JP5369057B2 - 作業機械の周囲監視装置 - Google Patents
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Description
その一例として、作業機械の周囲で作業する作業員のヘルメットの上面および障害物となる作業車両の上面に、それぞれ、異なる識別マークを付しておき、この識別マークを撮像カメラにより撮像し、予め、設定した侵入禁止領域内か否かを判断して、侵入禁止領域内にあるときは作業車両に警告を発する方法が知られている。(例えば、特許文献1参照)
実際の作業においては、所定の面積の工事区域内において、作業エリアまたは従事する作業機械が異なる複数の作業員が同時に作業することが多い。
このような場合、作業員は、自己の作業エリア内または自己が従事する作業機械での作業に気を取られているために、他の作業員の作業エリアに侵入したり、他の作業員が従事する作業機械の領域内に侵入したことに気づかない、という状況が発生する。
しかしながら、このような作業員を監視する方法は確立されていない。
以下、この発明の作業機械の周囲監視装置に係る第1の実施形態を図1乃至図8を参照して説明する。
図1は、油圧ショベル(作業機本体)1の外観を示す斜視図である。1Aはフロント作業機、1Bは車体、1aはブーム、1bはアーム、1cはバケット、1dは旋回体(本体フレーム)、1eは走行体、1fは操作室である。油圧ショベル1は、垂直方向に夫々回動するブーム1a、アーム1b及びバケット1cからなる多関節型のフロント作業機1Aと、旋回体1d及び走行体1eからなる車体1Bとで構成されている。
作業員80は、例えば、ヘルメット等に取り付けられた無線発信機(信号発信手段)81を有している。無線発信機81からは後述するID(作業員識別情報)等が発信される。この信号は、旋回体1dに取り付けられた各無線受信機10a、10b、10cで受信される。旋回体1dに取り付けられた警報機19a、19b、19cからは作業員80に対し、適切な音量で警告が発せられる。この場合、警報機19a、19b、19cは、図1に図示されるように、それぞれ、別方向を向いているので、異なる方向に向けられた警報機から作業員80に届く警告の音量は小さい。
第1の実施形態に係る作業機械の周囲監視装置は、表示装置50、監視コントローラ60および無線受信機10a、10b、10cを備えており、作業機械の周囲監視装置に係る周辺装置として、管理事務所コンピュータ70、情報端末71、警報制御部63、警報機19a〜19c、および図2に図示された無線発信機81がある。
作業員データベースの一例を図4に示す。
作業員データベースは、各作業員に関する固定された情報を示す固定項目と、時間推移に伴う各作業員の状況の変動を示す変動項目からなっている。固定項目は、「ID」(作業員識別情報)、「名前」(作業員特定情報)、「作業内容」、「作業エリア」および「更新日時」の各項目を備えている。「ID」は、個々の作業員に付された他の作業員との識別をするための情報であり、各作業員が所有する無線発信機81からは「ID」が出力される。外来者も、外来者であることを示す「ID」が登録された無線発信機を所有する。
また、無線発信機81から発信された信号を、無線受信機10a〜10cの少なくとも1つで受信したとき、あるいは無線発信機81が作業監視領域内に位置すると判断されたとき、その無線発信機81を装備する作業員のID、名前、作業エリアを、表示装置50の表示部51における作業監視領域の対応する侵入部位の領域内に表示させる。
以下、本発明の第1の実施形態に係る作業機械の周囲監視装置を含む作業機械の全体システムの動作を説明する。
監視コントローラ60により侵入判定の処理が起動されると、侵入判定部61では、無線受信機10a、10b、10cからの入力を常時チェックし(ステップS11)、信号の受信があるか否かを判断する(ステップS12)。信号の受信があった場合には、ステップS13の処理を、受信が無かった場合には、ステップS17の処理を行う。信号の受信があった場合、ステップS13において、受信した信号から無線発信機81の「ID」チェックを行い、「ID」を取得する。
まず、油圧ショベル1(作業機械)を俯瞰した外観図を描画し(ステップS21)、続いて、情報保持部65に保持された作業監視領域を示す俯瞰図を描画する(ステップS22)。
第1の実施形態では、操作員が警報機を用いて警告をするものであった。第2の実施形態は、自動的に警告を発する監視装置に関する。
第2の実施形態の場合にも、図1に図示された油圧ショベル1がそのまま適用される。以下、全体システムのブロック図である図9を用いて、第2の実施形態の作業機械の周囲監視装置を説明する。
ここで、第1の実施形態との相違は、監視コントローラ60が、警報制御部63を有している点である。警報制御部63は音声合成回路64を有しており、警報機19a、19b、19cに接続されている。
警報制御部63以外は、第1の実施形態と同様であるので、同一の構成に同一の参照番号を付してその説明を省略する。
実施形態1および実施形態2では、作業員あるいは侵入者の位置は、無線受信機10a〜10cで受信した信号の大きさ、相対値に基づいて算出する方法であったが、GPS受信機を用いて、より正確な位置を定めることができる。
以下、この発明の作業機械の周囲監視装置に係る第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態に係る作業機械の周囲監視装置は、表示装置50、監視コントローラ60、GPS受信機14および無線送受信機15を備えており、作業機械の周囲監視装置に係る周辺装置として、管理事務所コンピュータ70、情報端末71、警報制御部63、警報機19a〜19cおよび操作員が装備するヘッドセット55がある。
図15に示された作業員データベースは、変動項目に「位置(緯度)」、「位置(経度)」および「通話中」の項目が付加されている以外は、図4の作業員データデースと同一である。従って、同一の項目に関する説明は省略する。変動項目に記録された情報は、作業員の状況で逐次更新される点では、図4の場合と同一である。「通話中」には、無線送受信機92が通話中であれば、通話中であることを意味する「○」が書き込まれ、通話中でなければ、通話中でないことを意味する「×」が書き込まれる。また、「位置(緯度)」および「位置(経度)」の各項目には、GPS受信機91から得られた作業員が位置する緯度および経度が、それぞれ、記録される。
また、情報保持部65の作業員データベースを参照し、無線送受信機92が作業監視領域内に位置すると判断されたとき、その無線送受信機92を装備する作業員の「ID」、「名前」、「作業エリア」を、表示装置50の表示部51における作業監視領域の対応する侵入部位の領域に表示させる。
以下、第3の実施形態の動作について説明をする。
監視コントローラ60により表示制御部62の表示処理フローが起動されると、ステップS31において、表示制御部62は作業機械である油圧ショベル1を俯瞰した概観図を描画し、続いて、ステップS32において、監視範囲設定部67に設定された作業員監視範囲領域を描画する。
侵入者がいない場合、ステップS40では、侵入者なしの状態のモニタ画面を表示する。侵入者なしのモニタ画面の一例を図16に示す。油圧ショベル1の俯瞰図とその周囲に設けられた作業員監視領域Rが表示されている。また、モニタ画面の左上には「侵入者なし」がテキスト表示されている。なお、油圧ショベル1の俯瞰図内に表示された「+」の表示は、油圧ショベル1の操作室1fの上部に設けられたGPS受信機14から得られる「位置(緯度)」および「位置(経度)」の情報に対応する位置に表示され、この位置は、作業機械である油圧ショベル1の基準点としての表示である。
「通話中」が「○」であればステップS37において、「通話中」を描画してステップS40で表示部51にそのモニタ画像を表示する。
図18は、その状態を示すモニタ画面の一例である。作業監視領域R内のID=P3とID=P4に対応する位置(緯度)、位置(経度)に侵入者マークIMが表示されている。また、各侵入者マークIM近傍にID=P3およびID=P4に関する情報として、名前および作業エリアと共にID=P3に対応して「通話中」が、ID=P4に対応して「侵入許可中」がテキスト表示されている。さらに、モニタ画面の左上には、「侵入者あり」のテキスト表示がなされている。
なお、操作室1f内の表示部51に備えられた入力部53であるタッチパネルを操作することにより、図17に図示されたモニタ画面を図18に図示されたモニタ画面に変更することが可能である。
この処理が起動すると、先ず、ステップS51において、入力部53からの入力があるか否かを判断する。この状態では、例えば、図17に図示されるモニタ画面が表示されており、操作員がタッチパネルをタッチしなければ、図17のモニタ画面を維持して終了する。
作業員データベースのフォーマットは種々変形することが可能である。
図19は、その一例を示す。この例の場合、作業員だけでなくショベルとかダンプのような作業機械も監視対象としている。ショベル、ダンプに運転者が搭乗していない場合には、侵入の状況に応じて操作員が適宜対応を図る。ショベル、ダンプに運転者が搭乗した場合には、作業員への対応に準じた警告を与えることができる。
この例では、作業監視領域が危険の程度によって、複数の領域に区分けされている。
R1は、油圧ショベルを掘削後の姿勢で旋回する場合に、フロント作業機1Aが通過する領域である。掘削後の姿勢とは、図21示されているように、ブーム1aを起立して、アーム1bをブーム1a下に位置するように折りたたみ、バケット1cをアーム1bとブーム1aとの間に位置するように屈曲させた状態である。この状態で、旋回中心を軸に旋回体1dを旋回すると、ブーム1aのアーム1b取り付け側先端部から旋回中心の距離を旋回半径とする回転がなされる。
R3は、R1とR2の重なる領域を元にして設定した監視範囲である。また、
R4は、R3の領域に対して、外側にひとひろ分(作業員が両腕を広げた長さ)広く設定した領域である。第3の実施形態における作業監視領域Rは、ほぼR3の領域に対応する。しかしながら、作業の状況に応じて、作業監視領域Rを、領域R1〜R4のいずれかに設定したり、または、新たな定義づけで設定したりしてもよい。
例えば、作業員データベースに記録された各情報の転送は、管理事務所コンピュータから衛星通信を介して介するようにしてもよく、また、転送先についても、情報端末を介さずに、直接、監視コントローラに送信するシステムとすることもできる。
GPS受信機で受信した作業機本体の位置情報と送受信手段から得られた作業員位置情報に基づいて対応する位置に作業員マークを表示させると共に記憶手段に保持された作業員特定情報および作業対象領域に関する情報を前記表示手段に表示させる表示駆動手段と、を具備するものであれば良い。
1d 旋回体(本体フレーム)
1f 操作室
10a〜10c 無線受信機
14 GPS受信機
15 無線送受信機
19a〜19c 警報機
50 表示装置
51 表示部
53 入力部
60 監視コントローラ
61 侵入判定部
62 表示制御部
63 警報制御部
64 音声合成部
65 表示保持部
67 監視範囲設定部
71 情報端末
90 作業員
91 GPS受信機
92 無線送受信機
R、Ra〜R1、R1〜R4 作業監視領域
IM 侵入者マーク
Claims (5)
- 操作室を備えた本体フレームが走行体上に設けられた作業機本体の周囲の発信手段から発信された信号に基づいて作業機本体の周囲を監視する作業機械の周囲監視装置において、
操作室内に搭載された表示手段と、
前記本体フレームに設けられ、信号発信手段から発信された信号から作業員識別情報を受信する受信手段と、
作業員識別情報に対応して作業員特定情報および作業対象領域との対応が保持された記憶手段と、
前記作業員特定情報と共に作業対象領域に関する情報を前記表示手段に表示させる表示駆動手段と、
を具備することを特徴とする作業機械の周囲監視装置。 - 請求項1に記載の作業機械の周囲監視装置において、さらに、作業監視領域を保持する作業監視領域保持手段および前記受信手段から得られた情報に基づいて前記信号発信手段の発信位置を特定する発信手段位置特定手段を具備し、表示駆動手段により、前記発信手段位置特定手段で特定される前記信号発信手段の発信位置に対応する前記作業監視領域内おける位置に、作業員マークを表示することを特徴とする作業機械の周囲監視装置。
- 請求項2に記載の作業機械の周囲監視装置において、さらに、複数の警報機、および前記警報機の中、前記発信手段位置特定手段により特定された前記信号発信手段の位置に対応する警報機を選択して警告を発する警報機選択手段を具備することを特徴とする作業機械の周囲監視装置。
- 操作室を備えた本体フレームが走行体上に設けられた作業機本体の周囲の発信手段から発信された信号に基づいて作業機本体の周囲を監視する作業機械の周囲監視装置において、
操作室内に搭載された表示手段と、
前記操作室近傍に装備され、作業機本体の位置情報を受信するGPS受信機と、
前記本体フレームに設けられ、信号発信手段から発信された信号から作業員識別情報および作業員位置情報を受信する送受信手段と、
作業員識別情報に対応して作業員特定情報および作業対象領域との対応が保持された記憶手段と、
前記GPS受信機で受信した作業機本体の位置情報と前記送受信手段から得られた作業員位置情報に基づいて対応する位置に作業員マークを表示させると共に前記記憶手段に保持された前記作業員特定情報および前記作業対象領域に関する情報を前記表示手段に表示させる表示駆動手段と、
を具備することを特徴とする作業機械の周囲監視装置。 - 請求項4に記載の作業機械の周囲監視装置において、前記作業監視領域内での作業の許可に関連する情報を表示する作業許可情報表示手段および前記作業許可情報表示手段で表示された情報を変更するための入力手段を具備することを特徴とする作業機械の周囲監視装置。
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