JP2023068692A - 液晶滴下工法用液晶シール剤及びそれを用いた液晶表示パネル - Google Patents

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正嘉 武藤
Masayoshi Muto
香津美 小淵
Katsumi Kofuchi
正弘 内藤
Masahiro Naito
昌博 木田
Masahiro Kida
理子 植原
Masako Uehara
拓哉 安達
Takuya Adachi
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Abstract

【課題】本発明は、特定の誘電率を有することで、液晶表示特性に優れる液晶滴下工法用液晶シール剤、及びその硬化物でシールされた液晶表示セルを提供する。【解決手段】成分(A)硬化性化合物と、成分(B)熱硬化剤と、を含有する液晶滴下工法用液晶シール剤であって、硬化後において、25℃で測定した1MHzにおける誘電率が2.2以上3.0未満である液晶滴下工法用液晶シール剤。【選択図】なし

Description

本発明は、液晶滴下工法用液晶シール剤、及びその硬化物で封止された液晶表示セルに関する。
近年、液晶表示セルの製造法としては、量産性の高い液晶滴下工法が広く用いられている。液晶滴下工法は、一方の基板に形成された液晶シール剤の内側に液晶を滴下し、もう一方の基板を真空下で貼り合わせ、その後、大気解放することで大気圧により液晶シール剤を所定のギャップ(基板間距離)までつぶした後、液晶シール剤を紫外線硬化や熱硬化させることで液晶表示セルを製造する方法である。
近年、液晶ディスプレイの狭額縁化が進み、液晶シール剤近傍の液晶も表示領域とされるようになってきたため、液晶シール剤近傍の配向ムラに対する要求特性が厳しくなっている。
特開2004-163763号公報
特許文献1には、硬化後の誘電率が3以上である液晶滴下工法用のシール剤又は封口剤に用いる硬化性樹脂組成物が開示されており、誘電率を3以上にする理由について、2002年の出願時に開発されていた液晶の誘電率を鑑みて、誘電率が3未満であると、硬化性樹脂組成物が液晶中に溶出し、液晶駆動電圧に影響を与え、表示ムラの原因となるためと考察している。
しかしながら、近年の液晶及び配向膜(特に光配向膜)の進化に伴い、液晶シール剤に対する要求特性も変化している。また、誘電率が液晶と大きく乖離する材料は、いったん溶出すると液晶と相溶性が悪いためにムラとして検出されやすくなる。
そこで、本発明は、特定の誘電率を有することで、液晶表示特性に優れる液晶滴下工法用液晶シール剤、及びその硬化物でシールされた液晶表示セルを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の液晶滴下工法用液晶シール剤がつぶれ性に優れることを見出し、本発明に至ったものである。
なお、本明細書中、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」及び/又は「メタクリレート」を意味する。
すなわち本発明は以下の[1]~[7]に関する。なお、本願において「(数値1)~(数値2)」は上下限値を含むことを示す。
[1]
成分(A)硬化性化合物と、成分(B)熱硬化剤と、を含有する液晶滴下工法用液晶シール剤であって、
硬化後において、25℃で測定した1MHzにおける誘電率が2.2以上3.0未満である液晶滴下工法用液晶シール剤。
[2]
ガラス転移温度が30℃以上100℃未満である前項[1]に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
[3]
前記成分(A)として、ウレタン(メタ)アクリレートを含有する前項[1]又は[2]に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
[4]
更に、成分(C)熱ラジカル重合開始剤を含有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
[5]
前記成分(C)が分子内に酸素-酸素結合(-O-O-)及び窒素-窒素結合(-N=N-)を含まない熱ラジカル重合開始剤である前項[1]乃至[4]のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
[6]
更に、成分(D)光ラジカル重合開始剤を含有する前項[1]乃至[5]のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
[7]
前項[1]乃至[6]のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤によって封止された液晶表示パネル。
本発明は、液晶表示特性に優れる液晶滴下工法用液晶シール剤、及びその硬化物でシールされた液晶表示セルを提供することができる。
本発明の液晶滴下工法用液晶シール剤(以下、単に「液晶シール剤」ともいう。)は、(A)硬化性化合物と、成分(B)硬化剤と、を含有するものであって、硬化後において、25℃で測定した1MHzにおける誘電率が2.2以上3.0未満である。
本発明者らは、上記特性を有する液晶シール剤が液晶表示特性に優れることを見出した。誘電率が2.2未満であると液晶への溶出量が多くなり、液晶表示ムラが発生しやすくなる。一方、誘電率が3.0より大きいと、液晶との誘電率差が大きくなり、ごく僅かな液晶シール剤成分が液晶中に溶出しただけで液晶表示ムラが発生しやすくなる。すなわち、近年の狭額縁の液晶ディスプレイでは、従来表示領域外であったために許容されてきた液晶シール剤近傍の液晶表示ムラも許容されなくなっている。なお、誘電率は2.3以上2.9未満であることが更に好ましい。
本発明の液晶シール剤の評価に用いる液晶の種類は問わないが、IPS液晶であることが好ましく、配向膜は光配向膜を使うことが特に好ましい。
本発明において、誘電率は下記の条件で行った。
液晶シール剤をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに挟み、厚み100μmの薄膜としたものにUV照射機により3000mJ/cm(測定波長:365nm)の紫外線を照射後、オーブンに投入して130℃40分熱硬化させ、硬化後PETフィルムを剥がしてサンプルとした。測定サンプルホルダーとしてSHZ-2を用いて、25℃、1MHzの条件で誘電率測定装置LCRメーター(PRECISION COMPONENT ANALYZER 6446B Wayne Kerr Electronics社製)で誘電率を測定した。
本発明の液晶シール剤は、高柔軟性、低透湿性を有するものであることが好ましい。
柔軟性に優れる液晶シール剤は、例えば、衝撃による剥離や機材破壊を軽減することができる点で重要となる。また、フレキシブル基板にも対応可能となる。柔軟性は、弾性率により評価することができる。紫外線3000mJ/cm(測定波長:365nm)照射後に130℃40分の条件で硬化させた100μmの厚みの硬化物の万能試験機(島津製作所製:オートグラフAG-Xplus500N)で測定した際の弾性率としては室温(25℃)において100MPa以上3000MPa以下であることが好ましく、300MPa以上2500MPa以下であることが更に好ましく、400MPa以上2000MPa以下であることが特に好ましい。上記範囲の液晶シール剤は、ディスプレイに掛かる応力に追従することができることから好ましいと言える。
低透湿性に優れる液晶シール剤は、長期信頼性試験においても安定した特性を示すことができる。透湿性は、紫外線3000mJ/cm(測定波長:365nm)照射後に130℃40分の条件で硬化させた300μmの厚みの硬化物において、透湿度が60℃90%の条件下100g/m・24h以下であることが好ましく、80g/m・24h以下であることがさらに好ましく、70g/m・24h以下であることが特に好ましい。
また、ガラス転移温度(Tg)は30℃以上100℃未満であることが好ましく、40℃以上90℃未満であることがさらに好ましく、50℃以上80℃未満であることが特に好ましい。長期信頼性試験においてガラス転移温度が30℃未満であると、液晶シール剤成分が液晶中に溶出しやすくなり液晶表示ムラや液晶表示特性に悪影響を及ぼす。逆にガラス転移温度が100℃以上であると硬化収縮による内部応力が大きくなるため、シール剤との接着界面ではがれやすくなることや接着強度が低下しやすくなる。
本発明においてガラス転移温度は、紫外線3000mJ/cm(測定波長:365nm)照射後に130℃40分の条件で硬化させた100μmの厚みの硬化物を、動的粘弾性測定装置(DMS-6100:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)の引っ張りモードにて周波数10Hz、昇温速度3℃/分の条件で測定した損失弾性率と貯蔵弾性率との比である損失係数tanδが最大値となる温度をガラス転移温度(Tg)とした。
[(A)硬化性化合物]
本発明の液晶シール剤は、成分(A)として、硬化性化合物(以下、単に「成分(A)」ともいう。)を含有する。
成分(A)としては、光や熱等によって硬化する化合物であれば特に限定されないが、(メタ)アクリル基またはエポキシ基を有する化合物である場合が好ましく、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂、ポリブタジエン化合物である場合が特に好ましい。
[(メタ)アクリレート]
(メタ)アクリレートの具体例としては、N-アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、アクリロイルモルホリン、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキサン-1,4-ジメタノールモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェニルポリエトキシ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、p-クミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸のエステルジアクリレートやネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸のエステルのε-カプロラクトン付加物のジアクリレート等のモノマー類を挙げることができる。好ましくは、o-フェニルフェノールモノエトキシ(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノールポリエトキシ(メタ)アクリレート、を挙げることができる。
[エポキシ(メタ)アクリレート]
エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応により公知の方法で得られる。原料となるエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、2官能以上のエポキシ樹脂が好ましく、例えば、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂、その他、カテコール、レゾルシノール等の二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などが挙げられる。これらのうち液晶汚染性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やレゾルシンジグリシジルエーテルが好ましい。また、エポキシ基と(メタ)アクリロイル基との比率は限定されるものではなく、工程適合性の観点から適切に選択される。
なお、エポキシ基の一部をアクリルエステル化する部分エポキシ(メタ)アクリレートが好適に使用される。この場合のアクリル化の割合は、30~70%程度が好ましい。
[ウレタン(メタ)アクリレート]
ウレタン(メタ)アクリレートはウレタン構造特有の柔軟な骨格を有していることにより、硬化物が柔軟かつ低透湿性の特性を有し、フレキシブルディスプレイにおける折り曲げにも追従することができるため、硬化性化合物として使用することが好ましく、ポリエステル構造を有するものを使用することがさらに好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートは、(a)ポリオールと(b)有機ポリイソシアネートと(c)水酸基含有(メタ)アクリレートを反応して、常法で合成することにより得ることができ、必要に応じて錫化合物等の触媒を使用する。
ウレタン(メタ)アクリレートの合成においては、前記成分(a)の水酸基1当量に対して、成分(b)のイソシアネート基1.1~2.0当量を反応させることが好ましく、1.3~2.0当量を反応させることが特に好ましい。反応温度は、室温(25℃)~100℃が好ましい。
成分(a)と成分(b)との反応物中のイソシアネート基1当量あたり、成分(c)中の水酸基0.95~1.1当量を反応させることが好ましい。反応温度は、室温(25℃)~100℃が好ましい。
(a)ポリオールの具体例としては、トリシクロデカンジメタノール、水素化ポリブタジエンポリオール、ダイマージオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,16-ヘキサデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,20-イコサンジオール、1-メチル-1,8-オクタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールAポリ(n≒2~20)エトキシジオール、ビスフェノールAポリ(n≒2~20)プロポキシジオール等のジオール(a-1)、これらジオール(a-1)と二塩基酸又はその無水物(例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フタル酸あるいは、これらの無水物)との反応物であるポリエステルポリオール(a-2)等を挙げることができる。好ましくは、ポリエステルポリオール、および芳香環を有するポリオールであり、特に好ましくは芳香環を有するポリエステルポリオールである。芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナンスロリン環などの芳香族炭化水素環;フラン環、ピロール環、チオフェン環、ピリジン環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環などの芳香族複素環;が挙げられ、好ましくはベンゼン環またはナフタレン環である。
成分(a)は単独で用いても良いし、2種類以上を混合しても良い。
(b)有機ポリイソシアネートの具体例としては、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4、4’-シクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジメリルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、3、3’-ジメチル-4,4’-ジフェニレンジイソシアネート等を挙げることができる。好ましくは、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートを挙げることができる。
(c)水酸基含有(メタ)アクリレートの具体例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのε-カプロラクトン付加物、2-ヒドロキシ-3-フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。好ましくは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
ウレタン(メタ)アクリレートのGPCにおけるポリスチレン換算の重量平均分子量の下限値が1000以上であることが好ましく、更に好ましくは2000以上、特に好ましくは3000以上、最も好ましくは4000以上である。また、上限値は10000以下であることが好ましく、更に好ましくは8000以下、特に好ましくは7000以下、最も好ましくは6000以下である。上記範囲にあることにより、柔軟性、透湿性を良好に保ちつつ、液晶シール剤の粘度が適切な範囲となる。
[エポキシ樹脂]
本発明の態様として、成分(B)中に、エポキシ樹脂が含有される場合も好ましい。
エポキシ樹脂としては特に限定されるものではないが、2官能以上のエポキシ樹脂が好ましく、例えば、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン骨格を有するフェノールノボラック型エポキシ樹脂、その他、カテコール、レゾルシノール等の二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、およびそれらのハロゲン化物、水素添加物などが挙げられる。これらのうち液晶汚染性の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やレゾルシンジグリシジルエーテルが好ましい。
[ポリブタジエン化合物]
また、成分(B)中に、エポキシ基または(メタ)アクリル基を有するポリブタジエン化合物を用いることも本発明の好ましい態様である。エポキシ基を有するポリブタジエン化合物としては、例えば、日本曹達株式会社製JP-100、JP-200として市場から入手することができる。(メタ)アクリル基を有するポリブタジエン化合物としては、例えば、日本曹達株式会社製TEAI-1000、TE-2000として市場から入手することができる。
これらポリブタジエン化合物の数平均分子量は、液晶汚染性低減の観点から、成分下限は500が好ましく、更に好ましくは750、特に好ましくは1000である。また、ハンドリング性の観点から、数平均分子量の上限は10000が好ましく、更に好ましくは8000、特に好ましくは6000である。
成分(A)は上記の材料を単独で用いても良いし、2種類以上を混合しても良い。成分(A)は、液晶シール剤総量中50~95質量%であることが好ましく、さらに好ましくは70~90質量%である。
[(B)熱硬化剤]
本発明の液晶シール剤は、成分(B)として熱硬化剤(以下、単に「成分(B)」ともいう。)を添加して、反応性の向上を図ることができる。
成分(B)としては、例えば、分子内に芳香環に結合したカルボキシ基を有する化合物、多価アミン類、多価フェノール類、有機酸ヒドラジド等を挙げることができる。ただしこれらに限定されるものではない。例えば、芳香族ヒドラジドであるテレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、2,6-ナフトエ酸ジヒドラジド、2,6-ピリジンジヒドラジド、1,2,4-ベンゼントリヒドラジド、1,4,5,8-ナフトエ酸テトラヒドラジド、ピロメリット酸テトラヒドラジド等をあげることが出来る。また、脂肪族ヒドラジドであれば、例えば、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、プロピオン酸ヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、1,4-シクロヘキサンジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、N,N’-ヘキサメチレンビスセミカルバジド、クエン酸トリヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、1,3-ビス(ヒドラジノカルボノエチル)-5-イソプロピルヒダントイン等のヒダントイン骨格、好ましくはバリンヒダントイン骨格(ヒダントイン環の炭素原子がイソプロピル基で置換された骨格)を有するジヒドラジド、トリス(1-ヒドラジノカルボニルメチル)イソシアヌレート、トリス(2-ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(1-ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(3-ヒドラジノカルボニルプロピル)イソシアヌレート、ビス(2-ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート等をあげることができる。硬化反応性と潜在性のバランスから好ましくは、イソフタル酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、トリス(1-ヒドラジノカルボニルメチル)イソシアヌレート、トリス(1-ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(2-ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレート、トリス(3-ヒドラジノカルボニルプロピル)イソシアヌレートであり、特に好ましくはトリス(2-ヒドラジノカルボニルエチル)イソシアヌレートである。
成分(B)は単独で用いても良いし、2種類以上を混合しても良い。本発明の液晶シール剤において、成分(B)を使用する場合には、液晶シール剤総量中、通常0.1~10質量%、好ましくは0.1~5質量%である。
[(C)熱ラジカル重合開始剤]
本発明の液晶シール剤は、(C)熱ラジカル重合開始剤(以下、単に「成分(C)」ともいう。)を含有して、硬化速度、硬化性を向上することができる。
熱ラジカル重合開始剤は、加熱によりラジカルを生じ、連鎖重合反応を開始させる化合物であれば特に限定されないが、有機過酸化物、アゾ化合物、ベンゾイン化合物、ベンゾインエーテル化合物、アセトフェノン化合物、ベンゾピナコール等が挙げられ、ベンゾピナコールが好適に用いられる。例えば、有機過酸化物としては、カヤメックRTMA、M、R、L、LH、SP-30C、パーカドックスCH-50L、BC-FF、カドックスB-40ES、パーカドックス14、トリゴノックスRTM22-70E、23-C70、121、121-50E、121-LS50E、21-LS50E、42、42LS、カヤエステルRTMP-70、TMPO-70、CND-C70、OO-50E、AN、カヤブチルRTMB、パーカドックス16、カヤカルボンRTMBIC-75、AIC-75(化薬アクゾ株式会社製)、パーメックRTMN、H、S、F、D、G、パーヘキサRTMH、HC、TMH、C、V、22、MC、パーキュアーRTMAH、AL、HB、パーブチルRTMH、C、ND、L、パークミルRTMH、D、パーロイルRTMIB、IPP、パーオクタRTMND(日油株式会社製)などが市販品として入手可能である。
また、アゾ化合物としては、VA-044、086、V-070、VPE-0201、VSP-1001(和光純薬工業株式会社製)等が市販品として入手可能である。
成分(C)として好ましいものは、分子内に酸素-酸素結合(-O-O-)及び窒素-窒素結合(-N=N-)を有さない熱ラジカル重合開始剤である。分子内に酸素-酸素結合(-O-O-)や窒素-窒素結合(-N=N-)を有する熱ラジカル重合開始剤は、ラジカル発生時に多量の酸素や窒素を発するため、液晶シール剤中に気泡を残した状態で硬化し、接着強度の低下、透湿度の低下、湿熱環境下での特性を低下等が起こる虞がある。ベンゾピナコール系の熱ラジカル重合開始剤(ベンゾピナコールを化学的に修飾したものを含む)が特に好適である。具体的には、ベンゾピナコール、1,2-ジメトキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジエトキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジフェノキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ジメトキシ-1,1,2,2-テトラ(4-メチルフェニル)エタン、1,2-ジフェノキシ-1,1,2,2-テトラ(4-メトキシフェニル)エタン、1,2-ビス(トリメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ビス(トリエチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ビス(t-ブチルジメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-トリメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-トリエチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-t-ブチルジメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン等、が挙げられ、好ましくは1-ヒドロキシ-2-トリメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-トリエチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1-ヒドロキシ-2-t-ブチルジメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ビス(トリメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタンであり、さらに好ましくは1-ヒドロキシ-2-トリメチルシロキシ-1,1,2,2-テトラフェニルエタン、1,2-ビス(トリメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタンであり、特に好ましくは1,2-ビス(トリメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタンである。
上記ベンゾピナコールは東京化成工業株式会社、富士フイルム和光純薬株式会社等から市販されている。また、ベンゾピナコールのヒドロキシ基をエーテル化することは、周知の方法によって容易に合成可能である。また、ベンゾピナコールのヒドロキシ基をシリルエーテル化することは、対応するベンゾピナコールと各種シリル化剤をピリジン等の塩基性触媒下で加熱させる方法により合成して得ることができる。シリル化剤としては、一般に知られているトリメチルシリル化剤であるトリメチルクロロシラン(TMCS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、N,O-ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド(BSTFA)やトリエチルシリル化剤としてトリエチルクロロシラン(TECS)、t-ブチルジメチルシリル化剤としてt-ブチルメチルシラン(TBMS)等が挙げられる。これらの試薬はシリコン誘導体メーカー等の市場から容易に入手することが出来る。シリル化剤の反応量としては対象化合物のヒドロキシ基1モルに対して1.0~5.0倍モルが好ましい。さらに好ましくは1.5~3.0倍モルである。1.0倍モルより少ないと反応効率が悪く、反応時間が長くなるため熱分解を促進してしまう。5.0倍モルより多いと回収の際に分離が悪くなったり、精製が困難になったりしてしまう。
成分(C)の含有量としては、本発明の液晶シール剤の総量中、0.0001~10質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.0005~5質量%であり、0.001~3質量%が特に好ましい。
[(D)光ラジカル重合開始剤]
本発明の液晶シール剤は、成分(D)として光ラジカル重合開始剤(以下、単に「成分(F)」ともいう。)を含有しても良い。光ラジカル重合開始剤としては、紫外線や可視光の照射によって、ラジカルや酸を発生し、連鎖重合反応を開始させる化合物であれば特に限定されないが、例えば、ベンジルジメチルケタール、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ジエチルチオキサントン、ベンゾフェノン、2-エチルアンスラキノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、2-メチル-〔4-(メチルチオ)フェニル〕-2-モルフォリノ-1-プロパン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスヒンオキサイド、カンファーキノン、9-フルオレノン、ジフェニルジスルヒド等を挙げることができる。具体的には、IRGACURERTM651、184、2959、127、907、369、379EG、819、784、754、500、OXE01、OXE02、OXE03、OXE04、DAROCURERTM1173、LUCIRINRTMTPO(いずれもBASF社製)、セイクオールRTMZ、BZ、BEE、BIP、BBI(いずれも精工化学株式会社製)等を挙げることができる。これらの中で、好ましくは、オキシムエステル系開始剤であるIRGACURERTMOXE01、OXE02、OXE03、OXE04である。
また、液晶汚染性の観点から、分子内に(メタ)アクリル基を有するものを使用する事が好ましく、例えば2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネートと1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2メチル-1-プロパン-1-オンとの反応生成物が好適に用いられる。この化合物は国際公開第2006/027982号記載の方法にて製造して得ることができる。
本発明の液晶シール剤において、成分(D)を使用する場合には、液晶シール剤総量中、通常0.001~3質量%、好ましくは0.002~2質量%である。
[(E)有機フィラー]
本発明の液晶シール剤は、成分(E)として有機フィラー(以下、単に「成分(E)」ともいう。)を含有しても良い。上記有機フィラーとしては、例えばウレタン微粒子、アクリル微粒子、スチレン微粒子、スチレンオレフィン微粒子及びシリコーン微粒子が挙げられる。なおシリコーン微粒子としてはKMP-594、KMP-597、KMP-598(信越化学工業製)、トレフィルRTME-5500、9701、EP-2001(東レダウコーニング社製)が好ましく、ウレタン微粒子としてはJB-800T、HB-800BK(根上工業株式会社)、スチレン微粒子としてはラバロンRTMT320C、T331C、SJ4400、SJ5400、SJ6400、SJ4300C、SJ5300C、SJ6300C(三菱化学製)が好ましく、スチレンオレフィン微粒子としてはセプトンRTMSEPS2004、SEPS2063が好ましい。
これら有機フィラーは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また2種以上を用いてコアシェル構造としても良い。これらのうち、好ましくは、アクリル微粒子、シリコーン微粒子である。
上記アクリル微粒子を使用する場合、2種類のアクリルゴムからなるコアシェル構造のアクリルゴムである場合が好ましく、特に好ましくはコア層がn-ブチルアクリレートであり、シェル層がメチルメタクリレートであるものが好ましい。これはゼフィアックRTMF-351としてアイカ工業株式会社から販売されている。
また、上記シリコーン微粒子としては、オルガノポリシロキサン架橋物粉体、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋物粉体等があげられる。また、複合シリコーンゴムとしては、上記シリコーンゴムの表面にシリコーン樹脂(例えば、ポリオルガノシルセスキオキサン樹脂)を被覆したものがあげられる。これらの微粒子のうち、特に好ましいのは、直鎖のジメチルポリシロキサン架橋粉末のシリコーンゴム又はシリコーン樹脂被覆直鎖ジメチルポリシロキサン架橋粉末の複合シリコーンゴム微粒子である。これらのものは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。また、好ましくは、ゴム粉末の形状は、添加後の粘度の増粘が少ない球状が良い。本発明の液晶シール剤において、成分(E)を使用する場合には、液晶シール剤の総量中、通常5~50質量%、好ましくは5~40質量%である。
[(O)その他成分]
本発明の液晶シール剤には、さらに必要に応じて、無機フィラー、硬化促進剤、シランカップリング剤、ラジカル重合防止剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、溶剤などの添加剤を配合することができる。
[無機フィラー]
上記無機フィラーとしては、シリカ、シリコンカーバイド、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、珪酸リチウムアルミニウム、珪酸ジルコニウム、チタン酸バリウム、硝子繊維、炭素繊維、二硫化モリブデン、アスベスト等が挙げられ、好ましくは溶融シリカ、結晶シリカ、窒化珪素、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、マイカ、タルク、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウムが挙げられるが、好ましくはシリカ、アルミナ、タルクである。これら無機フィラーは2種以上を混合して用いても良い。
無機フィラーの平均粒子径は、大きすぎると狭ギャップの液晶表示セル製造時に上下ガラス基板の貼り合わせ時のギャップ形成がうまくできない等の不良要因となるため、2000nm以下が適当であり、好ましくは1000nm以下、さらに好ましくは300nm以下である。また好ましい下限は10nm程度であり、さらに好ましくは100nm程度である。粒子径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定器(乾式)(株式会社セイシン企業製;LMS-30)により測定することができる。
本発明の液晶シール剤において、無機フィラーを使用する場合には、液晶シール剤の総量中、通常5~50質量%、好ましくは5~40質量%である。無機フィラーの含有量が5質量%より低い場合、ガラス基板に対する接着強度が低下し、また耐湿信頼性も劣るために、吸湿後の接着強度の低下も大きくなる場合がある。又、無機フィラーの含有量が50質量%より多い場合、フィラー含有量が多すぎるため、つぶれにくく液晶セルのギャップ形成ができなくなってしまう場合がある。
[硬化促進剤]
上記硬化促進剤としては、有機酸やイミダゾール等を挙げることができる。
有機酸としては、有機カルボン酸や有機リン酸等が挙げられるが、有機カルボン酸である場合が好ましい。具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、フランジカルボン酸等の芳香族カルボン酸、コハク酸、アジピン酸、ドデカン二酸、セバシン酸、チオジプロピオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリス(2-カルボキシメチル)イソシアヌレート、トリス(2-カルボキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2-カルボキシプロピル)イソシアヌレート、ビス(2-カルボキシエチル)イソシアヌレート等を挙げることができる。
また、イミダゾール化合物としては、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、2,4-ジアミノ-6(2’-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-ウンデシルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-エチル-4-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6(2’-メチルイミダゾール(1’))エチル-s-トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2-メチルイミダゾールイソシアヌル酸の2:3付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-3,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-ヒドロキシメチル-5-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニル-3,5-ジシアノエトキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
本発明の液晶シール剤において、硬化促進剤を使用する場合には、液晶シール剤の総量中、0.1~10質量%であることが好ましく、1~5質量%であることがさらに好ましい。
[シランカップリング剤]
上記シランカップリング剤としては、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)3-アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N-(2-(ビニルベンジルアミノ)エチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3-クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤はKBMシリーズ、KBEシリーズ等として信越化学工業株式会社等によって販売されている為、市場から容易に入手可能である。本発明の液晶シール剤において、シランカップリング剤を使用する場合には、液晶シール剤総量中、0.05~3質量%が好適である。
[ラジカル重合防止剤]
上記ラジカル重合防止剤としては、光ラジカル重合開始剤や熱ラジカル重合開始剤等から発生するラジカルと反応して重合を防止する化合物であれば特に限定されるものではなく、キノン系、ピペリジン系、ヒンダードフェノール系、ニトロソ系等を用いることができる。具体的には、ナフトキノン、2-ヒドロキシナフトキノン、2-メチルナフトキノン、2-メトキシナフトキノン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル、2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジン-1-オキシル、2,2,6,6-テトラメチル-4-メトキシピペリジン-1-オキシル、2,2,6,6-テトラメチル-4-フェノキシピペリジン-1-オキシル、ハイドロキノン、2-メチルハイドロキノン、2-メトキシハイドロキノン、パラベンゾキノン、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチルクレゾール、ステアリルβ-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[β―(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]、2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、テトラキス-[メチレン-3-(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシフェニルプロピオネート)メタン]、1,3,5-トリス(3’,5’-ジ-t-ブチル-4’-ヒドロキシベンジル)-sec-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)トリオン、パラメトキシフェノール、4-メトキシ-1-ナフトール、チオジフェニルアミン、N-ニトロソフェニルヒドロキシアミンのアルミニウム塩、商品名アデカスタブLA-81、商品名アデカスタブLA-82(株式会社アデカ製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうちナフトキノン系、ハイドロキノン系、ニトロソ系、ピペラジン系のラジカル重合防止剤が好ましく、ナフトキノン、2-ヒドロキシナフトキノン、ハイドロキノン、2,6-ジ-tert-ブチル-P-クレゾール、ポリストップ7300P(伯東株式会社製)が更に好ましく、ポリストップ7300P(伯東株式会社製)が最も好ましい。
ラジカル重合防止剤の含有量としては本発明の液晶シール剤総量中、0.0001~1質量%が好ましく、0.001~0.5質量%が更に好ましく、0.005~0.2質量%が特に好ましい。
本発明の液晶シール剤を得る方法の一例としては、次に示す方法がある。まず、硬化性化合物、光ラジカル開始剤、熱ラジカル開始剤、ラジカル重合防止剤を90℃で加熱溶解させた後、室温まで冷却し、シランカップリング剤、硬化剤、硬化促進剤、充填剤、消泡剤、及びレベリング剤、溶剤等を添加し、公知の混合装置、例えば3本ロール、サンドミル、ボールミル等により均一に混合し、金属メッシュにて濾過することにより本発明の液晶シール剤を製造することができる。
本発明の液晶シール剤を用いて製造される液晶表示セルは、基板に所定の電極を形成した一対の基板を所定の間隔に対向配置し、周囲を本発明の液晶シール剤でシールし、その間隙に液晶が封入されたものである。封入される液晶の種類は特に限定されない。ここで、基板とはガラス、石英、プラスチック、シリコン等からなる少なくとも一方に光透過性がある組み合わせの基板から構成される。その製法としては、本発明の液晶シール剤に、グラスファイバー等のスペーサ(間隙制御材)を添加後、該一対の基板の一方にディスペンサー、またはスクリーン印刷装置等を用いて該液晶シール剤を塗布した後、必要に応じて、80~120℃で仮硬化を行う。その後、該液晶シール剤の堰の内側に液晶を滴下し、真空中にてもう一方のガラス基板を重ね合わせ、ギャップ出しを行う。ギャップ形成後、90~130℃で30分~2時間硬化することにより本発明の液晶表示セルを得ることができる。また光熱併用型として使用する場合は、紫外線照射機により液晶シール剤に紫外線を照射させて光硬化させる。紫外線照射量は、好ましくは500~6000mJ/cm、より好ましくは1000~4000mJ/cm(測定波長:365nm)の照射量が好ましい。その後必要に応じて、90~130℃で30分~2時間硬化することにより本発明の液晶表示セルを得ることができる。スペーサとしては、例えばグラスファイバー、シリカビーズ、ポリマービーズ等があげられる。その直径は、目的に応じ異なるが、通常2~8μm、好ましくは4~7μmである。その使用量は、本発明の液晶シール剤100質量部に対し通常0.1~4質量部、好ましくは0.5~2質量部、更に、好ましくは0.9~1.5質量部程度である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。尚、特別の記載のない限り、本文中「部」及び「%」とあるのは質量基準である。
[合成例1]
温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、メチルペンタンジオールとアジピン酸、イソフタル酸とのポリエステルポリオール(株式会社クラレ製P-2012、水酸基価54.6mgKOH/g)776.99gと、トルエンジイソシアネート(東ソー株式会社製コロネートT-100、分子量174.2)131.68gを仕込み、80℃で反応させた。このときのイソシアネート含有量は、過剰のアミンを添加し塩酸にて逆滴定することで求め、その値が計算値から求められるイソシアネートの残留量のプラスマイナス2%の範囲であることを確認した。次いで、メトキノン(重合禁止剤)0.6g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(分子量116.1)90.43g、ジブチル錫ジラウレート(触媒)0.3gを添加し、80℃にて撹拌し、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失するまで反応を行い、重量平均分子量6300のウレタンアクリレート(A)を得た。
[合成例2]
温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、ダイマージオール(CRODA社製PRIPOL2033、水酸基価202.0mgKOH/g)407.15gと、水素化ポリブタジエンポリオール(日本曹達株式会社製GI-1000、水酸基価67.2mgKOH/g)64.41gと、イソホロンジイソシアネート(エボニック社製VESTANAT IPDI、分子量222.3)342.99gを仕込み、80℃で反応させた。このときのイソシアネート含有量は、過剰のアミンを添加し塩酸にて逆滴定することで求め、その値が計算値から求められるイソシアネートの残留量のプラスマイナス2%の範囲であることを確認した。次いで、メトキノン(重合禁止剤)0.6g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(分子量116.1)184.54g、ジブチル錫ジラウレート(触媒)0.3gを添加し、80℃にて撹拌し、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失するまで反応を行い、重量平均分子量3590のウレタンアクリレート(B)を得た。
[合成例3]
温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、メチルペンタンジオールとテレフタル酸とのポリエステルポリオール(株式会社クラレ製P-2020、水酸基価57.0mgKOH/g)769.47gと、トルエンジイソシアネート(東ソー株式会社製コロネートT-100、分子量174.2)136.14gを仕込み、80℃で反応させた。このときのイソシアネート含有量は、過剰のアミンを添加し塩酸にて逆滴定することで求め、その値が計算値から求められるイソシアネートの残留量のプラスマイナス2%の範囲であることを確認した。次いで、メトキノン(重合禁止剤)0.6g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(分子量116.1)93.49g、ジブチル錫ジラウレート(触媒)0.3gを添加し、80℃にて撹拌し、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失するまで反応を行い、重量平均分子量6050のウレタンアクリレート(C)を得た。
[合成例4]
温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、メチルペンタンジオールとイソフタル酸とのポリエステルポリオール(株式会社クラレ製P-2030、水酸基価55.7mgKOH/g)773.53gと、トルエンジイソシアネート(東ソー株式会社製コロネートT-100、分子量174.2)133.73gを仕込み、80℃で反応させた。このときのイソシアネート含有量は、過剰のアミンを添加し塩酸にて逆滴定することで求め、その値が計算値から求められるイソシアネートの残留量のプラスマイナス2%の範囲であることを確認した。次いで、メトキノン(重合禁止剤)0.6g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(分子量116.1)91.84g、ジブチル錫ジラウレート(触媒)0.3gを添加し、80℃にて撹拌し、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失するまで反応を行い、重量平均分子量6180のウレタンアクリレート(D)を得た。
[合成例5]
温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、メチルペンタンジオールとセバシン酸とのポリエステルポリオール(株式会社クラレ製P-2050、水酸基価56.8mgKOH/g)987.9gと、トリシクロデカンジメタノール(セラニーズ社製TCDアルコールDM、分子量196.3)98.2g、イソホロンジイソシアネート(エボニック社製VESTANAT IPDI、分子量222.3)444.6gを仕込み、80℃で反応させた。このときのイソシアネート含有量は、過剰のアミンを添加し塩酸にて逆滴定することで求め、その値が計算値から求められるイソシアネートの残留量のプラスマイナス2%の範囲であることを確認した。次いで、メトキノン(重合禁止剤)0.9g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(分子量116.1)239.2g、ジブチル錫ジラウレート(触媒)0.5gを添加し、80℃にて撹拌し、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失するまで反応を行い、重量平均分子量6600のウレタンアクリレート(E)を得た。
[合成例6]
温度計、冷却管、攪拌装置を備えたフラスコに、ポリカプロラクトンジオール(株式会社ダイセル製プラクセル208、水酸基価137.0mgKOH/g)544.72gと、イソホロンジイソシアネート(エボニック社製VESTANAT IPDI、分子量222.3)295.66gを仕込み、80℃で反応させた。このときのイソシアネート含有量は、過剰のアミンを添加し塩酸にて逆滴定することで求め、その値が計算値から求められるイソシアネートの残留量のプラスマイナス2%の範囲であることを確認した。次いで、メトキノン(重合禁止剤)0.6g、2-ヒドロキシエチルアクリレート(分子量116.1)159.07g、ジブチル錫ジラウレート(触媒)0.3gを添加し、80℃にて撹拌し、赤外線吸収スペクトルでイソシアネート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失するまで反応を行い、重量平均分子量4000のウレタンアクリレート(F)を得た。
[合成例7]
市販ベンゾピナコール(東京化成製)100部(0.28モル)をジメチルホルムアルデヒド350部に溶解させた。これに塩基触媒としてピリジン32部(0.4モル)、シリル化剤としてBSTFA(信越化学工業製)150部(0.58モル)を加え70℃まで昇温し、2時間攪拌した。得られた反応液を冷却し、攪拌しながら、水200部を入れ、生成物を沈殿させると共に未反応シリル化剤を失活させた。沈殿した生成物をろ別分離した後十分に水洗した。次いで得られた生成物をアセトンに溶解し、水を加えて再結晶させ、精製した。目的の1,2-ビス(トリメチルシロキシ)-1,1,2,2-テトラフェニルエタンを105.6部(収率88.3%)得た。
[実施例1~16、比較例1~6]
下記表1、2に示す割合で硬化性化合物、光ラジカル開始剤、熱ラジカル開始剤、ラジカル重合防止剤を90℃で加熱溶解させた後、室温まで冷却し、シランカップリング剤、硬化剤、硬化促進剤、充填剤を添加し、攪拌した後、3本ロールミルにて分散させ、金属メッシュ(635メッシュ)で濾過し、液晶シール剤を調製した。
[評価]
[誘電率]
実施例及び比較例で製造された液晶シール剤をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに挟み、厚み100μmの薄膜としたものにUV照射機により3000mJ/cm(測定波長:365nm)の紫外線を照射後、オーブンに投入して130℃40分熱硬化させ、硬化後PETフィルムを剥がしてサンプルとした。
測定サンプルホルダーとしてSHZ-2を用いて、25℃、1MHzの条件で誘電率測定装置LCRメーター(PRECISION COMPONENT ANALYZER 6446B Wayne Kerr Electronics社製)で誘電率を測定した。結果は表1、2に記載する。
[弾性率]
弾性率測定と同様にして作成したサンプルについて、万能試験機(島津製作所製:オートグラフAG-Xplus500N)を用いて、室温(25℃)下、試験速度5mm/分で引張試験を行い測定した。結果は表1、2に記載する。
[吸水率]
誘電率測定と同様にして作成したサンプルを20mm×50mmの短冊状にカットする事でサンプル片とした。得られたサンプル片を25℃50%RHの条件において24時間安定化させたのちに、80℃2時間真空乾燥させた後のサンプルの初期重量を測定し、60℃90%RHの条件において24時間吸水させたのちに重量を測定し吸水後重量とした。測定後下記式によって吸水率を算出した。結果は表1、2に記載する。
吸水率(%)=((吸水後重量(g)-初期重量(g))/初期重量(g))×100(%)
[ガラス転移温度(Tg)]
誘電率測定と同様にして作成したサンプルを50mm×5mmの短冊状にカットしサンプル片とした。このサンプル片を動的粘弾性測定装置(DMS-6100:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)の引っ張りモードにて周波数10Hz、昇温速度3℃/分の条件で測定を行った。損失弾性率と貯蔵弾性率との比(JIS K 7244-1)から損失係数tanδが得られ、得られた損失係数tanδが最大値となる温度をガラス転移温度(Tg)とした。結果は表1、2に示す。
[透湿度]
厚み300μmにした以外は誘電率測定と同様にして作成したサンプルの60℃90%での透湿度を透湿度測定機(Lyssy社製:L80-5000)にて測定した。結果は表1、2に記載する。
[光配向処理式の配向膜付き基板の作成]
ガラス基板に配向膜液(日産化学株式会社製:NRB-U738)をスピンコートし、90℃ホットプレートで60秒の仮焼きを行い230℃オーブンで1時間焼成した。さらに、この配向膜付き基板をUV照射機により3000mJ/cm(測定波長:254nm)の紫外線を照射させた。
[評価用液晶セルの作成]
前記光配向処理式の配向膜付き基板に得られた光硬化性樹脂組成物を貼り合せ後の線幅が0.6mmとなるようにメインシール、ダミーシール、及びメインシールの枠内に遮光部評価用のシールをディスペンスし、次いで液晶(MLC-7026;メルク株式会社製)の微小滴をシールパターンの枠内に滴下した。更にもう一枚のラビング処理済み基板に面内スペーサ(ナトコスペーサKSEB-525F;ナトコ株式会社製;貼り合せ後のギャップ幅5μm)を散布、熱固着し、貼り合せ装置を用いて真空中で先の液晶滴下済み基板と貼り合せた。大気開放してギャップ形成した後、シールパターン枠内のみマスクをしてUV照射機により遮光部テストセルは紫外線(測定波長:365nm)50mJ/cm、露光部テストセルは紫外線(測定波長:365nm)3000mJ/cmを照射後、オーブンに投入して130℃40分熱硬化させ評価用液晶テストセルを作成した。
[液晶配向ムラ]
評価用液晶テストセルにおいて、コーナー部を含むシール近傍の液晶配向乱れを偏光顕微鏡で観察し、以下に示す基準に従って評価を行った。結果を表1、2に示す。
○:液晶の配向乱れが観察されない、または液晶の配向乱れが光硬化性樹脂組成物から0.1mm未満である。
△:液晶の配向乱れが光硬化性樹脂組成物から0.1mm以上0.2mm未満である。
×:液晶の配向乱れが光硬化性樹脂組成物から0.2mm以上、もしくは光硬化性樹脂組成物の硬化が不十分なためセルが形成できなかった。
[接着強度]
ガラス基板に配向膜液(日産化学株式会社製:NRB-U738)をスピンコートし、80℃ホットプレートで3分仮焼きを行い230℃オーブンで30分焼成した。さらに、この配向膜付き基板をUV照射機により500mJ/cm(測定波長:254nm)の紫外線を照射させ、さらに230℃オーブンで30分焼成した。
実施例及び比較例で製造された液晶シール剤100gにスペーサとして5μmのグラスファイバー1gを添加して混合撹拌を行う。配向膜を塗布したガラス基板上に、このディスプレイ用封止剤を1cm×1cmのコーナー部分を再現する形で塗布し、対向の配向膜塗布基板を貼り合わせUV照射機により3000mJ/cm(測定波長:365nm)の紫外線を照射後、オーブンに投入して130℃40分熱硬化させた。その配向膜塗布ガラス基板の引き剥がし接着強度を万能試験機(島津製作所製:オートグラフAG-Xplus500N)にて、コーナー部分を押す形で測定した。結果を表1、2に示す。
Figure 2023068692000001
Figure 2023068692000002
Figure 2023068692000003
本発明の液晶シール剤は全ての特性において優れる結果となった。
本発明の液晶シール剤は、液晶表示特性に優れるとともに柔軟性にも優れるため、狭額縁の液晶ディスプレイやフレキシブル性を有するプラスチック基板の液晶ディスプレイにも有用である。

Claims (7)

  1. 成分(A)硬化性化合物と、成分(B)熱硬化剤と、を含有する液晶滴下工法用液晶シール剤であって、
    硬化後において、25℃で測定した1MHzにおける誘電率が2.2以上3.0未満である液晶滴下工法用液晶シール剤。
  2. ガラス転移温度が30℃以上100℃未満である請求項1に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  3. 前記成分(A)として、ウレタン(メタ)アクリレートを含有する請求項1又は2に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  4. 更に、成分(C)熱ラジカル重合開始剤を含有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  5. 前記成分(C)が分子内に酸素-酸素結合(-O-O-)及び窒素-窒素結合(-N=N-)を含まない熱ラジカル重合開始剤である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  6. 更に、成分(D)光ラジカル重合開始剤を含有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液晶滴下工法用液晶シール剤によって封止された液晶表示パネル。
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