JP5369195B2 - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は自動変速機の制御装置に関し、より具体的には変速時の車両加速度を推定・評価し、それから摩擦係合要素の伝達トルクのばらつきなどを学習するようにした装置に関する。
下記の特許文献1において、複数個のギヤと油圧クラッチ(摩擦係合要素)を備え、油圧クラッチに作動油を給排させて変速する自動変速機の制御装置において、変速時の油圧(作動油の圧力)の立ち上がり特性を改良する技術が提案されている。
特開2001−165290号公報
特許文献1記載の技術にあっては、予めECU(電子制御ユニット)に記憶された制御指令値に応じてリニアソレノイドを介して油圧クラッチ(摩擦係合要素)の動作を制御している。この制御指令値の算出に際しては油圧クラッチの摩擦係数、油圧クラッチやリニアソレノイドなどの個体差や劣化などの影響を考慮しなければならず、どのような状態においても所期の特性が著しく損なわれないように、設定する必要がある。
その結果、個体差や劣化などを考慮するあまり、油圧クラッチなどの潜在能力を十分に引き出することができず、変速時に乗員が受ける変速フィーリングが必ずしも満足できるものではなかった。
この発明の目的は上記した課題を解決し、変速時の車両加速度を推定・評価し、それから摩擦係合要素の伝達トルクのばらつきなどを学習することで、摩擦係合要素の潜在能力を十分に引き出し、変速フィーリングを改良するようにした自動変速機の制御装置を提供することにある。
上記した課題を解決するために、後述する如く、請求項1にあっては、摩擦係合要素を介して車両に搭載されたエンジンの出力を変速する自動変速機の制御装置において、前記自動変速機の入力回転数を検出する入力回転数検出手段と、前記自動変速機の出力回転数を検出する出力回転数検出手段と、前記出力回転数の変化量を算出する出力回転数変化量算出手段と、変速のイナーシャ相初期の所定期間における前記出力回転数の変化量の平均値を算出する出力回転数変化量平均値算出手段と、前記入力回転数と出力回転数の比から変速の終了を判定すると共に、前記出力回転数の変化量が車両加速度を示すものとみなして前記出力回転数の変化量から前記変速が終了した後の車両加速度の平均値を算出する車両加速度平均値算出手段と、前記出力回転数の変化量の平均値と前記車両加速度の平均値の差を算出する差算出手段と、前記算出された差が所定の範囲に入るように前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する学習値を算出する学習値算出手段と、前記算出された学習値で前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する増減補正手段と、前記増減補正された伝達トルクの目標値となるように前記摩擦係合要素への供給油圧を制御する供給油圧制御手段とを備える如く構成した。
尚、上記において「増減補正手段」は、伝達トルクに代え、前記算出された差が所定の範囲に入るように前記摩擦係合要素に供給すべき油圧を増減補正するようにしても良い。即ち、上記で「伝達トルク」は「供給油圧」と等価な意味で使用する。
後述する如く、請求項2に係る自動変速機の制御装置にあっては、さらに、前記増減補正された伝達トルクの目標値に基づいて前記エンジンのトルクダウン要求量を算出するエンジントルクダウン要求量算出手段と、前記算出されたトルクダウン要求量に従って前記エンジンのトルクを低下させるエンジントルク低下手段とを備える如く構成した。
後述する如く、請求項3に係る自動変速機の制御装置にあっては、前記エンジントルクダウン要求量算出手段は、変速時間が目標変速時間を所定値以上超えるとき、前記エンジンのトルクダウン要求量を算出する如く構成した。
後述する如く、請求項4に係る自動変速機の制御装置にあっては、前記増減補正手段は、前記車両の走行状態が所定の状態にあるとき、前記算出された差が所定の範囲に入るように前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する如く構成した。
後述する如く、請求項5に係る自動変速機の制御装置にあっては、前記自動変速機に入力される入力トルクを算出する入力トルク算出手段と、少なくとも変速の前後の前記入力トルクと前記出力回転数の変化量とから前記車両の重量を推定する車両重量推定手段と、前記推定された車両の重量で前記学習値を補正する学習値補正手段を備える如く構成した。
後述する如く、請求項6に係る自動変速機の制御装置にあっては、前記学習値補正手段は、前記推定された車両の重量がしきい値を超えるとき、学習を禁止する如く構成した。
後述する如く、請求項7に係る自動変速機の制御装置にあっては、前記車両重量推定手段は、前記変速の間、前記車両に作用する走行抵抗が変化しないとみなして前記変速の前後の前記入力トルクと前記出力回転数の変化量とから前記車両の重量を推定する如く構成した。
後述する如く、請求項8に係る自動変速機の制御装置にあっては、前記摩擦係合要素の前記変速時の発熱量を算出する発熱量算出手段を備えると共に、前記算出された摩擦係合要素の変速時の発熱量がしきい値を超えるとき、前記エンジンのトルクと前記伝達トルクの中の少なくとも前記エンジンのトルクを減少補正するように前記学習値を補正する第2の学習値補正手段と、前記減少補正された値となるように前記エンジンのトルクを減少させるエンジントルク減少手段を備える如く構成した。
後述する如く、請求項9に係る自動変速機の制御装置にあっては、前記第2の学習値補正手段は、前記エンジンのトルクの減少補正量が限界値を超えるとき、前記伝達トルクを増加補正する如く構成した。
後述する如く、請求項10に係る自動変速機の制御装置にあっては、前記第2の学習値補正手段は、前記変速の時間が目標変速時間を所定値以上超えるとき、前記エンジンのトルクを減少補正する如く構成した。
後述する如く、請求項11に係る自動変速機の制御装置にあっては、前記学習値算出手段は、所定の運転パラメータの格子点ごとに設定される特性から検索される学習基本値を前記運転パラメータの前記格子点以外の値から算出される補正係数で補正して前記学習値を算出する如く構成した。
後述する如く、請求項12に係る自動変速機の制御装置にあっては、前記学習値算出手段は、前記算出された差をしきい値と比較して得られる比較結果に基づいて前記補正係数を算出する如く構成した。
後述する如く、請求項13に係る自動変速機の制御装置にあっては、前記学習値算出手段は、前記補正係数を前記作動油の温度で補正する如く構成した。
後述する如く、請求項14に係る自動変速機の制御装置にあっては、前記自動変速機の運転経過時間を推定する運転経過時間推定手段を備えると共に、前記学習値算出手段は前記推定された運転経過時間に応じて前記学習値を持ち替える如く構成した。
後述する如く、請求項15に係る自動変速機の制御装置にあっては、前記自動変速機の出力回転数の変化量をしきい値と比較して前記車両が悪路を走行しているか否か判定する悪路走行判定手段を備えると共に、前記学習値算出手段は、前記車両が悪路を走行していると判定されるとき、前記学習値の算出を禁止する如く構成した。
後述する如く、請求項16に係る自動変速機の制御装置にあっては、前記学習値算出手段は、前記出力回転数の変化量の平均値と前記車両加速度の平均値の差が前記算出された学習値で前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正したと想定されるときの許容範囲を超えるとき、前記学習値の算出を禁止する如く構成した。
請求項1に係る自動変速機の制御装置にあっては、変速のイナーシャ相初期の所定期間における自動変速機の出力回転数の変化量の平均値を算出し、自動変速機の入力回転数と出力回転数の比から変速の終了を判定すると共に、出力回転数の変化量が車両加速度を示すものとみなしてそれから変速が終了した後の車両加速度の平均値を算出し、出力回転数の変化量の平均値と車両加速度の平均値の差を算出し、算出された差が所定の範囲に入るように摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する学習値を算出し、算出された学習値で摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正すると共に、増減補正された伝達トルクの目標値となるように摩擦係合要素への供給油圧を制御する如く構成したので、変速時の車両加速度を推定・評価し、それから摩擦係合要素の伝達トルクのばらつきなどを学習することとなり、摩擦係合要素の潜在能力を十分に引き出すことができ、よって変速時に乗員が受ける変速フィーリングを改良することができる。
請求項2に係る自動変速機の制御装置にあっては、さらに、増減補正された伝達トルクの目標値に基づいてエンジンのトルクダウン要求量を算出し、算出されたトルクダウン要求量に従ってエンジンのトルクを低下させる如く構成したので、請求項1で述べた制御を行うことで変速時間が延長されそうになった場合、エンジントルクを低下させることで目標とする変速時間に収束させることが可能となり、変速の間延び感などの変速フィーリングの悪化を抑制することができると共に、摩擦係合要素の発熱量の増加を抑制して耐久性を向上させることができる。
請求項3に係る自動変速機の制御装置にあっては、変速時間が目標変速時間を所定値以上超えるとき、エンジンのトルクダウン要求量を算出する如く構成したので、請求項2で述べた効果に加え、変速時間を目標とする変速時間に一層確実に収束させることが可能となる。
請求項4に係る自動変速機の制御装置にあっては、車両の走行状態が所定の状態にあるとき、算出された差が所定の範囲に入るように摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する如く構成したので、上記した効果に加え、増減補正、換言すれば学習を効果の所定の走行状態に限定することができ、構成を簡易にすることができる。
請求項5に係る自動変速機の制御装置にあっては、自動変速機に入力される入力トルクを算出し、少なくとも変速の前後の入力トルクと出力回転数の変化量とから車両の重量を推定し、推定された車両の重量で学習値を補正する如く構成したので、上記した効果に加え、車両加速度が車両の重量の影響を受けて学習値が誤った値となるのを防止して学習値を安定に収束させることができる。また、車両の重量の推定に摩擦係合要素の伝達トルクの算出などと同種のパラメータを用いることとなり、車両の重量を簡易に推定することができる。
請求項6に係る自動変速機の制御装置にあっては、推定された車両の重量がしきい値を超えるとき、学習を禁止する如く構成したので、上記した効果に加え、車両の重量の影響が大きすぎるような場合には学習を禁止することができ、誤学習となるのを防止することができる。
請求項7に係る自動変速機の制御装置にあっては、変速の間、車両に作用する走行抵抗が変化しないとみなして変速の前後の入力トルクと出力回転数の変化量とから車両の重量を推定する如く構成したので、上記した効果に加え、走行抵抗や走行路の勾配の影響を受けることなく、車両の重量を推定することができる。
請求項8に係る自動変速機の制御装置にあっては、摩擦係合要素の変速時の発熱量を算出し、算出された摩擦係合要素の変速時の発熱量がしきい値を超えるとき、エンジンのトルクと伝達トルクの中の少なくともエンジンのトルクを減少補正するように学習値を補正すると共に、減少補正された値となるようにエンジンのトルクを減少させる如く構成したので、上記した効果に加え、油圧クラッチCnの耐久性も向上させることができる。
請求項9に係る自動変速機の制御装置にあっては、エンジンのトルクの減少補正量が限界値を超えるとき、伝達トルクを増加補正する如く構成したので、上記した効果に加え、例えば点火時期を遅角させるなどしてエンジンのトルクを減少補正するときも、エンジン側に負担となることがない。
請求項10に係る自動変速機の制御装置にあっては、変速の時間が目標変速時間を所定値以上超えるとき、エンジンのトルクを減少補正する如く構成したので、上記した効果に加え、変速時の車両加速度による伝達トルクのばらつき吸収制御を行うことで変速時間が延長されそうになった場合、エンジンのトルクを減少させることで目標とする変速時間に収束させることが可能となる。
請求項11に係る自動変速機の制御装置にあっては、所定の運転パラメータの格子点ごとに設定される特性から検索される学習基本値を運転パラメータの格子点以外の値から算出される補正係数で補正して学習値を算出する如く構成したので、上記した効果に加え、運転パラメータが格子点以外の値をとるときも、格子点をとるときに算出される学習値との差異が運転者に違和感を与えるような値となることがなく、よって変速フィーリングを短時間で最適化することができる。
請求項12に係る自動変速機の制御装置にあっては、算出された差をしきい値と比較して得られる比較結果に基づいて補正係数を算出する如く構成したので、上記した効果に加え、しきい値を適宜設定することで、算出された差を所定の範囲に確実に入れることができる。
請求項13に係る自動変速機の制御装置にあっては、補正係数を作動油の温度で補正する如く構成したので、上記した効果に加え、作動油の油温も考慮することで、学習値を一層適正に算出することができる。
請求項14に係る自動変速機の制御装置にあっては、自動変速機の運転経過時間を推定すると共に、推定された運転経過時間に応じて学習値を持ち替える如く構成したので、上記した効果に加え、例えば自動変速機の運転経過時間が短いときは補正量を増加させる一方、長いときは補正量を減らすように変更することが可能となり、自動変速機の運転経過時間に応じ、換言すれば初期ばらつきによる個体差か経年劣化かに応じて適正に学習、換言すればばらつきを効果的に吸収することができる。
即ち、変速時にエンジン回転の吹き上がりやトルク不足が発生することのないように、工場出荷時に摩擦係合要素の寸法公差は余裕マージンが大きく設定される。また初期の間は摩擦係合要素の特性が未だ十分に安定していないため、制御目標値に対する追従性がその後の安定期に比して低いことから、補正量を比較的大きな値とすることでばらつきを効果的に吸収することができる。他方、それを過ぎた後は、補正量を比較的小さくすることで同様にばらつきを効果的に吸収することができ、安定かつ高精度な補正を実現することができる。
請求項15に係る自動変速機の制御装置にあっては、自動変速機の出力回転数の変化量をしきい値と比較して車両が悪路を走行しているか否か判定すると共に、車両が悪路を走行していると判定されるとき、学習値の算出を禁止する如く構成したので、上記した効果に加え、誤学習を防止することができる。
請求項16に係る自動変速機の制御装置にあっては、出力回転数の変化量の平均値と車両加速度の平均値の差が算出された学習値で摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正したと想定されるときの許容範囲を超えるとき、学習値の算出を禁止する如く構成したので、上記した効果に加え、例えば変速中に評価値の今回値と過去値との差が許容範囲を超えるか否か判断することで、変速中にあっても誤学習を一層確実に防止することができる。
この発明の第1実施例に係る自動変速機の制御装置を全体的に示す概略図である。 図1に示す自動変速機の制御装置の動作を示すフロー・チャートである。 図2フロー・チャートの学習値の読み出し処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図2フロー・チャートの目標クラッチトルクの算出処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図2フロー・チャートなどに記載されるG波形とΔNC推定値などを示す波形図である。 変速におけるΔNC推定値などを示す波形図である。 図2フロー・チャートのG波形学習処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図7フロー・チャートのG波形評価許可判断処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図7フロー・チャートの学習値書き込み処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図9フロー・チャートの学習Δトルク(学習値)減算処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図7フロー・チャートの学習値書き込み処理で使用される学習Δトルクマップの特性を示す説明図である。 図9フロー・チャートの学習Δトルク(学習値)加算処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 この発明の第2実施例に係る自動変速機の制御装置の動作を示す、図2と同様のフロー・チャートである。 図13フロー・チャートの学習値の読み出し処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図13フロー・チャートのトルクダウン要求量の算出処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図13フロー・チャートのトルクダウン要求量の学習値書き込み処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図16フロー・チャートの学習Δ要求量の算出処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図2フロー・チャートに示す第1実施例の処理と図13フロー・チャートに示す第2実施例を対比して示すタイム・チャートである。 この発明の第3実施例に係る自動変速機の制御装置の動作、より具体的にはG波形学習処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図19フロー・チャートの車両の重量推定処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図20フロー・チャートの車両の重量推定処理を説明する説明図である。 図20フロー・チャートの車重(車両イナーシャ)推定値算出処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図19フロー・チャートの学習値の書き込み処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図23フロー・チャートの学習許可判断処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図23フロー・チャートの学習Δトルク算出・書き込み処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 この発明の第4実施例に係る自動変速機の制御装置の動作を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図26フロー・チャートの学習値の読み出し処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図26フロー・チャートの目標クラッチトルクなどの目標値の算出処理を説明する説明図である。 図26フロー・チャートのQ/A(発熱量)の学習処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図29フロー・チャートのQ/A(発熱量)の算出処理を説明する説明図である。 図26などに示される第4実施例に係る自動変速機の制御装置の動作を説明するタイム・チャートである。 この発明の第5実施例に係る自動変速機の制御装置の動作を説明する説明図である。 図32で説明される第5実施例で使用される(第1実施例の図7フロー・チャートの学習値書き込み処理と同様の処理で使用される)学習値マップの特性を示す説明図である。 図32で説明される処理を行う場合を然らざる場合に対比して示すタイム・チャートである。 この発明の第6実施例に係る自動変速機の制御装置の動作を示す、第1実施例の図9と同様の学習値の書き込み処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図35フロー・チャートで使用されるしきい値の特性を示す説明図である。 図35フロー・チャートの初期学習Δトルク減算処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図37フロー・チャートで検索される初期学習Δトルクマップの特性を示す説明図である。 図35フロー・チャートの初期学習Δトルク加算処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図35フロー・チャートの経時学習Δトルク減算処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図40フロー・チャートで検索される経時学習Δトルクマップの特性を示す説明図である。 図35フロー・チャートの経時学習Δトルク加算処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図35フロー・チャートの学習補正を説明するタイム・チャートである。 この発明の第7実施例に係る自動変速機の制御装置の動作、より具体的にはG波形評価許可判断を示すフロー・チャートである。 図44フロー・チャートの悪路走行判定処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図45フロー・チャートの処理を説明する説明図である。 第7実施例の学習値書き込み処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。 図47フロー・チャートの処理を説明する説明図である。
以下、添付図面を参照してこの発明に係る自動変速機の制御装置を実施するための形態について説明する。
図1はこの発明の第1実施例に係る自動変速機の制御装置を全体的に示す概略図である。
以下説明すると、符号Tは自動変速機(以下「トランスミッション」という)を示す。トランスミッションTは車両(図示せず)に搭載されてなると共に、前進5速および後進1速の速度段を有する平行軸式の有段型からなる。
トランスミッションTは、エンジン(内燃機関)Eのクランクシャフトに接続されるアウトプットシャフト10にロックアップ機構Lを有するトルクコンバータ12を介して接続されたメインシャフト(入力軸)MSと、このメインシャフトMSに複数のギヤ列を介して接続されたカウンタシャフト(出力軸)CSとを備える。エンジンEは複数気筒を備えると共に、ガソリンを燃料とする火花点火式のエンジンからなる。
メインシャフトMSには、メイン1速ギヤ14、メイン2速ギヤ16、メイン3速ギヤ18、メイン4速ギヤ20、メイン5速ギヤ22、およびメインリバースギヤ24が支持される。
また、カウンタシャフトCSには、メイン1速ギヤ14に噛合するカウンタ1速ギヤ28、メイン2速ギヤ16と噛合するカウンタ2速ギヤ30、メイン3速ギヤ18に噛合するカウンタ3速ギヤ32、メイン4速ギヤ20に噛合するカウンタ4速ギヤ34、メイン5速ギヤ22に噛合するカウンタ5速ギヤ36、およびメインリバースギヤ24にリバースアイドルギヤ40を介して接続されるカウンタリバースギヤ42が支持される。
上記において、メインシャフトMSに相対回転自在に支持されたメイン1速ギヤ14を1速用油圧クラッチ(摩擦係合要素。以下同様)C1でメインシャフトMSに結合すると、1速(ギヤ。速度段)が確立する。
メインシャフトMSに相対回転自在に支持されたメイン2速ギヤ16を2速用油圧クラッチC2でメインシャフトMSに結合すると、2速(ギヤ。速度段)が確立する。カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持されたカウンタ3速ギヤ32を3速用油圧クラッチC3でカウンタシャフトCSに結合すると、3速(ギヤ。速度段)が確立する。
カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持されたカウンタ4速ギヤ34をセレクタギヤSGでカウンタシャフトCSに結合した状態で、メインシャフトMSに相対回転自在に支持されたメイン4速ギヤ20を4速−リバース用油圧クラッチC4RでメインシャフトMSに結合すると、4速(ギヤ。速度段)が確立する。
また、カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持されたカウンタ5速ギヤ36を5速用油圧クラッチC5でカウンタシャフトCSに結合すると、5速(ギヤ。速度段)が確立する。
さらに、カウンタシャフトCSに相対回転自在に支持されたカウンタリバースギヤ42をセレクタギヤSGでカウンタシャフトCSに結合した状態で、メインシャフトMSに相対回転自在に支持されたメインリバースギヤ24を4速−リバース用油圧クラッチC4RでメインシャフトMSに結合すると、後進速度段が確立する。
カウンタシャフトCSの回転は、ファイナルドライブギヤ46およびファイナルドリブンギヤ48を介してディファレンシャルDに伝達され、それから左右のドライブシャフト50,50を介し、エンジンEおよびトランスミッションTが搭載される車両(図示せず)の駆動輪W,Wに伝達される。
車両運転席(図示せず)のフロア付近にはシフトレバー54が設けられ、運転者の操作によって8種のレンジ、P,R,N,D5,D4,D3,2,1のいずれか選択される。
エンジンEの吸気路(図示せず)に配置されたスロットルバルブ(図示せず)はDBW(Drive By Wire)機構55に接続される。即ち、スロットルバルブはアクセルペダル(図示せず)との機械的な連結が断たれ、電動機などのアクチュエータ(図示せず)によって駆動される。
DBW機構55のアクチュエータの付近にはスロットル開度センサ56が設けられ、アクチュエータの回転量を通じてスロットル開度THを示す信号を出力する。またファイナルドリブンギヤ48の付近には車速センサ58が設けられ、ファイナルドリブンギヤ48が1回転するごとに車速Vを示す信号を出力する。
更に、カムシャフト(図示せず)の付近にはクランク角センサ60が設けられ、特定気筒の所定クランク角度でCYL信号を、各気筒の所定クランク角度でTDC信号を、所定クランク角度を細分したクランク角度(例えば15度)ごとにCRK信号を出力する。また、エンジンEの吸気路のスロットルバルブ配置位置の下流には絶対圧センサ62が設けられ、吸気管内絶対圧(エンジン負荷)PBAを示す信号を出力する。
また、メインシャフトMSの付近には第1の回転数センサ64が設けられ、メインシャフトMSの回転数(トランスミッションTの入力回転数)NMを示す信号を出力すると共に、カウンタシャフトCSの付近には第2の回転数センサ66が設けられ、カウンタシャフトCSの回転数(トランスミッションTの出力回転数)NCを示す信号を出力する。
さらに、車両運転席付近に装着されたシフトレバー54の付近にはシフトレバーポジションセンサ68が設けられ、前記した8種のポジション(レンジ)の中、運転者によって選択されたポジションを示す信号を出力する。
さらに、トランスミッションTの油圧回路Oのリザーバの付近には温度センサ70が設けられて油温(作動油Automatic Transmission Fluidの温度)TATFに比例した信号を出力すると共に、各クラッチに接続される油路には油圧スイッチ72がそれぞれ設けられ、各クラッチに供給される油圧が所定値に達したとき、ON信号を出力する。
また車両運転席のブレーキペダル(図示せず)の付近にはブレーキスイッチ74が設けられ、運転者のブレーキペダル操作に応じてON信号を出力すると共に、アクセルペダル(図示せず)の付近にはアクセル開度センサ76が設けられ、運転者のアクセル開度(アクセルペダル踏み込み量)APに応じた出力を生じる。
これらセンサ56などの出力は、ECU(電子制御ユニット)80に送られる。
ECU80は、CPU82,ROM84,RAM86、入力回路88、および出力回路90からなるマイクロコンピュータから構成される。マイクロコンピュータはA/D変換器92を備える。
前記したセンサ56などの出力は、入力回路88を介してECU80内に入力され、アナログ出力はA/D変換器92を介してデジタル値に変換されると共に、デジタル出力は波形整形回路などの処理回路(図示せず)を経て処理され、前記RAM86に格納される。
前記した車速センサ58の出力およびクランク角センサ60のCRK信号出力はカウンタ(図示せず)で時間間隔が計測され、車速Vおよびエンジン回転数NEが検出される。第1の回転数センサ64および第2の回転数センサ66の出力もカウントされ、トランスミッションの入力回転数NMおよび出力回転数NCが検出される。
ECU80においてCPU82は行先段あるいは目標段(変速比)を決定し、出力回路90および電圧供給回路(図示せず)を介して油圧回路Oに配置されたシフトソレノイドSL1からSL5を励磁・非励磁してクラッチ油路の切替え制御を行うと共に、リニアソレノイドSL6からSL8を励磁・非励磁して変速に関係する油圧クラッチCnとトルクコンバータ12のロックアップ機構Lへの供給油圧を制御する。
さらに、CPU82はエンジンEの燃料噴射量と点火時期を決定し、インジェクタ(図示せず)を介して決定された噴射量の燃料を供給すると共に、点火装置(図示せず)を介して決定された点火時期に従って噴射された燃料と吸気の混合気を点火する。
次いで、この発明に係る自動変速機の制御装置の動作を説明する。
図2はその処理を示すフロー・チャートである。図示のプログラムはCPU82によって所定時間ごとに実行される。
以下説明すると、S10においてΔNC推定値を算出する。
ΔNC推定値は、今回の(プログラムループ時の)NC(第2の回転数センサ66で検出されるカウンタシャフトCSの回転数(トランスミッションTの出力回転数、換言すれば車速V))と前回の(プログラムループ時の)NCを減算して得られた差を意味する。尚、ΔNC推定値の算出は、第2の回転数センサ66の出力をローパスフィルタでフィルタリングして高周波ノイズを除去した波形に対して行われる。
次いでS12に進み、UP(アップ)シフト、即ち、1速から2速、2速から3速などのアップシフトにあるか否か判断する。この実施例はアップシフト変速を評価するように構成されることから、例えばダウンシフト、アップシフトであったが終了している場合、そもそも変速状態にない場合などは否定される。
S12で肯定されるときはS14に進み、学習値を読み出す。
図3はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートであり、S100において学習Δトルクマップを検索して学習Δトルク(学習値。変速先の速度段用の油圧クラッチCnの学習による伝達トルクの目標値の増減補正分)を読み出す。
この実施例においては速度段ごとに学習Δトルクが算出されてRAM86にマップ値として格納される。即ち、後述する学習値書き込み処理で学習Δトルクが学習値として算出され、学習Δトルクマップに伝達トルクと車速からなる格子点ごとに検索自在に書き込まれて格納される。
S100ではその中から変速先の速度段に相当するマップを選択し、当該油圧クラッチCnの伝達トルクと車速Vから学習Δトルクを検索する(読み出す)。油圧クラッチCnの伝達トルクは、エンジンEのエンジン回転数NEと負荷(例えば吸気管内絶対圧PBA)とトルクコンバータ12のスリップ率ETRから算出する。
図2フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS16に進み、目標クラッチトルクを算出する。
図4はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートであり、S200において目標クラッチトルクを目標I(イナーシャ)相クラッチトルクとして算出する。目標I相クラッチトルクは、前記した変速先の速度段用の油圧クラッチCnの伝達トルクにS14で読み出された学習Δトルクを加算することで算出する。S200で算出された値がS16で目標クラッチトルクとされる。
図2フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS18に進み、変速先の速度段用の油圧クラッチCnのI相のトルクが算出された目標クラッチトルクとなるように、リニアソレノイドSL6からSL8を励磁・消磁して供給油圧を制御する。
他方、S12で否定されるときはS20に進み、G波形を学習する。尚、この明細書でGとは車両加速度、より正確には車両の前後加速度を意味し、G波形とは車両加速度の波形を意味する。
図5はG波形と前記したΔNC推定値などを示す波形図、図6も変速におけるΔNC推定値などを示す波形図である。
図5から明らかな如く、車両加速度Gの波形とΔNC推定値とは等価なので、この実施例においてはΔNC推定値が車両加速度Gを示すものとみなし、図6に示す如く、ΔNC推定値から変速時の車両加速度を推定・評価し、それから摩擦係合要素の伝達トルクのばらつきなどを学習するようにした。
図7は、図2フロー・チャートのG波形学習処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S300においてG波形評価許可判断を行う。
図8はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
先ずS400においてUPシフトか否か判断する。前記した如く、この実施例はアップシフト変速を評価するように構成されることから、例えばダウンシフトの場合、そもそも変速していない場合などは否定されてS402に進み、UPシフト後の定常状態にあるか否か判断する。
これは、UPシフト後の車両の走行状態が過渡状態にあるときはG波形を適正に評価し難いからである。従ってS402で否定されるときはS404に進み、許可フラグのビットを0にリセットする。
一方、S400あるいはS402で肯定されるときはS406に進み、UPシフト後初回、即ち、アップシフトが終了して初めてのプログラムループか否か判断する。
S406で肯定されるときはS408に進み、アクセル開度APの値をラッチ(保存)する一方、S406で否定されるときはS410に進み、許可フラグが0にリセットされているか否か判断し、肯定されるときはS404に進む。
他方、S410で否定されるときはS412に進み、アクセル開度APの変動判断を実行する。これはアクセル開度センサ76から検出されたアクセル開度APを適宜なしきい値と比較し、そのしきい値を超えるか否か判定することで行う。
次いでS414に進み、S412で検出値がしきい値を超えると判定されたか否か判断し、肯定されるときはアクセル開度APが変動したと判断してS404に進む一方、否定されるときはS416に進み、許可フラグのビットを1にセットする。
このように、UPシフトにあるかあるいはUPシフト後の車両の走行状態が定常状態にあり、かつアクセル開度APが変動しない走行状態を選択してG波形(より正確にはΔNC推定値)からアップシフト変速を評価する。
図7フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS302に進み、許可フラグのビットからG波形評価が許可されたか否か判断し、肯定されるときはS304に進み、UPシフトか否か判断する。
S304で肯定されるときはS306に進み、T(トルク)相の引き込み点を検出する。これは、図6に示すようにΔNC推定値の最小値を検出することで行う。
次いでS308に進み、引き込み点の検出時点の後の、T相に続くI相の初期平均GをΔNC推定値から算出する。ここでI相の「初期」とは、GRATIOから検出される区間であり、変速前の速度段用の油圧クラッチCnとの係合が外れて変速先の速度段用の油圧クラッチCnとの係合が始まってから所定の状態まで係合が進行している区間を意味する。尚、図5と図6においてGRATIOはトランスミッションTの入力回転数NMと出力回転数NCの比、即ち、NC/NMを示し、変速状態を示す。
S308のI相初期平均Gは、ΔNC推定値が車両加速度Gを示すとみなすと共に、図6に丸Aで示すΔNC推定値をI相初期平均Gとして求めることで算出する。より具体的には、I相初期平均Gは、上記した区間内のΔNC推定値の積分値を積算回数で除算することで算出する。
他方、S304で否定されるときはS310に進み、車両の走行状態が定常状態にあるか否か判断し、肯定されるときはS312に進み、変速後平均G、より正確にはS304で肯定されたときの新たなUPシフトが終了した後の平均G(図6に丸Bで示す)を算出する。
変速後平均Gも、トランスミッションTの入力回転数NMとNCの比を示すGRATIOから変速の終了を判定すると共に、ΔNC推定値が車両加速度Gを示すとみなし、変速後GをΔNC推定値からI相初期平均Gと同様な手法での平均値を求めることで算出する。
次いでS314に進み、I相初期Gを算出する。これは、図6に丸Aで示す、S308で算出されたI相初期平均Gから丸Bで示す、S312で算出された変速後平均G(車両加速度の平均値)を減算して差、即ち、(丸Aの平均値−丸Bの平均値)を求めることで算出する。
次いでS316に進み、学習値を書き込む(格納する)。尚、S302で否定されるときはS318に進み、S306などの算出値を初期化(リセット)する。
図9はS316の学習値書き込み処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S500で学習許可判断、即ち、車両の走行状態が学習の許可される所定の状態にあるか否か判断する。具体的には、アップシフトが1速から2速あるいは2速から3速であるとき、車速が所定の低車速にあるとき、学習が許可されるので、そのような走行状態にあるか否か判断する。アップシフトを上記に限定したのは、高品質の変速を実現するには、そうしない限り適正に学習できないからである。
次いでS502に進み、S500の判断から学習が許可されるか否か判断し、肯定されるときはS504に進み、I相初期Gをしきい値(収束しきい値)の上限と比較する。
S504で肯定されるときはS506に進み、学習Δトルク減算処理、即ち、目標クラッチトルクを減算補正するための学習Δトルクを算出する。
図10はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
先ずS600において学習Δトルクの前回値を検索する。これは変速先の速度段に対応する学習Δトルクマップを選択し、それから学習Δトルクの前回値(図3フロー・チャートの前回実行時の値)を検索することで行う。
図11はそのマップの特性を示す説明図であり、かかるマップが速度段ごとにRAM86に用意される。先に説明した図3フロー・チャートのS14の処理はこのマップに書き込まれた値(学習Δトルク)を読み出して行うことから、その前処理である書き込みも変速先の速度段に対応するマップを選択することで行う。
次いでS602に進み、学習1回あたりの減算量を算出する。学習は油圧クラッチCnのばらつきによる個体差の補正用であり、変速時にエンジン回転の吹き上がりやトルク不足が生じないように、工場出荷時に油圧クラッチCnの寸法公差は余裕マージンが大きく設定されるが、学習1回あたりの減算量(あるいは後述する加算量)はその寸法公差を目標とする収束回数で除して求められる。
次いでS604に進み、前回値に1回当たりの減算量を加算して初期学習Δトルク今回値(図3フロー・チャートの今回実行時の値)を算出する。尚、減算処理であることから、今回値と前回値と1回当たりの減算量は全て負値として算出される。
S604にあっては同時に、当該油圧クラッチCnの伝達トルクが算出されると共に、車速Vが検出され、算出された今回値は、得られた伝達トルクと車速で規定される格子点の該当領域に書き込まれる(格納される)。
図9フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS508に進み、算出された今回値がΔトルク上限リミットを超えるか否か判断し、超えると判断されるときはΔトルク上限リミット内に止める処理を行なう。
他方、S504で否定されるときはS510に進み、I相初期Gがしきい値の下限以下か否か判断し、肯定されるときはS512に進み、学習Δトルク加算処理、即ち、目標クラッチトルクを加算補正するための学習Δトルクを算出する。
図12はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
先ずS700において変速先の速度段に対応する学習Δトルクマップを選択して学習Δトルクの前回値を検索し、S702に進み、減算処理の場合と同様の手法で学習1回あたりの加算量を算出する。
次いでS704に進み、前回値に1回当たりの加算量を加算して初期学習Δトルク今回値を算出する。この場合には加算処理であることから、今回値と前回値と1回当たりの加算量は全て正値として算出される。
同時に伝達トルクが算出されると共に、車速Vが検出され、算出された今回値は、得られた伝達トルクと車速Vで規定される格子点の該当領域に書き込まれる(格納される)。
図9フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS514に進み、算出された今回値がΔトルク下限リミット未満か否か判断し、未満と判断されるときはΔトルク下限リミット内に止める処理を行なう。
次いでS516に進み、学習カウントUP(アップ)を実行する。即ち、S506あるいはS512で学習Δトルクが算出された回数をカウントすると共に、カウントされた回数をRAM86に変速先の速度段用ごとに用意されたマップに油圧クラッチCnの伝達トルクと車速から検索自在に格納する。
前記した如く、図9フロー・チャートの処理で算出された学習値が図2フロー・チャートのS14で読み出され、その値からS16で目標クラッチトルクが算出され、S18で算出された目標クラッチトルクとなるようにリニアソレノイドSLnの動作が制御される。
第1実施例は上記の如く構成したので、S504あるいはS510で使用される第1、第2の所定値を適宜設定することで、図6に示す如く、算出された差(I相初期G)が所定の範囲に入るように摩擦係合要素の伝達トルクの目標値(クラッチトルク指令値)を増減補正し、増減補正された伝達トルクの目標値となるように摩擦係合要素(油圧クラッチCn)への供給油圧を制御することができ、図5に矢印で示す如く、変速時のイナーシャ(I)相の車両加速度G(とΔNC推定値)を低下させることができる。
即ち、変速時の車両加速度GをΔNC推定値から推定・評価し、それから摩擦係合要素の伝達トルクのばらつきなどを学習することとなって摩擦係合要素などの潜在能力を十分に引き出すことができ、よって変速時に乗員が受ける変速フィーリングを改良することができる。
図13はこの発明の第2実施例に係る自動変速機の制御装置の動作を示す、図2と同様なフロー・チャート、図14から図17はそのサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
同図の説明に入る前に、図18を参照して第2実施例を説明する。図18(a)は第1実施例の処理、同図(b)は第2実施例の処理を示すタイム・チャートである。
第1実施例では前記したような処理を行うことで、同図(a)の末尾に示すように車体G波形をフラットにすることができ、それによって変速時に乗員が受ける変速フィーリングを改良できるが、一方では同図の上部に示すように変速時間の延長が生じることがあり、それによって変速の間延び感などの変速フィーリングが悪化する恐れがある。
従って、第2実施例にあっては、同図(b)に示す如く、変速時間が延長されそうになった場合、エンジントルクを低下させることで、変速の間延び感などの変速フィーリングの悪化を抑制するようにした。
上記を前提として図13フロー・チャートを説明すると、第1実施例と同様、S800においてΔNC推定値を算出し、S802に進み、UP(アップ)シフトか否か判断し、肯定されるときはS804に進み、学習値を読み出す。
図14はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートであり、S900において学習Δ要求量(後述)を読み出す。
図13フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS806に進み、トルクダウン要求量を算出する。
図15はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートであり、S1000においてベーストルクダウン要求量を検索し、それにS804で読み出された学習Δ要求量を加算してトルクダウン要求量を算出する。
再び図13フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS808に進み、算出されたトルクダウン要求量に従ってエンジンEのトルクを低下させる。これは具体的には、算出されたトルクダウン要求量に相当する量だけ点火時期を遅角させるか、あるいはDBW機構55においてスロットルバルブを閉弁させることで行う。
次いでS810に進み、G波形を学習する。これは第1実施例の図7から図10に関して説明した処理と同様であるので、説明を省略する。次いでS812に進み、トルクダウン要求量の学習値を書き込む。
図16はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S1100において学習が許可されているか否か判断する。この学習許可判断は、第1実施例の図9と異ならないので、説明を省略する。
S1100で否定されるときは以降の処理をスキップする一方、肯定されるときはS1102に進み、今回の変速時間から目標変速時間を減算して目標時間偏差を算出する。目標変速時間は予め設定された固定値である。
次いでS1104に進み、算出された目標時間偏差が収束しきい値を超えるか否か判断する。収束しきい値も予め設定された固定値である。S1104で否定されるときは以降の処理をスキップする一方、肯定されるときはS1106に進み、前記した学習Δ要求量を算出する(算出して書き込む)。
図17はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S1200において学習Δ要求量を算出する。即ち、第1実施例のS506からS514、特にS506からS508と同様の第2実施例の処理で算出された変速先の速度段用の油圧クラッチCnの学習による伝達トルクの目標値の減算(減少)補正分(学習Δトルク今回値)を読み出し、それをエンジンEのトルクに換算して学習Δ要求量と算出する。同時に図11に示したと同様のマップに当該油圧クラッチCnと車速Vから検索自在に書き込む。
図16フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS1108に進み、下限リミット処理を行い、S1110に進み、第1実施例と同様に学習回数をカウントすると共に、カウントされた回数を変速先の油圧クラッチCnの伝達トルクと車速Vから検索自在に格納する。尚、第2実施例の残余の構成は第1実施例と異ならないため、図示は省略する。
第2実施例は上記の如く構成したので、第1実施例で述べた制御を行うことで変速時間が延長されそうになった場合、エンジントルクを低下させることで目標変速時間に収束させることが可能となり、変速の間延び感などの変速フィーリングの悪化を抑制することができる。
また、変速時間が目標変速時間を所定値以上超えるとき、エンジンのトルクダウン要求量を算出する如く構成したので、変速時間を目標とする変速時間に一層確実に収束させることが可能となる。尚、残余の構成は第1実施例と異ならない。
第1、第2実施例にあっては上記の如く、摩擦係合要素(油圧クラッチCn)を介して車両に搭載されたエンジンEの出力を変速する自動変速機(トランスミッション)Tの制御装置(ECU80)において、前記自動変速機の入力回転数NMを検出する入力回転数検出手段(第1の回転数センサ64,ECU80)と、前記自動変速機の出力回転数NCを検出する出力回転数検出手段(第2の回転数センサ66,ECU80)と、前記出力回転数の変化量(ΔNC推定値)を算出する出力回転数変化量算出手段(S10,S800)と、変速のイナーシャ(I)相初期の所定期間における前記出力回転数の変化量の平均値(I相初期平均G)を算出する出力回転数変化量平均値算出手段(S20,S308,S810)と、前記入力回転数NMと出力回転数NCの比(GRATIO)から変速の終了を判定すると共に、前記出力回転数の変化量(ΔNC推定値)が車両加速度Gを示すものとみなして前記出力回転数の変化量から前記変速が終了した後の車両加速度の平均値(変速後平均G)を算出する車両加速度平均値算出手段(S20,S312,S810)と、前記出力回転数の変化量の平均値と前記車両加速度の平均値の差(I相初期G)を算出する差算出手段(S20,S314,S810)と、前記算出された差が所定の範囲に入るように前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する学習値を算出する学習値算出手段(S20,S316,S500からS516,S810,S1100からS1110)と、前記算出された学習値で前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する増減補正手段(S14からS16)、前記増減補正された伝達トルクの目標値となるように前記摩擦係合要素への供給油圧を制御する供給油圧制御手段(S18)とを備える如く構成したので、変速時の車両加速度GをΔNC推定値から推定・評価し、それから摩擦係合要素の伝達トルクのばらつきなどを学習することとなって摩擦係合要素(油圧クラッチCn)などの潜在能力を十分に引き出すことができ、よって変速時に乗員が受ける変速フィーリングを改良することができる。
即ち、S504あるいはS510で使用されるしきい値を適宜設定することで、図6に示す如く、算出された差(I相初期G)が所定の範囲に入るように摩擦係合要素(油圧クラッチCn)の伝達トルクの目標値(クラッチトルク指令値)を増減補正する学習値を算出し、算出された学習値で摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正し、増減補正された伝達トルクの目標値となるように摩擦係合要素への供給油圧を制御する如く構成したので、変速時の車両加速度GをΔNC推定値から推定・評価し、それから摩擦係合要素の伝達トルクのばらつきなどを学習することとなり、摩擦係合要素の潜在能力を十分に引き出すことができ、よって変速時に乗員が受ける変速フィーリングを改良することができる。
尚、上記において「増減補正手段」は、伝達トルクに代え、算出された差が所定の範囲に入るように摩擦係合要素に供給すべき油圧を増減補正するようにしても良い。即ち、上記で「伝達トルク」は「供給油圧」と等価な意味で使用する。
第2実施例にあっては、さらに、前記増減補正された伝達トルクの目標値に基づいて前記エンジンEのトルクダウン要求量を算出するエンジントルクダウン要求量算出手段(S812,S1100からS1110,S804からS806)と、前記算出されたトルクダウン要求量に従って前記エンジンEのトルクを低下させるエンジントルク低下手段(S808)とを備える如く構成したので、第1実施例で述べた制御を行うことで変速時間が延長されそうになった場合、エンジントルクを低下させることで目標変速時間に収束させることが可能となり、変速の間延び感などの変速フィーリングの悪化を抑制することができる。
また、第2実施例にあっては、前記エンジントルクダウン要求量算出手段は、変速時間が目標変速時間を所定値(収束しきい値)以上超えるとき、前記エンジンのトルクダウン要求量を算出する(S1102,1104)如く構成したので、変速時間を目標変速時間に一層確実に収束させることが可能となる。
また、第1、第2実施例にあっては、前記増減補正手段は、車両の走行状態が所定の状態にあるとき、算出された差が所定の範囲に入るように前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する(S20,S316,S500からS514,S810)如く構成したので、上記した効果に加え、増減補正、換言すれば学習を効果の所定の走行状態に限定することができ、構成を簡易にすることができる。
次いで、この発明の第3実施例に係る自動変速機の制御装置、より具体的にはその動作を説明する。
第1実施例と相違する点に焦点をおいて説明すると、第3実施例にあっては車両の重量を推定すると共に、推定された車両の重量で学習値を補正するように構成した。
図19は、第1実施例の図2フロー・チャートと同様の処理における第3実施例のG波形学習処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S1300において第1実施例と同様の1G波形評価許可判断を行い、次いでS1302に進み、G波形評価が許可されたと判断されるときはS1303に進み、重量推定、即ち、車両の重量推定を実行する。
図20はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S1400においてエンジンEからトランスミッションTに入力される入力トルクTinを算出する。
これは、第1実施例と同様の手法で算出される油圧クラッチCnの伝達トルクと同様、エンジンEのエンジン回転数NEと負荷とトルクコンバータ12のスリップ率ETRから算出する。尚、入力トルクTinの算出は所定時間の移動平均を求めて行う。次いでS1402に進み、第1実施例と同様の手法でΔNC推定値を算出する。
図20フロー・チャートの説明を続ける前に、図21を参照してこの実施例における車両の重量の推定手法を説明する。
同図(a)に示す如く、車両が変速(例えばシフトアップ)するとき、車両のトルク伝達式は同図(b)に示すように表わすことができる。変速前の値に1、変速後の値に2からなる添え字を付す。図21で「ΔNC推定値」は「ΔNC1」などと示す。
ここで、変速区間において走行路の勾配の変化がなく、車速変化が小さいと仮定すると、換言すれば走行抵抗が一定とみなすことができ、同図(b)の末尾に示す如く、入力トルクの変化量とΔNC(ΔNC推定値)変化量とから車重(車両の重量)を推定することができる。
また、変速前の入力トルクTin1と変速後の入力トルクTin2が等しい場合でも、出力トルクにおいて変速段のレシオ(変速比)分の差(公比)が発生するため、車両のイナーシャIvを求めることができ、それから車重を求めることができる。
図20フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS1404に進み、運転者の要求に応じたシフト信号の変化などから変速か否か判断し、肯定されるときはS1406に進み、変速前入力トルク(Tin1)の値をラッチ(保存)し、S1408に進み、変速前ΔNC推定値(ΔNC1)をラッチする。
他方、S1404で否定されるときはS1410に進み、前記したGRATIOの値から変速が終了したか判断し、否定されるときは以降の処理をスキップする一方、肯定されるときはS1412に進み、変速後入力トルク(Tin2)の値をラッチ(保存)する。
次いでS1414に進み、変速後ΔNC推定値(ΔNC2)をラッチ(保存)し、S1416に進み、車重(車両イナーシャ)推定値を算出(車両の重量を推定)する。
図22はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S1500において図示の式に従って車両イナーシャ推定値を算出する。図示の式は図21(b)の末尾に示す式を変形したものである。尚、車両イナーシャ推定値はカウンタシャフトCS上の換算値として算出される。
次いでS1502に進み、車両イナーシャ推定値を駆動輪(タイヤ)Wの動半径の二乗で除算し、よって得た商をファイナルレシオ(最終減速比)に相当する減速比で除算して車重推定値を算出(車両の重量を推定)する。
図19フロー・チャートの説明に戻ると、次いで第1実施例と同様にS1304からS1314の処理を経てS1316に進み、学習値を書き込む。尚、S1302で否定されるときはS1318に進み、算出値を初期化する。
図23は学習値書き込み処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S1600で学習許可判断、即ち、車両の状態が学習の許可される状態にあるか否か判断する。
図24はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S1700において算出された車重推定値がしきい値を超えるか否か判断し、肯定されるときはS1702に進み、学習を禁止する一方、否定されるときはS1704に進み、学習を許可する。
図23フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS1602に進み、S1600の判断から学習が許可されたか否か判断し、肯定されるときはS1604に進み、前記した学習Δトルクを算出して書き込む。
図25はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S1800において図示の式に従って学習Δトルクを算出する。即ち、前回学習Δトルクに、S1314で算出されたI相初期GとS1502で算出された車重推定値と収束係数を乗じて得た積を加算して学習Δトルク(今回の)を算出する。換言すれば、推定された車両の重量で学習値を補正する。
上記した収束係数は、出力や評価のばらつきが減少して学習が安定に収束すると共に、学習による変速フィーリングの急激な変化を防止し、運転者が収束過程で違和感を受けないように、積分制御を用いて適宜設定される。
尚、前記した通り、算出された学習Δトルクは、図11に示すようなRAM86に変速先の速度段ごとに格納された学習Δトルクマップに油圧クラッチCnの伝達トルクと車速から検索自在に書き込まれる(格納される)。
図23フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS1606に進み、Δトルクリミット処理を行い、S1608に進み、学習Δトルクが算出された回数をカウントすると共に、カウントされた回数をRAM86に格納されたマップに同様に変速先の速度段用の油圧クラッチCnの伝達トルクと車速からRAM86に検索自在に書き込む(格納する)。尚、第3実施例の残余の構成は第1実施例と異ならないため、図示は省略する。
上記した如く、第3実施例にあっては、摩擦係合要素(油圧クラッチCn)を介して車両に搭載されたエンジンEの出力を変速する自動変速機(トランスミッション)Tの制御装置(ECU80)において、前記自動変速機の入力回転数NMを検出する入力回転数検出手段(第1の回転数センサ64,ECU80)と、前記自動変速機の出力回転数NCを検出する出力回転数検出手段(第2の回転数センサ66,ECU80)と、前記出力回転数の変化量(ΔNC推定値)を算出する出力回転数変化量算出手段(S10)と、変速のイナーシャ(I)相初期の所定期間における前記出力回転数の変化量の平均値(I相初期平均G)を算出する出力回転数変化量平均値算出手段(S20,S308,S1308)と、前記入力回転数NMと出力回転数NCの比(GRATIO)から変速の終了を判定すると共に、前記出力回転数の変化量(ΔNC推定値)が車両加速度Gを示すものとみなして前記出力回転数の変化量から前記変速が終了した後の車両加速度の平均値(変速後平均G)を算出する車両加速度平均値算出手段(S20,S312,S1312)と、前記出力回転数の変化量の平均値と前記車両加速度の平均値の差(I相初期G)を算出する差算出手段(S20,S314,S1314)と、前記算出された差が所定の範囲に入るように前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する学習値を算出する学習値算出手段(S20,S316,S500からS516,S1316,S1606からS1608)と、前記算出された学習値で前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する増減補正手段(S14からS16)と、前記増減補正された伝達トルクの目標値となるように前記摩擦係合要素への供給油圧を制御する供給油圧制御手段(S18)と、前記自動変速機に入力される入力トルクTinを算出する入力トルク算出手段(S20,S1303,S1400)と、少なくとも変速の前後の前記入力トルクと前記出力回転数の変化量とから前記車両の重量を推定する車両重量推定手段(S1404からS1416,S1500,S1502)と、前記推定された車両の重量で前記学習値を補正する学習値補正手段(S1316,S1604,S1800)とを備える如く構成したので、従前の実施例と同様、変速時の車両加速度を推定・評価し、それから油圧クラッチ(摩擦係合要素)Cnの伝達トルクのばらつきなどを一層的確に学習することとなり、油圧クラッチの潜在能力を十分に引き出すことができ、よって変速時に乗員が受ける変速フィーリングを改良することができる。
また、前記学習値補正手段は、推定された車両の重量で学習値を補正する(S1316,S1604,S1800)如く構成したので、車両加速度が車両の重量の影響を受けて学習値が誤った値となるのを防止して学習値を安定に収束させることができる。
また、車両の重量の推定に油圧クラッチ(摩擦係合要素)Cnの伝達トルクの算出などと同種のパラメータを用いることとなり、車両の重量を簡易に推定することができる。
また、前記学習値補正手段は、前記推定された車両の重量がしきい値を超えるとき、学習を禁止する(S1316,S1600,S1700からS1704)如く構成したので、上記した効果に加え、車両の重量の影響が大きすぎるような場合には学習を禁止することができ、誤学習となるのを防止することができる。
また、前記車両重量推定手段は、前記変速の間、前記車両に作用する走行抵抗が変化しないとみなして前記変速の前後の前記入力トルクTin1,2と前記出力回転数の変化量ΔNC推定値、より具体的にはΔNC1,2とから前記車両の重量を推定する(S1404からS1416,S1500,S1502。図21)如く構成したので、上記した効果に加え、走行抵抗や走行路の勾配の影響を受けることなく、車両の重量を推定することができる。
次いで、この発明の第4実施例に係る自動変速機の制御装置、より具体的にはその動作を説明する。
従前の実施例と相違する点に焦点をおいて説明すると、第4実施例にあっては油圧クラッチCnの発熱量を算出すると共に、算出された発熱量がしきい値を超えるとき、エンジンのトルクを減少補正するように学習値を補正するように構成した。
図26は第4実施例に係る自動変速機の制御装置の動作を示す、図2と同様のフロー・チャートである。
以下説明すると、S1900からS1902まで第1実施例と同様の処理を行った後、S1904に進み、学習値を読み出す。
図27はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートであり、S2000において第1実施例で説明した学習Δトルクを読み出し、S2002に進み、第2実施例で説明した学習Δ要求量を読み出す。
図26フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS1906に進み、目標クラッチトルクとトルクダウン要求量を算出する。
図28はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートであり、S2100において目標クラッチトルクを算出する。これは、目標クラッチトルクを読み出し、それにS2000で読み出された学習Δトルクを加減算することで算出する。次いでS2102に進み、第2実施例と同様な手法でトルクダウン要求量を算出する。
図26フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS1908の処理を経てS1910に進み、Q/Aを学習する。これはS1902で否定されるときも同様である。Q/Aは油圧クラッチCnの変速時の発熱量Q/A(変速先の速度段側の油圧クラッチCnの発熱量Q/A)を意味し、S1910ではそれを学習する。
図29はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S2200においてUP(アップ)シフトにあるか否か再び判断し、肯定されるときはS2202に進み、変速時のクラッチ滑りによって発生するエネルギQを算出する。
図30は発熱量Q/Aの算出を説明する説明図である。図示の如く、エネルギQは、目標クラッチトルクTQONとメインシャフトMSとカウンタシャフトCSの回転数NM,NCの差(クラッチ差回転)の積を時間積分して算出する。
図29フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS2204に耐久性学習優先フラグのビットを0にリセットしてプログラムを一旦終了する。このようにアップシフトの間、上記の処理が所定時間ごとに実行される。
他方、S2200で否定されて変速が終了と判断されるときはS2206に進み、発熱量Q/Aを算出する。即ち、図30に示す如く、算出されたエネルギQを該当の油圧クラッチCnのフェーシング面積で除算し、その油圧クラッチCnの発熱量Q/Aを算出する。尚、面積Aによる除算はS2202での算出の度に実行しても良い。
次いでS2208に進み、UPシフト直後の定常状態にあるか否か判断し、肯定されるときはS2210に進み、今回の変速で算出されたQ/AがQ/A耐久性しきい値を超える否か判断し、否定されるときは当該油圧クラッチCnに支障がないので、以降の処理をスキップする。
他方、S2210で肯定されるときはS2212に進み、前記した耐久性学習優先フラグのビットを1にセットし、S2214に進み、エンジントルクダウン限界値と現在のトルクダウン値の差を求めることでトルクダウン可能量を算出する。
図29フロー・チャートの説明を続ける前に、図31を参照して第4実施例に係る自動変速機の制御装置の動作を説明すると、従来技術において油圧クラッチCnの耐久性が考慮されていなかった不都合に鑑み、この実施例においては変速時の油圧クラッチCnの発熱量Q/Aを算出してQ/A耐久性しきい値と比較し、しきい値を超えるとき、図31(a)に示す如く、先ず学習Δ要求量を減少補正してエンジンEのトルクを減少するようにした。
これにより、GRATIO(トランスミッションTの入力回転数NMと出力回転数NCの比NC/NMで変速状態を示す)から明らかな如く、変速時間が短縮して発熱量Q/Aは減少するので、油圧クラッチCnの耐久性を向上させることができる。
他方、エンジンEのトルクの減少も例えば点火時期で行うときの遅角限界値などの限界値(トルクダウン可能量)があることから、学習Δ要求量がトルクダウン可能量(限界値)以下のときはエンジンEのトルクを減少させる一方、学習Δ要求量がトルクダウン可能量を超えるときは、目標クラッチトルク、より具体的には学習Δトルクを増加補正するようにした。
これにより、同図(b)に示す如く、GRATIOから規定される変速時間が同様に短縮する結果、発熱量Q/Aは減少するので、油圧クラッチCnの耐久性を向上させることができる。
図29フロー・チャートの説明に戻ると、S2216に進み、学習Δ要求量がトルクダウン可能量を超えるか否か判断し、否定されるときはS2218に進み、学習Δ要求量を算出する。これは具体的には、S2216で否定される度に、図31(a)に示す如く、所定量ずつ学習Δ要求量を減少補正することで行う。
一方、S2216で肯定されるときはS2220に進み、学習Δトルクを算出する。これは具体的には、S2216で肯定される度に、図31(b)に示す如く、所定量ずつ学習Δトルクを増加補正することで行う。
尚、S2208で否定されるときはS2222に進み、算出されたエネルギQの値をリセットする(0にする)。
図26フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS1912に進み、前記した耐久性学習優先フラグのビットが1にセットされているか否か判断し、肯定されるときは以降の処理をスキップする一方、否定されるときはS1914に進み、第1実施例と同様の手法でG波形を学習する。
次いでS1916に進み、トルクダウン要求量学習値の書き込み、即ち、学習Δ要求量の算出と書き込みを行う。これは第2実施例の図16で述べた手法と同様に行われる。
図26フロー・チャートにおいて、S1908の処理が、増減補正された目標クラッチトルク(伝達トルクの目標値)となるように油圧クラッチ(摩擦係合要素)Cnの油圧を制御する処理と、減少補正された値となるようにエンジンEのトルクを減少させる処理に相当する。
また、S1912で否定される場合が、算出された差(I相初期G)が(しきい値から規定される)所定の範囲に入るように油圧クラッチ(摩擦係合要素)Cnの目標クラッチトルク(伝達トルクの目標値)を増減補正する学習値を算出する処理に相当する。
また、S1912で肯定されるときはS1914以降をスキップすることから、図29フロー・チャートの処理のみがなされることなるが、算出された変速時の油圧クラッチCnの発熱量Q/Aが(Q/A耐久性)しきい値を超えるとき、エンジンEのトルクと伝達トルクの中の少なくともエンジンのトルクを減少補正するように学習Δ要求量(学習値)を補正する学習補正処理(S1910,S2210からS2220,S1904)に相当する。
尚、第4実施例の残余の構成は従前の実施例と異ならないため、図示は省略する。
上記した如く、第4実施例にあっては、摩擦係合要素(油圧クラッチCn)を介して車両に搭載されたエンジンEの出力を変速する自動変速機(トランスミッション)Tの制御装置(ECU80)において、前記自動変速機の入力回転数NMを検出する入力回転数検出手段(第1の回転数センサ64,ECU80)と、前記自動変速機の出力回転数NCを検出する出力回転数検出手段(第2の回転数センサ66,ECU80)と、前記出力回転数の変化量(ΔNC推定値)を算出する出力回転数変化量算出手段(S10,S1900)と、変速のイナーシャ(I)相初期の所定期間における前記出力回転数の変化量の平均値(I相初期平均G)を算出する出力回転数変化量平均値算出手段(S20,S308,S1914)と、前記入力回転数NMと出力回転数NCの比(GRATIO)から変速の終了を判定すると共に、前記出力回転数の変化量(ΔNC推定値)が車両加速度Gを示すものとみなして前記出力回転数の変化量から前記変速が終了した後の車両加速度の平均値(変速後平均G)を算出する車両加速度平均値算出手段(S20,S312,S1914)と、前記出力回転数の変化量の平均値と前記車両加速度の平均値の差(I相初期G)を算出する差算出手段(S20,S314,S1914)と、前記算出された差が所定の範囲に入るように前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する学習値を算出する学習値算出手段(S20,S316,S500からS516,S1914)と、前記算出された学習値で前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する増減補正手段(S14からS16,S1904からS1906)、前記増減補正された伝達トルクの目標値となるように前記摩擦係合要素への供給油圧を制御する供給油圧制御手段(S18,S1908)と、前記摩擦係合要素の前記変速時の発熱量Q/Aを算出する発熱量算出手段(S1910,S2206)と、前記算出された摩擦係合要素の変速時の発熱量がしきい値(Q/A耐久性しきい値)を超えるとき、前記エンジンのトルクと前記伝達トルクの中の少なくとも前記エンジンのトルクを減少補正するように前記学習値を補正する第2の学習値補正手段(S1910,S2210からS2220,S1904)と、前記減少補正された値となるように前記エンジンのトルクを減少させるエンジントルク減少手段(S18,S1908)とを備える如く構成したので、従前の実施例と同様、変速時の車両加速度を推定・評価し、それから油圧クラッチ(摩擦係合要素)Cnの伝達トルクのばらつきなどを一層的確に学習することとなり、油圧クラッチの潜在能力を十分に引き出すことができ、よって変速時に乗員が受ける変速フィーリングを改良することができる。
一方、変速時の油圧クラッチCnの発熱量 Q/Aがしきい値を超えるときはエンジンEのトルクと伝達トルク(目標クラッチトルク)の中の少なくともエンジンEのトルクを減少補正する如く構成したので、油圧クラッチCnの耐久性も向上させることができる。
また、前記第2の学習値補正手段は、前記エンジンEのトルクの減少補正量(学習Δ要求量)が限界値(トルクダウン可能量)を超えるとき、前記伝達トルクを増加補正する(S2216,S2220)如く構成したので、上記した効果に加え、例えば点火時期を遅角させるなどしてエンジンEのトルクを減少補正するときも、エンジン側に負担となることがない。
また、前記第2の学習値補正手段は、前記変速の時間が目標変速時間を所定値以上超えるとき、前記エンジンEのトルクを減少補正する(S1916,S1102からS1108)如く構成したので、変速時の車両加速度Gによるクラッチトルクのばらつき吸収制御を行うことで変速時間が延長されそうになった場合、エンジンEのトルクを減少させることで目標とする変速時間に収束させることが可能となる。
次いで、この発明の第5実施例に係る自動変速機の制御装置、より具体的にはその動作を説明する。
従前の実施例と相違する点に焦点をおいて説明すると、第5実施例にあっては所定の運転パラメータの格子点ごとに設定される特性から検索される学習基本値をその格子点以外の値から算出される補正係数で補正して学習値を算出するように構成した。
図32は第5実施例に係る自動変速機の制御装置の動作を示す学習値の算出処理を説明する説明図である。
この処理は具体的には、図32に示すように運転パラメータ、具体的にはトランスミッションTの入力トルク、より具体的にはアクセル開度APと車速Vから検索自在にRAM86に格納されているトルク(学習基本値)を検索すると共に、補正係数を算出し、算出された補正係数で検索値を増減補正して学習値を算出する処理である。
より具体的には、算出されたI相初期平均G(差)が(第1実施例のS504,S510と同様の処理のしきい値から決定される)所定の範囲に入るように、所定の運転パラメータ、具体的にはアクセル開度AP(トランスミッションTの入力トルク)と車速Vからなる運転パラメータの格子点(図33にLnと示す)ごとに設定される特性から検索されるトルク(学習基本値)を同様の運転パラメータの格子点以外の値から算出される補正係数で補正して学習値(学習Δトルク)を算出する処理である。
尚、第5実施例においては運転パラメータとして油圧クラッチCnの伝達トルクに代え、アクセル開度APを用いているが、アクセル開度APも油圧クラッチCnの伝達トルクを示すことから、両者は実質的には等価である。
以下説明すると、同図のB1に示すように変速が1速から2速へのアップシフトであり、検出されたアクセル開度APが4.2/8開度(全開を8とするときの開度)とするとき、B2で検索されたクラッチトルク(学習基本値)に、B3で算出される学習重み係数(補正係数)をB4で乗じ、よって得られた学習値をB5で書き込む。
次いで、車速Vについても同様の処理を行い、B6において変速ショッククラッチトルク学習値格納マップに格納する。次いでB7において油温TATFについても係数を算出し、算出された係数で学習値を補正する。
図32において、B2で得られる値(学習基本値)は図33に示す特性を検索して得られる値であり、その特性はB3に示す如く、アクセル開度AP(運転パラメータ)について・・・3/8,4/8,5/8,6/8・・・と所定の間隔の格子点ごとに設定される値である。B2の値は格子点3/8から検索される値である。
他方、検出される値は格子点の値とは限らず、格子点の間の値となることが多い。その場合、単純に補間すると、格子点をとるときに算出される学習値との差異が運転者に違和感を与えるような値となることがあり、変速ショックを増加させる。
そこで、この実施例においては、アクセル開度APは、入力トルクの変化や回転違いに対する、例えば油圧クラッチ伝達トルクのばらつきの特性などを考慮した重み関数を設定して補正係数を算出するようにした。重み関数は図示の如く、縦軸の値の和が常に1.0となる2種の三角形状の関数からなる。
ここで、「ばらつきの特性などを考慮」とは、格子点間で学習した結果に基づいて格子点ごとに学習値補正を設定するとき、実際に計測した時点の条件が異なることによる影響を考慮することを意味する。
検出されたアクセル開度APが4.2/8とするとき、2種の関数に対して得られる補正係数は単純補間したとき0.8,0.2となり、それを学習基本値(−5Nm)を乗じて得られる学習値(学習Δトルク)は−4Nm,−1Nmとなる。尚、上記した影響を考慮すると、補正係数は0.8と0.2から若干シフトされた位置に設定される(総和は1.0と異ならないが)。
B6では車速Vについても同様の処理がなされた結果が格納される。B6に示す特性は、図33に示す特性をS506,S512の処理で加減算すると共に、格子点の間のアクセル開度APと車速Vについて拡大したものである。尚、図33とB6に示す特性は、変速先の速度段の油圧クラッチCnごと、換言すれば変速MODEごとに設定される。
次いでB7において油温TATFが学習制御領域にあるとき、検出された油温に応じて学習値反映係数を求め、求めた係数をB6の特性から検索された学習値(学習Δトルク)に乗じて補正する。
図32を参照して第5実施例の動作を説明すると、第1実施例の図9フロー・チャートのS506,S512と同様に、検出された運転パラメータ(アクセル開度APと車速V)に応じてB6のマップに格納された値(より正確にはB7で補正された値)を検索(算出)し、図33に示すマップに書き込むことになる。
尚、第5実施例の残余の構成は従前の実施例と異ならないため、図示は省略する。
上記した如く、第5実施例にあっては、摩擦係合要素(油圧クラッチCn)を介して車両に搭載されたエンジンEの出力を変速する自動変速機(トランスミッション)Tの制御装置(ECU80)において、前記自動変速機の入力回転数NMを検出する入力回転数検出手段(第1の回転数センサ64,ECU80)と、前記自動変速機の出力回転数NCを検出する出力回転数検出手段(第2の回転数センサ66,ECU80)と、前記出力回転数の変化量(ΔNC推定値)を算出する出力回転数変化量算出手段(S10)と、変速のイナーシャ(I)相初期の所定期間における前記出力回転数の変化量の平均値(I相初期平均G)を算出する出力回転数変化量平均値算出手段(S20,S308)と、前記入力回転数NMと出力回転数NCの比(GRATIO)から変速の終了を判定すると共に、前記出力回転数の変化量(ΔNC推定値)が車両加速度Gを示すものとみなして前記出力回転数の変化量から前記変速が終了した後の車両加速度の平均値(変速後平均G)を算出する車両加速度平均値算出手段(S20,S312)と、前記出力回転数の変化量の平均値と前記車両加速度の平均値の差(I相初期G)を算出する差算出手段(S20,S314)と、前記算出された差が所定の範囲に入るように前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する学習値を算出する学習値算出手段(S20,S316,S500からS516)と、前記算出された学習値で前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する増減補正手段(S14からS16)と、前記増減補正された伝達トルクの目標値となるように前記摩擦係合要素への供給油圧を制御する供給油圧制御手段(S18)とを備えると共に、前記学習値算出手段は、所定の運転パラメータ(前記変速機の入力トルク(アクセル開度AP)と車速V)の格子点(図33のLn)ごとに設定される特性から検索される学習基本値を前記運転パラメータの前記格子点以外の値から算出される補正係数で補正して前記学習値を算出する(B2からB6)如く構成したので、従前の実施例と同様、変速時の車両加速度を推定・評価し、それから油圧クラッチ(摩擦係合要素)Cnの伝達トルクのばらつきなどを学習することとなり、油圧クラッチCnの潜在能力を十分に引き出すことができ、よって変速時に乗員が受ける変速フィーリングを短時間で最適化することができる。
また、所定の運転パラメータの格子点ごとに設定される特性から検索される学習基本値を運転パラメータの格子点以外の値から算出される補正係数で補正して学習値を算出するように構成したので、運転パラメータが格子点以外の値をとるときも、格子点をとるときに算出される学習値との差異が運転者に違和感を与えるような値となることがなく、よって変速フィーリングを短時間で最適化することができる。
図34はI相初期の波形評価学習を示すタイム・チャートであり、同図(a)はこの実施例の処理を行わない場合、(b)は行う場合である。同図(a)との比較から明らかな如く、(a)ではオフセットばらつきが変速ショックを生じているが、(b)ではI相初期の波形評価学習によりオフセットばらつきを吸収して変速ショックを低減している。
このように、変速時の車両加速度GをΔNC推定値から推定・評価し、それから摩擦係合要素の伝達トルクのばらつきなどを学習することで、摩擦係合要素などの潜在能力を十分に引き出すことができ、よって変速時に乗員が受ける変速フィーリングを改良することができる。
また、前記学習値算出手段は、前記算出された差をしきい値と比較して得られる比較結果に基づいて補正係数を算出する(B2からB6)如く構成したので、上記した効果に加え、しきい値を適宜設定することで、算出された差を所定の範囲に確実に入れることができる。
また、前記学習値算出手段は、前記補正係数を作動油の温度(油温)TATFで補正する(B7)如く構成したので、上記した効果に加え、油温TATFも考慮することで、学習値を一層適正に算出することができる。
尚、上記において、運転パラメータをトランスミッションTの入力トルクをアクセル開度APとしたが、スロットル開度THあるいは油圧クラッチCnの伝達トルクであっても良い。また、車速Vも他の部位の回転数、例えばトランスミッションTの出力回転数であっても良い。
また、上記において、補正係数を三角形状の重み関数からなるようにしたが、シグモイド関数などを用いても良い。
次いで、この発明の第6実施例に係る自動変速機の制御装置、より具体的にはその動作を説明する。
従前の実施例と相違する点に焦点をおいて説明すると、第6実施例にあってはトランスミッションTの運転経過時間を推定すると共に、推定された運転経過時間に応じて学習値を持ち替えるように構成した。
図35は第6実施例に係る自動変速機の動作を示す、第1実施例の図9と同様のフロー・チャートである。
以下説明すると、S2300で第1実施例と同様の手法で学習許可判断を行い、S2302に進み、S2300の判断から学習が許可されるか否か判断し、肯定されるときはS2304に進み、運転経過時間(トランスミッションTの通算運転時間)を推定する。これについては後述する。
次いでS2306に進み、推定された運転経過時間を適宜設定する規定値と比較し、運転経過時間が初期学習期間(慣らし運転期間)にあるか(あるいはその後の経時学習期間(経時的劣化が生じる期間))否か判断する。
推定された運転経過時間が規定値未満のとき、S2306の判断は肯定されてS2308に進み、I相初期Gを初期学習しきい値(収束しきい値)の上限と比較する。図36はそれを示す説明図である。
図示の如く、しきい値の上限(および後述する下限)は運転経過時間に応じて別々に、具体的には運転経過時間が短いときは「初期学習しきい値」と示すように比較的その幅(上、下限の幅)が広く、長いときは「経時学習しきい値」と示すように比較的その幅が狭くなるように設定される。
即ち、初期学習しきい値は初期ばらつきによる個体差の補正用であり、変速時にエンジン回転の吹き上がりやトルク不足が発生することのないように、工場出荷時に油圧クラッチCnの寸法公差は余裕マージンが大きく設定される。また初期の間は油圧クラッチCnなどの特性が未だ十分に安定していないため、制御目標値に対する追従性がその後の安定期に比して低い。
第1実施例と同様に1回当たりの学習補正量(減算量あるいは加算量)はそれを目標とする収束回数で除して求められるが、上記の理由から比較的大きな値とされる。従って、その場合でも発散しないように、しきい値の上、下限の幅は比較的大きく設定される。
他方、経時学習しきい値はその後安定期の経時学習期間の補正用であることから、安定かつ高精度な補正を目指して1回あたりの学習補正量も比較的小さい値に算出されるため、しきい値の上、下限の幅も比較的小さく設定される。
これにより、トランスミッションTの運転経過時間に応じ、換言すれば初期ばらつきによる個体差か経年劣化かに応じてばらつきを適正に吸収することができる。
図35フロー・チャートにあっては次いでS2308に進み、I相初期Gが初期学習しきい値の上限以上か否か判断し、肯定されるときはS2310に進み、初期学習Δトルク減算処理、即ち、目標クラッチトルクを減算補正するための学習Δトルクを算出する。
図37はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
先ずS2400において変速先の速度段に対応する初期学習Δトルクマップを選択する。図38はそのマップの特性を示す説明図であり、かかるマップが速度段ごとにRAM86に用意される。
先に説明した第1実施例の図2フロー・チャートのS14と同様の処理においてはこのマップ(と後述する経時学習Δトルクマップ)に書き込まれた値(学習Δトルク)を読み出して行うことから、その前処理である書き込みも変速先の速度段に対応するマップを選択する。
次いでS2402に進み、初期学習Δトルクの前回値を検索し、S2404に進み、初期学習1回あたりの減算量を算出する。前記した如く、初期学習期間にあっては1回あたりの減算量は比較的大きな値に算出される。
次いでS2406に進み、前回値に1回当たりの減算量を加算して初期学習Δトルク今回値を算出する。同時に、伝達トルクが算出されると共に、車速が検出され、算出された今回値は、得られた伝達トルクと車速で規定される格子点の該当領域に書き込まれる(格納される)。
他方、図35フロー・チャートにあってS2308で否定されるときはS2314に進み、I相初期Gが初期学習しきい値の下限以下か否か判断し、肯定されるときはS2316に進み、初期学習Δトルク加算処理、即ち、目標クラッチトルクを加算補正するための学習Δトルクを算出する。
図39はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
先ずS2500において変速先の速度段に対応する前記した初期学習Δトルクマップを選択し、次いでS2502に進み、図10のS600と同様に初期学習Δトルクの前回値を検索する。次いでS2504に進み、初期学習1回あたりの加算量を算出し、次いでS2506に進み、初期学習Δトルク今回値を算出する。同時に伝達トルクが算出されると共に、車速が検出され、算出された今回値は、得られた伝達トルクと車速で規定される格子点の該当領域に書き込まれる(格納される)。
図35フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS2312あるいはS2318に進み、算出された今回値が上限リミットを超える、あるいは下限リミット未満となるときはリミット内に止める処理を行なう。次いでS2320に進み、学習カウントUP(アップ)を実行する。
また、S2306で否定されるときはS2322に進み、I相初期Gが経時学習しきい値の上限以上か否か判断し、肯定されるときはS2324に進み、経時学習Δトルク減算処理、即ち、目標クラッチトルクを減算補正するための学習Δトルクを算出する。
図40はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
先ずS2600において変速先の速度段に対応する経時学習Δトルクマップを選択する。図41はそのマップの特性を示す説明図であり、初期学習Δマップと同様、速度段ごとにRAM86に用意される。
次いでS2602に進み、経時学習Δトルクの前回値を検索し、S2604に進み、経時学習1回あたりの減算量を算出する。前記した如く、経時学習期間にあっては1回あたりの減算量は初期学習期間の値に比して小さな値に算出される。
次いでS2606に進み、前回値に1回当たりの減算量を加算して経時学習Δトルク今回値を算出し、算出された今回値を伝達トルクと車速で規定される格子点の該当領域に書き込む(格納する)。
他方、図35フロー・チャートにおいてS2322で否定されるときはS2328に進み、I相初期Gが経時学習しきい値の下限以下か否か判断し、肯定されるときはS2330に進み、経時学習Δトルク加算処理、即ち、目標クラッチトルクを加算補正するための学習Δトルクを算出する。
図42はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
先ずS2700において変速先の速度段に対応する前記した経時学習Δトルクマップを選択する。次いでS2702に進み、図39のS2502と同様に経時学習Δトルクの前回値を検索し、次いでS2704に進み、図39のS2504と同様に経時学習1回あたりの加算量を算出する。次いでS2706に進み、経時学習Δトルク今回値を算出し、算出された今回値を伝達トルクと車速で規定される格子点の該当領域に書き込む(格納する)。
次いで図35フロー・チャートのS2326あるいはS2332に進み、リミット処理を行い、S2334に進み、S2320と同様に学習カウントUP(アップ)を実行する。
ここでS2304の運転経過時間の推定を説明すると、その推定は、S2308,S2314,S2322,S2328に示すI相初期Gと初期学習(あるいは経時学習)しきい値の上、下限との比較結果に基づいて行う。
より具体的には、S2308,S2322においてI相初期Gがしきい値の上限より大きいと判定された回数、あるいはS2314あるいは2328においてI相初期Gがその下限より小さいと判定された回数、即ち、S2320,S2334でカウントされた回数に基づいてトランスミッションTの運転経過時間を推定する。
さらには、図36に矢印で示す如く、I相初期Gの統計分布の平均値が変化する方向と量に基づいてトランスミッションTの運転経過時間を推定することとする。即ち、I相初期Gの分布方向が経年劣化として現れる方向を予め実験などで求めておき、その方向への移動傾向の発生が認められるとき、運転経過時間、より具体的には運転経過時間が長いと推定することとする。
また、それ以外にも、トランスミッションTが搭載された車両の通算走行時間と通算走行距離の少なくともいずれかを適宜な手法で積算すると共に、それに基づいて運転経過時間を推定することとする。
さらには、トランスミッションTが搭載された車両の運転状態や各油圧クラッチCnの運転負荷状態(例えば吸収エネルギ、油温TATF)などから運転経過時間を推定しても良い。
また油圧クラッチCnあるいは作動油ATFが交換された事実を適宜な手法で検知し、それに基づいて運転経過時間を修正したり、リセットしたりしても良い。
図43を参照して上記した学習補正を再説すると、初めに述べた如く、例えばトランスミッションTの運転経過時間が短いときは油圧クラッチCnの制御量を所望の値に早期に収束させる一方、長いときは緩慢に収束させるのが望ましい。
その意図から、この実施例においては図43に示すように運転経過時間に応じて学習Δトルク(補正量)を持ち替えるように構成したので、運転経過時間が短いときは学習Δトルクを増加することができ、I相初期Gが所定の範囲に入るように油圧クラッチCnの制御量を補正する速度を上げることができると共に、必要に応じてホールドすることができる。
即ち、運転経過時間が短いときはクラッチディスクμ特性やリニアソレノイドSLnとクラッチ油圧間の特性などの油圧クラッチCnの初期ばらつきによる個体差が大きいため、早期に収束させることが望ましいが、かく構成することで収束時期を早めることができ、運転経過時間に応じて適正に学習することができる。
一方、運転経過時間が長いときは図37に示すように学習Δトルクの補正量を減少させることができ、I相初期Gが所定の範囲に入るように油圧クラッチCnの制御量を補正する速度を下げることができる。
即ち、運転経過時間が比較的長いときは、油圧クラッチCnのばらつきはクラッチディスクμ特性や作動油ATF粘性変化などの経年劣化による緩やかな変化となるため、運転経過時間が短いときと同様に学習を継続すると、収束性が悪化することがある。しかしながら、このように構成することで、安定かつ高精度な補正を実現することができる。
尚、第6実施例の残余の構成は従前の実施例と異ならないため、図示は省略する。
上記した如く、第6実施例にあっては、摩擦係合要素(油圧クラッチCn)を介して車両に搭載されたエンジンEの出力を変速する自動変速機(トランスミッション)Tの制御装置(ECU80)において、前記自動変速機の入力回転数NMを検出する入力回転数検出手段(第1の回転数センサ64,ECU80)と、前記自動変速機の出力回転数NCを検出する出力回転数検出手段(第2の回転数センサ66,ECU80)と、前記出力回転数の変化量(ΔNC推定値)を算出する出力回転数変化量算出手段(S10)と、変速のイナーシャ(I)相初期の所定期間における前記出力回転数の変化量の平均値(I相初期平均G)を算出する出力回転数変化量平均値算出手段(S20,S308)と、前記入力回転数NMと出力回転数NCの比(GRATIO)から変速の終了を判定すると共に、前記出力回転数の変化量(ΔNC推定値)が車両加速度Gを示すものとみなして前記出力回転数の変化量から前記変速が終了した後の車両加速度の平均値(変速後平均G)を算出する車両加速度平均値算出手段(S20,S312)と、前記出力回転数の変化量の平均値と前記車両加速度の平均値の差(I相初期G)を算出する差算出手段(S20,S314)と、前記算出された差が所定の範囲に入るように前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する学習値を算出する学習値算出手段(S20,S316,S500からS516,S2300からS2334)と、前記算出された学習値で前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する増減補正手段(S14からS16)と、前記増減補正された伝達トルクの目標値となるように前記摩擦係合要素への供給油圧を制御する供給油圧制御手段(S18)と、前記自動変速機の運転経過時間を推定する運転経過時間推定手段(S2304)とを備えると共に、前記学習値算出手段は前記推定された運転経過時間に応じて前記学習値を持ち替える(S2306からS2334)ように構成したので、例えばトランスミッションTの運転経過時間が短いときは補正量を増加させる一方、長いときは補正量を減らすように変更することが可能となり、トランスミッションTの運転経過時間に応じ、換言すれば初期ばらつきによる個体差か経年劣化かに応じて適正に学習、換言すればばらつきを効果的に吸収することができる。
即ち、変速時にエンジン回転の吹き上がりやトルク不足が発生することのないように、工場出荷時に油圧クラッチCnの寸法公差は余裕マージンが大きく設定される。また初期の間は油圧クラッチCnの特性が未だ十分に安定していないため、制御目標値に対する追従性がその後の安定期に比して低いことから、補正量を比較的大きな値とすることでばらつきを効果的に吸収することができる。他方、それを過ぎた後は、補正量を比較的小さくすることで同様にばらつきを効果的に吸収することができ、安定かつ高精度な補正を実現することができる。
また、補正量が所定のパラメータで格子点が規定されるマップ(初期学習Δトルクマップ、経時学習Δトルクマップ)に格納される如く構成したので、上記した効果に加え、補正量を読み出すときに対応する値が格納されていない場合には近隣の値を補間して得た代替値を用いることが可能となり、トルクや回転変化に対する学習補正精度を向上させることができる。
また、前記マップが前記運転経過時間に応じて相違させられる如く構成したので、上記した効果に加え、補正量の格納を一層適正に行うことができ、学習補正精度を一層良く向上させることができる。
また、前記運転経過時間推定手段は、前記算出された差(I相初期G)と前記収束しきい値の上、下限との比較結果に基づいて前記自動変速機の運転経過時間を推定する(S2304からS2334)如く構成したので、上記した効果に加え、トランスミッションTの運転経過時間を簡易に推定することができる。
また、前記運転経過時間推定手段は、前記算出された差が前記しきい値の上限以上と判定された回数、あるいは前記算出された差(I相初期G)が前記しきい値の下限以下と判定された回数の少なくともいずれかに基づいて前記自動変速機の運転経過時間を推定する(S2304からS2334)如く構成したので、上記した効果に加え、トランスミッションTの運転経過時間を的確に推定することができる。
また、前記運転経過時間推定手段は、前記算出された差の統計分布の平均値が変化する方向と量に基づいて前記自動変速機の運転経過時間を推定する(S2304)如く構成したので、上記した効果に加え、トランスミッションTの運転経過時間を的確に推定することができる。
また、前記運転経過時間推定手段は、前記自動変速機が搭載された車両の通算走行時間と通算走行距離の少なくともいずれかに基づいて前記自動変速機の運転経過時間を推定する(S2304)ように構成したので、上記した効果に加え、トランスミッションTの運転経過時間を一層的確に推定することができる。
次いで、この発明の第7実施例に係る自動変速機の制御装置、より具体的にはその動作を説明する。
従前の実施例と相違する点に焦点をおいて説明すると、第7実施例にあっては車両が悪路を走行しているか否か判定すると共に、車両が悪路を走行していると判定されるとき、学習値の算出を禁止するように構成した。
図44は第7実施例に係る自動変速機の制御装置の動作、より具体的にはG波形評価許可判断を示すフロー・チャートである。
以下説明すると、S2800において悪路を走行しているか否か判定する。
図45はその処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
先ずS2900において第1実施例と同様な手法で前記したΔNC推定値を算出し、S2902に進み、車輪(タイヤ)が空転しているか否か判断する。これは駆動輪Wと従動輪から4個の車輪の全てに車輪速センサを設けると共に(図1で図示省略)、その出力を相互に比較することで4個の車輪の少なくともいずれかが空転しているか判定する。
図45の説明を続ける前に図46を参照してこの実施例の悪路走行判定を説明すると、この実施例にあっては第2の回転数センサ66の出力をローパスフィルタでフィルタリングして高周波ノイズを除去したΔNC推定値を用いると共に、定常走行中のΔNC推定値を適宜設定されるしきい値と比較して車両が悪路を走行しているか否か判定するようにした。
具体的には、図46(a)に示すように振幅が小さいときは非悪路を走行していると判定すると共に、(b)のような場合、ΔNC推定値の振幅が大きななってしきい値(図示せず)以上となることから、荒れた舗装路(連続かつランダムな凹凸がある路面)と判定する。
また、車輪が空転するときは同図(c)に示すように砂利道などの摩擦係数が低い路面を走行すると判定できる。尚、同図(d)に示す如く、高周波の振動は前記したローパスフィルタで除去可能である。
以上を前提として図45フロー・チャートの説明を続けると、S2902で肯定されるときはS2904に進み、判定期間リセット、即ち、判定期間に相当する値をダウンカウンタに設定して時間計測を開始し、S2906に進み、車両が悪路を走行していると判断する。
他方、S2902で否定されるときはS2908に進み、定常走行中か否か判断し、否定されるときは以降の処理をスキップする一方、肯定されるときはS2910に進み、ΔNC推定値を上で触れたしきい値と比較し、ΔNC推定値がしきい値以上か否か判断する。
S2910で肯定されるときはS2904を経てS2906に進み、車両が悪路を走行していると判定する一方、S2910で否定されるときはS2912に進み、判定期間が経過、即ち、S2904で設定された判定期間に相当する値が零に達したか否か判断する。
S2912で否定されるときはS2906と進み、車両が悪路を走行していると判定し続ける。このように一旦悪路走行と判定された後は所定期間が経過するまでその判定を解除しない。
これは、定常走行中にないときは悪路走行判定を行わないことから、一旦悪路走行と判定し、次いでその判定を解除した後も、路面状況は依然として悪路である可能性があるためなどの理由に基づく。
他方、図45フロー・チャートの次回以降のループ時においてS2912で肯定されるときはS2914に進み、悪路走行と不判定、即ち、車両が悪路を走行していると判定しない。
図44フロー・チャートの説明に戻ると、次いでS2802に進み、悪路走行と判定されたか否か判断し、肯定されるときはS2804に進み、許可フラグのビットを0にリセットする。
他方、S2802で否定されるときはS2806,S2808と第1実施例の図8フロー・チャートのS412,S414と同様の処理を経てS2810に進み、許可フラグのビットを1にセットする。
次いで第1実施例の図7フロー・チャートのS300からS318に示す処理と同様の処理を行い、図44の処理結果からG波形学習が許可されたか否か判断し、肯定されるときは学習値書き込みを実行する。
このように、図44のS2804に進むとき、学習値の書き込みが実行されないことから、この実施例においては車両が悪路を走行していると判定されるとき、学習値の算出が禁止される。
図47は学習値書き込み処理を示すサブ・ルーチン・フロー・チャートである。
以下説明すると、S3000において前記したI相初期Gの今回値と過去値の差の絶対値が想定範囲以下か判断する。「今回値」「過去値」は、第1実施例の図2フロー・チャートと同様のメインフロー・チャートの今回実行時、前回以前の実行時の値を意味する。
S3000で肯定されるときは以降の処理をスキップする一方、否定されるとき、即ち、差が想定範囲を超えないと判断されるときはS3002に進み、学習Δトルクを算出し、S3004に進み、Δトルクリミット処理を行い、S3006に進み、学習カウントUPを実行する。
尚、S3002以降の処理は第1実施例の図9フロー・チャートのS504からS516の処理と同様であり、実際にはこのI相初期Gとしきい値の上下限との比較結果に基づいて行われる。
S3000の処理について図48を参照して説明すると、上記したI相初期Gの「過去値」はより正確には前回値と図示の傾向予測線から求められる値を意味する。また「想定範囲」は、第1実施例の図2フロー・チャートと同様の処理に従って算出された学習値で油圧クラッチCnの伝達トルクの目標値(目標クラッチトルク)を増減補正したと想定されるときの許容範囲を意味する。
ここで想定範囲なる概念を用いるのは、図45の悪路走行判定処理において変速中のΔNC推定値は、目標クラッチトルク出力と悪路(凹凸路面)の影響の切り分けができないことから、かかる判断を設けることで、変速中のみに振動が入るような場合を学習から除外するためである。
尚、第7実施例の残余の構成は従前の実施例と異ならないため、図示は省略する。
上記した如く、第7実施例にあっては、摩擦係合要素(油圧クラッチCn)を介して車両に搭載されたエンジンEの出力を変速する自動変速機(トランスミッション)Tの制御装置(ECU80)において、前記自動変速機の入力回転数NMを検出する入力回転数検出手段(第1の回転数センサ64,ECU80)と、前記自動変速機の出力回転数NCを検出する出力回転数検出手段(第2の回転数センサ66,ECU80)と、前記出力回転数の変化量(ΔNC推定値)を算出する出力回転数変化量算出手段(S10)と、変速のイナーシャ(I)相初期の所定期間における前記出力回転数の変化量の平均値(I相初期平均G)を算出する出力回転数変化量平均値算出手段(S20,S308)と、前記入力回転数NMと出力回転数NCの比(GRATIO)から変速の終了を判定すると共に、前記出力回転数の変化量(ΔNC推定値)が車両加速度Gを示すものとみなして前記出力回転数の変化量から前記変速が終了した後の車両加速度の平均値(変速後平均G)を算出する車両加速度平均値算出手段(S20,S312)と、前記出力回転数の変化量の平均値と前記車両加速度の平均値の差(I相初期G)を算出する差算出手段(S20,S314)と、前記算出された差が所定の範囲に入るように前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する学習値を算出する学習値算出手段(S20,S316,S500からS516,S3000からS3006)と、前記算出された学習値で前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する増減補正手段(S14からS16)、前記増減補正された伝達トルクの目標値となるように前記摩擦係合要素への供給油圧を制御する供給油圧制御手段(S18)とを備えると共に、前記自動変速機の出力回転数の変化量(ΔNC推定値)をしきい値と比較して前記車両が悪路を走行しているか否か判定する悪路走行判定手段(S2800,S2900からS2914)を備えると共に、前記学習値算出手段は、前記車両が悪路を走行していると判定されるとき、前記学習値の算出を禁止、より具体的には所定期間(判定期間)禁止する(S2804,S300からS318)如く構成したので、従前の実施例と同様、変速時の車両加速度を推定・評価し、それから油圧クラッチ(摩擦係合要素)Cnの伝達トルクのばらつきなどを一層的確に学習することとなり、油圧クラッチの潜在能力を十分に引き出すことができ、よって変速時に乗員が受ける変速フィーリングを改良することができると共に、誤学習を防止することができる。
また、前記学習値算出手段は、前記出力回転数の変化量の平均値と前記車両加速度の平均値の差(I相初期G)が、より具体的にはその差の今回値と過去値との差が、前記算出された学習値で前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正したと想定されるときの許容範囲を超えるとき、前記学習値の算出を禁止する如く構成したので、上記した効果に加え、例えば変速中にI相初期Gの今回値と過去値との差が許容範囲を超えるか否か判断することで、変速中にあっても誤学習を一層確実に防止することができる。
尚、上記において、この発明を第1実施例から第7実施例まで説明したが、それらの実施例は組み合わせることが可能である。例えば、第7実施例を第1から第6実施例の全てに組み合わせることが可能であり、他の実施例も同様である。
また、この発明を平行軸式の自動変速機を例にとって説明したが、この発明はプラネタリ型の自動変速機にも妥当する。
この発明によれば、自動変速機の制御装置において、自動変速機の出力回転数の変化量(ΔNC推定値)を算出し、変速のイナーシャ(I)相初期の所定期間における出力回転数の変化量の平均値(I相初期平均G)を算出し、出力回転数の変化量が車両加速度Gを示すものとみなして変速が終了した後の車両加速度の平均値(変速後平均G)を算出し、出力回転数の変化量の平均値と車両加速度の平均値の差(I相初期G)を算出し、算出された差が所定の範囲に入るように摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正し、増減補正された目標値となるように摩擦係合要素への供給油圧を制御するように構成したので、変速時の車両加速度を推定・評価し、それから摩擦係合要素の伝達トルクのばらつきなどを学習することとなり、摩擦係合要素の潜在能力を十分に引き出すことができて変速時に乗員が受ける変速フィーリングを改良できる。
T 自動変速機(トランスミッション)、E エンジン(内燃機関)、O 油圧回路、L ロックアップ機構、12 トルクコンバータ、14,16,18,20,22,24,28,30,32,34,36,42 ギヤ、Cn 油圧クラッチ(摩擦係合要素)、55 DBW機構、58 車速センサ、60 クランク角センサ、62 絶対圧センサ、64,66 回転数センサ、76 アクセル開度センサ、80 電子制御ユニット(ECU)

Claims (16)

  1. 摩擦係合要素を介して車両に搭載されたエンジンの出力を変速する自動変速機の制御装置において、前記自動変速機の入力回転数を検出する入力回転数検出手段と、前記自動変速機の出力回転数を検出する出力回転数検出手段と、前記出力回転数の変化量を算出する出力回転数変化量算出手段と、変速のイナーシャ相初期の所定期間における前記出力回転数の変化量の平均値を算出する出力回転数変化量平均値算出手段と、前記入力回転数と出力回転数の比から変速の終了を判定すると共に、前記出力回転数の変化量が車両加速度を示すものとみなして前記出力回転数の変化量から前記変速が終了した後の車両加速度の平均値を算出する車両加速度平均値算出手段と、前記出力回転数の変化量の平均値と前記車両加速度の平均値の差を算出する差算出手段と、前記算出された差が所定の範囲に入るように前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する学習値を算出する学習値算出手段と、前記算出された学習値で前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正する増減補正手段と、前記増減補正された伝達トルクの目標値となるように前記摩擦係合要素への供給油圧を制御する供給油圧制御手段とを備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. さらに、前記増減補正された伝達トルクの目標値に基づいて前記エンジンのトルクダウン要求量を算出するエンジントルクダウン要求量算出手段と、前記算出されたトルクダウン要求量に従って前記エンジンのトルクを低下させるエンジントルク低下手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記エンジントルクダウン要求量算出手段は、変速時間が目標変速時間を所定値以上超えるとき、前記エンジンのトルクダウン要求量を算出することを特徴とする請求項2記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記増減補正手段は、前記車両の走行状態が所定の状態にあるとき、前記算出された差が所定の範囲に入るように前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  5. 前記自動変速機に入力される入力トルクを算出する入力トルク算出手段と、少なくとも変速の前後の前記入力トルクと前記出力回転数の変化量とから前記車両の重量を推定する車両重量推定手段と、前記推定された車両の重量で前記学習値を補正する学習値補正手段を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  6. 前記学習値補正手段は、前記推定された車両の重量がしきい値を超えるとき、学習を禁止することを特徴とする請求項5記載の自動変速機の制御装置。
  7. 前記車両重量推定手段は、前記変速の間、前記車両に作用する走行抵抗が変化しないとみなして前記変速の前後の前記入力トルクと前記出力回転数の変化量とから前記車両の重量を推定することを特徴とする請求項5または6記載の自動変速機の制御装置。
  8. 前記摩擦係合要素の前記変速時の発熱量を算出する発熱量算出手段を備えると共に、前記算出された摩擦係合要素の変速時の発熱量がしきい値を超えるとき、前記エンジンのトルクと前記伝達トルクの中の少なくとも前記エンジンのトルクを減少補正するように前記学習値を補正する第2の学習値補正手段と、前記減少補正された値となるように前記エンジンのトルクを減少させるエンジントルク減少手段を備えたことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  9. 前記第2の学習値補正手段は、前記エンジンのトルクの減少補正量が限界値を超えるとき、前記伝達トルクを増加補正することを特徴とする請求項8記載の自動変速機の制御装置。
  10. 前記第2の学習値補正手段は、前記変速の時間が目標変速時間を所定値以上超えるとき、前記エンジンのトルクを減少補正することを特徴とする請求項8または9記載の自動変速機の制御装置。
  11. 前記学習値算出手段は、所定の運転パラメータの格子点ごとに設定される特性から検索される学習基本値を前記運転パラメータの前記格子点以外の値から算出される補正係数で補正して前記学習値を算出することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  12. 前記学習値算出手段は、前記算出された差をしきい値と比較して得られる比較結果に基づいて前記補正係数を算出することを特徴とする請求項11記載の自動変速機の制御装置。
  13. 前記学習値算出手段は、前記補正係数を作動油の温度で補正することを特徴とする請求項12記載の自動変速機の制御装置。
  14. 前記自動変速機の運転経過時間を推定する運転経過時間推定手段を備えると共に、前記学習値算出手段は前記推定された運転経過時間に応じて前記学習値を持ち替えることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  15. 前記自動変速機の出力回転数の変化量をしきい値と比較して前記車両が悪路を走行しているか否か判定する悪路走行判定手段を備えると共に、前記学習値算出手段は、前記車両が悪路を走行していると判定されるとき、前記学習値の算出を禁止することを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  16. 前記学習値算出手段は、前記出力回転数の変化量の平均値と前記車両加速度の平均値の差が前記算出された学習値で前記摩擦係合要素の伝達トルクの目標値を増減補正したと想定されるときの許容範囲を超えるとき、前記学習値の算出を禁止することを特徴とする請求項15記載の自動変速機の制御装置。
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