JP2005212266A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 搬送精度に悪影響を与えずに搬送ベルト上のインクを確実に除去可能なクリーニング装置を備えたインクジェット記録装置を提供することを目的とし、捺染用のインクジェット記録装置に用いられる搬送ベルトのように幅広のベルトにも適用でき、乾燥装置等が不要で、長期間にわたり確実なクリーニング性能を維持可能なクリーニング装置を備えたインクジェット記録装置を提供することをも目的とする。
【解決手段】 記録媒体Pを搬送ベルト7により搬送しながら画像を形成するインクジェット記録装置1において、搬送ベルト7に圧接可能に設けられ、搬送ベルト7の搬送方向と同方向に駆動回転する洗浄ローラ14を備えたクリーニング装置13を備え、洗浄ローラ14は、その外周の線速度が搬送ベルト7の搬送速度よりも遅い速度で回転するよう設定されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インクジェット記録装置に係り、特に、搬送精度に悪影響を与えずに搬送ベルト上のインクを確実に除去可能なクリーニング装置を備えたインクジェット記録装置に関する。
近年、種々の記録媒体に対する高精細な画像形成を行う装置として、インクジェット方式による画像記録装置が広く普及している。特に、記録媒体が伸縮性のある布帛等である場合などには、記録媒体を無端状の搬送ベルトで記録ヘッドの下方に搬送することが行われていることがある。その際、記録媒体のミスフィードやいわゆる縁なし印刷、インクの裏抜け等のために、記録ヘッドから吐出されたインクが搬送ベルトに付着する場合があり、搬送ベルトに付着したインクが搬送ベルト上に新たに供給されてきた記録媒体に転移して記録媒体を汚してしまう等のトラブルが生じる。そのため、通常、このような搬送ベルトを備えるインクジェット記録装置には、搬送ベルトのクリーニング装置が設けられる。
従来、搬送ベルトをクリーニングするための手段として、搬送ベルトに付着した不要なインクをブレードワイパで拭い、補助手段として吸液材でインクを吸い取るクリーニング装置を備えた記録装置や搬送装置が知られている(例えば、特許文献1乃至特許文献3参照)。しかし、これらの装置では、ブレードワイパや吸液材を搬送ベルトに強く押し当てるため、搬送ベルトを損傷させて搬送ベルトの耐久性に悪影響を及ぼす可能性がある。また、搬送ベルトに付着したインクが乾燥して搬送ベルトに固着した場合等には必ずしも十分にインクを除去できない。さらに、布帛の捺染用のインクジェット記録装置に用いられる搬送ベルトのようにベルト幅が1m以上になるような場合には、搬送ベルトの全幅にわたってブレードワイパのエッジを均一に押し当てることは、通常、困難である。
また、他のクリーニング手段としては、高分子吸水ポリマーを有するローラ又はパッドで搬送ベルトに付着したインクを吸収し又は拭き取るクリーニング装置を備えた画像形成装置の考案が開示されている(例えば、特許文献4参照)。この装置では、インク吸収層である高分子吸水ポリマーを不織布で覆った2重構造のローラを用いるが、特に顔料系のインクを用いた場合、インクの色素粒子が不織布や高分子吸水ポリマーの表層に留まり易く、インク吸収機能が低下し易い。例えば、布帛に対する捺染においていわゆる縁なしの画像記録を行うと、布帛端縁の外側の搬送ベルト上にインクが集中して付着することがあるが、このような場合、その部分に対応するローラの部位にインクの色素粒子が留まり、その部位の吸収能力が比較的早期に低下してしまう。そのため、ローラ等の交換頻度が非常に高くなるという問題があった。
一方、これらの装置では、搬送ベルトの搬送精度に対して悪影響を与えないように(特許文献4参照)、画像記録中はブレードワイパやローラ等を搬送ベルトから離しておき、紙詰まり等が発生した後の記録動作再開前(特許文献1乃至特許文献3参照)やクリーニング必要時(特許文献4参照)等の非記録時に搬送ベルトのクリーニングを行うことが想定されている。しかし、前述した布帛に対する捺染のような場合には、長尺の布帛に画像記録を長時間連続して行うことも多く、その間、搬送ベルトのクリーニングを行わないと、搬送ベルト上にインクが付着し続け、記録媒体である布帛を汚し、インクが搬送ベルトに固着してしまう。そのため、画像記録を行いながらそれと同時並行で搬送ベルトのクリーニングを行わなければならない。
このように画像記録と同時並行で搬送ベルトのクリーニングを行うインクジェット記録装置としては、搬送ベルトをテンションローラ等のガイドローラと回転自在とされたローラ状の洗浄スポンジで挟んで搬送ベルトに付着したインクをクリーニングする搬送装置を備えたインクジェット記録装置が知られている(例えば、特許文献5参照)。この装置では、洗浄スポンジの搬送ベルトの搬送方向下流側に脱水ベルトを設けて、搬送ベルトに脱水ベルトを接触させて搬送ベルトを脱水し、或いは同じく洗浄スポンジの下流側に送風機を設けて、搬送ベルトに風を吹き付けて搬送ベルトを乾燥させるようになっている。
特許第2705992号公報 特許第2891796号公報 特許第3016924号公報 特開2000−272107号公報 特開2003−205658号公報
しかしながら、特許文献5に記載のインクジェット記録装置では、搬送ベルトに対する記録媒体のずれが生じないように固定するための針状の突起が多数設けられているため、搬送ベルトの搬送速度と洗浄スポンジの外周の線速度とが同速度にならざるを得ない。つまり、洗浄スポンジは、搬送ベルトに当接する状態で搬送ベルト上のインクを吸収するだけであり、インクを拭き取る動作ができない。そのため、搬送ベルト上のインクを必ずしも十分に除去できない場合があった。また、搬送ベルト上からインクを十分に除去できないまま、洗浄スポンジ下流の送風機等の乾燥装置で搬送ベルトを乾燥させると、搬送ベルト上に色素等の固形分が残ってしまい、画像記録のトラブルの原因となる。さらに、この装置では、乾燥に多大な電力を必要とするという問題もあった。
洗浄スポンジで搬送ベルト上のインクを拭き取るためには、搬送ベルトの搬送速度と洗浄スポンジの外周の線速度との間に速度差を設ける必要がある。しかし、速度差を設けると、洗浄スポンジによる摩擦で搬送ベルトの搬送に負荷がかかり、特許文献4に指摘されているように、搬送ベルトによる記録媒体の搬送精度に対して悪影響を与える可能性がある。特に、前記のように搬送ベルトのクリーニングを画像記録と同時に行う場合には、搬送ベルトの搬送精度が低下すると記録媒体に対する画像記録にムラ等を生じてしまう。そのため、搬送ベルト上のインクを確実に除去可能なクリーニング性能を備え、しかも搬送精度に悪影響を与えずに搬送ベルトをクリーニングできるクリーニング装置を備えたインクジェット記録装置の開発が求められている。
そこで、本発明の主な目的は、搬送精度に悪影響を与えずに搬送ベルト上のインクを確実に除去可能なクリーニング装置を備えたインクジェット記録装置を提供することである。また、本発明は、捺染用のインクジェット記録装置に用いられる搬送ベルトのように幅広のベルトにも適用でき、乾燥装置等が不要で、長期間にわたり確実なクリーニング性能を維持可能なクリーニング装置を備えたインクジェット記録装置を提供することをも目的とする。
前記の問題を解決するために、請求項1に記載のインクジェット記録装置は、記録媒体を搬送ベルトにより搬送しながら画像を形成するインクジェット記録装置において、前記搬送ベルトに圧接可能に設けられ、前記搬送ベルトの搬送方向と同方向に駆動回転する洗浄ローラを備えたクリーニング装置を備え、前記洗浄ローラは、その外周の線速度が前記搬送ベルトの搬送速度よりも遅い速度で回転するよう設定されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、搬送ベルトに付着したインクを洗浄ローラから絞り出された水に溶解・拡散させ、それを洗浄ローラが吸い取り、さらに洗浄ローラが搬送ベルト上のインクや水を拭き取る。その際、洗浄ローラは、搬送ベルト上のインクを溶解・拡散させた水を有効に吸収するため、クリーニング装置を通過した後の搬送ベルトの濡れを非常に小さい状態に抑える。また、洗浄ローラの外周の線速度を搬送ベルトの搬送速度より遅く設定することで、洗浄ローラの回転によって生じる搬送ベルトとの摩擦力を、インクジェット記録装置の記録ヘッド直下での搬送ベルトに加わる張力を増加させる方向に働かせることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、前記洗浄ローラの前記搬送ベルトに対する押し込み量は、洗浄後の前記搬送ベルト上のインク残存率が5%以下になり、かつ、前記洗浄ローラが前記搬送ベルトとの摩擦力により追随回転しない範囲に設定されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、搬送ベルト上のインク残存率が5%以下であれば搬送ベルト上に残存するインクにより記録媒体を汚すことなく画像記録を行うことができ、また、洗浄ローラが搬送ベルトとの摩擦力により追随回転しない範囲で押し込む。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置において、前記洗浄ローラは、PVC連泡体よりなることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、洗浄ローラの材料としてPVC連泡体を用いることで、長尺のローラを形成することができる。特に、長尺な洗浄ローラを、テンションローラ等に内面側から支持された搬送ベルトに対して、テンションローラに平行に圧接させることで、搬送ベルトの全幅にわたって洗浄ローラを均一に圧接させることができる。また、洗浄ローラをPVC連泡体で形成することにより、インクをその表面や内部に留めることなく水槽内の水に溶出させることができるから、従来の場合とは異なり、洗浄ローラは比較的長期間にわたって高いインク吸収能力が維持される。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、前記洗浄ローラは、前記搬送ベルトに対する押し込み量が1〜3mmの範囲になるような荷重で前記搬送ベルトに圧接されるよう設定されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、PVC連泡体よりなる洗浄ローラの搬送ベルトに対する押し込み量が1mm以上となるような範囲の荷重で洗浄ローラを搬送ベルトに圧接することで、クリーニング後の搬送ベルト上のインク残存率を、実用上有効な5%以下にすることができる。また、押し込み量が3mm以下となるような範囲の荷重で洗浄ローラを搬送ベルトに圧接することで、搬送ベルトのスムーズな周回を妨げることを防止することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置において、前記洗浄ローラは、前記搬送ベルトに対して接離可能に構成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、インクジェット記録装置の稼動時等には洗浄ローラを搬送ベルトに圧接させ、非稼動時等には、洗浄ローラを搬送ベルトから離すことができる。
請求項1に記載の発明によれば、搬送ベルトに付着したインクを洗浄ローラから絞り出された水に溶解・拡散させ、それを洗浄ローラが吸い取り、さらに洗浄ローラが搬送ベルト上のインクや水を拭き取るため、搬送ベルト上のインクや水を確実に除去することが可能となる。またその際、洗浄ローラは、搬送ベルト上のインクを溶解・拡散させた水を有効に吸収して、クリーニング装置を通過した後の搬送ベルトの濡れを非常に小さい状態に抑えることができるため、搬送ベルトが周回して搬送ベルト上に記録媒体が供給されるまでの間に、搬送ベルトはほぼ完全に乾燥する。従って、従来のような乾燥装置等が不要となり、電力消費をより抑制することができる。
また、洗浄ローラの外周の線速度を搬送ベルトの搬送速度より遅く設定することで、洗浄ローラの回転によって生じる搬送ベルトとの摩擦力は、インクジェット記録装置の記録ヘッド直下での搬送ベルトに加わる張力を増加させる方向に働き、搬送ベルトとベルト駆動ローラや従動ローラとの密着度を増加させる。そのため、洗浄ローラの外周の線速度を搬送ベルトの搬送速度より速く設定して記録ヘッド直下での搬送ベルトに加わる張力を減少させて送りの安定性が損われる場合と比較して、搬送ベルトの搬送精度はほとんど悪化せず、実用上、その影響を、ほとんど無視できる程度まで小さいものに留めることが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、搬送ベルト上のインク残存率が5%以下であれば搬送ベルト上に残存するインクにより記録媒体を汚すことなく画像記録を行うことができ、また、洗浄ローラが搬送ベルトとの摩擦力により追随回転しない範囲で押し込むことにより、洗浄ローラが搬送ベルト上のインクや水を拭き取る効果を十分に発揮できるため、前記本発明の効果に加え、搬送ベルト上のインクをより確実に除去することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、洗浄ローラの材料としてPVC連泡体を用いることで、長尺のローラを形成することができ、長尺な洗浄ローラを、テンションローラ等に内面側から支持された搬送ベルトに対して、テンションローラに平行に圧接させれば、搬送ベルトの全幅にわたって洗浄ローラを均一に圧接させることができる。そのため、前記各請求項に記載の発明の効果を、捺染用のインクジェット記録装置に用いられる搬送ベルトのように幅広のベルトに適用することが可能となる。また、洗浄ローラをPVC連泡体で形成することにより、インクをその表面や内部に留めることなく水槽内の水に溶出させることができるから、従来の場合とは異なり、洗浄ローラは比較的長期間にわたって高いインク吸収能力が維持され、長期間にわたって確実なクリーニング性能を維持することができる。
請求項4に記載の発明によれば、PVC連泡体よりなる洗浄ローラの搬送ベルトに対する押し込み量が1〜3mmの範囲となるような荷重で洗浄ローラを搬送ベルトに圧接することで、クリーニング後の搬送ベルト上のインク残存率を実用上有効な5%以下にすることができ、搬送ベルトのスムーズな周回を妨げることなく搬送ベルトをクリーニングすることができるため、前記各請求項に記載の発明の効果を、実用上、より有効に発揮させることが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、インクジェット記録装置の稼動時等には洗浄ローラを搬送ベルトに圧接させ、非稼動時等には、洗浄ローラを搬送ベルトから離すことができるため、洗浄ローラが搬送ベルトに圧接され続けて永久変形を起こし、洗浄ローラのクリーニング性能が低下することを回避できる。そのため、前記各請求項に記載の発明の効果に加え、長期間にわたり確実なクリーニング性能を維持すること可能となる。
以下、本発明のインクジェット記録装置に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置の概略図であり、インクジェット記録装置1は、シリアルヘッド方式のインクジェット記録装置である。インクジェット記録装置1は、主に、記録媒体Pに対して画像記録を行うための画像記録部2と、記録媒体Pを搬送するための搬送部3とを備える。
インクジェット記録装置1の画像記録部2には、棒状のキャリッジレール4が水平方向に配置されている。キャリッジレール4には、図示しないキャリッジ駆動機構によって駆動されるキャリッジ5がキャリッジレール4に沿った方向(以下、主走査方向という。)に往復移動自在に支持されている。
キャリッジ5には、下方の記録媒体Pに対してインクを吐出する複数のノズルが設けられた記録ヘッド6が搭載されており、記録ヘッド6は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のインクセットやそれらとライトYMCKのセット等に対応できるように8個或いは16個搭載されている。また、キャリッジ5には、図示を省略するが、記録ヘッド6に供給する各色のインクを貯留するためのサブインクタンクが搭載されており、それぞれのサブインクタンクには、各色のインクを貯蔵するインクタンクに接続されたインク供給管がそれぞれ連結されている。サブインクタンクには、インク供給管を介してインクタンクから適宜インクが供給されるようになっている。
記録ヘッド6は、キャリッジレール4に沿ったキャリッジ5の往復移動にあわせて主走査方向に走査しながら、ノズルから各色のインクを記録媒体Pに対して吐出して画像記録を行うよう構成されている。本実施形態では、その際、記録ヘッド6がその往路方向への走査及び復路方向への走査の両方でそれぞれインクを吐出し、インクジェット記録を行うよう設定されている。
インクジェット記録装置1の画像記録部2の下方には、記録媒体Pを前記記録ヘッド6のノズル面に対向する状態で主走査方向に直交する方向(以下、副走査方向という。)に搬送するための無端状の搬送ベルト7を備えた搬送部3が設けられている。
搬送部3には、搬送ベルト7を周回駆動させるためのベルト駆動ローラ8、ベルト駆動ローラ8に対して略水平方向にあり搬送ベルト7をベルト駆動ローラ8に向けて案内するための従動ローラ9、及びベルト駆動ローラ8や従動ローラ9の下方のテンションローラ10がそれぞれの軸方向が平行になるように配置されている。ベルト駆動ローラ8、従動ローラ9及びテンションローラ10には、前記無端状の搬送ベルト7が掛け渡されており、搬送ベルト7は、外向き又は内向きに移動可能とされたテンションローラ10を図示しない移動装置により外向きに移動させることにより前記各ローラ間に張設され、各ローラにより内面側から支持されるようになっている。搬送部3は、テンションローラ10の外向きの移動距離を加減することにより搬送ベルト7に加わる張力を調節できるよう構成されている。
ベルト駆動ローラ8には、ベルト駆動ローラ8を駆動回転させるためのモータ11が接続されており、ベルト駆動ローラ8は、モータ11の駆動により駆動回転して、搬送ベルト7をベルト駆動ローラ8からテンションローラ10及び従動ローラ9を経由してベルト駆動ローラ8に向かう方向(以下、搬送方向という。)に周回させるよう構成されている。尚、前記画像記録部2の直下の従動ローラ9及びベルト駆動ローラ8間では、搬送ベルト7の搬送方向と前記副走査方向とは同一の方向となる。
従動ローラ9及びベルト駆動ローラ8間には、平板状のベルトガイド板12が搬送ベルト7を内面側から支持するよう配設されており、搬送ベルト7は、ベルトガイド板12により内面側から支持されていて、重力で下方にたわむことなく前記記録ヘッド6のノズル面に正確に対向して移動するよう構成されている。
布帛等の記録媒体Pは、従動ローラ9の位置又はその搬送方向上流側で無端状の搬送ベルト7の外面上に供給され、記録ヘッド6による画像記録後、ベルト駆動ローラ8の位置又はその搬送方向下流側で搬送ベルト7の外面上から離脱されるようになっている。尚、搬送ベルト7に対する記録媒体Pのずれを防止するために、搬送ベルト7の外面側を粘着性としたり、ベルトガイド板12を静電力発生装置としたり、或いはベルトガイド板12に別体の静電力発生装置を取り付けて搬送ベルト7を帯電させるなどして、記録媒体Pを搬送ベルト7に粘着・吸着等させる構成とすることも適宜行われる。
テンションローラ10の外側には、搬送ベルト7のクリーニング装置13が設けられており、クリーニング装置13には、搬送ベルト7の洗浄を行うための洗浄ローラ14がその回転軸がテンションローラ10の回転軸と平行になるように設けられている。洗浄ローラ14には、テンションローラ10に内面側から支持された搬送ベルト7に対してその外面側から洗浄ローラ14を圧接させ又はその圧接を解除するための圧接解除機構15が取り付けられている。
尚、洗浄ローラ14は、搬送ベルト7のベルト幅が1m以上の幅広の場合にも適用できるように、長尺のローラを形成し得るポリ塩化ビニル(PVC)やポリビニルアルコール(PVA)製であれば好ましく、本実施形態では、洗浄ローラ14として、ポリ塩化ビニル連泡体(以下、PVC連泡体という。)よりなるローラが用いられている。ここで、連泡体とは、多孔質材料の一種であって内部に存在する気泡同士がつながっているものをいう。
また、本実施形態では、洗浄ローラ14は、圧接解除機構15により搬送ベルト7に対する押し込み量が1〜3mmになるよう設定されている。ここで、洗浄ローラ14の搬送ベルト7に対する押し込み量とは、図2に示すように、洗浄ローラ14を、テンションローラ10に内面側から支持された搬送ベルト7に外面側から当接した状態[図2(A)参照]からさらに搬送ベルト7側に押し込んだ状態[図2(B)参照]に至るまでの移動距離aをいう。尚、図2(B)は、押し込み量を説明するための概略図であり、洗浄ローラ14を押し込んだ状態及び搬送ベルトに付着したインクIが実際の場合より強調して表現されている。
洗浄ローラ14には、洗浄ローラ14を駆動回転させるための洗浄ローラ駆動モータ16が接続されており、洗浄ローラ駆動モータ16は、洗浄ローラ14を搬送ベルト7の搬送方向と同方向、即ち、洗浄ローラ14と搬送ベルト7との圧接位置での洗浄ローラ14の外周の線速度方向が搬送ベルト7の搬送方向と同じ向きになるように駆動回転させるよう構成されている。さらに、洗浄ローラ駆動モータ16は、洗浄ローラ14をその外周の線速度が搬送ベルト7の搬送速度よりも遅い速度で回転させるよう設定されている。
また、洗浄ローラ14の下方には、洗浄ローラ14の洗浄液である水17が溜められた水槽18が、洗浄ローラ14の一部が水17に浸かるように配置されており、水槽18には、水を供給するためのホース等の水供給手段19及び図示しない排水口が配設されている。
次に、本発明のインクジェット記録装置の作用について説明する。
インクジェット記録装置1の画像記録部2(図1参照)では、キャリッジレール4に沿ってキャリッジ5が主走査方向に往復移動する。また、キャリッジ5の往復移動にあわせてキャリッジ5に搭載された記録ヘッド6が記録媒体Pの上方を主走査方向に走査しながら、ノズルから各色のインクを記録媒体Pに対して吐出して画像記録を行う。
前述したように、本実施形態では、記録ヘッド6は、その往路方向への走査及び復路方向への走査の両方でインクジェット記録を行うよう設定されている。具体的に言えば、搬送ベルト7が移動を停止して記録媒体Pを静止させた状態で、記録ヘッド6が主走査方向の往路方向に走査しながら記録媒体Pに対してインクを吐出し、ヘッド幅の画像記録を行う。記録ヘッド6の往路方向の走査が完了すると、搬送ベルト7が移動して副走査方向に記録媒体Pを前記ヘッド幅分だけ搬送して静止させる。そして、記録ヘッド6が復路方向に走査しながら同様にインクを吐出してヘッド幅の画像記録を行う。記録ヘッド6の復路方向への走査が完了すると、搬送ベルト7が再度移動して副走査方向に記録媒体Pをヘッド幅分だけ搬送して静止させる。これを繰り返すことにより、記録媒体P上に面状に画像が記録される。
インクジェット記録装置1の搬送部3では、この画像記録部2でのインクジェット記録にあわせて記録媒体Pが精度よく移動及び停止を繰り返すように、搬送ベルト7の搬送精度が調整される。即ち、搬送ベルト7を精度よく周回及び停止させるように、モータ11によるベルト駆動ローラ8の間欠的な回転駆動の回転量や回転のタイミング等が微調整される。また、テンションローラ10を搬送ベルト7の周回動作に対して外向き又は内向きに移動させて、搬送ベルト7に加わる張力が調整される。
クリーニング装置13の洗浄ローラ14は、前述したように、テンションローラ10に内面側から支持された搬送ベルト7に対して、圧接解除機構15により、押し込み量が1〜3mmの範囲になるように圧接される。本実施形態では、洗浄ローラ14は、前述したようにPVC連泡体で構成され、鉄製のテンションローラ10よりは軟らかい(JIS K 6253に準拠した測定器による測定で硬度10度)ため、図2(B)に示したように、その圧接部位が搬送ベルト7の湾曲に沿った形状に凹む。
また、前述したように、搬送ベルト7はベルト駆動ローラ8の駆動により間欠的に周回動作を行うが、搬送ベルト7が周回動作を行う際に、洗浄ローラ14は、搬送ベルト7の搬送方向と同方向に、洗浄ローラ14の外周の線速度が搬送ベルト7の搬送速度よりも遅い速度になるように、洗浄ローラ駆動モータ16により駆動回転される。
その際、下方の水槽18中の水17を吸収した洗浄ローラ14は、搬送ベルト7との圧接位置まで回転すると、テンションローラ10に内面側から支持された搬送ベルト7から圧力を受けて吸収された水17が洗浄ローラ14の表面に絞り出され、洗浄ローラ14の表面に水が浮き出した状態になる。そして、この洗浄ローラ14の表面に浮き出した水が搬送ベルト7の表面に付着したインクI[図2(B)参照]を溶解し拡散させる。洗浄ローラ14は、テンションローラ10との圧接位置で水が絞り出されてその内部が水分の少ない状態となっているため、圧接位置を通過した直後、インクIを溶解させた水をその内部に吸い込むように作用する。
また、前記のように洗浄ローラ14の外周の線速度が搬送ベルト7の搬送速度よりも遅くなるように設定されているから、洗浄ローラ14が搬送ベルト7上のインクを吸収するだけでなく拭い取るように作用させることができる。このようにして、搬送ベルト7に付着した余分なインクが搬送ベルト7上から除去される。また、インクを溶解・拡散させた水も洗浄ローラ14に吸収されて搬送ベルト7上から取り除かれる。
洗浄ローラ14に吸収されたインクを含む水17は、洗浄ローラ14下方の水槽18で新鮮な水17と置換される。例えば、洗浄ローラ14からインクを含む水17を絞り出し、新鮮な水17との置換を促進させる機構を水槽18内に設けておくことも可能である。また、前述したように、クリーニング装置13の水槽18には、洗浄液である水を供給するための水供給手段19が配設されているから、必要に応じて水槽18内のインク等で汚れた水17を新鮮な水に交換することができる。
尚、前記の場合と異なり、洗浄ローラ14を搬送ベルト7の搬送方向に対して逆方向に駆動回転させると、前記と逆の現象、即ち、搬送ベルト7が、洗浄ローラ14との圧接位置を通過した直後に表面に水が浮き出した洗浄ローラ14に触れる現象が生じる。そのため、洗浄ローラ14との圧接位置を通過した後の搬送ベルト7の濡れ具合が大きくなり、実用に用いるためには従来の場合と同様にクリーニング後の搬送ベルト7の乾燥が必要となる。
以上のように、本発明のインクジェット記録装置1によれば、そのクリーニング装置13において、テンションローラ10に内面側から支持された搬送ベルト7に対してその外面側から洗浄ローラ14を圧接させ、洗浄ローラ14を搬送ベルト7の搬送方向と同方向に、かつ、洗浄ローラ14の外周の線速度が搬送ベルト7の搬送速度よりも遅い速度で回転させるよう設定できる。そのため、搬送ベルト7に付着したインクIを洗浄ローラ14から絞り出された水17に溶解・拡散させることが可能となり、それを洗浄ローラ14で吸い取り、さらに拭き取ることが可能となるため、搬送ベルト7上のインクを確実に除去することができる。
また、本発明のインクジェット記録装置1によれば、インクIを溶解・拡散させた水17を洗浄ローラ14で有効に吸収し得るため、クリーニング装置13を通過した後の搬送ベルト7の濡れを非常に小さい状態に抑えることができる。そのため、テンションローラ10の位置から従動ローラ9の位置まで移動し、従動ローラ9の近辺で搬送ベルト上に記録媒体Pが供給されるまでの間に、搬送ベルト7はほぼ完全に乾燥してしまう。従って、本発明のインクジェット記録装置1では、従来のような乾燥装置等が不要となり、電力消費をより抑制することができる。
さらに、本実施形態のように、テンションローラ10に内面側から支持された搬送ベルト7に対して、洗浄ローラ14を、テンションローラ10に平行な状態のまま圧接させれば、搬送ベルト7が布帛の捺染に用いられる搬送ベルトのように非常に幅広のものであっても、搬送ベルト7の全幅にわたって洗浄ローラ14で均一に圧接することができ、搬送ベルト7全体についてインクを効果的に除去することができる。
また、洗浄ローラ14の材料としてPVC連泡体を用いれば、前述したように長尺のローラを形成可能となる。さらに、インクがPVC連泡体の表面や内部に留まることなく水槽18内の水17に溶け出してしまうから、従来の場合とは異なり、洗浄ローラ14は比較的長期間にわたって高いインク吸収能力が維持される。そのため、前記のような確実なクリーニング性能を長期間にわたって維持することができる。また、前述したように、クリーニング装置13の水槽18内に絞り出し機構を設けておけば、洗浄ローラ14中からインクが水17に溶け出す作用を促進させることができる。
次に、実験に基づいて、洗浄ローラ14の駆動回転が搬送ベルト7の搬送精度に与える影響について考察する。また、それにより、洗浄ローラ14に加えるべき荷重が、テンションローラ10に内面側から支持された搬送ベルト7に対する押し込み量が1〜3mmの範囲となるような荷重であること、及び、洗浄ローラ14をその外周の線速度が搬送ベルト7の搬送速度よりも遅い速度で回転させるよう設定することの妥当性について述べる。尚、洗浄ローラ14は、前述したようにPVC連泡体よりなり、硬度はJIS K 6253に準拠した測定器による測定で10度のものを用いた。
図3は、洗浄ローラの押し込み量とベルト駆動ローラにかかる負荷トルクとの関係を示すグラフであり、図4は、洗浄ローラの押し込み量と搬送ベルトの搬送精度との関係を示すグラフである。ベルト駆動ローラ8にかかる負荷トルクは、ベルト駆動ローラ8を駆動するモータ11にかかる負荷トルクを測定することにより求めた。また、搬送ベルト7の搬送精度は、インクジェット記録装置1で記録紙に記録ヘッド6の1走査ごとに1行ずつドット列を印字し、複数回走査した後、ドット列の間隔を測定し、その最大値と最小値の差を取ることにより求めた。尚、洗浄ローラ14は、搬送ベルト7の搬送方向と同方向に駆動回転させ、その外周の線速度が搬送ベルト7の搬送速度の半分になるように設定した。
まず、洗浄ローラ14の押し込み量とベルト駆動ローラ8にかかる負荷トルクとの関係(図3参照)では、荷重をかけて洗浄ローラ14の押し込み量を増加させると、ベルト駆動ローラ8にかかる負荷トルクが増加していくことが分かる。また、押し込み量が4mm以上になると、ベルト駆動ローラ8にかかる負荷トルクの増加がサチレーションを起こし始める。これを現象的に見ると、荷重が大きくなり過ぎると洗浄ローラ14の回転速度を一定に保つことが困難となり、洗浄ローラ14が搬送ベルト7の移動に追随して回転する、即ち、洗浄ローラ14の外周の線速度を搬送ベルト7の搬送速度の半分に保つことができず、洗浄ローラ14の回転速度が増加する現象として観察される。つまり、押し込み量が4mm以上になるような大きな荷重では、洗浄ローラ14が搬送ベルト7の搬送に追随して回転するようになってしまうため、ベルト駆動ローラ8にかかる負荷トルクの増加がサチレートすると考えられる。このように、洗浄ローラ14の回転が搬送ベルト7の搬送に追随してしまっては、本発明の前記効果は得られ難い。
次に、洗浄ローラの押し込み量と搬送ベルト7の搬送精度との関係(図4参照)では、洗浄ローラ14の押し込み量を増加させた場合、押し込み量が3mm以下では押し込み量が0mmの場合、即ち、洗浄ローラ14を押し込んでいない場合の搬送精度(約40μm)とほとんど変わらないが、押し込み量が4mm以上では搬送精度が悪くなる(約60μm)。これは、押し込み量が4mm以上になるような荷重で洗浄ローラ14を搬送ベルト7に圧接すると、搬送ベルト7の搬送速度とは異なる外周の線速度で回転する洗浄ローラ14による摩擦で搬送ベルト7のスムーズな周回が妨げられ、搬送精度が不安定化するためであると考えられる。
以上の図3及び図4の結果から、洗浄ローラ14に加えるべき荷重は、洗浄ローラ14の搬送ベルト7に対する押し込み量が3mm以下の範囲になるような荷重であることが望ましいことが分かる。
尚、図3に、押し込み量が0〜3mmの範囲で、負荷トルクが洗浄ローラ14の押し込み量に比例して上昇するように見えるグラフを示したが、実際には、洗浄ローラ14の可撓性は、ある程度押し込まれるとそれ以上の押し込みを拒む固体状を呈することもあり、均一であるとは考え難い。つまり、洗浄ローラ14を搬送ベルト7に対して押し込んでいくと、搬送ベルト7に対する圧力だけでなく洗浄ローラ14の可撓性の度合や洗浄ローラ14と搬送ベルト7の動摩擦係数等も変化すると考えられ、一概に、負荷トルクが洗浄ローラ14の押し込み量に比例して上昇するとは言えない。
次に、図5は、洗浄ローラの押し込み量を変化させた場合のクリーニング後の搬送ベルト上のインク残存率を示すグラフである。インク残存率は、洗浄ローラ14に対して搬送ベルト7の搬送方向上流側で搬送ベルト7上に一定量のインクを塗布し、洗浄ローラ14を通過後に搬送ベルト7上に残存しているインク量を測定し、その割合を計算して求めた。尚、インク除去効率は、100%−(インク残存率)で求められる。また、洗浄ローラ14は、搬送ベルト7の搬送方向と同方向に駆動回転させ、その外周の線速度が搬送ベルト7の搬送速度の半分になるように設定した。
図5に示されているように、洗浄ローラ14の押し込み量が0mm、即ち、搬送ベルト7に対して洗浄ローラ14が触れている程度ではインク残存率が高いが、洗浄ローラ14を押し込んでいくに従ってインク残存率が低下し、押し込み量が1.0mm以上でインク残存率がほぼ一定となり、インク除去効率がサチレートする。発明者らの実験では、実用上はインク残存率が5%以下であればよいことが分かっているから、この実験から、洗浄ローラ14に加えるべき荷重は、洗浄ローラ14の押し込み量が1.0mm以上の範囲になるような荷重であればよいことが分かる。
つまり、図3〜図5の結果を総合すると、洗浄ローラ14に加えるべき荷重は、洗浄ローラ14の搬送ベルト7に対する押し込み量が1〜3mmの範囲になるような荷重に設定すべきである。
次に、洗浄ローラ14をその外周の線速度が搬送ベルト7の搬送速度よりも遅い速度で回転させるよう設定することの妥当性について述べる。図6は、洗浄ローラの押し込み量を変化させた場合のクリーニング後の搬送ベルト上のインク残存率を示すグラフであり、図7は、洗浄ローラの回転速度と搬送ベルトの搬送精度との関係を示すグラフである。尚、搬送ベルト7の搬送精度及びインク残存率は前記と同様の方法により測定した。また、洗浄ローラ14に加える荷重は、搬送ベルト7に対する押し込み量が2mmになるような荷重に設定した。
図6に示す結果から、洗浄ローラ14をその外周の線速度が搬送ベルト7の搬送速度よりも遅い速度(対ベルト速比0.5)で回転させた場合と、搬送ベルト7の搬送速度より速い速度(対ベルト速比2.0)で回転させた場合とでは、インク残存率はほとんど同程度であることが分かる。
しかし、図7に示すように、搬送ベルト7の搬送精度に対する影響については、前者の場合ほとんど悪化せず、実用上、その影響を、ほとんど無視できる程度まで小さく抑えることができるのに対し、後者の場合、はるかに悪影響を及ぼすことが分かる。この結果から、洗浄ローラ14の回転速度は、前者の場合、即ち、洗浄ローラ14をその外周の線速度が搬送ベルト7の搬送速度よりも遅い速度で回転させるよう設定する方がよい。
図7の結果は、次のように説明できる。前述したように、搬送ベルト7には元々テンションローラ10等により適宜張力が加えられているが、洗浄ローラ14の外周の線速度を搬送ベルト7の搬送速度より遅く設定した場合(例えば、対ベルト速比0.5の場合)、搬送ベルト7には、洗浄ローラ14の回転によって生じる摩擦力で、搬送方向とは逆方向に張力が加わり、インクジェット記録装置1の記録ヘッド6直下では、搬送ベルト7に加わる張力が増加する。このような張力の増加は、搬送ベルト7とベルト駆動ローラ8や従動ローラ9との密着度をより増加させる方向にはたらくため、搬送ベルト7の搬送精度をほとんど悪化させないか、悪化させるとしてもその影響はごく小さいものに留まる(図7では対ベルト速比1.0の場合と比較して悪化の度合は4μm程度)。それに対し、洗浄ローラ14の外周の線速度を搬送ベルト7の搬送速度より速く設定した場合(例えば、対ベルト速比2.0の場合)、搬送ベルト7には、洗浄ローラ14の回転により、搬送方向と同方向の摩擦力が加わり、インクジェット記録装置1の記録ヘッド6直下では、搬送ベルト7に加わる張力が減少する。このように搬送ベルト7に加わる張力が減少すると、搬送ベルト7とベルト駆動ローラ8や従動ローラ9との密着度が減少するため、搬送ベルト7の送りの安定度が悪化し、搬送精度を低下させる(図7では対ベルト速比1.0の場合と比較して悪化の度合は20μm程度)と考えられる。
また、図6では、搬送ベルト7の搬送速度と同じ速度(対ベルト速比1.0)で回転させた場合にインク残存率が悪化しているが、これは、洗浄ローラ14が搬送ベルト7上のインク及びインクを含む水を吸収するだけで、それらを搬送ベルト7上から拭い取る動作ができないことに起因すると考えられる。
尚、本実施形態では、インクジェット記録装置1としてシリアルヘッド方式の場合を示したが、本発明は、例えば、ラインヘッド方式のインクジェット記録装置等にも適用可能である。
また、本実施形態では、洗浄ローラ14を、テンションローラ10に内面側から支持された搬送ベルト7に圧接する場合について述べたが、搬送ベルト7を内面側から支持する部材がテンションローラ10以外のローラであってもよく、また、洗浄ローラ14を圧接させるための新たなローラを設置することも可能である。
さらに、本実施形態では搬送ベルト7に対してクリーニング装置13を1カ所設置する例をとって説明したが、図8に示すようにクリーニング装置が2カ所以上設置する場合でも、それぞれの洗浄ローラに対して全く同様に適用可能である。
本実施形態のインクジェット記録装置の概略図である。 洗浄ローラの搬送ベルトに対する押し込み量を説明するための概略図であり、(A)は、洗浄ローラが搬送ベルトに当接した状態を示し、(B)は、押し込んだ状態を示す。 洗浄ローラの押し込み量とベルト駆動ローラにかかる負荷トルクとの関係を示すグラフである。 洗浄ローラの押し込み量と搬送ベルトの搬送精度との関係を示すグラフである。 洗浄ローラの押し込み量とクリーニング後の搬送ベルト上のインク残存率との関係を示すグラフである。 洗浄ローラの回転速度とクリーニング後の搬送ベルト上のインク残存率との関係を示すグラフである。 洗浄ローラの回転速度と搬送ベルトの搬送精度との関係を示すグラフである。 搬送ベルト7に対してクリーニング装置13を2カ所設置した実施形態を示す概略図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
7 搬送ベルト
13 クリーニング装置
14 洗浄ローラ
P 記録媒体

Claims (5)

  1. 記録媒体を搬送ベルトにより搬送しながら画像を形成するインクジェット記録装置において、
    前記搬送ベルトに圧接可能に設けられ、前記搬送ベルトの搬送方向と同方向に駆動回転する洗浄ローラを備えたクリーニング装置を備え、
    前記洗浄ローラは、その外周の線速度が前記搬送ベルトの搬送速度よりも遅い速度で回転するよう設定されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記洗浄ローラの前記搬送ベルトに対する押し込み量は、洗浄後の前記搬送ベルト上のインク残存率が5%以下になり、かつ、前記洗浄ローラが前記搬送ベルトとの摩擦力により追随回転しない範囲に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記洗浄ローラは、PVC連泡体よりなることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記洗浄ローラは、前記搬送ベルトに対する押し込み量が1〜3mmの範囲になるような荷重で前記搬送ベルトに圧接されるよう設定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記洗浄ローラは、前記搬送ベルトに対して接離可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
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