JP5352409B2 - クリーナカートリッジ及びクリーニング装置並びに画像形成装置 - Google Patents

クリーナカートリッジ及びクリーニング装置並びに画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明はクリーナカートリッジ及びクリーニング装置並びに画像形成装置に係り、特に液体を吐出する液体吐出ヘッドの液体吐出面の洗浄技術に関する。
インクジェット方式により描画が行われるインクジェット記録装置では、連続的に描画が行われると、ノズルから吐出されたインクが霧状になってノズル面に付着するとともに堆積(固化)して、ノズル面が汚れてしまう。ノズル面の汚れはインクの吐出異常や記録媒体の汚れの原因となるので、定期的にメンテナンスが行われる。
特許文献1は、インク吸収体の表面を押し付け部材によってノズル面に接触させて、ノズル面をワイプするメンテナンス機構が開示されている。
ノズル面のワイプ(払拭)を行う際にノズル面がドライの状態でワイプを行うと、ノズル面を傷つけてしまうおそれがある。そこで、インクや水、洗浄液などのウエット液をノズル面に付与してウエット化した後にワイプする方法が提案されている。特に、洗浄効果を持つ洗浄液をノズル面に付与すると、ノズル面に付着したインクを除去しやすくなり、ノズル面のメンテナンスを効率よく行うことができる。
特開2006−205712公報
しかしながら、ウエット液の付与量が多くなり、ノズル面を拭き取る払拭部材(ウェブ)の液を受容する能力を超えてしまうと、液たれが発生し、装置内や未使用のウェブを汚染してしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、ノズル面のメンテナンス時にノズル面に付与されるウエット液の液たれを防止し、好ましいインクジェットヘッドのメンテナンスを実現するクリーナカートリッジ及びクリーニング装置並びに画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るクリーナカートリッジは、液体が吐出されるノズルが設けられるノズル面を有するインクジェットヘッドの前記ノズル面に付着した液を払拭除去する払拭部材と、未使用の払拭部材が巻かれた供給側ロールと、前記ノズル面を払拭した使用済みの払拭部材が巻き取られる回収側ロールと、前記払拭部材を前記ノズル面へ接触させるように前記払拭部材を押圧する押圧部材、前記払拭部材の下側に設けられ、前記払拭部材により前記ノズル面から拭き取られ前記払拭部材から落下した液を前記押圧部材を介して受ける液受部、前記液受部と連通し、前記液受部から垂直下向き又は斜め下向きに配設され、前記液受部から前記回収側ロールへ液を導く構造を有する液流路、及び前記液流路から導かれた液が溜められ、前記回収側ロールと兼用される液溜部を含む液回収部と、前記供給側ロールから前記押圧部材による押圧領域を通過させて前記回収側ロールへ払拭部材を走行させる払拭部材走行手段と、前記供給側ロール、前記回収側ロール、及び前記液回収部が収納される収納部材と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、インクジェットヘッドのノズル面から拭き取られた液を回収する液回収部を、払拭部材が収納される収納部材に収納したので、払拭部材の液を受容する能力を超えた場合にも、払拭部材によって回収された液はクリーナカートリッジ内部に溜められ、ノズル面から拭き取られた液により装置内を汚すことや、未使用の払拭部材を汚すことが防止される。また、かかる態様によれば、クリーナカートリッジ内に液回収部を構成する液受部、液流路、液溜部を収納することで、廃液がクリーナカートリッジの外部に出ることがなく、廃液による装置の汚染が防止される。また、液受部から下向き又は斜め下向きの廃液液流が設けられるので、廃液は自重によって液受部から液溜部へ移動する。なお、ここでいう「下向き」、「斜め下向き」は使用状態における向きを表している。また、液受部は払拭部材の真下(直下)に配設されてもよいし、払拭部材が水平面に対して傾けられる場合には、払拭部材の傾斜の下側端部に液受部を配設してもよい。なお、ここでいう「下側」、「真下(直下)」は使用状態における向きを表している。また、ノズル面の払拭とともに払拭部材から液が絞られ、押圧部材を伝わった液が液受部に回収される。また、ノズル面から拭き取られた液は使用済みの払拭部材へ溜められるので、廃液を溜めておく構造を設ける必要がなく、カートリッジの構造が簡素化される。また、使用状態において、供給側ロールの下方に回収側ロールを配設することで、回収側ロールへ溜められた液によって供給側ロールが汚染されることが防止される。
また、使用済みの払拭部材はクリーナカートリッジごと交換することができるので、クリーナカートリッジ内部に溜められた液はクリーナカートリッジの交換とともに装置外へ排出され、ノズル面から拭き取られた液が装置内に長期にわたって蓄積されることが防止される。
本発明の実施形態に係るクリーナカートリッジ含むヘッドクリーニングユニットを具備するインクジェット記録装置の描画部の概略構成を示す側面図 図1に示すインクジェット記録装置の描画部とヘッドクリーニングユニットとの配置関係を示す正面図 ヘッドクリーニングユニットの構成を示す側面図 クリーナカートリッジの斜視図 クリーナカートリッジの平面図 クリーナカートリッジの側面部分断面図 クリーナカートリッジの正面部分断面図 クリーナカートリッジの背面図 押圧ローラの軸部Rを支持する軸支持部の構成を示す正面部分断面図 図9中X−X線に沿う断面図 図7中のXI−XI断面図 クリーナカートリッジにおける払拭ウェブの使用時(a)と交換時(b)の状態を示す説明図 昇降テーブルを昇降移動させる連動機構の説明図 本発明の第1実施形態に係るヘッドクリーニングユニットの動作を説明する図 本発明の第2実施形態に係るヘッドクリーニングユニットの構造及び動作を説明する図 図15に示すクリーニングユニットをヘッドの短手方向から見た図 図1に示すインクジェット記録装置に搭載されるインクジェットヘッドの概略構造を示す平面図 図17に示すインクジェットヘッドの一部拡大図 図17に示すインクジェットヘッドのノズル配置を説明する図 図17に示すインクジェットヘッドの立体構造を示す断面図 本発明の第3実施形態に係るヘッドクリーニングユニットの構造及び動作を説明する図 図21に示す押圧ロールの構造例を示す斜視図 図21に図示したヘッドクリーニングユニットの他の構成例を示す概略構成図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
[インクジェット記録装置(描画部)の構成]
図1は、本発明に係るクリーニングカートリッジ及びクリーニング装置が適用されるインクジェット記録装置の描画部の概略構成を示す側面図である。
同図に示すように、本実施形態に係るインクジェット記録装置では、描画部10において、用紙(記録媒体)12が描画ドラム14の周面に吸着保持されて回転搬送される。そして、描画ドラム14によって回転搬送される用紙12に対して、描画ドラム14の周囲に配置された4本のインクジェットヘッド16C,16M,16Y,16KからC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ)、K(クロ)の各色のインクの液滴を吐出させて、用紙12の記録面にカラー画像を描画する。以降、インクジェットヘッドを単に「ヘッド」と記載することがある。
用紙12を回転搬送する描画ドラム14は、円筒状に形成されており、その両端から突出して設けられた回転軸18をインクジェット記録装置の本体フレーム(図2に符号20を付して図示する。)に設けられた軸受(図2に符号22を付して図示する。)に軸支されて、水平に設置されている。この回転軸18には、図示しない回転伝達機構を介してモータが連結されており、描画ドラム14は、このモータに駆動されて回転する。
また、この描画ドラム14の周面には、グリッパ24が設けられている(本例では、外周面上の2カ所に設置)。用紙12は、このグリッパ24に先端部を把持されて、描画ドラム14の外周面上に保持される。
さらに、この描画ドラム14の周面には、図示しない吸着穴が所定の配列パターンで多数形成されており、内部に向けてエアが吸引されている。描画ドラム14の周面に巻き掛けられた用紙12は、この吸着穴から内部に向けてエアが吸引されることにより、描画ドラム14の周面上に吸着保持される。
なお、本実施形態に係るインクジェット記録装置において、用紙12は、前段の工程(たとえば、用紙12の記録面にインク中の色材を凝集(又は不溶化)させる機能を有する処理液を付与する工程)から搬送ドラム26を介して、描画ドラム14に受け渡される。搬送ドラム26は、描画ドラム14に並列して配置されており、タイミングを合わせて、描画ドラム14に用紙12を受け渡す。
また、描画後の用紙12は、搬送ドラム28を介して、後段の工程(たとえば、インクが打滴された記録媒体を乾燥させる工程)に受け渡される。搬送ドラム28は、描画ドラム14に並列して配置されており、タイミングを合わせて、描画ドラム14から用紙12を受け取る。
4本のヘッド16C,16M,16Y,16Kは、用紙幅(記録媒体の搬送方向に対して略直交する方向の長さ)に対応する長手方向の長さを有しており、描画ドラム14の回転軸18を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置されている。
なお、本例では、4本のヘッド16C,16M,16Y,16Kが、描画ドラム14の周面から所定のクリアランスを持つ曲面に沿って均等に配置されている。すなわち、描画ドラム14の中心を通る垂直な線分に対してシアンのヘッド16Cとクロのヘッド16Kとが対称に配置されるとともに、マゼンタのヘッド16Mとイエロのヘッド16Yとが対称に配置されている。
このように配置された各ヘッド16C,16M,16Y,16Kは、それぞれそのノズル面30C,30M,30Y,30Kが、描画ドラム14の周面に対向して配置されるとともに、それぞれそのノズル面30C,30M,30Y,30Kが、描画ドラム14の周面から所定高さの位置に位置する(描画ドラム14の周面とノズル面30C,30M,30Y,30Kとの間に同じ量のギャップが形成される。)。また、そのノズル面30C,30M,30Y,30Kに形成された複数のノズル(図1中不図示、図19に符号230を付して図示する。)が、用紙12の搬送方向と直交して配置される。
そして、このように配置された各ヘッド16C,16M,16Y,16Kからは、そのノズル面30C,30M,30Y,30Kに形成された複数のノズルから描画ドラム14の周面に向けて垂直にインクの液滴が吐出される。
描画部10は、以上のように構成される。この描画部10において、用紙12は、前段の工程から搬送ドラム26を介して描画ドラム14に受け渡され、描画ドラム14の周面に吸着保持されながら回転搬送される。そして、その搬送過程で各ヘッド16C,16M,16Y,16Kの下を通過し、通過時に各ヘッド16C,16M,16Y,16Kから吐出されたインクの液滴が記録面に打滴されて、記録面にカラー画像が形成される。画像記録が終了した用紙12は、描画ドラム14から搬送ドラム28に受け渡され、後段の工程に搬送される。
図1には、用紙12へインクを打滴して所望の画像を形成する描画部10と、描画部10へ用紙12を受け渡す搬送ドラム(渡し胴)26と、描画部10からインクが打滴された用紙12が受け渡される搬送ドラム28を図示したが、これ以外の構成として、描画前の用紙12に処理液を塗布する処理液塗布部や、描画後の用紙12を加熱して乾燥させる乾燥処理部、用紙12へ画像を定着させる定着処理部、用紙12に形成されたテストパターンを読み取るインラインセンサを含む検出部、定着処理後の用紙12を装置外部へ排出させる排出部などが挙げられる。
さて、以上のように構成される描画部10において、各ヘッド16C,16M,16Y,16Kは、図2に示すように、ヘッド支持フレーム40に取り付けられている。
ヘッド支持フレーム40は、描画ドラム14の回転軸18と直交するようにして設けられた一対のサイドプレート42L、42Rと、その一対のサイドプレート42L、42Rを上端部において連結する連結フレーム44とで構成されている。
一対のサイドプレート42L、42Rは、板状に形成されており、描画ドラム14を挟んで互いに対向するようにして配置されている。この一対のサイドプレート42L、42Rの内側面には、各ヘッド16C,16M,16Y,16Kを取り付けるための取付部46C、46M、46Y、46Kが設けられている(図2では、取付部46Y、46Kのみ図示)。
取付部46C、46M、46Y、46Kは、描画ドラム14の回転軸18を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置されている。各ヘッド16C,16M,16Y,16Kは、その両端に形成された被取付部48C、48M、48Y、48K(図2では、被取付部48Y、48Kのみ図示)を取付部46C、46M、46Y、46Kに固定することにより、ヘッド支持フレーム40に取り付けられる。そして、このヘッド支持フレーム40に取り付けられることにより、各ヘッド16C,16M,16Y,16Kは、描画ドラム14の回転軸18を中心とした同心円上に一定の間隔をもって放射状に配置される。
この各ヘッド16C,16M,16Y,16Kを取り付けるためのヘッド支持フレーム40は、図示しないガイドレールにガイドされて、描画ドラム14の回転軸18と平行な方向(水平方向)にスライド移動自在に設けられている。そして、図示しないリニア駆動手段に駆動されて、図2に実線で示す「描画位置」と図2に破線で示す「メンテナンス位置」との間を移動自在に設けられている。
各ヘッド16C,16M,16Y,16Kは、ヘッド支持フレーム40を描画位置に位置させると、描画ドラム14の周囲に配置され、描画可能な状態になる。
一方、ヘッド支持フレーム40をメンテナンス位置に位置させると、各ヘッド16C,16M,16Y,16Kは、描画ドラム14から退避する。このメンテナンス位置には、各ヘッド16C,16M,16Y,16Kを保湿するための保湿ユニット50が設けられている。長時間使用しない場合は、ヘッド支持フレーム40をメンテナンス位置に位置させ、保湿ユニット50によって各ヘッド16C,16M,16Y,16Kを保湿する。これにより、ノズル内部のインクの乾燥による不吐出が防止される。
描画位置とメンテナンス位置との間には、各ヘッド16C,16M,16Y,16Kのノズル面30C,30M,30Y,30Kを清掃するためのヘッドクリーニングユニット60が設けられている。各ヘッド16C,16M,16Y,16Kは、描画位置からメンテナンス位置に移動する際、そのノズル面30C,30M,30Y,30Kに払拭ウェブ(図3に符号110を付して図示する。)が押圧当接され、これにより、ノズル面30C,30M,30Y,30Kが払拭清掃される。以下、このヘッドクリーニングユニット60の構成について説明する。
[ヘッドクリーニングユニットの構成]
図3は、ヘッドクリーニングユニットの構成を示す側面図である。同図に示すように、ヘッドクリーニングユニット60は、各ヘッド16C,16M,16Y,16Kに対応して設けられたクリーナカートリッジ100C,100M,100Y,100Kと、そのクリーナカートリッジ100C,100M,100Y,100Kがセットされるラック70とで構成されている。
ラック70は、上端部が開口した箱状に形成されており、その内部に各クリーナカートリッジ100C,100M,100Y,100Kを装着するための装着部72C,72M,72Y,72Kが形成されている。各クリーナカートリッジ100C,100M,100Y,100Kは、各装着部72C,72M,72Y,72Kの上端開口部から垂直下向きに差し込むことにより、各装着部72C,72M,72Y,72Kにセットされる。
このラック70は、インクジェット記録装置の装置本体フレームに設けられた図示しない昇降装置に支持されて、水平面に対して垂直に昇降移動自在に設けられている。
[クリーナカートリッジの構成]
次に、クリーナカートリッジ100C,100M,100Y,100Kの構成について説明する。なお、各クリーナカートリッジ100C,100M,100Y,100Kの基本構成は共通しているので、ここでは、クリーナカートリッジ100として、その構成を説明する。また、インクジェットヘッド16C,16M,16Y,16Kを総称して「ヘッド16」と記載し、ノズル面30C,30M,30Y,30Kを総称して「ノズル面30」と記載することがある。
図4はクリーナカートリッジ100の内部を透視した透視斜視図であり、使用状態(ラック70に装着される状態)を示している。また、図5はクリーナカートリッジ100の平面図、図6はクリーナカートリッジ100の側面部分断面図、図7はクリーナカートリッジ100の正面部分断面図、図8はクリーナカートリッジ100の背面図である。
図4〜8に示すように、クリーナカートリッジ100は、傾斜して設置された押圧ローラ118に帯状に形成された払拭ウェブ110を巻き掛け、この押圧ローラ118に巻き掛けた払拭ウェブ110をヘッド(図3に符号16C,16M,16Y,16Kを付して図示する。)のノズル面(図3に符号30C,30M,30Y,30Kを付して図示する。)に押圧当接させることにより、各ヘッドのノズル面を払拭清掃する。
このクリーナカートリッジ100は、各部材が収納されるケース(収納部材)112と、払拭ウェブ110を繰り出す繰出軸114と、払拭ウェブ110を巻き取る巻取軸116と、繰出軸114から繰り出された払拭ウェブ110が押圧ローラ118に巻き掛けられるようにガイドする前段ガイド120と、押圧ローラ118に巻き掛けられた払拭ウェブ110が巻取軸116に巻き取られるようにガイドする後段ガイド122と、払拭ウェブ110を駆動する駆動ローラ124とを備えて構成されている。
さらに、クリーナカートリッジ100は、払拭ウェブ110から液を回収する機構が収納さている。すなわち、押圧ローラ118を伝わって払拭ウェブ110から落下した(垂れた)廃液を受ける廃液受け200と、廃液受け200に集められた廃液を使用済みの払拭ウェブ(回収側ロール、巻取軸116に巻き取られた払拭ウェブ)204に導く廃液流路202と、を備え、ノズル面のクリーニングにより払拭ウェブ110に吸収された液は、押圧ローラ118を介して押圧ローラ118の傾斜下側端部(又は押圧ローラ118の真下)に設けられた廃液受け200に導かれ、さらに、廃液受け200に集められた廃液は、廃液受け200から真下(垂直下側)に向かって設けられる廃液流路202を通って、回収側ロール204へ送られる。
使用済の払拭ウェブが巻かれた回収側ロール204は、廃液が溜められる廃液貯留部と兼用され、ノズル面から拭き取られた廃液は、ウェブを交換する際に、使用済みのウェブ206とともに装置外部に排出される。使用状態において、回収側ロール204は供給側ロール203の真下に配設される。このような配置構造を適用することで、回収側ロール204に溜められた廃液によって供給側ロール203を汚染することなく、かつ、クリーナカートリッジ100をコンパクトに構成することができる。
ケース112は、ケース本体126と蓋128とで構成されている。ケース本体126は、縦方向に長い長方形の箱状に形成されており、上端部と前面部とが開口して形成されている。蓋128は、ヒンジ130を介して、ケース本体126の前面部に取り付けられている。ケース本体126は、この蓋128によって前面部が開閉される。
なお、蓋128には弾性変形可能なロック爪132が設けられており、このロック爪132をケース本体126に形成された爪受部134に弾性変形させて係合させることにより、ケース本体126に固定される。
また、廃液受け200及び廃液流路202を蓋128の内側に配設し、蓋128を閉めると廃液受け200が押圧ローラ118の傾斜下側端部に位置し、廃液流路202開口部が使用済みのウェブ206と接触するように構成してもよい。
繰出軸114は、水平に配設されており、その基端部をケース本体126に設けられた軸受部136に回動自在に支持されている。この繰出軸114には、基端部にフランジ138aを有する繰出リール138が装着されている。繰出リール138は、繰出軸114に固定して取り付けられており、繰出軸114と一体的に回転する。
後述するように、巻芯110Aにロール状に巻回された払拭ウェブ110(供給側ロール203)は、この繰出リール138に巻芯110Aを嵌め込むことにより、繰出軸114に装着される。
巻取軸116は、繰出軸114の下方位置に水平に配設されている。すなわち、巻取軸116と繰出軸114とは、上下に並列して配置されている。この巻取軸116は、その基端部近傍をケース本体126に設けられた軸受部140に回動自在に支持されている。
巻取軸116には、基端部にフランジ142aを有する巻取リール142が取り付けられている。この巻取リール142は、軸部の内周に滑り部材144が取り付けられており、回転方向に一定以上の負荷が掛かると、巻取軸116に対して滑るように構成されている。
後述するように、払拭ウェブ110の先端に取り付けられた巻芯110Bは、この巻取リール142に嵌め込むことにより、巻取軸116に装着される。
また、この巻取軸116は、基端部がケース本体126の外側に突出して設けられている。そして、その突出した基端部に巻取ギア158が固着されている。巻取軸116は、この巻取ギア158が回転駆動されることにより回転する。なお、この駆動システムについては後述する。
押圧ローラ118は、繰出軸114の上方に配置されており(本例では、押圧ローラ118と繰出軸114と巻取軸116とが同一直線上に配置されている。)、水平面に対して所定角度傾斜して配置されている。すなわち、この押圧ローラ118は、払拭ウェブ110をヘッドのノズル面に押圧当接させるものであるため、清掃の対象とするヘッドのノズル面の傾きに合わせて配置されている(ノズル面と平行に配置されている)。
押圧ローラ118は、その両端部に軸部(図9に符号118L,118Rを付して図示する。)が突出して設けられており、この軸部を一対の軸支持部146L,146Rに軸支されて、回動自在かつ揺動自在に支持されている。
図9は、押圧ローラ118の軸部118L,118Rを支持する軸支持部の構成を示す正面部分断面図であり、図10は、そのX−Xに沿う断面図である。
図9に示すように、軸支持部146L,146Rは、水平に設けられた昇降ステージ170の上に設けられている。この軸支持部146L,146Rは、ともにステージ170に垂直に立設された柱部150L,150Rと、その柱部150L,150Rの先端に屈曲して設けられた支持部152L,152Rとで構成されている。
支持部152L,152Rは、押圧ローラ118の軸と直交するように設けられており、その内側に凹部154L,154Rが形成されている。凹部154L,154Rは、押圧ローラ118の軸部118L,118Rの幅とほぼ同じ幅を有する長方形状に形成されており、清掃の対象とするラインヘッドのノズル面に対して直交して形成されている(図9参照)。押圧ローラ118は、その両端の軸部118L,118Rが、この支持部152L,152Rの凹部154L,154Rに遊嵌されている。この結果、押圧ローラ118は、清掃の対象とするラインヘッドのノズル面に対して直交する面内で揺動自在に支持される。
凹部154L,154Rの内側には、バネ156L,156Rが収容されており、凹部154L,154R内に遊嵌された押圧ローラ118の軸部118L,118Rは、このバネ156L,156Rによって上方に付勢されている。これにより、清掃の対象とするラインヘッドのノズル面に倣って、押圧ローラ118の周面をノズル面に密着させることができる。
図4〜図8に戻り、前段ガイド120は、第1前段ガイド160と、第2前段ガイド162とで構成され、繰出軸114から繰り出された払拭ウェブ110が、傾斜して設置された押圧ローラ118に巻き掛けられるようにガイドする。
一方、後段ガイド122は、第1後段ガイド164と、第2後段ガイド166とで構成され、傾斜して設置された押圧ローラ118に巻き掛けられた払拭ウェブ110が、水平に設置された巻取軸116に巻き取れるようにガイドする。
この前段ガイド120と後段ガイド122は、押圧ローラ118を挟んで対称に配置されている。すなわち、第1前段ガイド160と第1後段ガイド164とが押圧ローラ118を挟んで対称に配置されるとともに、第2前段ガイド162と第2後段ガイド166とが押圧ローラ118を挟んで対称に配置されている。
第1前段ガイド160は、所定の幅を有する板状に形成されており、昇降ステージ170の上に垂直に立設されている。この第1前段ガイド160は、上縁部160Aが、払拭ウェブ110の巻き掛け部として形成されており、その表面が円弧状に形成されている。また、この上縁部160Aは、水平面に対して所定角度傾斜して形成されており、これにより、払拭ウェブ110の走行方向が変換される。
第1後段ガイド164は、第1前段ガイド160と同じ構成である。すなわち、所定の幅を有する板状に形成されており、昇降ステージ170の上に垂直に立設されている。そして、その上縁部164Aが、払拭ウェブ110の巻き掛け部として形成され、円弧状に形成されるとともに、水平面に対して所定角度傾斜して形成されている。
この第1前段ガイド160と第1後段ガイド164とが、押圧ローラ118を挟んで対称に配置されている。繰出軸114から繰り出された払拭ウェブ110は、第1前段ガイド160に巻き掛けられることにより、繰出軸114と直交する方向から押圧ローラ118と略直交する方向に方向転換される。また、後述する第2後段ガイド166に巻き掛けられた払拭ウェブ110は、第1後段ガイド164に巻き掛けられることにより、巻取軸116と直交する方向に方向転換される。
第2前段ガイド162は、両端部にフランジ162L,162Rを有するガイドローラとして構成されている。この第2前段ガイド162は、第1前段ガイド160と押圧ローラ118との間に配置され、第1前段ガイド160に巻き掛けられた払拭ウェブ110が、押圧ローラ118に巻き掛けられるようにガイドする。すなわち、第1前段ガイド160によって押圧ローラ118と略直交する方向に方向転換された払拭ウェブ110が、押圧ローラ118と直交する方向に走行するように、払拭ウェブ110の走行方向を微調整する。また、両端のフランジ162L,162Rによって、払拭ウェブ110の斜行を防止する。
この第2前段ガイド162は、一端をブラケット168Aに片持ち支持されて、所定角度傾斜して設けられている。ブラケット168Aは、図8及び図11に示すように、先端が屈曲したプレート状に形成されており、その基端部がケース本体126の背面上端部に固定されている。そして、そのケース本体126の上端部から上方に向けて垂直に突出して設けられている。第2前段ガイド162は、このブラケット168Aの先端の屈曲部に片持ち支持されて回動自在に支持されている。
第2後段ガイド166は、第2前段ガイド162と同じ構成である。すなわち、両端部にフランジ166L,166Rを有するガイドローラとして構成され、一端をブラケット168Bに片持ち支持されて、所定角度傾斜して設けられている。ブラケット168Bは、先端が屈曲したプレート状に形成されており、その基端部がケース本体126の背面上端部に固定されている。第2後段ガイド166は、このブラケット168Bの先端の屈曲部に片持ち支持されて回動自在に支持されている。
この第2後段ガイド166は、押圧ローラ118と第1後段ガイド164との間に配置され、押圧ローラ118に巻き掛けられた払拭ウェブ110が、第1後段ガイド164に巻き掛けられるようにガイドする。
この第2前段ガイド162と第2後段ガイド166とが、押圧ローラ118を挟んで対称に配置されている。第1前段ガイド160によって押圧ローラ118と略直交する方向に方向転換された払拭ウェブ110は、第2前段ガイド162に巻き掛けられることにより、押圧ローラ118と直交する方向に走行するように、走行方向が微調整される。また、押圧ローラ118に巻き掛けられた払拭ウェブ110は、第1後段ガイド164に巻き掛けられるように、第2後段ガイド166によって走行方向が微調整される。そして、第1後段ガイド164に巻き掛けられることにより、巻取軸116と直交する方向に方向転換される。
このように、前段ガイド120と後段ガイド122は、段階的に払拭ウェブ110の走行方向を切り換えることにより、払拭ウェブ110が、無理なく押圧ローラ118に巻き掛けられるようにガイドする。
このため、第1前段ガイド160の傾斜角度に比べて第2前段ガイド162の傾斜角度は押圧ローラ118の傾斜角度に近い角度となっており、同様に、第1後段ガイド164の傾斜角度に比べて第2後段ガイド166の傾斜角度は押圧ローラ118の傾斜角度に近い角度となっている。
ところで、上記のように、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164(第1構造体:第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164とで構成)は、それぞれ昇降ステージ170の上に設けられている。この昇降ステージ170は、水平面に対して垂直方向に昇降移動自在に設けられている。
図6に戻り、昇降ステージ170には、その下部にガイド軸172が一体的に取り付けられている。ガイド軸172は、昇降ステージ170の下面部から垂直下向きに延びており、ケース本体126内に配置されたガイドブッシュ174に嵌合されている。ガイドブッシュ174は、支持部材176を介してケース本体126の内壁面に固定されており、ガイド軸172を水平面に対して垂直にガイドする。
このように、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164が設けられた昇降ステージ170は、水平面に対して垂直に昇降移動自在に設けられている。このため、図12(a),(b)に示すように、この昇降ステージ170を昇降移動させることにより、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164とを、固定して設置された第2前段ガイド162と第2後段ガイド166(第2構造体:第2前段ガイド162と第2後段ガイド166とで構成)に対して、進退移動させることができる。これにより、払拭ウェブ110の交換を簡単に行うことができる。
すなわち、昇降ステージ170を下降させることにより、図12(b)に示すように、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164を、第2前段ガイド162と第2後段ガイド166とに対して下方へ退避させることができ、その間のスペースを大きく確保することができる。これにより、各部への払拭ウェブ110の巻き掛け作業を簡単に行うことができる。また、各部に払拭ウェブ110を巻き掛ける場合は、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164を下方に退避させた状態で、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164に払拭ウェブ110を巻き掛け、その後、昇降ステージ170を上昇させるだけで済む。すなわち、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164に払拭ウェブ110を巻き掛け、その後、昇降ステージ170を上昇させると、図12(a)に示すように、自動的に第2前段ガイド162と第2後段ガイド166とに払拭ウェブ110が巻き掛けられる。
このように、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164を、第2前段ガイド162と第2後段ガイド166に対して、進退可能とすることにより、払拭ウェブ110の交換作業を簡単に行うことができる。
なお、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164は、使用に際して、所定の使用位置(図12(a)の位置)に位置させる必要があるが、この第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164の使用位置への移動は、ラック70へのクリーナカートリッジ100の装着に連動して行われる。
ここで、この連動機構について説明する。図6及び図8に示すように、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164とが設けられた昇降ステージ170には、背部に昇降レバー(係合部)178が設けられている。この昇降レバー178は、ケース本体126の背面に形成された切欠き部180を介してケース本体126の背面から突出して設けられている。昇降ステージ170は、この昇降レバー178をスライドさせることにより、昇降移動する。
一方、図13(a),(b)に示すように、クリーナカートリッジ100がセットされるラック70の装着部72(72C,72M,72Y,72K)には、その内側にピン(被係合部)182が突出して設けられている。このピン182は、クリーナカートリッジ100が、装着部72に装着されると、クリーナカートリッジ100に設けられた昇降レバー178に係合するように設けられている。
以上の構成により、図13(b)に示すように、クリーナカートリッジ100をラック70の装着部72に差し込むと、昇降レバー178がピン182に係合し、強制的に所定位置まで上昇させられる。この結果、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164とが、所定の使用位置に位置決めされる。
このように、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164の使用位置への移動は、ラック70へのクリーナカートリッジ100の装着に連動して行われる。
駆動ローラ124は、ケース本体126の底面部近傍であって、第1後段ガイド164の下方位置に配置されている。この駆動ローラ124は、第1後段ガイド164によって巻取軸116と直交する方向に方向転換された払拭ウェブ110が、巻取軸116に巻き取られるように、駆動を与えながらガイドする。
この駆動ローラ124は、巻取軸116と平行(=水平面と平行)に設けられており、その基端部近傍をケース本体126に設けられた軸受部184に回動自在に支持されている。
また、この駆動ローラ124は、その回転軸の基端部がケース本体126の外側に突出して設けられている。そして、その突出した回転軸の基端部にローラ駆動ギア186が固着されている。駆動ローラ124は、このローラ駆動ギア186が回転駆動されることにより回転する。
ここで、この駆動ローラ124を含むクリーナカートリッジ100の駆動系について説明する。
本実施の形態のクリーナカートリッジ100では、巻取軸116を回転駆動するとともに、駆動ローラ124を回転駆動することにより、払拭ウェブ110を繰出軸114から巻取軸116に向けて走行させる。
上記のように、巻取軸116の基端部には巻取ギア158が固着されており、駆動ローラ124の回転軸の基端部にはローラ駆動ギア186が固着されている。この巻取ギア158とローラ駆動ギア186は、図8に示すように、アイドルギア188に噛み合わされている。
アイドルギア188は、その回転軸が水平に設けられており、ケース本体126に設けられた軸受部190に回動自在に支持されている。巻取ギア158とローラ駆動ギア186は、このアイドルギア188を回転させることにより、ともに同じ方向に回転する。
このアイドルギア188は、クリーナカートリッジ100をラック70の装着部72に装着すると、装着部72内に設けられた駆動ギア192に噛み合わされる。すなわち、図13(a),(b)に示すように、装着部72には、その底部に駆動源となるモータ(ステッピングモータ)194が設けられており、アイドルギア188は、クリーナカートリッジ100をラック70の装着部72に装着すると、このモータ194の出力軸に固着された駆動ギア192に噛み合わされる。
このように、クリーナカートリッジ100は、ラック70の装着部72に装着すると、そのアイドルギア188が、装着部72に設けられた駆動ギア192に噛み合わされる。そして、この駆動ギア192をモータ194で回転させることにより、アイドルギア188が回転し、このアイドルギア188の回転が、巻取ギア158とローラ駆動ギア186とに伝達されて、巻取軸116と駆動ローラ124が回転する。そして、この巻取軸116と駆動ローラ124が回転することにより、繰出軸114から払拭ウェブ110が繰り出され、所定の走行経路を通って巻取軸116に巻き取られる。
なお、上記のように、巻取軸116に装着された巻取リール142は、その軸部の内周に滑り部材144が取り付けられており、回転方向に一定以上の負荷が掛かると、巻取軸116に対して滑るように構成されている。したがって、巻取軸116と駆動ローラ124との間に速度差が生じる場合は、この滑り部材144が滑るので、常に一定速度で払拭
払拭ウェブ110を走行させることができる。
クリーナカートリッジ100は、以上のように構成される。
[クリーナカートリッジの作用]
次に、以上のように構成された本実施の形態のクリーナカートリッジ100(クリーニングユニット60)を用いたヘッド(ノズル面)のクリーニング方法について説明する。
[払拭ウェブの装着]
まず、クリーナカートリッジ100への払拭ウェブ110の装着方法について説明する。
払拭ウェブ110は、所定の幅をもって帯状に形成されており、その両端部に巻芯110A、110Bが取り付けられている。払拭ウェブ110は、一方の巻芯110Aにロール状に巻回された状態(供給側ロール203)で提供される。
まず、クリーナカートリッジ100をラック70から取り出し、ケース112の蓋128を開ける。蓋128を開けると、繰出軸114に装着された繰出リール138と、巻取軸116に装着された巻取リール142とが露出するので、この繰出リール138と巻取リール142に払拭ウェブ110の巻芯110A、110Bを装着する。この際、払拭ウェブ110を第1前段ガイド160、押圧ローラ118、第1後段ガイド164、駆動ローラ124に巻き掛けながら、払拭ウェブ110の巻芯110A、110Bを繰出リール138と巻取リール142に装着する。
具体的には、まず、払拭ウェブ110がロール状に巻回された巻芯110Aを繰出リール138に装着する。
次いで、払拭ウェブ110を巻芯110Aから所定量引き出し、第2前段ガイド162と第2後段ガイド166の下を通して、払拭ウェブ110を第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164の上に巻き掛ける。この際、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164への払拭ウェブ110の巻き掛けは、昇降ステージ170を下降させた状態、すなわち、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164を下方に退避させた状態で行う。これにより、第2前段ガイド162と第2後段ガイド166との間に十分なスペースを確保することができ、その第2前段ガイド162と第2後段ガイド166の下を通して、払拭ウェブ110を第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164に巻き掛けやすくすることができる。
第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164に巻き掛けた払拭ウェブ110は、さらに駆動ローラ124に巻き掛け、最後に先端の巻芯110Bを巻取リール142に装着する。これにより、払拭ウェブ110の装着が完了する。この後、必要に応じて払拭ウェブ110を巻芯110Aに巻き戻し、払拭ウェブ110の弛みを取り除き、ケース112の蓋128を閉める。
[ラックへのセッティング]
次に、払拭ウェブ110が装着されたクリーナカートリッジ100をラック70にセットする。
ラック70へのクリーナカートリッジ100のセッティングは、ラック70に形成された装着部72にクリーナカートリッジ100を垂直に差し込むことにより行われる。
そして、このラック70の装着部72にクリーナカートリッジ100がセットされると、図12(b)に示すように、クリーナカートリッジ100のアイドルギア188が、装着部72に設けられた駆動ギア192に噛み合わされ、その駆動ギア192に連結されたモータ194で回転駆動可能になる。
また、このラック70の装着部72にクリーナカートリッジ100がセットされると、昇降ステージ170に設けられた昇降レバー178が、装着部72に設けられたピン182に係合し、昇降ステージ170が強制的に所定位置まで上昇させられる。この結果、第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164とが、所定の使用位置に位置決めされる。そして、この第1前段ガイド160と押圧ローラ118と第1後段ガイド164とが、所定の使用位置に位置決めされることにより、第1前段ガイド160と押圧ローラ118との間に配置された第2前段ガイド162に払拭ウェブ110が巻き掛けられるとともに、押圧ローラ118と第1後段ガイド164との間に配置された第2後段ガイド166に払拭ウェブ110が巻き掛けられる。これにより、押圧ローラ118の周面に弛みなく払拭ウェブ110が巻き掛けられる。
以上により、ラック70へのクリーナカートリッジ100のセッティングが完了する。
このようにして、ラック70にセットされたクリーナカートリッジ100は、モータ194を駆動することにより、繰出軸114から払拭ウェブ110が繰り出され、所定の走行経路を通って巻取軸116に巻き取られる。
また、図3に示すように、水平面に対してノズル面30C,30M,30Y,30Kが傾斜して設けられたヘッド16C,16M,16Y,16Kに対して、対応するクリーナカートリッジ100C、100M、100Y、100Yの押圧ローラ118が、ノズル面30C,30M,30Y,30Kに対して平行に位置する。これにより、各押圧ローラ118に巻き掛けられた払拭ウェブ110を対応するノズル面30C,30M,30Y,30Kに密着させることができる。
[清掃動作(第1実施形態)]
ヘッド16C,16M,16Y,16Kは、描画位置からメンテナンス位置に移動する過程で、そのノズル面30C,30M,30Y,30Kに払拭ウェブ110が押圧当接されて、ノズル面30C,30M,30Y,30Kが払拭清掃される。具体的には、次のように清掃される。
図14は、ヘッド16(16C,16M,16Y,16K)のノズル面30(30C,30M,30Y,30K)のクリーニングを模式的に図示した概念図である。同図において既に説明した部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。なお、図4等では、供給側ロール203と、回収側ロール204と、を垂直方向に沿って配置した構成を図示したが、図14では、供給側ロール203と回収側ロール204とを水平方向に離して図示されている。本発明において、供給側ロール203及び回収側ロール204の配置構造は、図4等に示す縦置き(垂直置き)でもよいし、図14に示す横置き(水平置き)でもよい。
クリーニングユニット(図2に符号60を付して図示する。)は、昇降装置に支持されて、水平面に対して垂直に昇降移動自在に設けられている。通常、クリーニングユニット60は、下方側の所定の待機位置に待機している。
まず、ヘッド16が、描画位置からメンテナンス位置に向けて所定量移動される。ノズル面30は、不図示の洗浄液供給装置によって、払拭前にウエット液205が付与される。ウエット液205はノズル面30を十分に濡らし、ノズル面30の撥液膜の傷つきを防止するために付与される。ウエット液205として水(純水、イオン交換水)やインク(希釈したインク)などの液体や、洗浄機能を有する洗浄液が適用される。
また、ノズル面30をウエット化する方法の他の例として、ヘッド16内のインクを吸引又は加圧することでノズルからノズル面30に引き出す方法や、ウエット液噴射用のノズルを備えた液噴射装置からノズル面30に向けてウエット液を噴射させる方法などが挙げられる。ノズル面30をウエット化させると、ノズル面30の撥液膜の傷つき防止だけでなく、ノズル面30に付着したゴミをノズル面30から浮遊させたり、インク由来のノズル面30の付着物を溶解させたりするといった効果も期待できる。
このようにして、ノズル面30がウエット化されたヘッド16のメンテナンス位置側の端部が、待機位置に位置したクリーニングユニット60の上方(真上)に位置するとヘッド16が停止し、クリーニングユニット60が待機位置から所定量上昇する。この結果、ヘッド16のノズル面30に、押圧ローラ118に巻き掛けられた払拭ウェブ110が押圧当接される。
なお、図9,10に図示したように、押圧ローラ118は、バネ156L,156Rを介して、揺動自在に支持されているため、ノズル面30と完全に平行に設けられていなくても、ノズル面30の傾きに倣って、払拭ウェブ110をノズル面30に密着させることができる。
図14に示すように、押圧ローラ118に巻き掛けられた払拭ウェブ110が、ノズル面30に押圧当接されると、各クリーナカートリッジ100のモータ(図13(a),(b)に符号194を付して図示する。)が駆動される。これにより、ノズル面30に押圧当接された払拭ウェブ110が走行する。
払拭ウェブ110の走行が開始されると、ヘッド16がメンテナンス位置に向かって所定の移動速度で移動を開始する(ヘッド16の移動方向を矢印線で図示する。)。この結果、走行する払拭ウェブ110によってノズル面30の払拭清掃が開始される。
ヘッド16は、メンテナンス位置に到着すると停止し、これにより、ノズル面30が払拭ウェブ110によって払拭清掃が終了される。ヘッド16がメンテナンス位置に到着すると、モータの駆動が停止され、払拭ウェブ110の走行が停止される。この後、クリーニングユニットは、所定量下降して、下方側の所定の待機位置に退避する。
このように、ヘッド16は、描画位置からメンテナンス位置に移動する過程で、そのノズル面30に払拭ウェブ110が押圧当接されて、ノズル面30が払拭清掃される。
ここで、払拭ウェブ110の吸収量とウエット液205の液量について考察する。ヘッドを製造する観点から撥液処理はノズルが形成される最小限の領域にとどめたい。撥液処理がされない親液性を有する領域(例えば、図16に図示するノズルカバー222,224など、撥液処理が施された部分よりも接触角が小さい領域)はウエット液205が大量に付着することになる。そうすると、払拭ウェブ110が吸収できる液量を超えたウエット液205がノズル面30に付着したとすると、ノズル面30のクリーニング中に払拭ウェブ110から液が垂れるという問題が顕在化する。
そこで、払拭ウェブ110から垂れたウエット液(廃液)を受けるために、押圧ローラ118の下側のウエット液が垂れる位置に廃液受け200が配設されるとともに、廃液受け200に集められた廃液をクリーナカートリッジ100内の他の部材を汚染しないように集めるための廃液流路202が設けられる。ウエット液205は、払拭ウェブ110を介して押圧ローラ118に接触することで、ノズル面30からかき落とされ、廃液受け200に流れる。
廃液受け200は、使用状態において下向きに設けられる廃液流路202と連通しているので、廃液流路202は高低差を利用して液が流れ、廃液は廃液流路202を介して回収側ロール204へ流れる構造となっている。なお、図14には、廃液受け200から斜め下方に向かって廃液を流す廃液流路202が図示されている。もちろん、図4に図示したように、供給側ロール203の真下に回収側ロール204を配置して、廃液流路202を垂直下方向に向けて流してもよい。
払拭直後の払拭ウェブ110は、ウエット液205を吸収したために液飽和状態となっているが、時間の経過とともに水分が蒸発するので、回収側ロール204は廃液流路202から流れてきた廃液を継続的に吸収することができる。なお、払拭ウェブ110の交換をしたときには、回収側ロール204として必要な量のウェブを巻取軸116に巻き取っておくとよい。予め巻き取っておく払拭ウェブ110は、払拭ウェブ110セットする際のたるみ取りのために巻き取られるものを利用するとよい。
また、回収側ロール204の巻取軸116は、吸液性能を有する多孔質体(PVA(ポリビニルアルコール)やオレフィン)などの材料により構成すると、払拭ウェブ110の交換直後の使用済みのウェブの巻取量が少ないときにも、所定の吸液性能が発揮される。
さらに、回収側ロール204を加熱するヒータや、回収側ロール204へ風を送るファンを備え、回収側ロール204の乾燥を促進させることで、液吸収能力を向上させることも可能である。
上記の如く構成されたクリーナカートリッジ100によれば、払拭ウェブ110の液吸収能力を超えて落下した(垂れた)液を受ける廃液受け200と、廃液受け200の液を回収側ロール204に流す廃液流路202と、をクリーナカートリッジ100に収納することで、払拭ウェブ110から垂れた廃液は順次回収側ロール204に溜められるので、装置内部や未使用のウェブの汚れが防止される。
また、使用状態において廃液受け200から垂直下方向又は斜め下方向に沿って廃液流路202が設けられるので、廃液受け200に溜まった液を廃液流路202の高低差によって流すことができる。
さらに、使用済みウェブが巻かれた回収側ロール204に廃液が溜められるので、新たに廃液を溜める部材を設ける必要がなく、ウェブを交換する際に廃液は装置外部へ排出される。
さらにまた、ノズル面30C,30M,30Y,30Kを清掃するクリーナカートリッジ100C,100M,100Y,100Kにおいて、押圧ローラ118の部分だけをノズル面30C,30M,30Y,30Kに合わせて傾斜させている。これにより、ノズル面30C,30M,30Y,30Kが傾いて設置されている場合であっても、クリーナ自体は傾けて設置する必要がなくなり、設置に必要なスペース(ヘッド16C,16M,16Y,16Kの前後方向(図1において左右方向)のスペース)をコンパクトにすることができる。このことは、特に本実施の形態のインクジェット記録装置のように、各ヘッド16C,16M,16Y,16Kが、描画ドラム14の周囲に一定の間隔をもって配置される場合に有効に作用する。
傾斜配置された押圧ローラ118の傾斜方向下側に廃液受け200が配設されるので、払拭ウェブ110から廃液受け200への特別な流路構造を具備することなく、廃液の自重と押圧ローラの傾斜を利用して廃液を流すことができる。
本例では、記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数のノズルが並べられたライン型ヘッドのノズル面のクリーニングを行う場合を例に説明したが、シャトルスキャン方式のヘッドのノズル面をクリーニングする場合にも同様に適用することができる。
[清掃動作(第2実施形態)]
次に、本発明の第2実施形態に係るクリーナカートリッジ220について説明する。なお、上述した第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図15は、本例に示すクリーナカートリッジ220を用いたノズル面30のクリーニング処理を模式的に図示した概念図である。また、図16は、ヘッド16の移動方向の上流側からヘッド16及びクリーナカートリッジ220を見た図である。
図15及び図16に示すように、クリーナカートリッジ220は、ヘッド16の短手方向の両側からノズル面30を支持するノズルカバー222,224を払拭する2本のブレード240と、ノズル配設面226を払拭する払拭ウェブ110が設けられるとともに、ブレード240により拭き取られた液を回収するための液回収部が設けられている。
ヘッド16の短手方向の両端部に位置するノズルカバー222,224のそれぞれに対して、一本ずつのブレード240が設けられている。
ブレード240は、クリーナカートリッジ220に収納されるブレード支持部材244によって下側から支持されてクリーナカートリッジ220に収納される。ノズルカバー222,224とノズル配設面226との間には段差があり、ノズルカバー222,224はノズル配設面226から突き出た形状となっている。したがって、ブレード240の先端部が押圧ローラ118によって上側に押圧された払拭ウェブ110の位置よりも下がった位置となるようにブレード240を配置するとよい。
クリーナカートリッジ220は、ブレード240の下側に配設され、ブレード240から垂れた液を受ける液受部246と、液受部246と連通するとともに、液受部246から斜め下方向に沿って設けられる廃液流路248が収納されている。廃液流路248は回収側ロール204に液を流す構造となっている。
先にも説明したように、ノズル配設面226は撥液処理が施されているものの、ノズルカバー222,224は撥液処理が施されていない親液性領域となっているので、ノズル面30にウエット液205を付与してウエット化させたときに、濡れ性のよいノズルカバー222,224には大量のウエット液205が付着してしまう。
そこで、ノズルカバー222,224に対応してクリーナカートリッジ220にブレード240を収納するとともに、払拭ウェブ110に後続する位置(ヘッド16の移動方向上流側)にブレード240が配置され、ノズルカバー222,224に付着した大量のウエット液はブレード240によって拭き取られ、ノズル配設面226に付着した少量のウエット液は払拭ウェブ110によって拭き取られる構成とした。
ブレード240は、シリコンゴム、ウレタンゴム、EPMD(エチレン‐プロピレン‐ジエンゴム)、HNBR(水素化ニトリルゴム)などの材料が適用され、厚さ1mm程度の板状弾性体が適用される。ブレード240をノズルカバー222,224に弾性変形させるように接触させることで、ノズルカバー222,224の傷つきが防止される。
また、ブレード240に代わりスクイズローラを適用してもよい。ブレード240と同様に余分なウエット液205をかき落とすことができる。さらに、SUS(ステンレス)などの金属材料やPOM(ポリアセタール)など樹脂材料により形成されたドクターブレードを適用してもよい。ノズルカバー222,224との間のクリアラスを1mm程度(1mm以下)として、ウエット液205にドクターブレードの先端部を接触させて、ウエット液205をかき落としてもよい。
なお、上述した第1実施形態と同様に、払拭ウェブ110によって拭き取られたウエット液を回収する機構をクリーナカートリッジ220に収納してもよい。また、払拭ウェブ110は少なくともノズル配設面226を払拭できればよく、払拭ウェブ110の幅とノズル配設面226の幅を略同一としてもよい。
かかる構成によれば、ノズルカバー222,224に付着した大量のウエット液205を拭き取るためのブレード240を備え、ブレード240によって拭き取られたウエット液205はクリーナカートリッジ220内に回収される。したがって、ノズル面30に付着した大量のウエット液205を効率よく回収することができるとともに、回収された液の液だれによる汚染が防止される。
ここで、図17〜図20を用いて、フルライン型インクジェットヘッド16の構造例について説明する。
図17は、ヘッド16をノズル面30側から見た平面図であり、図18は図17の一部拡大図である。図17に示すように、ヘッド16は、n個のヘッドモジュール16‐i(i=1〜nの整数)をヘッド16の長手方向に沿って並べられた構造を有している。
ヘッドモジュール16‐iは、ヘッド16の短手方向の両側からノズルカバー222,224によって支持されている。図17において符号226を付した領域は、ノズル(図17中不図示、図19に符号230を付して図示する。)が設けられるノズル配設面である。ノズル配設面226とノズルカバー222,224との間には段差があり、ノズル配設面226よりもノズルカバー222,224が突き出た構造となっている。
図19は、ヘッドモジュール16‐iのノズル配置を表す図であり、ノズル面30側から見た図である。同図に示すように、ヘッドモジュール16‐iはマトリクス配置された複数のノズル230を有している。
用紙(図1に符号12を付して図示する。)の搬送方向であるY方向と角度αをなすW方向(行方向)に複数のノズル230が並べられたノズル列を2列以上有するとともに、該ノズル列が用紙搬送方向と直交するX方向と角度γをなすV方向(列方向)に沿って所定の配置間隔で並べられた構造を有している。かかるノズル配置によって、用紙搬送方向と直交するX方向(又は、V方向)に並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
なお、図19に示したノズル230のマトリクス配置は一例であり、例えば、X方向に対して角度θ(0<θ<90°)をなす斜めの列方向に沿って複数のノズル230を並べたノズル群をX方向に複数並べたマトリクス配置を適用してもよい。
図20は、ヘッドモジュール16iの内部構造を示す断面図であり、圧電方式によりノズルからインクを吐出させる構造が図示されている。
各ノズル230に対応して設けられている圧力室231は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部の一方にノズル230が設けられ、他方に供給口232が設けられている。なお、圧力室231の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
図20に示すように、各圧力室231は供給口232を介して供給流路233と連通されている。供給流路233はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは供給流路233を介して各圧力室231に供給される。
圧力室231の一部の面(図18において天面)を構成する振動板234には、共通電極235A及び個別電極235Bを備えた圧電素子236が接合されている。個別電極235Bと共通電極235Aの間に駆動電圧を印加することによって圧電素子236が変形して圧力室231の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル230からインクが吐出される。インク吐出後、圧電素子236が元の状態に戻る際、供給流路233から供給口232を通って新しいインクが圧力室231に再充填される。なお、振動板234に金属材料を用いる場合は、共通電極235Aと振動板234とを兼用してもよい。
また、ノズル230の近傍には循環絞り237が設けられ、循環絞り237のノズル230と反対側は循環流路238と連通している。循環絞り237を介してノズル230内のインクを循環流路238へ循環させることで、非吐出時におけるノズル230内部のインクの増粘が防止される。
なお、図17〜図20に図示したヘッド16の構成はあくまでも一例であり、吐出方式としてサーマル方式を適用可能であり、他の構造を有するインクジェットヘッドについても本発明を適用可能である。
[清掃動作(第3実施形態)]
次に、本発明の第3実施形態に係るクリーナカートリッジ300について説明する。なお、上述した第1、第2実施形態と共通する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図21は、本例に示すクリーナカートリッジ300を用いたノズル面30の払拭処理を模式的に図示した概念図である。本例に示すクリーナカートリッジ300は、払拭ウェブ110から垂れたウエット液205を回収する機構として、第1実施形態の押圧ローラ118に代わり中空形状の吸収ローラ302を具備し、かつ、吸収ローラ302と回収側ロール204とを連通させる廃液流路304Aと廃液流路304Bとの間にポンプ306が接続されている。
図22は、吸収ローラ302の構造例を示す斜視図である。同図に示すように、吸収ローラ302は中空構造を有するとともに、払拭ウェブ110と接触する周面には多数の吸引口308が設けられている。なお、吸収ローラ302を支持する構造などは図4〜図13を用いて説明した押圧ローラ118と同一とすることができるので、ここでは説明を省略する。
図21に戻り、吸収ローラ302の中空構造の端部には廃液流路304Aの一方の端が接続され、廃液流路304Aの他方の端にポンプ306が接続される。さらに、ポンプ306は廃液流路304Bを介して回収側ロール204と接続される。
吸収ローラ302を払拭ウェブ110に押し当ててポンプ306を動作させると、払拭ウェブ110に吸収されているウエット液205は、吸引口308から吸い出され、廃液流路304A、ポンプ306、廃液流路304Bの順に流れて回収側ロール204へ送られる。
かかる構成によれば、より強い吸引力を用いて払拭ウェブ110の液が回収されるので、短時間で効率よく廃液の回収を行うことができる。また、ポンプ306により廃液を加圧して強制的に流すように構成されるので、廃液流路304A,廃液流路304Bの配置の自由度が高くなる。
なお、本例において、小型のポンプ306をクリーナカートリッジ300内に内蔵してもよいし、図23に示すように、クリーナカートリッジ300’の外部にポンプ(チューブポンプ)306’を配置してもよい。
図23に示す態様では、クリーナカートリッジ300’に、吸収ローラ302に接続されるコネクタ部310Aが設けられるとともに、吸収ローラ302とコネクタ部310Aとを連通させる廃液流路304A’が設けられる。また、回収側ロール204に接続されるコネクタ部310Bが設けられるとともに、回収側ロール204とコネクタ部310Bとを連通させる廃液流路304B’が設けられる。
コネクタ部310A,310Bにチューブポンプ306’の流入口316及び排出口318を接続すると、吸収ローラ302から廃液流路304A’、コネクタ部310A、チューブポンプ306’の内部流路320、コネクタ部310B,廃液流路304B’を介して回収側ロール204までの流路が形成される。
クリーナカートリッジ300’に設けられたコネクタ部310A,310Bは、挿入動作によりチューブポンプ306’と結合される構造を有し、かつ、シールのためのオーリングと、弁形状(逆支弁構造)のふた部(不図示)が設けられる。
かかる構造によって、クリーナカートリッジ300’をラック(図23中不図示、図3参照)に挿入する際にふた部が開いてチューブポンプ306’と結合されることで、クリーナカートリッジ300’を取り外す際の液だれが防止される。
[制御系の構成例]
次に、図1に示すインクジェット記録装置の制御系の構成例を説明する。インクジェット記録装置は、通信インターフェース、システム制御部、搬送制御部、画像処理部、ヘッド駆動部を備えるとともに、記憶部(メモリ)、一次記憶部を備えている。
通信インターフェースは、ホストコンピュータから送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェースは、USB(Universal SerialBus)などのシリアルインターフェースを適用してもよいし、セントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用してもよい。通信インターフェースは、通信を高速化するためのバッファメモリを搭載してもよい。
システム制御部は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能し、さらに、記憶部及び一次記憶部のメモリコントローラとして機能する。すなわち、システム制御部は、通信インターフェース、搬送制御部等の各部を制御し、ホストコンピュータとの間の通信制御、記憶部及び一次記憶部の読み書き制御等を行うとともに、上記の各部を制御する制御信号を生成する。
ホストコンピュータから送出された画像データは通信インターフェースを介してインクジェット記録装置に取り込まれ、画像処理部によって所定の画像処理が施される。
画像処理部は、画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号(画像)処理機能を有し、生成した印字データをヘッド駆動部548に供給する制御部である。画像処理部において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、ヘッド駆動部を介してヘッド(図1に符号16C,16M,16Y,16Kを付して図示する。)の吐出液滴量(打滴量)や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。なお、ヘッド駆動部は、ヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
また、搬送制御部、画像処理部により生成された印字制御用の信号に基づいて記録媒体(図1に符号12を付して図示する。)の搬送タイミング及び搬送速度を制御する。搬送駆動部は、図1のグリッパ描画ドラム14や搬送ドラム26,26モータが含まれ、搬送制御部は上記のモータのドライバーとして機能している。
記憶部は、システム制御部のCPUが実行するプログラムや、装置各部の制御に必要な各種データ、制御パラメータなどが格納されており、システム制御部542を通じてデータの読み書きが行われる。記憶部は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。また、外部インターフェースを備え、着脱可能な記憶媒体を用いてもよい。
一時記憶部(一次記憶メモリ)は、通信インターフェースを介して入力された画像データを一旦格納する一次記憶手段としての機能や、記憶部に記憶されている各種プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域(例えば、画像処理部の作業領域)としての機能を有している。一時記憶部には、逐次読み書きが可能な揮発性メモリ(RAM)が用いられる。
また、システムコントローラは、周辺装置の制御を行う制御部へ指令信号を送出する。例えば、ヘッドのノズル面(図1に符号30C,30M,30Y,30Kを付して図示する。)のクリーニングを実行する際に、ヘッドを移動させるヘッド移動機構の制御ブロックへ制御信号を送出し、かつ、ノズル面にウエット液を付与する装置の制御ブロックやクリーニングユニット60の動作を制御する制御ブロックへ制御信号を送出する。
すなわち、システムコントローラは、装置の動作に応じて周辺装置の制御を統括的に制御する機能を有している。
[他の装置構成]
本例では、本発明の適用例として、インクジェット記録装置に含まれるクリーニングユニット60について説明したが、クリーニングユニット60を単独のクリーニング装置として構成することも可能である。
また、本例では、圧胴搬送方式が適用されるインクジェット記録装置における水平面に対して斜めに傾けられて配置されたインクジェットヘッドのノズル面を払拭するための構成を例示したが、ノズル面が水平方向や垂直方向と平行に配置されたインクジェットヘッドのノズル面を払拭するための構成にも適用可能である。
また、画像形成装置の一例として、記録媒体にカラーインクを吐出してカラー画像を記録するインクジェット記録装置を例示したが、マスクパターンの形成やプリント配線基板の配線描画など基板に樹脂液等により所定のパターン形状を形成する他の画像形成装置にも、本発明に係る塗布装置(液供給装置)を適用可能である。
以上、本発明に係るクリーナカートリッジ及び清掃装置並びに画像形成装置を詳細に説明したが、本発明は、以上の例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはもちろんである。
〔付記〕
上記に詳述した発明の実施形態についての記載から把握されるとおり、本明細書は少なくとも以下に示す発明を含む多様な技術思想の開示を含んでいる。
(発明1):液体が吐出されるノズルが設けられるノズル面を有するインクジェットヘッドの前記ノズル面に付着した液を払拭除去する払拭部材と、前記ノズル面から拭き取られた液を前記払拭部材から回収する液回収部と、前記払拭部材及び前記液回収部が収納される収納部材と、を備えたことを特徴とするクリーナカートリッジ。
本発明によれば、インクジェットヘッドのノズル面から拭き取られた液を回収する液回収部を、払拭部材が収納される収納部材に収納したので、払拭部材の液を受容する能力を超えた場合にも、払拭部材によって回収された液はクリーナカートリッジ内部に溜められ、ノズル面から拭き取られた液により装置内を汚すことや、未使用の払拭部材を汚すことが防止される。
また、使用済みの払拭部材はクリーナカートリッジごと交換することができるので、クリーナカートリッジ内部に溜められた液はクリーナカートリッジの交換とともに装置外へ排出され、ノズル面から拭き取られた液が装置内に長期にわたって蓄積されることが防止される。
払拭部材は、ノズル面に付着した液に接触して、ノズル面から液を除去する部材であり、払拭布(ウェブ)やブレードが含まれる。
液回収部は、払拭部材によってノズル面から拭き取られた液を吸収する吸収部材を含む構成としてもよい。
(発明2):発明1に記載のクリーナカートリッジにおいて、前記液回収部は、前記払拭部材により前記ノズル面から拭き取られた液を受ける液受部と、前記液受部と連通し、前記液受部から垂直下向き又は斜め下向きに配設される液流路と、前記液流路から導かれた液が溜められる液溜部と、を含むことを特徴とする。
かかる態様によれば、クリーナカートリッジ内に液回収部を構成する液受部、液流路、液溜部を収納することで、廃液がクリーナカートリッジの外部に出ることがなく、廃液による装置の汚染が防止される。
また、液受部から下向き又は斜め下向きの廃液液流が設けられるので、廃液は自重によって液受部から液溜部へ移動する。なお、ここでいう「下向き」、「斜め下向き」は使用状態における向きを表している。
(発明3):発明2に記載のクリーナカートリッジにおいて、前記液受部は、前記払拭部材の下側に設けられ、前記払拭部材から落下した液を受けることを特徴とする。
かかる態様において、液受部は払拭部材の真下(直下)に配設されてもよいし、払拭部材が水平面に対して傾けられる場合には、払拭部材の傾斜の下側端部に液受部を配設してもよい。なお、ここでいう「下側」、「真下(直下)」は使用状態における向きを表している。
(発明4):発明2又は3に記載のクリーナカートリッジにおいて、前記液回収部は、前記払拭部材を前記ノズル面へ接触させるように前記払拭部材を押圧する押圧部材を含み、前記液受部は、前記押圧部材を介して前記払拭部材から落下した液を受けることを特徴とする。
かかる態様によれば、ノズル面の払拭とともに払拭部材から液が絞られ、押圧部材を伝わった液が液受部に回収される。
押圧部材は、ローラ形状を有する態様が好ましい。
(発明5):発明4に記載のクリーナカートリッジにおいて、未使用の払拭部材が巻かれた供給側ロールと、前記ノズル面を払拭した使用済みの払拭部材が巻き取られるとともに、前記液溜部と兼用される回収側ロールと、前記供給側ロールから前記押圧部材による押圧領域を通過させて前記回収側ロールへ払拭部材を走行させる払拭部材走行手段と、を具備し、前記液流路は、前記液受部から前記回収側ロールへ液を導く構造を有し、前記供給側ロール及び前記回収側ロールは、前記収納部材に収納されることを特徴とする。
かかる態様によれば、ノズル面から拭き取られた液は使用済みの払拭部材へ溜められるので、廃液を溜めておく構造を設ける必要がなく、カートリッジの構造が簡素化される。
また、使用状態において、供給側ロールの下方に回収側ロールを配設することで、回収側ロールへ溜められた液によって供給側ロールが汚染されることが防止される。
払拭部材走行手段は、供給側ロールの巻き芯及び回収側ロールの巻き芯を回転させる回転機構と、該回転機構の駆動源と、を含み、供給側ロール及び回収側ロールを同期させて回転させる態様が考えられる。
(発明6):発明1に記載のクリーナカートリッジにおいて、前記払拭部材は、前記ノズル面のうち、少なくとも親液性を有する親液領域を払拭する第1払拭部材を含むことを特徴とする。
かかる態様によれば、親液性を有する親液領域に付着する大量の液の拭き取りが行われた場合にも、払拭部材からの液たれ等による汚れが防止される。
親液性を有する領域とは、撥液処理が施された領域に対して相対的に親液であればよく、撥液領域に対する未処理領域が含まれていてもよい。
親液領域の接触角と撥液領域の接触角とを比較すると、(親液領域の接触角)<(撥液領域の接触角)の関係を有している。
(発明7):発明6に記載のクリーナカートリッジにおいて、前記ノズル面の撥液処理が施される撥液領域を払拭し、前記収納部材に収納される第2払拭部材を備えたことを特徴とする。
かかる態様によれば、撥液領域を払拭する第2払拭部材を別途備えることで、液が大量に付着する親液領域と、比較的少量の液が付着する撥液領域と、を効率よく払拭することができ、いずれの領域を払拭した場合にも、第1払拭部材及び第2払拭部材からの液たれによる汚れが防止される。
(発明8):発明7に記載のクリーナカートリッジにおいて、前記第1払拭部材は、ブレードあるいはスクイズローラの少なくともいずれかを含み、前記第2払拭部材は、ウェブを含み、前記ウェブを前記ノズル面へ接触させるように前記ウェブを押圧する押圧部材と、未使用のウェブが巻かれた供給側ロールと、前記撥液領域を払拭した使用済みのウェブが巻き取られるとともに、前記液溜部と兼用される回収側ロールと、前記供給側ロールから前記押圧部材による押圧領域を通過させて前記回収側ロールへウェブを走行させるウェブ走行手段と、を具備し、前記液流路は、前記液受部から前記回収側ロールへ液を導く構造を有し、前記供給側ロール及び前記回収側ロールは、前記収納部材に収納されることを特徴とする。
かかる態様によれば、ブレードによって拭き取られた大量の液は、使用済みのウエブ(回収側ロール)へ集められるので、カートリッジ内に回収された大量の液をカートリッジから取り出す際の液もれが防止されるとともに、作業性がよい。
また、使用状態において、供給側ロールの真下に回収側ロールが配設されるように供給側ロール及び回収側ロールを縦置きすることで、カートリッジの構造がコンパクトになる。
(発明9):発明1に記載のクリーナカートリッジにおいて、前記液回収部は、前記払拭部材と接触する面に前記ノズル面から拭き取られた液を吸引する吸引口が設けられた吸引部材を含むことを特徴とする。
かかる態様において、吸収部材から液を回収する回収手段として、吸収部材に接続される吸引装置(ポンプ)と、液流路と、を備える態様が好ましい。
吸引装置はクリーナカートリッジに内蔵される構造を有していてもよいし、クリーナカートリッジの外部に配設される構造を有していてもよい。吸引装置がクリーナカートリッジの外部に配設される態様では、吸引装置とクリーナカートリッジとを接続する接続部にシール構造を適用することで、クリーナカートリッジの交換時における液もれが防止される。
また、吸引装置から回収側ロールへ液を流すように液流路を構成する態様も好ましい。
(発明10):液体が吐出されるノズルが設けられるノズル面を有するインクジェットヘッドの前記ノズル面に付着した液を払拭除去する払拭部材と、前記ノズル面から拭き取られた液を前記払拭部材から回収する液回収部と、
前記払拭部材及び前記液回収部が収納される収納部材と、を含むクリーナカートリッジを具備するクリーニング部と、前記クリーニング部を前記ノズル面に対して相対的に移動させる移動手段と、を備えたことを特徴とするクリーニング装置。
本発明において、インクジェットヘッドとクリーニング装置とを相対的に移動させる移動手段を備える態様が好ましい。
(発明11):記録媒体に液体を吐出するノズルが設けられるインクジェットヘッドを含む画像形成部と、前記インクジェットヘッドのノズル面のクリーニングを行うクリーニング部と、を備え、前記クリーニング部は、前記インクジェットヘッドのノズルが設けられるノズル面に付着した液を払拭除去する払拭部材と、前記ノズル面から拭き取られた液を前記払拭部材から回収する液回収部と、前記払拭部材及び前記液回収部が収納される収納部材と、を含むクリーナカートリッジを具備することを特徴とする画像形成装置。
(発明12):発明11に記載の画像形成装置において、円筒形状を有し、周面に記録媒体を保持する記録媒体保持領域を有する圧胴を備え、前記クリーニング部は、前記圧胴の周面に前記ノズル面が対向するように、前記ノズル面が水平面に対して傾けられて配置されたインクジェットヘッドのノズル面と前記払拭部材が略平行となるように水平面に対して傾けて前記払拭部材を支持する支持部材を具備するとともに、前記液回収部は、前記ノズル面から拭き取られた液を前記支持部材の傾斜下側端部へ導く構造を有するとともに前記支持部材の傾斜下側に配設される液受部と、前記液受部と連通し、前記液受部から垂直下向き又は斜め下向きに配設される液流路と、前記液流路から導かれた液を溜める液溜部と、を具備することを特徴とする。
(発明13):発明12に記載の画像形成装置において、前記インクジェットヘッドは、複数色のインクに対応して複数設けられ、前記クリーニング部は、複数のインクジェットヘッドに対応して複数のクリーナカートリッジを有するとともに、各インクジェットヘッドのノズル面の傾斜に対応して、各インクジェットヘッドに対応するクリーナカートリッジが水平面に対して傾斜配置される構造を有することを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置には、インクジェット方式により記録媒体に画像を形成するインクジェット記録装置が含まれる。また、本発明における処理液は、インクに含有する色材を凝集又は不溶化させる機能を有する酸性液が含まれる。
10…描画部、16,16C,16M,16Y,16K…ヘッド、30,30C,30M,30Y,30K…ノズル面、60…クリーニングユニット、100,100C,100M,100Y,100K,220,300…クリーナカートリッジ、110…払拭ウェブ、118…押圧ローラ、200,246…廃液受け、202,248…廃液流路、203…供給側ロール、204…回収側ロール、240…ブレード、302…吸収ローラ

Claims (9)

  1. 液体が吐出されるノズルが設けられるノズル面を有するインクジェットヘッドの前記ノズル面に付着した液を払拭除去する払拭部材と、
    未使用の払拭部材が巻かれた供給側ロールと、
    前記ノズル面を払拭した使用済みの払拭部材が巻き取られる回収側ロールと、
    前記払拭部材を前記ノズル面へ接触させるように前記払拭部材を押圧する押圧部材、前記払拭部材の下側に設けられ、前記払拭部材により前記ノズル面から拭き取られ前記払拭部材から落下した液を前記押圧部材を介して受ける液受部、前記液受部と連通し、前記液受部から垂直下向き又は斜め下向きに配設され、前記液受部から前記回収側ロールへ液を導く構造を有する液流路、及び前記液流路から導かれた液が溜められ、前記回収側ロールと兼用される液溜部を含む液回収部と、
    前記供給側ロールから前記押圧部材による押圧領域を通過させて前記回収側ロールへ払拭部材を走行させる払拭部材走行手段と、
    前記供給側ロール、前記回収側ロール、及び前記液回収部が収納される収納部材と、
    を備えたことを特徴とするクリーナカートリッジ。
  2. 請求項1に記載のクリーナカートリッジにおいて、
    記ノズル面のうち、少なくとも親液性を有する親液領域を払拭する第1払拭部材を備えたことを特徴とするクリーナカートリッジ。
  3. 請求項に記載のクリーナカートリッジにおいて、
    前記払拭部材は、前記ノズル面の撥液処理が施される撥液領域を払拭することを特徴とするクリーナカートリッジ。
  4. 請求項に記載のクリーナカートリッジにおいて、
    前記第1払拭部材は、ブレードあるいはスクイズローラの少なくともいずれかを含み、前記第2払拭部材は、ウェブを含ことを特徴とするクリーナカートリッジ。
  5. 請求項1に記載のクリーナカートリッジにおいて、
    前記液回収部は、前記払拭部材と接触する面に前記ノズル面から拭き取られた液を吸引する吸引口が設けられた吸引部材を含むことを特徴とするクリーナカートリッジ。
  6. 液体が吐出されるノズルが設けられるノズル面を有するインクジェットヘッドの前記ノズル面に付着した液を払拭除去する払拭部材と、
    未使用の払拭部材が巻かれた供給側ロールと、
    前記ノズル面を払拭した使用済みの払拭部材が巻き取られる回収側ロールと、
    前記払拭部材を前記ノズル面へ接触させるように前記払拭部材を押圧する押圧部材、前記払拭部材の下側に設けられ、前記払拭部材により前記ノズル面から拭き取られ前記払拭部材から落下した液を前記押圧部材を介して受ける液受部、前記液受部と連通し、前記液受部から垂直下向き又は斜め下向きに配設され、前記液受部から前記回収側ロールへ液を導く構造を有する液流路、及び前記液流路から導かれた液が溜められ、前記回収側ロールと兼用される液溜部を含む液回収部と、
    前記供給側ロールから前記押圧部材による押圧領域を通過させて前記回収側ロールへ払拭部材を走行させる払拭部材走行手段と、
    前記供給側ロール、前記回収側ロール、及び前記液回収部が収納される収納部材と、
    を含むクリーナカートリッジを具備するクリーニング部と、
    前記クリーニング部を前記ノズル面に対して相対的に移動させる移動手段と、
    を備えたことを特徴とするクリーニング装置。
  7. 記録媒体に液体を吐出するノズルが設けられるインクジェットヘッドを含む画像形成部と、
    前記インクジェットヘッドのノズル面のクリーニングを行うクリーニング部と、
    を備え、
    前記クリーニング部は、前記インクジェットヘッドのノズルが設けられるノズル面に付着した液を払拭除去する払拭部材と、未使用の払拭部材が巻かれた供給側ロールと、前記ノズル面を払拭した使用済みの払拭部材が巻き取られる回収側ロールと、前記払拭部材を前記ノズル面へ接触させるように前記払拭部材を押圧する押圧部材、前記払拭部材の下側に設けられ、前記払拭部材により前記ノズル面から拭き取られ前記払拭部材から落下した液を前記押圧部材を介して受ける液受部、前記液受部と連通し、前記液受部から垂直下向き又は斜め下向きに配設され、前記液受部から前記回収側ロールへ液を導く構造を有する液流路、及び前記液流路から導かれた液が溜められ、前記回収側ロールと兼用される液溜部を含む液回収部と、前記供給側ロールから前記押圧部材による押圧領域を通過させて前記回収側ロールへ払拭部材を走行させる払拭部材走行手段と、前記供給側ロール、前記回収側ロール、及び前記液回収部が収納される収納部材と、を含むクリーナカートリッジを具備することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項に記載の画像形成装置において、
    円筒形状を有し、周面に記録媒体を保持する記録媒体保持領域を有する圧胴を備え、
    前記クリーニング部は、前記圧胴の周面に前記ノズル面が対向するように、前記ノズル面が水平面に対して傾けられて配置されたインクジェットヘッドのノズル面と前記払拭部材が略平行となるように水平面に対して傾けて前記払拭部材を支持する支持部材を具備することを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項に記載の画像形成装置において、
    前記インクジェットヘッドは、複数色のインクに対応して複数設けられ、
    前記クリーニング部は、複数のインクジェットヘッドに対応して複数のクリーナカートリッジを有するとともに、各インクジェットヘッドのノズル面の傾斜に対応して、各インクジェットヘッドに対応するクリーナカートリッジが水平面に対して傾斜配置される構造
    を有することを特徴とする画像形成装置。
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