JP2009132009A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイパー部材の長寿命化を図るとともに損耗物がノズルに付着することによる液滴の吐出不良が発生するのを抑制する。
【解決手段】インクジェットヘッドのインク吐出面2aに複数のノズル8が開口している。ワイパブレード201の接触面202をインク吐出面2aに接触させた状態で、移動機構がワイパブレード201を払拭方向に移動させることによってインク吐出面2aを払拭する。このとき、対向するノズル8の開口端と接触しない非接触領域202aが形成されるように、ワイパブレード201の先端に溝203が形成されている。
【選択図】図4
【解決手段】インクジェットヘッドのインク吐出面2aに複数のノズル8が開口している。ワイパブレード201の接触面202をインク吐出面2aに接触させた状態で、移動機構がワイパブレード201を払拭方向に移動させることによってインク吐出面2aを払拭する。このとき、対向するノズル8の開口端と接触しない非接触領域202aが形成されるように、ワイパブレード201の先端に溝203が形成されている。
【選択図】図4
Description
本発明は、被記録媒体に画像を形成する記録装置に関する。
記録用紙等の被記録媒体にノズルからインク滴を吐出して画像を形成するインクジェットプリンタにおいては、印刷開始前や印刷終了直後に、インクジェットヘッドのインク吐出面を、ゴムなどの弾性部材からなるワイパー部材でワイピングする技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。これにより、インク吐出面に付着したインクが除去され、インク吐出面に形成されたノズル孔にインクが固着するのを防止することができる。
上述した技術によると、インク吐出面をワイパー部材でワイピングするとき、ワイパー部材とノズル孔の開口端とが繰り返し接触することになる。このため、ワイパー部材におけるノズル孔の開口端との接触部分が損傷し、ワイパー部材の長寿命化を図ることが難しい。さらに、ワイパー部材が損傷するとともに損耗物が発生し、発生した損耗物がノズルに付着してインク滴の吐出不良が発生することがある。
そこで、本発明は、ワイパー部材の長寿命化を図るとともに損耗物がノズルに付着することによる液滴の吐出不良が発生するのを抑制することができる記録装置を提供することを目的とする。
本発明の記録装置は、液滴を吐出する複数のノズルが形成された吐出面を有する記録ヘッドと、板形状を有するワイパー部材と、前記ワイパー部材の端部が前記吐出面に接した状態で、前記ワイパー部材を前記吐出面に沿って移動させる移動機構とを備えている。前記吐出面と接触する前記ワイパー部材の接触面に、前記移動機構による前記ワイパー部材の移動に伴って対向する前記ノズルの開口端と接触しない非接触領域が形成されている。
本発明によると、ワイパー部材が吐出面を払拭するときに、ワイパー部材の接触面がノズルの開口端と接触しないため、ワイパー部材の先端部が損傷するのが抑制され、ワイパー部材の長寿命化を図ることができる。さらに、ワイパー部材から損耗物が発生するのが抑制されるため、損耗物がノズルの開口に付着することによる液滴の吐出不良が発生するのを抑制することができる。また、吐出面においては、ノズルの開口周辺の撥液膜が損傷するのが抑制されるため、撥液膜の長寿命化を図ることができる。
本発明においては、前記非接触領域が、前記ワイパー部材の先端から基端部に向かって延在する溝によって形成されていることが好ましい。これによると、非接触領域を容易に形成することができる。
また、本発明においては、前記接触面が前記吐出面に接しているとき、前記溝の前記接触面に直交する方向に関する深さが10μm以下であることがより好ましい。これによると、ノズルの開口近傍に付着している高さ10μm以上の液滴が溝の底部と接触するため、当該インク滴を払拭することができる。
さらに、本発明においては、前記吐出面に、前記ワイパー部材の移動方向に配列された複数の前記ノズルからなるノズル列が複数形成されており、前記接触面に、互いに異なる前記ノズル列に属する前記ノズルと対向する前記非接触領域が複数形成されている。これによると、非接触領域の面積を小さくすることができるため、吐出面の払拭効率が低下するのを抑制することができる。
または、本発明においては、前記吐出面に、前記ワイパー部材の移動方向に配列された複数の前記ノズルからなるノズル列が複数形成されており、前記接触面に、複数の前記ノズル列に属する前記ノズルと対向する前記非接触領域が形成されていてもよい。これによると、移動方向に直交する方向に隣接するノズル列間の距離が小さい場合に容易に対応することができる。
以下は、本発明の好適な一実施形態についての説明である。図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタ1の概略的な構成を示す図である。
インクジェットプリンタ1(以下、単に「プリンタ1」とする)は、印刷用紙Pを搬送する搬送機構500を有している。搬送機構500は、一対の搬送ローラ502を有している。図1には2つの搬送ローラ502の一方が示されている。他方の搬送ローラ502は、図1に示されている搬送ローラ502から副走査方向に沿って水平に離隔した位置に設置されている。2つの搬送ローラ502はいずれも主走査方向に長尺である。また、一方の搬送ローラ502は、図示されていない駆動装置によって駆動され、図1のA方向に回転する。他方の搬送ローラ502は、従動ローラであって、A方向と同じ方向に回転自在にプリンタ1に支持されている。
なお、本明細書において、副走査方向とは印刷用紙の搬送方向と同じ方向(図1中、手前から奥に向かう方向)であり、主走査方向とは副走査方向に垂直であって水平面に沿った方向(図1中、右方)である。また、上及び下とは図1において上及び下を示す。
搬送ベルト503は、2つの搬送ローラ502に巻き掛けられた無端のベルトである。搬送ベルト503の2つの表面のうち、搬送ローラ502に接触していない表面は、印刷用紙Pの搬送面である。搬送ローラ502が回転すると、搬送ベルト503は搬送ローラ502の表面に沿って搬送ローラ502の回転方向に走行する。
また、搬送機構500は、主走査方向に同軸状に連なる複数の送り出しローラ501を有している。送り出しローラ501は、搬送ローラ502の上方において、主走査方向に沿った回転軸の周りに回転するように支持されている。送り出しローラ501は、図示されていない付勢手段によって搬送ベルト503の搬送面へと下方向に付勢されている。
印刷用紙Pは、搬送機構500によって以下のように搬送される。印刷用紙Pの一端が送り出しローラ501に達すると、印刷用紙Pは、送り出しローラ501と搬送ベルト503とに挟まれつつ、搬送ベルト503の走行に伴って副走査方向に搬送される。送り出しローラ501を通過すると、印刷用紙Pは、搬送ベルト503の搬送面に吸着しつつ搬送ベルト503と共に副走査方向に沿って搬送される。
印刷用紙Pの搬送面への吸着は、エア吸引法で行う。図示されていないが、搬送ベルト503の内側領域には、エア吸引装置が内蔵されている。搬送ベルト503には、少なくとも印刷用紙Pが載置される載置領域に多数の貫通孔が形成されている。エア吸引装置は、これら貫通孔を介して、搬送ベルト503の外側から内側方向に吸引する。これによって、印刷用紙Pが搬送面に吸着され、搬送方向に運ばれる。
また、プリンタ1は、4つのインクジェットヘッド2を有している。インクジェットヘッド2は、概略的に、平面視において主走査方向について長尺な矩形の形状を有している。つまり、インクジェットヘッド2はライン式のインクジェットヘッドである。4つのインクジェットヘッド2は、いずれも上下方向及び主走査方向の両方について同じ位置に固定されており、副走査方向に沿って所定の間隔で配列されている。
インクジェットヘッド2の下面には、インク滴を吐出する複数のノズル8(図2参照)が開口するインク吐出面2aが形成されている。インク吐出面2aは水平且つ平坦な面であり、搬送ベルト503の搬送面と所定の間隙を介して平行に対向している。また、インク吐出面2aの表面には撥水膜が形成されている。インクジェットヘッド2の内部にはインク流路が形成されている。このインク流路の一端はインク吐出面2aに開口する各ノズル8に連通しており、インク流路の他端は、インクジェットヘッド2の上面に形成されたインクの供給口(不図示)に連通している。インクの供給口は、インクジェットヘッド2ごとに異なる色のインクを貯留するインクタンク(不図示)に接続されている。
図2を参照しつつ、インク吐出面2aについて詳細に説明する。図2は、インク吐出面2aの平面図である。図2に示すように、インク吐出面2aは主走査方向に延在し、複数のノズル8が、主走査方向に関して互いに異なる位置(主走査方向に関して600dpiの間隔)に配置されている。また、インク吐出面2aにおいては、主走査方向に配列された複数のノズル8からなる4つのノズル列8aが、副走査方向に互いに等間隔に離隔するように配置されている。
図1に戻って、搬送ベルト503の外周面における4つのインクジェットヘッド2のインク吐出面2aと対向する領域は、画像情報に基づいて各ノズルからインク滴が吐出される画像形成領域である。印刷用紙Pがこの画像形成領域を通過するとき、各インク吐出面2aから順に各色のインク滴が吐出され、印刷用紙Pの表面にカラー画像が形成されることになる。この画像形成領域を通過すると、印刷用紙Pは、用紙搬送方向の下流側に配設されている排紙トレイ(不図示)に収納される。
インクジェットヘッド2の両端はヘッド昇降機構950に固定されている。ヘッド昇降機構950は、インクジェットヘッド2を上下方向(方向B)に移動させて搬送ベルト503の上面(搬送面)とインク吐出面2aとの距離を変化させる。
また、プリンタ1は、メンテナンス機構として、移動台301、及び、固定台302を搬送機構500の側方に有している。これらは、後述のワイパブレード201を支持する台であり、いずれも水平な上面を有している。固定台302はプリンタ1の図示しないフレームに水平に固定された平板状の部材である。移動台301は、固定台302上に、主走査方向について往復移動が可能なように載置されている。移動台301は、固定台302と対向する領域と、各インク吐出面2aと対向する領域との間を往復移動可能となっている。
さらに、プリンタ1は、ワイパブレード201を有している。ワイパブレード201は、移動台301上に設置されたワイパブレード台200上に立設されている。これにより、ワイパブレード201が、移動台301の移動に伴って、主走査方向に且つインク吐出面2aに沿って往復移動が可能となっている。ワイパブレード201は、インク吐出面2aを払拭(ワイピング)するためのものであり、4つのインク吐出面2aを副走査方向に跨るように延在している。また、ワイパブレード201は、長辺が副走査方向に沿っており短辺が上下方向に沿っている矩形の板形状を有する部材であり、弾性材料であるゴムからなる。なお、ワイパブレード201は、樹脂などゴム以外の弾性材料からなるものでもよい。なお、後述するように、ワイパブレード201は、図1中右方から左方に向う払拭方向に移動しつつインク吐出面2aを払拭する(図7参照)。このため、ワイパブレード201の払拭方向に関する下流側の面が、インク吐出面2aと接触するワイプ面201aとなっている。
ここで、図3及び図4を参照しつつワイパブレード201について詳細に説明する。図3は、ワイパブレード201の構造を説明するための図である。図3(a)は、ワイパブレード201のワイプ面201aに係る部分拡大平面図を示しており、図3(b)は、図3(a)に示すIIIB-IIIB線に関するワイパブレード201の断面図を示している。図4は、インク吐出面2aを払拭するときのワイパブレード201の構造を説明するための図である。図4(a)は、インク吐出面2aを払拭するときのワイパブレード201のワイプ面201aに係る部分拡大平面図を示しており、図4(b)は、図4(a)に示すIVB-IVB線に関するワイパブレード201の断面図を示している。
図3及び図4に示すように、ワイパブレード201の先端部には、基端部に向かって延在する16の溝203が形成されている。なお、図3(a)及び図4(a)においては、16個の溝203のうち、1つのインク吐出面2aに対応する4つの溝203のみが表れている。各溝203は、ワイパブレード201の移動に伴って、互いに異なる1つのノズル列8aに含まれる全てのノズル8と対向するように、副走査方向に関して互いに離隔して配置されている。また、溝203の副走査方向に関する幅は、ノズル8の開口の内径より若干大きくなっている。
ワイパブレード201がインク吐出面2aを払拭するときは、図4に示すように、ワイパブレード201の先端部がインク吐出面2aと接触した状態で、ワイパブレード201が払拭方向に移動する。このとき、ワイパブレード201の先端部近傍領域が上流側に向かって湾曲して、ワイプ面201aの先端近傍領域とインク吐出面2aとが接触する。以下、インク吐出面2aと接触するワイプ面201aの先端近傍領域を接触面202と称する。このように、接触面202とインク吐出面2aとが接触している状態で、ワイパブレード201が払拭方向に移動することによってインク吐出面2aが払拭される。
接触面202には、溝203によって形成された非接触領域202aが含まれている。上述したように、ワイパブレード201がインク吐出面2aを払拭するときに、各溝203に形成された非接触領域202aが、対応するノズル列8aに含まれる全てのノズル8と対向するため、ワイパブレード201が対向するノズル8の開口端と接触することがない。また、接触面202とインク吐出面2aとが接触しているときに、溝203における接触面202に直交する方向に関する深さが10μmとなっている。これにより、ノズル8の開口端近傍にインク滴が付着していたとしても、当該インク滴の高さが10μm以上であれば、ワイパブレード201の溝203の底面に当該インク滴が挟持されて、当該インク滴が払拭される。
また、プリンタ1は、メンテナンス機構の一部として、移動台301を移動する移動台駆動機構(移動機構)600を有している。移動台駆動機構600は、図1に示すように、従動ローラ601、駆動ローラ602及び駆動ベルト603を有している。従動ローラ601及び駆動ローラ602は、互いに主走査方向に沿って水平に離隔されており、いずれも副走査方向に沿った回転軸の周りに回転が可能なように設置されている。駆動ローラ602は、図示されていない駆動装置によって駆動され、回転する。従動ローラ601及び駆動ローラ602の周囲には駆動ベルト603が巻き掛けられている。一方で、移動台301には、主走査方向について平行な側面から副走査方向に沿って延在する突出部301aが形成されている。突出部301aは駆動ベルト603に固定されている。駆動ローラ602が回転すると、駆動ベルト603が走行し、駆動ベルト603に固定された突出部301aを介して移動台301が主走査方向に沿って移動する。
インクジェットヘッド2のインク吐出面2aが払拭されるときのインクジェットプリンタの動作について図5〜図7を参照しつつ説明する。図5〜図7は、インク吐出面2aが払拭される際のプリンタ1における各部の動作を示す図である。
図5は、インクジェットヘッド2のインク吐出面2aからインク滴が吐出されている様子(画像形成時の様子)を示している。図6は、インク吐出面2aの払拭を開始する払拭開始位置に、ワイパブレード201が配置される様子を示している。図7は、ワイパブレード201によってインク吐出面2aが払拭される様子を示している。図5に示すように、ヘッド昇降機構950は、インクジェットヘッド2を、インク吐出面2aが搬送機構500の上面(搬送面)に所定の間隔で近接する画像形成位置に配置させる。そして、搬送機構500が印刷用紙Pを搬送すると共にインクジェットヘッド2からインク滴が吐出される。これによって、印刷用紙P上に画像が形成される。
この間、移動台301は、インクジェットヘッド2や搬送ベルト503と対向する領域の外に退避している。移動台301の退避位置は、インクジェットヘッド2について搬送方向の左側に設けられている。
インクジェットヘッド2からのインク滴の吐出が終了すると、所定の時間を挟んでインク吐出面2aの払拭が開始される。なお、インク吐出面2aの払拭は、インクジェットヘッド2からのインク吐出が行われていない不吐出期間内であれば、いずれのタイミングで開始されてもよい。
インク吐出面2aの払拭が開始されると、ヘッド昇降機構950が、インクジェットヘッド2を、画像形成位置からワイパブレード201よりも上方の位置へと移動させる。その後、図6に示すように、移動台駆動機構600が、移動台301を、退避位置からワイパブレード201がインク吐出面2aよりも右方に位置する払拭開始位置に移動させる。移動台301が払拭開始位置に到着すると、図7に示すように、ヘッド昇降機構950が、インクジェットヘッド2を、メンテナンス位置まで下降させる。メンテナンス位置においては、インク吐出面2aがワイパブレード201の上方先端部よりわずかに下方に位置している。これにより、ワイパブレード201がインク吐出面2aに当接可能となる。このとき、図6に示すように、移動台201の左端部は、固定台302の右端部と重なりをもっており、移動台301から固定台302に移る廃インクがあっても、確実に受け渡しができるようになっている。
さらに、移動台駆動機構600が、移動台301を払拭開始位置から左方、すなわち、払拭方向に移動させる。これにより、インク吐出面2aの下方において、ワイパブレード201がインク吐出面2aに沿って払拭方向に移動する。このとき、ワイパブレード201の先端がインク吐出面2aと接触することによって、ワイパブレード201の先端近傍領域が払拭方向の上流側に湾曲し、ワイパブレード201のワイプ面201aに形成された接触面202とインク吐出面2aとが接触する。この状態で、ワイパブレード201がインク吐出面2aに沿って払拭方向へと移動することにより、接触面202によってインク吐出面2aが払拭され、インク吐出面2aに付着したインク滴などの付着物が払拭される。
このとき、溝203に形成された接触面202の非接触領域202aが、ノズル8の開口端と対向するため、ワイパブレード201とノズル8の開口端とが接触することがない。しかしながら、接触面202とインク吐出面2aとが接触しているとき、溝203における接触面202に直交する方向に関する深さが10μmとなっているため、ノズル8の開口端近傍(インク吐出面2aの非接触領域202aと対向する位置)にインク滴が付着していたとしても、当該インク滴の高さが10μm以上であれば、ワイパブレード201の溝203の底面に保持されたまま払拭される。
そして、インク吐出面2aが撥水層を有し、接触面202が撥水層に比べて親水性が高いので、ワイパブレード201と接触したインク滴が、インク吐出面2a上を容易に移動する。ワイパブレード201によって払拭されたインク滴は、ワイパブレード201のワイプ面を伝って下方に流れ落ち、移動台301及び固定台302を介して図示しない廃インクタンクに貯溜される。
そして、移動台301を再び退避位置まで移動させると、インク吐出面2aの払拭が終了する。メンテナンス位置にあったインクジェットヘッド2は、ヘッド昇降機構950によって、画像形成位置まで下降された後に保持される。なお、インク吐出面2aの払拭は、プリンタ1の電源投入直後、印刷開始前、電源投入から所定時間経過後などに行われる。したがって、インクジェットヘッド2からインク吐出が行われる前に、インク吐出面2aが清浄化され、ノズルのメニスカスが均一になるような払拭が必ず行われることとなる。
本実施形態によると、ワイパブレード201がインク吐出面2aを払拭するときに、ワイパブレード201がノズル8の開口端と接触しないため、ワイパブレード201の先端が損傷するのが抑制される。これにより、ワイパブレード201の長寿命化を図ることができる。さらに、ワイパブレード201から損耗物が発生するのが抑制されるため、損耗物がノズル8の開口に付着することによるインク滴の吐出不良が発生するのを抑制することができる。また、インク吐出面2aにおいては、ノズル8の開口周辺の撥液膜が損傷するのが抑制されるため、撥液膜の長寿命化を図ることができる。
また、接触面202の非接触領域202aが、ワイパブレード201の先端から基端部に向かって延在する溝203によって形成されているため、非接触領域202aを容易に形成することができる。
加えて、接触面202とインク吐出面2aとが接触しているとき、溝203における接触面202に直交する方向に関する深さが10μmとなっているため、ノズル8の開口端近傍にインク滴が付着していたとしても、当該インク滴の高さが10μm以上であれば、ワイパブレード201の溝203の底面に当該インク滴が保持され、そのまま、当該インク滴が払拭される。
また、インク吐出面2aに、主走査方向に配列された複数のノズル8からなる4つのノズル列8aが、副走査方向に互いに等間隔に離隔するように形成されており、ワイパブレード201がインク吐出面2aを払拭するときに、各溝203に形成された非接触領域202aが、対応するノズル列8aに含まれる全てのノズル8と対向する。このため、非接触領域202aの面積を小さくすることができ、インク吐出面2aの払拭効率が低下するのを抑制することができる。
<変形例>
本実施形態においては、インク吐出面2aに、主走査方向に配列された複数のノズル8からなる4つのノズル列8aが、副走査方向に互いに等間隔に離隔するように形成されている。そして、ワイパブレード201の先端部において、ワイパブレード201がインク吐出面2aを払拭するときに、非接触領域202aが互いに異なる1つのノズル列8aに含まれる全てのノズル8と対向するように、溝203が形成されている。しかしながら、ワイパブレードの先端に形成された溝の形状は、インク吐出面2aに形成された払拭方向に延在するノズル列の配置パターンによって決定されるものであり、1つの非接触領域が、複数のノズル列8aに含まれる全てのノズル8と対向する形状となる構成であってもよい。
本実施形態においては、インク吐出面2aに、主走査方向に配列された複数のノズル8からなる4つのノズル列8aが、副走査方向に互いに等間隔に離隔するように形成されている。そして、ワイパブレード201の先端部において、ワイパブレード201がインク吐出面2aを払拭するときに、非接触領域202aが互いに異なる1つのノズル列8aに含まれる全てのノズル8と対向するように、溝203が形成されている。しかしながら、ワイパブレードの先端に形成された溝の形状は、インク吐出面2aに形成された払拭方向に延在するノズル列の配置パターンによって決定されるものであり、1つの非接触領域が、複数のノズル列8aに含まれる全てのノズル8と対向する形状となる構成であってもよい。
例えば、本変形例であるインクジェットヘッドは、図8に示すように、インク吐出面2aにおいて、ノズル108が、主走査方向に沿って千鳥状に且つ連続したパターンで配置されている(なお、図8においては、1パターンのみが表れている)。これにより、インク吐出面2aに、主走査方向に配列された複数のノズル108からなる16個のノズル列108aが、副走査方向に互いに離隔するように形成されている。このとき、副走査方向の図8上方から順に、互いに近接配置された2個のノズル列108aがノズル列群108Aを形成し、互いに近接配置された4個のノズル列108aがノズル列群108B〜108Dを形成し、さらに、互いに近接配置された2個のノズル列108aがノズル列群108Eを形成している。そして、ワイパブレード401の先端には、ワイパブレード401がインク吐出面2aを払拭するときに、各ノズル列群108A〜Dに含まれる全てのノズル108とそれぞれ対向する溝403a〜403dが形成されている。
図8の右部分は、図3(a)に相当するワイプ面401aの部分拡大図である。接触面402の非接触領域とノズル列108aとの位置関係が示されている。ワイパブレード401がインク吐出面2aを払拭するときは、ワイパブレード401の先端近傍領域が湾曲して、接触面402とインク吐出面2aとが接触する。接触面402には、溝403a〜403eによって形成された非接触領域402a〜402eが含まれている。このとき、非接触領域402a、402bが、ノズル108の開口端と対向するため、ワイパブレード201とノズル108の開口端とが接触することがない。
本変形例によると、1つの非接触領域402a〜402eが、2個または3個のノズル列108aに含まれる全てのノズル8と対向する形状となっているため、払拭方向に直交する方向(副走査方向)に関するノズル列108a間の離隔距離が短く、ワイパブレード401の先端に、各ノズル列108aに対向する溝を形成するのが困難な場合でも容易に対応することができる。
以上は、本発明の好適な実施の形態についての説明であるが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された内容の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
例えば、上述の実施形態においては、ワイパブレード201に係る接触面202の非接触領域202aがワイパブレード201の先端から基端部に向かって延在する溝203によって形成されている構成であるが、溝の形状は任意のものであってよい。例えば、ワイパブレード201の先端から側面に向かって斜めに延在するものであってもよい。また、非接触領域が溝によって形成される構成に限定されるものではなく、非接触領域が、ワイパブレードの端部の角部のみが切り欠かれることによって形成される構成であってもよい。
また、上述の実施形態においては、接触面202とインク吐出面2aとが接触しているとき、溝203における接触面202に直交する方向に関する深さが10μmとなっている構成であるが、当該深さは、10μm未満であってもよいし、10μmを超えてもよい。深さが10μmを超える場合、ワイパブレードの親水性に助けられて、ノズルの開口際にインクがあっても、大部分のインクはノズルから離れた位置まで運ばれる。そのため、仮に残存するインクがあっても、ノズルからのインク吐出特性には影響することはない。
加えて、上述の実施形態においては、1枚のワイパブレード201が、4つのインク吐出面2aを同時に払拭する構成となっているが、各インク吐出面2aに対応するように4つに分割された各ワイパブレードが、対向するインク吐出面2aをそれぞれ払拭する構成となっていてもよい。このとき、各ワイパブレードが独立して移動するように構成されていてもよい。この場合、払拭すべきインク吐出面2aのみを払拭できるので、空拭きによってワイパブレードを損傷することがなくなる。
さらに、上述の実施形態においては、インクジェットヘッド2は主走査方向について固定されている。しかし、印刷用紙に対して主走査方向について移動するようなインクジェットヘッドを有するプリンタに本発明が適用されてもよい。
加えて、インク滴を吐出するインクジェットヘッド2を有するインクジェットプリンタに本発明を適用した例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、液滴を吐出する吐出面が形成された記録ヘッドを有する様々な記録装置、例えば、ノズルから導電性ペーストを吐出して配線パターンを形成するパターン印刷装置にも適用可能である。
1 インクジェットプリンタ
2 インクジェットヘッド
2a インク吐出面
8、108 ノズル
8a ノズル列
108a〜108e ノズル列
108A〜108E ノズル列群
200 ワイパブレード台
201 ワイパブレード
201a ワイプ面
202 接触面
202a 非接触領域
203 溝
301 移動台
302 固定台
401 ワイパブレード
402 接触面
402a 非接触領域
403a 溝
600 移動台駆動機構
2 インクジェットヘッド
2a インク吐出面
8、108 ノズル
8a ノズル列
108a〜108e ノズル列
108A〜108E ノズル列群
200 ワイパブレード台
201 ワイパブレード
201a ワイプ面
202 接触面
202a 非接触領域
203 溝
301 移動台
302 固定台
401 ワイパブレード
402 接触面
402a 非接触領域
403a 溝
600 移動台駆動機構
Claims (5)
- 液滴を吐出する複数のノズルが形成された吐出面を有する記録ヘッドと、
板形状を有するワイパー部材と、
前記ワイパー部材の端部が前記吐出面に接した状態で、前記ワイパー部材を前記吐出面に沿って移動させる移動機構とを備えており、
前記吐出面と接触する前記ワイパー部材の接触面に、前記移動機構による前記ワイパー部材の移動に伴って対向する前記ノズルの開口端と接触しない非接触領域が形成されていることを特徴とする記録装置。 - 前記非接触領域が、前記ワイパー部材の先端から基端部に向かって延在する溝によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記接触面が前記吐出面に接しているとき、前記溝の前記接触面に直交する方向に関する深さが10μm以下であることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
- 前記吐出面に、前記ワイパー部材の移動方向に配列された複数の前記ノズルからなるノズル列が複数形成されており、
前記接触面に、互いに異なる前記ノズル列に属する前記ノズルと対向する前記非接触領域が複数形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の記録装置。 - 前記吐出面に、前記ワイパー部材の移動方向に配列された複数の前記ノズルからなるノズル列が複数形成されており、
前記接触面に、複数の前記ノズル列に属する前記ノズルと対向する前記非接触領域が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007309229A JP2009132009A (ja) | 2007-11-29 | 2007-11-29 | 記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007309229A JP2009132009A (ja) | 2007-11-29 | 2007-11-29 | 記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009132009A true JP2009132009A (ja) | 2009-06-18 |
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ID=40864418
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JP2007309229A Pending JP2009132009A (ja) | 2007-11-29 | 2007-11-29 | 記録装置 |
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JP (1) | JP2009132009A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002127461A (ja) * | 2000-09-13 | 2002-05-08 | Canon Inc | 改善された記録ヘッド回復機構を有する記録装置 |
JP2002210991A (ja) * | 2001-01-19 | 2002-07-31 | Seiko Instruments Inc | インクジェット記録装置 |
-
2007
- 2007-11-29 JP JP2007309229A patent/JP2009132009A/ja active Pending
Patent Citations (2)
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JP2002210991A (ja) * | 2001-01-19 | 2002-07-31 | Seiko Instruments Inc | インクジェット記録装置 |
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