JP3920124B2 - 半導体集積回路のクロック配線方法及び半導体集積回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体集積回路のクロック配線方法及び半導体集積回路に関し、特にクロックスキューを低減することができる半導体集積回路のクロック配線方法及び半導体集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の回路規模は増大し続けており、半導体集積回路を自動レイアウトする際の計算機負荷を軽減するとともに設計期間を短縮するために、半導体集積回路を階層化してレイアウト設計することが一般的である。この方法では、集積回路の各階層毎にレイアウト設計が行われ、クロックスキューを低減するためのクロック分配処理も階層毎に行われる。このような従来例として、特開2001−125937号公報に、半導体集積回路を階層化してレイアウト設計する際のクロック配線方法が記載されている。
【0003】
次に上記公報に記載のクロックツリー方式を使用したクロック配線方法について、図5を参照して説明する。
【0004】
図5は、上記公報によるクロック配線方法を適用した半導体チップのレイアウト図であり、半導体チップ51の内周に沿って配置された入出力バッファ52と、内部回路が配置される内部領域53が設けられ、この内部領域53に回路ブロック54,55,56が配置されている。
【0005】
回路ブロック54〜56は、複数のフリップフロップ回路57を含んでおり、それぞれの回路ブロック54〜56内でのクロックスキューが最小となるように、クロックバッファを介してクロック配線が行われ、クロックツリーが生成される。
【0006】
例えば、回路ブロック54では、クロックバッファ54’から、複数のフリップフロップ回路57に対してクロックスキューが最小となるように、クロック信号が供給される。
【0007】
同様に回路ブロック55では、クロックバッファ55’からのクロック信号がクロックバッファ551,552に供給され、さらにこれらのクロックバッファ551,552から複数のフリップフロップ回路57に対してクロックスキューが最小となるように、クロック信号が供給される。
【0008】
このときクロックバッファ55’から回路ブロック55を構成する全てのフリップフロップ回路に対して、クロック信号の遅延が等しくなるように、回路ブロック55内でクロックツリーが生成される。
【0009】
同様に回路ブロック56では、クロックバッファ56’からのクロック信号がクロックバッファ561,562に供給され、さらにこれらのクロックバッファ561,562から下位階層のクロックバッファ5611,5612およびクロックバッファ5613,5614にクロック信号が供給され、これらのクロックバッファ5611〜5614から複数のフリップフロップ回路57に対してクロック信号が供給される。そして、クロックバッファ56’から回路ブロック56を構成する全てのフリップフロップ回路に対してクロック信号の遅延が等しくなるように、回路ブロック56内でクロックツリーが生成される。
【0010】
このようにして各回路ブロック54〜56内でのクロックスキューが最小となるように調整される。そして、各回路ブロックの最上位のクロックバッファから末端のフリップフロップ回路までのクロック信号の遅延値に対する平均値が算出される。例えば、回路ブロック55では、クロックバッファ55’からフリップフロップ回路57までのクロック信号の遅延値に対する平均値が算出される。
【0011】
次にルートクロックバッファ59から、各回路ブロックを構成するフリップフロップ回路に至るクロックスキューが最小となるように、上位階層におけるクロックバッファの配置とクロック配線とが行われる。
【0012】
具体的に説明すると、ルートクロックバッファ59から直接回路ブロック56に対してクロック信号が供給されるとともに、クロックバッファ510を介して回路ブロック54,55に対してもクロック信号が供給される。このときルートクロックバッファ59から、各回路ブロック54〜56を構成するフリップフロップ回路57に至るクロックスキューが最小となるように、クロックバッファ510の段数とクロック配線511の配線長とが調整される。
【0013】
次に特開平3−232267号公報に記載されている半導体集積回路のクロックスキューを低減するための第2の従来技術について、図6を参照して説明する。
【0014】
この公報記載のクロック配線方法では、半導体チップ61の全面に渡って格子状のメッシュクロック配線が設けられており、このメッシュクロック配線62からクロックバッファ63を介して末端のフリップフロップ回路64にクロック信号が供給される。
【0015】
このクロック配線方法では、最上位のルートクロックバッファから末端のフリップフロップ回路に至るクロック配線の配線抵抗が低減されるので、クロックスキューを低減することが出来る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特開2001−125937号公報記載のクロック配線方法は、最上位のルートクロックバッファからクロック信号が供給される各回路ブロックの回路素子数、または回路ブロックを構成するフリップフロップ回路の数に大きな差があった場合、回路ブロック内のクロック遅延値が回路ブロック毎に大きく異なり、最上位のルートクロックバッファから末端のフリップフロップ回路に至るクロックスキューを低減するためには、多数のクロックスキュー調整用のクロックバッファを設けたり、クロック配線を大きく迂回するなどの処理が必要となる。
【0017】
すなわち上位階層のクロックバッファの負荷となるフリップフロップ回路の数や、同じく上位階層のクロックバッファの負荷となるクロック配線の配線長が回路ブロック毎に大きく異なると、回路ブロック毎にクロック遅延値が大きく異なることになる。
【0018】
図5の例で具体的に説明すると、回路ブロック54を構成するフリップフロップ回路57は2個しかないので、このフリップフロップ回路57を駆動するクロックバッファ54’は1つで十分である。
【0019】
一方回路ブロック55では、フリップフロップ回路57の数は8個と数が多いので、2階層からなる3個のクロックバッファ55’、551,552によりクロック信号が駆動される。
【0020】
また回路ブロック56を構成するフリップフロップ回路の数はさらに多いので、3階層からなる7個のクロックバッファ56’、561,562,5611〜5614によりクロック信号が駆動される。
【0021】
従って、最上位のルートクロックバッファから末端のフリップフロップ回路に至るクロックスキューを低減するために、ルートクロックバッファ59から回路ブロック54の間にクロックバッファ510を5個直列に接続し、ルートクロックバッファ59から回路ブロック55の間にクロックバッファ510を3個直列に接続している。このように、クロックスキューを低減するために、多数のクロックスキュー調整用のクロックバッファを設けたり、クロック配線の配線容量を大きくするためにクロック配線を大きく迂回するなどの処理が必要となる。
【0022】
さらに、製造ばらつきによりクロックスキュー調整用のクロックバッファの駆動能力やクロック配線容量の変化に伴う配線遅延が変化し、製造ばらつきの中心ではクロックスキューが最小であっても、それ以外の条件ではクロックスキューが大きくなってしまうという問題がある。
【0023】
また特開平3−232267号公報に記載されている半導体集積回路のクロック配線方法は、半導体集積回路の階層構造を1階層に展開し、一括してクロックバッファの配置とクロック配線を行うので、計算機の処理量が膨大になるという問題がある。
【0024】
このため本発明の目的は、半導体集積回路の階層毎にそれぞれ格子状のメッシュクロック配線を生成するとともに階層毎のメッシュクロック配線を相互に接続し、これらのメッシュクロック配線を介して末端のフリップフロップ回路にクロック信号を供給することにより、計算機の処理量の増大を抑制するとともに、最上位のルートクロックバッファから末端のフリップフロップ回路に至るパスに挿入されたクロックスキュー調整用のクロックバッファや、クロック配線の迂回を低減することができる半導体集積回路のクロック配線方法及び半導体集積回路を提供することにある。
【0025】
また本発明の他の目的は、必要とするクロックスキューを設計するのに何回も再設計を行うことが無く、設計期間を短縮することが可能な半導体集積回路のクロック配線方法及び半導体集積回路を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明による半導体集積回路のクロック配線設計方法は、半導体集積回路の回路接続情報に基づき、前記半導体集積回路を構成する回路ブロックを半導体チップ上に配置する第1の工程と、前記半導体チップ上に外部からのクロック信号が伝搬する格子状の上位メッシュクロック配線を生成する第2の工程と、前記回路ブロック上の前記上位メッシュクロック配線の属性を変更して、前記回路ブロックの外形と前記上位メッシュクロック配線との交点を通過するように形成された配線格子を下位メッシュクロック配線として生成するとともに前記上位メッシュクロック配線と前記下位メッシュクロック配線とを接続する第3の工程と、前記下位メッシュクロック配線の1つまたは複数を前記回路ブロックに入力するクロック信号線として設定する第4の工程と、前記回路ブロックを構成するフリップフロップ回路と前記下位メッシュクロック配線との間にクロックバッファを挿入配置し、このクロックバッファと前記フリップフロップ回路間および前記クロックバッファと前記下位メッシュクロック配線間とを配線する第5の工程と、を備えている。
【0027】
また本発明による半導体集積回路は、半導体チップ上に配置された回路ブロックと、前記半導体チップ上に格子状に設けられた外部からのクロック信号が伝搬する上位メッシュクロック配線と、下位メッシュクロック配線とを備え、前記下位メッシュクロック配線は、前記回路ブロック上の前記上位メッシュクロック配線の属性を変更して、前記回路ブロックの外形と前記上位メッシュクロック配線との交点を通過するように形成された配線格子として生成され、前記上位メッシュクロック配線と前記下位メッシュクロック配線とが接続され、前記回路ブロック内のフリップフロップ回路のクロックスキューが所定値以内となるように、前記下位メッシュクロック配線に接続するクロックバッファの挿入および配置と、前記クロックバッファと前記下位メッシュクロック配線とを接続するクロック配線の配線長の調整とが行われることを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図1〜図4を参照して説明する。
【0029】
図1は、本発明の半導体集積回路のクロック配線方法を示すフローチャートである。ステップS1で、回路接続情報100を参照して、半導体集積回路を構成する回路ブロックを半導体チップ上に配置する。
【0030】
図2(a)は、回路接続情報100の一部を示しており、外部クロック入力端子1からルートクロックバッファ1’を介して、回路ブロック3,4,5の各クロック入力端子6,7,8にクロック信号線2が接続されていることを表している。
【0031】
次にステップS2において、半導体チップ上に格子状の上位メッシュクロック配線を生成するとともに、ルートクロックバッファと上位メッシュクロック配線とを接続する配線を生成する。
【0032】
図2(b)は、ステップS1で半導体チップ101上に配置された回路ブロック3,4,5と、ステップS2で生成された上位メッシュクロック配線9、10と、半導体チップ101の内周に沿って配置された入出力バッファ102の1つを用い、クロック信号を半導体チップ101に配置されたフリップフロップ回路に供給するルートクロックバッファ1’と、ルートクロックバッファ1’とクロック入力端子6,7,8とを接続する仮想配線2’とを示すレイアウト図である。水平方向の上位メッシュクロック配線9は、例えば5層の金属配線で構成され、垂直方向の上位メッシュクロック配線10は、例えば6層の金属配線で構成され、上位メッシュクロック配線9と上位メッシュクロック配線10との交点はスルーホールで接続され同電位となっている。
【0033】
クロック入力端子6,7,8の位置はステップS2の処理では確定しておらず、仮想的に回路ブロック3,4,5の外形上に配置されている。また、上位メッシュクロック配線は、配線抵抗が十分小さくなるように、配線幅及びメッシュ間隔が選択される。
【0034】
ここで注意しなければならないのは、回路ブロック3,4,5の外側では上位メッシュクロック配線9,10の配線格子が定義され、レイアウトツールが上位メッシュクロック配線9,10を認識できるので、回路ブロック3,4,5の外側では上位メッシュクロック配線9,10を使用することが可能である。
【0035】
しかし回路ブロック3,4,5の内側では上位メッシュクロック配線9,10の配線格子が定義されておらず、自動配置および自動配線を行うレイアウトツールが上位メッシュクロック配線9,10を認識できないので、回路ブロック3,4,5の内部領域では上位メッシュクロック配線9,10を使用することが出来ない。すなわち、上位メッシュクロック配線9,10は、回路ブロック3,4,5を単に通過しているだけの状態にある。
【0036】
次に図1のステップS3において、上位メッシュクロック配線と回路ブロックの外形との交点に仮想的な端子である仮想メッシュクロック端子を生成する。この仮想メッシュクロック端子は、回路ブロック内部に下位メッシュクロック配線の配線格子を定義するとともに、上位メッシュクロック配線9,10と下位メッシュクロック配線とを仮想メッシュクロック端子で接続するために必要な仮想的な端子情報であり、実際に端子のデータが生成されるわけではない。
【0037】
次に図1のステップS4において、回路ブロック内に仮想メッシュクロック端子を通過するようにメッシュクロック配線用の配線格子を設定し、回路ブロック上の上位メッシュクロック配線を、下位メッシュクロック配線に置換する。
【0038】
上位メッシュクロック配線と、これを置換した下位メッシュクロック配線とは同一配線層で形成され、上位メッシュクロック配線と下位メッシュクロック配線は、それぞれプロパティ(属性)を有しており、このプロパティにより、上位メッシュクロック配線であるか、下位メッシュクロック配線であるかが判定される。従って、上位メッシュクロック配線を下位メッシュクロック配線に置換する処理内容は、上位メッシュクロック配線のプロパティを下位メッシュクロック配線のプロパティに置換することを意味する。
【0039】
図3(a)は、図1のステップS2で生成された上位メッシュクロック配線9,10を、図2(b)に示す回路ブロック3,クロック入力端子6,仮想配線2’とともに示したレイアウト図であり、図3(b)は、図1のステップS3で生成された仮想メッシュクロック端子11と、ステップS4で生成された下位メッシュクロック配線9’、10’とを示すレイアウト図である。
【0040】
下位メッシュクロック配線9’の配線層は、上位メッシュクロック配線9の配線層と同じく5層であり、下位メッシュクロック配線10’の配線層は、上位メッシュクロック配線10の配線層と同じく6層であり、下位メッシュクロック配線9’と下位メッシュクロック配線10’との交点はスルーホールで接続され同電位となっている。
【0041】
ステップS4の処理により、回路ブロックの内部においてもレイアウトツールは、配線格子と一体化した下位メッシュクロック配線を認識することが可能となり、回路ブロックの外側あるいは内側を問わず、半導体チップの任意の位置でレイアウトツールに対して定義された配線格子と一体化したメッシュクロック配線が使用可能となる。
【0042】
すなわち回路ブロックの外部では、上位メッシュクロック配線を用いて回路ブロックの外側に配置されたフリップフロップ回路にクロック信号が供給され、回路ブロックの内部では、下位メッシュクロック配線を用いて回路ブロックを構成するフリップフロップ回路にクロック信号が供給される。
【0043】
図1に戻って説明を続けると、ステップS5において仮想メッシュクロック端子のうちの1つ又は複数を、クロック入力端子として設定する。
【0044】
ステップS4の段階では、図2に示す外部クロック入力端子1から上位メッシュクロック配線にクロック信号が供給され、さらに仮想メッシュクロック端子を介して下位メッシュクロック配線にクロック信号が供給されるが、下位メッシュクロック配線とクロック信号線とは接続されていないので、このままでは回路ブロックを構成するフリップフロップ回路のクロック入力端にクロック信号が供給されない。
【0045】
従ってステップS5において仮想メッシュクロック端子のうちの1つ又は複数をクロック入力端子として設定することにより、次に説明するステップS6の処理で、回路ブロックを構成するフリップフロップ回路のクロック入力端子と、下位メッシュクロック配線とが接続するように配線が行われ、外部クロック入力端子1→ルートクロックバッファ→上位メッシュクロック配線→仮想メッシュクロック端子→下位メッシュクロック配線→クロック配線→回路ブロックを構成するフリップフロップ回路のクロック入力端の順にクロック信号が供給される。
【0046】
具体的に説明すると、図3(b)に示す回路ブロック3のクロック入力端子6が、図3(c)に示す仮想メッシュクロック端子11Aに設定される。すなわちこの設定により、11Aは上位メッシュクロック配線と下位メッシュクロック配線とを接続する仮想メッシュクロック端子として認識されるとともに、回路ブロック3を構成するフリップフロップ回路にクロック信号を供給するクロック入力端子として認識される。
【0047】
次に図1のステップS6において、回路ブロック内で下位メッシュクロック配線から回路ブロックを構成するフリップフロップ回路にクロック信号を供給するとともに、クロックスキューを最小にするようにクロック分配処理を行う。
【0048】
具体的には、下位メッシュクロック配線からフリップフロップ回路までの遅延値が等しくなるようにクロックバッファの挿入及び配置とクロック配線長の調整とが行われる。
【0049】
このときクロックスキューの最小化は、回路ブロック内でクロックスキューを最小化することは勿論、図2に示す外部クロック入力端子1から各回路ブロックを構成するフリップフロップ回路までのクロックスキューが最小になるように、回路ブロック内でクロック分配処理が行われる。
【0050】
すなわち、τ(外)を外部クロック入力端子から回路ブロックのクロック入力端子までの遅延値とし、τ(内)を回路ブロックのクロック入力端子から回路ブロックを構成するフリップフロップ回路までの遅延値とすると、τ(外)+τ(内)が全ての回路ブロックで一定となるように、回路ブロック内でクロックバッファの挿入及び配置の処理と、遅延調整されたクロック配線長を有するクロック配線が生成される。
【0051】
次に図4(a)〜図4(c)を用いてステップS6の処理を具体的に説明すると、図4(a)は、回路ブロック3に配置されたフリップフロップ回路13A、13B〜13Eと、クロック入力端子6と、クロック入力端子6とフリップフロップ回路13A〜13Eとを接続する仮想配線12A〜12Eとを示すレイアウト図である。
【0052】
また図4(b)は、図1のステップS4で生成された下位メッシュクロック配線9’、10’と、ステップS5でクロック入力端子6として設定した仮想メッシュクロック端子11Aを示したレイアウト図である。
【0053】
そして図4(c)は、ステップS6でクロック入力端子6から回路ブロック3を構成するフリップフロップ回路13A〜13Eまでの各遅延値が等しくなるように挿入及び配置されたクロックバッファ14A,14B,14Cと、クロックバッファ14Aとフリップフロップ回路13D,13Eとを接続するクロック配線15Aと、クロックバッファ14Bとフリップフロップ回路13A、13Bとを接続するクロック配線15Bとを示すレイアウト図である。
【0054】
いうまでもなく、クロックバッファ14A〜14Cと、クロック配線15A、15Bは、クロック入力端子6からフリップフロップ回路13A〜13Eまでの各遅延値が等しくなるように挿入及び配置されるが、同時に、図2に示す外部クロック入力端子1から各回路ブロック3〜5を構成するフリップフロップ回路までのクロックスキューが最小になるように、回路ブロック内でクロック分配処理、すなわち回路ブロック3においてはクロックバッファ14A〜14Cの挿入及び配置と、遅延調整されたクロック配線長を有するクロック配線15A,15Bとが生成される。
【0055】
なお上記において、階層は図2(a)に示すように半導体チップレベルと回路ブロック3〜5の2階層の場合について説明したが、回路ブロック3〜5が下位の回路ブロック31〜3m(mは2以上の整数)、51〜5n(nは2以上の整数)の場合についても本発明は同様に適用できる。すなわち、回路ブロック3〜5に図1のステップS2の処理を適用してメッシュクロック配線を生成し、回路ブロック31〜3m、51〜5nに対してステップS3以降の処理を行う。
【0056】
階層がさらに多くなった場合についても同様の方法で、階層化された上位メッシュクロック配線と、この上位メッシュクロック配線と接続する階層化された下位メッシュクロック配線を生成し、本発明を適用することができる。
【0057】
また上位メッシュクロック配線と下位メッシュクロック信号配線とは、同一配線層であるとして説明したが、同一層でなくても構わない。この場合、上位メッシュクロック配線と下位メッシュクロック配線とを接続するためのスルーホールを設けて、クロック信号が上位メッシュクロック配線から下位メッシュクロック配線に伝搬するように構成する。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明による半導体集積回路のクロック配線方法及び半導体集積回路は、レイアウトの階層構造を保ったままで、メッシュクロック配線をレイアウトの階層構造に対応して生成する。そして、生成したメッシュクロック配線を用いて外部クロック端子から下位のメッシュクロック配線にクロック信号が伝送され、最終的には最下位の回路ブロックにおいて、外部クロック入力端子から全ての回路ブロックを構成するフリップフロップ回路までのクロックスキューが最小になるようにクロック分配処理が行われ、回路ブロックを構成するフリップフロップ回路に対してクロック信号が供給される。
【0059】
従ってクロック信号は、低抵抗のメッシュクロック配線を介して末端のフリップフロップ回路に伝搬するので、製造工程によるクロックスキューの変動を小さくすることができる。
【0060】
また本発明による半導体集積回路のクロック配線方法は、レイアウトの階層構造を保ちながら処理を行うので、レイアウト階層を展開して処理する従来の方法に比して、大幅に計算機の処理量を低減することができ設計期間を短縮することができる。
【0061】
さらに必要とするクロックスキューを統一された設計方法で実現できるので、クロックスキューを満足するために設計を何回もやり直すことが無く、設計期間を短縮することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体集積回路のクロック配線方法の実施の形態を示すフローチャートである。
【図2】図2(a)は、本発明の半導体集積回路のクロック配線方法およびこれを用いた本発明による半導体集積回路を具体的に説明するための回路接続情報の一部であり、図2(b)は、図1のステップS1で配置された回路ブロックと、ステップS2で生成された上位メッシュクロック配線と、ルートクロックバッファとクロック入力端子とを接続する仮想配線とを示すレイアウト図である。
【図3】本発明の半導体集積回路のクロック配線方法を具体的に説明するためのレイアウト図である。
【図4】本発明の半導体集積回路のクロック配線方法を具体的に説明するためのレイアウト図である。
【図5】特開2001−125937号公報記載のクロック配線方法を説明するための半導体チップのレイアウト図である。
【図6】特開平3−232267号公報記載のクロック配線方法を説明するための半導体チップのレイアウト図である。
【符号の説明】
1 外部クロック入力端子
1’,59 ルートクロックバッファ
2 クロック信号線
2’,12A〜12E 仮想配線
3〜5,54〜56 回路ブロック
6〜8 クロック入力端子
9、10 上位メッシュクロック配線
9’,10’ 下位メッシュクロック配線
11,11A 仮想メッシュクロック端子
13A〜13E,57,64 フリップフロップ回路
14A,14B,14C,54’〜56’,510,551,552,561,562,5611〜5614,63 クロックバッファ
15A,15B,58,511 クロック配線
51、61,101 半導体チップ
52,102 入出力バッファ
53 内部領域
62 メッシュクロック配線
100 回路接続情報
Claims (6)
- 半導体集積回路の回路接続情報に基づき、前記半導体集積回路を構成する回路ブロックを半導体チップ上に配置する第1の工程と、
前記半導体チップ上に外部からのクロック信号が伝搬する格子状の上位メッシュクロック配線を生成する第2の工程と、
前記回路ブロック上の前記上位メッシュクロック配線の属性を変更して、前記回路ブロックの外形と前記上位メッシュクロック配線との交点を通過するように形成された配線格子を下位メッシュクロック配線として生成するとともに前記上位メッシュクロック配線と前記下位メッシュクロック配線とを接続する第3の工程と、
前記下位メッシュクロック配線の1つまたは複数を前記回路ブロックに入力するクロック信号線として設定する第4の工程と、
前記回路ブロックを構成するフリップフロップ回路と前記下位メッシュクロック配線との間にクロックバッファを挿入配置し、このクロックバッファと前記フリップフロップ回路間および前記クロックバッファと前記下位メッシュクロック配線間とを配線する第5の工程と、
を備えることを特徴とする半導体集積回路のクロック配線設計方法 - 水平方向の前記上位メッシュクロック配線と前記下位メッシュクロック配線、および垂直方向の前記上位メッシュクロック配線と前記下位メッシュクロック配線は、それぞれ同一配線層であることを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路のクロック配線設計方法。
- 水平方向の前記下位メッシュクロック配線と垂直方向の前記下位メッシュクロック配線との交点に、前記下位メッシュクロック配線と垂直方向の前記下位メッシュクロック配線とを接続するためのスルーホールを設けたことを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路のクロック配線設計方法。
- 半導体集積回路の回路接続情報に基づき、前記半導体集積回路を構成する回路ブロックを半導体チップ上に配置する第1の工程と、
前記半導体チップ上に外部からのクロック信号が伝搬する格子状の上位メッシュクロック配線を生成する第2の工程と、
前記上位メッシュクロック配線と前記回路ブロックの外形との交点に仮想メッシュクロック端子を生成する第3の工程と、
前記仮想メッシュクロック端子を通過するように配線格子を設定し、前記回路ブロック上の前記上位メッシュクロック配線の属性を変更して、前記回路ブロック上の前記上位メッシュクロック配線から下位メッシュクロック配線を生成するとともに前記上位メッシュクロック配線と前記下位メッシュクロック配線とを接続する第4の工程と、
前記仮想メッシュクロック端子の1つまたは複数を前記回路ブロックに入力するクロック入力端子として設定する第5の工程と、
前記回路ブロックを構成するフリップフロップ回路と前記下位メッシュクロック配線との間にクロックバッファを挿入配置し、このクロックバッファと前記フリップフロップ回路間および前記クロックバッファと前記下位メッシュクロック配線間とを配線する第6の工程と、
を備えることを特徴とする半導体集積回路のクロック配線設計方法。 - 前記第6の工程において、前記仮想メッシュクロック端子から前記フリップフロップ回路に至るクロック信号の遅延値が前記回路ブロック内で一定となるように、前記クロックバッファの配置処理と前記下位クロックメッシュ配線から前記フリップフロップ回路に至るクロック配線の配線処理とが行われることを特徴とする請求項4記載の半導体集積回路のクロック配線設計方法。
- 半導体チップ上に配置された回路ブロックと、
前記半導体チップ上に格子状に設けられた外部からのクロック信号が伝搬する上位メッシュクロック配線と、
下位メッシュクロック配線とを備え、
前記下位メッシュクロック配線は、前記回路ブロック上の前記上位メッシュクロック配線の属性を変更して、前記回路ブロックの外形と前記上位メッシュクロック配線との交点を通過するように形成された配線格子として生成され、
前記上位メッシュクロック配線と前記下位メッシュクロック配線とが接続され、前記回路ブロック内のフリップフロップ回路のクロックスキューが所定値以内となるように、前記下位メッシュクロック配線に接続するクロックバッファの挿入および配置と、前記クロックバッファと前記下位メッシュクロック配線とを接続するクロック配線の配線長の調整とが行われることを特徴とする半導体集積回路。
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