JP5358913B2 - 半導体集積回路およびその設計方法 - Google Patents
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Description
また、半導体集積回路のクロック回路の電源を論理回路の電源と分離するためには、新たに特別なブロックを設計して、スタンダードセルとは別のエリアにクロックのブロック(マクロ等)を配置し、スタンダードセルと干渉しないようにエリアを確保し、かつ、クロック個別に電源とグランドを接続するといった構成となっていた。この場合、クロック回路は、スタンダードセルと同じ配置を行うことが不可能で、かつ、すべてのエリアにスタンダードセルを配置することができない構造になっていた。
さらに、クロックのブロックを配置する際に、クロック回路のグランドと論理回路用のグランドを分離したり、接続のために抵抗を付けてしまうと、電源ノイズによって、クロック回路用のグランドと論理回路用のグランドの間に電位差が生じ、クロック回路用のトランジスタのしきい値電圧と論理回路用のトランジスタのしきい値電圧にズレが発生し、スキューとなる。
近年において、クロック周波数が高くなるのに伴って、この問題が顕著になっており、そこで、クロック回路以外の論理回路の電源と、クロック回路の電源とを、回路的および場所的に分離することによって、クロックスキューを低減する手法がとられている。
図4は、従来のクロック回路の電源と論理回路の電源との分離方法を説明するものであって、論理回路の電源を削除してマクロ化されたクロック回路を配置した半導体集積回路の構成を例示している。
図4において、41は削除された論理回路用の電源の範囲を示し、42は削除された論理回路用電源の部分に配置された、マクロ化されたクロック回路を示している。
しかしクロック回路をマクロとして設計すると、そのライブラリの設計工数や論理回路用の電源の削除、クロック回路のマクロへの電源接続工数が増大し、容易に設計することができないという問題がある。
しかしながら、特許文献1においては、回路ブロック間の電源ラインの分離方法については記載されているが、回路ブロック内のクロック回路の電源分離については記載されていない。また、クロック電源は、抵抗素子によって論理回路の電源に接続されており、任意の周波数の電源ノイズをフィルターするものではない。さらに、回路ブロック間を別電源としていること、抵抗素子を使用すること、回路ブロック間のクロック回路を別領域に配置することで、収容性がよくない構造となる。クロック回路用のスタンダードセルを論理回路用のスタンダードセルと同じ電源構造とし、論理回路用の電源の一部を、電源の viaを削除して、削除された電源に対して、クロック回路用電源の viaを追加する構造を実現することによって、面積のオーバーヘッドを小さくして収容性をよくするとともに、局所的なIRドロップ等の電源ノイズの問題を起こすことがなくなり、容易に設計できるようになることについては、なんら記載されていない。
また、グランドに発生するノイズによって、クロック回路と論理回路とのしきい値が変わることによるスキューの発生については、考慮されていない。
しかしながら、特許文献2においては、クロックツリーのレイアウトを有する配線については記載されているが、クロック回路用のスタンダードセルを論理回路用のスタンダードセルと同じ電源構造とし、論理回路用の電源の一部を、電源の viaを削除して、削除された電源に対して、クロック回路用電源の viaを追加する構造を実現することによって、面積のオーバーヘッドを小さくして収容性をよくするとともに、局所的なIRドロップ等の電源ノイズの問題を起こすことがなくなり、容易に設計できるようになることについては、なんら記載されていない。
しかしながら、特許文献3においては、データ回路用電源配線とクロック回路用電源配線を別にすることと、ビアによる電源配線層との接続とについては記載されているが、クロック回路用のスタンダードセルを論理回路用のスタンダードセルと同じ電源構造とし、論理回路用の電源の一部を、電源の viaを削除して、削除された電源に対して、クロック回路用電源の viaを追加する構造を実現することによって、面積のオーバーヘッドを小さくして収容性をよくするとともに、局所的なIRドロップ等の電源ノイズの問題を起こすことがなくなり、容易に設計できるようになることについては、なんら記載されていない。
また、スタンダードセルを用いてクロック回路用のグランドと論理回路用のグランドを同じにすることについては、なんら記載されていない。
しかしながら、特許文献4においては、固定クロック配線とハードマクロについては記載されているが、クロック回路用のスタンダードセルを論理回路用のスタンダードセルと同じ電源構造とし、論理回路用の電源の一部を、電源の viaを削除して、削除された電源に対して、クロック回路用電源の viaを追加する構造を実現することによって、面積のオーバーヘッドを小さくして収容性をよくするとともに、局所的なIRドロップ等の電源ノイズの問題を起こすことがなくなり、容易に設計できるようになることについては、なんら記載されていない。
また、スタンダードセルを用いてクロック回路用のグランドと論理回路用のグランドを同じにすることについては、なんら記載されていない。
しかしながら、特許文献5においては、クロックバッファセルについては記載されているが、クロック回路用のスタンダードセルを論理回路用のスタンダードセルと同じ電源構造とし、論理回路用の電源の一部を、電源の viaを削除して、削除された電源に対して、クロック回路用電源の viaを追加する構造を実現することによって、面積のオーバーヘッドを小さくして収容性をよくするとともに、局所的なIRドロップ等の電源ノイズの問題を起こすことがなくなり、容易に設計できるようになることについては、なんら記載されていない。
また、スタンダードセルを用いてクロック回路用のグランドと論理回路用のグランドを同じにすることについては、なんら記載されていない。
しかしながらクロック回路をマクロとして設計すると、そのライブラリの設計工数やマクロへの電源接続工数が増加して、容易に設計することができない。さらに、論理回路の電源をマクロより大きなサイズで削除する必要があるため、論理回路とクロック回路との間に、素子を置けない領域が発生してしまう。また、クロックの末端部まで電源を分離しようとすると、論理回路用の電源の接続が極端に失われることになってしまうため、電源供給が困難となり、論理回路のIRドロップガ大きくなるという問題が発生する。また、グランドを接続し直すため、グランドの電源が分離されたり、高抵抗で接続され、トランジスタのしきい値が変わり、クロックスキューになるという問題があった。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の半導体集積回路に係り、上記クロック回路のグランドと上記論理回路のグランドが共通の上記グランド配線で接続されていることを特徴としている。
図1において、11はこの例の半導体集積回路を搭載したLSIを示している。12は論理回路電源(VDD)であって、論理回路動作用の直流電源からなっている。なお、クロック回路においては、VDDにクロック電源が接続されている。13はクロック電源であって、クロック発生源であるPLL(Phase Locked Loop) 14に接続されている。PLL14は、外部から供給されるクロック信号に対して逓倍等の処理を行って、半導体集積回路全体に供給するクロック電源を発生する。なお、PLLを使用せずに外部から直接、クロック信号を供給するようにしてもよい。15は局部的なクロック分配を行う領域、16はトーナメント方式のクロック分配構造を示す。局部的クロック分配領域15及びクロック分配構造16については、図2の説明において詳述する。
図1においては、レイアウトされているGNDとクロック電源と論理回路電源(VDD)のうち、VDDのみを代表的に複数表示している(図中、点線によって示す)。また、図1においてグランド(GND)は簡略化のため表示を省略されている。
このようなクロックの局部的分配は、基本的なHTree 構造によるHTree の配線の末端においてさらに分岐する必要があるとき行われるものである。
図3において、横の列の31は論理回路電源(VDD)、32はグランド(GND)、33はクロック電源である。論理回路電源31とGND32にわたって置かれた34は論理回路、GND32とクロック電源33にわたって置かれた35はクロック回路、太線で示された36はクロック供給線であって、これらは同一層(下層)に配置されている。縦の列の37は外部に接続されたGND、38は外部に接続されたクロック電源用電源、39は外部に接続された論理回路電源用電源であって、これらは上層に配置されている。
また、横の列の論理回路電源31,GND32,クロック電源33と、縦の列のGND37,クロック電源用電源38,論理回路電源用電源39との交点には、ビア(via) 40と、削除されたビア41とが示されている。ビア41は始めから存在しない場合もある。
縦の列のGND37,クロック電源用電源38,論理回路電源用電源39は、図示されないワイヤボンディング用またはハンダボール(フリップチップ)用のパッド(PAD)からなる接続部を経て、外部に接続されている。
この例の半導体集積回路を搭載したLSIは下層と上層の2層から形成されているが、LSIの構造としては、2層構造の場合に限るものではなく、下層と上層とを分離できる構造であれば、どのような層構造であってもよい。
また、クロック回路のグランドと論理回路のグランドを共通に使用する構造にすることにより、クロック回路と論理回路の間のしきい値を同一に保つことができるため、クロックスキューを抑えることができる。
まず、クロック電源の作成方法としては、予め縦の列の論理回路電源用電源とクロック電源用電源とを別々に作成しておき、横の列の論理回路電源(VDD)とグランド(GND)とクロック電源とをマージすることによって、目的を達成することができる。
マージするとは、データをまとめて一つにすることであるが、この際、先頭に書かれるべきものが定められているとともに、最後はENDで終わるようにする等の決まりがある。マージすべきデータが複数に分かれている場合には、単に羅列するだけだとENDの後のデータが読まれない恐れもあるので、ツール仕様に従って、フォーマット形式を揃える処理が必要になる。
また、論理回路の配置方法として、クロック電源と同じパターンに配置を禁止するパターンを発生させることによって、クロック回路と論理回路とを排他的に配置して、論理回路のスタンダードセルを横の列における論理回路電源(VDD)の列に容易に配置することができる。
上述の配置方法においては、クロック電源または論理回路電源(VDD)の電源パターンを用いることによって、所要のエリア指定を行うことができる。
12,31 論理回路電源(VDD)
13,22,33 クロック電源
14 PLL
21 HTree の配線の末端
23,35 クロック回路
32,37 GND
34 論理回路
36 クロック供給線
38 クロック電源用電源
39 論理回路電源用電源(VDD)
40 ビア(via)
41 削除されたビア
Claims (8)
- スタンダードセルの構造を有するクロック回路と、同じくスタンダードセルの構造を有する論理回路と、クロック電源配線と、論理回路電源配線と、グランド配線とを第1の層上の第1の方向に形成された、互いに異なる列上に配置し、前記クロック回路に前記クロック電源配線を介して電力を供給するクロック電源用電源配線と前記論理回路に前記論理回路電源配線を介して電力を供給する論理回路電源用電源配線とを第2の層上の前記第1の方向と直交する第2の方向に形成された列上に配置してなるLSIに搭載された半導体集積回路であって、
前記第1の層上において、前記論理回路が前記論理回路電源配線と前記グランド配線とにわたって置かれていると共に、前記クロック回路が前記クロック電源配線と前記グランド配線とにわたって置かれていることを特徴とする半導体集積回路。 - 前記クロック回路のグランドと前記論理回路のグランドが共通の前記グランド配線で接続されていることを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路。
- 請求項1又は2記載の半導体集積回路を設計する際に、クロック電源の作成方法として、予め論理回路電源用電源とクロック電源用電源とを別々に作成しておき、論理回路電源とグランドとクロック電源とをマージすることを特徴とする半導体集積回路の設計方法。
- 請求項1又は2記載の半導体集積回路を設計する際に、予め一律に論理回路電源用電源を構成し、クロック回路を配置する列のみ論理回路電源用電源との交点のビアを削除して、クロック電源用電源との交点にビアを発生することによってクロック分配構造を形成することを特徴とする半導体集積回路の設計方法。
- 請求項1又は2記載の半導体集積回路を設計する際に、クロック電源とクロック電源用電源の名前を変えて、論理回路電源用電源とクロック電源用電源とをまとめて作成し、クロック電源とクロック電源用電源との交点にビアを発生させたのち、クロック電源とクロック電源用電源の名前を論理回路電源用電源と同じ名前に置き換えて、クロック電源とクロック電源用電源との交点にビアを発生させることによって、クロック回路に論理回路電源を供給する電源構造を作成することを特徴とする半導体集積回路の設計方法。
- 請求項1又は2記載の半導体集積回路を設計する際に、クロック回路の配置方法として、論理回路電源と同じパターンに配置を禁止するパターンを発生させてクロック回路のスタンダードセルをクロック電源の列に配置することによって、クロック回路と論理回路とを排他的に配置することを特徴とする半導体集積回路の設計方法。
- 請求項1又は2記載の半導体集積回路を設計する際に、論理回路の配置方法として、クロック電源と同じパターンに配置を禁止するパターンを発生させて論理回路のスタンダードセルを論理回路電源の列に配置することによって、論理回路とクロック回路とを排他的に配置することを特徴とする半導体集積回路の設計方法。
- 請求項1又は2記載の半導体集積回路を設計する際に、クロック回路のエリアに予めフィルセルを配置しておき、クロック回路を置く場合にはフィルセルをクロック回路と置換することによって、クロック回路と論理回路とを排他的に配置することを特徴とする半導体集積回路の設計方法。
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