JP4652582B2

JP4652582B2 - インクジェット記録装置およびインクジェットヘッドのクリーニング方法

Info

Publication number: JP4652582B2
Application number: JP2001011372A
Authority: JP
Inventors: 明史坂田
Original assignee: Seiko Instruments Inc
Current assignee: Seiko Instruments Inc
Priority date: 2001-01-19
Filing date: 2001-01-19
Publication date: 2011-03-16
Anticipated expiration: 2021-01-19
Also published as: JP2002210991A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吐出するインクジェットヘッドのノズル面を洗浄するブレードを有するインクジェット記録装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、複数のノズルからインクを吐出する記録ヘッドを用いて被記録媒体に文字や画像を記録するインクジェット記録装置が知られている。インクジェット装置は、そのインク液滴吐出方式の相違から、常時インクを吐出するコンティニュアス型の装置と、必要に応じてインク液滴を吐出するオンデマンド型の装置に分けることができる。オンデマンド型の装置は比較的構成が簡単で、またインクの吐出エネルギーが小さくて済む利点がある。
【０００３】
吐出エネルギーが小さいということは、機械的な設計が容易であり、また小型化にも十分なメリットを有しているのだが、逆にインク滴液の有する飛行エネルギーも小さいので、記録ヘッドを搭載したキャリッジの走行スピード、ガタ、その他のヘッドの挙動に影響する要素により容易に記録品質が悪化する欠点があった。
【０００４】
また、飛行エネルギが小さいと、インクの飛行路を長くしていった場合にドット形成地点のバラツキが生じやすく、記録品質を保持できる制御範囲が狭くなる欠点がある。
【０００５】
そこで、オンデマンド型のインクジェット記録装置においてはインクジェットヘッドと記録媒体の距離をできるだけ小さくするように設計する必要がある。
また、インクジェット記録装置は、インクを吐出させる性質上、記録ヘッドのノズル面に紙粉、塵、あるいは記録に不要なインクが付着し、これらの原因でノズルの目詰まりや吐出不良が発生し、正常な記録を行えなくなる問題が生ずる場合があった。したがって、従来装置では付着した異物の除去、あるいはヘッドの目詰まりの回復手段を設ける必要があった。
そこで、従来では記録ヘッドのクリーニングを行う回復機能の他に図4に示すような洗浄用のブレード２を設ける構成が知られている。ブレード２はシリコンゴム等の弾性体から構成されホルダ1に保持されている。ブレード２はホルダ1を介してインクジェットヘッド6の走査領域の所定位置に設けられ、インクジェットヘッド6の走査に応じてブレード２の先端部がインクジェットヘッド6のノズル面4をこすり異物を除去するようにしてある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ブレード２の先端部が直角からなる平坦面であると先端部が硬いため、ノズル面を強く押してしまう。そのため、ノズル面4にブレード２が接触した時に接触面積が不均一となりノズル面4を十分洗浄することができずインクや異物等がノズル面4に付着した状態となり問題である。また、不均一にブレード２の力がノズル面4に加わるためノズル付近を傷つけ、耐久性や印字品質の劣化をまねく問題が生じる。
【０００７】
また、ブレード２の先端部がインクジェットヘッド6のノズル面4に対して平行な直線であると、ノズル5そのものをブレード２がこするためインクジェットヘッド6のノズル付近を傷つけ、ノズル表面に塗られた撥水膜を劣化させる恐れがあり印字品質、耐久性、信頼性等に問題を生じる。
また、インクが油性インクの場合には、特にノズル面に傷があると印字品質の劣化につながり問題である。
【０００８】
本発明は、上記技術課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ノズル面の撥水性の劣化防止、ノズル面の洗浄能力の向上、印字安定性の向上、ノズル面劣化に伴う印字品質の劣化を防止することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記問題を解決する本発明の第１の態様は、インク流路内の容積を変化させてその内部に充填されたインクをノズル開口から吐出するインクジェットヘッドのノズル面を洗浄するブレードを有するインクジェット記録装置において、前記ブレードの先端の形状を鋭利な形状にすることを特徴とすることにある。
【００１０】
本発明の第２態様は、第１の態様において、前期ブレードの先端の角度が３０度から６０度の間にすることを特徴とするものである。
本発明の第３態様は、第１又は第２態様において、前記ブレードを複数枚設置することを特徴とするインクジェット記録装置にある。
【００１１】
本発明の第4態様は、第１〜3態様の何れかにおいて、前期ブレードの先端のノズル開口部と接触する部分に凹部があることを特徴とするインクジェットヘッド記録装置にある。
【００１２】
本発明の第5態様は、第4態様において、前記ブレードの凹部の幅がノズルの直径の１．５倍〜３倍までの範囲にあることを特徴とするインクジェット記録装置にある。
【００１３】
本発明の第６態様は、第１〜５態様の何れかにおいて、油性インクのインクジェット記録装置に前記ブレードを用いることを特徴とするインクジェット記録装置にある。
【００１４】
かかる本発明では、ブレードの形状を鋭利な形状としたことで、従来の方法に比べ先端部が軟らかくなる。そのため、ノズル付近を傷つけることなく、ノズル表面に塗られた撥水膜を劣化させることもなく長期にわたり安定な印字品質を可能にすることができる。また、先端部の角度θが、３０度＞θの場合は洗浄効率が悪く好ましくない。先端部の角度θが、６０度＜θの場合は、ノズル面の摩耗が激しく好ましくない。そのため先端部の角度θは、３０度≦θ≦６０度の間が最も望ましい。また、先端部が軟らかいため、ブレードを複数枚用いてもノズル面の摩耗が少なく長期にわたり安定吐出が可能であり、複数枚のブレードの効果により洗浄効率も上がる。また、ブレードに凹部を設けることにより、ノズルの劣化を防止することができ長期にわたり安定吐出が可能である。また、凹部の幅Wが、ノズルの直径の１．５倍＞Wの場合は、凹部の内側の端に付着したインクが原因で吐出不良が起こる場合があり好ましくない。また、凹部の幅Wが、ノズルの直径の３倍＜Wの場合は、ノズル面の全面のインクのふき残りが多くなり好ましくない。そのためノズルの直径に対して１．５倍≦W≦３倍の間の幅Wの凹部であることが最も望ましい。
【００１５】
また、インクが油性インクの場合には、ノズル面に傷があると水性インクに比べ印字品質の劣化が大きいので本発明のブレードは、特に効果的である。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に基き本発明を説明する。
（実施例１）
図１は、本発明の第１の実施例を示しており。ブレード２は、ブレードの先端が鋭利な形状となっている。また、ブレード２の先端部の角度θは、３０度である。図２において符号６で示されるものはノズル5を前面に有するオンデマンド型のインクジェット記録ヘッドである。インクジェット記録ヘッド６は、図の左右方向に記録走査を行う。また、インクジェット記録ヘッド６の下にはシリコンゴム等の弾性体から形成されたブレード２がホルダ１で固定されている。
【００１７】
以上の機構において、ブレード２を矢印の方向に動かすと、紙粉、塵、あるいは大量のインクは、ブレ−ド２により除去される。また、ブレード２の先端部の効果により均一な接触圧でワイプすることができノズル付近のキズや摩耗を防ぐことができ正常な吐出を長時間可能にする。
【００１８】
（実施例２）
図２は、本発明の第２の実施例を示しており。ブレード２は、ブレードの先端が鋭利な形状であり、しかも先端に凹部の切り込みがあるものである。また、この凹部の幅は、ノズルの直径の２倍である。また、ブレード２の先端部の先端部の角度θは、５０度である。図３において符号６で示されるものはノズル５を前面に有するオンデマンド型のインクジェット記録ヘッドである。インクジェット記録ヘッド６は、図の左右方向に記録走査を行う。また、インクジェット記録ヘッド６の下にはシリコンゴム等の弾性体から形成されたブレード２がホルダ１で固定されている。また、ブレード２の凹部は、記録ヘッド６のノズル５の真上に位置する。
【００１９】
以上の機構において、ブレード２を矢印の方向に動かすと、紙粉、塵、あるいは大量のインクは、ブレ−ド２の凹部以外の部分により除去される。また、ブレード２に設けられた凹部によってノズル付近のキズや摩耗を防ぐことができ正常な吐出を長時間可能にする。
【００２０】
また、凹部の幅がノズルの直径の１．５倍〜３倍の間であるため吐出に影響するような大きな塵、紙粉、あるいは大量のインクはノズル付近から除去され吐出安定性が保たれる。
（実施例３）
図３は、本発明の第３の実施例を示しており。ブレード２は、ブレードの先端形状が鋭利であり、しかもブレードを２枚用いている。また、ブレード２の先端部の角度θは、６０度である。図３において符号６で示されるものはノズル５を前面に有するオンデマンド型のインクジェット記録ヘッドである。インクジェット記録ヘッド６は、図の左右方向に記録走査を行う。また、インクジェット記録ヘッド６の下にはシリコンゴム等の弾性体から形成されたブレード２がホルダ１で固定されている。
【００２１】
以上の機構において、ブレード２を矢印の方向に動かすと、紙粉、塵、あるいは大量のインクは、ブレ−ド２により除去される。また、ブレード２は、先端部が軟らかいため２枚用いてもノズル面を劣化させることなくワイプが可能であり、更に、２枚のブレードで洗浄するため除去能力は、1枚の場合よりはるかに良くなる。
【００２２】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によればインク液滴を吐出する記録ヘッドのノズル面を洗浄するブレードを有するインクジェット記録装置において、ブレードの先端の形状を鋭利な形状にしたので、先端部が軟らかくノズル面を傷つけることなく、長期にわたって安定な吐出を可能にすることができる。また、ブレードの先端部が軟らかいのでブレードを複数枚用いてもノズル面を劣化させることがなく安定にしかも洗浄効率が良い。またノズル先端に凹部を設けることにより更にノズル面の劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例1に係わるインクジェットヘッド記録装置図
(ａ)は、ブレード斜視図であり、(ｂ)は、洗浄時の斜視図である。
【図２】本発明の実施例2に係わるインクジェットヘッド記録装置図
(ａ)は、各種ブレード斜視図であり、(ｂ)は、洗浄時の斜視図である。
【図３】本発明の実施例３に係わるインクジェットヘッド記録装置図
(ａ)は、各種ブレード斜視図であり、(ｂ)は、洗浄時の斜視図である。
【図４】従来のインクジェットヘッド記録装置図
(ａ)は、各種ブレード斜視図であり、(ｂ)は、洗浄時の説明図、(ｃ)は、洗浄時の斜視図である。
【符号の説明】
１ホルダ
２ブレード
３スリット
４ノズル面
５ノズル
６インクジェット記録ヘッド

Claims

インク流路内の容積を変化させてその内部に充填されたインクをノズル開口から吐出するインクジェットヘッドの、ノズル面を洗浄するブレードを有するインクジェット記録装置において、
前記ノズル面に接触する接触部と、前記ノズル開口に対向し前記ノズル開口に非接触となる凹部とを、前記ブレードの先端に設けることを特徴とするインクジェット記録装置。
請求項１において、前記ブレードの前記先端の角度が３０度以上６０度以下であることを特徴とするインクジェット記録装置。
請求項１又は２において、前記ブレードを複数枚設置することを特徴とするインクジェット記録装置。
請求項１〜３の何れかにおいて、前記ブレードの前記凹部の幅が前記ノズル開口の直径の１．５倍以上３倍以下であることを特徴とするインクジェット記録装置。
請求項１〜４の何れかにおいて、油性インクのインクジェット記録装置に前記ブレードを用いることを特徴とするインクジェット記録装置。
請求項１〜５の何れかにおいて、前記ブレードの前記先端は前記ブレードの一方面から前記ブレードの他方面に向かって傾斜していることを特徴とするインクジェット記録装置。
請求項１〜５の何れかにおいて、前記ブレードの前記先端は前記ブレードの一方面から前記ブレードの他方面に向かって傾斜し、かつ前記ブレードの前記先端は前記他方面から前記一方面に向かって傾斜していることを特徴とするインクジェット記録装置。
請求項１〜７の何れかにおいて、前記ブレードは弾性体によって構成されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
請求項１〜７の何れかにおいて、前記ブレードはシリコンゴムによって構成されていることを特徴とするインクジェット記録装置。
請求項１〜９の何れかにおいて、前記ブレードを前記ノズル開口の配列方向に移動する移動機構を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
インク流路内の容積を変化させてその内部に充填されたインクをノズル開口から吐出するインクジェットヘッドのノズル面を洗浄するブレードを用いたインクジェットヘッドのクリーニング方法において、
前記ブレードを前記ノズル開口の配列方向に移動する移動手段と、
前記ブレードを移動することによって、前記ブレードの先端に設ける接触部が前記ノズル面に接触して前記ノズル面を清掃し、前記ブレードの先端に設ける前記ノズル開口に対向する凹部が前記ノズル開口に非接触であることを特徴とするインクジェットヘッドのクリーニング方法。