JP5356830B2 - 脱アルコール縮合反応用触媒及びそれを用いたオルガノポリシロキサンの製造方法 - Google Patents

脱アルコール縮合反応用触媒及びそれを用いたオルガノポリシロキサンの製造方法 Download PDF

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Description

本願は、2006年12月28日に日本国に出願された特願2006−354812号に基づいて優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本発明は、第4級アンモニウムイオン含有化合物からなる脱アルコール縮合反応用触媒、並びに、それを用いた脱アルコール縮合反応によるオルガノポリシロキサンの製造方法に関する。
従来、様々な塩基性物質、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化バリウム等の塩基性金属塩が、ケイ素原子結合ヒドロキシ基、ケイ素原子結合アルコキシ基、又は、他のケイ素原子結合官能基の縮合反応を介したオルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物の製造用触媒として使用されている。
一方、特公昭46−21602号公報、特公昭47−44040号公報、特開平4−225031号公報、及び、特開平5−43694号公報には、オクタメチルシクロテトラシロキサン等の低分子量の環状シロキサンを開環重合させて、高分子量のオルガノポリシロキサンを得るための触媒として、水酸化テトラメチルアンモニウム化合物が知られている。なお、特開2006−328231号公報には、2種類のトリアルコキシシランを共加水分解・共縮合してラダー型又はランダム型構造のシルセスキオキサン誘導体を製造することが記載されており、水酸化テトラメチルアンモニウムが実施例で使用されている。
また、特開昭59−176326号公報には、低分子量の分子鎖両末端ヒドロキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサンを、シリカ等の充填剤の存在下において、水酸化第4級ホスホニウム化合物と低分子量のジオルガノシロキサンとの反応混合物を触媒として高分子量化する方法が記載されている。
特公昭46−21602号公報 特公昭47−44040号公報 特開平4−225031号公報 特開平5−43694号公報 特開昭59−176326号公報 特開2006−328231号公報
しかし、塩基性金属塩を縮合反応用触媒として使用する場合は、反応終了後に残存する塩基性金属塩を中和し、これにより生成した塩を濾過等によって除去する工程が必要となる。更に、塩基性金属塩を完全に中和するためには、若干過剰の酸性物質を使用することが一般的であるが、この場合は、中和完了後に過剰の酸性物質を除去する工程も必要となる。このように、塩基性金属塩を触媒とした縮合反応によるオルガノポリシロキサンの製造方法は、工程が複雑となり、また、廃棄物が増加するという問題を有している。
一方、水酸化テトラメチルアンモニウム化合物を触媒として使用する低分子量環状シロキサンの開環重合では、塩基性金属塩を触媒として使用した場合の上記の問題点は回避されるものの、環状化合物の開環重合とは全く異なる脱アルコール縮合反応の触媒としての同化合物の使用はこれまで検討されていない。なお、特開2006−328231号公報の実施例で使用されている水酸化テトラメチルアンモニウムは、アルコキシシランを加水分解して得られるシラノールを脱水縮合させる反応に関与しており、脱アルコール縮合反応の触媒として使用されてはいない。
また、水酸化第4級ホスホニウム化合物と低分子量のジオルガノシロキサンとの反応混合物を触媒として、低分子量の分子鎖両末端ヒドロキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサンを高分子量化する場合は、ケイ素原子結合ヒドロキシ基同士の縮合反応であるため高温・減圧条件が必要であり、多量の触媒を使用する必要があるために、製造工程が複雑となる。また、水酸化第4級ホスホニウム化合物は熱による活性消失後も系中に残留しその除去も困難であるので、製品の純度が低下し、高純度が要求される用途やヒドロシリル化反応を伴う用途には触媒毒になることから使用できないという問題を有している。
本発明は、このような従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、多量に使用する必要がなく、使用後の除去が容易な脱アルコール縮合反応用触媒を提供し、それにより、複雑な製造工程を必要とせず、廃棄物が少ないオルガノポリシロキサンの製造方法を確立することをその目的とする。
本発明の目的は、第4級アンモニウムイオン含有化合物をケイ素原子結合ヒドロキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基との脱アルコール縮合反応用の触媒として使用することにより達成される。
前記第4級アンモニウムイオン含有化合物としては、水酸化アルキルアンモニウム化合物又はそのシラノレートが好ましい。前記水酸化アルキルアンモニウム化合物としては、水酸化テトラメチルアンモニウムが好ましく、前記水酸化アルキルアンモニウム化合物のシラノレートとしては、トリメチルアンモニウム トリメチルシラノレート又は水酸化テトラメチルアンモニウム化合物とオルガノポリシロキサンとの反応混合物が好ましい。そして、前記水酸化アルキルアンモニウム化合物は水溶液又はアルコール溶液の形態にあることが好ましい。
前記脱アルコール縮合反応用触媒は、下記平均組成式(I):
Figure 0005356830
(式中、
及びRは、それぞれ独立して、一価炭化水素基を表し;
0≦a<4、0<b<4、0<c<4、及び、c≦bであり、但し、0<a+b+c<4である)
で示される化合物を脱アルコール縮合させて、下記平均組成式(II):
Figure 0005356830
(式中、
、R、a、b、及び、cは上記と同一であり;
但し、0<a+b<4である)
で示されるオルガノポリシロキサンを製造する際に好適に使用される。
前記平均組成式(I)で示される化合物は、下記一般式(III):
Figure 0005356830
(式中、
及びRは上記と同一であり;
a'は0、1、2又は3であり、b'は1、2、3又は4であり、但し、a'+b'=4である)
で示されるアルコキシシランを加水分解して得ることが好ましい。前記平均組成式(III)で示されるアルコキシシランが、テトラアルコキシシラン、モノオルガノトリアルコキシシラン、ジオルガノジアルコキシシラン、及び、これらの混合物からなる群から選択されるアルコキシシランであることが好ましい。
また、前記脱アルコール縮合反応用触媒は、下記平均組成式(IV):
Figure 0005356830
(式中、
、及び、Rは、それぞれ独立して、一価炭化水素基を表し;
0≦d<4、及び、0<e≦4であり、但し、0<d+e≦4である)
で示される化合物と、下記平均組成式(V):
Figure 0005356830
(式中、
は、一価炭化水素基を表し;
0≦f<4、及び、0<g<4であり、但し、0<f+g<4である)
で示される化合物を、前記平均組成式(IV)で示される化合物に含まれるアルコキシ基のモル数が平均組成式(V)で示される化合物に含まれるヒドロキシ基のモル数以上となる比率で脱アルコール縮合させて、平均組成式(VI):
Figure 0005356830
(式中、
、R、及び、Rは上記と同一であり、0≦h<4、0≦i<4、及び、0≦j<4であり、但し、0<h+i+j<4である)
で示されるオルガノポリシロキサンを製造する際にも好適に使用される。前記平均組成式(IV)で示される化合物がテトラアルコキシシランであり、前記平均組成式(V)で示される化合物が分子鎖両末端にケイ素原子結合ヒドロキシ基を有するジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
本発明の脱アルコール縮合反応用触媒は多量に使用する必要がなく、使用後の除去が容易である。したがって、脱アルコール縮合反応の後処理工程の複雑化を回避することができ、製品の純度を高くすることができ、また、廃棄物の増加を抑制することができる。
これにより、本発明のオルガノポリシロキサンの製造方法は、複雑な製造工程を必要とせず、また、多量の触媒の使用を回避することができる。そして、本発明のオルガノポリシロキサンの製造方法はヒドロキシ基同士の縮合反応を介さないので、高温・減圧の反応条件が緩和され、この面からも、製造工程の複雑化を回避することができる。
したがって、本発明の脱アルコール縮合反応用触媒及びそれを用いたオルガノポリシロキサンの製造方法は実用上有利であり、また、環境負荷を低減することができる。
本発明の脱アルコール縮合反応用触媒はケイ素原子結合ヒドロキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基との脱アルコール縮合反応を促進するものであり、第4級アンモニウムイオン含有化合物からなる。なお、ここでの「からなる」とは、第4級アンモニウムイオン含有化合物のみからなる場合に加え、第4級アンモニウムイオン含有化合物を主触媒成分として、その他の付加成分を含む態様をも包含するものである。
第4級アンモニウムイオン含有化合物としては、第4級アンモニウム基を有する限り特に限定されるものではないが、塩基性であることが好ましい。第4級アンモニウムイオンを有する塩基性化合物としては、水酸化アルキルアンモニウム化合物が挙げられる。
水酸化アルキルアンモニウム化合物を構成するアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられるが、炭素数は小さい方が好ましく、特にメチル基が好ましい。したがって、水酸化アルキルアンモニウム化合物としては、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等が挙げられるが、特に、水酸化テトラメチルアンモニウムが好ましい。
水酸化アルキルアンモニウム化合物のシラノレートも第4級アンモニウムイオン含有化合物として使用することができる。
水酸化アルキルアンモニウム化合物のシラノレートとしては、例えば、テトラメチルアンモニウム トリメチルシラノレート、テトラエチルアンモニウム トリメチルシラノレート、テトラプロピルアンモニウム トリメチルシラノレート、テトラメチルアンモニウム トリエチルシラノレート、テトラエチルアンモニウム トリエチルシラノレート、テトラプロピルアンモニウム トリエチルシラノレート、テトラメチルアンモニウム トリプロピルシラノレート、テトラエチルアンモニウム トリプロピルシラノレート、テトラプロピルアンモニウム トリプロピルシラノレート等が挙げられるが、特に、テトラメチルアンモニウム トリメチルシラノレート{(CHN−OSi(CH}が好ましい。これらのシラノレートとしては、任意の方法により製造されたものを使用することができ、例えば、水酸化テトラアルキルアンモニウム化合物とシラノール化合物との脱水反応により調製することができる。
水酸化アルキルアンモニウム化合物のシラノレートとして、水酸化アルキルアンモニウム化合物とオルガノポリシロキサンとの反応混合物を使用することもできる。オルガノポリシロキサンは、水酸化アルキルアンモニウム化合物のヒドロキシ基と反応可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン等の直鎖状ポリシロキサン、並びに、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン等の環式シロキサン等が挙げられる。好ましい反応混合物の例は、下記式:
Figure 0005356830
(式中、nは1以上の整数を表す)で表されるものである。
本発明の脱アルコール縮合反応用触媒は、一種類の第4級アンモニウムイオン含有化合物からなるものであっても、また、二種類以上を併用するものであってもよい。
第4級アンモニウムイオン含有化合物として水酸化テトラアルキルアンモニウム化合物を使用する場合は、水酸化テトラアルキルアンモニウム化合物としては、任意の方法により製造されたものを使用することができる。例えば、水酸化テトラアルキルアンモニウム化合物は、特開昭61−190085号公報に記載されるように、テトラアルキルアンモニウムハライド等のテトラアルキルアンモニウム化合物の水溶液を、フルオロカーボン系陽イオン交換膜によって陽極室と陰極室とに区別された電解槽の陽極室に供給し、当該陽極室に水を供給しながら電解して、その後、陰極室からテトラアルキルアンモニウム水酸化物の水溶液を取り出すようにした電解方法によって製造することができる。
前記水酸化テトラアルキルアンモニウムは、安定性の点で、適当な溶媒に希釈して使用することが好ましく、特に、水溶液又はアルコール溶液の形態にあることが好ましい。
本発明のオルガノポリシロキサンの製造方法では、触媒としての第4級アンモニウムイオン含有化合物、好ましくは水酸化アルキルアンモニウム化合物又はそのシラノレート、の存在下で、ケイ素原子結合ヒドロキシ基とケイ素原子結合アルコキシ基との脱アルコール縮合反応によりオルガノポリシロキサンが合成される。本発明のオルガノポリシロキサンの製造方法では、高温・減圧条件が必要なケイ素原子結合ヒドロキシ基同士の縮合反応を介さないので、より容易にオルガノポリシロキサンを製造することができる。
例えば、本発明によれば、下記平均組成式(I):
Figure 0005356830
(式中、
、及び、Rは、それぞれ独立して、一価炭化水素基を表し;
0≦a<4、0<b<4、0<c<4、及び、c≦bであり、但し、0<a+b+c<4である)
で示される化合物を、第4級アンモニウムイオン含有化合物の存在下で脱アルコール縮合させることにより、下記平均組成式(II):
Figure 0005356830
(式中、
、R、a、b及びcは上記と同一であり;
但し、0<a+b<4である)
で示されるオルガノポリシロキサンを製造することができる。なお、上記式中、c<bであることが好ましい。
前記一価炭化水素基は、炭素数1〜30の、直鎖、分岐又は環式の炭化水素基であってよく、当該炭化水素基としては、炭素数1〜30の直鎖、分岐又は環式のアルキル基、炭素数2〜30の直鎖、分岐又は環式のアルケニル基、炭素数6〜30のアリール基、炭素数7〜30のアリールアルキル基等が挙げられる。
前記直鎖、分岐又は環式のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、sec−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、cyc−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、sec−ヘキシル基、ネオヘキシル基、cyc−ヘキシル基、n−ヘプチル基、iso−ヘプチル基、sec−ヘプチル基、ネオヘプチル基、cyc−ヘプチル基、n−オクチル基、iso−オクチル基、sec−オクチル基、ネオオクチル基、cyc−オクチル基、n−ノニル基、iso−ノニル基、sec−ノニル基、ネオノニル基、cyc−ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基が挙げられる。
前記直鎖、分岐又は環式のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。
前記アリール基としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。
前記アリールアルキル基としては、フェネチル基、ベンジル基等が挙げられる。
前記炭化水素基は置換又は非置換のいずれであってもよく、置換炭化水素基の場合は、置換基として、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基、シアノ基等が挙げられる。したがって、置換炭化水素基としては、例えば、3−クロロプロピルトリメトキシ基、3−ブロモプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。
前記平均組成式(I)で示される非環式化合物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、下記一般式(III):
Figure 0005356830
(式中、
及びRは上記と同一であり;
a'は0、1、2又は3であり、b'は1、2、3又は4であり、但し、a'+b'=4である)
で示されるアルコキシシランを加水分解することによって得ることができる。前記一般式(III)で示されるアルコキシシランとしては、単一種類のものを使用してもよく、或いは、二種類以上の混合物を使用してもよい。
前記平均組成式(I)で示される化合物としては、具体的には、例えば、前記一般式(III)中a'、b'がそれぞれ0、4であるアルコキシシラン、すなわちテトラアルコキシシラン;前記一般式(III)中a'、b'がそれぞれ1、3であるアルコキシシラン、すなわちモノオルガノトリアルコキシシラン;又は、これらの混合物、を加水分解して得たオルガノポリシロキサン;並びに、前記テトラアルコキシシラン、前記モノオルガノトリアルコキシシラン、又は、これらの混合物に、前記一般式(III)中a'、b'がそれぞれ2、2であるアルコキシシラン、すなわちジオルガノジアルコキシシラン、前記一般式(III)中a'、b'がそれぞれ3、1であるアルコキシシラン、すなわちトリオルガノモノアルコキシシラン、又は、これらの混合物を加えたものを加水分解して得たオルガノポリシロキサンが挙げられる。
一般式(III)で表されるアルコキシシランとしては、これらに限定されるものではないが、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリブトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルトリプロポキシシラン、ブチルトリブトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリプロポキシシラン、ヘキシルトリブトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、シクロペンチルトリプロポキシシラン、シクロペンチルトリブトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリプロポキシシラン、シクロヘキシルトリブトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ブテニルトリメトキシシラン、ヘキセニルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−ブロモプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、2−シアノエチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ナフチルトリメトキシシラン、フェネチルトリメトキシシラン等のモノオルガノトリアルコキシシラン;ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジプロピルジブトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジブチルジエトキシシラン、ジブチルジプロポキシシラン、ジブチルジブトキシシラン、ジヘキシルジメトキシシラン、ジヘキシルジエトキシシラン、ジヘキシルジプロポキシシラン、ジヘキシルジブトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、ジシクロペンチルジプロポキシシラン、ジシクロペンチルジブトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジエトキシシラン等のジオルガノジアルコキシシラン;トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルプロポキシシラン、トリメチルブトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリエチルプロポキシシラン、トリエチルブトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン、トリプロピルプロポキシシラン、トリプロピルブトキシシラン、トリブチルメトキシシラン、トリブチルエトキシシラン、トリブチルプロポキシシラン、トリブチルブトキシシラン、トリヘキシルメトキシシラン、トリヘキシルエトキシシラン、トリヘキシルプロポキシシラン、トリヘキシルブトキシシラン、トリシクロペンチルメトキシシラン、トリシクロペンチルエトキシシラン、トリシクロペンチルプロポキシシラン、トリシクロペンチルブトキシシラン、トリシクロヘキシルメトキシシラン、トリシクロヘキシルエトキシシラン等のトリオルガノモノアルコキシシランが挙げられる。
一般式(III)で表されるアルコキシシランの加水分解を促進させるためには、酸性又は塩基性の触媒を使用することが好ましい。酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸等の無機酸、及び、酢酸等の有機酸を使用することができる。塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、第4級アンモニウムイオンを含有する塩基性化合物等を使用することができる。加水分解反応の反応温度は特に限定されるものではないが、20〜80℃が好ましく、30〜60℃がより好ましい。加水分解反応の反応圧力も特に限定されるもではないが、操作性の点で常圧が好ましい。
前記平均組成式(I)で示される化合物は、同一分子内にケイ素原子結合アルコキシ基及びケイ素原子結合ヒドロキシ基の両方を有する。したがって、前記平均組成式(I)で示される化合物の縮合反応は、具体的には、同一分子内にケイ素原子結合アルコキシ基及びケイ素原子結合ヒドロキシ基の両方を有する化合物同士の脱アルコール縮合である。なお、前記平均組成式(I)で示される化合物としては、単一種類のものを使用してもよく、二種類以上の混合物を使用してもよい。
また、本発明では、下記平均組成式(IV):
Figure 0005356830
(式中、
、及び、Rは、それぞれ独立して、一価炭化水素基を表し;
0≦d<4、及び、0<e≦4であり、但し、0<d+e≦4である)
で示される化合物と、下記平均組成式(V):
Figure 0005356830
(式中、
は、一価炭化水素基を表し;
0≦f<4、及び、0<g<4であり、但し、0<f+g<4である)
で示される化合物とを、第4級アンモニウムイオン含有化合物の存在下で脱アルコール縮合させることにより、下記平均組成式(VI):
Figure 0005356830
(式中、
、R、及び、Rは上記と同一であり、0≦h<4、0≦i<4、及び、0≦j<4であり、但し、0<h+i+j<4である)
で示されるオルガノポリシロキサンを製造することができる。ここでの一価炭化水素基とは、前記平均組成式(I)のR及びRについて説明したものと同一である。なお、上記式中、0<j<4であることが好ましい。
前記平均組成式(IV)で示される化合物はケイ素原子結合アルコキシ基を有し、前記平均組成式(V)で示される化合物はケイ素原子結合ヒドロキシ基を有する。したがって、前記平均組成式(IV)で示される化合物と前記平均組成式(V)で示される化合物との縮合反応は、具体的には、ケイ素原子結合アルコキシ基を有する化合物とケイ素原子結合ヒドロキシ基を有する化合物との脱アルコール縮合である。前記平均組成式(IV)で示される化合物に含まれるアルコキシ基のモル数が前記平均組成式(V)で示される化合物に含まれるヒドロキシ基のモル数以上となる比率、好ましくは、前記平均組成式(IV)で示される化合物に含まれるアルコキシ基のモル数が前記平均組成式(V)で示される化合物に含まれるヒドロキシ基のモル数の2倍以上となる比率で、前記平均組成式(IV)で示される化合物と前記平均組成式(V)で示される化合物との縮合を行うことで、ヒドロキシ基を実質的に含有しない前記平均組成式(VI)で示されるオルガノポリシロキサンを得ることができる。前記平均組成式(IV)及び前記平均組成式(V)で示される化合物としては、それぞれ単一種類のものを使用してもよく、或いは、いずれか一方又は両方について二種類以上の混合物を使用してもよい。前記平均組成式(IV)及び前記平均組成式(V)で示される化合物は、シラン、又は、直鎖状、若しくは、分岐状の分子構造を有するオルガノポリシロキサンである。前記平均組成式(VI)で示されるオルガノポリシロキサンとしては、例えば、前記平均組成式(IV)中d、eがそれぞれ0、4である化合物、即ちテトラアルコキシシラン;又は、前記平均組成式(IV)中d、eがそれぞれ1、3である化合物、即ちモノオルガノトリアルコキシシラン;と前記平均組成式(V)中1.95≦f+g≦2.05である化合物、即ち直鎖状または一部分岐を有する直鎖状のジオルガノポリシロキサン;とを縮合して得られるオルガノポリシロキサンが挙げられる。
本発明のオルガノポリシロキサンの製造方法における第4級アンモニウムイオン含有化合物からなる脱アルコール縮合反応用触媒の使用量は、出発物質のケイ素原子結合ヒドロキシ基又はケイ素原子結合アルコキシ基と相互作用することが可能な量であればよい。一般的には、脱アルコール縮合反応用触媒は、出発物質に対して重量単位で、0.5〜100000ppm、好ましくは10〜10000ppmの範囲の量で使用することが好ましい。0.5ppm未満の使用量の場合は、縮合反応速度が極端に遅くなるおそれがある。また、使用量が100000ppmを越えると、縮合反応後の触媒の除去に必要以上の時間を要するおそれがある。
本発明のオルガノポリシロキサンの製造方法における脱アルコール縮合反応は、第4級アンモニウムイオン含有化合物からなる脱アルコール縮合反応用触媒の熱分解温度以下で行うことが好ましい。前記触媒の熱分解温度は当該触媒の種類にもよるが、一般的には、120℃以下であり、より好ましくは100℃以下である。
前記脱アルコール縮合反応の反応圧力は特に限定されるものではないが、操作性の点で、常圧が好ましい。
本発明のオルガノポリシロキサンの製造方法においては、前記脱アルコール縮合反応後に、残存する触媒を除去することが好ましい。残存触媒の除去は、例えば、当該触媒を構成する第4級アンモニウムイオン含有化合物の熱分解温度以上に加熱して熱分解により低沸点物質とした後、これを減圧操作等によって反応系から除去することによって実施することができる。加熱温度は、例えば、120℃以上、好ましくは130℃以上である。
例えば、水酸化テトラアルキルアンモニウムは、熱分解温度以上では、下記式:
Figure 0005356830
(R'はメチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基を示す)
に示される反応により、アミン(トリメチルアミン等)及びアルコール(メタノール等)といった低沸点化合物に熱分解する。そして、低沸点化合物は減圧操作によって容易に除去することができるので、反応系に残存する水酸化テトラアルキルアンモニウムは容易に除去可能である。なお、必要に応じて、水酸化テトラアルキルアンモニウムの熱分解反応を減圧下で行い、熱分解によって生じる低沸点化合物の除去を促進してもよい。
このように、本発明では、反応後に残存する触媒の除去に中和工程を必要としないので、オルガノポリシロキサンの製造工程の複雑化、及び、廃棄物の増加を回避することができる。したがって、本発明における第4級アンモニウムイオン含有化合物からなる脱アルコール縮合反応用触媒は実用上有利である。
脱アルコール縮合反応により得られる、前記平均組成式(II)又は(VI)で表されるオルガノポリシロキサンは、直鎖又は分岐状のオルガノポリシロキサン又はオルガノシロキサンオリゴマーであり、一般的には、162〜1000000の範囲の分子量を有する。そして、前記平均組成式(II)又は(VI)で表されるオルガノポリシロキサンの外観は、分子量及び分子構造によって、オイル状、ガム状又はレジン状まで様々である。
本発明の製造方法によって得られた、前記平均組成式(II)又は(VI)で表されるオルガノポリシロキサンは、様々な用途に好適に使用できる。
特に、前記平均組成式(II)又は(VI)で表されるオルガノポリシロキサンがアルコキシ基を有するときは、当該アルコキシ基を反応点として架橋等の反応を行うことができる。したがって、前記平均組成式(II)又は(VI)で表されるオルガノポリシロキサンにより、例えば、土木・建築用途として好適な一成分型及び二成分型の硬化性シリコーン組成物;コーティング剤用途等として好適な各種粉末及び構造材料のバインダー(結着剤)、表処理剤、封止剤、撥水剤、電気絶縁用コーティング剤及び塗料組成物;オレフィン重合等における触媒成分;樹脂改質剤組成物等として有用なシリコーン組成物を得ることができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に例証するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[調製例1]
温度計、滴下ロート、及び、攪拌装置を備えた500mlの四口フラスコに、ヘキシルトリメトキシシラン 412.8g(2モル)、メタノール 20g、及び、濃硫酸 0.20g(0.0020モル)を加え、攪拌した。室温下で水 27.0g(1.5モル)を20分かけて滴下した。加水分解反応及び縮合反応の進行により反応液温度が16℃上昇した。滴下後の反応混合物を60℃で30分間攪拌し、部分加水分解反応を完了させた。次いで、60℃にて1キロパスカルの減圧下で10分間攪拌し、加水分解反応及び縮合反応で生じたメタノールを除去して、室温まで冷却したところ、336.7gのヘキシル基含有オルガノポリシロキサンを得た。この部分加水分解物を以下の実施例1及び比較例1に使用した。
[実施例1]
調製例1にて調製したヘキシル基含有オルガノポリシロキサン 160gに26%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液 0.70g(0.002モル)を添加し、室温で30分間攪拌し、60℃で30分間攪拌し、縮合反応を完了させた。この反応混合物はpH試験紙でアルカリ性を示した。
この反応混合物を100℃まで徐々に加熱したところ、縮合反応によって生じたメタノールの留出がみられた。更に130℃で1時間加熱したところ、縮合反応触媒として用いた水酸化テトラメチルアンモニウムの熱分解による塩基性ガスであるトリメチルアミンがフラスコ内の気相に発生していることを確認した。この反応混合物を、同温度にて、1キロパスカルの減圧下で10分間攪拌し、揮発分を除去したところ、pH試験紙で中性を示した。
これを減圧濾過することにより、中性のヘキシル基含有オルガノポリシロキサン 149.8gを得た。粘度は16mm/秒であった。半年間室温で貯蔵しても粘度は変化せず安定していた。13C NMRで求めた平均組成式は、n−C13SiO0.70(OCH1.60であった。トルエンを溶媒として使用したGPCで求めた数平均分子量は375で、重量平均分子量は959であった。
[比較例1]
温度計、滴下ロート、及び、攪拌装置を備えた500mlの四口フラスコに、調製例1にて調製したヘキシル基含有オルガノポリシロキサン 160g、及び、48%水酸化カリウム水溶液 0.23g(0.002モル)を添加し、室温で30分間攪拌し、60℃で30分間攪拌し、縮合反応を完了させた。この反応混合物はpH試験紙でアルカリ性を示した。
この反応混合物を100℃まで徐々に加熱したところ、縮合反応によって生じたメタノールの留出がみられた。更に130℃で1時間加熱後、1キロパスカルの減圧下で30分間攪拌し、揮発分を除去して、室温まで冷却した。この反応混合物は、pH試験紙でアルカリ性を示した。
次いで、縮合触媒を中和する目的で、酢酸 0.1g(0.0017モル)を加え、100℃で30分間攪拌し、次に、これを100パスカルの減圧下で30分間攪拌し、揮発分を除去して、室温まで冷却した。
これを減圧濾過することにより、中性のヘキシル基含有オルガノポリシロキサン 145.6gを得た。粘度は17mm/秒であった。半年間室温で貯蔵しても粘度は変化せず安定していた。13C NMRで求めた平均組成式は、n−C13SiO0.74(OCH1.52であった。トルエンを溶媒として使用したGPCで求めた数平均分子量は408で、重量平均分子量は1062であった。
[実施例2]
温度計、滴下ロート、及び、攪拌装置を備えた500mlの四口フラスコに、分子鎖両末端ヒドロキシ基封鎖ポリジメチルシロキサン(平均重合度40) 200g、及び、テトラメトキシシラン 80gを加え、更に、26%水酸化テトラメチルアンモニウムのメタノール溶液 2.0g(0.002モル)を添加し、混合した。混合直後は無色透明の均一な溶液であった。その溶液はpH試験紙でアルカリ性を示した。室温で30分間攪拌したところ、無色透明な反応液は白濁した混合液となった。次いで、60℃で30分間攪拌し、縮合反応を完了させた。この反応混合物はpH試験紙でアルカリ性を示した。
この反応混合物を100℃まで徐々に加熱したところ、縮合反応によって生じたメタノールの留出がみられた。更に130℃で1時間加熱したところ、縮合反応触媒として用いた水酸化テトラメチルアンモニウムの熱分解による塩基性ガスであるトリメチルアミンがフラスコ内の気相に発生していることを確認した。この反応混合物を、同温度にて、1キロパスカルの減圧下で10分間攪拌し、揮発分を除去したところ、pH試験紙で中性を示した。
これを減圧濾過することにより、中性の分子鎖両末端トリメトキシシリル基封鎖ポリジメチルシロキサン 149.8gを得た。粘度は127mm/秒であった。13C NMRで求めた平均組成式は、(CH1.91SiO0.98(OCH0.14であった。トルエンを溶媒として使用したGPCで求めた数平均分子量は4.7×10で、重量平均分子量は9.8×10であった。29Si NMRの分析から、分子鎖末端のヒドロキシ基が残存していないことが確認された。

Claims (5)

  1. 下記平均組成式(I):
    Figure 0005356830
    (式中、
    及びRは、それぞれ独立して、一価炭化水素基を表し;
    0≦a<4、0<b<4、0<c<4、及び、c≦bであり、但し、0<a+b+c<4である)
    で示される化合物を、
    第4級アンモニウムイオン含有化合物の存在下で脱アルコール縮合させることを特徴とする、
    下記平均組成式(II):
    Figure 0005356830
    (式中、
    、R、a、b、及び、cは上記と同一であり;
    但し、0<a+b<4である)
    で示されるオルガノポリシロキサンの製造方法。
  2. 前記平均組成式(I)で示される化合物が、
    下記一般式(III):
    Figure 0005356830
    (式中、
    及びRは上記と同一であり;
    a'は0、1、2又は3であり、b'は1、2、3又は4であり、但し、a'+b'=4である)
    で示されるアルコキシシランを加水分解して得られることを特徴とする、請求項記載の製造方法。
  3. 前記平均組成式(III)で示されるアルコキシシランが、テトラアルコキシシラン、モノオルガノトリアルコキシシラン、ジオルガノジアルコキシシラン、及び、これらの混合物からなる群から選択されるアルコキシシランであることを特徴とする、請求項記載の製造方法。
  4. 下記平均組成式(IV):
    Figure 0005356830
    (式中、
    、及び、Rは、それぞれ独立して、一価炭化水素基を表し;
    0≦d<4、及び、0<e≦4であり、但し、0<d+e≦4である)
    で示される化合物と、
    下記平均組成式(V):
    Figure 0005356830
    (式中、
    は、一価炭化水素基を表し;
    0≦f<4、及び、0<g<4であり、但し、0<f+g<4である)
    で示される化合物とを、第4級アンモニウムイオン含有化合物の存在下で、前記平均組成式(IV)で示される化合物に含まれるアルコキシ基のモル数が平均組成式(V)で示される化合物に含まれるヒドロキシ基のモル数以上となる比率で脱アルコール縮合させることを特徴とする、
    下記平均組成式(VI):
    Figure 0005356830
    (式中、
    、R、及び、Rは上記と同一であり、0≦h<4、0≦i<4、及び、0≦j<4であり、但し、0<h+i+j<4である)
    で示されるオルガノポリシロキサンの製造方法。
  5. 前記平均組成式(IV)で示される化合物が、テトラアルコキシシランであり、前記平均組成式(V)で示される化合物が、分子鎖両末端にケイ素原子結合ヒドロキシ基を有するジオルガノポリシロキサンであることを特徴とする、請求項記載の製造方法。
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