JP2000141674A - インクジェットプリンタのヘッドノズル拭き取り機構 - Google Patents

インクジェットプリンタのヘッドノズル拭き取り機構

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JP2000141674A
JP2000141674A JP31590198A JP31590198A JP2000141674A JP 2000141674 A JP2000141674 A JP 2000141674A JP 31590198 A JP31590198 A JP 31590198A JP 31590198 A JP31590198 A JP 31590198A JP 2000141674 A JP2000141674 A JP 2000141674A
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ink
head
rack
pinion
wiper
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JP31590198A
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Atsushi Yoneyama
厚 米山
Kazuo Oguchi
和男 小口
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FINE TECHNOL KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェットヘッドのノズル面から拭き取
られてヘッドワイパーの表面に未乾燥状態のままで残っ
たインクにより周囲が汚れてしまうことを防止するこ
と。 【解決手段】 インクジェットプリンタのヘッドワイパ
ー92で拭き取られてインクは、廃インクガイド92c
を経由して廃インクタンク21に回収される。よって、
ヘッドワイパー92の表面に未乾燥状態のままで拭き取
ったインクが残ることを防止できる。この結果、拭き取
られたインクにより周囲が汚れるというおそれも無くな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタのインクジェットヘッドに付着したインク等を拭
き取るためのヘッドワイパーを備えたヘッドノズル拭き
取り機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタでは、キャリッ
ジに担持されて移動するインクジェットヘッドのノズル
面を拭き取り可能なヘッドワイパーを固定した位置に配
置しておき、ノズル面に付着しているインク、紙滓等の
異物を当該ヘッドワイパーによって拭き取るようにして
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ヘッドワイパーで拭き
取られたインク等は当該ヘッドワイパーに吸収され、自
然乾燥する。しかし、油性インク等のように乾燥しにく
いインクは、乾燥することなく、ヘッドワイパーの表面
に残る可能性がある。このような廃インクは、周囲に飛
散して周囲の各部位を汚してしまうおそれがある。
【0004】しかし、従来においては、ヘッドワイパー
で拭き取られた廃インクの処分をどのようにするのかに
ついての有効な対策は施されていない。
【0005】本発明の課題は、ヘッドワイパーで拭き取
られたインクにより周囲が汚れてしまうことを防止可能
なインクジェットプリンタのヘッドノズル拭き取り機構
を提案することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、キャリッジに担持されたインクジェッ
トヘッドのノズル面に付着しているインク等を拭き取る
ためのヘッドワイパーを備えたインクジェットプリンタ
のヘッドノズル拭き取り機構において、廃インク回収タ
ンクと、前記ヘッドワイパーで拭き取られたインクを前
記廃インク回収タンクに導くインク吸収性の可撓性素材
からなる廃インクガイドとを有することを特徴としてい
る。
【0007】ヘッドワイパーにより拭き取られてインク
は、廃インクガイドを経由して、廃インクタンクに回収
される。よって、ヘッドワイパーの表面に未乾燥状態の
ままで残っているインクが周囲を汚してしまうという弊
害を確実に防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明を
適用したインクジェットプリンタを詳細に説明する。
【0009】(全体構成)図1および図2は、本例のイ
ンクジェットプリンタの平面構成図および記録紙搬送経
路を示す断面構成図である。これらの図を参照して説明
すると、インクジェットプリンタ1は、プリンタ本体ユ
ニット2と、このユニット2に連結された給紙ユニット
4とを有している。プリンタ本体ユニット2は、ヘッド
ユニット6およびインクカートリッジ7が搭載されたキ
ャリッジユニット8を備えている。
【0010】キャリッジユニット8は、一対の歯車81
a、81bに架け渡したタイミングベルト82に連結さ
れ、キャリッジモータ83を駆動すると、キャリッジガ
イド84に沿って、ユニット幅方向に往復移動可能であ
る。ヘッドユニット6は、キャリッジユニット8によっ
て、そのインクノズル面61が印字領域62を往復移動
可能である。また、印字領域62から外れたホームポジ
ション63にも移動可能である。
【0011】プリンタ本体ユニット2におけるホームポ
ジション63の側の部分には、ヘッドメンテナンスユニ
ット9が搭載されている。ヘッドメンテナンスユニット
9は、昇降可能なヘッドキャップ91およびヘッドワイ
パー92を備えており、ヘッドユニット6がホームポジ
ション63に位置すると、ヘッドキャップ92によりイ
ンクノズル面61をキャッピング可能であり、また、ヘ
ッドワイパー92によってインクノズル面61を払拭す
ることが可能である。
【0012】ヘッドキャップ91で回収された廃インク
はインクポンプ93のポンピング作用により、インクカ
ートリッジ7の廃インクタンクに回収される。また、ヘ
ッドワイパー92で拭き取られた廃インクはプリンタ本
体ユニット2の底に配置した廃インクタンク21に回収
可能である。ヘッドメンテナンスユニット9の各動作部
分は、モータ94により駆動される。
【0013】本体ユニット2において、ヘッドユニット
6のインクノズル面61に対峙する位置には、プラテン
ガイド22が印字範囲62の全幅に渡って配置されてい
る。このプラテンガイド22によって規定されてる印字
位置には、給紙ユニット4の側から記録紙が供給され
る。
【0014】給紙ユニット4は、給紙トレイ41と、こ
こに装着されている記録紙を上側から一枚づつ送り出す
ための給紙ローラ42を備えている。プリンタ本体ユニ
ット2の側には給紙モータ23(以下、LFモータと呼
ぶ。)が配置されており、このLFモータ23によっ
て、給紙ローラ42が回転駆動することにより、給紙ト
レイ41から記録紙が送りだされる。
【0015】プラテンガイド22の給紙方向の上流端に
は、同じくLFモータ23によって回転駆動されるフィ
ードローラ24が配置されており、このフィードローラ
24にはばね力により押さえローラ25が押しつけられ
ている。給紙トレイ41から送りだされた記録紙は、フ
ィードローラ24と押さえローラ25にくわえ込まれ、
プラテンガイド22に向けて搬送される。
【0016】プラテンローラ22に沿って搬送される記
録紙に対して、その直上位置をキャリッジユニット6に
搭載されたヘッドユニットが移動しながら所定の記録を
行う。プラテンガイド22の給紙方向の下流側には、排
紙ローラ26、27が配置されており、これらのローラ
もLFモータ23によって回転駆動され、記録済の記録
紙を排紙口28から外部に排出する。
【0017】(給紙系の駆動機構)プリンタ本体ユニッ
ト2における幅方向の端には、LFモータ23の回転力
を、給紙系を構成している各部分に伝達するための動力
伝達機構が組付けられている。また、給紙ユニット4の
側にも、LFモータ23により駆動される給紙機構が組
み込まれている。図3〜図6も参照してこれらの機構を
説明する。
【0018】まず、給紙ユニット4の側に配置されてい
る記録紙を1枚づつ送り出すための給紙機構を説明す
る。図2、図3に示すように、給紙ユニット4の給紙ト
レイ41は、その後端41aを中心として前端側の部分
が上下に旋回可能に支持されており、通常は、スプリン
グ43のばね力によって上方に向けて引っ張られてい
る。この給紙トレイ41には上方に突出したカム面44
が形成されており、このカム面44に沿って、カムピニ
オン45に一体形成したカム46がしゅう動可能であ
る。
【0019】カム46がカム面44に乗り上げている状
態では、給紙トレイ41はばね力に逆らって押し下げら
れており、当該給紙トレイ前端側の部分が給紙ローラ4
2から下方に離れた位置にある。カム46がカム面44
から外れると、ばね力によって給紙トレイ41はその後
端41aを中心として上方に旋回するので、その前端側
の部分が給紙ローラ42に圧接した状態になる。この状
態で給紙ローラ42が回転すると、このローラ42と給
紙トレイ41間に挟まれた状態にある記録紙が前方に送
りだされる。
【0020】給紙ローラ42のローラシャフトの端には
同軸状態に給紙ローラピニオン47が連結されており、
この給紙ローラピニオン47は、第1のプラネットピニ
オン48に噛み合い可能である。第1のプラネットピニ
オン48は第1のサンピニオン49に噛み合っていると
共に、当該第1のサンピニオン49と回転中心が同一で
あるキャリア50によって回転自在に支持されている。
第1のサンピニオン49はピニオン51と一体回転し、
このピニオン51は、中間ピニオン52〜54等を介し
て、プリンタ本体ユニット2の側のLFモータ23の出
力軸に連結されている。
【0021】カムピニオン45は、その外周面に形成し
た外歯の一部が切欠部45aとされ、プラネットピニオ
ンアセンブリ56を構成している第2および第3のプラ
ネットピニオン57、58に噛み合い可能である。これ
ら第2、3のプラネットピニオン57、58は、共通の
キャリア59に回転自在に取り付けられている。第2の
プラネットピニオン57は、キャリア59と共に回転す
る第2のサンピニオン501に直接に噛み合っており、
第3のプラネットピニオン58はアイドルピニオン50
2を介してサンピニオン501に噛み合っている。この
サンピニオン501には同軸状態で大径のピニオン50
4が連結されており、このピニオン504は第1のサン
ピニオン49に噛み合っている。
【0022】次に、プリンタ本体ユニット2の側の動力
伝達機構について説明する。LFモータ23の出力軸
は、2個の中間ピニオン201、202を介して、フィ
ードローラピニオン203に連結されている。このフィ
ードローラピニオン203は、フィードローラ24のロ
ーラシャフトの端に同軸状態に連結されている。フィー
ドローラピニオン203には同軸状態で小径のピニオン
204が連結されており、このピニオン204は、中間
ピニオン列205を介して、排紙ローラピニオン206
に連結されている。さらに、この排紙ローラピニオン2
06、中間ピニオン列207を介して、排紙ローラピニ
オン207に連結されている。排紙ローラピニオン20
6、207はそれぞれ排紙ローラ26、27に同軸状に
連結されている。
【0023】かかる構成の給紙機構および動力伝達機構
の動作を説明する。まず、初期状態では、図3に示すよ
うに、カムピニオン45のカム46が、給紙トレイ41
の側のカム面44に乗り上げている。従って、給紙トレ
イ41の前端側の部分は、押し下げられて、給紙ローラ
42から離れている。また、この状態では、プラネット
ピニオンアセンブリ56の第2のプラネットピニオン5
7が、カムピニオン45の外周面における外歯が形成さ
れていない切欠部45aに嵌まっている。さらに、第1
のプラネットピニオン48は、給紙ローラピニオン47
から離れた旋回位置にある。
【0024】この状態において、給紙が指示されると、
LFモータ23は反時計回りに回転(逆転)する。この
回転により、図4に示す状態が形成される。すなわち、
第1のプラネットピニオン48は、キャリア50によっ
て時計方向に旋回して給紙ローラピニオン47に噛み合
い、当該給紙ローラピニオン47を時計方向に回す。こ
れに対して、プラネットピニオンアセンブリ56の側で
は、キャリア59によって、第2および第3のプラネッ
トピニオン57、58は反時計方向に旋回して、第3の
プラネットピニオン58がカムピニオン45に噛み合っ
た状態になる。この後はカムピニオン45は時計方向へ
の回転を開始する。
【0025】この結果、カムピニオン45のカム46が
給紙トレイ側のカム面44から外れ、給紙トレイ41の
前端側の部分が給紙ローラ42に圧接する。上記のよう
に、給紙ローラ42は時計方向への回転を開始している
ので、給紙トレイ41に収納されている記録紙は、給紙
ローラ42によって当該給紙トレイ41から送り出され
る。
【0026】記録紙の送出が開始された後、カムピニオ
ン45が時計回りに回転して、その外歯の無い切欠部4
5aが第3のプラネットピニオン58との噛み合い位置
に到ると、第3のプラネットピニオン58はその位置で
空転し、カムピニオン45の回転も停止する。図5には
この状態を示してある。これに対して、第1のプラネッ
トピニオン48に噛み合っている給紙ローラピニオン4
7は回転を継続するので、給紙ローラ42による記録紙
の搬送は継続される。
【0027】ここで、フィードローラピニオン203は
時計方向に回転しているので、フィーロローラ24も時
計方向に回転している。給紙トレイ41から給紙ローラ
42によって送り出された記録紙Pは、このフィードロ
ーラ24に到ると、その先端がフィードローラ24に当
たって搬送停止状態になる。この結果、記録紙のスキュ
ー取りが自動的に行われる。
【0028】記録紙の先端がフィードローラ24に当た
る位置まで搬送され、そのスキュー取りが行われた後
は、LFモータ23が正転(時計方向の回転)に切り換
わる。この結果、第1のプラネットピニオン48は反時
計方向に旋回して給紙ローラピニオン47との噛み合い
が解除され、給紙ローラピニオン47は回転自在の状態
になる。すなわち、給紙ローラ47は回転自在の状態に
なる。また、フィードローラ24は記録紙をくわえ込
み、ヘッドユニット6による印字位置に向けて搬送す
る。
【0029】給紙ローラ47と給紙トレイ41の前端部
分の間には、記録紙の後端部分が挟まれているが、給紙
ローラ47は回転自在であるので、記録紙の移動に伴っ
て給紙ローラ47が連れ回りの状態となり、記録紙の搬
送が阻害されることはない。記録紙は、印字位置で印字
されながらプラテンガイド22に沿って搬送された後
は、排紙ローラ26、27によって搬送され、排紙口2
8から排出される。
【0030】ここで、プラネットピニオンアセンブリ5
6の側においては、第2および第3のプラネットピニオ
ン57、58が時計方向に旋回して、第2のプラネット
ピニオン57がカムピニオン45に噛み合い状態にな
る。図6にはこの状態を示してある。第2のプラネット
ピニオン57に噛み合って時計方向に回転を開始したカ
ムピニオン45のカム46は、その回転に伴って、給紙
トレイ41の側のカム面46に乗り上げる。この結果、
給紙トレイ41は押し下げられて、給紙ローラ42から
離れて、再び、初期状態(図3に示す状態)に復帰す
る。
【0031】以上説明したように、本例の給紙機構で
は、給紙トレイ41から記録紙を1枚送り出す毎に、給
紙トレイ41を給紙ローラ42から離すようにしてい
る。すなわち、給紙トレイ41に収納されている記録紙
から給紙ローラ42を離すようにしている。
【0032】従来のつれ回り方式の給紙機構では、操作
者がレバーを操作することにより、給紙トレイを給紙ロ
ーラに押し当てる構成となっている。この構成では、多
数枚の記録紙を連続して送り出す場合、常に給紙ローラ
によって記録紙が挟まれているので、記録紙間の滑り等
に起因して給紙トレイ41にセットされている記録紙が
傾いた場合、その傾きを直すことができない。
【0033】しかし、本例の給紙機構では、上記のよう
に、記録紙を1枚送り出す毎に自動的に給紙ローラが給
紙トレイから離れるので、給紙トレイ内の記録紙はその
時点でフリーな状態となり、給紙トレイの両側を規定し
ているトレイガイド等にならって傾き等が自動的に補正
されて、正規の状態に復帰することができる。従って、
記録紙の傾きに起因した給紙トレイにおける紙詰まりを
回避できる。
【0034】(インク供給系)次に、図7を参照して、
インクジェットプリンタ1のインク供給系を説明する。
インク供給源はキャリッジ8に着脱可能に搭載されたイ
ンクカートリッジ7である。このインクカートリッジ7
は、全体として直方体形状をしており、内部が5区画に
区分されている。これらのうちの4つの区画室K、Y、
M、Cは、それぞれ、ブラックインク、イエローイン
ク、マゼンタインク、シアンインクが貯留されたインク
室である。残りの一つ区画室は、廃インクを回収するた
めの廃インク室WKである。各インク室K、Y、M、C
に貯留されているインクは、ヘッドユニット6のインク
ノズルからインク滴として吐出され、記録紙上に所定の
印刷を形成する。
【0035】ホームポジション63においてヘッドユニ
ット6のインクノズルから吐出されたインク滴は、ヘッ
ドメンテナンスユニット9のヘッドキャップ91に回収
される。ヘッドキャップ91に回収された廃インクは、
インクポンプ93によって、インクチューブ95、96
を介して、インクチューブ96に先端に取り付けインク
針97まで供給される。
【0036】インク針97は、プリンタ本体ユニット2
の側面に水平に取り付けられており、キャリッジ8によ
ってインクカートリッジ7がホームポジション63まで
戻ると、その廃インク室WKに形成されている差し込み
孔71から差し込まれるようになっている。インクポン
プ93はこの状態で駆動されるので、インク針97まで
送られた廃インクは、廃インク室WKに回収される。
【0037】ここで、ヘッドキャップ91はエアーチュ
ーブ98および、その先端に取り付けた開気弁99を介
して、大気開放可能となっている。インクポンプ93を
駆動して、ヘッドキャップ91に回収された廃インクを
廃インク室WKに回収する場合等に、ヘッドキャップ9
1の大気開放が行われる。
【0038】本例のプリンタ1では、ヘッドメンテナン
スユニット9に搭載されているヘッドワイパー92で拭
き取られた廃インクは、そこに取り付けたスポンジ状の
インク吸収性素材からなる廃インクガイド92cを介し
て、プリンタ本体ユニット2の底面に配置されている廃
インクタンク21(図1参照)に回収可能となってい
る。
【0039】ヘッドワイパー92は、図7(B)に示す
ように、ゴム等の弾性素材からなる横長のワイパー本体
板92aと、これを保持している剛性部材からなるワイ
パー保持板92bと、インク吸収性のある合成樹脂素材
からなるT形をした廃インクガイド92cとから構成さ
れている。ワイパー本体板92aは、ワイパー保持板9
2bと廃インクガイド92cの間に2本のビスで締結さ
れた状態となっている。廃インクガイド92cには、廃
インク回収リボン101が取り付けられている。ワイパ
ー本体板92aをインク吸収性の素材から形成すること
もできる。
【0040】インクノズル面61から拭き取られてヘッ
ドワイパー92のワイパー本体板92aに付着したイン
クが乾燥しないままそこに残っていると、周囲の部分が
拭き取った廃インクで汚れるおそれがある。特に、イン
クとして乾きにくい油性インクを使用する場合にはその
おそれが高い。
【0041】しかし、本例では、ワイパー本体板92a
で拭き取られたインクは、廃インクガイド92cを経由
して、プリンタ本体ユニット2に取り付けられている廃
インクタンク21に回収される。よって、ヘッドワイパ
ー92で拭き取られたインクが周辺の部位に付着してし
まうことはない。
【0042】ここで、図7(C)に示すように、本例の
ワイパー本体板92aの先端部分(ノズル面61との接
触部分)には、その片面にテーパー921が付けられて
先細りの断面形状とされている。双方にテーパーを付け
て先細りの断面形状としてもよい。また、場合によって
は、円弧状に先細り断面を形成してもよい。このように
ワイパー本体板92aの先端部分を先細り断面形状にす
ると、その拭き取り性能が改善されることが確認され
た。
【0043】また、ワイパー本体板92aの先端部分
(ノズル面との接触部分)は、ノズル面に平行であると
共に、ノズル面61に形成されているインクノズルの配
列方向に対して傾斜した方向に延びるように設定されて
いる。インクノズルの配列方向に傾斜させることによっ
ても、拭き取り性能が改善されることが確認された。
【0044】次に、ヘッドワイパー92を構成している
ワイパー本体板92aをワイパー保持板92bに固定す
る方法として、インサート成形等を利用した一体成形に
よることが望ましい。これらの部材を別個の製造した後
に、ビスや接着剤等を用いて取り付ける場合には、ワイ
パー本体板の取り付け位置に誤差ができてしまうおそれ
がある。取り付け誤差が発生すると、ワイパー本体板の
先端部分が均一な状態でノズル面61に接触しなくな
り、拭き取り性能が低下するおそれがある。ワイパー本
体板の成形時に同時にワイパー保持板をインサート成形
すれば、このような取り付け誤差を無くすことができる
ので好ましい。ワイパー保持板は金属板あるいは樹脂板
とすることができる。
【0045】(ヘッドメンテナンスユニット)図8
(A)、(B)はヘッドメンテナンスユニット9の平面
図およびそのラックが移動した後の状態を示す平面図で
ある。図9(A)、(B)はラック移動に伴うヘッドキ
ャップの移動を示す説明図であり、図10(A)、
(B)はラック移動に伴う開気弁開閉動作を示す説明図
である。図11は、各部分の動作を示すタイミングチャ
ートである。
【0046】ヘッドメンテナンスユニット9は、ホーム
ポジション63に戻ったヘッドユニット6のインクノズ
ル面61をキャッピングする動作、ヘッドキャップ91
を大気開放する動作、インクポンプ93による廃インク
等の回収動作、およびキャリッジストッパをキャリッジ
を停止可能な位置に移動させる動作を一定のシーケンス
で行うためのものである。本例のヘッドメンテナンスユ
ニット9は、これらの一連の動作を、ラックのスライド
に伴って行わせるように構成されている。
【0047】まず、図8(A)、(B)を参照して全体
構成を説明すると、ヘッドメンテナンスユニット9は、
長方形のシャーシ901を備え、このシャーシ901の
中央には、ヘッドユニット移動方向に直交する方向に向
けて細長いラック902が配置されている。ラッ902
の両端には、長孔903、904が形成されており、こ
れらには、しゅう動自在の状態で、シャーシ901に取
り付けたストッパー用のタップスクリュー905、90
6が差し込まれている。従って、ラック902は、図8
(A)に示す初期位置(後退位置)から図8(B)に示
す前進位置の間をスライド可能である。
【0048】ラック902には、その後端部分にヘッド
キャップ昇降用のカム溝961が形成され、前端部分に
は、キャリッジストッパ旋回用のカム溝962が形成さ
れている。また、ラック902のモータ94の側の側面
には、一対の歯部963、964が形成されている。さ
らに、ラック902の反対側の側面には、開気弁開閉用
のカム突起965が形成されている。
【0049】ラック902に形成された一対の歯部96
3、964の隣接位置には、共通のキャリア910によ
って180度離れた位置に回転自在に支持された一対の
プラネットギヤ911、912が配置されており、キャ
リア910はラックドライブギヤ913に対して、フリ
クションアーム(図示せず)によって同軸状態で摩擦係
合状態とされている。一対のプラネットギヤ911、9
12はラック901に形成した一対の歯部963、96
4に噛み合い可能である。ラックドライブギヤ913
は、伝達ギヤ921、922、923を介して、モータ
94の出力軸に連結されている。
【0050】ラックドライブギヤ913を挟み、ラック
902とは反対側の位置には、プラネットギヤ911、
912に噛み合い可能な伝達ギヤ924が配置されてお
り、この伝達ギヤ924は、円筒カム925を回転させ
ためのカムギヤ926に噛み合っている。円筒カム92
5のカム溝927には、揺動中心ピン928を中心とし
て揺動可能なポンプレバー929の一方の腕の先に形成
されたカムフォロワー930がしゅう動可能に差し込ま
れている(図9参照)。
【0051】ポンプレバー929の他方の腕の先は、イ
ンクポンプ93の可撓性ポンプバルブ931に連結され
ている。ポンプレバー928が揺動すると、ポンプバル
ブ931が上下に撓み、これによりインクポンプ93の
インク室容量が増減してポンピング作用が発生する。こ
の結果、図7を参照して説明したように、ヘッドキャッ
プ91で回収された廃インクがインクチューブ95、9
6を介して、廃インクタンクWKに回収される。
【0052】ここで、ラック902の側面には側方に弾
性変形可能な板ばね片941が形成されており、この板
ばね片941の先端は、常に、シャーシ901に形成し
たガイド面942に弾性力を伴って押し釣られている。
この板ばね片941の弾性力によって、ラック902の
がた付きが抑制されている。
【0053】次に、ラック902を中心として、インク
ポンプ93とは反対側には、ヘッドキャップ91および
ヘッドワイパー92が配置されている。これらヘッドキ
ャップ91およびヘッドワイパー92は、シャーシ90
1に形成した垂直ガイドピン951、952に案内され
て水平状態のままで昇降可能なキャップベース953に
取り付けられている。キャップベース953とシャーシ
901の間には圧縮状態でキャップホルダースプリング
954が配置され、常にキャップベース953を上方に
押しつけている(図9参照)。
【0054】キャップベース953は、スイング中心ピ
ン955を中心として上下にスイング可能なキャップス
イングアーム956の一方の腕の先に取り付けられてい
る。キャップスイングアーム956の他方の端にはカム
フォロワー957が形成されており、このカムフォロワ
ー957は、ラック902に形成したカム溝961にし
ゅう動自在に差し込まれている(図9参照)。
【0055】ラック902の前端部分の側方には、キャ
リッジストッパ971が旋回可能な状態でシャーシ90
1に保持されている。このキャリッジストッパ971の
上方に延びているストッパ腕972は、常時はコイルス
プリング973によって倒れた位置に引っ張られてい
る。キャリッジストッパ971の他方の腕の先端にはカ
ムフォロワー974が形成されており、このカムフォロ
ワー974は、ラック902に形成したカム溝962に
沿ってしゅう動する。
【0056】ラック902の後端部分の側方には、シャ
ーシ901に形成した垂直ピン981を中心として旋回
可能な開気レバー982が配置されている。この開気レ
バー982の一方の腕983は、ヘッドキャップに連通
しているエアーチューブ98の先に取り付けた開気バル
ブ99を開閉するためのものであり、常時、開気バルブ
99を閉じるように、コイルスプリング984によって
押されている。開気レバー982の他方の腕985の先
端はラック902の側面に当たっている。ラック902
がスライドすると、腕985がカム突起965によって
押されるので、開気レバー982が旋回して、開気バル
ブ99が開き、ヘッドキャップ91が大気開放された状
態になる。
【0057】以上のように構成されているヘッドメンテ
ナンスユニット9の動作を説明する。まず、図8
(A)、(B)および図11を参照してラック902に
スライドに伴うインクポンプ93の駆動について説明す
る。ラック902が図8(A)に示す初期位置(後退位
置)の状態において、モータ94を正回転(反時計方
向)させると(図11の時点T1)、モータ回転がギヤ
923、922、921を介してラックドライブギヤ9
13に伝達され、ラックドライブギヤ913が反時計方
向に回転を開始する。このギヤ913と一体となってキ
ャリア910に支持されている一対のプラネットギヤ9
11、912も反時計方向に旋回し、一方のプラネット
ギヤ912がラック902の歯部964に噛み合う。こ
の後は、プラネットギヤ912の回転によりラック90
2が図8(A)の前方にスライドを開始する。
【0058】ラック902が図8(B)で示す前進位置
に到ると(図11の時点T4)、プラネットギヤ912
は一対の歯部964と963の間に嵌まり込み、空転状
態になる。これに対して、他方のプラネットギヤ911
は伝達ギヤ924に噛み合った状態になり、当該伝達ギ
ヤ924を介して、円筒カム925が回転を開始する。
円筒カム925が回転すると、揺動アーム929が揺動
運動を開始し、ポンプバルブ931が上下に弾性変位を
繰り返す。この結果、インクポンプ93によるポンピン
グ動作が開始する。モータ94が反時計方向に回ってい
る間は、このようなポンピング動作が継続する(図11
の時点T4〜T5の間)。
【0059】図8(B)に示すようにラック902が前
進位置にある状態において、モータ94を逆回転(時計
方向に回転駆動)すると(図11の時点T5)、今度
は、ラックドライブギヤ913が時計方向に回転を開始
し、これに伴って、キャリア910に支持されている一
対のプラネットギヤ911、912も時計方向に旋回す
る。この結果、プラネットギヤ911が伝達ギヤ924
から離れるので、円筒カム925が止まり、従って、イ
ンクポンプ93が停止する。
【0060】旋回するプラネットキギャ911がラック
902の一方の歯部963の位置まで旋回すると、この
歯部963に噛み合う。この後は、プラネットギヤ91
1により、ラック902は図8(A)に示す後退位置に
向けてスライドを開始する。ラック902が後退位置に
復帰すると、プラネットギヤ911が丁度、歯部963
と964の間に嵌まり込み、ラッ902のスライドが止
まる(図11の時点T8)。同時に、他方のプラネット
ギヤ912が伝達ギヤ924に噛み合う。この後は、モ
ータ94によって、円筒カム925が駆動され、従っ
て、インクポンプ93が駆動する。モータ93を止める
と、インクポンプ93のポンピング動作も停止する。
【0061】次に、図9および図11を参照して、ラッ
ク902のスライドに伴うヘッドキャップ91およびヘ
ッドワイパー92の昇降動作を説明する。ラック902
が後退位置(図8(A)で示す位置)にあるときには、
図9(A)に示すように、ヘッドキャップ91およびヘ
ッドワイパー92は降下位置にある。ラック902が前
進位置に向けてスライドを開始すると(図11の時点T
1)、キャップスイングアーム956のカムフォロワー
957がラック902に形成されているカム溝961に
沿ってしゅう動する。カム溝961はラック902のス
ライドに伴って下方に移動しているので、キャップベー
ス953を支持しているキャップスイングアーム956
の他端側は上方に移動する。
【0062】このようにして、キャップベース953に
支持されているヘッドキャップ91およびヘッドワイパ
ー92は、図9(B)に示す上昇位置(ヘッドキャッピ
ング位置)まで上昇する(図11の時点T23)。この
結果、ホームポジション63に戻っているヘッドユニッ
ト6のへインクノズル面61には上昇したヘッドキャッ
プ91がキャッピングされた状態になる。
【0063】また、ラック902を後退位置から前進位
置に向けてスライドさせている途中で、所定のタイミン
グでモータ94を停止させると、ヘッドワイパー92は
インクノズル面61を払拭可能な高さ位置になる。この
状態でキャリッジ8によりヘッドユニット6を移動させ
ると、そのインクノズル面61がヘッドワイパー92に
よって拭き取られる。
【0064】次に、キャリッジストッパ971の旋回動
作について説明する。図9(A)に示すように、キャリ
ッジストッパ971はコイルスプリング973によって
引っ張られて、その上側のストッパ腕972が倒れた位
置にある。この状態では、キャリッジ8に当たることは
ない。
【0065】ラック902がスライドすると、その前端
部分に形成されているカム溝962に案内されて、キャ
リッジストッパ971は上方に旋回し、図9(B)に示
すように垂直に起立した位置になる。この状態では、キ
ャリッジストッパ971に形成されている突起975が
シャーシ側に形成されたストッパ部976に当たった状
態になる。起立したストッパ腕972はキャリッジ8に
衝突可能な高さ位置となっており、キャリッジ8の移動
位置を当該キャリッジストッパ971によって規制する
ことができる。
【0066】次に、図10および図11を参照して、開
気弁99の開閉動作を説明する。図10(A)に示すよ
うに、ラック902が後退位置(図8(A)で示す位
置)にあるときには、コイルスプリング984のばね力
によって、開気レバー982は開気バルブ99を閉じた
状態にある(図11の時点T1)。ラック902が前方
にスライドすると、その側面に形成されているカム突起
965に開気レバー982の一端側が乗り上げた状態と
なる。この結果、開気レバー982が旋回して、図10
(B)に示すように、開気バルブ99を開放した状態が
形成される(図11の時点T2〜T3)。
【0067】ラック902がさらに前方にスライドする
と、カム突起965が開気レバー982から外れるの
で、再び、開気バルブ99は閉じる(図11の時点T
3)。ラック902がその前進位置までスライドした状
態で、後退すると、再び、開気バルブ99が開く(図1
1の時点T6〜T7)。
【0068】以上説明したように、本例のヘッドメンテ
ナンスユニット9では、ラック902のスライドに連動
させて、ホームポジション62に戻ったヘッドユニット
6のインクノズル面61をキャッピングしている。ま
た、ラック902のスライドに連動させて、ヘッドキャ
ップ91を大気開放する動作を行うようにしている。従
って、ヘッドキャップ91によるキャッピング動作に確
実に追従させて、ヘッドキャップ91の大気開放を行う
ことができる。
【0069】また、本例では、ラック902がキャッピ
ング位置までスライドすると、ラック902とモータ9
4との動力伝達経路が遮断され、代わりに、インクポン
プ93とモータ94の動力伝達経路が形成される。同様
に、ラック902が後退位置まで戻ると、ラック902
とモータ94との動力伝達経路が遮断され、代わりに、
インクポンプ93とモータ94の動力伝達経路が形成さ
れる。従って、キャッピング後のインク吸引動作と、キ
ャッピングを解除した後のインク空吸引動作とを、モー
タの回転方向を切り換えることにより実現できる。
【0070】さらに、本例では、ラック902のスライ
ドを、板ばね片941と、開気レバー982の一方の腕
985とによって規制している。従って、例えば、キャ
ップベースを上方に押し上げているコイルスプリング9
54のばね力によって、ラック902が先行動作してし
まうことを確実に防止できる。この結果、キャリッジモ
ータ(ステッピングモータ)83のステップ数と、ラッ
ク902のスライド運動とが常に整合がとれた状態を保
持できる。よって、ラック902の位置検出回数を減ら
すことができ、結果として、印字速度を高めることがで
きる。
【0071】これに加えて、本例では、ラック902の
スライドに連動させて、キャリッジストッパ971をそ
の動作位置に旋回させるようにしているので、キャリッ
ジ8を常に定まった位置に停止させる機構を簡単でしか
もコンパクトに構成できる。
【0072】(ヘッドユニットのプリントヘッド)本例
のプリンタ1のヘッドユニット6に搭載されているプリ
ントヘッド60はピエゾ素子を利用した容積変化型のイ
ンクジェットヘッドであり、そのインクノズル面61に
は、128個のノズルが一直線上に並んでおり、給紙方
向に対して、図12に示すように僅かに傾斜している。
この図において上端のノズル1が給紙方向に先頭に位置
しており、この先頭位置から、イエローノズル、マゼン
タノズル、シアンノズルおよびブラックノズルの順に配
列されている。
【0073】図13には、プリントヘッド60のノズル
の配列例を示してある。この図に示すように、各色のノ
ズルの間には6ノズル分のギャップGapを形成してあ
る。これらのギャップは各色のインクが混ざらないよう
にするためのものである。これらのギャップ(18ノズ
ル分)を含めると、プリントヘッド60のインクノズル
面61の全長は146ノズル分の長さになる。
【0074】ここで、プリントヘッドでは、隣接ノズル
を同時駆動すると、クロストークが発生し、目標とする
インク吐出を行うことができない場合がある。このため
に、隣接ノズルの駆動タイミングをずらす駆動制御方式
が採用されている。本例においても、3つの駆動タイミ
ングであるPhaseA〜Cにより隣接ノズルの同時駆
動を回避している。
【0075】すなわち、図14を参照して説明すると、
図中の白丸の位置はPhaseAのノズル(ノズル1、
4、7、10・・・)の吐出を行ったときのノズル1〜
13までの位置である。黒丸は実際に記録紙に印字を行
う位置である。この図から分かるように、PhaseA
のノズルは略200×200dpiの格子に乗っている
が、PhaseBのノズル(ノズル2、5、8、11・
・・・)は水平方向(キャリッジ移動方向)に(1/
3)×200dpiずれており、同様に、PhaseC
のノズル(ノズル3、6、9、12・・・)は水平方向
に(2/3)×200dpiずれている。PhaseB
のノズルはPhaseAのノズルを吐出してから(1/
3)×200dpi移動したときに吐出を行い、Pha
seCのノズルは、PhaseAのノズルを吐出してか
ら(2/3)×200dpi移動したときに吐出を行
う。
【0076】本例のプリントヘッド60では、その駆動
タイミングがPhaseA〜Cの3つのタイミングであ
る。換言すると、吐出シーケンスのサイクル数が3であ
る。当該サイクル数の倍数である6ノズル分のギャップ
を、各色のノズル間のギャップGapとして採用してい
る。ギャップGapを、サイクル数の整数倍(本例で
は、3n倍(n=1、2、3・・・))に設定すると、
各ノズルから吐出されるインクドットを正確に200d
piの格子上に形成することができる。この結果、印字
品位を高めることができる。なお、サイクル数を2とし
た場合には、各色ノズルのギャップを2nノズル分に設
定すればよい。
【0077】(駆動制御系)図15は、本例のインクジ
ェットプリンタ1の駆動制御を司るコントローラの概略
ブロック図である。コントローラ200のCPU201
は、各モータ83、23、94等の駆動制御、ホスト側
との間でのデータの送受信等の制御を行う。プリント制
御回路(LCA)210は、主に印字タイミングの生成
とプリントヘッド60へ転送するデータの作成、プリン
トヘッドモジュール60Aのプリントヘッドドライバ6
0Bとのインタフェースを行う。プリントバッファ20
2からは、プリント制御回路(LCA)210がプリン
トドライバ60Bに転送するデータが読み出される。E
EP−ROM203には機体毎に変更する必要のあるパ
ラメータが格納される。パラレルインタフェース204
によって、ホスト側からの印字データの受信が行われ
る。
【0078】ここで、本例では、印字タイミングの制御
には、反射タイプのリニアエンコーダ220を使用して
いる。リニアエンコーダ220は、反射タイプのスケー
ル板221と、スケール板221の表面に形成された一
定の間隔の反射スリットを検出するエンコーダセンサ2
22を備えている。スケール板221はキャリッジガイ
ド84に平行に配置されており、キャリッジ8の側に
は、このスケール板221の表面に一定の間隔で形成さ
れた反射スリットを検出するエンコーダセンサ222が
取り付けられている。
【0079】エンコーダセンサ222の検出信号(エン
コーダ出力)はプリント制御回路(LCA)210に入
力され、この回路内に組み込まれているデジタルフィル
タ(図示せず)によってノイズが除去された後に、CP
U201に入力される。CPU201には、90度位相
差のある2相のエンコーダ信号ENC−A、ENC−B
をカウントする位相計数モードをもったカウンタ230
が内蔵されており、このカウンタ230によって、プリ
ントヘッド60の移動位置を検出可能である。また、本
例では、カウンタ230の計数値(ENCCNT va
lu)と、予め算出されている印字開始位置を示す値と
が一致したときには、プリントスタート指令を出力する
回路機能も内蔵されている。
【0080】CPU201の入力側には、ヘッドユニッ
ト6がホームポジション63に戻ったことを検出するホ
ームポジションセンサ240、記録紙の搬送経路に配置
されたペーパーエンドセンサ241、インクカートリッ
ジ7が装着されているか否かを検出するためのインクカ
ートリッジ有無センサ242が接続されている。また、
図において、ヘッドモジュール1、2(ID1、ID
2)センサ243、244は、プリントヘッドモジュー
ル60Aのパターン引回しに基づき、白黒ヘッドである
か、カラーヘッドあるかの区別をするためのものであ
る。
【0081】次に、図16は、上記のプリント制御回路
(LCA)210の内部回路の概略ブロック図である。
CPUアドレスデコーダ251は、CPU201のアド
レスをデコードして、制御回路(LCA)210内のレ
ジスタにアクセスするためのアドレス信号を生成する。
クロック生成回路252は、発振子から発生する基準ク
ロック信号に基づき、CPU201、LCA210のシ
ステムクロックSYSCLK、ヘッド駆動用のクロック
等を生成する。
【0082】モータコントローラ253は、CPU20
1から相データとPWM信号を受け取り、相データをP
WM化してキャリッジモータ83のモータドライバ25
4、LFモータ23のモータドライバ255(図15参
照)に転送する。また、LCA内蔵の相データレジスタ
およびPWM生成回路から得られるモータ94用の相デ
ータを、当該モータのモータドライバ256(図15参
照)に出力する。
【0083】ファイヤータイミング生成回路261は、
エンコーダ信号からファイヤ(インク滴の吐出)タイミ
ングを生成する。DMAコントール回路263は、印字
データの抽出を行うための制御および抽出するデータの
アドレスの生成を行う。SRAMインターフェース回路
264は、SRAMバスの制御を行う。データ出力回路
267はプリントバッファ内の行方向データをプリント
ヘッド60の列方向に抽出すると共に、インクノズルが
斜めに取り付けられているので、データを斜めに抽出す
る。ドットカウンタ回路は吐出を行った色毎にそのドッ
ト数を計数する。
【0084】なお、プリント制御回路(LCA)210
は更に、プリントヘッドモジュールインターフェース回
路265、パラレルインタフェース回路266等を備え
ている。
【0085】次に、本例のインクジェットプリンタ1に
おける印字制御動作を説明する。図17、図18のタイ
ミングチャートから分かるように、印字は、CPU20
1からの印字開始信号PrintStartがハイレベ
ルに立ち上がることにより開始される。前述のようにC
PU201には2相のエンコーダ信号ENC−A、EN
C−Bが入力される。印字開始信号PrintStar
tをハイレベルに立ち上げるエンコーダカウント値は予
めCPU201内のレジスタに設定されている。カウン
タ230のカウント値がレジスタに設定されている値に
一致すると、印字開始信号PrintStartが立ち
上がる。
【0086】プリント制御回路(LCA)210は、印
字開始信号PrintSartを受け取ると、プリント
ヘッド60が行う1回目の印字データをプリントバッフ
ァ202から読み出し、プリントヘッド60に転送す
る。次に、印字開始信号PrintSartの立ち上げ
に用いたエンコーダ出力のエッジから所定の遅延時間
(Delay)後に、1回目のインク吐出を行なわせ
る。遅延時間を設けている理由は、プリントヘッド60
の往動時の印字と復動時の印字の場合における縦方向
(紙送り方向)の印字ずれを調整するためである。これ
ら双方向の印字ずれは、インク滴の吐出速度、ヘッドノ
ズル面61と記録紙の距離、プリントヘッド60の移動
速度に応じて設定される。
【0087】本例では、エンコーダセンサ222として
解像度が70〜75lpiのものを使用しており、エン
コーダのスケール221として解像度が71.7lpi
のものを使用している。この結果、印字の解像度を20
3.2dpiとすると、これとスケール221の解像度
71.71lpiの比がほぼ6:17になる。
【0088】印字のタイミングは次のように設定されて
いる。すなわち、エンコーダ出力の1周期の時間を測定
し、その時間の6/17の時間を吐出(ファイヤ)の間
隔としている。
【0089】ここで、プリントヘッド60の移動速度の
変動に起因して吐出位置の変動を抑制するために、次の
ようにして、吐出信号PIXCLKを生成している。
【0090】すなわち、プリントヘッド60は定速で移
動するように設計されているが、実際には立ち上げ直後
では急速な立ち上げによる振動が発生しており、そのた
めに速度が変動している。そこで、速度変動が印字タイ
ミングに影響を与えないように、エンコーダ出力の1周
期の時間の測定は、エンコーダの2相の出力信号ENC
−A、ENC−Bの4つのエッジ(信号ENC−Aの立
ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジ、信号ENC−
Bの立ち上がりエッジおよび立ち下がりエッジ)毎に行
い、それぞれのエッジが入力される毎に、エンコーダ1
周期の時間を格納しているレジスタENCCNTの値を
更新していく。
【0091】このようにすることによって、吐出のタイ
ミングを生成するために使用する値は、71.7×4=
286.8lpi毎に更新される。この程度の距離でプ
リントヘッド60の移動速度が急激に変化することはな
い。よって、吐出タイミングがプリントヘッド60の移
動速度の変化の影響を受けてしまうことを回避あるいは
抑制できる。
【0092】次に、本例では、図19、図20のタイミ
ングチャートから分かるように、システムクロックSY
SCLKを17分周したクロックENCCLKでカウン
トアップし、そのカウント値をシステムクロックSYS
CLKを6分周したクロックPRTCLKでカウントダ
ウンしている。カウント値が零になるまでの時間はリニ
アエンコーダの1周期の時間tの6/17の時間とな
る。このt×6/17の時間を吐出タイミングとしてい
る。
【0093】このように、本例では、分解能がm(lp
i)(71.7)のエンコーダを使用し、水平解像度が
n(dpi)(203.2)となる印字を行うに当た
り、エンコード出力の周期t(sec)のm/n(6/
17)の時間で印字を行うようにしている。従って、目
標とする印字解像度nよりも低い解像度のエンコーダを
用いることができる。また、このようにすれば、分解能
がmのエンコーダを用いて、任意の印字解像度nの印字
を行うことができる。
【0094】なお、以上のように吐出のタイミングを生
成するが、生成の過程で発生する量子化誤差をキャンセ
ルするために、17回の吐出毎に印字のタイミングを、
1回目と同様にエンコーダのエッジから生成している。
17回目毎に行う理由は、203.2dpi×17=7
1.7lpi×6となり、吐出位置とエンコーダの位置
が一致するからである。
【0095】ここにおいて、本例では、ホームポジショ
ンセンサ240(図15参照)を用いて、プリントヘッ
ド60がホームポジション62に戻ったことを検出して
いる。この代わりに、リニアエンコーダ220を利用し
て、プリントヘッド60がホームポジションに戻ったこ
とを検出することができる。この検出方式を採用すれ
ば、ホームポジションセンサを省略できるので便利であ
る。
【0096】すなわち、リニアエンコーダ220のスケ
ール221の表面に、図15に示すように、反射スリッ
トの無い部分221bを形成しておく。また、反射スリ
ットの無い部分221bとスリット付きの部分221a
との境界位置を、エンコーダエッジカウント値として記
憶しておく。プリントヘッド60をホームポンジション
に戻す場合には、記憶しているエンコーダカウント値
と、エンコーダ出力に現れるエッジのカウント値とに基
づき、プリントヘッド60が境界位置221cに至った
ことを検出する。この後は、予め定められたステップ数
だけ、ステッピングモータであるキャリッジモータ83
を駆動すれば、プリントヘッド60はそのホームポジシ
ョン62に到る。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインクジ
ェットプリンタのヘッドノズル拭き取り機構では、ヘッ
ドワイパーで拭き取ったインクを、廃インクガイドを介
して、廃インクタンクに回収できるようになっている。
従って、ヘッドワイパーの表面に未乾燥状態のままで残
っているインクが周囲を汚してしまうことを確実に防止
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェットプリンタの平
面構成を示す概略構成図である。
【図2】図1のインクジェットプリンタの断面構成を示
す概略構成図である。
【図3】図1のインクジェットプリンタの給紙系を示す
概略構成図である。
【図4】図3の給紙系における給紙開始時点の状態を示
す説明図である。
【図5】図3の給紙系における給紙状態を示す説明図で
ある。
【図6】図3の給紙系における排紙状態を示す説明図で
ある。
【図7】図1のインクジェットプリンタのインク供給系
を示す説明図である。
【図8】図1のインクジェットプリンタのヘッドメンテ
ナンスユニットの平面構成を示す概略構成図、およびヘ
ッドキャッピング状態における各部分の平面的な移動位
置を示す概略構成図である。
【図9】図8のヘッドメンテナンスユニットにおけるヘ
ッドキャッピング動作を示すための説明図である。
【図10】図8のヘッドメンテナスユニットにおける開
気レバーの開閉動作を示す説明図である。
【図11】図8のヘッドメンテナンスユニットの動作を
示すタイミングチャートである。
【図12】図1のインクジェットプリンタに搭載されて
いるプリントヘッドのノズル配列方向を示すための説明
図である。
【図13】図12のノズル配列を詳しく示す説明図であ
る。
【図14】記録紙上のインクドットの位置と、ノズル位
置との関係を示す説明図である。
【図15】図1のインクジェットプリンタの制御系を示
す概略ブロック図である。
【図16】図14のプリント制御回路の内部回路構成を
示す概略ブロック図である。
【図17】図1のインクジェットプリンタの印字動作を
示すためのタイミングチャートである。
【図18】図1のインクジェットプリンタの印字動作を
示すためのタイミングチャートである。
【図19】図1のインクジェットプリンタにおける印字
タイミングを生成するための動作を示すためのタイミン
グチャートである。
【図20】図1のインクジェットプリンタにおける印字
タイミングを生成するための動作を示すためのタイミン
グチャートである。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ 2 プリンタ本体ユニット 21 廃インク回収タンク 4 給紙ユニット 6 ヘッドユニット 7 インクカートリッジ 8 キャリッジ 9 ヘッドメンテナンスユニット 91 ヘッドキャップ 92 ヘッドワイパー 92a ワイパー本体板 92b ワイパー保持板 92c 廃インクガイド板 93 インクポンプ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリッジに担持されたインクジェット
    ヘッドのノズル面に付着しているインク等を拭き取るた
    めのヘッドワイパーを備えたインクジェットプリンタの
    ヘッドノズル拭き取り機構において、 廃インク回収タンクと、前記ヘッドワイパーで拭き取ら
    れたインクを前記廃インク回収タンクに導くインク吸収
    性の可撓性素材からなる廃インクガイドとを有すること
    を特徴とするインクジェットプリンタのヘッドノズル拭
    き取り機構。
JP31590198A 1998-11-06 1998-11-06 インクジェットプリンタのヘッドノズル拭き取り機構 Pending JP2000141674A (ja)

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JP31590198A JP2000141674A (ja) 1998-11-06 1998-11-06 インクジェットプリンタのヘッドノズル拭き取り機構

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