JP3359101B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3359101B2
JP3359101B2 JP18616693A JP18616693A JP3359101B2 JP 3359101 B2 JP3359101 B2 JP 3359101B2 JP 18616693 A JP18616693 A JP 18616693A JP 18616693 A JP18616693 A JP 18616693A JP 3359101 B2 JP3359101 B2 JP 3359101B2
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wiping
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哲夫 鈴木
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昌宏 谷黒
篤 新井
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健太郎 矢野
尚次 大塚
均 錦織
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクを吐出して記録媒
体に画像を形成するインクジェット記録ヘッドの吐出口
面をクリーニングするためのワイパ部材を有するインク
ジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機
能を有する記録装置、或いはコンピュータやワードプロ
セッサ等を含む複合型電子機器やワークステーションの
出力機器として用いられる記録装置は、画像情報に基づ
いて用紙やプラスチック薄板等の被記録材(記録媒体)
に画像を記録していくように構成されている。前記記録
装置は、記録方式により、インクジェット式、ワイヤド
ット式、サーマル式、レーザービーム式等に分けること
ができる。
【0003】被記録材の搬送方向(副走査方向)と交差
する方向に主走査するシリアルスキャン方式を採るシリ
アルタイプの記録装置においては、被記録材に沿って移
動するキャリッジ上に搭載した記録手段によって画像を
記録(主走査)し、1行分の記録を終了した後に所定量
の紙送り(ピッチ搬送)を行ない、その後に再び停止し
た被記録材に対して、次の行の画像を記録(主走査)す
るという動作を繰り返すことにより、被記録材全体の記
録が行なわれる。一方、被記録材の搬送方向の副走査の
みで記録するラインタイプの記録装置においては、被記
録材を所定の記録位置にセットし、一括して1行分の記
録を行なった後、所定量の紙送り(ピッチ送り)を行な
い、さらに、次の行の記録を一括して行なうという動作
を繰り返すことにより、被記録材全体の記録が行なわれ
る。
【0004】上記記録装置のうち、インクジェット式の
記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段(記
録ヘッド)から被記録材にインクを吐出して記録を行な
うものであり、記録手段のコンパクト化が容易であり、
高精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特
別の処理を必要とせずに記録することができ、ランニン
グコストが安くノンインパクト方式であるため騒音が少
なく、しかも多色のインクを使用してカラー画像を記録
するのが容易であるなどの利点を有している。中でも、
紙幅方向に多数の吐出口を配列したラインタイプの記録
手段を使用したライン型の記録装置は、記録の一層の高
速化が可能である。
【0005】特に、熱エネルギーを利用してインクを吐
出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、
エッチング、蒸着、スパッタリング等の半導体製造プロ
セスを経て、基板上に製膜された電気熱変換体、電極、
液路壁、天板等を形成することにより、高密度の液路配
置(吐出口配置)を有するものを容易に製造することが
でき、一層のコンパクト化を図ることができる。一方、
被記録材の材質に対する要求も様々なものがあり、近年
では、通常の被記録材である紙や樹脂薄板(OHP等)
などの他に、薄紙や加工紙(ファイリング用のパンチ孔
付き紙やミシン目付き紙、任意な形状の紙など)などを
使用できることが要求されるようになってきた。
【0006】上記インクジェット記録装置においては、
記録ヘッドのインク吐出面に紙粉やほこり等が付着した
り、ノズルから吐出されたインクの一部がインク吐出面
に付着した状態では、インクの吐出方向が変ってしまっ
たり、目詰まりしてインクが吐出されない等のインク吐
出不良が発生する。このような吐出不良を防止するた
め、定期的にインク吐出面をクリーニングする必要があ
る。そこで、従来よりゴムなど弾性のある材質の板状部
材のエッジ部によりインク吐出面のほこりやインクを掻
き取る方法が用いられている。以下にその例を図6及び
図7を用いて説明する。
【0007】図6は従来のインクジェット記録装置を示
す斜視図である。
【0008】インク吐出面101aの吐出口よりインクを吐
出して記録媒体105 に画像を記録する記録ヘッド101 は
キャリッジ102 に搭載されており、キャリッジ102 は移
動方向を案内するガイド軸103 に支持されて記録媒体10
5 に対向しながら往復移動する。記録媒体105 はピンチ
ローラによりフィードローラに圧接され、フィードロー
ラが回転することにより搬送される。更に、画像形成後
の記録媒体105 は排出ローラによって記録装置外部に排
出される(ピンチローラ、フィードローラ、排出ローラ
は不図示)。
【0009】インク吐出面101aに付着した紙粉などの異
物や余分なインクは画像形成領域外に設けられたワイパ
ー104 によって掻き取られる。また、インク吐出面101a
を覆って吐出口の目詰まりを防止したり、記録ヘッドの
外部よりインクを吸引したりするためにキャップ106 が
設けられている。
【0010】ここで、ワイパー104 によりインク吐出面
101aの異物やインクを掻き取ってクリーニングを行なう
動作(ワイピング動作)の従来の方法について説明す
る。
【0011】図7はワイピング動作を模式的に表した図
であり、ワイパー104 の状態a,b,cは夫々ワイピン
グ動作前、動作中、動作後の状態を示している。107 は
ワイパー104 から飛散したインク、X1 は吐出口位置を
示す。
【0012】キャリッジ102 が矢印A方向に移動すると
それに搭載された記録ヘッド101 も同方向に移動する。
記録ヘッド101 の移動に伴ないワイパー104 は上部を側
方から押されて湾曲し、端部を適当な圧力でインク吐出
面101aに圧接させる。この状態のまま更に記録ヘッド10
1 が通過していくので、インク吐出面101aの表面に付着
した異物やインクはワイパー104 の端部で掻き取られ、
完全に記録ヘッド101が通過しきるとワイパー104 は弾
性により元の形状に復元する。
【0013】以上のような一連のワイピング動作により
インク吐出面101aをクリーニングすることにより、イン
クの吐出を安定させ、良好な画像を得る事ができる。
【0014】
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、図7の状態cでワイパー104 の形状が弾性に
より復元する際に、記録ヘッド101 から掻き取られてワ
イパー104 に付着したインクなどが飛び散る場合があ
り、更に図6の構成のような往復のワイピングでは、い
ずれか一方の飛び散り方向が記録媒体の方向に当たるの
で、画像を汚してしまう恐れがある。
【0016】
【0017】本発明の目的は、ワイパーにより吐出口列
の良好なクリーニングを行うとともに、ワイパーにより
吐出口面から掻き取ったインクの飛び散りを防止した
り、ワイパーに付着したインクを除去することである。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の代表的な構成は、インクジェット記録ヘッド
吐出口列よりインクを吐出して記録媒体に記録を行う
インクジェット記録装置において、インクジェット記録
ヘッドを搭載して所定方向へ移動するためのキャリッジ
と、前記吐出口列の配された吐出口面をワイピングする
ワイパ部材と、前記キャリッジの移動に応じて前記ワイ
パ部材を作動状態と退避状態と制御する制御機構と、
を有し、前記ワイパ部材前記吐出口面に当接している
間に前記キャリッジの移動速度を変化させることを特徴
とする。
【0023】
【作用】本発明によれば、ワイパ部材が吐出口面に当接
している間にキャリッジの移動速度を変化させるため、
ワイパ部材により吐出口列の良好なクリーニングを行う
とともに、ワイパ部材により吐出口面から掻き取ったイ
ンクの飛び散りを防止したり、ワイパ部材に付着したイ
ンクを除去することができる。
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【実施例】次に本発明に係るワイピング機構を備えたイ
ンクジェット記録装置の実施例について図面を参照して
詳細に説明する。尚、図1は本発明に係るワイピング機
構を備えたインクジェット記録装置の概略構成を示す斜
視図である。
【0028】インク吐出面1aの吐出口よりインクを吐
出して記録媒体5に画像を記録する記録ヘッド1はキャ
リッジ2に搭載されており、キャリッジ2は移動方向を
案内するガイド軸3に支持されて記録媒体5に対応しな
がら往復移動する。記録媒体5はピンチローラ6により
フィードローラ4に圧接され、フィードローラ4が回転
することにより搬送される。更に、画像形成後の記録媒
体5は排出ローラ7によって記録装置外部に排出され
る。
【0029】インク吐出面1aに付着した紙粉などの異
物や余分なインクは画像形成領域外に設けられたワイパ
部材としてのワイパー8によって掻き取られる。また、
インク吐出面1aを覆って吐出口の目詰まりを防止した
り、記録ヘッドの外部よりインクを吸引したりするため
にキャップ9が設けられている。
【0030】前記記録ヘッド1は、熱エネルギーを利用
してインクを吐出するインクジェット記録手段であっ
て、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備え
たものである。また、前記記録ヘッド1は、前記電気熱
変換体によって印加される熱エネルギーにより生じる膜
沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を
利用して、吐出口よりインクを吐出させ、記録を行なう
ものである。
【0031】図5は前記記録手段(記録ヘッド)1のイ
ンク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図である。図
5において、被記録材と所定の隙間(例えば、約 0.5〜
2.0mm程度)をおいて対面する吐出口形成面51には、
所定のピッチで複数の吐出口52が形成され、共通液室53
と各吐出口52とを連通する各液路54の壁面に沿ってイン
ク吐出用のエネルギーを発生するための電気熱変換体
(発熱抵抗体など)55が配設されている。本例において
は、記録ヘッド1は、前記吐出口52がキャリッジ2の走
査方向と交叉する方向に並ぶような位置関係で、前記キ
ャリッジ2に搭載されている。こうして、画像信号又は
吐出信号に基づいて対応する電気熱変換体55を駆動(通
電)して、液路54内のインクを膜沸騰させ、その時に発
生する圧力によって吐出口52からインクを吐出させる記
録ヘッド1が構成されている。
【0032】尚、本実施例では、キャリッジ2に1個の
記録ヘッド1を搭載した単色記録用のインクジェット記
録装置を例に挙げて説明しているが、本発明は、異なる
色のインクで記録する複数個の記録ヘッドを用いるカラ
ー記録用のインクジェット記録装置、或いは同一色彩で
濃度の異なるインクで記録する複数の記録ヘッドを用い
る階調記録用のインクジェット記録装置など、記録ヘッ
ドの数に関係なく同様に適用することができ、同様の作
用効果を達成し得るものである。
【0033】更に、記録手段(記録ヘッド)1として
は、記録ヘッドとインクタンクを一体化したカートリッ
ジタイプのもの、或いは記録ヘッドとインクタンクを別
体としこれらをインク供給チューブで接続する構成のも
のなど、記録手段及びインクタンクの構成がどのような
ものであっても、同様に適用することができ、同様の効
果を達成し得るものである。
【0034】図2は図1のインクジェット記録装置のワ
イピング機構の主要部分を示す要部構成模式図であり、
図3及び図4は前記ワイピング機構の動作説明図であ
る。
【0035】ワイパー8はワイパー保持部材10上に固定
されており、ワイパー保持部材10は一端をベース11上に
軸支されて上下に揺動可能に取り付けられている。ま
た、ワイパー保持部材10上にはラッチカム12が左右に揺
動可能に軸支されていて、ラッチばね13で一方に付勢さ
れている。
【0036】ワイパー保持部材10はワイパーばね14で上
方に付勢されており、これによりワイパー8が記録ヘッ
ド1の進路上に侵入しているときがワイパー作動状態で
ある。図3(a)はキャリッジの移動とラッチカム、ベ
ースの移動の様子を概略的に示している。
【0037】キャリッジ2の下部には階段状のカム部2
a,2bが形成されており、キャリッジ2が左から右へ
と移動すると、カム部2aがラッチカム12の斜面に突き
当たってラッチカム12を押し下げる。すると、ワイパー
保持部材10を介してワイパー8も押し下げられるので、
ワイパー8は記録ヘッド1の進路より退避した状態にな
る(図3(b)参照)。この時、ラッチカム12のラッチ
部12aがベース11と一体のフック部11aに係合して、ワ
イパー8は押し下げられた状態を維持する。そして、キ
ャリッジ2のカム部2bがラッチカム12の先端部12bに
至る前に進行方向を反転させた場合(図3(c)参
照)、ワイパー8は退避状態のまま保持される(図3
(d)参照)。画像出力動作はこの状態で行なわれる。
このように、ワイパー8はキャリッジ2の移動に応じて
作動状態と退避状態とに移動制御される構成となってい
る。
【0038】次にワイピング動作を行なう場合を説明す
る。図3(c)の状態から更にキャリッジ2を右へ進行
させる。このときワイパー8は退避状態のままである。
キャリッジ2のカム部2bがラッチカム12の先端部12b
を通過した後で反転させると(図4(a)参照)、キャ
リッジ2のカム部2bがラッチカム12を押してラッチ部
12aとフック部11aの係合を解除する。すると、ワイパ
ーばね14の力によりワイパー保持部材10が記録ヘッド1
の進路へ押し上げられてワイパー8が作動状態になる。
この時、ワイパー保持部材10と一体の侵入量規制部10a
が記録ヘッド1のワイピング基準面1bに当接して、イ
ンク吐出面1aに対するワイパー8の侵入量を最適に保
つ。
【0039】次に記録ヘッド1のキャッピング動作につ
いて説明する。
【0040】記録ヘッド1を搭載するキャリッジ2のカ
ム部2bがラッチカム12の先端部12bを越えて更に右方
向に移動させる。上述したようにワイパー8は退避状態
である。図8において、このときキャリッジ2の側面2
cが本体との間に取り付けられたバネ部材16により左方
向に付勢されているキャップ変位レバー15の側面15aを
右方向へ押す。すると、キャップ変位レバー15は軸15b
を中心に時計回り方向に回動する。このときキャリッジ
2のある方向へ開口部を向けていたキャップ9は、キャ
ップ変位レバー15の前記回動運動に応じて開口部を上方
へ向ける。ここに記録ヘッド1の吐出口面(インク吐出
面)1aが当接してキャッピングが行なわれる。このよ
うにキャリッジ2の移動する力を利用して吐出口面1a
のキャッピングが行なえるので、キャップ9を動かすた
めの駆動源を改めて必要とすることはない。
【0041】次にキャッピング状態から記録状態に移る
場合を説明する。キャッピング位置からキャリッジ2が
左方向へ移動すると、上述したようにカム部2bがラッ
チカム12を押してラッチ部12aとフック部11aの係合を
解除してワイパー8を作動状態とする。そしてワイパー
8による吐出口面1aのワイピングの後、更にキャリッ
ジ2が左方向へ移動して図3(a)の状態となる。この
ときワイパー8は押し上げられたままである。しかしな
がら、この状態では記録時のキャリッジ2のシリアル移
動の妨げになる。そこで、一度、図3(a)の状態から
キャリッジ2を右方向へ移動させて図3(c)の状態に
してワイパー8を退避状態に維持する。この状態で画像
記録の出力動作が行なわれる。
【0042】上述したように、ワイピング動作は必ずキ
ャリッジ2が左へ移動するときに行なわれる。従ってワ
イパー8は左へ湾曲させられ(図4(b)参照)、ワイ
ピング動作直後にワイパー8の弾性によって飛散するイ
ンク滴は必ず右方へ行くことになる。従って、このワイ
ピング機構の左側に配置された画像形成領域にはインク
は飛ばず、記録媒体を汚すことがない。
【0043】次に上述した実施例に好ましく適用される
具体的なワイピング動作の実施態様例および参考例につ
いて説明する。
【0044】(参考例) 図9は記録ヘッド1101のヘッドフェイス面1101Aをワイ
ピングしているときのワイパー1104の速度が終始一定で
あるワイピング動作の参考例である。尚、ワイパー1104
の状態a,b,cは夫々ワイパー動作前、動作中、動作
後の状態を示している。X2 は吐出口位置を示す。
【0045】(第実施態様例) 図10は吐出口配設域の近傍までを一定の速度でワイピン
グし、このワイピングし終った時点で、ワイピング速度
を落とし、ワイパー2104が記録ヘッド2101のヘッドフェ
イス面2101Aから外れ、元の状態にもどるときの速度を
できるだけ遅くしている。このようにすることにより、
ヘッドフェイス面2101Aから掻き取ったインクが飛び散
ることを防止、或いは最小限におさえることが可能とな
り、記録装置のインクによる汚れを防ぐことができる。
【0046】尚、ワイパー2104の状態a,b,cは夫々
ワイピング動作前、動作中、動作後の状態を示してい
る。X3 は吐出口位置を示す。
【0047】(第実施態様例) 次に第実施態様例を図11乃至図13を用いて、以下に説
明する。
【0048】先ずワイピングの目的は、記録ヘッド3101
のヘッドフェイス面3101Aについた紙粉等のゴミを除去
することと、もう一つには、ヘッドフェイス面3101Aに
ついたインクを除去することにある。ヘッドフェイス面
3101Aに付着するインクは、吐出したインクの一部がノ
ズル付近に散乱したり、紙面からハネかえったりするこ
とによるものが考えられている。そして、このようなイ
ンクが図12のように、ノズル列3110の上をふさぐように
付着すると、インク3111がノズルから吐出されなかった
り、インク滴が吐出されたとしても、真っ直ぐには飛ば
ず、その結果、画像不良を引き起こしてしまう。尚、ワ
イパー3104の状態a,b,cは夫々ワイピング動作前、
動作中、動作の状態を示している。X4 は吐出口位置を
示す。
【0049】そこで、現在、図13のようにヘッドフェイ
ス面3101Aのノズル列3110の両サイドにインクを引きよ
せる親水部3101Bを設け、そこにヘッドフェイス面3101
Aに付着したインクを蓄積させることにより、図12のよ
うにノズル列3110上にインク3111がたまらないようにす
る構成が考えれらている。
【0050】そこで、ここでは上記したような親水部31
01Bを備えた記録ヘッド3101を用いた記録装置における
ワイピング動作の実施態様例を図11を用いて示す。
【0051】ここでは吐出口配設列の近傍のみを特定の
一定ワイピング速度で行ない、ノズル列両サイドの親水
部3101Bの所は、そこにたまったインクを十分に掻き取
ってやるためにワイピング速度を遅くする。ここで、上
述した第実施態様例と組み合わせて、破線のようなワ
イピング速度にしてやることにより、掻き取ったインク
の飛散をも防止することができる。
【0052】(第実施態様例) 次に、図14乃至図16を用いて、第実施態様例を以下に
説明する。第1乃至第実施態様例において、ワイパー
4104で掻き取られたインクの一部は、ワイパー4104に付
着するようになる。このとき、そのインクが乾燥して増
粘したりすると、ワイパー4104自体のワイピング性能が
低下するだけでなく、その増粘したインクが記録ヘッド
4101のヘッドフェイス面4101Aのノズルに付着し、目詰
まりを引き起こすことも十分にありえる。そこで第1乃
至第実施態様例においては、ワイパー4104に付着した
インクを掻き取るために、記録ヘッド4101のヘッドエッ
ジ部4104Cに、図15のようにワイパー4104を接触させ
て、付着したインクを掻き取るようにしている。しか
し、上述してきたようなワイパークリーニング機構がと
れない場合、別途にワイパークリーニングのための機構
を設けてやらなければならなくなる可能性が生ずる。し
かし、このことは部品点数の増加などになるコストアッ
プというデメリットを生ずる。そこで、本実施態様例を
行なうことにより上述した問題は解決される。以下にそ
の説明を行なう。尚、ワイパー4104の状態a,b,cは
夫々ワイピング動作前、動作中、動作後の状態を示して
いる。X5は吐出口位置、4201は前回拭き取ったイン
ク、4202は今回拭き取ったインクを示す。
【0053】先ず、図14に示すように吐出口配設列の近
傍は前記してきたように特定の一定のワイピング速度に
て行ない、ワイパー4104がノズルを通過した時点から、
更に速度を増していき、できるだけ速い速度にてワイピ
ング動作を終了させる。このことにより、ワイパー4104
に付着したインク4202は図16のように大きくはね飛ばさ
れることになり、ワイパー4104に付着したインク4202は
除去される。これにより、ワイパークリーニング機構の
ない構成においても本実施態様例を用いることにより、
実現可能となる。尚、飛ばされたインクはインク受け等
を設けることにより問題なく処理できる。このインク受
けについては下述する。
【0054】以上説明した各実施態様例によると、ワイ
ピング動作中に吐出口配設域のワイピング速度は一定に
し、他の領域のワイピング速度を変化させることによ
り、吐出口配設域は一定のワイピング速度であるため、
吐出口の拭かれ始めと拭かれ終りとで同一のクリーニン
グ条件でクリーニングされるため、良好なクリーニング
が達成される。
【0055】次に下述する第乃至第実施態様例はク
リーニングによるインクの飛散を受けるインク受け部材
に関し、該インク受け部材は上述した第実施態様例に
限らず、第1乃至第実施態様例にも適用されることで
良好な記録装置を提供するものである。
【0056】(第実施態様例) 図17は本実施態様例を最も良く表しているブレード(拭
き部材)5003、インク飛散受け部材5001等から成るワイ
ピング手段を示す構成図である。記録ヘッド5010の表面
(フェイス面)をウレタンゴム等のブレード5003でワイ
ピングして、表面のインクを掻き取り、記録ヘッド5010
から離れる際のブレード5003の弾性力で、ブレード5003
上のインク滴をインク飛散受け部材5001に目掛けて飛ば
している。インク飛散受け部材5001はインク飛散方向
(矢印A方向)に設置されており、インク飛散が本体内
部に広がらないようにしている。これは本体内部の汚れ
を防止し、視覚的な清浄感を維持するのに有効であるば
かりか、記録ヘッド交換時等にユーザーの手を汚してし
まう等の弊害を防止している。インク飛散受け部材5001
内に着弾したインク滴は重力方向に流れ、排インクスロ
ープ5002に沿って排インク収集部5007へと流れ込む。ブ
レードユニットとインク飛散受け部材5001の間に設けら
れたキャップ5005及びシリンダポンプ5006によって記録
ヘッドを吸引回復した際に生じた排インクもシリンダポ
ンプ5006から重力方向に排出され、排インク収集部5007
へと流れ込む。排インク収集部5007はそれぞれ独自で保
有するのではなく、排インク収集部5007の入り口を共通
にして、吸収体へ連結している構成を用いている。吸収
体はインクジェット記録装置本体の底面等に配し、極力
無駄な空間を無くすようにする。排インク収集部5007を
単一化することでコストアップを防ぎ、装置本体の底面
等を利用して装置の大型化を防いでいる。
【0057】図18にブレード5003の弾性力でインク飛散
の方向(矢印A方向)を制御し、インク飛散受け部材50
01内に飛ばしている状態を示す構成図を示す。X6 は記
録ヘッド当接面である。本実施態様例では記録ヘッド50
10への侵入量(当接面からの距離)を左右で変えること
で、インク飛散の方向性を制御している。記録ヘッドへ
当接している量が大きいほど、記録ヘッドから離れる際
のタイミングが遅くなり、離れる状態はブレードの片
側、侵入量の大きい方だけが記録ヘッドに当接してい
る。このようにワイピングでは遅く離れた側にインク飛
散が飛ぶようになり、通常の左右同じ侵入量でワイピン
グした場合のインク飛散の広がりより、方向性を持たせ
ることができる。このようにして、インク飛散を方向制
御してインク飛散受け部材5001内に収めている。本実施
態様例では記録ヘッド5010への侵入量でインク飛散の方
向制御を行なっているが、ブレードの左右で当接するタ
イミングをずらして方向制御することもできる。更に
は、ブレード材の性質を左右で変えて、例えば左右で厚
みを変えたり、傾斜機能を持たせていて左右で硬度をか
えたりすることでもインク飛散の方向制御は可能であ
る。以上のようなインク飛散の方向制御して所定の位置
にインク飛散を集める方法は、静電的にインク滴、特に
インクミストを集める方法に比べて、コスト的にかなり
有利であり、製品における実施系に向いている。
【0058】ブレード5003が記録ヘッド5010に当接して
いる際の状態は、図19の構成図が示している。記録ヘッ
ド5010に当接しているブレード5003は図に示すように湾
曲しており、このブレード5003のたわみによる弾性力で
インク滴を飛散させている。ブレード5003のたわみ量は
ブレード5003の材質、記録ヘッド5010への侵入量、ブレ
ード5003の自由長等で決定される。また、記録ヘッド50
10のフェイス面の拭き性能はワイピング速度X7 、当接
角X8 、当接圧X9 の3要素に依存している。本実施態
様例では、前記ワイピング速度X7 は約150 mm/sec、前
記当接角X8 は約30°〜50°前後、前記当接圧X9 は約
8〜10g/cm程度に設定している。
【0059】ブレード5003が記録ヘッド5010から離れる
際は速度を1/5程度に減速してインク滴が飛散し過ぎ
ないようにし、インク飛散がインク飛散受け部材5001内
に必ず入るようにしている。これにより充分な拭き性能
は得られるが、ブレード5003の当接面が清浄でなかった
場合、例えばゴミがあったり、極端な増粘インクが付着
してしまったり、また前回のワイピングの際のインク飛
散が充分でなく、インク滴が残ってしまっていると拭き
性能は低下してしまう。従って、常時安定した拭き性能
を得るために、ワイピング時にはブレード5003の当接面
は清浄な状態にしておく必要がある。その手段として本
実施態様例ではアルミベースプレート5010bにブレード
5003を擦り付けて、インクを充分に掻き取ってから記録
ヘッド5010のノズル部5010aをワイピングする様にして
いる。
【0060】図20にブレード5003がアルミベースプレー
ト5010bに当接している状態の構成図を示す。ブレード
5003上に残っているインク滴5012をアルミベースプレー
ト5010bに擦り付け、特にエッジ部で掻き取るようにし
ている。この掻き取り性能はアルミベースプレート5010
bの状態により、インク滴5012等が無いほど高い掻き取
り性を得ることができる。記録ヘッド5010に注入されて
いるインク量により、印字できる枚数が決まるが、7.5
%程度の印字dutyならば、400 〜500 枚印字でき
る。依って、ひとつの記録ヘッド5010においてこの枚数
を印字する間の掻き取り性を保持すれば良い。吐出する
インクが無くなると記録ヘッド5010は新しいものに交換
され、アルミベースプレート5010bも新しいものにな
る。以上のようなブレード5003のクリーニングの構成を
用いることで、本体の高耐久性に応じたワイピング機構
を実現している。
【0061】本実施態様例ではブレード5003をアルミベ
ースプレート5010bに擦り付けているが、これは記録ヘ
ッド5010のどの部分でも良く、ある程度の掻き取り性が
確保できていれば良い。記録ヘッドの交換により、掻き
取り面が清浄に戻されることでブレードの掻き取り性を
維持している。
【0062】以上説明してきたように、ワイピングの際
のブレードの離れるタイミングの設定によりインク飛散
の方向を制御してインク飛散受け部材内に収めること
で、低コストで小型化を維持しながら、且つ高耐久性を
実現できるブレードのクリーニング機構を有して、常
時、高度な拭き性能を維持できるワイピングが可能とな
る。
【0063】(第実施態様例) 本実施態様例ではインク飛散受け部材6001をブレードホ
ルダー6004に連動させて可動とした場合について説明す
る。
【0064】インク飛散のインクの飛距離はインク滴の
量で異なり、量が大きくなるほど短くなる。この場合、
ブレードユニット近辺になる回復系の各々のユニット等
にインク滴が付着してしまうことが予測される。例え
ば、キャップ6005、特にリブ面に付着してしまうと、記
録ヘッドフェイス面に再転写してしまい、ワイピングの
拭き性能を低下させ、更に吐出不良になってしまうこと
もある。また、付着したものがインクだけではなく、紙
粉等のゴミを含んでいたり、付着したインク滴に本体内
部を浮遊しているゴミが付着したりしてしまうと、キャ
ッピングが不十分でノズル部の固着を引き起こしたり、
キャッピング不良のために吸引回復ができなくなってし
まったりすることも充分に考えられる。このような弊害
を発生させないためにはインク飛散受け部材6001をブレ
ードユニットになるべく近づける構成が必要になってく
る。
【0065】図21に本実施態様例のワイピングの構成を
示す。インク飛散受け部材6001はブレードホルダー6004
に連動させて制御し、ワイピングで発生するインク飛散
を他の回復ユニットに到達する前にインク飛散受け部材
で遮断してしまう。インク飛散受け部材6001内に飛んで
きたインク滴はブレードホルダー6004とインク飛散受け
部材6001を連結している連結部材6013中に設けられた連
通口を通じて重力方向に流れる。シリンダポンプ6006か
ら排出される吸引回復で生じた排インクと共通の排イン
ク収集部6007を使用している。インク飛散受け部材6001
の設定する高さはなるべく高く設定する方が好ましい
が、記録ヘッドには絶対接触しい高さにする必要があ
る。本実施態様例では他の回復ユニットで最も高いと考
えられるキャップ6005リブ面とブレード6003先端との接
線上にインク飛散受け部材6001の先端がくるように設定
している。インク滴は直線的に飛散(矢印A方向)する
と仮定して図面上の点線以下に飛んだインク滴は全てイ
ンク飛散受け部材6001内に着弾するようにし、点線以上
のものはキャップリブ面を飛び越して、キャップには付
着しない。
【0066】また、図22に上部から見たインク飛散受け
部材6001の設定位置を示している。第5実施態様例で述
べた手段によるインク飛散の方向制御により、飛散する
と考えられる点線内部はインク飛散受け部材6001で確実
に覆っている。インク飛散受け部材6001で覆うことによ
り、インク滴が飛散しない領域ができるが、そこにキャ
ップ6005等の回復ユニットを設置している。インク飛散
受け部材6001はブレード6003に近い方が効果が大きく、
また近いほどインク飛散受け部材6001の横幅は小さくで
きる。しかし、インク飛散受け部材6001の高さは図21で
わかるように極端にブレード6003に近づけることはでき
ない。依って、インク飛散受け部材6001は高さ、設定位
置、記録ヘッド6010との距離、回復ユニットの高さ等の
バランスを考えて設定しなければならない。
【0067】以上説明してきたようにブレードホルダー
6004と連動させたインク飛散受け部材6001により、イン
ク飛散方向になる他の回復ユニットを保護し、インク滴
の付着を防止できる。更に、ブレード6003を前倒しにし
て、インク飛散を図21の点線以下にすることで、全ての
インク飛散をインク飛散受け部材6001内に収めることも
可能である。ブレードユニットの占める横方向の面積に
余裕があるなら、前倒しブレード6003は有効であり、特
にブレードより上方向に飛散するインク滴の制御に有効
である。
【0068】本実施態様例は単独でも充分に効果がある
が、第実施態様例と組み合わせることでより大きな効
果を得ることができる。ブレードユニットに近接させた
インク飛散受け部材により、インク飛散方向にある他の
回復ユニットの保護を行ない、その他のインク飛散は第
実施態様例に示したようなインク飛散方向の後方に設
置したインク飛散受け部材5001により受けとめるように
することも可能である。
【0069】また、本実施態様例はインク飛散受け部材
6001をブレードユニットと連動させているが、別個の制
御が可能ならばインク飛散受け部材6001はインクが飛散
する瞬間のみ突き出せば良い。このタイミングであれば
記録ヘッド6010がインク飛散受け部材6001の上部にはな
く、インク飛散受け部材6010を高くより効果的に設定す
ることができ、インク飛散を完全にインク飛散受け部材
内に収めることも可能である。
【0070】(第実施態様例) 本実施態様例ではインク飛散受け部材7001をシリンダポ
ンプ7006に連動させて可動可能とした場合について説明
する。
【0071】図23にシリンダポンプ7006に連動して動作
するインク飛散受け部材7001の構成を示す。本実施態様
例ではシリンダポンプ7006はキャリッジの移動を駆動源
としており、キャリッジの動作、つまり記録ヘッドの動
作に応じて回転しながら、上部に取り付けられたキャッ
プ7005で記録ヘッド7010をキャッピングする。図23にお
いてキャッピングするとインク飛散受け部材7001は回転
しながら下方部に押し下げられ、ワイピングする瞬間に
は図のような状態になっている。インク飛散受け部材70
01内部に着弾したインク滴は連通口を通じて重力方向に
流れ、排インク収集部7007へと流れ込む。インク飛散の
方向制御の方法は第5実施態様例、第6実施態様例と同
様である。
【0072】本実施態様例はブレードユニットとシリン
ダポンプとの間隔が狭く、インク飛散受け部材7001をよ
りブレード7003に近づけたい場合に有効である。インク
飛散を確実に受けとめるためにインク飛散受け部材を高
くすると、その回転半径は大きくなってしまうが、ポリ
エチレン等の高分子材料のフィルムを使用することによ
り、インク飛散受け部材7001の回転半径内に突き当て部
7011を設けて、それに当接することでインク飛散受け部
材7001を折り曲げて、回転半径を小さくすることができ
る。
【0073】以上説明してきたように本実施態様例では
インク飛散方向を小さくすることが可能となり、本体の
小型化、特にキャリッジ移動方向の回復系ユニットの小
型化に有効である。
【0074】以上説明してきた第乃至第実施態様例
のインク飛散受け部材の材質について以下説明する。
【0075】インク飛散受け部材5001,6001,7001の材
質に関しては、モールド材を用いるのが一般的であり、
充分な効果がある。しかし、排インク収集部へのインク
滴の流れを考慮しなければならない。また、インク飛散
受け部材からの跳ね返り等も考えられる。第乃至第
実施態様例では以上の点を改良することが可能である。
乃至第実施態様例ではインク飛散受け部材5001,
6001,7001として吸収体を用いている。吸収体に着弾し
たインク滴は吸収体内に吸収されて一時的にはその場所
に保持されるが、重力により下方向に移動していく。イ
ンク飛散受け部材の表面において、ある程度の吸収能力
がある限りインク滴が跳ね返ることを防止することがで
きる。この場合の吸収体は高容量にする必要はなく、一
時的にインク滴を保持するだけで充分である。インク飛
散受け部材表面に薄い吸収体を張り付けるような構成で
あるため、吸収体を用いることにより大きなコストアッ
プとはならない。
【0076】尚、第実施態様例、第実施態様例、第
実施態様例と組み合わせることにより、より大きな効
果を得ることができる。
【0077】上述の第乃至第実施態様例はワイピン
グにおいてブレードが記録ヘッドから離れる際のタイミ
ングを制御することで、ワイピングで発生するインク飛
散の方向を制御し、そのインク飛散をインク飛散受け部
材内に収めることで、低コスト、小型化を維持し、且つ
高耐久性のクリーニング機構を有した、高度な拭き性能
のワイピングを行なえることを可能としている。
【0078】尚、本発明は、インクジェット記録装置で
あれば、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用
いる記録手段(記録ヘッド)しようするものに適用でき
るが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出す
る方式のインクジェット記録装置において優れた効果を
もたらすものである。かかる方式によれば、記録の高密
度化、高精細化が達成できるからである。
【0079】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第 4723129号明細書、同第 4740796号明細
書に開示されている基本的な原理を用いて行なうのが好
ましい。この方式は、所謂オンデマンド型、コンティニ
ュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデ
マンド型の場合には、液体(インク)が保持されている
シートや液路に対応して配置されている電気熱変換体
に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度
上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加すること
によって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、
記録手段(記録ヘッド)の熱作用面に膜沸騰させて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応し液体(インク)内
の気泡を形成出来るので有効である。
【0080】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第44
63359号明細書、同第 4345262号明細書に記載されてい
るようなものが適している。尚、上記熱作用面の温度上
昇率に関する発明の米国特許第 4313124号明細書に記載
されている条件を採用すると、更に優れた記録を行うこ
とができる。
【0081】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第 4558333号明細書、同第 4459600号明細
書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加え
て、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを
電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−
123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を
吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号
公報に基づいた構成としても本発明の効果は有効であ
る。すなわち、記録ヘッドの形態がどのようなものであ
っても、本発明によれば記録を確実に効率良く行うこと
ができるようになるからである。
【0082】更に加えて、以上説明した本発明実施例に
おいては、インクを液体として説明しているが、室温や
それ以下で固化するインクであって、室温で軟化もしく
は液化するもの、あるいは、インクジェット方式では、
インク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行
ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御
するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にイ
ンクが液状をなすものであれば良い。加えて、積極的に
熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状
態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで
防止するか、または、インクの蒸発防止を目的として放
置状態で固化するインクを用いるかして、いずれにして
も熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインク
が液化し、液状インクが吐出されるものや、記録シート
に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーによって初めて液化する性質のインク
を使用する場合も本発明は適用可能である。
【0083】このような場合のインクは、特開昭54-568
47号公報或いは特開昭60-71260号公報に記載されるよう
な、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物
として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向す
るような形態としてもよい。本発明においては、上述し
た各インクに対して最も有効なものは、前述した膜沸騰
方式を実行するものである。
【0084】更に加えて、本発明によるインクジェット
記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機
器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等
と組み合わせた複写装置、更には送受信機能を有するフ
ァクシミリ装置の形態をとるもの等であってもよい。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ワイパ部材が吐出口面に当接している間にキャリッジの
移動速度を変化させるため、ワイパ部材により吐出口列
の良好なクリーニングを行うとともに、ワイパ部材によ
り吐出口面から掻き取ったインクの飛び散りを防止した
り、ワイパ部材に付着したインクを除去することができ
る。
【0086】
【0087】
【0088】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置の一
実施例の要部構成を示す模式的斜視図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置のワイピング機
構の要部構成を示す模式図である。
【図3】図2のワイピング機構の動作説明図である。
【図4】図2のワイピング機構の動作説明図である。
【図5】図1中の記録ヘッドのインク吐出部の構造を模
式的に示す部分斜視図である。
【図6】従来のインクジェット記録装置の要部構成を示
す模式斜視図である。
【図7】従来のワイピングの原理的動作を説明する模式
図である。
【図8】キャリッジ動作を説明する模式図である。
【図9】参考例を示す模式図である。
【図10】第実施態様例を示す模式図である。
【図11】第実施態様例を示す模式図である。
【図12】本記録装置の記録ヘッドのフェイス面を示す
図である。
【図13】本記録装置の新しい記録ヘッドのフェイス面
を示す図である。
【図14】第実施態様例を示す模式図である。
【図15】第実施態様例の記録装置のワイパークリー
ニング状況を示す図である。
【図16】第実施態様例によるワイパークリーニング
状況を示す図である。
【図17】第実施態様例の基本概念を説明するインク
ジェット記録装置におけるワイピングの構成を示してい
る。
【図18】インク飛散を方向制御してインク飛散受け部
材内にインク飛散を着弾させるワイピングの構成図であ
る。
【図19】ブレードが記録ヘッドに当接している状態を
表す構成図である。
【図20】ブレードが記録ヘッドのアルミベースプレー
トに当接している状態を表す構成図である。
【図21】第実施態様例のインク飛散受け部材がブレ
ードホルダーに連動している構成図である。
【図22】インク飛散受け部材がブレードホルダーに連
動している上から見た場合の構成図である。
【図23】第実施態様例のインク飛散受け部材がシリ
ンダポンプに連動している構成図である。
【符号の説明】
1…記録ヘッド 1a…インク吐出面 1b…ワイピング
基準面 2…キャリッジ 2a,2b…カム部 2c…側面 3…ガイド軸 4…フ
ィードローラ 5…記録媒体 6…ピンチローラ 7…排出ローラ 8…
ワイパー 9…キャップ 10…ワイパー保持部材 10a…
侵入量規制部 11…ベース 11a…フック部 12…ラッチカム 12a…ラッチ部 12b…先端部 13…ラ
ッチばね 14…ワイパーばね 15…キャップ変位レバー 1
5a…側面 15b…軸 51…吐出口形成面 52…吐出口 53…共通液室 54…液路 55…電気熱変換体
1101,2101,3101,4101…記録ヘッド 1101A,2101
A,3101A,4101A…ヘッドフェイス面3101B…親水部
4101C…ヘッドエッジ部 1104,2104,3104,4104…ワ
イパー 3110…ノズル列 3111,4201,4202…インク 5001,600
1,7001…インク飛散受け部材 5002…排インクスロープ
5003,6003,7003…ブレード5004,6004,7004…ブレ
ードホルダー 5005,6005,7005…キャップ 5006,600
6,7006…シリンダポンプ 5007,6007,7007…排インク
収集部5010,6010,7010…記録ヘッド 5010a…ノズル
部 5010b…アルミベースプレート 6013…連結部材 701
1…突き当て部X1 ,X2 ,X3 ,X4 ,X5 …吐出口
位置 X6 …記録ヘッド当接面X7 …ワイピング速度 X
8 …当接角 X9 …当接圧
フロントページの続き (72)発明者 柳 治幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 才川 悟志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 平松 壮一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 鈴木 哲夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 野島 隆司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 谷黒 昌宏 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 新井 篤 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 高橋 喜一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 岩崎 督 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 矢野 健太郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大塚 尚次 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 錦織 均 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−246052(JP,A) 特開 平3−281255(JP,A) 特開 平4−187445(JP,A) 特開 平3−281254(JP,A) 特開 平3−240551(JP,A) 特開 平4−185449(JP,A) 特開 平4−369549(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット記録ヘッドの吐出口列よ
    インクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェッ
    ト記録装置において、 インクジェット記録ヘッドを搭載して所定方向へ移動す
    ためのキャリッジと、前記 吐出口列の配された吐出口面をワイピングするワイ
    パ部材と、 前記キャリッジの移動に応じて前記ワイパ部材を作動
    態と退避状態と制御する制御機構と、 を有し、 前記ワイパ部材前記吐出口面に当接している間に前記
    キャリッジの移動速度を変化させることを特徴とするイ
    ンクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記ワイパ部材が前記吐出口列の近傍に
    当接してるときの前記キャリッジの移動速度と、前記ワ
    イパ部材が前記吐出口列の近傍を除く他の前記吐出口面
    に当接しているときの前記キャリッジの移動速度と、が
    異なることを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  3. 【請求項3】 前記ワイパ部材が前記吐出口列の近傍に
    当接しているときの前記キャリッジの移動速度に対し
    て、前記吐出口列の近傍のワイピング後の前記キャリッ
    ジの移動速度を遅くすることを特徴とする請求項2に記
    載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記ワイパ部材が前記吐出口列の近傍に
    当接してるときの前記キャリッジの移動速度に対して、
    前記ワイパ部材が前記吐出口列の近傍を除く他の前記吐
    出口面に当接しているときの前記キャリッジの移動速度
    を遅くすることを特徴とする請求項2に記載のインクジ
    ェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記ワイパ部材が前記吐出口列の近傍に
    当接しているときの前記キャリッジの移動速度に対し
    て、前記吐出口列の近傍のワイピング後の前記キャリッ
    ジの移動速度を速くすることを特徴とする請求項2に記
    載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記ワイパ部材により前記吐出口面
    イピングしたときに飛散するインクを受けるインク受け
    部材を設けることを特徴とする請求項1ないし5のいず
    れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記インクジェット記録ヘッドは、イン
    クを吐出するために利用される熱エネルギーを発生する
    電気熱変換体を備えていることを特徴とする請求項1な
    いし6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装
    置。
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