JP5773131B2 - チオール基含有シルセスキオキサンの製造方法ならびにチオール基含有シルセスキオキサンを含む硬化性樹脂組成物、当該硬化物、およびこれらから誘導される各種物品 - Google Patents

チオール基含有シルセスキオキサンの製造方法ならびにチオール基含有シルセスキオキサンを含む硬化性樹脂組成物、当該硬化物、およびこれらから誘導される各種物品 Download PDF

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本発明は、チオール基含有シルセスキオキサンの製造方法ならびにチオール基含有シルセスキオキサンを含む硬化性樹脂組成物、当該硬化物、およびこれらから誘導される各種物品に関する。
透明プラスチックはガラス対比軽量で加工性がよく、レンズなどの光学材料として用いられる。しかしながら、プラスチックは一般に屈折率が低いためにレンズが厚くなってしまい、軽量という特徴が失われることや、耐熱性が低いなどの問題点がある。
プラスチックの屈折率を向上させる方法としては、構造中に硫黄原子を導入する方法がある。チオール基をもつ化合物は、エポキシ類、イソシアネート類と熱硬化させることが可能であり、チオール基由来の硫黄原子を構造中に導入することができる。得られる硬化物は屈折率が高く、特にイソシアネート類と反応させて得られるチオウレタン樹脂(たとえば、特許文献1参照)はレンズなどに賞用されている。しかしながら、耐熱性の点では充分満足しうるものではない。
また、チオール基をもつ化合物は、炭素‐炭素2重結合を持つ化合物と、エン−チオール反応によって光硬化させることもできる。エン−チオール反応は、光硬化系で一般的に用いられるラジカル重合系対比、重合開始剤の有無にかかわらず紫外線照射により進行すること、酸素による反応阻害を受けないこと、硬化収縮が小さいなどの利点がある。この反応を利用した硬化方法や硬化物に関しては、一分子中に炭素−炭素2重結合およびチオール基を有する不飽和チオール化合物の使用(例えば、特許文献2参照)や、一分子中に炭素−炭素2重結合を複数有する化合物とチオール基を複数有する化合物とからなる樹脂組成物(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。このように、エン−チオール反応は厚膜の硬化物が作成可能で、レンズなどの厚みを持つものも作成可能である。しかしながら、得られる硬化物はやはり耐熱性の点では充分満足しうるものではない。
一方、有機材料の特性を一層向上させる手段として、有機材料と無機材料とを複合化させることにより、無機材料の特性である高い耐熱性、耐薬品性、高い表面硬度などを付与させた、いわゆる有機−無機ハイブリッド化技術がある。当該技術のうち、透明性に優れ、かつ厚膜硬化が可能な手法が、シルセスキオキサンを用いた有機−無機ハイブリッド法である。シリカの一種である、RSiO3/2で表されるシルセスキオキサンは、Rに有機材料と反応しうる置換基を持たせることで、容易に有機−無機ハイブリッド硬化物を提供できるため、実用化検討が進められている(たとえば、特許文献4参照)。しかしながら、これらの有機−無機ハイブリッド硬化物は耐熱性に優れるものの、無機成分が屈折率の低いシリカであるため、一般に屈折率が低いという問題がある。
高屈折率化のため、硫黄原子を導入した有機−無機ハイブリッドに関しては、炭素−炭素2重結合を有するシリコーンとチオール基を有するシリコーンとからなる組成物(例えば、特許文献5参照)が知られている。しかしながら、これらの特許文献に記載された方法では、用いる無機成分がシリコーン(室温ではゴム状態)であるため充分な耐熱性、表面硬度が得られない。
前記問題点を解決するため、本発明者らは、硫黄を含むチオール基を持った、いわゆるランダム型シルセスキオキサン(アルコキシ基や、シラノール基が残存したもの)と炭素−炭素二重結合を持つ有機物とをエン−チオール反応させることによって得られる有機−無機ハイブリッド硬化物(特許文献6)や、エポキシ基を有する化合物、イソシアネート類と熱硬化させた有機−無機ハイブリッド硬化物(特許文献7)を提案した。該硬化物は耐熱性に優れ、また硫黄を含むため高屈折率であるという特徴があるが、ランダム型シルセスキオキサンであるため、残存するシラノールのためにシルセスキオキサン自身やその組成物の保管安定性や、特に高耐熱性が求められる分野における硬化物の耐熱性など、一部物性が不足する問題があった。
また、いわゆるかご型シルセスキオキサンの合成法としては、フェニルトリクロロシランを加水分解し、その後KOHを用い平衡化反応させる方法(非特許文献1参照)をはじめ多くの方法が知られている。一般的に、加水分解反応、縮合反応を迅速に行うために酸性または塩基性触媒を併用することが多い(特許文献8参照)。このシルセスキオキサンの合成における酸性触媒としては通常ギ酸や酢酸等の有機酸や塩酸、硫酸等の鉱酸が用いられる(特許文献9参照)。塩基性触媒としてはKOHやNaOH等のアルカリ塩類やトリエチルアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの有機アミンやアンモニウムヒドロキシド類が用いられる。しかしながら、これら文献に記載されている方法では、チオール基を複数持ったかご型シルセスキオキサンを主成分とする、チオール基含有シルセスキオキサンを効率よく合成する方法は示されていない。
特開平3−236386号公報 特開昭49−51333号公報 特開昭49−54491号公報 特許第3653976号公報 特開昭56−110731号公報 特開2007−291313号公報 特開2007−217673号公報 特開2004−143449号公報 特開2007−291313号公報
John F. Brown Jr.ら、ジャーナル オブ ジ アメリカン ケミカル ソサエティ(J.Am.Chem.Soc,)82, 6194‐6195,1960
本発明は、ラノール基の残存がなく、かご型シルセスキオキサン構造を主成分とし、かつ分子内に複数個のチオール基を持ち、それ自身およびそれを含む組成物の保管安定性が高く、かつ耐熱性が高い硬化物を提供しうることを特徴とする、チオール基含有シルセスキオキサンを高収率で製造することを目的とする。また、加熱または紫外線によって容易に硬化し、低収縮性のため厚膜硬化が可能であり、耐熱性、耐薬品性、高い表面硬度、高い屈折率などの諸特性を満足しうる硬化物を実現するための硬化性樹脂組成物を提供すること、および当該組成物から得られる硬化物を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の方法により得られるシラノール基が存していないチオール基含有アルコキシシラン類を用いることにより前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一般式(1):R1Si(OR23(式中、R1は少なくとも1つのチオール基を有する炭素数1〜8の炭化水素基、または少なくとも1つのチオール基を有する芳香族炭化水素基を表し、R2は水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、または芳香族炭化水素基を表す。)で示されるチオール基含有アルコキシシラン類(a1)と水とを固体酸触媒を用いて加水分解反応させた後、固体酸触媒を除去し、続いて塩基性触媒を含む極性溶剤中に先の反応生成物を添加して縮合させることによって得た、シラノール基が存していないことを特徴とする、チオール基含有シルセスキオキサン(A)の製造方法に関する。また、一般式(1):R1Si(OR23(式中、R1は少なくとも1つのチオール基を有する炭素数1〜8の炭化水素基、または少なくとも1つのチオール基を有する芳香族炭化水素基を表し、R2は水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、または芳香族炭化水素基を表す。)で示されるチオール基含有アルコキシシラン類(a1)と水とを固体酸触媒を用いて加水分解反応させた後、固体酸触媒を除去し、続いて塩基性触媒を含む極性溶剤中に先の反応生成物を添加して縮合させることによって得た、シラノール基が存していないことを特徴とするチオール基含有シルセスキオキサン(A)、ならびに炭素−炭素2重結合を分子内に複数個有する化合物(B)、エポキシ基を分子内に複数個有する化合物(C)およびイソシアネート基を分子内に複数個有する化合物(D)からなる群から選択される少なくとも一種を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物に関する。また本発明は、当該組成物を熱によって硬化してなる硬化物に関する。さらに本発明は、当該硬化性樹脂組成物をガラスクロスに含浸させた後、硬化させて得られることを特徴とする透明基板;当該硬化性樹脂組成物を硬化させて得られたコーティング層を基材上に有することを特徴とする物品;当該硬化性樹脂組成物を封止材として用い、硬化させて得られることを特徴とする封止物品に関する。
本発明の製造方法によれば、高収率でチオール基含有シルセスキオキサンを製造することができる。また、当該方法により得られるチオール基含有シルセスキオキサンは、保管安定性が良好であり、硬化性樹脂組成物とした場合でも保管安定性は良好となる。また、本発明の硬化性樹脂組成物は紫外線等の活性エネルギー線の照射や加熱により硬化させることができ、得られる硬化物は、耐熱性が良好であり、低収縮性のため厚膜硬化も可能となる。また、当該硬化物は透明性に優れているため、透明基板、コーティング剤、封止材として用いることができる。当該透明基板やコーティング層が設けられた物品、封止物品は、光学部材用途に適したものである。
実施例1、比較例11で得られた透明シートの粘弾性測定結果である。
本発明で用いられるチオール基含有シルセスキオキサン(A)は、一般式(1):RSi(OR(式中、Rは少なくとも1つのチオール基を有する炭素数1〜8の炭化水素基、または少なくとも1つのチオール基を有する芳香族炭化水素基を表し、Rは水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、または芳香族炭化水素基を表す。)で示されるチオール基含有アルコキシシラン類(a1)を加水分解および縮合して得られる化合物である。チオール基含有アルコキシシラン類(a1)(以下、成分(a1)という)の具体例としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリブトキシシラン、1,4−ジメルカプト−2−(トリメトキシシリル)ブタン、1,4−ジメルカプト−2−(トリエトキシシリル)ブタン、1,4−ジメルカプト−2−(トリプロポキシシリル)ブタン、1,4−ジメルカプト−2−(トリブトキシシリル)ブタン、2−メルカプトメチル−3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトメチル−3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトメチル−3−メルカプトプロピルトリプロポキシシラン、2−メルカプトメチル−3−メルカプトプロピルトリブトキシシラン、1,2−ジメルカプトエチルトリメトキシシラン、1,2−ジメルカプトエチルトリエトキシシラン、1,2−ジメルカプトエチルトリプロポキシシラン、1,2−ジメルカプトエチルトリブトキシシランなどがあげられ、該例示化合物はいずれか単独で、または適宜に組み合わせて使用できる。該例示化合物のうち、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランは、加水分解反応の反応性が高く、かつ入手が容易であるため特に好ましい。
また、成分(a1)に加えて、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどのアルキルトリアルコキシシラン類(a2)(以下、成分(a2)という)を使用しうる。成分(a2)は、いずれか単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらを用いることでチオール基の量を調整することができるため、最終的に得られる硬化物の屈折率を調整したり、用いる硬化剤の量が少なくなるため、硬化物中の無機成分の割合を高くしたりすることができる。
成分(a1)と成分(a2)を併用する場合は、[成分(a2)のモル数]/[成分(a1)と成分(a2)の合計モル数](モル比:1分子あたりに含まれるチオール基の平均個数を示す)が0.7以下であることが好ましい。0.7を超える場合、得られるチオール基含有シルセスキオキサン(A)中に含まれるチオール基の数が少なくなるため、硬化性が低下するとともに、硬化物の硬度などの物性についての改善効果も不充分となる。
本発明に用いられるチオール基含有シルセスキオキサン(A)は、成分(a1)単独やこれに成分(a2)を併用して、それらを加水分解後、縮合させて得ることができる。加水分解反応によって、成分(a1)や成分(a2)に含まれるアルコキシ基がシラノール基となり、アルコールが副生する。加水分解反応に必要な水の量は、[加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)と成分(a2)に含まれる各アルコキシ基の合計モル数](モル比)が0.4〜10であればよい。0.4以上0.5未満の場合、得られるチオール基含有シルセスキオキサン(A)中にアルコキシ基が一部残存することになるが、無機材料に対する密着性が向上する。また、0.5〜10の場合には、得られるチオール基含有シルセスキオキサン(A)中に実質的にアルコキシ基が残存せず、厚膜硬化物が作製しやすい。0.4未満の場合、チオール基含有シルセスキオキサン(A)中に加水分解されずに残るアルコキシ基が多くなりすぎるため、硬化時に揮発分が多く発生し、厚膜硬化物が作製できないため好ましくない。また、10を超える場合、後に行う縮合反応(脱水反応)の際に除くべき水の量が多くなるため、経済的に不利である。
加水分解反応に用いる触媒としては、従来公知の加水分解触媒として機能しうる酸性触媒を任意に用いることができる。但し、加水分解反応後に酸触媒を実質的に除去しておく必要があるため、除去が容易なものであることが好ましい。このようなものとして、沸点が低いため減圧によって除去することが可能なギ酸や、ろ過などの方法によって容易に除去することが可能な、チオール基含有アルコキシシラン類(a1)、チオール基を有しないアルキルトリアルコキシシラン類(a2)、及びこれらの加水分解物、加水分解時に用いる溶剤、水に不溶である固体酸触媒が挙げられる。固体酸触媒としては、陽イオン交換樹脂、活性白土、カーボン系固体酸等が挙げられる。中でも、陽イオン交換樹脂は触媒活性が高く、かつ入手が容易であるため好ましい。陽イオン交換樹脂としては、強酸型陽イオン交換樹脂、弱酸型陽イオン交換樹脂を使用できる。強酸型イオン交換樹脂としては、ダイヤイオン SKシリーズ、同UBKシリーズ、同PKシリーズ、同HPK25・PCPシリーズ(いずれも三菱化学(株)製商品名)、アンバーライト IR120B、同IR124、同200CT、同252、アンバージェット 1020、同1024、同1060、同1220、アンバーリスト 15DRY、同15JWET、同16WET、同31WET、同35WET(いずれもオルガノ(株)製商品名)など、弱酸型イオン交換樹脂としては、ダイヤイオン WKシリーズ、同WK40(いずれも三菱化学(株)製商品名)、アンバーライト FPC3500、同IRC76(いずれもオルガノ(株)製商品名)などがあげられる。反応速度や副反応の抑制などにより使用するイオン交換樹脂のタイプを任意に選択できるが、反応性から強酸性イオン交換樹脂が特に好ましい。
酸触媒の添加量は、成分(a1)および成分(a2)の合計100重量部に対して、0.1〜25重量部であることが好ましく、1〜10重量部であることがより好ましい。25重量部よりも多いと、後の工程で除去することが困難であったり、経済的に不利になる傾向がある。一方、0.1重量部よりも少ないと、実質的に反応が進行しない、または反応時間が長くなるなどの傾向がある。
反応温度、時間は、成分(a1)や成分(a2)の反応性に応じて任意に設定できるが、通常0〜100℃程度、好ましくは20〜60℃、1分〜2時間程度である。該加水分解反応は、溶剤の存在下または不存在下に行うことができるが、溶剤を用いないことが好ましい。溶剤を用いる場合、溶剤の種類は特に限定されず、任意の溶剤を1種類以上選択して用いることができるが、後述の縮合反応に用いる溶剤と同一のものを用いることが好ましい。
加水分解反応終了後、系内から酸触媒を実質的に除去しておく必要がある。除去しない場合、後述の縮合反応において反応が進行しなかったり、シラノール基が完全に消費されなかったり、異常な高分子量化のため系がゲル化してしまったりするため、目的のチオール基含有シルセスキオキサン(A)を得ることができない。除去方法は、用いた触媒に応じて公知各種の方法から適宜に選択できる。例えば、前述の通り、ギ酸を用いた場合には減圧によって、固体酸触媒を用いた場合は、縮合反応の終了後ろ過などの方法によって容易に除去できる。
また、加水分解反応が終了し、系内から酸触媒を除去した後や、酸触媒の除去と同時に、減圧などの方法によって副生したアルコールや、余分な水を除去してもよい。また、除去後に縮合反応に用いる溶剤によって希釈することで、後の縮合反応に置いて加水分解反応物を添加しやすくすることもできる。
縮合反応においては、前記のシラノール基間で水が副生し、またシラノール基とアルコキシ基間ではアルコールが副生して、シロキサン結合を形成する。縮合反応には、従来公知の脱水縮合触媒として機能しうる塩基性触媒を任意に用いることができる。中でも塩基性の高いものが好ましく、具体例としては、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))などのアルカリ塩類、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エンなどの有機アミン類、テトラメチルアンモニウムヒロドキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどのアンモニウムヒドロキシド類などがあげられる。該例示化合物はいずれか単独で、または適宜に組み合わせて使用できる。該例示化合物のうち、テトラメチルアンモニウムヒロドキシドは、触媒活性が高く、かつ入手が容易であるため特に好ましい。また、これら塩基性触媒を水溶液として用いる場合には、縮合反応の工程においても加水分解反応が進行するため、加水分解時に用いる水の量を塩基性触媒が含む水の量だけあらかじめ減らしておくなど、適宜調整する必要がある。
塩基性触媒の添加量は、成分(a1)および成分(a2)の合計100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましく、0.1〜2重量部であることがより好ましい。5重量部よりも多いと、得られたチオール基含有シルセスキオキサン(A)を用いて作製した硬化物が着色しやすくなったり、触媒を除去する場合、除去しきれなかったり、除去を行う工程が長くなる傾向がある。一方、0.1重量部よりも少ないと、実質的に反応が進行しない、または反応時間が長くなるなどの傾向がある。
反応温度は成分(a1)や成分(a2)の反応性に応じてそれぞれ任意に設定できるが、通常は40〜150℃程度、好ましくは60〜100℃程度である。縮合反応は、極性溶剤の存在下で行う。非極性溶剤中で反応を行った場合、シラノール基が完全に消費されなかったり、異常な高分子量化のため系がゲル化してしまったりするため好ましくない。極性溶剤としては、水と相溶性を示す極性溶剤が好ましく、特にグリコールエーテル類が好ましい。また、グリコールエーテル類の中でも、ジアルキルグリコールエーテル系の溶剤が前述のような異常な高分子量化が特に起こりにくいため特に好ましい。水と相溶性を示すジアルキルグリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどがあげられる。
また縮合反応は、反応温度に設定し、脱水縮合触媒を添加した極性溶剤に対し、加水分解反応で得た加水分解物を含む溶液を順次添加する方法によって行う。添加の方法は、公知各種の方法から適宜に選択できる。添加に要する時間は成分(a1)や成分(a2)の反応性に応じてそれぞれ任意に設定できるが、通常は30分〜12時間程度である。
上記方法で縮合反応を行う際には、未反応のシラノール基がくなるまで反応を行。未反応のシラノール基が残存する場合、得られるチオール基含有シルセスキオキサン(A)やチオール基含有シルセスキオキサン(A)を含む組成物の保管安定性が低下したり、シルセスキオキサンの構造がランダム型となるため、耐熱性が低下したりするため好ましくない。また、[未反応のアルコキシ基の合計モル数]/[成分(a1)や成分(a2)に含まれる各アルコキシ基の合計モル数](モル比)が0.2以下になるように進行させることが好ましく、にすることがさらに好ましい。0.2を超える場合、ランダム型のシルセスキオキサンが多くなって、得られる硬化物の耐熱性が低下したり、未反応のアルコキシ基が硬化後に縮合反応し揮発分が発生してクラックが発生したりするなど、硬化物の性能を損なうため好ましくない。一方、0を超え0.2以下である場合には得られるチオール基含有シルセスキオキサン(A)中にアルコキシ基が一部残存することになるが、無機材料に対する密着性が向上する点から好ましい。0にすることで実質的にアルコキシ基が残存せず、厚膜硬化物が作製しやすい点や、得られるチオール基含有シルセスキオキサン(A)中に含まれるかご型構造が最大になるため、硬化物の耐熱性が向上する点から特に好ましい。また0でない場合には、得られるチオール基含有シルセスキオキサン(A)中に含まれるランダム型シルセスキオキサンの量が多くなり、分子量(Mw)が大きくなる傾向がある。
当該縮合反応は、成分(a1)(成分(a2)を併用する場合は両者)の濃度が2〜80重量%程度になるように溶剤希釈して行うことが好ましく、15〜60重量%であることがより好ましい。縮合反応によって生成する水およびアルコールの沸点より高い沸点を有する溶剤を用いると、反応系中よりこれらを留去することができるため好ましい。該濃度が2重量%未満である場合は、得られる硬化性樹脂組成物に含まれるチオール基含有シルセスキオキサン(A)が少なくなるため好ましくない。80重量%を超える場合は、反応中にゲル化したり、生成するチオール基含有シルセスキオキサン(A)の分子量が大きくなり過ぎたりする傾向がある。
当該縮合反応の終了後、用いた触媒を除去すると、チオール基含有シルセスキオキサン(A)や、チオール基含有シルセスキオキサン(A)を含んでなる硬化性樹脂組成物の安定性が向上するため好ましい。除去方法は、用いた触媒に応じて公知各種の方法から適宜に選択できる。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いた場合は、縮合反応の終了後、陽イオン交換樹脂で吸着、除去するなどの方法により除去できる。
本発明のチオール基含有シルセスキオキサン(A)は、各種硬化剤を配合することにより、熱硬化性樹脂組成物や紫外線硬化性樹脂組成物とすることができる。紫外線硬化性樹脂組成物とする場合は、チオール基含有シルセスキオキサン(A)および炭素−炭素2重結合を有する化合物(B)とを含有する組成物とすることが好ましく、熱硬化性樹脂組成物とする場合は、チオール基含有シルセスキオキサン(A)、ならびにエポキシ基を有する化合物(C)およびイソシアネート基を有する化合物(D)から選択される少なくとも一種を含有する組成物とすることが好ましい。また、化合物(C)および化合物(D)から選択される少なくとも一種と、化合物(B)とを併用し、熱と光の双方で硬化する樹脂組成物とすることができる。
紫外線硬化性樹脂組成物について説明する。
本発明で用いられる成分(B)は、特に限定されず、従来公知の炭素−炭素2重結合を分子内に複数有する化合物を適宜用いることができる。炭素−炭素2重結合を分子内に複数有するため、分子内に複数個のチオール基を有するチオール基含有シルセスキオキサン(A)と架橋構造を形成し、硬化物を作製することができる。炭素−炭素2重結合に係わる官能基としては、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、アリル基などがあげられる。
成分(B)の炭素−炭素2重結合は、チオール基含有シルセスキオキサン(A)のチオール基と反応(エン−チオール反応)するが、当該反応は炭素−炭素2重結合の種類や、ラジカル重合開始剤の有無により、反応機構が異なる。即ち、ラジカル重合性の低いビニル基、アリル基をもつ化合物を成分(B)として用いた場合には、エン‐チオール反応のみが進行し、チオール基含有シルセスキオキサン(A)中のチオール基と成分(B)中の炭素−炭素2重結合がほぼ1:1(モル比)で反応する。一方、ラジカル重合性の高いアクリル基、メタクリル基をもつ化合物を成分(B)として用いた場合には、ラジカル重合開始剤を併用した場合は特に、成分(B)中の炭素−炭素2重結合の重合反応も並行して進行し、チオール基含有シルセスキオキサン(A)中のチオール基と成分(B)中の炭素−炭素2重結合が1:1〜100(モル比)程度で反応する。
上記の観点から、本発明の紫外線硬化性樹脂組成物の調製に際してのチオール基含有シルセスキオキサン(A)と成分(B)との使用割合は、炭素−炭素2重結合の種類や、ラジカル重合開始剤の有無に応じて適宜に決定される。ラジカル重合性の低いビニル基、アリル基をもつ成分(B)を用いた場合には、[チオール基含有シルセスキオキサン(A)に含まれるチオール基のモル数]/[成分(B)に含まれる炭素−炭素2重結合のモル数](モル比)が、0.9〜2.5となるよう配合することが好ましく、より好ましくは1.0である。0.9未満である場合は、紫外線硬化後にも炭素−炭素2重結合が残存し、耐候性が低下する傾向がある。また、2.5を超える場合は、硬化物の架橋密度が低下し、耐熱性を低下させる場合がある。
一方、ラジカル重合性の高いアクリル基、メタクリル基をもつ成分(B)を用いた場合には、ラジカル重合開始剤を併用した場合は特に、[チオール基含有シルセスキオキサン(A)に含まれるチオール基のモル数]/[成分(B)に含まれる炭素−炭素2重結合のモル数](モル比)が、0.01〜1.1となるよう配合することが好ましい。0.01未満である場合、用いる成分(A)の量が少なくなりすぎるため、屈折率の向上など、本願発明所望の効果が得られにくくなる傾向がある。さらに、炭素−炭素2重結合が残存しやすくなり、硬化物の耐候性が低下する傾向もある。また、1.1を超える場合、チオール基が残存するため硬化物の架橋密度が低下し、耐熱性を低下させる場合がある。
ラジカル重合性の低いビニル基、アリル基をもつ成分(B)としては、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、ビスフェノールFジアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ジプロピレングリコールジアリルエーテル、トリプロピレングリコールジアリルエーテル、トリアリルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジビニルベンゼン、アジピン酸ジビニルなどがあげられる。これらの化合物は、いずれか単独で、または組み合わせて使用できる。これらの中でも、アリル基含有化合物は得られる組成物の保管安定性が高いため好ましく、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルは入手が容易であるため、とくに好ましい。
ラジカル重合性の高いアクリル基、メタクリル基をもつ成分(B)としては、2-ヒドロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、1,10-デカンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリス(2-アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレートなどがあげられる。これらの化合物は、いずれか単独で、または組み合わせて使用できる。
また、成分(B)として、前記化合物よりも高分子量のものを用いることができる。高分子量のものを用いた紫外線硬化性樹脂組成物は、得られる硬化物の可撓性が向上する傾向がある。該高分子量物としては、メチルアリルシロキサンとジメチルシロキサンとからなる共重合物、エピクロルヒドリンとアリルグリシジルエーテルとからなる共重合物(ダイソー(株):商品名「エピクロマー」、日本ゼオン(株):商品名「Gechron」など)、アリル基末端ポリイソブチレンポリマー((株)カネカ:商品名「エピオン」)、ウレタンアクリレート(荒川化学工業(株)製:商品名「ビームセット550B」)などがあげられる。これらの化合物は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
成分(B)の使用に際しては、[成分(B)に含まれる炭素−炭素2重結合のモル数]/[成分(B)のモル数](モル比:1分子あたりに含まれる炭素−炭素2重結合の平均個数を示す)が2以上であることが好ましい。2未満である場合、紫外線硬化性樹脂組成物の硬化性が低くなり、かつ得られる硬化物の架橋密度が低くなるため、硬化物の耐熱性、表面硬度等の物性が低下する傾向がある。
紫外線硬化性樹脂組成物を調製する際に使用可能な重合開始剤としては、特に限定されず、従来公知の光カチオン開始剤、光ラジカル開始剤などを任意に選択できる。光カチオン開始剤としては、紫外線の照射により酸を発生する化合物であるスルホニウム塩、ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾイントシレート等があげられ、それらの市販品としては、たとえばサイラキュアUVI−6970、同UVI−6974、同UVI−6990(いずれも米国ユニオンカーバイド社製商品名)、イルガキュア264(BASF社製)、CIT−1682(日本曹達(株)製)などがある。光カチオン重合開始剤の使用量は、該組成物100重量部に対し、通常10重量部程度以下、好ましくは1〜5重量部とされる。光ラジカル開始剤としては、ダロキュア1173、イルガキュア651、イルガキュア184、イルガキュア907(いずれもBASF社製商品名)、ベンゾフェノン等があげられ、該組成物100重量部に対して5重量部程度以下、好ましくは0.1〜2重量部とされる。なお、得られる硬化物の耐候性低下が懸念される場合、特に高い耐候性、透明性が求められる光学部材などに用いられる場合には、光反応開始剤や光増感剤を使用しないほうがよい。
また、紫外線硬化性樹脂組成物の安定性をより向上させるため、エン−チオール反応を抑制する化合物を配合できる。このような化合物としては、トリフェニルホスフィン、亜リン酸トリフェニル等のリン系化合物;p−メトキシフェノ−ル、ハイドロキノン、ピロガロ−ル、ナフチルアミン、tert−ブチルカテコ−ル、塩化第一銅、2、6ージ−tert−ブチル−p−クレゾ−ル、2、2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノ−ル)、2、2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノ−ル)、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、ジフェニルニトロソアミン等のラジカル重合禁止剤;ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアミノメチル)フェノール、ジアザビシクロウンデセン等の3級アミン類;2-メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2-エチルへキシルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2‐メチルイミダール等のイミダゾール類があげられる。
リン系化合物のうち、亜リン酸トリフェニルはエン−チオール反応の抑制効果が高く、かつ室温で液状であり取り扱いが容易であるため好ましい。紫外線硬化性樹脂組成物に配合する該化合物の量は、組成物100重量部に対して、0.1〜10重量部程度であることが好ましい。0.1重量部に満たない場合は、エン−チオール反応を抑制する効果が不足し、また10重量部を超える場合は、得られる硬化物中の残存量が多くなり硬化物の物性が低下する傾向がある。
ラジカル重合禁止剤のうち、ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩は少量でもエン−チオール反応の抑制効果が高く、かつ得られる硬化物の色調に優れるため好ましい。紫外線硬化性樹脂組成物に配合する該化合物の量は、組成物100重量部に対して、0.0001〜0.1重量部程度であることが好ましい。0.0001重量部に満たない場合は、エン−チオール反応を抑制する効果が不足し、また0.1重量部を超える場合は、紫外線硬化性が低下する傾向がある。
3級アミン類のうち、ベンジルジメチルアミンは少量でもエン−チオール反応の抑制効果が高く、かつ室温で液状であり取り扱いが容易であるため好ましい。紫外線硬化性樹脂組成物に配合する該化合物の量は、組成物100重量部に対して、0.001〜5重量部程度であることが好ましい。0.001重量部に満たない場合は、エン−チオール反応を抑制する効果が不足し、また5重量部を超える場合は、成分(A)中の未反応の水酸基およびアルコキシ基が縮合反応してゲル化する傾向があるため好ましくない。
紫外線硬化性樹脂組成物の有効成分(A)、(B)の濃度は、用途に応じて適宜に決定でき、必要に応じて溶剤を配合することができる。溶剤としては、従来公知のものを任意に用いることができる。紫外線硬化性樹脂組成物をコーティング剤として用いる場合は、溶剤で希釈し、所望の粘度とすればよい。また、紫外線硬化性樹脂組成物を1mm以上の厚膜に硬化させる場合や、接着剤として用いる場合には、チオール基含有シルセスキオキサン(A)、成分(B)の合計濃度を90重量%以上にすることが好ましく、95重量%以上にすることがより好ましい。該合計濃度は、チオール基含有シルセスキオキサン(A)および成分(B)の濃度と紫外線硬化性樹脂組成物の仕込み時に加えた溶剤の量とより計算で求めてもかまわないし、紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤の沸点以上で2時間程度加熱し、加熱前後の重量変化により求めることもできる。該用途では、90重量%未満の場合、硬化、成形時に発泡したり、硬化物中に溶剤が残存する等により、硬化物の物性が低下する傾向がある。なお、チオール基含有シルセスキオキサン(A)合成の際に溶剤を必須使用しているため、該用途に用いる際には、反応終了後、不揮発分含有量が90重量%以上となるよう溶剤を揮発させておけばよい。また、紫外線硬化性樹脂組成物を調製した後、用いた溶剤を揮発させて、有効成分(A)、(B)の合計濃度を高めることもできる。
さらに、紫外線硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、各種用途での必要性に応じて、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、粘度調節剤、フィラー等を配合してもよい。
こうして得られた紫外線硬化性樹脂組成物を用いて所望の硬化物を調製するためには、該組成物を所定の基材にコーティングし、または所定の型枠に充填し、溶剤を含む場合は該溶剤を揮発させた後、紫外線を照射すればよい。溶剤の揮発方法は溶剤の種類、量、膜厚等に応じて適宜決定すればよいが、40〜150℃程度、好ましくは60〜100℃に加熱し、常圧または減圧下で5秒〜2時間程度の条件とされる。紫外線の照射量は、紫外線硬化性樹脂組成物の種類、膜厚等に応じて適宜決定すればよいが、高圧水銀灯を用いる場合、365nmでの積算光量が50〜10000mJ/cm2程度となるよう照射すればよい。また、厚膜でコーティングや充填を行った場合には、前述のように該組成物に光反応開始剤や光増感剤を添加することにより、光硬化性を向上させることが好ましい。
また、紫外線照射して得られた硬化物を、さらに加熱することで、硬化物の物性を一層向上させることができる。加熱の方法は適宜決定すればよいが、40〜300℃程度、好ましくは100〜250℃に加熱し、1分〜6時間程度の条件とされる。
続いて熱硬化性樹脂組成物について説明する。
本発明で用いられる成分(C)としては、特に限定されず、従来公知のエポキシ基を有する化合物を適宜に用いることができる。たとえば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリアジン骨格含有エポキシ樹脂、フルオレン骨格含有エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、トリフェノールフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂などがあげられる。これらの化合物は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。該例示化合物のうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(市販品としては、たとえば、三菱化学(株):商品名「JER828」など)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(市販品としては、たとえば、三菱化学(株):商品名「JER807」など)、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂(市販品としては、たとえば、新日鐵化学(株):商品名「ST−3000」など)、脂環式エポキシ樹脂(市販品としては、たとえば、ダイセル化学工業(株):商品名「セロキサイド2021P」など)は、最終的に得られる硬化物が無色透明性、耐熱性等に優れ、かつ入手が容易であるため特に好ましい。
また、成分(C)として、前記化合物よりも高分子量のものを用いることができる。高分子量のものを用いてなる熱硬化性樹脂組成物は、得られる硬化物の可撓性が向上する傾向がある。該高分子量物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち、エポキシ当量が2000g/eq以上のもの(三菱化学(株):商品名「JER1010」、「JER4007P」など)、エポキシ変性シリコーン(信越化学工業(株):商品名「X−22−163A」など)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどがあげられる。これらの化合物は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが好ましい。
また、本発明で用いられる成分(D)は、特に限定されず、従来公知のイソシアネート基を有する化合物を適宜に用いることができる。該ジイソシアネート化合物としては、たとえば芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のジイソシアネート類を使用することができ、より具体的には、たとえば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネートなどがあげられる。これらの化合物は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。該例示化合物のうち、イソホロンジイソシアネートは、最終的に得られる硬化物が無色透明性、耐熱性等に優れ、かつ入手が容易であるため特に好ましい。
また、成分(D)として、前記化合物よりも高分子量のものを用いることができる。高分子量のものを用いてなる熱硬化性樹脂組成物は、得られる硬化物の可撓性が向上する傾向がある。該高分子量物としては、ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオールなどのポリオール類のジイソシアネート変性物、ポリメリックMDI(三井武田ケミカル(株):商品名「コスモネートM」など)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート化物(日本ポリウレタン工業(株)製:商品名「コロネートHX」)などがあげられる。これらの化合物は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。該例示化合物のうち、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート化物は、最終的に得られる硬化物が無色透明性、耐熱性等に優れ、かつ入手が容易であるため特に好ましい。
熱硬化性樹脂組成物を調製する際に使用可能な触媒としては、特に限定されず、成分(C)を用いる場合には従来公知のエポキシ硬化触媒を用いることができる。例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などをあげることができる。硬化触媒は熱硬化性樹脂組成物100重量部に対し、0.01〜5重量部の割合で使用することが好ましい。
また、成分(D)を用いる場合には従来公知のウレタン化触媒を用いることができる。例えば、ジブチルスズジラウレート、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン類などをあげることができる。ウレタン化触媒は熱硬化性樹脂組成物100重量部に対し、0.01〜5重量部の割合で使用することが好ましい。
熱硬化性樹脂組成物の有効成分(A)、(C)または(D)の濃度は、用途に応じて適宜に決定でき、必要に応じて溶剤を配合することができる。溶剤としては、当該成分と非反応性であればよく、各種従来公知のものを適宜選択して用いることができる。熱硬化性樹脂組成物をコーティング剤として用いる場合は、溶剤で希釈し、所望の粘度とすればよい。また、熱硬化性樹脂組成物を1mm以上の厚膜に硬化させる場合や、接着剤として用いる場合には、チオール基含有シルセスキオキサン(A)、成分(C)または(D)の合計濃度を90重量%以上にすることが好ましく、95重量%以上にすることがより好ましい。該合計濃度は、チオール基含有シルセスキオキサン(A)と成分(C)または(D)の濃度と熱硬化性樹脂組成物の仕込み時に加えた溶剤の量とより計算で求めてもかまわないし、熱硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤の沸点以上で2時間程度加熱し、加熱前後の重量変化により求めることもできる。該用途では、90重量%未満の場合、硬化、成形時に発泡したり、硬化物中に溶剤が残存したりして、硬化物の物性が低下する傾向がある。なお、チオール基含有シルセスキオキサン(A)合成の際に溶剤を必須使用しているため、該用途に用いる際には、反応終了後、不揮発分含有量が90重量%以上となるよう溶剤を揮発させておけばよい。また、熱硬化性樹脂組成物を調製した後、用いた溶剤を揮発させて、有効成分(A)、(C)または(D)の合計濃度を高めることもできる。
熱硬化性樹脂組成物の調製に際してのチオール基含有シルセスキオキサン(A)と成分(C)または(D)の使用割合は、[チオール基含有シルセスキオキサン(A)に含まれるチオール基のモル数]/[成分(C)に含まれるエポキシ基のモル数または成分(D)に含まれるイソシアネート基のモル数](モル比)が、0.9〜2.5となるよう配合することが好ましく、より好ましくは1.0である。0.9未満である場合は、熱硬化後にもエポキシ基やイソシアネート基が残存し、耐候性が低下する傾向がある。また、2.5を超える場合は、硬化物の架橋密度が低下し、耐熱性を低下させる場合がある。
成分(C)または(D)の使用に際しては、[成分(C)に含まれるエポキシ基のモル数または成分(D)に含まれるイソシアネート基のモル数]/[成分(C)または成分(D)のモル数](モル比:1分子あたりに含まれるエポキシ基またはイソシアネート基の平均個数を示す)が2以上であることが好ましい。2未満である場合、熱硬化性樹脂組成物の硬化性が低くなり、かつ得られる硬化物の架橋密度が低くなるため、硬化物の耐熱性、表面硬度等の物性が低下する傾向がある。
さらに、熱硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、各種用途での必要性に応じて、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、粘度調節剤、フィラー等を配合してもよい。
熱硬化性樹脂組成物を硬化物として使用する一態様を例示する。当該熱硬化組成物をテフロン(登録商標)コーティングした容器に流し込み、加熱して溶剤乾燥および硬化させることにより、所望のハイブリッド硬化物が得られる。硬化温度および加熱時間は、使用した成分(C)または成分(D)の種類、および溶剤の種類、硬化物の厚みなどを考慮して、適宜決定する。通常は20〜150℃程度で1分〜24時間程度の条件とするのが好ましい。また、硬化終了後さらに100℃〜300℃程度、好ましくは120℃以上250℃未満で、1分〜6時間程度加熱することにより、残存溶剤を完全に除くとともに硬化反応をさらに進行させる。こうして得られる硬化膜はシリカ複合化の効果によって、耐熱性、耐薬品性に優れるという特徴を有する。
さらに熱および紫外線硬化性樹脂組成物について説明する。
チオール基含有シルセスキオキサン(A)および成分(B)を必須成分とし、成分(C)、成分(D)のいずれかまたは両方を含んでなる組成物は、紫外線および熱での2段階硬化性樹脂組成物となる。各成分は、[{チオール基含有シルセスキオキサン(A)中のチオール基の数}/{成分(B)中に含まれる二重結合の数}]が0.1〜0.8、[{成分(A)中のチオール基の数}/{成分(C)中のエポキシ基の数+成分(D)中のイソシアネート基の数}]が0.1〜0.8、[{成分(A)中のチオール基の数}/{成分(B)中に含まれる二重結合の数+成分(C)中のエポキシ基の数+成分(D)中のイソシアネート基の数}]が0.9〜1.1なる割合で含有する。[{成分(A)中のチオール基の数}/{成分(B)中に含まれる二重結合の数+成分(C)中のエポキシ基の数+成分(D)中のイソシアネート基の数}]が1.1以上の場合には、チオール基が残存し、その分解によって悪臭を発生させる場合がある。0.9未満の場合には、硬化後に炭素−炭素二重結合やエポキシ基、イソシアネート基が残存し、耐候性が低下する傾向がある。[{チオール基含有シルセスキオキサン(A)中のチオール基の数}/{成分(B)中に含まれる二重結合の数}]が0.1未満の場合は、紫外線硬化を第一段階とする場合には硬化が進行しすぎ、熱硬化を第一段階とする場合には半硬化物中に未反応の成分(B)が多くなりすぎるため、いずれも成型加工性が失われる場合がある。また、0.8を超えると、必然的に成分(C)と成分(D)とを[{成分(A)中のチオール基の数}/{成分(C)中のエポキシ基の数+成分(D)中のイソシアネート基の数}]が0.8を超えて含むこととなり、紫外線硬化を第一段階とする場合には半硬化物中に未反応の(C)成分が多くなりすぎるため、熱硬化を第一段階とする場合には硬化が進行しすぎ、いずれも成型加工性が失われる場合がある。
[{成分(A)中のチオール基の数}/{成分(C)中のエポキシ基の数+成分(D)中のイソシアネート基の数}]が0.1未満の場合は、紫外線硬化を第一段階とする場合には半硬化物中に未反応の成分(C)や成分(D)が多くなりすぎるため、熱硬化を第一段階とする場合には硬化が進行しすぎ、いずれも成形加工性が失われる場合がある。また、0.8を超えると、必然的に成分(B)を[{チオール基含有シルセスキオキサン(A)中のチオール基の数}/{成分(B)中に含まれる二重結合の数}]が0.8を超えて含むこととなり、紫外線硬化を第一段階とする場合には硬化が進行しすぎ、熱硬化を第一段階とする場合には半硬化物中に未反応の成分(B)が多くなりすぎるため、いずれも成形加工性が失われる場合がある。
成分(B)、(C)、(D)としては、前述したものを任意に用いることができる。また、成分(B)、(D)を兼ねるものとして、メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製:商品名「カレンズMOI」)、アクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製:商品名「カレンズAOI」)など、1分子中に2重結合とイソシアネート基が同時に存在する化合物を用いることもできる。このような化合物を用いた際には、(B)、(D)成分を同時に含有するものとみなすことができ、分子中に含まれる2重結合の数およびイソシアネート基の数を考慮のうえ使用量を決定する必要がある。
さらに、熱および紫外線硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、各種用途での必要性に応じて、可塑剤、耐候剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、帯電防止剤、増白剤、着色剤、導電剤、離型剤、表面処理剤、粘度調節剤、フィラー等を配合してもよい。また、チオール基含有シルセスキオキサン(A)と、成分(B)、(C)または(D)からなる硬化性樹脂組成物を作製する際に用いた硬化触媒、安定剤なども同様に用いることができる。
本発明の熱および紫外線硬化性樹脂組成物は、容器もしくは平板など、好ましくはテフロン(登録商標)コーティングなど離型処理を施した容器に流し込み、加熱して溶剤乾燥の後、熱および紫外線で二段階硬化させることにより硬化させることができる。二段階硬化を行う方法としては、一段階目で熱硬化を行った後、二段階目で紫外線硬化を行う方法、一段階目で紫外線硬化を行い、二段階目で熱硬化を行う方法が挙げられる。
上記二段階硬化は、熱および紫外線硬化性樹脂組成物を熱硬化させて半硬化状態とし、成型加工した後、紫外線硬化させるものであることが好ましい。半硬化状態とは、熱および紫外線硬化性樹脂組成物を熱により成分(A)と成分(C)または成分(D)とのみを反応させた状態を意味し、具体的には、成型加工を行う温度でのその弾性率が10〜10Paである状態を意味する。このような硬化途中の半硬化状態は、充分に硬化していないため、種々の成型加工が可能である。成型加工の方法としては、例えば、平板に熱および紫外線硬化性樹脂組成物をコーティングした後、熱硬化により半硬化状態とし、平板から熱および紫外線硬化性樹脂組成物が流れないようにしつつ平板を曲げ、曲げた状態のまま紫外線により完全硬化させることにより、曲面に密着した透明シートを作製する方法や、平板に熱および紫外線硬化性樹脂組成物をコーティングした後、熱硬化により半硬化状態とし、モールドを押し当てた状態で紫外線によって硬化させる、いわゆるインプリント法や、平板に熱および紫外線硬化性樹脂組成物をコーティングした後、熱硬化により半硬化状態とし、フォトマスクを密着させた状態で露光部分が目的の形状となるよう紫外線した後、未露光部分を除去する、いわゆるフォトリソグラフィー法などが挙げられる。熱による一段階目の硬化温度および加熱時間は、使用した成分(A)、成分(C)、成分(D)の種類、および溶剤の種類、透明シートの厚みなどを考慮して、適宜決定するが、通常は20〜150℃程度で1分〜24時間程度の条件とするのが好ましい。また、成型加工後、二段階目の紫外線による硬化においては、紫外線の照射量は、紫外線硬化性樹脂組成物の種類、膜厚等に応じて適宜決定すればよいが、高圧水銀灯を用いる場合、365nmでの積算光量が50〜10000mJ/cm2程度となるよう照射すればよい。また、厚膜でコーティングや充填を行った場合には、前述のように該組成物に光反応開始剤や光増感剤を添加することにより、光硬化性を向上させることが好ましい。このようにして成分(A)と成分(B)とを反応させ、硬化を完全に進行させる。
上記二段階硬化は、熱および紫外線硬化性樹脂組成物を紫外線硬化させて半硬化状態とし、成型加工した後、熱硬化させるものであることが好ましい。半硬化状態とは、熱および紫外線硬化性樹脂組成物を紫外線により成分(A)と成分(B)とのみを反応させた状態を意味し、具体的には、成型加工を行う温度でのその弾性率が10〜10Paである状態を意味する。このような硬化途中の半硬化状態は、充分に硬化していないため、種々の成型加工が可能である。成型加工の方法としては、例えば、平板に熱および紫外線硬化性樹脂組成物をコーティングした後、紫外線硬化により半硬化状態とし、平板から熱および紫外線硬化性樹脂組成物が流れないようにしつつ平板を曲げ、曲げた状態のまま熱により完全硬化させることにより、曲面に密着した透明シートを作製する方法や、平板に熱および紫外線硬化性樹脂組成物をコーティングした後、紫外線硬化により半硬化状態とし、モールドを押し当てた状態で熱によって硬化させる、いわゆるインプリント法などが挙げられる。熱および紫外線硬化性樹脂組成物に溶剤を用いた場合、紫外線照射前に溶剤を乾燥させ、実質的に無溶剤として用いることが好ましい。紫外線による一段階目の紫外線の照射量は、使用した成分(A)、成分(B)の種類、および溶剤の種類、透明シートの厚みなどを考慮して、適宜決定するが、高圧水銀灯を用いる場合、365nmでの積算光量が50〜10000mJ/cm2程度となるよう照射すればよい。また、厚膜でコーティングや充填を行った場合には、前述のように該組成物に光反応開始剤や光増感剤を添加することにより、光硬化性を向上させることが好ましい。また、成型加工後、二段階目の熱による硬化においては、硬化温度および加熱時間は、使用した成分(A)、成分(C)、成分(D)の種類、および溶剤の種類、透明シートの厚みなどを考慮して、適宜決定するが、通常は20〜150℃程度で1分〜24時間ことにより、残存溶剤を完全に除くとともに硬化反応をさらに進行させる。
熱および紫外線硬化性樹脂組成物の有効成分(A)、(B)、(C)および(D)の濃度は、用途に応じて適宜に決定でき、必要に応じて溶剤を配合することができる。溶剤としては、当該成分と非反応性であればよく、各種従来公知のものを適宜選択して用いることができる。熱および紫外線硬化性樹脂組成物をコーティング剤として用いる場合は、溶剤で希釈し、所望の粘度とすればよい。また、熱および紫外線硬化性樹脂組成物を1mm以上の厚膜に硬化させる場合や、接着剤として用いる場合には、成分(A)、(C)または(D)の合計濃度を90重量%以上にすることが好ましく、95重量%以上にすることがより好ましい。該合計濃度は、成分(A)と(C)または(D)の濃度と熱および紫外線硬化性樹脂組成物の仕込み時に加えた溶剤の量とより計算で求めてもかまわないし、熱および紫外線硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤の沸点以上で2時間程度加熱し、加熱前後の重量変化により求めることもできる。該用途では、90重量%未満の場合、硬化、成形時に発泡したり、硬化物中に溶剤が残存したりして、硬化物の物性が低下する傾向がある。なお、成分(A)合成の際に溶剤を必須使用しているため、該用途に用いる際には、反応終了後、不揮発分含有量が90重量%以上となるよう溶剤を揮発させておけばよい。また、熱硬化性樹脂組成物を調製した後、用いた溶剤を揮発させて、有効成分(A)、(B)、(C)、(D)の合計濃度を高めることもできる。
上述の方法により得られた各硬化性樹脂組成物によれば、透明性に優れた硬化物が得られるため以下の方法により実用に供することができる。
(コーティング剤への適用)
硬化性樹脂組成物を所望の基材にコーティングし、熱硬化および/または紫外線硬化させることでコーティング層を得ることができる。基材としては、ガラス、鉄、アルミニウム、銅、スズドープ酸化インジウム(ITO)等の無機基材、ポリエチレン(PE)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PSt)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)等の有機基材など、各種公知のものを適宜に選択使用できる。また、硬化性樹脂組成物を溶剤希釈することで、コーティング性をある程度向上させることもできる。上述のような熱硬化性樹脂組成物をコーティングし、熱硬化および/または紫外線硬化させることで、導光板、偏光板、液晶パネル、ELパネル、PDPパネル、OHPフィルム、光ファイバー、カラーフィルター、光ディスク基板、レンズ、液晶セル用プラスチック基板、プリズム等にコーティング層を形成させることができる。また、硬化性樹脂組成物から得られるコーティング層の屈折率が基材の屈折率よりも高い場合には、反射防止効果を付与することができる。また、紫外線硬化性樹脂組成物の場合、露光部分が目的の形状となるよう紫外線照射した後、未露光部分を除去することで、パターンを付与することもできる。
(接着剤への適用)
所定の基材間に硬化性樹脂組成物を介在させ、ついで該組成物を熱硬化および/または紫外線硬化させることで目的とする接着層を得ることができる。基材としては、前記のコーティング層形成時に用いたものと同様のものを使用できる。ただし、接着層を紫外線硬化させるためには、少なくとも片面が熱または紫外線を透過する必要がある。また、接着層の発泡を防ぐため、前述のように硬化性樹脂組成物中の揮発成分を10%未満、好ましくは5%未満にするか、張り合わせ前に揮発分を除去しておくことが好ましい。上述のような硬化性樹脂組成物で接着することで、接着層が透明な接着物が得られるため、液晶パネル、ELパネル、PDPパネル、カラーフィルター、光ディスク基板等を作製するのに好適である。
(封止材への適用)
硬化性樹脂組成物を厚膜塗布し、または所定の型枠に流し込んだ後、熱硬化および/または紫外線硬化させることで、透明な硬化物で封止された封止物品を得ることができる。このような材料は、発光素子、受光素子、光電変換素子、光伝送関連部品等の光学部品用途に、特に好適である。当該成形硬化物を作製する際には、前述のように、該組成物中に光硬化触媒や光増感剤を適量配合することや、該組成物中の揮発分含有率を10%未満、好ましくは5%未満にすることが好ましい。
(透明基板への適用)
硬化性樹脂組成物をガラスクロス(基材)に含浸させ、熱硬化および/または紫外線硬化させることで透明基板を得ることができる。ガラスクロスとしては各種公知のものを適宜に選択使用できる。ガラスクロスとしては、各種公知のガラス繊維(Eガラス、Cガラス、ECRガラスなどから構成されるストランド、ヤーン、ロービングなど)から得られる各種の布帛が使用できるが、Eガラスから作られるガラスクロスが安価であり、入手性に優れるため特に好ましい。硬化性樹脂組成物をガラスクロスに含浸させる方法についても特に限定はされず、各種公知の方法を採用でき、またコーティング法を採用してもよい。また、得られる透明基板を無色透明とするためには、硬化性樹脂組成物から得られる硬化物とガラスクロスとの屈折率の差を0.010以内にすることが好ましく、0.005以内にすることがより好ましく、実質的に同一にすることがさらに好ましい。また、硬化性樹脂組成物を溶剤希釈することで、ガラスクロスへの含浸性をより向上させることもできる。なお、ガラスクロスに対する熱硬化性樹脂組成物の使用割合は、得られる透明基板の用途に応じて適宜に決定でき、通常はガラスクロス100重量部あたり20〜500重量部とされる。また得られる透明基板の厚みも、該用途に応じて適宜に決定でき、通常は20μm〜1mmとされる。上述のような熱硬化性樹脂組成物をガラスクロスに含浸させ、熱硬化させることで得られる透明基板は、透明性、耐熱性に優れるため、導光板、偏光板、液晶パネル、ELパネル、PDPパネル、カラーフィルター、光ディスク基板、液晶セル用プラスチック基板等にコーティング層を作製するのに好適である。
以下、実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説明する。なお、各例中、%は特記しない限り重量基準である。
実施例1(チオール基含有シルセスキオキサン溶液(A−1)の製造)
攪拌機、冷却管、分水器、温度計、滴下ロート、窒素吹き込み口を備えた反応装置に、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製:商品名「KBM−803」)300g、イオン交換水162.8g([加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)=2.0)、陽イオン交換樹脂6.0g(三菱化学(株)製:商品名「ダイヤイオンPK228LH」、H型強酸性陽イオン交換樹脂)を仕込み、室温で30分間加水分解反応させた。反応中、発熱によって最大28℃温度上昇した。反応後、陽イオン交換樹脂をろ別した後、70℃、20kPaで3時間減圧することで、加水分解物を228g得た。これをエチレングリコールジメチルエーテル82gで希釈し、加水分解物溶液を310g得た。
続いて別の反応容器にエチレングリコールジメチルエーテルを325.9g、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの25%水溶液を1.25g仕込み、80℃に加熱した。テトラメチルアンモニウムヒドロキシドはエチレングリコールジメチルエーテルに溶解せず、やや濁ったようになっている。ここに先の加水分解物溶液300gを、2時間30分かけて滴下した。滴下中にテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが溶解し、反応液はクリアになった。滴下後さらに15分間80℃で反応させた後、25℃に冷却した。25℃ではテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが溶解せず、反応液はやや濁ったようになった。ここに陽イオン交換樹脂6.4g仕込み、室温で4時間撹拌した。撹拌中にテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが吸着され、反応液はクリアになった。陽イオン交換樹脂をろ別した後、70℃、20kPaで2時間、さらに70℃、0.7kPaで1時間減圧することで、チオール基含有シルセスキオキサン溶液(A−1)を196g得た。赤外分光法による分析を行ったところ、3500cm−1付近に見られるシラノール基の吸収は全く存在しなかった。また、核磁気共鳴法による分析でも、シラノール基は見られず、[アルコキシ基のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)は0であった。また、濃度は94.7%、チオール当量は、133g/eqであった。
実施例(チオール基含有シルセスキオキサン溶液(A−)の製造)
実施例1と同様の反応装置に、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン100g、メチルトリメトキシシラン48.5g([成分(a2)のモル数]/[成分(a1)と成分(a2)の合計モル数]=0.41)、イオン交換水19.9部([加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)、(a2)に含まれるアルコキシ基のモル数の合計](モル比)=0.45)、陽イオン交換樹脂3.0gを仕込み、室温で30分間加水分解反応させた。反応中、発熱によって最大12℃温度上昇した。これをエチレングリコールジメチルエーテル74gで希釈し、加水分解物溶液を201g得た。
続いて別の反応容器にエチレングリコールジメチルエーテルを89g、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの25%水溶液を0.56g仕込み、80℃に加熱した。テトラメチルアンモニウムヒドロキシドはエチレングリコールジメチルエーテルに溶解せず、やや濁ったようになっている。ここに先の加水分解物溶液191gを、2時間30分かけて滴下した。滴下中にテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが溶解し、反応液はクリアになった。滴下後さらに15分間80℃で反応させた後、25℃に冷却した。25℃ではテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが溶解せず、反応液はやや濁ったようになった。ここに陽イオン交換樹脂2.9g仕込み、室温で4時間撹拌した。撹拌中にテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが吸着され、反応液はクリアになった。陽イオン交換樹脂をろ別することで、チオール基含有シルセスキオキサン溶液(A−)を280g得た。赤外分光法による分析を行ったところ、3500cm−1付近に見られるシラノール基の吸収は全く存在しなかった。また、核磁気共鳴法による分析でも、シラノール基は見られず、[アルコキシ基のモル数]/[成分(a1)、(a2)に含まれるアルコキシ基のモル数の合計](モル比)は0.1であった。また、濃度は30.2%、チオール当量は、579g/eqであった。
実施例(チオール基含有シルセスキオキサン溶液(A−)の製造)
実施例1と同様の反応装置に、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン100g、フェニルトリメトキシシラン50.5g(信越化学工業(株)製:商品名「KBM−103」)([成分(a2)のモル数]/[成分(a1)と成分(a2)の合計モル数]=0.33)、イオン交換水81.4部([加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)、(a2)に含まれるアルコキシ基のモル数の合計](モル比)=0.45)、陽イオン交換樹脂3.1gを仕込み、室温で30分間加水分解反応させた。反応中、発熱によって最大24℃温度上昇した。反応後、70℃、20kPaで3時間減圧することで、加水分解物を115g得た。これをエチレングリコールジメチルエーテル150gで希釈し、加水分解物溶液を265g得た。
続いて別の反応容器にエチレングリコールジメチルエーテルを62g、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの25%水溶液を0.62g仕込み、80℃に加熱した。テトラメチルアンモニウムヒドロキシドはエチレングリコールジメチルエーテルに溶解せず、やや濁ったようになっている。ここに先の加水分解物溶液247gを、2時間30分かけて滴下した。滴下中にテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが溶解し、反応液はクリアになった。滴下後さらに15分間80℃で反応させた後、25℃に冷却した。25℃ではテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが溶解せず、反応液はやや濁ったようになった。ここに陽イオン交換樹脂2.9g仕込み、室温で4時間撹拌した。撹拌中にテトラメチルアンモニウムヒドロキシドが吸着され、反応液はクリアになった。陽イオン交換樹脂をろ別することで、チオール基含有シルセスキオキサン溶液(A−)を306g得た。赤外分光法による分析を行ったところ、3500cm−1付近に見られるシラノール基の吸収は全く存在しなかった。また、核磁気共鳴法による分析でも、シラノール基は見られず、[アルコキシ基のモル数]/[成分(a1)、(a2)に含まれるアルコキシ基のモル数の合計](モル比)は0であった。また、濃度は30.7%、チオール当量は、632g/eqであった。
比較例1(縮合物(a−1)の製造:酸触媒による加水分解および非極性溶剤中、酸触媒による縮合反応)
実施例1と同様の反応装置に、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン180g、イオン交換水49.55g([加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)=1.0)、95%ギ酸9.00gを仕込み、室温で30分間加水分解反応させた。反応中、発熱によって最大22℃温度上昇した。反応後、トルエン272.23gを仕込み、加熱した。72℃まで昇温したところで、加水分解によって発生したメタノールとトルエンの一部が留去され始めた。20分かけて75℃まで昇温し、縮合反応させて水を留去した。さらに1時間、75℃で反応させた後、70℃、20kPaで減圧して、残存するメタノール、水、ギ酸を留去した。さらに70℃、0.7kPaで減圧して、トルエンを留去することで、ランダム型のシルセスキオキサン(a−1)を124.5g得た。赤外分光法による分析を行ったところ、3500cm−1付近にシラノール基の吸収が弱く見られた。また、核磁気共鳴法による分析では、[シラノール基のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)は0.08、[アルコキシ基のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)は0.08であった。また、濃度は93.7%、チオール当量は、136g/eqであった。
比較例2(塩基性触媒、無溶剤による加水分解)
実施例1と同様の反応装置に、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン18g、イオン交換水4.79g([加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)=1.0)、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.22gを仕込み、室温で反応させた。反応中、発熱が生じ、徐々に白濁、増粘した。30分後、ゲル化したため、チオール基含有シルセスキオキサンは得られなかった。
比較例3(極性溶剤中、塩基性触媒による加水分解および極性溶剤中、塩基性触媒による縮合反応)
実施例1と同様の反応装置に、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン18g、イオン交換水4.79g([加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)=1.0)、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.22g、エチレングリコールジメチルエーテル30gを仕込み、室温で反応させた。反応中、発熱が生じ、徐々に増粘した。30分後、陽イオン交換樹脂を1.1g仕込み、室温で4時間撹拌してテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを除去した。
続いて別の反応容器にエチレングリコールジメチルエーテルを32.6g、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの25%水溶液を0.13g仕込み、80℃に加熱した。テトラメチルアンモニウムヒドロキシドはエチレングリコールジメチルエーテルに溶解せず、やや濁ったようになっている。ここに先の加水分解物溶液を滴下したところ、徐々に増粘し、滴下終了前にゲル化したため、チオール基含有シルセスキオキサンは得られなかった。
比較例4(極性溶剤中、塩基性触媒による加水分解および非極性溶剤中、塩基性触媒による縮合反応)
実施例1と同様の反応装置に、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン18g、イオン交換水4.79g([加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)=1.0)、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.22g、エチレングリコールジメチルエーテル30gを仕込み、室温で反応させた。反応中、発熱が生じ、徐々に増粘した。30分後、陽イオン交換樹脂を1.1g仕込み、室温で4時間撹拌してテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを除去した。
続いて別の反応容器にトルエンを32.6g、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの25%水溶液を0.13g仕込み、80℃に加熱した。テトラメチルアンモニウムヒドロキシドはトルエンに溶解せず、反応容器中にへばりついたようになっている。ここに先の加水分解物溶液を滴下したところ、白濁し、固体が生じたため、チオール基含有シルセスキオキサンは得られなかった。
比較例5(極性溶剤中、塩基性触媒による加水分解および非極性溶剤中、塩基性触媒による縮合反応)
実施例1と同様の反応装置に、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン18g、イオン交換水4.79g([加水分解反応に用いる水のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)=1.0)、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド0.22g、エチレングリコールジメチルエーテル30gを仕込み、室温で反応させた。反応中、発熱が生じ、徐々に増粘した。30分後、陽イオン交換樹脂を1.1g仕込み、室温で4時間撹拌してテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを除去した。
続いて別の反応容器にトルエンを32.6g、トリエチルアミンを0.10g仕込み、80℃に加熱した。ここに先の加水分解物溶液を2時間30分かけて滴下し、さらに15分80℃で反応させた。赤外分光法による分析を行ったところ、3500cm−1付近に
シラノール基の吸収が強く見られたため、さらに110℃で4時間反応させた。得られたものの赤外分光法による分析を行ったところ、3500cm−1付近にシラノール基の吸収が弱く見られた。また、核磁気共鳴法による分析では、[シラノール基のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)は0.03、[アルコキシ基のモル数]/[成分(a1)に含まれるアルコキシ基のモル数](モル比)は0であった。GPCを測定したところ(A−1)対比大幅に高分子量化しており、高分子量のランダム型、あるいはラダー型シルセスキオキサンが生成たため、かご型のシルセスキオキサンが得られていないことが分かった。
(チオール基含有シルセスキオキサンの安定性)
実施例1〜、比較例1で得られたチオール基含有シルセスキオキサンをマヨネーズビンに取って50℃に加温し、3ヶ月間保管した保管前後の粘度の変化率より安定性を評価した。結果を表1に示す。

表1より明らかなように、製造の最終段階で溶剤を除去した実施例と比較例1の安定性を比較すると、実施例は安定性が向上していることが分かる。
実施例〜1、比較例6〜10(硬化性樹脂組成物の製造)
実施例1で得られたチオール基含有シルセスキオキサン(A−1)10gに対し、トリアリルイソシアヌレート(日本化成(株)製:商品名「タイク」、[成分(B)に含まれる炭素−炭素2重結合のモル数]/[成分(B)のモル数]=3、以下TAICと表わす)2.09g([チオール基含有シルセスキオキサン(A)に含まれるチオール基のモル数]/[成分(B)に含まれる炭素−炭素2重結合のモル数](モル比)=1.0)を配し、紫外線硬化性樹脂組成物(E−1)とした。同様に、実施例1〜で得られたチオール基含有シルセスキオキサン(A−1〜)を用い、下表に従って硬化性樹脂組成物(E−2〜E−1)とした。また同様に、比較例1で得られたランダム型のシルセスキオキサン(a−1)を用い、下表に従って硬化性樹脂組成物(e−1〜5)とした。

表中、DAP:ジアリルフタレート(ダイソー(株)製:商品名「ダイソーダップモノマー」、[成分(B)に含まれる炭素−炭素2重結合のモル数]/[成分(B)のモル数]=2)、JER828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製:商品名「JER828」、エポキシ当量370g/eq、[成分(C)に含まれるエポキシ基のモル数]/[成分(C)のモル数]=2)、セロ2021P:脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製:商品名「セロキサイド2021」、エポキシ当量126g/eq、[成分(C)に含まれるエポキシ基のモル数]/[成分(C)のモル数]=2)、IPDI:イソホロンジイソシアネート(東京化成(株)製:イソシアネート当量111g/eq、[成分(D)に含まれるイソシアネート基のモル数]/[成分(D)のモル数]=2)、コロHX:ポリイソシアヌレートタイプのHDI(日本ポリウレタン工業(株)製:商品名「コロネートHX」、イソシアネート当量200g/eq、[成分(D)に含まれるイソシアネート基のモル数]/[成分(D)のモル数]=2)、Irg184:ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製:商品名「イルガキュア184」)、U−600:ビスマストリス(2‐エチルヘキサノエート)(日東化成(株)、商品名「ネオスタンU−600」)、DMG:エチレングリコールジメチルエーテル(日本乳化剤(株)製、商品名「DMG」)を、NVは不揮発分含有量をそれぞれ表わす。また、各成分の使用量の単位はgである。
(硬化性樹脂組成物の安定性)
実施例、1、1、比較例6、7、8、9で得られた硬化性樹脂組成物を褐色ビンに取って室温下で放置し、ゲル化までの時間によって硬化性樹脂組成物の安定性を評価した。結果を表3に示す。

表3より明らかなように、実施例、1、1の硬化性樹脂組成物は、同じ硬化剤を使用した比較例6、7、8、9の硬化性樹脂組成物対比安定性が向上していることが分かる。
(組成物の硬化性)
実施例4〜7、比較例6で得られた紫外線硬化性樹脂組成物をガラス板上に、硬化後膜厚が約15μmとなるようコーティングし、90℃で5分間溶剤乾燥させた。乾燥後、紫外線照射装置(ウシオ電機(株)製:商品名「UV−152」)を用い、365nmの紫外線検出器で積算光量が250mJ/cm2となるよう紫外線を照射した。同様に、比較例6で得られた紫外線硬化性樹脂組成物についても、硬化後膜厚が約15μmとなるようコーティングし、紫外線照射装置を用い、365nmの紫外線検出器で積算光量が250mJ/cm2となるよう紫外線を照射した。実施例8〜11、比較例7、8で得られた熱硬化性樹脂組成物は、硬化後膜厚が約15μmとなるようコーティングし、90℃で5分間溶剤乾燥させた。続いて、120℃で3時間、150℃で1時間熱硬化させた。実施例12、13、比較例9、10で得られた紫外線および熱硬化性樹脂組成物は、硬化後膜厚が約15μmとなるようコーティングし、90℃で5分間溶剤乾燥させた。続いて、紫外線照射装置を用い、365nmの紫外線検出器で積算光量が250mJ/cm2となるよう紫外線を照射した。さらに、120℃で30分間熱硬化させた。同様に、比較例8で得られた紫外線および熱硬化性樹脂組成物は、硬化後膜厚が約15μmとなるようコーティングし、90℃で5分間溶剤乾燥させた。続いて、紫外線照射装置を用い、365nmの紫外線検出器で積算光量が250mJ/cm2となるよう紫外線を照射した。さらに、120℃で30分間熱硬化させた。得られた硬化物の硬化性は、JIS K−5401の一般試験法による鉛筆硬度試験により評価した。結果を表4に示す。

表4から明らかなように、すべての実施例、比較例から硬化物を得ることができた。また、同じ硬化剤を用いた実施例と比較例6とでは実施例が、実施例と比較例7とでは実施例が、実施例1と比較例8とでは実施例1が、実施例1と比較例9とでは実施例1が、それぞれ表面硬度が高く、本発明の硬化性樹脂組成物はハードコート剤としてより好適であると認められる。
(屈折率)
実施例〜1、比較例6〜10で得られた硬化性樹脂組成物を、アッベ屈折率計((株)アタゴ製:商品名「多波長アッベ屈折計 DR-M2」)を用いて、589nmでの屈折率を測定した。結果を表5に示す。

表5から明らかなように、同じ硬化剤を用いた実施例と比較例6とでは実施例が、実施例と比較例7とでは実施例が、実施例1と比較例8とでは実施例1が、実施例1と比較例9とでは実施例1が、それぞれ屈折率が高く、本発明のチオール基含有シルセスキオキサン(A)を用いることで、より屈折率の高い硬化物を作製することが可能である。このため、本発明の硬化性樹脂組成物は、導光板、偏光板、液晶パネル、ELパネル、PDPパネル、OHPフィルム、光ファイバー、カラーフィルター、光ディスク基板、レンズ、液晶セル用プラスチック基板、プリズム等の反射防止膜用コーティング剤として好適であると認められる。
実施例1(パターンの形成)
紫外線硬化性樹脂組成物(E−1)をガラス基板上に膜厚5μmとなるようコーティングし、80℃で2分乾燥させ、溶剤を揮散させた。本段階ではタックがありコンタクト露光はできなかったため、マスクを浮かせた状態にして紫外線照射装置を用いて365nmの検出器で積算光量が500mJ/cmとなるよう紫外線を照射した。2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(多摩化学(株)製:商品名「TMAH 2.38%」)を用いて現像することで、パターン付き基板が得られた。また、現像液として2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に代わって1.0%水酸化ナトリウム水溶液を用いても良好に現像することができた。このことより、本発明の硬化性樹脂組成物は、光製版用レジスト、ソルダーレジスト、エッチングレジスト、カラーフィルターレジスト、ホログラム、光造形、UVインクとして好適に用いることができる。
実施例1(表面にパターンが形成された積層体の作製)
紫外線硬化性樹脂組成物(E−1)をガラス基板上に膜厚5μmとなるようコーティングし、80℃で2分乾燥させ、溶剤を揮散させた。続いて離型処理したガラスモールド(線幅144nm、深さ200nm)を乗せ、60℃に加熱して圧接した。モールドを通して紫外線照射装置を用いて365nmの検出器で積算光量が500mJ/cmとなるよう紫外線を照射した後モールドをはがすことで、表面にパターンが形成された積層体を得ることができた。このことより、実施例1〜3で得られた表面にパターンが形成された積層体は、フラットパネルディスプレイ用の基板、プリズムシート、カラーフィルター、光回路基板、回折型集光フィルム、偏光フィルム、光導波路等の光学デバイスの他、反射板、記録媒体、半導体、電子デバイス、バイオチップ、ケミカルチップなどに好適である。
実施例16(ガラスクロス含浸による透明シートの作製)
実施例13で得られた熱および紫外線硬化性樹脂組成物(E−10)を厚み90μmのガラスクロス(日東紡績(株)製:屈折率1.558)に含浸させ、80℃で5分、110℃で12分溶剤乾燥及び熱硬化を行い、透明シートを作製した。さらに本シートの両面に熱および紫外線硬化性樹脂組成物(E−11)を20μmコーティングし、80℃で5分、110℃で12分溶剤乾燥および熱硬化を行い、半硬化物とした。得られた半硬化物を直径15cmの紙管に巻き取り、24時間暗所に室温で保管した。続いて120℃で30秒プレス成形した後、紫外線照射装置を用いて365nmの検出器で積算光量が2000mJ/cmとなるよう紫外線を照射することで、膜厚105マイクロメートルの透明シートを得た。
比較例11(ガラスクロス含浸による透明シートの作製)
比較例10で得られた熱および紫外線硬化性樹脂組成物(e−5)を厚み90μmのガラスクロス(日東紡績(株)製:屈折率1.558)に含浸させ、80℃で5分、110℃で12分溶剤乾燥及び熱硬化を行い、透明シートを作製した。さらに本シートの両面に熱および紫外線硬化性樹脂組成物(e−5)を20μmコーティングし、80℃で5分、110℃で12分溶剤乾燥および熱硬化を行い、半硬化物とした。得られた半硬化物を直径15cmの紙管に巻き取り、24時間暗所に室温で保管した。続いて120℃で30秒プレス成形した後、紫外線照射装置を用いて365nmの検出器で積算光量が2000mJ/cmとなるよう紫外線を照射することで、膜厚105マイクロメートルの透明シートを得た。
実施例1、比較例11で得られた透明シートの全光線透過率、ヘーズ、動的粘弾性を測定した結果、および半硬化状態での保管性を表6に示す。評価基準は以下の通りである。
(半硬化状態での保管性)
○・・・24時間以上半硬化状態が維持される。
△・・・24時間以上半硬化状態が維持されるが、タックがあるため巻き取って保管できない。
×・・・24時間までに半硬化状態が失われ、成型加工できない。

結果、実施例1、比較例11で得られた透明シートは、用いた樹脂の屈折率がガラスクロスの屈折率と一致しているため、全光線透過率が高かった。またいずれも半硬化状態での加工性があり、平坦化されているため表面の微細な凹凸による光の散乱がなく、ヘーズが低くなった。
(耐熱性)
実施例1、比較例11で得られた透明シートを5mm×30mmにカットし、粘弾性測定器(セイコーインスツル(株)製、商品名「DMS6100」、測定条件:振動数10Hz、スロープ3℃/分)を用いて動的貯蔵弾性率を測定して、耐熱性を評価した。測定結果を図1に示す。図1から明らかなように、比較例10の透明シートは120℃付近にTgがあり、Tg後の弾性率低下が認められる。一方、実施例15で得られた透明シートは温度にかかわらず弾性率がほぼ一定であり、きわめて耐熱性に優れていることが認められる。

Claims (17)

  1. 一般式(1):R1Si(OR23(式中、R1は少なくとも1つのチオール基を有する炭素数1〜8の炭化水素基、または少なくとも1つのチオール基を有する芳香族炭化水素基を表し、R2は水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、または芳香族炭化水素基を表す。)で示されるチオール基含有アルコキシシラン類(a1)と水とを固体酸触媒を用いて加水分解反応させた後、固体酸触媒を除去し、続いて塩基性触媒を含む極性溶剤中に先の反応生成物を添加して縮合させることによって得た、シラノール基が存していないことを特徴とする、チオール基含有シルセスキオキサン(A)の製造方法。
  2. チオール基含有シルセスキオキサンが、その構成成分としてチオール基を有しないアルキルトリアルコキシシラン類(a2)を、[(a2)のモル数]/[(a1)のモル数と(a2)のモル数との合計)](モル比)が0.7以下となるように含むことを特徴とする、請求項1記載のチオール基含有シルセスキオキサン(A)の製造方法。
  3. 極性溶剤が、グリコールエーテル類であることを特徴とする、請求項1または2に記載のチオール基含有シルセスキオキサン(A)の製造方法。
  4. 塩基性触媒が、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のチオール基含有シルセスキオキサン(A)の製造方法。
  5. 一般式(1):R1Si(OR23(式中、R1は少なくとも1つのチオール基を有する炭素数1〜8の炭化水素基、または少なくとも1つのチオール基を有する芳香族炭化水素基を表し、R2は水素原子、炭素数1〜8の炭化水素基、または芳香族炭化水素基を表す。)で示されるチオール基含有アルコキシシラン類(a1)と水とを固体酸触媒を用いて加水分解反応させた後、固体酸触媒を除去し、続いて塩基性触媒を含む極性溶剤中に先の反応生成物を添加して縮合させることによって得た、シラノール基が存していないことを特徴とするチオール基含有シルセスキオキサン(A)、ならびに炭素−炭素2重結合を分子内に複数個有する化合物(B)、エポキシ基を分子内に複数個有する化合物(C)およびイソシアネート基を分子内に複数個有する化合物(D)からなる群から選択される少なくとも一種を含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  6. チオール基含有シルセスキオキサン(A)および炭素−炭素2重結合を分子内に複数個有する化合物(B)、ならびにエポキシ基を分子内に複数個有する化合物(C)およびイソシアネート基を分子内に複数個有する化合物(D)からなる群から選択される少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項5記載の硬化性樹脂組成物。
  7. 化合物(B)がアリル基含有化合物である請求項5または6に記載の硬化性樹脂組成物。
  8. 化合物(C)が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂および脂環式エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項5〜7のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  9. 化合物(D)が、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート化物である請求項5〜8のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物。
  10. 請求項5〜9のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化させて得られることを特徴とする硬化物。
  11. 請求項5〜9のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物をガラスクロスに含浸させた後、硬化させて得られることを特徴とする透明基板。
  12. 光学部材用途に適した請求項11に記載の透明基板。
  13. 請求項5〜9のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を硬化させて得られたコーティング層を基材上に有することを特徴とする物品。
  14. コーティング層の屈折率が基材の屈折率よりも高い請求項13記載の物品。
  15. 光学部材用途に適した請求項14記載の物品。
  16. 請求項5〜9のいずれかに記載の硬化性樹脂組成物を封止材として用い、硬化させて得られることを特徴とする封止物品。
  17. 光学部材用途に適した請求項16記載の封止物品。
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