JP5348234B2 - サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法 - Google Patents

サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法 Download PDF

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本発明は、端子部における腐食の発生を抑制したサスペンション用基板に関する。
近年、インターネットの普及等によりパーソナルコンピュータの情報処理量の増大や情報処理速度の高速化が要求されてきており、それに伴って、パーソナルコンピュータに組み込まれているハードディスクドライブ(HDD)も大容量化や情報伝達速度の高速化が必要となってきている。
HDDに用いられるサスペンション用基板(フレキシャ)は、通常、一方の先端部分に形成され、磁気ヘッドスライダ等の記録再生用素子を実装する記録再生用素子実装領域と、他方の先端部分に形成され、外部回路基板との接続を行う外部回路基板接続領域と、記録再生用素子実装領域および外部回路基板接続領域を接続する配線層とを有する。
また、サスペンション用基板は、通常、金属支持基板(例えばステンレス鋼)、絶縁層(例えばポリイミド樹脂)、配線層(例えば銅)がこの順に積層された基本構造を有する。さらに絶縁層および配線層の間には、通常、金属薄膜部が存在する。この金属薄膜部は、例えば配線層を形成する際のシード層であり、絶縁性担保の観点から配線層の形成と同時またはその後に、金属薄膜の不要部分が除去されることで形成されるものである。例えば特許文献1〜5においては、配線層を形成した後に、金属薄膜の不要部分を除去することが開示されている。
特開2005−158848号公報 特開2004−259774号公報 特開2006−196761号公報 特開2006−73761号公報 特開2006−156547号公報
配線層は、例えば記録再生用素子等の素子と接続するための端子部を有し、この端子部の表面には、接続信頼性向上の観点から金属めっき部が形成されている。金属めっき部は絶縁層と接着していないため、金属めっき部および絶縁層の界面に、金属めっき部を形成した後の工程で使用する薬液が浸入し、その薬液に含まれるイオン性不純物(例えば塩素イオン)および水分が、残渣として界面に残存することがある。
残渣が残存したサスペンション用基板を、例えば高温高湿下で長期間使用すると、端子部および金属薄膜部が腐食し、電気信号の伝達不良が生じたり、イオンマイグレーションによる短絡が生じたりするという問題がある。特に、残渣の存在は、イオンマイグレーションの発生を加速する要因となる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、端子部における腐食の発生を抑制したサスペンション用基板を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された金属薄膜部と、上記金属薄膜部上に形成された配線層と、を有するサスペンション用基板であって、上記配線層の端子部において、上記金属薄膜部の端部が上記端子部の端部より内側に形成され、これにより、上記端子部の上記絶縁層側の表面の一部が上記金属薄膜部から露出し、上記露出表面を含む上記端子部の表面に金属めっき部が形成され、上記金属めっき部が、少なくとも上記端子部および上記絶縁層の間を埋めるように形成されていることを特徴とするサスペンション用基板を提供する。
本発明によれば、端子部の絶縁層側の表面の一部が金属薄膜部から露出し、かつ、その露出表面を覆うように金属めっき部が形成されていることから、端子部における腐食の発生を抑制したサスペンション用基板とすることができる。その結果、電気信号の伝達不良およびイオンマイグレーションによる短絡発生を抑制することができ、長期に亘り信頼性の高いサスペンション用基板とすることができる。
上記発明においては、上記金属薄膜部の端部が上記端子部の端部より0.3μm以上内側に形成されていることが好ましい。
また、本発明においては、上述したサスペンション用基板と、上記サスペンション用基板の上記金属支持基板側の表面に設けられたロードビームと、を有することを特徴とするサスペンションを提供する。
本発明によれば、上述したサスペンション用基板を用いることで、端子部における腐食の発生を抑制したサスペンションとすることができる。
また、本発明においては、上述したサスペンションと、上記サスペンションに配置された記録再生用素子と、を有することを特徴とする素子付サスペンションを提供する。
本発明によれば、上述したサスペンションを用いることで、端子部における腐食の発生を抑制した素子付サスペンションとすることができる。
また、本発明においては、上述した素子付サスペンションを有することを特徴とするハードディスクドライブを提供する。
本発明によれば、上述した素子付サスペンションを用いることで、より高機能化されたハードディスクドライブとすることができる。
また、本発明においては、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された金属薄膜部と、上記金属薄膜部上に形成された配線層と、を有するサスペンション用基板の製造方法であって、金属薄膜層に対してウェットエッチングを行い、上記配線層の端子部の端部より内側に端部を有する上記金属薄膜部を形成し、上記端子部の上記絶縁層側の表面の一部を上記金属薄膜部から露出させる金属薄膜部形成工程と、上記露出表面を含む上記端子部の表面に、少なくとも上記端子部および上記絶縁層の間を埋めるように金属めっき部を形成する金属めっき部形成工程と、を有することを特徴とするサスペンション用基板の製造方法を提供する。
本発明によれば、端子部の絶縁層側の表面の一部を金属薄膜部から露出させ、かつ、その露出表面を覆うように金属めっき部を形成することにより、端子部における腐食の発生を抑制したサスペンション用基板を得ることができる。その結果、電気信号の伝達不良およびイオンマイグレーションによる短絡発生を抑制することができ、長期に亘り信頼性の高いサスペンション用基板を得ることができる。
上記発明においては、上記金属薄膜部の端部を上記端子部の端部より0.3μm以上内側に形成することが好ましい。
本発明のサスペンション用基板は、端子部における腐食の発生を抑制できるという効果を奏する。
本発明のサスペンション用基板の一例を示す模式図である。 本発明のサスペンション用基板における記録再生用素子実装領域を例示する概略平面図である。 本発明における端子部を説明する概略断面図である。 本発明における端子部を説明する概略断面図である。 本発明のサスペンションの一例を示す概略平面図である。 本発明の素子付サスペンションの一例を示す概略平面図である。 本発明のハードディスクドライブの一例を示す概略平面図である。 本発明のサスペンション用基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。 本発明のサスペンション用基板の製造方法の他の例を示す概略断面図である。 本発明における端子部を説明する概略断面図である。
以下、本発明のサスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法について詳細に説明する。
A.サスペンション用基板
本発明のサスペンション用基板は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された金属薄膜部と、上記金属薄膜部上に形成された配線層と、を有するサスペンション用基板であって、上記配線層の端子部において、上記金属薄膜部の端部が上記端子部の端部より内側に形成され、これにより、上記端子部の上記絶縁層側の表面の一部が上記金属薄膜部から露出し、上記露出表面を含む上記端子部の表面に金属めっき部が形成され、上記金属めっき部が、少なくとも上記端子部および上記絶縁層の間を埋めるように形成されていることを特徴とするものである。
図1は、本発明のサスペンション用基板の一例を示す模式図である。図1(a)はサスペンション用基板の概略平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。なお、図1(a)では、便宜上、絶縁層およびカバー層の記載は省略している。図1(a)に示されるサスペンション用基板100は、一方の先端部分に形成された記録再生用素子実装領域101と、他方の先端部分に形成された外部回路基板接続領域102と、記録再生用素子実装領域101および外部回路基板接続領域102を電気的に接続する複数の配線層103a〜103dとを有するものである。配線層103aおよび配線層103bは一対の配線層であり、同様に、配線層103cおよび配線層103dも一対の配線層である。これらの2つの配線層は、一方がライト用(書込用)配線層であり、他方がリード用(読取用)配線層である。また、図1(b)に示すように、このサスペンション用基板は、金属支持基板1と、金属支持基板1上に形成された絶縁層2と、絶縁層2上に形成された金属薄膜部5と、金属薄膜部5上に形成された配線層3と、配線層3を覆うように形成されたカバー層4とを有する。
図2は、本発明のサスペンション用基板における記録再生用素子実装領域を例示する概略平面図である。なお、図2では、便宜上、絶縁層およびカバー層の記載は省略している。図2における記録再生用素子実装領域には、4本の配線層が存在し、そのうち2本の配線層はライト用配線層を構成する一対の配線層であり、残りの2本の配線層はリード用配線層を構成する一対の配線層である。それぞれの配線層は、端子部3aと、配線パターン部(引き回し部)3bとから構成されている。
図3(a)は図2のA−A断面図であり、図3(b)は図3(a)の拡大図である。図3(a)、(b)に示すように、本発明においては、金属薄膜部5の端部51が、端子部3aの端部31より内側に形成され、これにより、端子部3aの絶縁層2側の表面の一部3xが金属薄膜部5から露出している。なお、この状態は、いわゆるアンダーカットが生じている状態である。また、露出表面3xを含む端子部3aの表面に金属めっき部6が形成され、金属めっき部6が少なくとも端子部3aおよび絶縁層2の間を埋めるように形成されている。金属めっき部6は、端子部3aにおける、露出表面3x、両側面、および、頂面(絶縁層2とは反対側の表面)に一体的に形成されている。
本発明によれば、端子部の絶縁層側の表面の一部が金属薄膜部から露出し、かつ、その露出表面を覆うように金属めっき部が形成されていることから、端子部における腐食の発生を抑制したサスペンション用基板とすることができる。その結果、電気信号の伝達不良およびイオンマイグレーションによる短絡発生を抑制することができ、長期に亘り信頼性の高いサスペンション用基板とすることができる。
従来のサスペンション用基板は、図3(c)に示すように、金属薄膜部5の端部51と、端子部3aの端部31とが同一位置に形成されていた。そのため、金属めっき部6および絶縁層2の界面に、金属めっき部6を形成した後の工程で使用する薬液が浸入した場合、残渣として界面に残存する、薬液中のイオン性不純物(例えば塩素イオン)および水分が金属薄膜部5に到達しやすいという問題がある。これに対して、本発明のサスペンション用基板は、金属薄膜部5にアンダーカットを生じさせ、その部分を埋めるように金属めっき部を設けることにより、薬液が界面に浸入した場合でも、残渣が金属薄膜部に到達しにくいという利点を有する。さらに、近年の端子数増加および接続信頼性向上の観点から、金属めっき部の厚さを薄くする傾向があるが、本発明のサスペンション用基板は、金属めっき部の厚さを薄くした場合であっても、薬液の浸入を抑制でき、長期に亘り高い信頼性を維持できるという利点を有する。
以下、本発明のサスペンション用基板について、サスペンション用基板の部材と、サスペンション用基板の構成とに分けて説明する。
1.サスペンション用基板の部材
まず、本発明のサスペンション用基板の部材について説明する。本発明のサスペンション用基板は、金属支持基板、絶縁層、金属薄膜部、配線層および金属めっき部を少なくとも有する。
本発明における金属支持基板は、サスペンション用基板の支持体として機能するものである。金属支持基板の材料は、ばね性を有する金属であることが好ましく、具体的にはステンレス鋼等を挙げることができる。また、金属支持基板の厚さは、その材料の種類により異なるものであるが、例えば10μm〜20μmの範囲内である。
本発明における絶縁層は、金属支持基板上に形成されるものである。絶縁層の材料は、絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば樹脂を挙げることができる。上記樹脂としては、例えばポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂を挙げることができ、中でもポリイミド樹脂が好ましい。絶縁性、耐熱性および耐薬品性に優れているからである。また、絶縁層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。絶縁層の厚さは、例えば5μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、5μm〜18μmの範囲内であることがより好ましく、5μm〜12μmの範囲内であることがさらに好ましい。
本発明における金属薄膜部は、絶縁層上に形成されるものである。金属薄膜部の材料は、特に限定されるものではないが、例えば、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、および、これらの金属元素の少なくとも一種を含有する合金等を挙げることができる。具体的には、クロム膜、ニッケル膜、ニッケル−クロム合金膜、ニッケル−銅合金膜、ニッケル−クロム−銅合金膜等を挙げることができる。金属薄膜部の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば0.01μm〜0.5μmの範囲内であることが好ましく、0.01μm〜0.05μmの範囲内であることがより好ましい。上記範囲であれば、所望の密着性を保つことができ、また、配線層から絶縁層への金属拡散を防止できる所望のバリア効果を得ることもできるからである。
本発明における配線層は、金属薄膜部上に形成されるものである。配線層の材料は、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば金属を挙げることができ、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、金(Au)、および、これらの金属元素の少なくとも一種を含有する合金が好ましく、CuおよびCu合金(特にCuを主成分とする合金)がより好ましい。また、配線層は、電解めっき法により形成されたものであることが好ましい。配線層の厚さは、例えば5μm〜18μmの範囲内であることが好ましく、5μm〜12μmの範囲内であることがより好ましい。
上記配線層の種類は、端子部を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ライト用配線層、リード用配線層、熱アシスト用配線層、アクチュエータ素子用配線層、グランド用配線層、ノイズシールド用配線層、クロストーク防止用配線層、電源用配線層、フライトハイトコントロール用配線層、センサー用配線層等を挙げることができる。
本発明における金属めっき部は、配線層の端子部に形成されるものである。金属めっき部の種類は特に限定されるものではないが、例えば、Auめっき、Niめっき、Agめっき、Cuめっき等を挙げることができる。金属めっき部の厚さは、例えば0.1μm〜4μmの範囲内である。
本発明のサスペンション用基板は、配線層を覆うカバー層を有していても良い。カバー層を設けることにより、配線層の劣化(腐食等)を防止できる。カバー層の材料としては、例えば、上述した絶縁層の材料として記載したものを挙げることができ、中でもポリイミド樹脂が好ましい。また、カバー層の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。カバー層の厚さは、例えば2μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、2μm〜10μmの範囲内であることがより好ましい。
2.サスペンション用基板の構成
次に、本発明のサスペンション用基板の構成について説明する。本発明のサスペンション用基板は、図3(b)に示すように、配線層の端子部3aにおいて、金属薄膜部5の端部51が端子部3aの端部31より内側に形成され、これにより、端子部3aの絶縁層2側の表面の一部3xが金属薄膜部5から露出していることを一つの特徴とする。なお、端子部3aの端部31とは、厳密には端子部の下端(絶縁層側)の端部をいう。
図4に示すように、端子部3aの端部31と金属薄膜部5の端部51との距離をAとした場合、Aの値は、特に限定されるものではないが、例えば0.3μm以上であり、0.5μm以上であることが好ましく、0.7μm以上であることがより好ましく、1μm以上であることがさらに好ましい。上記範囲であれば、端子部における腐食やマイグレーションの発生を十分に抑制することができるからである。一方、Aの値の上限は、端子部および絶縁層が良好な密着性を維持できる値であれば特に限定されるものではない。
図4に示すように、金属薄膜部5の幅をWとした場合、Wの値は、特に限定されるものではないが、例えば7μm以上であり、9μm以上であることがより好ましい。上記範囲であれば、絶縁層に対する密着性が十分に得られるからである。一方、Wの値は、特に限定されるものではないが、例えば50μm以下であり、30μm以下であることが好ましい。上記範囲であれば、配置可能な端子数が制限されるというデザイン上の制約が少なくなるからである。
また、本発明のサスペンション用基板は、上記露出表面を含む端子部の表面に金属めっき部が形成され、金属めっき部が、少なくとも端子部および絶縁層の間を埋めるように形成されていることを一つの特徴とする。具体的には、図3(b)に示すように、露出表面3xが形成された空間(端子部3aおよび絶縁層2の間の空間)を埋めるように、金属めっき部6が形成される。金属めっき部6は、通常、端子部3aの材料とは異なる材料である。また、金属めっき部6は、金属薄膜部5の材料と異なることが好ましい。さらに、金属めっき部6は、通常、金属薄膜部5よりも厚いため、露出表面3xが形成された空間(端子部3aおよび絶縁層2の間の空間)を埋めることができる。金属薄膜部5の厚さTに対する金属めっき部6の厚さTの割合(T/T)は、例えば2〜500の範囲内であり、2〜100の範囲内であることがより好ましい。なお、金属めっき部6の厚さTとは、端子部3aの頂面(絶縁層2とは反対側の表面)における厚さをいう。
また、金属めっき部は、単層構成であっても良く、複層構成であっても良い。単層構成の場合、金属めっき部は、Auめっき部であることが好ましい。電気化学的安定性が高く、さらに、めっき形成時にAuが端子部および絶縁層の間に侵入しやく、バリア性の高い金属めっき部を形成することができるからである。一方、複層構成である場合、金属めっき部は、端子部の表面側から、NiめっきおよびAuめっきが形成されていることが好ましい。
B.サスペンション
次に、本発明のサスペンションについて説明する。本発明のサスペンションは、上述したサスペンション用基板と、上記サスペンション用基板の上記金属支持基板側の表面に設けられたロードビームと、を有することを特徴とするものである。
図5は、本発明のサスペンションの一例を示す概略平面図である。図5に示されるサスペンション300は、上述したサスペンション用基板100と、サスペンション用基板100の金属支持基板側の表面に設けられたロードビーム200とを有するものである。
本発明によれば、上述したサスペンション用基板を用いることで、端子部における腐食の発生を抑制したサスペンションとすることができる。
本発明のサスペンションは、少なくともサスペンション用基板およびロードビームを有する。本発明におけるサスペンション用基板については、上記「A.サスペンション用基板」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。一方、本発明におけるロードビームは、サスペンション用基板の金属支持基板側の表面に設けられるものである。ロードビームの材料は、特に限定されるものではないが、例えば金属を挙げることができ、ステンレス鋼であることが好ましい。
C.素子付サスペンション
次に、本発明の素子付サスペンションについて説明する。本発明の素子付サスペンションは、上述したサスペンションと、上記サスペンションに配置された記録再生用素子と、を有することを特徴とするものである。
図6は、本発明の素子付サスペンションの一例を示す概略平面図である。図6に示される素子付サスペンション400は、上述したサスペンション300と、サスペンション200(サスペンション用基板100の記録再生用素子実装領域101)に実装された記録再生用素子301とを有するものである。
本発明によれば、上述したサスペンションを用いることで、端子部における腐食の発生を抑制した素子付サスペンションとすることができる。
本発明の素子付サスペンションは、少なくともサスペンションおよび記録再生用素子を有する。本発明におけるサスペンションについては、上記「B.サスペンション」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、記録再生用素子は、特に限定されるものではないが、磁気発生素子を有するものが好ましい。具体的には、磁気ヘッドスライダを挙げることができる。さらに、本発明の素子付サスペンションは、熱アシスト用素子およびアクチュエータ素子の少なくとも一方をさらに有することが好ましい。
熱アシスト用素子は、記録再生用素子の記録を熱によりアシストできるものであれば特に限定されるものではない。中でも、本発明における熱アシスト用素子は、光を利用した素子であることが好ましい。光ドミナント記録方式による熱アシスト記録を行うことができるからである。光を利用した熱アシスト用素子としては、例えば半導体レーザーダイオード素子を挙げることができる。半導体レーザーダイオード素子は、pn型の素子であっても良く、pnp型またはnpn型の素子であっても良い。
アクチュエータ素子は、通常、マイクロアクチュエータ、ミリアクチュエータが該当する。アクチュエータ素子としては、例えばピエゾ素子を挙げることができる。ピエゾ素子としては、例えばPZTからなるものを挙げることができる。ピエゾ素子の伸縮応答を利用することで、サブミクロン単位での位置決めを行うことができる。また、ピエゾ素子には、エネルギー効率が高い、耐荷重が大きい、応答性が速い、摩耗劣化がない、磁場が発生しないという利点がある。また、本発明においては、2極のピエゾ素子を1個用いても良い。1極のピエゾ素子を2個用いても良い。
D.ハードディスクドライブ
次に、本発明のハードディスクドライブについて説明する。本発明のハードディスクドライブは、上述した素子付サスペンションを有することを特徴とするものである。
図7は、本発明のハードディスクドライブの一例を示す概略平面図である。図7に示されるハードディスクドライブ500は、上述した素子付サスペンション400と、素子付サスペンション400がデータの書き込みおよび読み込みを行うディスク401と、ディスク401を回転させるスピンドルモータ402と、素子付サスペンション400の素子を移動させるアーム403およびボイスコイルモータ404と、上記の部材を密閉するケース405とを有するものである。
本発明によれば、上述した素子付サスペンションを用いることで、より高機能化されたハードディスクドライブとすることができる。
本発明のハードディスクドライブは、少なくとも素子付サスペンションを有し、通常は、さらにディスク、スピンドルモータ、アームおよびボイスコイルモータを有する。素子付サスペンションについては、上記「C.素子付サスペンション」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、その他の部材についても、一般的なハードディスクドライブに用いられる部材と同様のものを用いることができる。
E.サスペンション用基板の製造方法
次に、本発明のサスペンション用基板の製造方法について説明する。本発明のサスペンション用基板の製造方法は、金属支持基板と、上記金属支持基板上に形成された絶縁層と、上記絶縁層上に形成された金属薄膜部と、上記金属薄膜部上に形成された配線層と、を有するサスペンション用基板の製造方法であって、金属薄膜層に対してウェットエッチングを行い、上記配線層の端子部の端部より内側に端部を有する上記金属薄膜部を形成し、上記端子部の上記絶縁層側の表面の一部を上記金属薄膜部から露出させる金属薄膜部形成工程と、上記露出表面を含む上記端子部の表面に、少なくとも上記端子部および上記絶縁層の間を埋めるように金属めっき部を形成する金属めっき部形成工程と、を有することを特徴とするものである。
図8は、本発明のサスペンション用基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。図8においては、まず、金属支持部材1A、絶縁部材2A、金属薄膜層5Aおよび導体部材3Aがこの順に積層された積層部材を準備する(図8(a))。次に、導体部材3Aに対して、ウェットエッチングによるパターニングを行い、端子部3aおよび配線パターン部3bから構成される配線層を形成する(図8(b))。次に、金属薄膜層5Aに対してウェットエッチングを行い、端子部3aの端部および配線パターン部3bの端部より内側に端部を有する金属薄膜部5を形成する(図8(c))。すなわち、通常よりもオーバーエッチングすることにより、端子部3aの絶縁層2側の表面の一部を金属薄膜部5から露出させる。次に、配線パターン部3b上にカバー層4を形成し(図8(d))、絶縁部材2Aに対してウェットエッチングを行うことで絶縁層2を形成する(図8(e))。その後、上記露出表面を含む端子部3aの表面に、少なくとも端子部3aおよび絶縁層2の間を埋めるように金属めっき部6を形成し、金属支持部材1Aに対してウェットエッチングを行い、金属支持基板1を形成する(図8(f))。これにより、サスペンション用基板が得られる。
図9は、本発明のサスペンション用基板の製造方法の他の例を示す概略断面図である。図9においては、まず、金属支持部材1Aを準備する(図9(a))。次に、金属支持部材1Aの表面上に、パターン状の絶縁層2を形成する(図9(b))。次に、絶縁層2の表面に、スパッタリングにより金属薄膜層5Aを形成する(図9(c))。その後、金属薄膜層5A上にドライフィルムレジストから構成されるレジストパターン(図示せず)を形成し、そのレジストパターンから露出する金属薄膜層5Aの表面に、端子部3aおよび配線パターン部3bから構成される配線層を形成する(図9(d))。次に、金属薄膜層5Aに対してウェットエッチングを行い、端子部3aの端部および配線パターン部3bの端部より内側に端部を有する金属薄膜部5を形成する(図9(e))。すなわち、通常よりもオーバーエッチングすることにより、端子部3aの絶縁層2側の表面の一部を金属薄膜部5から露出させる。その後の工程については、絶縁部材のエッチング以外、上述した図8(d)以降と同様であるので、ここでの記載は省略する。
なお、本発明においては、金属めっき部形成工程前の任意のタイミングで、金属薄膜部形成工程を行うことができる。例えば、図8、図9のように、配線層の形成後、かつ、カバー層の形成前に、金属薄膜部形成工程を行っても良い。一方、図示しないが、カバー層形成後に、露出した端子部のみ(カバー層で覆われた引き回し部以外の配線層の部分)をエッチングするように、金属薄膜部形成工程を行っても良い。この場合、金属薄膜のエッチング量を低減でき、製造コストを削減できるという利点がある。
本発明によれば、端子部の絶縁層側の表面の一部を金属薄膜部から露出させ、かつ、その露出表面を覆うように金属めっき部を形成することにより、端子部における腐食の発生を抑制したサスペンション用基板を得ることができる。その結果、電気信号の伝達不良およびイオンマイグレーションによる短絡発生を抑制することができ、長期に亘り信頼性の高いサスペンション用基板を得ることができる。また、本発明のサスペンション用基板の製造方法は、サブトラクティブ法による製造方法と、アディティブ法による製造方法とに大別することができる。
1.サブトラクティブ法
まず、サブトラクティブ法による製造方法について説明する。サブトラクティブ法による製造方法の一例としては、金属支持部材、絶縁部材、金属薄膜層および導体部材がこの順に積層された積層部材を準備する積層部材準備工程と、上記導体部材をエッチングし、端子部を有する配線層を形成する配線層形成工程と、上記金属薄膜層に対してウェットエッチングを行い、上記配線層の端子部の端部より内側に端部を有する金属薄膜部を形成し、上記端子部の上記絶縁層側の表面の一部を上記金属薄膜部から露出させる金属薄膜部形成工程と、上記配線層上にカバー層を形成するカバー層形成工程と、上記絶縁部材をエッチングし、絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、上記露出表面を含む上記端子部の表面に、少なくとも上記端子部および上記絶縁層の間を埋めるように金属めっき部を形成する金属めっき部形成工程と、上記金属支持部材をエッチングし、金属支持基板を形成する金属支持基板形成工程と、を有する製造方法を挙げることができる。なお、上述した図8は、サブトラクティブ法によるサスペンション用基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。
以下、サブトラクティブ法によるサスペンション用基板の製造方法について、工程ごとに説明する。
(1)積層部材準備工程
積層部材準備工程は、金属支持部材と、上記金属支持部材上に形成された絶縁部材と、上記絶縁部材上に形成された金属薄膜層と、上記金属薄膜層上に形成された導体部材とを有する積層部材を準備する工程である。
サブトラクティブ法においては、積層部材の金属支持部材をエッチングすることにより金属支持基板が得られ、積層部材の絶縁部材をエッチングすることにより絶縁層が得られ、積層部材の導体部材をエッチングすることにより配線層が得られる。積層部材は、市販の三層材(厳密には四層材)であっても良く、金属支持部材に対して、絶縁部材、金属薄膜層および導体部材を順次形成して得られたものであっても良い。
(2)配線層形成工程
配線層形成工程は、上記導体部材をエッチングし、端子部を有する配線層を形成する工程である。
配線層の形成方法としては、例えば、積層部材の導体部材上に、ドライフィルムレジスト(DFR)等を用いてレジストパターンを形成し、そのレジストパターンから露出する導体部材をウェットエッチングする方法を挙げることができる。ウェットエッチングに用いられるエッチング液の種類は、導体部材の種類に応じて適宜選択することが好ましく、例えば導体部材の材料がCuである場合には、塩化鉄系エッチング液等を用いることができる。
また、サブトラクティブ法においては、導体部材のエッチングと同時に、金属支持部材のエッチングを行っても良い。金属支持部材のエッチングは、例えば、開口部や治具孔の形成のためのエッチングを挙げることができる。また、必要であれば、後述する金属支持基板形成工程で行う加工の少なくとも一部を、導体部材のエッチングと同時に行っても良い。
(3)金属薄膜部形成工程
金属薄膜部形成工程は、上記金属薄膜層に対してウェットエッチングを行い、上記配線層の端子部の端部より内側に端部を有する金属薄膜部を形成し、上記端子部の上記絶縁層側の表面の一部を上記金属薄膜部から露出させる工程である。
金属薄膜層のウェットエッチングに用いられるエッチング液は、金属薄膜層のエッチングレートが高く、配線層のエッチングレートが低いエッチング液(選択性の高いエッチング液)であることが好ましい。例えば、配線層の材料がCu(Cu合金を含む)であって、金属薄膜層の材料がCr(Cr合金を含む)である場合、エッチング液としては、例えばフェリシアン化カリウムまたは過マンガン酸カリウムを主成分とするアルカリ性エッチング液を用いることができる。
(4)カバー層形成工程
カバー層形成工程は、上記配線層上にカバー層を形成する工程である。
カバー層の形成方法は、特に限定されるものではなく、カバー層の材料に応じて適宜選択することが好ましい。例えば、カバー層の材料が感光性材料である場合には、全面形成したカバー層に露光現像を行うことによりパターン状のカバー層を得ることができる。また、カバー層の材料が非感光性材料である場合は、全面形成したカバー層の表面に所定のレジストパターンを形成し、そのレジストパターンから露出した部分を、ウェットエッチングにより除去することによりパターン状のカバー層を得ることができる。
(5)絶縁層形成工程
絶縁層形成工程は、上記絶縁部材をエッチングし、絶縁層を形成する工程である。
絶縁層の形成方法としては、例えば、絶縁部材に対して、ドライフィルムレジスト(DFR)等を用いてレジストパターンを形成し、そのレジストパターンから露出する絶縁部材をウェットエッチングする方法を挙げることができる。ウェットエッチングに用いるエッチング液の種類は、絶縁部材の種類に応じて適宜選択することが好ましく、例えば絶縁部材の材料がポリイミド樹脂である場合は、アルカリ系エッチング液等を用いることができる。
(6)金属めっき部形成工程
金属めっき部形成工程は、上記露出表面を含む上記端子部の表面に、少なくとも上記端子部および上記絶縁層の間を埋めるように金属めっき部を形成する工程である。
金属めっき部の形成方法としては、具体的にはめっき法を挙げることができ、中でも電解めっき法が好ましい。例えば電解Niめっき浴としては、ワット浴およびスルファミン酸浴等を挙げることができる。また、電解Auめっき浴としては、シアン化金浴、酸性金浴等を挙げることができる。
(7)金属支持基板形成工程
金属支持基板形成工程は、上記金属支持部材をエッチングし、金属支持基板を形成する工程である。本工程において、通常は、金属支持基板の外形加工を行う。
金属支持部材をエッチングする方法は特に限定されるものでないが、具体的には、ウェットエッチング等を挙げることができる。ウェットエッチングに用いるエッチング液の種類は、金属支持部材の種類に応じて適宜選択することが好ましく、例えば金属支持部材の材料がステンレス鋼である場合は、塩化鉄系エッチング液等を用いることができる。
2.アディティブ法
次に、アディティブ法による製造方法について説明する。アディティブ法による製造方法の一例としては、金属支持部材を準備する金属支持部材準備工程と、上記金属支持部材上に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、上記絶縁層上に金属薄膜層を形成する金属薄膜層形成工程と、上記金属薄膜層上に、端子部を有する配線層を形成する配線層形成工程と、上記金属薄膜層に対してウェットエッチングを行い、上記配線層の端子部の端部より内側に端部を有する金属薄膜部を形成し、上記端子部の上記絶縁層側の表面の一部を上記金属薄膜部から露出させる金属薄膜部形成工程と、上記配線層上にカバー層を形成するカバー層形成工程と、上記露出表面を含む上記端子部の表面に、少なくとも上記端子部および上記絶縁層の間を埋めるように金属めっき部を形成する金属めっき部形成工程と、上記金属支持部材をエッチングし、金属支持基板を形成する金属支持基板形成工程と、を有する製造方法を挙げることができる。上述した図9は、アディティブ法によるサスペンション用基板の製造方法の一例を示す概略断面図である。アディティブ法の場合、図10に示すように、テーパー部11を有する端子部3a(配線層3)が得られる場合がある。このテーパー部11は、端子部3a(配線層3)を形成するためのレジストパターンに裾引き部が生じ、裾引き部上を成長しためっきが覆うことにより生じる。テーパー部が形成されている場合であっても、「端子部の端部」とは、図10に示すように、端子部3aの下端の端部31をいう。
以下、アディティブ法によるサスペンション用基板の製造方法について、工程ごとに説明する。
(1)金属支持部材準備工程
金属支持部材準備工程は、金属支持部材を準備する工程である。金属支持部材には、例えば市販の金属支持部材を用いることができる。
(2)絶縁層形成工程
絶縁層形成工程は、上記金属支持部材上に、絶縁層を形成する工程である。
絶縁層の形成方法は、特に限定されるものではなく、絶縁層の材料に応じて適宜選択することが好ましい。例えば、絶縁層の材料が感光性材料である場合には、全面形成した絶縁層に露光現像を行うことによりパターン状の絶縁層を得ることができる。また、絶縁層の材料が非感光性材料である場合は、全面形成した絶縁層の表面に所定のレジストパターンを形成し、そのレジストパターンから露出した部分を、ウェットエッチングにより除去することによりパターン状の絶縁層を得ることができる。
(3)金属薄膜層形成工程
金属薄膜層形成工程は、上記絶縁層上に金属薄膜層を形成する工程である。金属薄膜層の形成工程は、特に限定されるものではいが、例えば蒸着法および無電解めっき法を挙げることができ、中でも蒸着法が好ましく、さらにPVD法が好ましく、特にスパッタリング法が好ましい。
(4)配線層形成工程
配線層形成工程は、上記金属薄膜層上に、配線層を形成することができる。配線層の形成方法は、特に限定されるものではないが、例えば電解めっき法等を挙げることができる。具体的には、金属薄膜層に対して、ドライフィルムレジスト(DFR)等を用いてレジストパターンを形成し、そのレジストパターンから露出する金属薄膜層の表面上に、電解めっき法により配線層を形成する方法を挙げることができる。
(5)その他の工程
金属薄膜部形成工程、カバー層形成工程、金属めっき部形成工程および金属支持基板形成工程については、上述したサブトラクティブ法における各工程と同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
まず、厚さ18μmのSUS304(金属支持基板)上に非感光性ポリイミド樹脂を塗工、硬化を行って、厚さ10μmの絶縁部材を形成した。次に、絶縁部材の全面に、スパッタリング法により、厚さ20nmのスパッタリング膜(金属薄膜層)を形成した。次に、金属薄膜層の全面に電解めっきにより、厚さ10μmのCu層(導体層)を形成し、積層部材を得た。次に、積層部材の両面に、DFRをラミネートし、露光、現像を行い、レジストパターンを形成し、レジストパターンから露出した表面を、塩化鉄系エッチング液によるウェットエッチングで除去した。これにより、導体部材から配線層を形成し、金属支持部材に治具孔を形成した。次に、導体部材の除去により露出した金属薄膜層を、酸性エッチング液によるウェットエッチングにより除去し、金属薄膜部を形成した。なお、端子部の端部と金属薄膜部の端部との距離(図4における距離A)を3.0μmとし、金属薄膜部の幅(図4における幅W)を15μmとした。
その後、パターニングされた配線層上に、ポリイミド前駆体溶液をダイコーターでコーティングし、所定のパターニングによりカバー層を形成した。次に、絶縁部材をパターニングするためのレジストパターンを形成し、レジストパターンから露出した絶縁部材をウェットエッチングで除去し、絶縁層を形成した。次に、配線層の端子部に、電解Auめっきにより厚さ0.8μmの金属めっき部を形成した。最後に、金属支持基板の外形加工を行った。これにより、サスペンション用基板を得た。
[実施例2〜6、比較例]
端子部の端部と金属薄膜部の端部との距離(図4における距離A)を、表1に記載した値に変更したこと以外は、実施例1と同様にしてサスペンション用基板を得た。
[評価1]
実施例1〜6および比較例で得られたサスペンション用基板を、温度85℃、湿度85%RHの環境下にて500時間静置するという耐久試験を行い、耐久試験後の状態変化を観察した。その結果を表1に示す。なお、状態変化の判定において、端子部の腐食が生じたものを×と評価し、端子部の腐食が生じていないものを○と評価した。
Figure 0005348234
表1に記載されるように、実施例1〜6では、いずれも耐久試験後に状態変化が生じていないことが明らかになった。
[参考例1〜4]
金属薄膜部の幅(図4における幅W))を、表2に記載した値に変更したこと以外は、比較例と同様にしてサスペンション用基板を得た。
[評価2]
参考例1〜4で得られたサスペンション用基板の端子部1個当たりのピール強度を測定した。ピール強度の測定は、JIS C6481に従った。その結果を表2に示す。なお、ピール強度測定において、0.5g未満の接着力を有するものを×と評価し、0.5g以上の接着力を有するものを○と評価した。
Figure 0005348234
表2に記載されるように、参考例1〜3では、良好なピール強度が確認された。
1…金属支持基板、 2…絶縁層、 3…配線層、 3a…端子部、 3b…配線パターン部、 3x…露出表面、 4…カバー層、 5…金属薄膜部、 5A…金属薄膜層、 31…端子部の端部、 51…金属薄膜部の端部、 100…サスペンション用基板、 101…記録再生用素子実装領域、 102…外部回路基板接続領域、 103…配線層

Claims (7)

  1. 金属支持基板と、前記金属支持基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された金属薄膜部と、前記金属薄膜部上に形成された配線層と、を有するサスペンション用基板であって、
    前記配線層の端子部において、前記金属薄膜部の端部が前記端子部の端部より内側に形成され、これにより、前記端子部の前記絶縁層側の表面の一部が前記金属薄膜部から露出し、
    前記露出した表面を含む前記端子部の表面に金属めっき部が形成され、
    前記金属めっき部が、少なくとも前記金属薄膜部の端部から前記端子部の端部に至るまで前記端子部および前記絶縁層の間を埋めるように形成され、
    前記金属薄膜部の端部における前記金属めっき部の厚みが、前記端子部の端部における前記金属めっき部の厚みよりも厚いことを特徴とするサスペンション用基板。
  2. 前記金属薄膜部の端部が前記端子部の端部より0.3μm以上内側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用基板。
  3. 請求項1または請求項2に記載のサスペンション用基板と、前記サスペンション用基板の前記金属支持基板側の表面に設けられたロードビームと、を有することを特徴とするサスペンション。
  4. 請求項3に記載のサスペンションと、前記サスペンションに配置された記録再生用素子と、を有することを特徴とする素子付サスペンション。
  5. 請求項4に記載の素子付サスペンションを有することを特徴とするハードディスクドライブ。
  6. 金属支持基板と、前記金属支持基板上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成された金属薄膜部と、前記金属薄膜部上に形成された配線層と、を有するサスペンション用基板の製造方法であって、
    金属薄膜層に対してウェットエッチングを行い、前記配線層の端子部の端部より内側に端部を有する前記金属薄膜部を形成し、前記端子部の前記絶縁層側の表面の一部を前記金属薄膜部から露出させる金属薄膜部形成工程と、
    前記露出した表面を含む前記端子部の表面に、少なくとも前記金属薄膜部の端部から前記端子部の端部に至るまで前記端子部および前記絶縁層の間を埋めるように金属めっき部を形成する金属めっき部形成工程と、
    を有し、
    前記金属薄膜部の端部における前記金属めっき部の厚みが、前記端子部の端部における前記金属めっき部の厚みよりも厚いことを特徴とするサスペンション用基板の製造方法。
  7. 前記金属薄膜部の端部を前記端子部の端部より0.3μm以上内側に形成することを特徴とする請求項6に記載のサスペンション用基板の製造方法。
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