JP5375495B2 - 電子写真トナー用樹脂組成物及び電子写真トナー - Google Patents

電子写真トナー用樹脂組成物及び電子写真トナー Download PDF

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Description

本発明は、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立しつつ、トナー粒子の強度の耐久性、帯電安定性、耐ブロッキング性に優れたトナーが得られる樹脂組成物に関する。
近年、電子写真トナーには、更なる連続印刷時の画質の安定性、低消費電力化のための低温定着性、耐ブロッキング性(コピー機内での保存中にトナー粒子が凝集しない性質)が求められている。低温定着性や耐ブロッキング性を向上させる為、結着樹脂として結晶構造を有する樹脂(結晶性樹脂)を用いることが知られている。具体的には、例えば、170℃における貯蔵弾性率が10〜10000Pa、融解熱の最大ピーク温度が55〜150℃、軟化点と融解熱の最大ピーク温度が0.6〜1.3である結晶性ポリエステル樹脂が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
結晶性ポリエステル樹脂は、融点近傍で急激に粘度変化を起こす(言い換えると、固体から液体またはその逆の物理状態変化を引き起こす)ため、低温定着性と耐ブロッキング性に優れる。しかしながら、高温での粘度低下による耐ホットオフセット性低下や結晶構造に起因する帯電安定性の低下などの問題がある。帯電安定性について言えば、結晶性ポリエステル樹脂の体積抵抗値は例えば1014Ωcm未満であり、結晶構造を有さないポリエステル樹脂(非晶性ポリエステル樹脂)と比較して体積抵抗値が低い。その為、該結晶性ポリエステル樹脂のみを結着樹脂として用いた電子写真トナーは帯電保持力が弱く帯電量の経時的な低下が見られる。その結果、該電子写真トナーには連続印刷時の画質の安定性に劣る問題がある。このような結晶性ポリエステル樹脂の欠点を克服する為に、前記特許文献1においても、結着樹脂として帯電量の経時的な低下の少ない非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とを混合させた樹脂(ハイブリッド樹脂)として用いている。
しかしながら、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂の混合系において、低温定着性と耐ブロッキング性は、耐ホットオフセット性と帯電安定性に対して相反(トレードオフ)の関係にあるため、前者の特長を出すために結晶性ポリエステル樹脂の含有量を多くすると後者の特長が低下することになり、結局のところすべてを満足することは困難である。
一方、電子写真法における現像方法としては多くの方法が有り、例えば、一成分現像法や二成分現像法等が知られている。近年のカラー高画質化・高速化のニーズが高まる状況下においては、磁性粉やキャリアを含まない非磁性一成分現像法が主流である。同現像法に用いられるトナーは、ブレードや現像ローラとの接触帯電による現像方式を取るため摩擦接触時のトナー耐久性が要求される。トナーの耐久性が小さいと、現像時の接触等でトナー粒子が破砕されたり、トナー表面の外添剤が埋没する。そうなると、現像ローラへのフィルミングを引き起こして画像濃度が変化して、画質が低下する。従って、カラー高画質化・高速化に伴い、さらなる耐久性の向上が求められている。トナーの耐久性向上のために、ポリカーボネート樹脂を用いる検討がなされている(例えば、特許文献2参照)。該公報によれば、汎用のトナー用バインダー樹脂と分子量1000以下の低分子量体を減らしたポリカーボネートを併用することでトナーの耐久性と転写効率を向上させることができる。しかしながら、該公報においても、近年のカラー高画質化・高速化に対応するには十分な耐久性ではない。また、バインダー樹脂に関しては、実質的に非晶性のスチレンアクリル樹脂に限定されており、低温定着性や耐ブロッキング性の両立は困難である。
ポリカーボネートおよびポリエステルを用いて耐ブロッキング性を向上させた報告がされている(例えば、特許文献3参照)。該公報によると、熱互変液晶性のポリカーボネートおよびポリエステルを用いることで溶融温度間隔が狭く耐ブロッキング性に優れたトナーを得られる。しかしながら、ポリカーボネートの溶融温度が100〜180℃、ポリエステルの溶融温度が175〜220℃にあるため、耐ブロッキング性および耐ホットオフセット性には優れるものの、低温定着性は不十分である。
このように、低温定着性、耐ブロッキング性、耐ホットオフセット性、帯電安定性および耐久性を満足させることは、近年の高画質化、低消費電力化、高速化を重視するコピー機やカラーレーザープリンタにおいて非常に重要な課題である。
特開2001−222138号公報 特開平11−149182 特開昭61−69861号公報
本発明の課題は、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立しつつ、耐久性、帯電安定性、耐ブロッキング性に優れた電子写真トナーが得られる樹脂組成物及び該樹脂組成物を含有する電子写真トナーを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、エポキシ化合物、ジカルボン酸及びジオールとを反応させて得られるポリエステル樹脂として、それぞれ特定の化合物を選択し、且つ、それらの反応割合を限定して得られるポリエステル樹脂に特定の流動特性を有するポリカーボネート樹脂を加える事により電子写真トナーの耐久性、帯電安定性、耐ブロッキング性、低温定着性、耐ホットオフセット性に優れる電子写真トナーが得られること等を見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明はエポキシ当量180〜800のエポキシ化合物(a1)と、炭素原子数4〜18のアルキル基を有するジカルボン酸(a2)と、炭素原子数4〜18のアルキル基を有するジオール(a3)とを、モル比(%)が〔(a1)/(a2)/(a3)=〔(0.1〜0.5)/(30〜50)/(30〜50)となる範囲で反応させて得られる結晶性ポリエステル樹脂(A)と、流動特性を表すメルトボリュームフローレイトが12〜30cm/10minのポリカーボネート樹脂(B)とを含有することを特徴とする電子写真トナー用樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、前記電子写真トナー用樹脂組成物を含有することを特徴とする電子写真トナーを提供するものである。
本発明によれば、低温定着性と耐ホットオフセット性を両立しつつ、耐久性、帯電安定性、耐ブロッキング性に優れた電子写真トナーが得られる樹脂組成物及び該樹脂組成物を含有する電子写真トナーを提供することができる。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)は、エポキシ当量180〜800のエポキシ化合物(a1)と、炭素原子数4〜18のアルキル基を有するジカルボン酸(a2)と、炭素原子数4〜18のアルキル基を有するジオール(a3)とを、モル比(%)が〔(a1)/(a2)/(a3)=〔(0.1〜0.5)/(30〜50)/(30〜50)となる範囲で反応させて得られる結晶性ポリエステル樹脂(A)と、メルトボリュームフローレイトが12〜30cm/10minのポリカーボネート樹脂(B)とを含有する。
前記エポキシ化合物として、エポキシ当量が180より少ない化合物を前記モル比で0.1モル%より少ない量を用いたのでは、得られる電子写真トナーの耐ホットオフセット性が不十分となる為、好ましくない。前記エポキシ化合物として、エポキシ当量が180より少ない化合物を前記モル比で0.5モル%より多く用いた場合、得られる電子写真トナーの低温定着性が不十分となる為、好ましくない。
前記エポキシ化合物として、エポキシ当量が800より大きい化合物を前記モル比で0.1モル%より少ない量を用いたのでは、得られる電子写真トナーの耐ホッオフセット性が不十分となる為、好ましくない。前記エポキシ化合物として、エポキシ当量が800より大きい化合物を前記モル比で0.5モル%より多く用いた場合、得られる電子写真トナーの低温定着性が不十分となる為、好ましくない。
エポキシ化合物(a1)としては、エポキシ当量180〜770の化合物が好ましい。また、使用量は前記モル比で0.1〜0.3モル%が好ましい。
前記ジカルボン酸(a2)として炭素原子数が4より小さいアルキル基を有するジカルボン酸を前記モル比で30モル%より少ない量を用いたのでは、得られる電子写真トナーの耐ブロッキング性が不十分となる為、好ましくない。また、炭素原子数が4より小さいアルキル基を有するジカルボン酸を前記モル比で50モル%より多く用いたのでは、得られる電子写真トナーの連続印刷時の画質の安定性(帯電安定性)が不十分となる為、好ましくない。
前記ジカルボン酸として炭素原子数が18より大きいアルキル基を有するジカルボン酸を前記モル比で30モル%より少ない量を用いたのでは、得られる電子写真トナーの耐ホットオフセット性が不十分となる為、好ましくない。また、炭素原子数が18より大きいアルキル基を有するジカルボン酸を前記モル比で50モル%より多く用いたのでは、得られる電子写真トナーの低温定着性が不十分となる為、好ましくない。
ジカルボン酸(a2)としては、炭素原子数4〜16のアルキル基を有するジカルボン酸が好ましい。また、使用量は前記モル比で40〜50%が好ましい。
前記ジオールとして炭素原子数が4より小さいアルキル基を有するジオールを前記モル比で30モル%より少ない量を用いたのでは、得られる電子写真トナーの耐ブロッキング性が不十分となる為、好ましくない。また、炭素原子数が4より小さいアルキル基を有するジオールを前記モル比で50モル%より多く用いたのでは、得られる電子写真トナーの帯電安定性が不十分となる為、好ましくない。
前記ジオールとして炭素原子数が18より大きい小さいアルキル基を有するジオールを前記モル比で30モル%より少ない量を用いたのでは、得られる電子写真トナーの耐ホットオフセット性が不十分となる為、好ましくない。また、炭素原子数が18より大きくアルキル基を有するジオールを前記モル比で50モル%より多く用いたのでは、得られる電子写真トナーの低温定着性が不十分となる為、好ましくない。
ジオール(a3)としては、炭素原子数4〜16のアルキル基を有するジオールが好ましい。また、使用量は前記モル比で40〜50%が好ましい。
従って、本発明においては、エポキシ化合物(a1)がエポキシ当量180〜770のエポキシ化合物で、ジカルボン酸(a2)が炭素原子数4〜16のアルキル基を有するジカルボン酸で、ジオール(a3)が炭素原子数6〜12のアルキル基を有するジオールであることが好ましい。
そして、本発明で用いるポリエステル樹脂は、エポキシ化合物(a1)、ジカルボン酸(a2)およびジオール(a3)をモル比(%)が〔(a1)/(a2)/(a3)〕=〔(0.1〜0.3)/(40〜50)/(40〜50)〕となる範囲で反応させて得られる結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。
更に、本発明で用いるポリエステル樹脂(A)は、エポキシ化合物(a1)としてエポキシ当量180〜770のエポキシ化合物を用い、ジカルボン酸(a2)として炭素原子数4〜16のアルキル基を有するジカルボン酸を用い、ジオール(a3)として炭素原子数6〜12のアルキル基を有するジオールを用い、且つ、エポキシ化合物(a1)、ジカルボン酸(a2)およびジオール(a3)を、モル比(%)が〔(a1)/(a2)/(a3)〕=〔(0.1〜0.3)/(40〜50)/(40〜50))となる範囲で反応させて得られる結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
本発明において、「結晶性」とは、樹脂骨格中に存在する規則的配列構造に由来するラメラ結晶型や球晶型などの結晶構造を有し、この結晶構造が熱により融解する際に発生する単独または複数の結晶融解熱に由来する吸熱ピークを有する性質をいう。本発明で用いるポリエステル樹脂はこの性質を有するポリエステル樹脂である。前記規則的配列構造としては、例えば、前記(a2)及び(a3)が有するアルキル基等の構造やアルケニル基等の構造が挙げられる。
本発明で用いるエポキシ化合物(a1)はエポキシ当量180〜800である。このような化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる一種以上のエポキシ樹脂が、耐ホットオフセット性に優れる電子写真トナーが得られることから好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂およびフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる一種以上のエポキシ樹脂がより好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびフェノールノボラック型エポキシ樹脂が更に好ましい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の中でもエポキシ当量が470〜770のビスフェノールA型エポキシ樹脂が好ましい。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の中でもエポキシ当量が190〜220のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。そして、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の中でもエポキシ当量が180〜190のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
本発明で用いるジカルボン酸(a2)は炭素原子数4〜18のアルキル基を有するジカルボン酸である。炭素原子数4〜18のアルキル基を有するジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸(炭素原子数4)、セバシン酸(炭素原子数8)、テトラデカン二酸(炭素原子数12)、オクタデカン二酸(炭素原子数16)、エイコサン二酸(炭素原子数18)等が挙げられる。
本発明で用いるジオール(a3)は炭素原子数4〜18のアルキル基を有するジオールである。炭素原子数4〜18のアルキル基を有するオールとしては、例えば、1,4−ブタンジオール(炭素原子数4)、1,6−ヘキサンジオール(炭素原子数6)、デカンジオール(炭素原子数10)、ドデカンジオール(炭素原子数12)、オクタデカンジオール(炭素原子数18)等が挙げられる。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)は、例えば、下記の方法で得ることができる。下記の方法ではエポキシ化合物(a1)と、ジカルボン酸(a2)と、ジオール(a3)とが、モル比(%)が〔(a1)/(a2)/(a3)〕=〔(0.1〜0.5)/(30〜50)/(30〜50)〕となる範囲で用いる。
製法1:(a1)、(a2)及び(a3)を一括に仕込み、140℃〜260℃で4〜30時間反応させる方法。
製法2:(a1)と(a2)と反応させ水酸基を有する反応物を得た後、該反応物と(a3)とを反応させる方法。
上記方法の中でも製造中に樹脂のゲル化が発生しにくく、本発明で用いるポリエステル樹脂(A)を製造しやすいことから製法1が好ましい。
前記製法1では(a1)と(a2)と(a3)とを反応させることでポリエスエル樹脂(A)を得る。この場合、公知慣用の重縮合反応法により任意に製造される。例えば、エステル化触媒(錫化合物、チタン化合物、ジルコニウム化合物等)の存在下やエステル交換触媒(鉛化合物、錫化合物、亜鉛化合物、チタン化合物等)の存在下に、ジカルボン酸メチルエステル等の低級アルキルエステル使用のエステル交換反応、常圧脱水反応、減圧および真空脱水反応、溶液重縮合法、固相重縮合反応等いずれの製造法にて実施してもよい。この時のポリエステル化反応の追跡は、酸価、水酸基価、粘度または軟化点を測定することにより行うことができる。この場合の反応温度は、例えば、140〜260℃、反応時間4〜10時間である。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)は、前記(a1)、(a2)及び(a3)以外の化合物も本発明の効果を損なわない範囲で用いて製造することができる。前記(a1)、(a2)及び(a3)以外の化合物としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族2価アルコール類;ビスフェノールA、ビスフェノールAのポリアルキレンオキサイド付加物等のビスフェノールA誘導体等の芳香族2価アルコール類;シクロヘキサンジメタノール等の脂環族2価アルコール類等;カージュラE10「シェルケミカル社製 分枝脂肪酸のモノグリシジルエステル」等の脂肪族モノエポキシ化合物;
オルソフタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、無水コハク酸等の芳香族2価カルボン酸類;
グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、2−メチルプロパントリオール等の3価以上のアルコール;
トリメリット酸、無水トリメリット酸、シアヌール酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等の3価以上のカルボン酸;
ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、リンゴ酸、およびそれらの誘導体等の水酸基とカルボキシル基を併有するヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)のテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量(Mw)は、低温定着性と耐ホットオフセット性に優れる電子写真トナーが得られることから15,000〜35,000が好ましく、16,000〜34,000がより好ましい。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)のテトラヒドロフラン可溶分の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比〔(Mw)/(Mn)〕は、低温定着性と耐ホットオフセット性に優れる電子写真トナーが得られることから3.0〜8.5が好ましく、4.0〜8.0がより好ましい。
なお、本発明において、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の測定は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法を用い、下記の条件により行った。
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC−8120GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSK−GUARDCOLUMN HXL−H
+東ソー株式会社製 TSK−GEL G5000HXL
+東ソー株式会社製 TSK−GEL G4000HXL
+東ソー株式会社製 TSK−GEL G3000HXL
+東ソー株式会社製 TSK−GEL G2000HXL
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC−8020modelII
測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.4重量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)のテトラヒドロフラン不溶分は、低温定着性に優れる電子写真トナーが得られることから20重量%未満が好ましく、10重量%未満がより好ましい。
本発明において、テトラヒドロフラン不溶分の測定は、下記の静置法により行った。
<テトラヒドロフラン不溶分の測定>
目開き710μmの篩いにかけた結晶性ポリエステル樹脂1.5gを秤量し、500メッシュの金網に入れる。この金網を、80gのテトラヒドロフランの入った密閉容器に浸漬し、24時間静置する。24時間後金網を取出し、70℃の乾燥機で1時間乾燥させる。乾燥させた金網を室温まで冷却して金網の重さを量る。下記の式より不溶分を算出する。
不溶分(%)=浸漬後の金網重量÷樹脂の重量を含む浸漬前の金網重量×100
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)の融点は、低温定着性と耐ブロッキング性に優れる電子写真トナーが得られることから50〜95℃が好ましく、55〜90℃がより好ましい。
本発明で用いるポリエステル樹脂(A)の融点は、示差走査熱量分析(DSC)法を用い、下記の条件により求めた。
測定装置 ;セイコーインスツル株式会社製 DSC−220C
データ処理;EXSTAR6000 PCステーション
測定条件 ;1.20℃から150℃まで昇温(10℃/min)
2.150℃にて10分間保持
3.150℃から0℃まで降温(10℃/min)
4.0℃にて10分間保持
5.0℃から150℃まで昇温(10℃/min)
解析 ;5.の測定結果において、融解熱の最大吸熱ピーク温度を融点とする。
本発明で使用するメルトボリュームフローレイトが12〜30cm/10minのポリカーボネート樹脂(B)は、例えば、2価のフェノールとハロゲン化カルボニルとを界面重縮合させる方法や、2価のフェノールと炭酸ジエステルとを溶融重合法(エステル交換法)させる方法等によって製造したものを使用することができる。
前記2価のフェノールとしては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、4,4´−ジヒドロキシジフェニル、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)ブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル等を単独で使用または2種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも前記2価のフェノールとしては、広く市販されているビスフェノールA等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン系を主原料として使用することが好ましい。
前記ハロゲン化カルボニルとしては、例えば一般にホスゲンといわれる塩化カルボニルや、臭化カルボニルおよびこれらの混合物等を使用することができる。
また前記炭酸ジエステルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネートおよびこれらの混合物等を使用することができる。
前記2価のフェノールとハロゲン化カルボニルとを界面重縮合させる方法は、例えば一般にホスゲン法といわれるものであって、具体的には前記2価のフェノールの分散した水酸化ナトリウム水溶液と、ハロゲンカルボニルの溶解した塩化メチレン溶液とを混合、撹拌し界面重縮合させる方法である。
前記2価のフェノールと炭酸ジエステルとを溶融重合法(エステル交換法)させる方法は、例えば、前記2価のフェノールと炭酸ジエステルとを加熱溶融し、脱フェノール反応によりエステル交換反応を進行させ重縮合させる方法である。
本発明で使用する前記ポリカーボネート(B)は特定の流動特性を有するものが用いられる。流動特性を表す指標の1つとしてメルトボリュームフローレイトがある。メルトボリュームフローレイトとは、JIS K7210に準拠した測定により得られる流動特性であり、この数値が小さいほど流動性が低くなる。逆に、この数値が大きいものほど流動性が高くなる。
本発明で使用する前記ポリカーボネート(B)としては、メルトボリュームフローレイトが13〜29cm/10minの範囲を有するものが好ましく、耐久性に優れる電子写真用トナーが得られることから14〜28cm/10minの範囲を有するものがより好ましい。
このようなポリカーボネート樹脂の流動特性の調節には、フェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−クミルフェノールなどが用いられる。
また、本発明で用いるポリカーボネート樹脂(B)としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと塩化カルボニルとを反応させて得られるポリカーボネート樹脂が好ましい。
本発明の電子写真トナー用樹脂は前記結晶性ポリエステル樹脂(A)と、ポリカーボネート樹脂(B)とを、(A)と(B)との含有量が重量比で〔(A)/(B)〕=50/50〜90/10となる範囲で含有していればよい。例えば、ポリエステル樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)とが化学的に結合していても良いし、ポリエステル樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)の一部ないし全部が化学的に結合していても良い。
前記結晶性ポリエステル樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)の含有量の重量比において、(A)の比率が49%より小さいと、結晶性が低下して低温定着性と耐ブロッキング性が不十分となる為、好ましくない。また、(A)の比率が90%より大きいと帯電安定性と耐久性が不十分となる為、好ましくない。
結晶性ポリエステル樹脂(A)と、ポリカーボネート樹脂(B)は、低温定着性および耐ブロッキング性と帯電安定性および耐久性の両立の理由から、重量比で〔(A)/(B)〕=60/40〜80/20となる範囲で含有しているのがより好ましい。
ポリエステル樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)とを反応させるには、例えば、ポリエステル樹脂(A)を合成中に予め作成しておいたポリカーボネート樹脂を加える等の方法がある。
本発明のトナー用樹脂組成物には、着色剤を混合することができる。前記着色剤としては、例えば、種々の有機顔料、無機顔料、染料等を用いることができる。具体的には、例えば、カーボンブラック、ランプブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、ウルトラマリンブルー、フタロシアニンブルー、クロムイエロー、ピグメントイエローL、チタンイエロー、ローズベンガラ、キナクリドンレッド、ウオッチングレッド等を挙げることができ、1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
本発明の電子写真トナー用樹脂組成物中の着色剤の重量割合は特に制限されないが、通常トナー用樹脂組成物100重量部当たり、着色剤1〜60重量部、好ましくは3〜30重量部である。
また、本発明の電子写真トナーは、必要に応じて離型剤、帯電制御剤等の添加剤を添加してポリエステル樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)の融点以上で溶融混練した後、粉砕し、分級することにより得ることができる。勿論、これ以外の方法で製造してもよい。
上記離型剤としては、例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュワックス、ステアリルビスアミド、酸化ワックス等の合成ワックスや、カルナウバワックス、モンタンワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス等の天然ワックス等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。好適な離型剤としては、例えば、天然エステル系ワックスである精製カルナウバワックス1号〜3号[(株)加藤洋行製]や合成ポリプロピレンワックスであるビスコール660P、ビスコール550P[三洋化成工業(株)製]等がある。
本発明の電子写真用トナー中の離型剤の重量割合は特に制限されないが、通常電子写真用トナー100重量部当たり、離型剤0.3〜15重量部、好ましくは1〜5重量部である。
上記帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、トリメチルエタン系染料、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、金属錯塩アゾ系染料等の重金属含有酸性染料等公知慣用の電荷制御剤を挙げることができ、1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
前記電子写真トナー中の帯電制御剤の重量割合は特に制限されるものではないが、好ましくは電子写真トナー100重量部当たり、帯電制御剤0.5〜3重量部が望ましい。
電子写真トナーを得るに当たっては、その製造の任意の工程において、更に、流動性向上剤等の各種助剤を加えることができる。流動性向上剤は、電子写真トナーの表面に付着させるのが有効である。
さらに、本発明で得られる電子写真トナーは、このままでもトナーとして使用することができるが、シリカを外添することにより、より粉体流動性を向上させることができ実用上好適である。
シリカとしては、比較的大きい平均粒子径を有するものと、比較的小さい平均粒子径を有するものがあり、これらは単独で用いても併用してもよい。シリカの外添量としては、帯電量が必要充分となり、感光体ドラムを傷つけたり、トナーの環境特性の悪化を招くこと等がないことから、電子写真トナー粒子100重量部に対し、0.1〜5.0重量部が実用上好適である。
次に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。例中「部」とあるのは、特にことわりがない限り重量部を表すものとする。
参考例1(電子写真トナー用樹脂組成物の調製)
ジカルボン酸として炭素原子数4のアジピン酸876.9g(ポリエステル構成モノマーのうち30.0モル%)、その他のカルボン酸としてテレフタル酸630.8g、ジオールとして炭素原子数6の1,6−ヘキサンジオール709.0g(ポリエステル構成モノマーのうち30.0モル%)、その他のアルコールとしてエチレングリコール259.2g、エポキシ化合物としてエポキシ当量187のフェノールノボラック型エポキシ樹脂26.2g(ポリエステル構成モノマーのうち0.1モル%)およびジブチルスズオキサイド0.8gを5リットルの4つ口フラスコに入れ、窒素気流下にて250℃まで昇温した。同温度にて6時間反応させて結晶性ポリエステル樹脂(A1)2167.4gを得た。この結晶性ポリエステル樹脂(A1)の重量平均分子量(Mw)は19400、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比〔(Mw)/(Mn)〕は4.1であった。
この結晶性ポリエステル樹脂(A1)に、ポリカーボネート樹脂(B1)として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンポリカーボネート(メルトボリュームフローレイト14cm/10min)2167.4gを入れて、250℃にて6時間反応させて本願発明の電子写真トナー用樹脂組成物(結晶性ポリエステルポリカーボネート含有樹脂組成物)(C1)を得た。この組成物(C1)の重量平均分子量(Mw)は37800、数平均分子量(Mn)は4500、DSCのメインピークトップ(融点)は57℃であった。
参考例2〜67〔同上〕
第1表〜第9表に示す配合で行った以外は参考例1と同様にして電子写真トナー用樹脂組成物C2〜C67を得た。
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参考例68〜115〔同上〕
第10表〜第17表に示す配合で行った以外は参考例1と同様にして比較対照用電子写真トナー用樹脂組成物C´1〜C´48を得た。
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合成例116〔比較対照用スチレンアクリル樹脂(D)の合成〕
反応容器にキシレン200gを入れて還流温度まで昇温した後、これにスチレン85g、n−ブチルアクリレート15gおよびジ−tert−ブチルパーオキサイド2gの混合液を滴下後、キシレン還流下、7時間で重合を完了し、低分子量スチレンアクリル樹脂溶液(1)を得た。一方、スチレン70g、n−ブチルアクリレート25g、マレイン酸モノブチル5g、ポリビニルアルコール0.2g、脱気水200gおよび過酸化ベンゾイル0.1を混合懸濁分散させた。上記懸濁分散溶液を加熱し、窒素雰囲気下において85℃で24時間保持して重合を完結させ、高分子量スチレンアクリル樹脂(2)を得た。この高分子量スチレンアクリル樹脂(2)30gを低分子量スチレンアクリル樹脂溶液(1)70gを含有する溶液重合終了時の溶液中に投入し、溶媒中に完全に溶解混合した後、溶媒を留去してスチレンアクリル樹脂(D)を得た。
合成例117〔比較対照用ポリカーボネート樹脂(E)の合成〕
p,p’−ビフェノール11.2g、トリエチルアミン18gおよび塩化メチレン100mLを250Lの4つ口フラスコに入れた。フラスコを冷水中に置いて15分間内容物を攪拌した。フラスコの内温が15℃に低下した後、滴下ロートに0.055〜0.06モルのジエチレングリコールビスクロロホルメートを入れ、これを反応混合物中に0.5時間で加えた。その後、反応混合物を20〜25℃の温度に保持して、さらに3時間反応させた。室温に冷却後、得られたポリマーをろ過分離して、得られた生成物を100mLの塩酸と100mLの脱イオン水で3回洗浄した。その後、ポリマー溶液をメタノール中で沈降させて80℃の真空乾燥機で乾燥してポリカーボネート樹脂(E)を得た。
実施例1
樹脂組成物(C1)84部、カーボンブラックMA−11(三菱化学製)5部、ボントロンS34(オリエント化学製 帯電制御剤)1部及びカルナウバワックス10部をヘンシェルミキサ−で混合し、本発明の電子写真トナー用ポリステル樹脂組成物を得た後、2軸混練機で混練し、混練物を得た。このようにして得られた混練物を粉砕、分級した。シリカR972(日本アエロジル製)1部をヘンシェルミキサーで混合後、篩かけをして混合物を得た。得られた混合物5部とキャリア(シリコン樹脂被覆フェライトキャリア)95部を混合攪拌して電子写真用トナー1を調整した。トナー1について、低温定着性、耐ブロッキング性、耐ホットオフセット性、連続印刷時の画質の安定性および耐久性を下記評価方法に従って評価した。評価結果を第18表に示す。
<低温定着性の評価>
熱ロールの設定温度を5℃きざみに80℃から140℃まで変化させ、ベタ印刷を行った。ベタ印刷部分に堅牢度試験を行い試験前後の画像濃度をマクベス濃度計(RD−918)で測定し、その試験前の値に対する剥離後の濃度値の比率を%で表示した場合に、その値が80%以上となる温度を定着開始温度とした。この温度が低いほど低温定着性の良好な電子写真用トナーである。低温定着性の評価基準は下記の通りとした。尚、堅牢度試験は学振型摩擦堅牢度試験機(荷重:200g、擦り操作:5ストローク)を用いて行った。
◎;定着開始温度が110℃未満の場合
○;定着開始温度が110℃以上、115℃未満の場合
△;定着開始温度が115℃以上、120℃未満の場合
×;定着開始温度が120℃以上の場合
<耐ブロッキング性の評価方法>
40℃50%RHの環境下で66g/cmの負荷をかけて48時間放置したトナーをサンプルとして用い、同サンプル400gを目開き45μmの篩いをセットした振動篩い装置で振幅1mm30秒間振動させた。篩いに残った凝集物の割合を下記の基準で評価した。凝集物の割合が小さいものほど耐ブロッキング性は良好である。
◎;10質量%未満の場合
○;10〜20質量%未満の場合
△;20〜30質量%未満の場合
×;30質量%以上の場合
<耐ホットオフセット性の評価方法>
熱ロールの設定温度を5℃きざみに150℃から210℃まで変化させたときに、ベタ印刷部分が再び同じ用紙にオフセットし、目視で確認できる最低の温度で表示した。この温度が高いほど耐オフセット性が良好であることを示す。
◎;オフセット開始温度が210℃以上の場合
○;オフセット開始温度が180℃以上、210℃未満の場合
△;オフセット開始温度が150℃以上、180℃未満の場合
×;オフセット開始温度が150℃未満の場合
ただし、高温でオフセットしない場合でも、樹脂自体がワックスとして作用し印刷媒体への定着性が悪いものは×の評価とした。
尚、定着開始温度、耐オフセット性の評価は、次のようなヒートローラー定着機条件で行った。
ロール材質:上;ポリテトラフルオロエチレン、下;シリコーン
上ロール荷重:7Kg/350mm
ニップ幅:4mm
紙通し速度:90mm/sec
<連続印刷時の画質の安定性の評価方法>
連続印刷時の画質の安定性は電子写真用トナーの帯電量の経時安定性を評価することにより行った。トレックジャパン(株)製210HSー2Aブローオフ帯電量測定機器を用い、電子写真用トナー1.5gとフェライトキャリアMF−100(日本鉄粉社製)48.5gの混合物を50mlのポリ容器にて1分間、10分間、30分間、60分間ターブラシェイカーミキサーにて混合し帯電量測定機器によって測定した。このときの最大帯電量と最小帯電量の差を求め、この値を帯電量の経時安定性の評価とした。この値が小さいほど帯電安定性に優れており、画像形成時の画像安定性に優れていることを表す。
帯電量の経時安定性の評価基準
◎:最大帯電量と最小帯電量の差が−3μC/g未満
○:最大帯電量と最小帯電量の差が−3μC/g以上、−6μC/g未満
△:最大帯電量と最小帯電量の差が−6μC/g以上、−9μC/g未満
×:最大帯電量と最小帯電量の差が−9μC/g以上、−12μC/g未満
<耐久性の評価>
耐久性評価は連続印刷時の画像濃度の変化により行った。単色で連続ベタ印刷を行い、100枚と1000枚印刷したときの画像濃度をマクベス濃度計(RD−918)で測定した。1000枚印刷後濃度値を100枚印刷後の濃度値で割った比率を%で表示した場合に、下記基準に従って評価した。
◎:濃度値の比率が95%以上
○:濃度値の比率が85%以上、95%未満
△:濃度値の比率が75%以上、85%未満
×:濃度値の比率が75%未満
実施例2〜67及び比較例1〜48
第1表〜第17表に示す電子写真トナー用樹脂組成物(C)および比較対照用組成物(C´)を用いた以外は実施例1と同様にして電子写真用トナー2〜67および比較対照用電子写真用トナー1´〜48´を作成した。実施例1と同様に評価を行い、その結果を第18表及び第19表に示す。
比較例49
樹脂組成物C1の代わりにスチレンアクリル樹脂(D)76.4部および1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンポリカーボネート(F)7.6部を用いた以外は実施例1と同様にして比較対照用電子写真用トナー49´を作成した。実施例1と同様に評価を行い、その結果を第19表に示す。
比較例50
結晶性ポリエステルポリカーボネート樹脂(C)の代わりにポリカーボネート樹脂(E)を用いた以外は実施例1と同様にして比較対照用電子写真用トナー50´を作成した。実施例1と同様に評価を行い、その結果を第19表に示す。
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Claims (9)

  1. エポキシ当量180〜800のエポキシ化合物(a1)と、炭素原子数4〜18のアルキル基を有するジカルボン酸(a2)と、炭素原子数4〜18のアルキル基を有するジオール(a3)とを、モル比(%)が〔(a1)/(a2)/(a3)=〔(0.1〜0.5)/(30〜50)/(30〜50)となる範囲で反応させて得られる結晶性ポリエステル樹脂(A)と、メルトボリュームフローレイトが12〜30cm/10minのポリカーボネート樹脂(B)とを、(A)と(B)との含有量が重量比で〔(A)/(B)〕=50/50〜90/10となる範囲で含有することを特徴とする電子写真トナー用樹脂組成物。
  2. 前記ポリカーボネート樹脂(B)が2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと塩化カルボニルとを反応させて得られ、且つ、メルトボリュームフローレイトが14〜28cm/10minのポリカーボネート樹脂である請求項1記載の電子写真トナー用樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ化合物(a1)がエポキシ当量180〜770で、ジカルボン酸(a2)が炭素原子数4〜16のアルキル基を有するジカルボン酸で、ジオール(a3)が炭素原子数6〜12のアルキル基を有するジオールである請求項1記載の電子写真トナー用樹脂組成物。
  4. 前記ポリエステル樹脂(A)が、エポキシ化合物(a1)、ジカルボン酸(a2)およびジオール(a3)をモル比(%)が〔(a1)/(a2)/(a3)〕=〔(0.1〜0.3)/(40〜50)/(40〜50)〕となる範囲で反応させて得られる結晶性ポリエステル樹脂である請求項3記載の電子写真トナー用樹脂組成物。
  5. 前記エポキシ化合物(a1)がエポキシ当量470〜770のビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190〜220のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂およびエポキシ当量180〜190のフェノールノボラック型エポキシ樹脂からなる群から選ばれる一種以上のエポキシ樹脂である請求項1記載の電子写真トナー用樹脂組成物。
  6. 前記ポリエステル樹脂(A)が重量平均分子量(Mw)15,000〜35,000のポリエステル樹脂である請求項1記載の電子写真トナー用樹脂組成物。
  7. 前記ポリエステル樹脂(A)が重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比〔(Mw)/(Mn)〕が3.0〜8.5のポリエステル樹脂である請求項1記載の電子写真トナー用樹脂組成物。
  8. 前記ポリエステル樹脂(A)とポリカーボネート樹脂(B)とを、重量比〔(A)/(B)〕で〔60/40〕〜〔80/20〕の範囲で含有する請求項1〜7のいずれか1項記載の電子写真トナー用樹脂組成物。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項記載の電子写真トナー用樹脂組成物を含有することを特徴とする電子写真トナー。
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