JP5368046B2 - ウェハの金属材料埋込装置 - Google Patents
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また、電子部品は、チップ部品の他に、凹部を有する容器に各種素子を搭載して凹部を封止した構造の電子部品が含まれる。この電子部品に用いられる容器体は、ウェハの状態で複数個設けられており、ウェハの状態で容器体となる部分に設けられた各凹部にそれぞれ各種素子が搭載される。
このようなウェハの両主面にそれぞれ設けられた導通パターンを電気的に接続するために、電解めっき又は無電解めっきを行って貫通穴を埋めていた。
また、貫通穴を電解めっきや無電解めっきで埋める場合、金属材料が貫通穴内から流れ出てしまうことがあるため、これを防ぐために貫通穴の一方の開口を塞ぐことがある。この場合、貫通穴の一方の開口を塞ぐ工程が余計に増えてしまい、作業が煩雑になるという問題がある。
また、電解めっきや無電解めっきは、薬品を多く使用するため、環境負荷が大きくなるという問題も有る。
また、吸引配管がアダプター部と接続されており、このアダプター部が第一の吸引部と第二の吸引部とに接続されているので、吸引手段により吸引が行われると、第一の吸引部と第二の吸引部とから吸引することができる。
また、吐出手段により第二の吸引部をウェハの方向に押し出すことができるため、ウェハの両主面を加圧することができる。
また、超音波振動を用いることで、金属材料を貫通穴に埋めやすくすることができる。
図1〜図8に示すように、本発明の実施形態に係るウェハの金属材料埋込装置100は、ウェハ10に設けられた貫通穴11を球状の金属材料20で埋める装置である。
図2に示すウェハ10は、ガラス、ガラスセラミック、結晶化ガラス、シリコン(Si)、焼成が完了したセラミックスのいずれかからなり、複数の貫通穴11が設けられている。
なお、説明を判り易くするために、ウェハ10を水晶からなる集合基板として説明する。
この貫通穴11は、貫通穴11の形成を始めた一方の開口の直径が、貫通穴11の形成を終えた他方の開口の直径よりも大きくなっている。言い換えれば、この貫通穴11は、一方の主面側から他方の主面側に向かうにつれて拡径するように、つまり、テーパがつけられて形成されている。
また、貫通穴11の開口の広い側の半径R1は、ウェハ10の厚さをTとしたとき、R1<Tの関係となっているのが好ましい。
このウェハ10は、図2(c)に示すように、形成された貫通穴11を有するウェハ10に下地金属膜Cが蒸着により形成されている。このとき、蒸着により、貫通穴11の内部にも下地金属膜Cが設けられる。
なお、下地金属膜Cには、Cr、Ni、ニクロム、Cu、Au、Ag、Tiなどを用いることができる。
図2(d)に示す金属材料20は、例えば、Au(金)からなる。この金属材料20は、球状に形成されており、貫通穴11に入れられたときに、金属材料20の中心位置がウェハ10の厚みの範囲に位置する大きさで形成されている。つまり、金属材料20の中心位置は、ウェハ10の内部に位置していることとなる。
例えば、貫通穴11の広い開口側の半径R1をAとし、狭い側の開口の半径R2がA/2とした場合、金属材料20の半径R3をA×3/4とすれば、金属材料20の中心位置がウェハ10の内部に位置することとなる。
このような大きさで金属材料20を形成するのは、金属材料20の中心位置がウェハ10の厚み内に入っていない場合、金属材料20の容積が貫通穴11の容積より大きくなり、圧入したあと、貫通穴11からはみ出し、ウェハ10を破損させる恐れがある。また、金属材料20の中心位置がウェハ10の厚み内にあったとしてもウェハ10からはみ出る部分がなければ、圧入ができなくなり、金属材料20を変形させて貫通穴11を埋めることができなくなる。
したがって、金属材料20は、前記のとおり、一部がウェハ10からはみ出る大きさであって、中心位置がウェハ10の厚み内にあるように形成するのが良い。
これにより、球状の金属材料が、貫通穴に入れられたときに、金属材料の中心位置がウェハの厚みの範囲にあることにより、貫通穴の側面に確実に密着するので、気密不良をなくすことができる。
図1に示す本発明の実施形態に係るウェハの金属材料埋込装置100は、把持本体部110、吸引手段120、検出手段130、判定手段140、加圧手段150、吐出手段160、アダプター部AD、吸引配管K1、吐出配管K2とから主に構成されている。
第一の吸引部111は、ウェハ10の表面を吸引把持する役割を果たす。
例えば、この第一の吸引部111は、ウェハ10と接触する部分であり、枠状に形成されている。枠状とは、例えば、ウェハ10の外周縁に沿った環状の枠とこの枠を直径方向に接続する渡し枠とで形成された状態をいう。なお、この渡し枠は、網目のように複数設けても良い。この環状の枠と渡し枠とで囲まれた空間113内に第二の吸引部112が設けられる。
この第一の吸引部111は、厚み方向に貫通する複数の第一の貫通孔H1が設けられている。また、所定の第一の貫通孔H1が後述する第二の吸引部112の第二の貫通孔H2と連通するようになっている。
ここで、第一の吸引部111は、ウェハ10に設けられたテーパのついた貫通穴11の開口の径が小さい側のウェハ10の主面を吸引把持する。
なお、吸引把持及び把持とは、吸引することにより、ウェハ10が第一の吸引部111に密着して離れない状態をいう。
この第二の吸引部112は、例えば、第一の吸引部111の枠で囲まれた空間113内に収まる大きさ及び形状に形成され、第一の吸引部111に厚さ方向に移動可能に嵌め込まれている。
また、第二の吸引部112には、ウェハ10の貫通穴11と対向するように第二の貫通孔H2が設けられている。この第二の貫通孔H2は、その一方の端部がウェハ10の貫通穴11と対向し、他方の端部が第一の吸引部111に設けられた前記所定の第一の貫通孔H1と連通している。
この吸引手段120は、例えば、吸引配管K1の一方の端部が取り付けられ、その吸引配管K1の他方の端部にアダプター部ADが取り付けられ、このアダプター部ADが把持本体部110に取り付けられることで接続される。
この基板部AD1は、第一の吸引部111と対向する位置に厚さ方向に貫通した吸引穴H4が設けられ、後述する仕切り壁部AD2が形成している単一空間S1と対向する位置に厚さ方向に貫通した第三の貫通孔H3が設けられている。この第三の貫通孔H3は、さらに、基板部AD1上に設けられた凸部AD3を貫通している。この凸部AD3により吐出配管K2の接続を容易にし、第三の貫通孔H3へ吐出した流体を確実に供給することができる。
ここで、吸引穴H4は、吸引手段120と接続している吸引配管K1が接続される。また、第三の貫通孔H3は、後述する吐出手段160が接続された吐出配管K2が接続される。
また、アダプター部ADは、第一の吸引部111に接着剤やボルト等を用いて取り付けられる。
図3及び図4に示すように、第二の吸引部112は、第一の吸引部111の空間113内に厚さ方向に移動可能に嵌め込まれ、アダプター部ADの単一空間S1内にも厚さ方向に移動可能に嵌め込まれている。
また、第二の吸引部の厚さは、アダプター部ADの仕切り壁部AD2の高さと第一の吸引部111の厚さを足した長さよりも小さくなっている。
これにより、第二の吸引部112は、ウェハ10の方向に所定の圧力で押し出されることとなる。
また、吸引手段120は、吸引を停止する場合、後述する加圧手段150から出力される停止信号、例えば「0001」を入力することにより停止する。
吸引を開始する場合は、判定手段140から出力された吸引開始を意味する信号、例えば、「1000」を入力することで吸引を開始する。
この検出手段130は、図1及び図4に示すように、把持本体部110に取り付けられたアダプター部ADと吸引手段120との間に設けられた吸引配管K1に設けられている。検出手段130は、吸引配管K1内を流れる流体の流量を測定しつつ、この吸引配管K1の内部の圧力を測定し、測定してデータ化した流量の値とデータ化した圧力の値とを判定手段140に出力する。
図1及び図4に示すように、この判定手段140は、検出手段130とケーブル等で電気的に接続しており、検出手段130から出力されるデータ化した流量の値とデータ化した圧力の値を入力し、所定の値と比較することで貫通穴11が金属材料20で塞がれたか否かを判定する。
また、圧力の場合は、吸引手段120の性能により作用可能な圧力の値をデータ化して記憶しているか、又は、実際に測定して得られた圧力の値をデータ化して記憶している。
ここで、貫通穴11が金属材料20で塞がれていると判定した場合は、例えば、「OK」を意味するデータ化された加圧許可信号、例えば、「0000」を加圧手段150に出力する。
つまり、この状態は、把持本体部110にウェハ10が吸引把持されていないことを示す。つまり、後述するように、加圧手段150からの停止信号を入力した吸引手段120が吸引を停止している状態となっていることを示す。
このとき、例えば、吸引開始を意味するデータ化された信号、例えば、「1000」を吸引手段120に出力する。
この吐出手段160は、例えば、気体を供給する気体供給装置が用いられ、吐出配管K2を介してアダプター部ADの第三の貫通孔H3へ、例えば、圧搾空気を供給することができるようになっている。
したがって、第三の貫通孔H3へ気体が供給されると、この第三の貫通孔H3と連通している凹部S2に気体が入り込む構造となっている。したがって、第二の吸引部112がアダプター部ADの突起部AD4に接触した状態となっていなくても第三の貫通孔H3へ気体が供給されれば、第二の吸引部112をウェハ10に押し当てることができる。
なお、吐出手段160を停止することで、第二の吸引部112がウェハ10を押し付けるのを停止させることができる。
また、吐出手段160は、例えば、加圧手段150から出力される停止信号、例えば「0001」を入力することにより吐出を停止する。
図6及び図7に示すように、この加圧手段150は、把持本体部110を加圧平面Dまで移動可能に支持しており(図6参照)、判定手段140からの加圧許可信号を入力することで、所定の圧力で把持本体部110を加圧平面Dに押し付けることができる(図7参照)。
なお、入力する加圧許可信号や出力する吸引開始を意味するデータ化された信号は、図中アーム支持部153でなされるよう表現しているが、信号の入出力や、回転支持部151の回転、アーム支持部153の上下移動を行わせる制御部を別途も受けても良い。
このようにして貫通穴11が金属材料20で埋め込まれたウェハ10は、図11に示すように、その両主面に導通パターンPが形成されて、埋め込まれた金属材料20を電気的接続に用いた構造にすることができる。
本発明の実施形態に係るウェハの金属材料埋込方法は、ウェハ把持工程、金属材料吸引工程、判定工程、金属材料加圧工程を備えている。
ウェハ把持工程は、貫通穴11の径の小さい方のウェハ10の主面と対向するように、ウェハ10の表面を吸引して把持し貫通穴11の開口から吸引を行う工程である(図4及び図5参照)。
例えば、ウェハの金属材料埋込装置100の把持本体部110でウェハ10を吸引把持する。このとき、貫通穴11からも吸引が行われている。
金属材料吸引工程は、ウェハ把持工程でウェハ10を把持した状態で金属材料20を吸引する工程である(図5参照)。金属材料20は、吸引状態にある貫通穴11に吸い込まれて貫通穴11を塞ぐように貫通穴11に入り込む。このとき、金属材料20は、一部がウェハ10からはみ出た状態となっている。つまり、ウェハ10の貫通穴11は、テーパが付けられた形状となっている。そのため、金属材料20は、貫通穴11の側面に接触した状態で、貫通穴11内で止まるようになっている。
例えば、トレーT2(図5参照)などに複数の金属材料を載置させておき、このトレーT2に把持本体部110を移動させながら貫通穴11に吸引させて、貫通穴11に金属材料20を入り込ませる。
判定工程は、金属材料20が吸引されて貫通穴11を塞ぐことで変化した流量と圧力の値が所定の値となっているか否かの判定を行う工程である。
例えば、この判定工程では、ウェハの金属材料埋込装置100の検出手段130と判定手段140とで貫通穴11が塞がったかを判定する。
検出手段130で、吸引配管K1内を流れる流体の流量を測定しつつ、この吸引配管K1の内部の圧力を測定し、測定したデータ化した流量の値とデータ化した圧力の値とを判定手段140に出力する。判定手段140がデータ化した流量の値とデータ化した圧力の値を入力し、所定の値と比較することで貫通穴11が金属材料20で塞がれたか否かを判定する。これにより、貫通穴11が金属材料20で塞がれたと判定した場合に、金属材料加圧工程を行う。
金属材料加圧工程は、判定工程によって値が所定の値であると判定された場合にウェハ10からはみ出ている金属材料20をウェハ10の両主面側から加圧して貫通穴11を埋める工程である(図6及び図7参照)。
ウェハ10を吸引把持した状態で貫通穴11に入り込んでいる金属材料20を加圧平面Dに押し付けつつ、吸引把持している側から第二の吸引部112を押し付けて金属材料20を貫通穴11に圧入する。
図9は本発明の第二の実施形態に係るウェハの金属材料埋込装置における把持本体部とウェハとの位置関係を示す概念図である。図10は金属材料を加圧した状態の一例を示す概念図である。
図9及び図10に示すように、本発明の第二の実施形態に係るウェハの金属材料埋込装置200は、金属材料20を加圧する際に超音波振動を印加して、金属材料20を貫通穴11に圧入している点で第一の実施形態と異なる。
本発明の第二の実施形態に係るウェハの金属材料埋込装置200の構成要素である把持本体部110には、第一の超音波振動付与手段211と第二の超音波振動付与手段212が備えられている。
なお、第一の超音波振動付与手段211は、図9及び図10にて、把持本体部110の側面に設けられているが、把持本体部110に取り付けられているアダプター部ADの上面に設けても良い。
第二の超音波振動付与手段212は、ウェハ10の主面に対する法線と平行な方向に超音波振動を把持本体部110に与える役割を果たす。
なお、第二の超音波振動付与手段212は、図9及び図10にて、把持本体部110の側面に設けられているが、把持本体部110に取り付けられているアダプター部ADの上面に設けても良い。
したがって、加圧手段150により金属材料20を加圧しつつ第二の吸引部112により加圧する際に、それら加圧と同時に超音波振動を印加する(金属材料加圧工程)ようになっている(図10参照)。
例えば、判定手段140が出力する加圧許可信号を第一の超音波振動付与手段211と第二の超音波振動付与手段212とに入力する(一部図示せず)ことで超音波振動を起こさせる。これにより、加圧手段150の加圧と同時に超音波振動を起こさせることができる。このように構成したことにより、金属材料20を貫通穴11に埋め込みやすくすることができる。
加熱手段221、222は、常温から300℃までの範囲で設定が可能となっている。
加熱手段221は、金属材料20を圧入する前に予め把持本体部110を加熱している。同様に、加熱手段222は金属材料20を圧入する前に予め加圧平面Dを加熱している。なお、常温は、例えば20±15℃の範囲とする。これにより、金属材料20が超音波振動で振動しながら加圧されている状態で加熱されるため、ウェハ10の貫通穴11に圧入しやすくすることができる。
図12(a)は本発明の第三の実施形態に係るウェハの金属材料埋込装置における押圧手段と第二の吸引部との一例を示す概念図であり、(b)は金属材料を加圧した状態の一例を示す概念図である。
図12に示すように、本発明の第三の実施形態に係るウェハの金属材料埋込装置は、第一の実施形態における吐出手段(図4参照)に換えて押圧手段370にて第二の吸引部112をウェハ10の方向に押し出す点で第一の実施形態と異なる。
また、押圧手段370は、棒状の押圧部材371を介して第二の吸引部112を押し込む、つまり押圧することができる。
このように本発明の第三の実施形態に係るウェハの金属材料埋込装置を構成しても、第一の実施形態と同様の効果を奏する。
11 貫通穴
20 金属材料
100、200 ウェハの金属材料埋込装置
110 把持本体部
111 第一の吸引部
112 第二の吸引部
113 空間
120 吸引手段
130 検出手段
140 判定手段
150 加圧手段
160 吐出手段
211 第一の超音波振動付与手段
212 第二の超音波振動付与手段
370 押圧手段
AD アダプター部
AD1 基板部
AD2 仕切り壁部
C 下地金属膜
D 加圧平面
H1 第一の貫通孔
H2 第二の貫通孔
H3 第三の貫通孔
H4 吸引穴
K1 吸引配管
K2 吐出配管
RT 流路
Claims (3)
- テーパのついた貫通穴が設けられたウェハの前記貫通穴の開口の径が小さい側の主面を把持し、前記貫通穴の開口の径が大きい側から、前記貫通穴に球状の金属材料を埋め込むウェハの金属材料埋込装置であって、
ウェハの表面を吸引把持し枠状に形成される第一の吸引部と、前記貫通穴から前記金属材料を吸引し前記第一の吸引部に移動可能に嵌め込まれる第二の吸引部とを有する把持本体部と、
枠状に形成される前記第一の吸引部の縁部に沿って形成される仕切り壁部及びこの仕切り壁部の一方の端部を塞ぎ、前記仕切り壁部にて形成された流路上に貫通した吸引穴と前記仕切り壁部にて形成された単一空間と連通する第三の貫通孔とを有する基板部を備えるアダプター部と、
前記吸引穴に吸引配管を介して接続される吸引手段と、
前記吸引配管を流れる流体の流量と圧力とを検出する検出手段と、
前記金属材料が吸引されて前記貫通穴を塞ぐことで変化した前記流量と前記圧力の値が所定の値となっているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記値が所定の値であると判定された場合に前記把持本体部で吸引している前記ウェハからはみ出て入る前記金属材料を所定の加圧平面に押し当てる加圧手段と、
前記第三の貫通孔に吐出配管を介して接続される吐出手段と、
を備えて構成されることを特徴とするウェハの金属材料埋込装置。 - 前記吐出手段に換えて押圧手段が設けられ、
この押圧手段が前記金属材料を加圧する際に、前記第二の吸引部を前記ウェハの方向へ押圧することを特徴とする請求項1に記載のウェハの金属材料埋込装置。 - 前記把持本体部が、
前記ウェハの主面と平行な方向に超音波振動を与える第一の超音波振動付与手段と、
前記ウェハの主面の法線と平行な方向に超音波振動を与える第二の超音波振動付与手段と、を備えて構成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウェハの金属材料埋込装置。
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