JP2023039242A - 液晶滴下工法用液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示パネル - Google Patents

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正弘 内藤
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Abstract

【課題】本発明は、柔軟性、低透湿性、つぶれ性に優れる液晶滴下工法用液晶シール剤、及びその硬化物でシールされた液晶表示セルを提供する。【解決手段】成分(A)平均粒子径が0.4μm以下の充填剤と、成分(B)硬化性化合物と、成分(C)液状硬化剤と、を含有する液晶滴下工法用液晶シール剤であって、前記成分(A)の含有量は前記成分(B)100重量部に対して5重量部以上25重量部以下であり、E型粘度計を用いて、25℃で測定した5rpmにおける粘度が340Pa・s以下である液晶滴下工法用液晶シール剤。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶滴下工法用液晶シール剤、及びその硬化物で封止された液晶表示セルに関する。
近年、液晶表示セルの製造法としては、量産性の高い液晶滴下工法が広く用いられている。液晶滴下工法は、一方の基板に形成された液晶シール剤の内側に液晶を滴下し、もう一方の基板を真空下で貼り合わせ、その後、大気解放することで大気圧により液晶シール剤を所定のギャップ(基板間距離)までつぶした後、液晶シール剤を紫外線硬化や熱硬化させることで液晶表示セルを製造する方法である。
しかしながら、近年、液晶表示セルの大型化や狭ギャップ化の影響により、液晶シール剤が所定のギャップまでつぶれないといった不具合が起きている。これにより液晶ディスプレイの中央部と周辺部でギャップが異なり、所望の表示特性が発現できなくなる。
また、最近では、湾曲した形状のディスプレイや、フレキシブル性に富んだディスプレイが開発され製品化されており、こういったディスプレイに使用される基板は、従来のガラスのような剛直なものに代わって、プラスチックフィルムのような柔軟なものが使用される(特許文献1)。このような柔軟な基板はギャップ形成時において基板全体に均一な大気圧が掛からないため、ギャップ不良の要因の一つとなっている。
また、柔軟な基板の導入により、液晶シール剤には基板等のたわみに追従するような、すなわち硬化後においても柔軟であるという性質も要求されつつある。柔軟性に優れる液晶シール剤は、接着強度においても有利である。例えば、衝撃による剥離や機材破壊を軽減することができる。この観点からも、液晶シール剤に対する柔軟性付与という要求は高くなっている。
一方、硬化物の柔軟性を高めるためには、硬化物の架橋密度を下げることが有効な手段である。しかし、架橋密度が下がると透湿性を悪化させるのが通常である。これはネットワークの緩い部分から水分が侵入する為であると考えられる。従って、低透湿性を担保する為には、架橋密度を下げずに柔軟性を高めるか、架橋密度は下げるが透湿性を悪化させないという、相反する特性の実現が必要となる。
特開2012-238005号公報
本発明は、フレキシブルディスプレイや湾曲形状のディスプレイにも適用できる液晶シール剤に関する。より詳細には、柔軟性、低透湿性、つぶれ性に優れる液晶滴下工法用液晶シール剤、及びその硬化物でシールされた液晶表示セルを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の液晶滴下工法用液晶シール剤がつぶれ性に優れることを見出し、本発明に至ったものである。
なお、本明細書中、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及び/又は「メタクリレート」を意味する。
すなわち本発明は以下の[1]~[9]に関する。なお、本願において「(数値1)~(数値2)」は上下限値を含むことを示す。
[1]
成分(A)平均粒子径が0.4μm以下の充填剤と、成分(B)硬化性化合物と、成分(C)液状硬化剤と、を含有する液晶滴下工法用液晶シール剤であって、
前記成分(A)の含有量は前記成分(B)100重量部に対して5重量部以上25重量部以下であり、
E型粘度計を用いて、25℃で測定した5rpmにおける粘度が340Pa・s以下である液晶滴下工法用液晶シール剤。
[2]
前記成分(A)として、ウレタン微粒子、アクリル微粒子、スチレン微粒子、スチレンオレフィン微粒子、及びシリコーン微粒子からなる群より選択される1又は2以上の有機フィラーを含有する前項[1]に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
[3]
前記成分(B)として、ウレタン(メタ)アクリレートを含有する前項[1]又は[2]に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
[4]
前記成分(C)がチオール基を有する化合物である前項[1]乃至[3]のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
[5]
更に、成分(D)固形硬化剤を前記成分(B)100重量部に対して0.1重量部以上1.0重量部以下含有する前項[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
[6]
更に、成分(E)熱ラジカル重合開始剤を含有する前項[1]乃至[5]のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
[7]
前記成分(E)が分子内に酸素-酸素結合(-O-O-)及び窒素-窒素結合(-N=N-)を含まない熱ラジカル重合開始剤である前項[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
[8]
更に、成分(F)光ラジカル重合開始剤を含有する前項[1]乃至[7]のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
[9]
前項[1]乃至[8]のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤によって封止された液晶表示パネル。
本発明は、柔軟性、低透湿性、つぶれ性に優れる液晶滴下工法用液晶シール剤、及びその硬化物でシールされた液晶表示セルを提供することができる。
本発明の液晶ディスプレイ用液晶シール剤(以下、単に「液晶シール剤」ともいう。)は、成分(A)平均粒子径が0.4μm以下の充填剤と、成分(B)硬化性化合物と、成分(C)液状硬化剤と、を含有し、前記成分(A)の含有量は前記成分(B)100重量部に対して5重量部以上25重量部以下であり、25℃で測定した5rpmにおける粘度が340Pa・s以下である。
本発明者らはつぶれ性が液晶シール剤の粘度にも影響を受けることを見出した。粘度が高い液晶シール剤はギャップ形成する際に大気圧に抵抗する力が強くなるためと考えられる。E型粘度計を用いて、25℃、5rpmの条件で測定した粘度は340Pa・s以下であることが好ましく、330Pa・s以下であることがさらに好ましい。好ましい下限は特にはないが、耐液晶差し込み性を考慮すると、100Pa・s以上であることが好ましく、150Pa・s以上であることがさらに好ましい。
本発明での粘度測定は下記の条件で行った。
E型粘度計(東機産業株式会社製:RE105)の測定カップに液晶シール剤を0.15mL加えた。温度25℃、コーン3°×R7.7の条件でプレヒートとして120秒放置した後、回転数5rpmで180秒後の値を測定した
つぶれ性は、基板を貼り合わせした後の基板間ギャップを光学装置や段差計等で測定することができるが、本発明では、以下のように基板貼り合わせ後の干渉縞暗線を観察した。縦150mm横150mm厚さ0.5mmのガラス基板に液晶シール剤を貼り合せ後に線幅1.8mm縦10mm横10mmの正方形にとなるようなメインシール25個とその外側にダミーシールをディスペンスし、更にもう一枚のガラス基板に面内スペーサ(ハヤビーズ3DS-XD4.05μm;早川ゴム株式会社製;貼り合せ後のギャップ幅4μm)を散布、熱固着し、貼り合せ装置を用いて真空中で先のシール剤ディスペンス基板と貼り合せた。大気開放して3分後、UV照射機によりUV光(測定波長:365nm)10000mJ/cmの紫外線をし、評価用セルを作成した。評価用セルを干渉縞検査ランプ(FNA-35;フナテック株式会社)にて観察を行い、25セルの内側の干渉縞暗線の本数を計測し、その平均値を求めた。この際、干渉縞暗線の本数の平均値は4.5本以下であることが好ましい。つぶれ性に優れる液晶シール剤は、大気圧により面内スペーサの高さまでつぶれるため、ガラス基板は平坦となり、干渉縞暗線の本数の平均値は4.5本以下となり、特に好ましいものは4.0本以下となる。しかし、つぶれ性の悪い液晶シール剤は面内スペーサの高さまでつぶれないため、液晶シール剤とその周辺でギャップが異なることとなり、干渉縞暗線が多く観察される。
本発明の液晶シール剤は、高柔軟性、低透湿性を有するものであることが好ましい。柔軟性は、弾性率により評価することができる。紫外線3000mJ/cm(測定波長:365nm)照射後に120℃60分の条件で硬化させた100μmの厚みの硬化物の万能試験機(島津製作所製:オートグラフAG-Xplus500N)で測定した際の弾性率としては室温(25℃)において100MPa以上3000MPa以下であることが好ましく、300MPa以上2500MPa以下であることが更に好ましく、400MPa以上2000MPa以下であることが特に好ましい。上記範囲の液晶シール剤は、ディスプレイに掛かる応力に追従することができることから好ましいと言える。
透湿性としては、紫外線3000mJ/cm(測定波長:365nm)照射後に120℃60分の条件で硬化させた300μmの厚みの硬化物において、透湿度が60℃90%の条件下100g/m・24h以下であることが好ましく、80g/m・24h以下であることがさらに好ましく、70g/m・24h以下であることが特に好ましい。
[(A)平均粒子径が0.4μm以下の充填剤]
成分(A)平均粒子径が0.4μm以下の充填剤(以下、単に成分(A)ともいう。)は、平均粒子径が0.4μm以下の充填剤であり、有機フィラーや無機フィラーが例示される。
本発明において平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定器(乾式)(株式会社セイシン企業製;LMS-30)により測定することができる。また、市販品であれば、上記方法に限らず各社カタログに明記されている値を用いても良い。
平均粒子径の下限値は特に限定されないが、0.001μm以上であることが好ましく、0.01μm以上であることがさらに好ましく、0.1μm以上であることが特に好ましい。また、上限値は0.4μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることがさらに好ましい。上記範囲にあることで分散が容易であり、ギャップ性も良好になるからである。
また、粒子の形状は球状、板状、もしくは他の形状であってもよいがギャップ性を考慮すると球状であることが好ましい。
成分(A)の含有量は後述する硬化性化合物100重量部に対して5重量部以上25重量部以下であることが好ましく、10重量部以上24重量部以下であることがさらに好ましく、10重量部以上22重量部以下であることが特に好ましい。
[有機フィラー]
有機フィラーとしては、例えばウレタン微粒子、アクリル微粒子、スチレン微粒子、スチレンオレフィン微粒子及びシリコーン微粒子が挙げられる。なおシリコーン微粒子としてはKMP-594、KMP-597、KMP-598(信越化学工業製)、トレフィルRTME-5500、9701、EP-2001(東レダウコーニング社製)が好ましく、ウレタン微粒子としてはJB-800T、HB-800BK(根上工業株式会社)、スチレン微粒子としてはラバロンRTMT320C、T331C、SJ4400、SJ5400、SJ6400、SJ4300C、SJ5300C、SJ6300C(三菱化学製)が好ましく、スチレンオレフィン微粒子としてはセプトンRTMSEPS2004、SEPS2063が好ましい。
これら有機フィラーは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また2種以上を用いてコアシェル構造としても良い。これらのうち、好ましくは、アクリル微粒子、シリコーン微粒子である。
上記アクリル微粒子を使用する場合、2種類のアクリルゴムからなるコアシェル構造のアクリルゴムである場合が好ましく、特に好ましくはコア層がn-ブチルアクリレートであり、シェル層がメチルメタクリレートであるものが好ましい。これはゼフィアックRTMF-351としてアイカ工業株式会社から販売されている。
また、上記シリコーン微粒子としては、オルガノポリシロキサン架橋物粉体、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋物粉体等があげられる。また、複合シリコーンゴムとしては、上記シリコーンゴムの表面にシリコーン樹脂(例えば、ポリオルガノシルセスキオキサン樹脂)を被覆したものがあげられる。これらの微粒子のうち、特に好ましいのは、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋粉末のシリコーンゴム又はシリコーン樹脂被覆直鎖ジメチルポリシロキサン架橋粉末の複合シリコーンゴム微粒子である。これらのものは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、好ましくは、ゴム粉末の形状は、添加後の粘度の増粘が少ない球状が良い。
[無機フィラー]
無機フィラーとしては、シリカ、シリコンカーバイド、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸リチウムアルミニウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、硝子繊維、炭素繊維、二硫化モリブデン、アスベスト等が挙げられ、好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウムが挙げられるが、好ましくはシリカ、アルミナ、タルクである。これら無機フィラーは2種以上を混合して用いても良い。
[(B)硬化性化合物]
本発明の液晶シール剤は、成分(B)として、硬化性化合物(以下、単に「成分(B)」ともいう。)を含有する。
成分(B)としては、光や熱等によって硬化する化合物であれば特に限定されないが、(メタ)アクリル基またはエポキシ基を有する化合物である場合が好ましく、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂、ポリブタジエン化合物である場合が特に好ましい。
[(メタ)アクリレート]
(メタ)アクリレートの具体例としては、N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、アクリロイルモルホリン、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン-1,4-ジメタノールモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルポリエトキシ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、p-クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸のエステルジアクリレートやネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸のエステルのε-カプロラクトン付加物のジアクリレート等のモノマー類を挙げることができる。好ましくは、o-フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、を挙げることができる。
[エポキシ(メタ)アクリレート]
エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応により公知の方法で得られる。原料となるエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、2官能以上のエポキシ樹脂が好ましく、例えば、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂、その他、カテコール、レゾルシノール等の二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などが挙げられる。これらのうち液晶汚染性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やレゾルシンジグリシジルエーテルが好ましい。また、エポキシ基と(メタ)アクリロイル基との比率は限定されるものではなく、工程適合性の観点から適切に選択される。
なお、エポキシ基の一部をアクリルエステル化する部分エポキシ(メタ)アクリレートが好適に使用される。この場合のアクリル化の割合は、30~70%程度が好ましい。
[ウレタン(メタ)アクリレート]
ウレタン(メタ)アクリレートはウレタン構造特有の柔軟な骨格を有していることにより、硬化物が柔軟かつ低透湿性の特性を有し、フレキシブルディスプレイにおける折り曲げにも追従することができるため、硬化性化合物として使用することが好ましく、ポリエステル構造を有するものを使用することがさらに好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートは、(a)ポリオールと(b)有機ポリイソシアネートと(c)水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して、常法で合成することにより得ることができ、必要に応じて錫化合物等の触媒を使用する。
ウレタン(メタ)アクリレートの合成においては、前記成分(a)の水酸基1当量に対して、成分(b)のイソシアネート基1.1~2.0当量を反応させることが好ましく、1.3~2.0当量を反応させることが特に好ましい。反応温度は、室温(25℃)~100℃が好ましい。
成分(a)と成分(b)との反応物中のイソシアネート基1当量あたり、成分(c)中の水酸基0.95~1.1当量を反応させることが好ましい。反応温度は、室温(25℃)~100℃が好ましい。
(a)ポリオールの具体例としては、トリシクロデカンジメタノール、水素化ポリブタジエンポリオール、ダイマージオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,20-イコサンジオール、1-メチル-1,8-オクタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAポリ(n≒2~20)エトキシジオール、ビスフェノールAポリ(n≒2~20)プロポキシジオール等のジオール(a-1)、これらジオール(a-1)と二塩基酸又はその無水物(例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸あるいは、これらの無水物)との反応物であるポリエステルポリオール(a-2)等を挙げることができる。好ましくは、ポリエステルポリオール、および芳香環を有するポリオールであり、特に好ましくは芳香環を有するポリエステルポリオールである。芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナンスロリン環などの芳香族炭化水素環;フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環などの芳香族複素環;が挙げられ、好ましくはベンゼン環またはナフタレン環である。
成分(a)は単独で用いても良いし、2種類以上を混合しても良い。
(b)有機ポリイソシアネートの具体例としては、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4、4’-シクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジメリルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、3、3’-ジメチル-4,4’-ジフェニレンジイソシアネート等を挙げることができる。好ましくは、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートを挙げることができる。
(c)水酸基含有(メタ)アクリレートの具体例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε-カプロラクトン付加物、2-ヒドロキシ-3-フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。好ましくは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートのGPCにおけるポリスチレン換算の重量平均分子量の下限値が1000以上であることが好ましく、更に好ましくは2000以上、特に好ましくは3000以上、最も好ましくは4000以上である。また、上限値は10000以下であることが好ましく、更に好ましくは8000以下、特に好ましくは7000以下、最も好ましくは6000以下である。上記範囲にあることにより、柔軟性、透湿性を良好に保ちつつ、液晶シール剤の粘度が適切な範囲となる。
[エポキシ樹脂]
本発明の態様として、成分(B)中に、エポキシ樹脂が含有される場合も好ましい。
エポキシ樹脂としては特に限定されるものではないが、2官能以上のエポキシ樹脂が好ましく、例えば、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂、その他、カテコール、レゾルシノール等の二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などが挙げられる。これらのうち液晶汚染性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やレゾルシンジグリシジルエーテルが好ましい。
[ポリブタジエン化合物]
また、成分(B)中に、エポキシ基または(メタ)アクリル基を有するポリブタジエン化合物を用いることも本発明の好ましい態様である。エポキシ基を有するポリブタジエン化合物としては、例えば、日本曹達株式会社製JP-100、JP-200として市場から入手することができる。(メタ)アクリル基を有するポリブタジエン化合物としては、例えば、日本曹達株式会社製TEAI-1000、TE-2000として市場から入手することができる。
これらポリブタジエン化合物の数平均分子量は、液晶汚染性低減の観点から、成分下限は500が好ましく、更に好ましくは750、特に好ましくは1000である。また、ハンドリング性の観点から、数平均分子量の上限は10000が好ましく、更に好ましくは8000、特に好ましくは6000である。
成分(B)は上記の材料を単独で用いても良いし、2種類以上を混合しても良い。成分(B)は、液晶シール剤総量中50~95質量%であることが好ましく、さらに好ましくは70~90質量%である。
[(C)液状硬化剤]
本発明の液晶シール剤は、成分(C)として、液状硬化剤(以下、単に「成分(C)」ともいう。)を含有する。液状硬化剤とは25℃において液体である硬化剤のことをいう。
成分(C)としてはアミン化合物、ケチミン化合物、イミダゾール化合物、チオール基を有する化合物が挙げられ、好ましくはチオール基を有する化合物である。これら液状硬化剤は液晶汚染防止の観点から溶剤を含まないことが好ましい。また、硬化性と可使時間の両立の観点から硬化時の発熱開始温度が90℃以上150℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは110℃以上130℃以下である。
アミン化合物としては、例えば、株式会社T&K TOKA製フジキュアー7000、フジキュアー7001、フジキュアー7000、ケチミン化合物としては、例えば、株式会社ADEKA製アデカハードナーEH-235R-2、築野グループ株式会社製TMA K13、TMA K22、三菱ケミカル株式会社製jERキュアH3、jERキュアH30、イミダゾール化合物としては、例えば、株式会社ADEKA製アデカハードナーEH-2021が挙げられ、市販品として入手可能である。
チオール基を有する化合物としては、例えば、メタンジチオール、1,2-ジメルカプトエタン、1,2-ジメルカプトプロパン、2,2-ジメルカプトプロパン、1,3-ジメルカプトプロパン、1,2,3-トリメルカプトプロパン、1,4-ジメルカプトブタン、1,6-ジメルカプトヘキサン、ビス(2-メルカプトエチル)スルフィド、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオ)エタン、1,5-ジメルカプト-3-オキサペンタン、1,8-ジメルカプト-3,6-ジオキサオクタン、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジチオール、3,4-ジメトキシブタン-1,2-ジチオール、2-メルカプトメチル-1,3-ジメルカプトプロパン、2-メルカプトメチル-1,4-ジメルカプトブタン、2-(2-メルカプトエチルチオ)-1,3-ジメルカプトプロパン、1,2-ビス(2-メルカプトエチルチオ)-3-メルカプトプロパン、1,1,1-トリス(メルカプトメチル)プロパン、テトラキス(メルカプトメチル)メタン、エチレングリコールビス(2-メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、1,4-ブタンジオールビス(2-メルカプトアセテート)、1,4-ブタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2-メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2-メルカプトセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、1,1-ジメルカプトシクロヘキサン、1,4-ジメルカプトシクロヘキサン、1,3-ジメルカプトシクロヘキサン、1,2-ジメルカプトシクロヘキサン、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2-メルカプトアセテート)、1,2-ジメルカプトベンゼン、1,3-ジメルカプト-2-プロパノール、2,3-ジメルカプト-1-プロパノール、1,2-ジメルカプト-1,3-ブタンジオール、ヒドロキシチル-トリス(メルカプトエチルチオメチル)メタン、ヒドロキシエチルチオメチル-トリス(メルカプトエチルチオ)メタン、エチレングリコールビス(3-メルカプトプロオネート)、プロピレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、オクタンジオールビス(3-メルカプトプロピオネート)、テトラエチレングリコールビス(3-メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(4-メルカプトブチレート)、プロピレングリコールビス(4-メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(4-メルカプトブチレート)、オクタンジオールビス(4-メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(4-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(4-メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(6-メルカプトバレレート)、プロピレングリコールビス(6-メルカプトバレレート)、ブタンジオールビス(6-メルカプトバレレート)、オクタンジオールビス(6-メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパントリス(6-メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(6-メルカプトバレレート)、1,6-ヘキサンジチオール、1,9-ノナンジチオール、1,10-デカンジチオール、4,4’-ビス(メルカプトメチル)フェニルスルフィド、2,4’-ビス(メルプトメチル)フェニルスルフィド、2,4,4’-トリ(メルカプトメチル)フェニルスルフィド、2,2’,4,4’-テトラ(メルカプトメチル)フェニルスルフィド、1,3,5-トリス[2-(3-メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン等が挙げられ、これらを単独で用いても2種以上混合して用いても良い。
これらのうち、好ましいものは、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3-メルカプトプロピオネート)、1,3,5-トリス[2-(3-メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)が好ましく、さらに好ましくは、液晶汚染性及び室温での保存安定性の観点から、2級チオール構造を持つ1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)が特に好ましい。
これらのチオール基を有する化合物は、公知の方法で製造してもよく、市販されているものを使用してもよい。市販されているものとしては、カレンズMTRTMPE1、BD1、NR1、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3-メルカプトブチレート)(いずれも昭和電工株式会社製)、ポリチオールRTM340M(東レ・ファインケミカル株式会社製)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトプロピオネート)(SC有機化学社製)等が挙げられる。
また、分子内に3官能以上のチオール基を有する化合物であることも好ましい。例えば、2,4,4’-トリ(メルカプトメチル)フェニルスルフィド、2,2’,4,4’-テトラ(メルカプトメチル)フェニルスルフィド、1,3,5-トリス[2-(3-メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(3-メルカプトブチルオキシエチル)1,3,5-トリアジン-2,4,6(1H,3H,5H)-トリオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、1,4-ビス(3-メルカプトブチリルオキシ)ブタン等が挙げられる。架橋密度の向上により、耐熱性等を向上できるためである。また、特に液晶表示セルに使用した場合、液晶への溶出を抑え、高信頼性を実現することができる。
成分(C)は上記の材料を単独で用いても良いし、2種類以上を混合しても良い。成分(C)の含有量は成分(B)100重量部に対して1重量部以上10重量部以下であることが好ましく、2重量部以上8重量部以下であることがさらに好ましく、4重量部以上6重量部以下であることが特に好ましい。
[(D)固形硬化剤]
本発明の液晶シール剤は、成分(D)として、固形硬化剤(以下、単に「成分(D)」ともいう。)を含有する。固形硬化剤とは25℃において固形である硬化剤のことをいう。
成分(D)を一定量添加することにより、ギャップ性への悪影響を抑えつつ液晶シール剤の硬化性を向上させることができる。
成分(D)としては、例えば、分子内に芳香環に結合したカルボキシ基を有する化合物、多価アミン類、多価フェノール類、有機酸ヒドラジド等を挙げることができる。ただしこれらに限定されるものではない。例えば、芳香族ヒドラジドであるテレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、2,6-ナフトエ酸ジヒドラジド、2,6-ピリジンジヒドラジド、1,2,4-ベンゼントリヒドラジド、1,4,5,8-ナフトエ酸テトラヒドラジド、ピロメリット酸テトラヒドラジド等をあげることが出来る。また、脂肪族ヒドラジドであれば、例えば、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、1,4-シクロヘキサンジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、N,N’-ヘキサメチレンビスセミカルバジド、クエン酸トリヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、1,3-ビス(ヒドラジノカルボノエチル)-5-イソプロピルヒダントイン等のヒダントイン骨格、好ましくはバリンヒダントイン骨格(ヒダントイン環の炭素原子がイソプロピル基で置換された骨格)を有するジヒドラジド、トリス(1-ヒドラジノカルボニルメチル)イソシアヌレート、トリス(2-ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(1-ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(3-ヒドラジノカルボニルプロピル)イソシアヌレート、ビス(2-ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート等をあげることができる。硬化反応性と潜在性のバランスから好ましくは、イソフタル酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、トリス(1-ヒドラジノカルボニルメチル)イソシアヌレート、トリス(1-ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(2-ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(3-ヒドラジノカルボニルプロピル)イソシアヌレートである。
成分(D)は単独で用いても良いし、2種類以上を混合しても良い。成分(D)は前記成分(B)100重量部に対して0.1重量部以上1.0重量部以下添加することが好ましく、0.2重量部以上0.8重量部以下添加することがさらに好ましく、0.2重量部以上0.6重量部以下添加することが特に好ましい。
また、成分(D)は、ジェットミル等で粒子径を小さくすることが好ましく、具体的には平均粒子径が3.0μm以下であることが好ましく、2.5μm以下であることがさらに好ましく、2.0μm以下であることが特に好ましい。
[(E)熱ラジカル重合開始剤]
本発明の液晶シール剤は、(E)熱ラジカル重合開始剤(以下、単に「成分(E)」ともいう。)を含有して、硬化速度、硬化性を向上することができる。
成分(E)は、加熱によりラジカルを生じ、連鎖重合反応を開始させる化合物であれば特に限定されないが、有機過酸化物、アゾ化合物、ベンゾイン化合物、ベンゾインエーテル化合物、アセトフェノン化合物、ベンゾピナコール等が挙げられ、ベンゾピナコールが好適に用いられる。例えば、有機過酸化物としては、カヤメックRTMA、M、R、L、LH、SP-30C、パーカドックスCH-50L、BC-FF、カドックスB-40ES、パーカドックス14、トリゴノックスRTM22-70E、23-C70、121、121-50E、121-LS50E、21-LS50E、42、42LS、カヤエステルRTMP-70、TMPO-70、CND-C70、OO-50E、AN、カヤブチルRTMB、パーカドックス16、カヤカルボンRTMBIC-75、AIC-75(化薬アクゾ株式会社製)、パーメックRTMN、H、S、F、D、G、パーヘキサRTMH、HC、TMH、C、V、22、MC、パーキュアーRTMAH、AL、HB、パーブチルRTMH、C、ND、L、パークミルRTMH、D、パーロイルRTMIB、IPP、パーオクタRTMND(日油株式会社製)などが市販品として入手可能である。
また、アゾ化合物としては、VA-044、086、V-070、VPE-0201、VSP-1001(富士フイルム和光純薬株式会社製)等が市販品として入手可能である。
成分(E)として好ましいものは、分子内に酸素-酸素結合(-O-O-)及び窒素-窒素結合(-N=N-)を有さない熱ラジカル重合開始剤である。分子内に酸素-酸素結合(-O-O-)や窒素-窒素結合(-N=N-)を有する熱ラジカル重合開始剤は、ラジカル発生時に多量の酸素や窒素を発するため、液晶シール剤中に気泡を残した状態で硬化し、接着強度の低下、透湿度の低下、湿熱環境下での特性を低下等が起こる虞がある。ベンゾピナコール系の熱ラジカル重合開始剤(ベンゾピナコールを化学的に修飾したものを含む)が特に好適である。具体的には、ベンゾピナコール、1,2-ジメトキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジエトキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジフェノキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジメトキシ-1,1,2,2-テトラ(4-メチルフェニル)エタン、1,2-ジフェノキシ-1,1,2,2-テトラ(4-メトキシフェニル)エタン、1,2-ビス(トリメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ビス(トリエチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ビス(t-ブチルジメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-トリメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-トリエチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-t-ブチルジメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン等、が挙げられ、好ましくは1-ヒドロキシ-2-トリメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-トリエチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-t-ブチルジメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ビス(トリメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタンであり、さらに好ましくは1-ヒドロキシ-2-トリメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ビス(トリメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタンであり、特に好ましくは1,2-ビス(トリメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタンである。
上記ベンゾピナコールは東京化成工業株式会社、富士フイルム和光純薬株式会社等から市販されている。また、ベンゾピナコールのヒドロキシ基をエーテル化することは、周知の方法によって容易に合成可能である。また、ベンゾピナコールのヒドロキシ基をシリルエーテル化することは、対応するベンゾピナコールと各種シリル化剤をピリジン等の塩基性触媒下で加熱させる方法により合成して得ることができる。シリル化剤としては、一般に知られているトリメチルシリル化剤であるトリメチルクロロシラン(TMCS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、N,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(BSTFA)やトリエチルシリル化剤としてトリエチルクロロシラン(TECS)、t-ブチルジメチルシリル化剤としてt-ブチルメチルシラン(TBMS)等が挙げられる。これらの試薬はシリコン誘導体メーカー等の市場から容易に入手することが出来る。シリル化剤の反応量としては対象化合物のヒドロキシ基1モルに対して1.0~5.0倍モルが好ましい。さらに好ましくは1.5~3.0倍モルである。1.0倍モルより少ないと反応効率が悪く、反応時間が長くなるため熱分解を促進してしまう。5.0倍モルより多いと回収の際に分離が悪くなったり、精製が困難になったりしてしまう。
成分(E)の含有量としては、本発明の液晶シール剤総量中、0.0001~5質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.0005~3質量%であり、0.001~1質量%が特に好ましい。
[(F)光ラジカル重合開始剤]
本発明の液晶シール剤は、成分(F)として光ラジカル重合開始剤(以下、単に「成分(F)」ともいう。)を含有しても良い。光ラジカル重合開始剤としては、紫外線や可視光の照射によって、ラジカルや酸を発生し、連鎖重合反応を開始させる化合物であれば特に限定されないが、例えば、ベンジルジメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエチルチオキサントン、ベンゾフェノン、2-エチルアンスラキノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、2-メチル-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノ-1-プロパン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスヒンオキサイド、カンファーキノン、9-フルオレノン、ジフェニルジスルヒド等を挙げることができる。具体的には、IRGACURERTM651、184、2959、127、907、369、379EG、819、784、754、500、OXE01、OXE02、OXE03、OXE04、DAROCURERTM1173、LUCIRINRTMTPO(いずれもBASF社製)、セイクオールRTMZ、BZ、BEE、BIP、BBI(いずれも精工化学株式会社製)、カヤキュアーDETX-S(日本化薬株式会社製)等を挙げることができる。これらの中で、好ましくは、オキシムエステル系開始剤であるIRGACURERTMOXE01、OXE02、OXE03、OXE04、およびチオキサントン系開始剤であるカヤキュアーDETX-Sである。
さらに、オキシムエステル系開始剤とチオキサントン系開始剤を併用することにより即硬化性と遮光部硬化性を両立でき、可視光でも硬化できることから好ましい。
本発明の液晶シール剤において、成分(F)を使用する場合には、液晶シール剤総量中、通常0.001~3質量%、好ましくは0.005~2質量%である。
[(O)その他成分]
本発明の液晶シール剤には、さらに必要に応じて、硬化促進剤、シランカップリング剤、ラジカル重合防止剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、溶剤などの添加剤を配合することができる。
[硬化促進剤]
本発明の液晶シール剤は、硬化促進剤を添加して、さらに反応性の向上を図ることができる。硬化促進剤としては、有機酸やイミダゾール等を挙げることができる。
有機酸としては、有機カルボン酸や有機リン酸等が挙げられるが、有機カルボン酸である場合が好ましい。具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、フランジカルボン酸等の芳香族カルボン酸、コハク酸、アジピン酸、ドデカン二酸、セバシン酸、チオジプロピオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリス(2-カルボキシメチル)イソシアヌレート、トリス(2-カルボキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2-カルボキシプロピル)イソシアヌレート、ビス(2-カルボキシエチル)イソシアヌレート等を挙げることができる。
また、イミダゾール化合物としては、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、2,4-ジアミノ-6(2’-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-ウンデシルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-エチル-4-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2-メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-3,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-ヒドロキシメチル-5-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニル-3,5-ジシアノエトキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
本発明の液晶シール剤において、硬化促進剤を使用する場合には、液晶シール剤の総量中、0.1~10質量%であることが好ましく、1~5質量%であることがさらに好ましい。
[シランカップリング剤]
上記シランカップリング剤としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N-(2-(ビニルベンジルアミノ)エチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤はKBMシリーズ、KBEシリーズ等として信越化学工業株式会社等によって販売されている為、市場から容易に入手可能である。本発明の液晶シール剤において、シランカップリング剤を使用する場合には、液晶シール剤総量中、0.05~3質量%が好適である。
[ラジカル重合防止剤]
上記ラジカル重合防止剤としては、光ラジカル重合開始剤や熱ラジカル重合開始剤等から発生するラジカルと反応して重合を防止する化合物であれば特に限定されるものではなく、キノン系、ピペリジン系、ヒンダードフェノール系、ニトロソ系等を用いることができる。具体的には、ナフトキノン、2-ヒドロキシナフトキノン、2-メチルナフトキノン、2-メトキシナフトキノン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル、2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-オキシル、2,2,6,6-テトラメチル-4-メトキシピペリジン-1-オキシル、2,2,6,6-テトラメチル-4-フェノキシピペリジン-1-オキシル、ハイドロキノン、2-メチルハイドロキノン、2-メトキシハイドロキノン、パラベンゾキノン、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチルクレゾール、ステアリルβ-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[β―(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]、2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン]、1,3,5-トリス(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)-sec-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)トリオン、パラメトキシフェノール、4-メトキシ-1-ナフトール、チオジフェニルアミン、N-ニトロソフェニルヒドロキシアミンのアルミニウム塩、商品名アデカスタブLA-81、商品名アデカスタブLA-82(株式会社アデカ製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちナフトキノン系、ハイドロキノン系、ニトロソ系、ピペラジン系のラジカル重合防止剤が好ましく、ナフトキノン、2-ヒドロキシナフトキノン、ハイドロキノン、2,6-ジ-tert-ブチル-P-クレゾール、ポリストップ7300P(伯東株式会社製)が更に好ましく、ポリストップ7300P(伯東株式会社製)が最も好ましい。
ラジカル重合防止剤の含有量としては本発明の液晶シール剤総量中、0.0001~1質量%が好ましく、0.001~0.5質量%が更に好ましく、0.005~0.2質量%が特に好ましい。
本発明の液晶シール剤を得る方法の一例としては、次に示す方法がある。まず、硬化性化合物、光ラジカル開始剤、熱ラジカル開始剤、ラジカル重合防止剤を90℃で加熱溶解させた後、室温まで冷却し、シランカップリング剤、硬化剤、硬化促進剤、充填剤、消泡剤、及びレベリング剤、溶剤等を添加し、公知の混合装置、例えば3本ロール、サンドミル、ボールミル等により均一に混合し、金属メッシュにて濾過することにより本発明の液晶シール剤を製造することができる。
本発明の液晶シール剤を用いて製造される液晶表示セルは、基板に所定の電極を形成した一対の基板を所定の間隔に対向配置し、周囲を本発明の液晶シール剤でシールし、その間隙に液晶が封入されたものである。封入される液晶の種類は特に限定されない。ここで、基板とはガラス、石英、プラスチック、シリコン等からなる少なくとも一方に光透過性がある組み合わせの基板から構成される。その製法としては、本発明の液晶シール剤に、グラスファイバー等のスペーサ(間隙制御材)を添加後、該一対の基板の一方にディスペンサー、またはスクリーン印刷装置等を用いて該液晶シール剤を塗布した後、必要に応じて、80~120℃で仮硬化を行う。その後、該液晶シール剤の堰の内側に液晶を滴下し、真空中にてもう一方のガラス基板を重ね合わせ、ギャップ出しを行う。ギャップ形成後、90~130℃で30分~2時間硬化することにより本発明の液晶表示セルを得ることができる。また光熱併用型として使用する場合は、紫外線照射機により液晶シール剤に紫外線を照射させて光硬化させる。紫外線照射量は、好ましくは500~6000mJ/cm、より好ましくは1000~4000mJ/cm(測定波長:365nm)の照射量が好ましい。その後必要に応じて、90~130℃で30分~2時間硬化することにより本発明の液晶表示セルを得ることができる。このようにして得られた本発明の液晶表示セルは、液晶汚染による表示不良が無く、接着性、耐湿信頼性に優れたものである。スペーサとしては、例えばグラスファイバー、シリカビーズ、ポリマービーズ等があげられる。その直径は、目的に応じ異なるが、通常2~8μm、好ましくは4~7μmである。その使用量は、本発明の液晶シール剤100質量部に対し通常0.1~4質量部、好ましくは0.5~2質量部、更に、好ましくは0.9~1.5質量部程度である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。尚、特別の記載のない限り、本文中「部」及び「%」とあるのは質量基準である。
[合成例1]
温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、メチルペンタンジオールとアジピン酸、イソフタル酸とのポリエステルポリオール(株式会社クラレ製P-2012、水酸基価54.6mgKOH/g)776.99gと、トルエンジイソシアネート(東ソー株式会社製コロネートT-100、分子量174.2)131.68gを仕込み、80℃で反応させた。このときのイソシアネート含有量は、過剰のアミンを添加し塩酸にて逆滴定することで求め、その値が計算値から求められるイソシアネートの残留量のプラスマイナス2%の範囲であることを確認した。次いで、メトキノン(重合禁止剤)0.6g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(分子量116.1)90.43g、ジブチル錫ジラウレート(触媒)0.3gを添加し、80℃にて撹拌し、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失するまで反応を行い、重量平均分子量6300のウレタンアクリレートオリゴマーを得た。
[合成例2]
市販ベンゾピナコール(東京化成製)100部(0.28モル)をジメチルホルムアルデヒド350部に溶解させた。これに塩基触媒としてピリジン32部(0.4モル)、シリル化剤としてBSTFA(信越化学工業製)150部(0.58モル)を加え70℃まで昇温し、2時間攪拌した。得られた反応液を冷却し、攪拌しながら、水200部を入れ、生成物を沈殿させると共に未反応シリル化剤を失活させた。沈殿した生成物をろ別分離した後十分に水洗した。次いで得られた生成物をアセトンに溶解し、水を加えて再結晶させ、精製した。目的の1,2-ビス(トリメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタンを105.6部(収率88.3%)得た。
[実施例1~18、比較例1~9]
下記表1、2に示す割合で成分硬化性化合物、光ラジカル開始剤、熱ラジカル開始剤、ラジカル重合防止剤を90℃で加熱溶解させた後、室温まで冷却し、シランカップリング剤、硬化剤、硬化促進剤、充填剤を添加し、攪拌した後、3本ロールミルにて分散させ、金属メッシュ(635メッシュ)で濾過し、液晶シール剤を調製した。
[評価]
[粘度]
E型粘度計(東機産業株式会社製:RE105)の測定カップに液晶シール剤を0.15mL加えた。温度25℃、コーン3°×R7.7の条件でプレヒートとして120秒放置した後、回転数5rpmで180秒後の値を測定した。結果は表1、2に記載する。
[干渉縞試験]
縦150mm横150mm厚さ0.5mmのガラス基板に液晶シール剤を貼り合せ後に線幅1.8mm縦10mm横10mmの正方形にとなるようなメインシール25個とその外側にダミーシールをディスペンスし、更にもう一枚のガラス基板に面内スペーサ(ハヤビーズ3DSーXD4.05μm;早川ゴム株式会社製;貼り合せ後のギャップ幅4μm)を散布、熱固着し、貼り合せ装置を用いて真空中で先のシール剤ディスペンス基板と貼り合せた。大気開放して3分後、UV照射機によりUV光(測定波長:365nm)10000mJ/cmの紫外線をし、評価用セルを作成した。
評価用セルを干渉縞検査ランプ(FNA-35;フナテック株式会社)にて観察を行い、25セルの内側の干渉縞暗線の本数を計測し、その平均値を求めた。結果は表1、2に記載する。
[弾性率]
実施例及び比較例で製造された液晶シール剤をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに挟み、厚み100μmの薄膜としたものにUV照射機により3000mJ/cm(測定波長:365nm)の紫外線を照射後、オーブンに投入して120℃60分熱硬化させ、硬化後PETフィルムを剥がしてサンプルとした。サンプルをテンシロン万能試験機(株式会社エー・アンド・デイ製、RTG-1210)を用いて、室温(25℃)下、試験速度5mm/分で引張試験を行い測定した。結果は表1、2に記載する。
[透湿度]
実施例及び比較例で製造された液晶シール剤をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに挟み、厚み300μmの薄膜としたものにUV照射機により3000mJ/cm(測定波長:365nm)の紫外線を照射後、オーブンに投入して120℃60分熱硬化させ、硬化後PETフィルムを剥がしてサンプルとした。サンプルの60℃90%での透湿度を透湿度測定機(Lyssy社製:L80-5000)にて測定した。結果は表1、2に記載する。
Figure 2023039242000001
Figure 2023039242000002
Figure 2023039242000003
表1、2の結果より、本発明の液晶シール剤は、干渉縞の平均本数が4.5本以下となっており、つぶれ性に優れることが確認された。また、本発明の液晶シール剤は柔軟性と低透湿の特性を両立することが確認された。
本発明の液晶シール剤は、つぶれ性に優れ、柔軟性と低透湿性も両立するものである為、特に薄型液晶ディスプレイ、湾曲形状の液晶ディスプレイ用の液晶シール剤として有用である。

Claims (9)

  1. 成分(A)平均粒子径が0.4μm以下の充填剤と、成分(B)硬化性化合物と、成分(C)液状硬化剤と、を含有する液晶滴下工法用液晶シール剤であって、
    前記成分(A)の含有量は前記成分(B)100重量部に対して5重量部以上25重量部以下であり、
    E型粘度計を用いて、25℃で測定した5rpmにおける粘度が340Pa・s以下である液晶滴下工法用液晶シール剤。
  2. 前記成分(A)として、ウレタン微粒子、アクリル微粒子、スチレン微粒子、スチレンオレフィン微粒子、及びシリコーン微粒子からなる群より選択される1又は2以上の有機フィラーを含有する請求項1に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  3. 前記成分(B)として、ウレタン(メタ)アクリレートを含有する請求項1又は2に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  4. 前記成分(C)がチオール基を有する化合物である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  5. 更に、成分(D)固形硬化剤を前記成分(B)100重量部に対して0.1重量部以上1.0重量部以下含有する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  6. 更に、成分(E)熱ラジカル重合開始剤を含有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  7. 前記成分(E)が分子内に酸素-酸素結合(-O-O-)及び窒素-窒素結合(-N=N-)を含まない熱ラジカル重合開始剤である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  8. 更に、成分(F)光ラジカル重合開始剤を含有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤によって封止された液晶表示パネル。
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