及び第一当接部174を有している。第一固定部172は円盤状を呈しており、スリーブ110において進角ポート112に近い側の端部110bに同軸上に固定されている。
第一当接部174は、第一弁座152よりも小径の棒状を呈しており、第一固定部172から弁部材130側に向かって同軸上に突出している。第一当接部174は、弁部材130において接続通路132の進角端部132aに近い側の端部130bを貫通することで、弁部材130の移動位置によらず接続通路132内に同軸上に進入している。
以上の第一制限部材170は、弁部材130の図4,7に示す移動位置では、第一弁座152の内周側を通して当該弁座152よりも遅角端部132b側に第一当接部174を突出させる。これにより第一当接部174は、第一弁座152よりも遅角端部132b側にある第一シート部155に進角端部132a側から当接することで、第一弁体154の第一弁座152への着座、即ち第一逆止弁150の閉弁を制限可能となる。
一方、弁部材130の図5,6,8,9に示す移動位置では、第一弁座152の内周側から当該弁座152よりも進角端部132a側に第一当接部174を抜出させる。これにより第一当接部174は、第一弁座152よりも遅角端部132b側にある第一シート部155には当接不能となるため、第一弁体154の第一弁座152への着座制限、即ち第一逆止弁150の閉弁制限が解除されるのである。
図4に示すように第二逆止弁160は、第一逆止弁150に準じた構成、第二弁座162と第二弁体164と弾性部材158とを組み合わせて構成されている。
但し、第二弁座162は、接続通路132の内周壁部のうち第一弁座152よりも遅角端部132b側において進角端部132a側を向く円環面により、形成されている。第二弁座162は、接続通路132において収容通路部132cの遅角端部132b側に隣接しており、第一弁座152との間において入力通路134が当該収容通路部132cと連通するようになっている。
金属製の第二弁体164は、接続通路132のうち収容通路部132c内に収容されている。第二弁体164において第二弁座162の内周側通路よりも大径且つ収容通路部132cよりも小径の円盤状を呈する第二シート部165は、同軸上の第二弁座162に対して軸方向に離着座可能となっている。
第二弁体164において、第二シート部165の周方向の複数個所から径方向外側に向かって突出している第二ガイド部166は、収容通路部132cの内周壁部によって軸方向にガイド且つ径方向に調心されている。第二弁体164において第二対向部167は、有底の嵌合孔167aを同軸上に形成し且つ第二シート部165よりも小径の円筒状を呈しており、第二シート部165から進角端部132a側に向かって同軸上に突出している。第二対向部167が形成する嵌合孔167aには、進角端部132a側の開口から第一弁体154の第一対向部157が相対摺動可能に嵌合している。これにより、第一対向部157の先端面と嵌合孔167aの底面とは、それぞれ第一弁座152及び第二弁座162と反対側において対向又は当接可能となっている。さらに、本実施形態の第二弁体164には、第二対向部167を径方向に貫通して嵌合孔167aを外部の収容通路部132cと連通させる連通孔167bが形成されている。
第一逆止弁150と共通の弾性部材158は、第二シート部165及び第一シート部155の間での圧縮変形によって復原力を発生することで、第二弁体164を第二弁座162側に付勢する。このような弾性部材158の共通化により、本実施形態では、構成の簡素化、ひいてはコスト性等の生産性の向上が図られている。
以上の第二逆止弁160では、接続通路132において進角端部132a側から遅角端部132b側に向かう閉弁方向の作動油流れにより、図7の如く第二弁体164の第二シート部165が遅角端部132b側の第二弁座162に着座することで、当該作動油流れが規制される。
一方、第二逆止弁160では、接続通路132において遅角端部132b側から進角端部132a側に向かう開弁方向の作動油流れにより、図4の如く第二弁体164の第二シート部165が遅角端部132b側の第二弁座162から離座することで、当該作動油流れが許容されるのである。
このような第二逆止弁160に干渉作用を及ぼす第二制限部材180は金属からなり、第二固定部182及び第二当接部184を有している。第二固定部182は円盤状を呈しており、スリーブ110において遅角ポート114に近い側の端部110aに固定されている。本実施形態の第二固定部182は、図4,11に示すように、貫通孔182aを複数形成している。ここで、弁部材130において接続通路132の遅角端部132bに近い側の端部130aは複数に分割されており、それら分割部分が各貫通孔182aをスリーブ110側からソレノイド120側に貫通して駆動軸139と連繋している。
図4に示すように第二当接部184は、第二弁座162よりも小径の棒状を呈しており、第二固定部182から弁部材130側に向かって同軸上に突出している。第二当接部184は、弁部材130を端部130aの上記各分割部分の間から貫通することで、弁部材130の移動位置によらず接続通路132内に同軸上に進入している。
以上の第二制限部材180は、弁部材130の図5,8に示す移動位置では、第二弁座162の内周側を通して当該弁座162よりも進角端部132a側に第二当接部184を突出させる。これにより第二当接部184は、第二弁座162よりも進角端部132a側にある第二シート部165に遅角端部132b側から当接することで、第二弁体164の第二弁座162への着座、即ち第二逆止弁160の閉弁を制限可能となる。尚、本実施形態では、図5,8の位置における第二当接部184の第二弁座162に対する突出長さが、図4,7の位置における第一当接部174の第一弁座152に対する突出長さと略等しく設定されている。
一方、弁部材130の図4,6,7,9に示す移動位置では、第二弁座162の内周側から当該弁座162よりも遅角端部132b側に第二当接部184を抜出させる。これにより第二当接部184は、第二弁座162よりも進角端部132a側にある第二シート部165には当接不能となるため、第二弁体164の第二弁座162への着座制限、即ち第二逆止弁160の閉弁制限が解除されるのである。
(バルブタイミング調整作動)
ポンプ4が駆動される内燃機関の運転中は、制御回路200が機関位相についての実位相及び目標位相を算出し、その算出結果に応じて方向制御弁100のソレノイド120への通電電流を制御する。これにより本実施形態では、方向制御弁100において弁部材130が移動し、その移動位置に応じた作動油供給と共に作動油排出が進角室52〜54及び遅角室56〜58に対し実現されることで、バルブタイミングが調整されることになる。以下、バルブタイミング調整装置1によるバルブタイミング調整作動について、詳細説明する。
(1)進角作動
以下、機関位相をクランク軸に対するカム軸2の進角側に変化させてバルブタイミングを進角させる場合の作動を、説明する。
内燃機関においてアクセルのオフ状態又は低・中速高負荷運転状態等を表す運転条件が成立すると、制御回路200は、ソレノイド120への通電電流を所定の基準値Iよりも大きな値に制御することで、弁部材130を図4,7の進角位置に駆動する。この進角位置において弁部材130の接続通路132は、進角端部132a及び遅角端部132bがそれぞれ進角ポート112及び遅角ポート114に接続された状態となる。
かかる状態下、変動トルクのうち負トルクがベーンロータ14に作用するときには、当該負トルクの作用によって圧縮された遅角室56〜58の作動油が、図4に示すように、遅角通路76及び遅角ポート114を通じて接続通路132の遅角端部132bに排出される。その結果、遅角端部132b側から進角端部132a側に向かう作動油流れが接続通路132に生じることにより、遅角端部132bに近い側の第二逆止弁160では、第二弁座162から第二弁体164が離座するので、当該作動油流れが第二弁座162を挟んで許容されることになる。故に、作動油が第二弁座162よりも進角端部132a側に流れ、また必要に応じて、入力通路134への入力作動油も弁座152,162間の収容通路部132cへと流入して進角端部132a側に流れるので、第一逆止弁150では、第一弁体154が第一弁座152に着座しようとする。しかし、このとき第一弁体154は、図4に示すように第一制限部材170の干渉作用によって、第一弁座152への着座を制限されて強制的に第一弁座152からの離座状態に保持されているので、第一弁座152よりも進角端部132a側への作動油流れが確実に許容されることになる。したがって、負トルクの作用時には、圧縮側の遅角室56〜58とは反対に容積拡大する進角室52〜54に対し、入力通路134に入力の作動油のみならず、遅角室56〜58から排出の作動油をも供給して、当該容積拡大分を補うことができる。
尚、負トルクの作用時において入力通路134に入力の作動油圧力が低下する場合、遅角室56〜58から排出の作動油が接続通路132から入力通路134側に逆流しようとするが、当該逆流は入力逆止弁190によって規制される。したがって、進角室52〜54に対する作動油供給は、損なわれることがない。
以上に対し、変動トルクのうち正トルクがベーンロータ14に作用するときには、当該正トルクの作用によって圧縮された進角室52〜54の作動油が、図7に示すように、進角通路72及び進角ポート112を通じて接続通路132の進角端部132aに排出される。このとき、進角端部132aに近い側の第一逆止弁150では、少なくとも第一制限部材170の干渉作用によって第一弁体154が第一弁座152から離座した状態となる。また、進角端部132aに排出される作動油の圧力が高い場合、進角端部132a側から遅角端部132b側に向かって生じる作動油流れによって第一弁体154が、第一制限部材170による離座位置よりもさらに、第一弁座152から離座することになる。こうした離座の結果、第一弁座152を挟んで進角端部132a側から遅角端部132b側に作動油が流れ、また必要に応じて、入力通路134への入力作動油も収容通路部132cへと流入して遅角端部132b側に流れるので、第二逆止弁160では、第二弁体164が第二弁座162に着座しようとする。ここで、第二制限部材180による第二弁体164の第二弁座162への着座制限は、図7に示すように解除されているので、遅角端部132b側への作動油流れによって第二弁体164の当該着座が実現されることになる。したがって、正トルクの作用時には、圧縮側の進角室52〜54とは反対に容積拡大する遅角室56〜58に対して、進角室52〜54から排出の作動油のみならず、入力通路134に入力の作動油が供給される事態を抑制することができる。
尚、正トルクの作用時において入力通路134に入力の作動油圧力が低下する場合、進角室52〜54から排出の作動油が接続通路132から入力通路134側に逆流しようとするが、当該逆流は入力逆止弁190によって規制される。したがって、遅角室56〜58に対する作動油供給の抑制作用は、損なわれることがない。
このような進角作動によれば、各制限部材170,180及び各逆止弁150,160の機能を適時に正しく発揮させて、遅角室56〜58から作動油を排出させると共に、進角室52〜54には十分な量の作動油を供給することができる。したがって、高い進角応答性が得られることになるのである。
(2)遅角作動
以下、機関位相をクランク軸に対するカム軸2の遅角側に変化させてバルブタイミングを遅角させる場合の作動を、説明する。
内燃機関において軽負荷の通常運転状態等を表す運転条件が成立すると、制御回路200は、ソレノイド120への通電電流を基準値Iよりも小さな値に制御することで、弁部材130を図5,8の遅角位置に駆動する。この遅角位置においても接続通路132は、進角端部132a及び遅角端部132bがそれぞれ進角ポート112及び遅角ポート114に接続された状態となる。
かかる状態下、変動トルクのうち正トルクがベーンロータ14に作用するときには、当該正トルクの作用によって圧縮された進角室52〜54の作動油が、図5に示すように、進角通路72及び進角ポート112を通じて接続通路132の進角端部132aに排出される。その結果、進角端部132a側から遅角端部132b側に向かう作動油流れが接続通路132に生じることにより、進角端部132aに近い側の第一逆止弁150では、第一弁座152から第一弁体154が離座するので、当該作動油流れが第一弁座152を挟んで許容されることになる。故に、作動油が第一弁座152よりも遅角端部132b側に流れ、また必要に応じて、入力通路134への入力作動油も収容通路部132cへと流入して遅角端部132b側に流れるので、第二逆止弁160では、第二弁体164が第二弁座162に着座しようとする。しかし、このとき第二弁体164は、図5に示すように第二制限部材180の干渉作用によって、第二弁座162への着座を制限されて強制的に第二弁座162からの離座状態に保持されているので、第二弁座162よりも遅角端部132b側への作動油流れが確実に許容されることになる。したがって、正トルクの作用時には、圧縮側の進角室52〜54とは反対に容積拡大する遅角室56〜58に対し、入力通路134に入力の作動油のみならず、進角室52〜54から排出の作動油をも供給して、当該容積拡大分を補うことができる。
尚、正トルクの作用時において入力通路134に入力の作動油圧力が低下する場合、進角室52〜54から排出の作動油が接続通路132から入力通路134側に逆流しようとするが、当該逆流は入力逆止弁190によって規制される。したがって、遅角室56〜58に対する作動油供給は、損なわれることがない。
以上に対し、変動トルクのうち負トルクがベーンロータ14に作用するときには、当該負トルクの作用によって圧縮された遅角室56〜58の作動油が、図8に示すように、遅角通路76及び遅角ポート114を通じて接続通路132の遅角端部132bに排出される。このとき、遅角端部132bに近い側の第二逆止弁160では、少なくとも第二制限部材180の干渉作用によって第二弁体164が第二弁座162から離座した状態となる。また、遅角端部132bに排出される作動油の圧力が高い場合、遅角端部132b側から進角端部132a側に向かって生じる作動油流れによって第二弁体164が、第二制限部材180による離座位置よりもさらに、第二弁座162から離座することになる。こうした離座の結果、第二弁座162を挟んで遅角端部132b側から進角端部132a側に作動油が流れ、また必要に応じて、入力通路134への入力作動油も収容通路部132cへと流入して進角端部132a側に流れるので、第一逆止弁150では、第一弁体154が第一弁座152に着座しようとする。ここで、第一制限部材170による第一弁体154の第一弁座152への着座制限は、図8に示すように解除されているので、進角端部132a側への作動油流れによって第一弁体154の当該着座が実現されることになる。したがって、負トルクの作用時には、圧縮側の遅角室56〜58とは反対に容積拡大する進角室52〜54に、遅角室56〜58から排出の作動油のみならず、入力通路134に入力の作動油が供給される事態を抑制することができる。
尚、負トルクの作用時において入力通路134に入力の作動油圧力が低下する場合、遅角室56〜58から排出の作動油が接続通路132から入力通路134側に逆流しようとするが、当該逆流は入力逆止弁190によって規制される。したがって、進角室52〜54に対する作動油供給の抑制作用は、損なわれることがない。
このような遅角作動によれば、各制限部材170,180及び各逆止弁150,160の機能を適時に正しく発揮させて、進角室52〜54から作動油を排出させると共に、遅角室56〜58には十分な量の作動油を供給することができる。したがって、高い遅角応答性が得られることになるのである。
また特に本実施形態では、内燃機関の停止時に上述の遅角作動を行うことで、クランク軸に対してカム軸2が最遅角する位置まで確実にベーンロータ14をハウジング11に対して相対回転させて、それら要素14,11間のロックをロックピン26への供給油の圧力低下に伴い実現できる。したがって、内燃機関の始動時には、その始動に適した最遅角位相を機関位相に設定して、機関始動性を確保することが可能となる。
(3)保持作動
以下、機関位相を所定の目標位相領域に保持してバルブタイミングを実質的に保持する場合の作動を、説明する。
内燃機関においてアクセルの保持状態といった安定運転状態等を表す運転条件が成立すると、制御回路200は、ソレノイド120への通電電流を基準値Iに制御することで、弁部材130を図6,9の保持位置に駆動する。ここで保持位置は、上述した進角位置及び遅角位置の間の中間位置であり、故に当該保持位置においても接続通路132は、進角端部132a及び遅角端部132bがそれぞれ進角ポート112及び遅角ポート114に接続された状態となる。
かかる状態下、変動トルクのうち負トルクの作用によって遅角室56〜58から作動油排出される接続通路132では、図9に示すように、遅角端部132b側から進角端部132a側に向かう作動油流れが生じて第二弁体164が第二弁座162から離座する。その結果、作動油が第二弁座162よりも進角端部132a側に流れ、また必要に応じて、入力通路134への入力作動油も収容通路部132cへと流入して進角端部132a側に流れることになる。このとき、第一制限部材170による第一弁体154の第一弁座152への着座制限は、図9に示すように解除された状態にあるので、進角端部132a側への作動流体流れによって第一弁体154が第一弁座152に着座することになる。したがって、遅角室56〜58からの作動油排出が抑制されると共に、進角室52〜54への作動油供給が規制される。
また、変動トルクのうち正トルクの作用によって進角室52〜54から作動油排出される接続通路132では、図6に示すように、進角端部132a側から遅角端部132b側に向かう作動油流れが生じて第一弁体154が第一弁座152から離座する。その結果、作動油が第一弁座152よりも遅角端部132b側に流れ、また必要に応じて、入力通路134への入力作動油も収容通路部132cへと流入して遅角端部132b側に流れることになる。このとき、第二制限部材180による第二弁体164の第二弁座162への着座制限は、図6に示すように解除された状態にあるので、遅角端部132b側への作動油流れによって第二弁体164が第二弁座162に着座することになる。したがって、進角室52〜54からの作動油排出が抑制されると共に、遅角室56〜58への作動油供給が規制される。
尚、正トルク及び負トルクの作用時には、入力通路134に入力の作動油圧力が低下する場合、それぞれ遅角室56〜58又は進角室52〜54から排出の作動油が接続通路132から入力通路134側に逆流しようとするが、それらの逆流は、入力逆止弁190によって規制される。したがって、正トルク及び負トルクの作用時においてそれぞれ遅角室56〜58及び進角室52〜54に対する作動油排出の抑制作用は、損なわれることがない。
このような保持作動によれば、各制限部材170,180及び各逆止弁150,160の機能を適時に正しく発揮させて、進角室52〜54及び遅角室56〜58のうち変動トルクによる圧縮側に作動油を滞留させることができる。したがって、機関位相、ひいてはバルブタイミングについて高い保持性を得ることが可能になる。
以上説明した第一実施形態によれば、内燃機関に適したバルブタイミング調整を迅速に且つ適確に行うことができるのである。
そして、特に第一実施形態では、進角作動及び保持作動における正トルク作用時(図7,6参照)に、第二弁体164を弾性部材158により付勢して第二弁座162に確実に着座させることができる。同様に、遅角作動及び保持作動における負トルク作用時(図8,9参照)には、第一弁体154を弾性部材158により付勢して第一弁座152に確実に着座させることができる。これらによれば、進角作動及び遅角作動においてそれぞれ進角応答性及び遅角応答性を低下させる遅角室56〜58及び進角室52〜54への作動油供給や、保持作動においてバルブタイミングの保持性を低下させる各室56〜58,52〜54への作動油供給について、抑制効果を高めることができる。
さらに、第一実施形態では、進角作動の負トルク作用時(図4参照)において、第一制限部材170との当接により進角端部132a側への移動が制限された第一弁体154の第一対向部157の先端面には、作動油流れによって進角端部132a側に移動した第二弁体164の嵌合孔167aの底面が当接する。その結果、第二弁座162からの第二弁体164の離座距離が制限されるので、変動トルクの変化による正トルクの作用開始時(図7参照)に、遅角端部132b側に向かう作動油流れによって第二弁体164を第二弁座162に着座させるための時間を、短縮し得る。同様に、遅角作動の正トルク作用時(図5参照)において、第二制限部材180との当接により遅角端部132b側への移動が制限された第二弁体164の嵌合孔167aの底面には、作動油流れによって遅角端部132b側に移動した第一弁体154の第一対向部157の先端面が当接する。その結果、第一弁座152からの第一弁体154の離座距離が制限されるので、変動トルクの変化による負トルクの作用開始時(図8参照)に、進角端部132a側に向かう作動油流れによって第一弁体154を第一弁座152に着座させるための時間を、短縮し得る。これらのことからも、進角作動及び遅角作動においてそれぞれ進角応答性及び遅角応答性を低下させる遅角室56〜58及び進角室52〜54への作動油供給の抑制効果を、高めることができる。
またさらに、第一実施形態では、進角作動において変動トルクが正トルク(図7参照)から負トルク(図4参照)に変化したときに、第一対向部157の先端面と嵌合孔167aの底面との間への浸入流体を連通孔167bから排出して、第二弁体164を第一弁体154側に素早く離座させることができる。同様に、遅角作動において変動トルクが負トルク(図8参照)から正トルク(図5参照)に変化したときには、第一対向部157の先端面及び嵌合孔167aの底面間への浸入流体を連通孔167bから排出して、第一弁体154を第二弁体164側に素早く離座させることができる。これらのことから、進角作動及び遅角作動においては、それぞれ進角室52〜54及び遅角室56〜58への作動油供給量が容積拡大の初期段階から確保されて、進角応答性及び遅角応答性の双方が高められることになる。
加えて、第一実施形態では、進角作動の負トルク作用時(図4参照)において、第一ガイド部156が接続通路132の内周壁部によってガイドされる第一弁体154は、第一制限部材170による着座制限位置が安定する。同様に、遅角作動の正トルク作用時(図5参照)において、第二ガイド部166が接続通路132の内周壁部によってガイドされる第二弁体164は、第二制限部材180による着座制限位置が安定する。これらによれば、進角作動及び遅角作動においてそれぞれ第一弁体154及び第二弁体164の強制離座による進角室52〜54及び遅角室56〜58への作動油供給を確かなものとして、進角応答性及び遅角応答性の双方を高めることができるのである。
(第二実施形態)
図12に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。第二実施形態の第一逆止弁250及び第二逆止弁260では、それぞれ第一弁体254及び第二弁体264に第一対向部157及び第二対向部167が設けられず、第一ガイド部256及び第二ガイド部266がそれらの対向部を兼ねている。
具体的には、図12,13に示すように第一弁体254の各第一ガイド部256は、第一シート部155の周方向の複数個所から、径方向外側のみならず、軸方向の第一弁座152と反対側にも突出している。また、図12,13に示すように第二弁体264の各第二ガイド部266は、第二シート部165の周方向の複数個所から、径方向外側のみならず、軸方向の第二弁座162と反対側にも突出している。
ここで、各第一ガイド部256は、第一シート部155の周方向において等間隔に且つ当該間隔よりも長い周方向長さに形成されている。また、各第二ガイド部266は、第二シート部165の周方向において等間隔に且つ当該間隔よりも長い周方向長さに形成されている。これらにより、各第一ガイド部256の先端面は、各第二ガイド部266の先端面のいずれかに対向又は当接可能となっているのである。
こうした特徴を有する第二実施形態では、進角作動の負トルク作用時(図12参照)において、進角端部132a側への移動が制限された第一弁体254の第一ガイド部256の先端面には、作動油流れによって進角端部132a側に移動した第二弁体264の第二ガイド部266の先端面が当接する。その結果、第二弁座162からの第二弁体264の離座距離が制限されるので、正トルクの作用開始時に第二弁体164の着座に必要な時間を、第一実施形態に準じて短縮し得る。同様に、遅角作動の正トルク作用時(図14参照)において、遅角端部132b側への移動が制限された第二弁体264の第二ガイド部266の先端面には、作動油流れによって遅角端部132b側に移動した第一弁体254の第一ガイド部256の先端面が当接する。その結果、第一弁座152からの第一弁体254の離座距離が制限されるので、負トルクの作用開始時に第一弁体154の着座に必要な時間を、第一実施形態に準じて短縮し得る。
以上、第二実施形態によれば、進角作動及び遅角作動においてそれぞれ進角応答性及び遅角応答性を低下させる遅角室56〜58及び進角室52〜54への作動油供給の抑制効果を、比較的簡素な構成によって高めることができるのである。
(第三実施形態)
図15に示すように、本発明の第三実施形態は第二実施形態の変形例である。第三実施形態の第一逆止弁350及び第二逆止弁360では、第一弁体354及び第二弁体364にそれぞれ第一対向部157及び第二対向部167が設けられず、且つ第一ガイド部256及び第二ガイド部266の設けられた第一支持部材359及び第二支持部材369がそれぞれ追加されている。
具体的には、第一弁体354は金属からなり、第一弁座152の内周側通路よりも大径且つ接続通路の132の収容通路部132cよりも小径の球状を呈している。第一弁体354は、金属製の第一支持部材359によって遅角端部132b側から支持されており、当該第一支持部材359の第一ガイド部256が収容通路部132cによって軸方向にガイド且つ径方向に調心されている。これにより第一弁体354は、円錐面状の第一弁座152に対し径方向に調心されて軸方向に離着座可能となっていると共に、図15に示す弁部材130の進角位置において第一弁座152への着座を第一制限部材170によって制限可能となっている。
また、第二弁体364は金属からなり、第二弁座162の内周側通路よりも大径且つ収容通路部132cよりも小径の球状を呈している。第二弁体364は、金属製の第二支持部材369によって進角端部132a側から支持されており、当該第二支持部材369の第二ガイド部266が収容通路部132cによって軸方向にガイド且つ径方向に調心されている。これにより第二弁体364は、円錐面状の第二弁座162に対し径方向に調心されて軸方向に離着座可能となっていると共に、図16に示す弁部材130の遅角位置において第二弁座162への着座を第二制限部材180によって制限可能となっている。
このような第二弁体364及び第一弁体354の間には、第二支持部材369及び第一支持部材359を挟んで弾性部材158が介装されている。これにより、弾性部材158は第二弁体364及び第一弁体354を、それぞれ第二支持部材369及び第一支持部材359を介して第二弁座162側及び第一弁座152側に付勢する形となっている。
こうした特徴を有する第三実施形態では、進角作動の負トルク作用時(図15参照)において、接続通路132の内周壁部によってガイドされた第一支持部材359の支持する第一弁体354は、第一制限部材170による着座制限位置について安定し易くなる。同様に、遅角作動の正トルク作用時(図16参照)において、接続通路132の内周壁部によってガイドされた第二支持部材369の支持する第二弁体364は、第二制限部材180による着座制限位置について安定し易くなる。
以上、第三実施形態によれば、進角作動及び遅角作動においてそれぞれ第一弁体354及び第二弁体364の強制離座により進角室52〜54及び遅角室56〜58への作動油供給を確かなものとして、進角応答性及び遅角応答性の双方を高めることが可能となる。
(第四実施形態)
図17に示すように、本発明の第四実施形態は第三実施形態の変形例である。第四実施形態の第一逆止弁450及び第二逆止弁460では、それぞれ個別の第一弁体354及び第二弁体364の代わりに、互いに共通の弁体354が設けられている。即ち、第四実施形態では、第一逆止弁450の弁体354が第二逆止弁460の弁体364を兼ねているのである。
また、第四実施形態の第一逆止弁450及び第二逆止弁460では、それぞれの第一支持部材359及び第二支持部材369がガイド部256,266同士の固着によって、弁体354を挟持した状態で一体化されている。これにより弁体354は、弁座152,162間を支持部材359,369と共に往復移動可能となっている。
さらに、第四実施形態の第一逆止弁450及び第二逆止弁460では、弾性部材158が設けられていない。したがって、弁体354は、接続通路132の作動油流れによって弁座152,162間を往復移動することで、それら弁座152,162に対して軸方向に離着座可能となっている。
こうした特徴の第四実施形態のバルブタイミング調整作動について、以下に詳細に説明する。
(1)進角作動
弁部材130の進角位置への駆動状態下、負トルクの作用によって遅角室56〜58から作動油排出される接続通路132では、図17に示すように、遅角端部132b側から進角端部132a側に向かう作動油流れが生じて弁体354が第二弁座162から離座する。その結果、第二弁座162よりも進角端部132a側への作動油流れにより、また必要に応じて入力通路134からの作動油流れにより、弁体354が第一弁座152に着座しようとする。しかし、このとき弁体354は、図17に示すように第一制限部材170の干渉作用によって着座制限されるので、作動油が第一弁座152よりも進角端部132a側に流れて進角室52〜54へと補給されることになる。
以上に対し、正トルクの作用によって進角室52〜54から作動油排出される接続通路132では、第一制限部材170によって第一弁座152から強制離座されている弁体354が、遅角端部132b側へと向かう作動油流れによって、図18に示すようにさらに離座する。その結果、第一弁座152よりも遅角端部132b側への作動油流れによって、また必要に応じて入力通路134からの作動油流れによって、弁体354が第二弁座162に着座しようとする。このとき、第二制限部材180による弁体354の第二弁座162への着座制限は、図18に示すように解除された状態にあるので、当該着座が実現されて遅角室56〜58への作動油供給が抑制されることになる。
このような進角作動によれば、第一実施形態で説明した入力逆止弁190の機能と共に、各制限部材170,180及び各逆止弁450,460の機能を適時に正しく発揮させて、進角応答性を高めることができるのである。
(2)遅角作動
弁部材130の遅角位置への駆動状態下、正トルクの作用によって進角室52〜54から作動油排出される接続通路132では、図19に示すように、進角端部132a側から遅角端部132b側に向かう作動油流れが生じて弁体354が第一弁座152から離座する。その結果、第一弁座152よりも遅角端部132b側への作動油流れにより、また必要に応じて入力通路134からの作動油流れにより、弁体354が第二弁座162に着座しようとする。しかし、このとき弁体354は、図19に示すように第二制限部材180の干渉作用によって着座制限されるので、作動油が第二弁座162よりも遅角端部132b側に流れて遅角室56〜58へと補給されることになる。
以上に対し、正トルクの作用によって遅角室56〜58から作動油排出される接続通路132では、第二制限部材180によって第二弁座162から強制離座されている弁体354が、進角端部132a側へと向かう作動油流れによって、図20に示すようにさらに離座する。その結果、第二弁座162よりも進角端部132a側への作動油流れによって、また必要に応じて入力通路134からの作動油流れによって、弁体354が第一弁座152に着座しようとする。このとき、第一制限部材170による弁体354の第一弁座152への着座制限は、図20に示すように解除された状態にあるので、当該着座が実現されて進角室52〜54への作動油供給が抑制されることになる。
このような遅角作動によれば、第一実施形態で説明した入力逆止弁190の機能と共に、各制限部材170,180及び各逆止弁450,460の機能を適時に正しく発揮させて、遅角応答性を高めることができるのである。
(3)保持作動
弁部材130の保持位置への駆動状態下、負トルクの作用によって遅角室56〜58から作動油排出される接続通路132では、図21に示すように、遅角端部132b側から進角端部132a側に向かう作動油流れが生じて弁体354が第二弁座162から離座する。このとき、第一制限部材170による弁体354の着座制限は図21の如く解除状態にあるので、第二弁座162よりも進角端部132a側への作動油流れにより、また必要に応じて入力通路134からの作動油流れにより、弁体354が第一弁座152に着座する。したがって、遅角室56〜58からの作動油排出を抑制且つ進角室52〜54への作動油供給を規制することができる。
また、正トルクの作用によって進角室52〜54から作動油排出される接続通路132では、図22に示すように、進角端部132a側から遅角端部132b側に向かう作動油流れが生じて弁体354が第一弁座152から離座する。このとき、第二制限部材180による弁体354の着座制限は図22の如く解除状態にあるので、第一弁座152よりも進角端部132a側への作動油流れにより、また必要に応じて入力通路134からの作動油流れにより、弁体354が第二弁座162に着座することとなる。したがって、進角室52〜54からの作動油排出を抑制且つ遅角室56〜58への作動油供給を規制することができる。
このような保持作動によれば、第一実施形態で説明した入力逆止弁190の機能と共に、各制限部材170,180及び各逆止弁450,460の機能を適時に正しく発揮させて、バルブタイミングの保持性を高めることが可能となる。
(他の実施形態)
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的には、駆動部10において、例えば変動トルクの平均トルクの偏り側とは反対側にカム軸2を付勢するアシストスプリング等の弾性体を設けるようにしてもよい。また、駆動部10については、ハウジング11をカム軸2と連動して回転させ、ベーンロータ14をクランク軸と連動して回転させるようにしてもよい。
また、方向制御弁100については、ソレノイド120により弁部材130を駆動するように構成したもの以外にも、例えばピエゾアクチュエータや油圧アクチュエータにより弁部材130を駆動するものを採用してもよい。さらにまた、方向制御弁100については、ポート114を進角通路72を介して進角室52〜54に連通させると共に、ポート112を遅角通路76を介して遅角室56〜58に連通させるようにしてもよい。この場合、図4,7,12,15,17,18の弁部材位置が遅角作動のための遅角位置となり、また図5,8,14,16,19,20の弁部材位置が進角作動のための進角位置となる。
そして、本発明は、吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、「動弁」としての排気弁のバルブタイミングを調製する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置にも、適用することもできる。
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す構成図である。 図1のII−II線断面図である。 図1の駆動部に作用する変動トルクについて説明するための模式図である。 本発明の第一実施形態による方向制御弁の詳細構成及び作動状態を模式的に示す断面図である。 図4の方向制御弁の作動状態を模式的に示す断面図である。 図4の方向制御弁の作動状態を模式的に示す断面図である。 図4の方向制御弁の作動状態を模式的に示す断面図である。 図4の方向制御弁の作動状態を模式的に示す断面図である。 図4の方向制御弁の作動状態を模式的に示す断面図である。 図4の方向制御弁の第一弁体及び第二弁体について説明するための斜視図である。 図4のXI-XI線断面図である。 本発明の第二実施形態による方向制御弁の詳細構成及び作動状態を模式的に示す断面図である。 図12の方向制御弁の第一弁体及び第二弁体について説明するための斜視図である。 図12の方向制御弁の作動状態を模式的に示す断面図である。 本発明の第三実施形態による方向制御弁の詳細構成及び作動状態を模式的に示す断面図である。 図15の方向制御弁の作動状態を模式的に示す断面図である。 本発明の第四実施形態による方向制御弁の詳細構成及び作動状態を模式的に示す断面図である。 図17の方向制御弁の作動状態を模式的に示す断面図である。 図17の方向制御弁の作動状態を模式的に示す断面図である。 図17の方向制御弁の作動状態を模式的に示す断面図である。 図17の方向制御弁の作動状態を模式的に示す断面図である。 図17の方向制御弁の作動状態を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、4ポンプ (流体入力源)、10 駆動部、11 ハウジング(駆動回転体)、12 シューハウジング、12a 筒部、12b,12c,12d シュー、13 スプロケット、14 ベーンロータ(従動回転体)、14a ボス部、26 ロックピン、27 嵌合孔、28 圧縮コイルスプリング、30 制御部、50 収容室、52,53,54 進角室、56,57,58 遅角室、72 進角通路、76 遅角通路、80 ポンプ通路、100 方向制御弁、110 スリーブ、112 進角ポート、114 遅角ポート、116 入力ポート、120 ソレノイド、130 弁部材、132 接続通路、132a 進角端部、132b 遅角端部、132c 収容通路部、134 入力通路、139 駆動軸、140 リターンスプリング、150,250,350,450 第一逆止弁、152 第一弁座、154,254 第一弁体、155 第一シート部、156,256 第一ガイド部、157 第一対向部、158 弾性部材、160,260,360,460 第二逆止弁、162 第二弁座、164,264,364 第二弁体、165 第二シート部、166,266 第二ガイド部、167 第二対向部、167a 嵌合孔、167b 連通孔、170 第一制限部材、172 第一固定部、174 第一当接部、180 第二制限部材、182 第二固定部、182a 貫通孔、184 第二当接部、190 入力逆止弁、200 制御回路、354 第一弁体・弁体,359 第一支持部材、369 第二支持部材

Claims (14)

  1. 内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、
    前記クランク軸と連動して回転する駆動回転体と、
    前記カム軸と連動して回転し、前記駆動回転体との間において進角室及び遅角室を回転方向に区画し、前記進角室又は前記遅角室に作動流体が供給されることにより前記カム軸を前記クランク軸に対する進角側又は遅角側に駆動する従動回転体と、
    弁部材が進角位置及び遅角位置の間を往復移動可能に設けられ、前記弁部材を前記進角位置に駆動することにより、流体入力源から入力される作動流体を前記進角室に供給し、前記弁部材を前記遅角位置に駆動することにより、前記流体入力源から入力される作動流体を前記遅角室に供給する方向制御弁と、
    を備えるバルブタイミング調整装置において、
    前記弁部材は、
    前記弁部材の前記進角位置及び前記遅角位置への駆動状態下、進角端部が前記進角室に接続され且つ遅角端部が前記遅角室に接続される接続通路と、
    前記接続通路の内周壁部に形成される第一弁座と、
    前記第一弁座よりも前記遅角端部側において前記接続通路の内周壁部に形成される第二弁座と、
    前記接続通路内に収容され、前記遅角端部側から前記進角端部側に向かう作動流体流れにより前記第一弁座に着座し、前記進角端部側から前記遅角端部側に向かう作動流体流れにより前記第一弁座から離座する第一弁体と、
    前記接続通路内に収容され、前記進角端部側から前記遅角端部側に向かう作動流体流れにより前記第二弁座に着座し、前記遅角端部側から前記進角端部側に向かう作動流体流れにより前記第二弁座から離座する第二弁体と、
    前記第一弁座及び前記第二弁座の間において前記接続通路と連通し、前記弁部材の前記進角位置及び前記遅角位置への駆動状態下、前記流体入力源から作動流体が入力される入力通路と、
    を有し、
    前記方向制御弁には、
    前記弁部材の前記進角位置への駆動状態下、前記第一弁体の前記第一弁座への着座を制限する第一制限部材と、
    前記弁部材の前記遅角位置への駆動状態下、前記第二弁体の前記第二弁座への着座を制限する第二制限部材と、
    が設けられることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記第一制限部材は、前記弁部材の前記進角位置への駆動状態下、前記第一弁座よりも前記遅角端部側において前記進角端部側から前記第一弁体と当接し、
    前記第二制限部材は、前記弁部材の前記遅角位置への駆動状態下、前記第二弁座よりも前記進角端部側において前記遅角端部側から前記第二弁体と当接することを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記第一制限部材は、前記弁部材の前記進角位置への駆動状態下、前記第一弁座の内周側を通して前記第一弁座よりも前記遅角端部側に突出する一方、前記弁部材の前記遅角位置への駆動状態下、前記第一弁座の内周側から前記第一弁座よりも前記進角端部側に抜出し、
    前記第二制限部材は、前記弁部材の前記遅角位置への駆動状態下、前記第二弁座の内周側を通して前記第二弁座よりも前記進角端部側に突出する一方、前記弁部材の前記進角位置への駆動状態下、前記第二弁座の内周側から前記第二弁座よりも前記遅角端部側に抜出することを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記入力通路側から前記流体入力源側に向かう作動流体の逆流を規制する入力逆止弁を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記弁部材は、
    前記接続通路内において前記第一弁体及び前記第二弁体の間に収容され、前記第一弁体及び前記第二弁体をそれぞれ前記第一弁座側及び前記第二弁座側に付勢する弾性部材を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記第一弁体及び前記第二弁体は、それぞれ前記接続通路の内周壁部によりガイドされる第一ガイド部及び第二ガイド部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記弁部材は、前記接続通路の内周壁部によりガイドされると共に、前記第一弁体及び前記第二弁体をそれぞれ支持する第一支持部材及び第二支持部材を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記第一弁体及び前記第二弁体は、それぞれ前記第一弁座及び前記第二弁座と反対側において互いに対向する第一対向部及び第二対向部を形成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  9. 前記第一対向部及び前記第二対向部のうち一方は、有底の嵌合孔を形成する筒状を呈し、
    前記第一対向部及び前記第二対向部のうち他方は、前記嵌合孔に相対摺動可能に嵌合する棒状を呈することを特徴とする請求項8に記載のバルブタイミング調整装置。
  10. 前記第一対向部及び前記第二対向部のうち前記一方は、前記嵌合孔を外部の前記接続通路と連通させる連通孔を形成することを特徴とする請求項9に記載のバルブタイミング調整装置。
  11. 前記第一弁体及び前記第二弁体は、それぞれ前記接続通路の内周壁部によりガイドされる第一ガイド部及び第二ガイド部を有し、
    前記第一対向部及び前記第二対向部は、それぞれ前記第一ガイド部及び前記第二ガイド部を兼ねることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  12. 前記第一弁体は、前記接続通路内における前記第一弁座及び前記第二弁座の間を往復移動可能に収容されて前記第二弁体を兼ねることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  13. 前記進角位置及び前記遅角位置の間の中間位置への前記弁部材の駆動状態下、前記進角端部及び前記遅角端部がそれぞれ前記進角室及び前記遅角室に接続されると共に、前記第一制限部材及び前記第二制限部材がそれぞれ前記第一弁体の前記第一弁座への着座制限及び前記第二弁体の前記第二弁座への着座制限を解除することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  14. 前記第一制限部材は、前記弁部材の前記進角位置への駆動状態下、前記第一弁座の内周側を通して前記第一弁座よりも前記遅角端部側に突出する一方、前記弁部材の前記遅角位置及び前記中間位置への駆動状態下、前記第一弁座の内周側から前記第一弁座よりも前記進角端部側に抜出し、
    前記第二制限部材は、前記弁部材の前記遅角位置への駆動状態下、前記第二弁座の内周側を通して前記第二弁座よりも前記進角端部側に突出する一方、前記弁部材の前記進角位置及び前記中間位置への駆動状態下、前記第二弁座の内周側から前記第二弁座よりも前記遅角端部側に抜出することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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