JP2005135981A - 回路付サスペンション基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 金属支持層に起因する外観不良や製品不良を防止でき、さらには、均一な厚みの無電解ニッケルめっき層を確実に形成することのできる、回路付サスペンション基板の製造方法を提供すること。
【解決手段】 支持基板2の上にベース絶縁層3を所定パターンで形成した後、ベース絶縁層3から露出する支持基板2の表面とベース絶縁層3の全面とにクロム薄膜10および銅薄膜11を順次形成する。その後、銅薄膜11の表面に導体層4を配線回路パターンで形成した後、導体層4が形成されている部分以外の銅薄膜11を除去し、次いで、無電解ニッケルめっき層14を、導体層4を被覆するように形成する。その後、無電解ニッケルめっき層14により被覆されている部分以外のクロム薄膜10を除去し、カバー絶縁層15を、導体層4を被覆するように形成し、回路付サスペンション基板1を得る。
【選択図】 図3
【解決手段】 支持基板2の上にベース絶縁層3を所定パターンで形成した後、ベース絶縁層3から露出する支持基板2の表面とベース絶縁層3の全面とにクロム薄膜10および銅薄膜11を順次形成する。その後、銅薄膜11の表面に導体層4を配線回路パターンで形成した後、導体層4が形成されている部分以外の銅薄膜11を除去し、次いで、無電解ニッケルめっき層14を、導体層4を被覆するように形成する。その後、無電解ニッケルめっき層14により被覆されている部分以外のクロム薄膜10を除去し、カバー絶縁層15を、導体層4を被覆するように形成し、回路付サスペンション基板1を得る。
【選択図】 図3
Description
本発明は、回路付サスペンション基板、詳しくは、ハードディスクドライブに用いられる回路付サスペンション基板に関する。
ハードディスクドライブに用いられる回路付サスペンション基板は、磁気ヘッドを支持するサスペンション基板に、磁気ヘッドと、その磁気ヘッドによって読み書きされるリード・ライト信号が伝送されるリード・ライト基板とを接続するための配線回路パターンとが、一体的に形成されている回路基板であり、磁気ヘッドと磁気ディスクとが相対的に走行する時の空気流に抗して、磁気ディスクとの間に微小な間隔を保持して、実装された磁気ヘッドの良好な浮上姿勢を得ることができるため、広く普及されつつある。
このような回路付サスペンション基板は、通常、図6が参照されるように、次に述べる方法により製造されている。すなわち、まず、ステンレス箔21の表面に、ポリイミド樹脂からなる絶縁層22を所定パターンで形成する(図6(a)参照)。次いで、絶縁層22を含むステンレス箔21の全面にクロム薄膜23と銅薄膜24とをスパッタリング法にて順次形成する(図6(b)参照)。その後、銅薄膜24の上に電解銅めっきにより導体層25を配線回路パターンで形成した後(図6(c)参照)、銅薄膜24およびクロム薄膜23をエッチング法により除去する(図6(d)参照)。
そして、無電解ニッケルめっきにより、導体層25の表面に、硬質ニッケル薄膜26を形成して、導体層25の表面を被覆保護する(図6(e)参照)。なお、硬質ニッケル薄膜26は、めっき電位の関係から、不可避的にステンレス箔21の表面にも形成される。
その後、導体層25を、端子部(図示せず)を残してポリイミド樹脂からなる被覆層27で被覆保護した後(図6(f)参照)、その端子部(図示せず)およびステンレス箔25の表面の硬質ニッケル薄膜26を剥離する(図6(g)参照)。その後、端子部(図示せず)に、電解ニッケルめっきと電解金めっきとを順次施して、端子(図示せず)を形成する(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−265572号公報
しかし、上記の方法においては、無電解ニッケルめっきにより、導体層25の表面のみならず、ステンレス箔21の表面にも、硬質ニッケル薄膜26が不可避的に形成されるので、ステンレス箔21の表面が、無電解ニッケルめっきの活性化処理で用いられる塩化パラジウム触媒液によって腐食したり、あるいは、その表面に、パラジウムが析出する。
ステンレス箔21の表面が腐食すると、外観不良となる。また、ステンレス箔21の表面にパラジウムが析出すると、その後に、端子部に電解金めっきする工程において、局部電池効果により、ステンレス箔21の表面に金粒子が析出して、製品不良を生じる。
また、上記の方法では、ステンレス箔21と導体層25とが、絶縁層22により電気的に絶縁されて、それらの各表面が露出した状態で、無電解ニッケルめっきするので、めっき電位が不安定となり、硬質ニッケル薄膜26の厚みが不均一となり、さらには、部分的にめっきされない部分を生じる。
本発明の目的は、金属支持層に起因する外観不良や製品不良を防止でき、さらには、均一な厚みの無電解ニッケルめっき層を確実に形成することのできる、回路付サスペンション基板の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の回路付サスペンション基板の製造方法は、金属支持層の上に、前記金属支持層の表面が部分的に露出するように、絶縁層を形成する工程、前記絶縁層から露出する前記金属支持層の表面および前記絶縁層の表面に、クロム薄膜と銅薄膜とを順次形成する工程、前記絶縁層の上における前記銅薄膜の表面に、前記導体層を配線回路パターンで形成する工程、前記銅薄膜を除去した後、前記導体層を被覆する無電解ニッケルめっき層を形成し、次いで、前記クロム薄膜を除去する工程を備えていることを特徴としている。
このような方法によれば、金属支持層の表面にクロム薄膜が形成されている状態で、無電解ニッケルめっき層を導体層のみに形成し、その後に、クロム薄膜を除去する。そのため、無電解ニッケルめっき層の形成時には、金属支持層がクロム薄膜で被覆されているので、無電解ニッケルめっきにより、その金属支持層の表面が腐食したり、あるいは、その表面にパラジウムが析出することを防止することができる。その結果、金属支持層に起因する外観不良や製品不良を防止することができる。また、この方法では、クロム薄膜と導体層とが電気的に導通している状態で、無電解ニッケルめっきするので、めっき電位を安定化させることができ、均一な厚みの無電解ニッケルめっき層を導体層のみに確実に形成することができる。
また、本発明では、前記導体層を配線回路パターンで形成する工程は、前記銅薄膜の表面に、めっきレジストを、前記配線回路パターンの反転パターンで形成する工程、前記めっきレジストから露出する前記銅薄膜の表面に、導体層を形成する工程、前記めっきレジストを除去する工程を備えていてもよい。
この方法によれば、アディティブ法により、簡易かつ確実に、導体層を配線回路パターンとして形成することができる。
また、本発明では、前記導体層を配線回路パターンで形成する工程は、前記銅薄膜の表面に、導体層を形成する工程、前記導体層の上に、エッチングレジストを前記配線回路パターンと同一パターンで形成する工程、前記エッチングレジストから露出する導体層を、エッチングする工程、前記エッチングレジストを除去する工程を備えていてもよい。
この方法によれば、サブトラクティブ法により、簡易かつ確実に、導体層を配線回路パターンとして形成することができる。
本発明の回路付サスペンション基板の製造方法によれば、金属支持層に起因する外観不良や製品不良を防止でき、さらには、均一な厚みの無電解ニッケルめっき層を確実に形成することができる。
図1は、本発明の回路付サスペンション基板の製造方法により製造される回路付サスペンション基板の、一実施形態を示す斜視図である。
図1において、この回路付サスペンション基板1は、ハードディスクドライブの磁気ヘッド(図示せず)を実装して、その磁気ヘッドを、磁気ヘッドと磁気ディスクとが相対的に走行する時の空気流に抗して、磁気ディスクとの間に微小な間隔を保持しながら支持するものであり、磁気ヘッドと、リード・ライト基板とを接続するための配線回路パターンが一体的に形成されている。
この回路付サスペンション基板1は、長手方向に延びる金属支持層としての支持基板2の上に、絶縁層としてのベース絶縁層3が形成されており、そのベース絶縁層3の上に、導体層4が配線回路パターンとして形成されている。なお、この配線回路パターンは、互いに所定間隔を隔てて平行状に配置される複数の配線4a、4b、4c、4dを含んでいる。
支持基板2の先端部には、その支持基板2を切り込むことによって、磁気ヘッドを実装するためのジンバル5が形成されている。また、その支持基板2の先端部には、磁気ヘッドと各配線4a、4b、4c、4dとを接続するための磁気ヘッド側接続端子6が形成されている。
また、支持基板2の後端部には、リード・ライト基板と各配線4a、4b、4c、4dとを接続するための外部側接続端子7が形成されている。
なお、図1においては、図示されていないが、実際には、導体層4の上には、カバー絶縁層8が被覆されている(図3(l)参照)。
次に、本発明の回路付サスペンション基板の製造方法の一実施形態を、図1に示す回路付サスペンション基板1の製造方法を例示して、図2〜図5を参照しつつ説明する。なお、図2〜図5においては、回路付サスペンション基板1の長手方向途中を、その回路付サスペンション基板1の長手方向に直交する幅方向に沿う断面として示している。
この方法では、まず、図2(a)に示すように、支持基板2を用意する。支持基板2としては、金属箔または金属薄板を用いることが好ましく、金属としては、例えば、ステンレス、42アロイ、アルミニウム、銅−ベリリウム、りん青銅などが好ましく用いられる。また、その厚さが、10〜60μm、さらには、15〜30μm、その幅が、50〜500mm、さらには、125〜300mmのものが好ましく用いられる。
次いで、この方法では、支持基板2の上に、ベース絶縁層3を、支持基板2の表面が部分的に露出する所定パターンで形成する。
ベース絶縁層3を形成するための絶縁体としては、回路付サスペンション基板の絶縁体として使用できるものであれば、特に制限されることなく使用することができる。このような絶縁体としては、例えば、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエーテルニトリル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの合成樹脂が挙げられる。これらのうち、感光性の合成樹脂が好ましく用いられ、感光性ポリイミド樹脂がさらに好ましく用いられる。
そして、例えば、感光性ポリイミド樹脂を用いて、支持基板2の上に、ベース絶縁層3を所定パターンで形成する場合には、まず、図2(b)に示すように、感光性ポリイミド樹脂の前駆体(ポリアミック酸樹脂)の溶液を、その支持基板2の全面に塗工した後、例えば、60〜150℃、好ましくは、80〜120℃で加熱することにより、感光性ポリイミド樹脂の前駆体の皮膜8を形成する。
次に、図2(c)に示すように、その皮膜8を、フォトマスク9を介して露光させ、必要により露光部分を所定温度に加熱した後、現像することにより、図2(d)に示すように、皮膜8を、支持基板2の表面の一部(例えば、支持基板2の表面の幅方向両端部)が露出するような所定パターンとする。なお、フォトマスク9を介して照射する照射線は、その露光波長が、300〜450nm、さらには、350〜420nmであることが好ましく、その露光積算光量が、100〜2000mJ/cm2であることが好ましい。
また、照射された皮膜8の露光部分は、例えば、130℃以上150℃未満で加熱することにより、次の現像処理において可溶化(ポジ型)し、また、例えば、150℃以上200℃以下で加熱することにより、次の現像処理において不溶化(ネガ型)する。
また、現像は、例えば、アルカリ現像液などの公知の現像液を用いて、浸漬法やスプレー法などの公知の方法によって処理することができる。なお、この方法においては、ネガ型でパターンを得ることが好ましく、図2においては、ネガ型でパターンニングする態様として示されている。
そして、図2(e)に示すように、このように所定パターンとされた感光性ポリイミド樹脂の前駆体からなる皮膜8を、例えば、最終的に250℃以上に加熱することによって、硬化(イミド化)させ、これによって、ポリイミド樹脂からなるベース絶縁層3が、支持基板2の表面の一部(例えば、支持基板2の表面の幅方向両端部)が露出する所定パターンで形成される。
なお、感光性の合成樹脂を用いない場合には、例えば、支持基板2の上に、合成樹脂を、所定パターンで塗工するか、あるいは、予め所定パターンとされたドライフィルムを、必要により接着剤層を介して貼着する。
また、このようにして形成されるベース絶縁層3の厚みは、例えば、2〜30μm、好ましくは、5〜25μmである。
次いで、この方法では、図2(f)および(g)に示すように、ベース絶縁層3から露出する支持基板2の表面と、ベース絶縁層3の全面とに、クロム薄膜10と銅薄膜11とを順次形成する。
クロム薄膜10および銅薄膜11の形成は、真空蒸着法、とりわけ、スパッタ蒸着法が好ましく用いられる。より具体的には、例えば、ベース絶縁層3から露出する支持基板2の表面とベース絶縁層3の全面とに、図2(f)に示すように、クロム薄膜10をスパッタ蒸着法によって形成した後、次いで、そのクロム薄膜10の全面に、図2(g)に示すように、銅薄膜11をスパッタ蒸着法によって形成する。
なお、クロム薄膜10の厚みが、100〜600Å、銅薄膜11の厚みが、500〜2000Åであることが好ましい。
そして、この方法では、図3(h)に示すように、ベース絶縁層3の上に形成されている銅薄膜11の表面に、導体層4を配線回路パターンで形成する。なお、図3(h)には、導体層4を形成した後に、導体層4が形成された部分以外の銅薄膜11を除去した状態が示されている。
導体層4を形成するための導体としては、回路付サスペンション基板の導体として使用できるものであれば、特に制限されることなく使用することができる。このような導体としては、例えば、銅、ニッケル、金、はんだ、またはこれらの合金などが用いられ、好ましくは、銅が用いられる。
配線回路パターンは、例えば、図1に示されるように、互いに所定間隔を隔てて平行状に配置される、複数の配線4a、4b、4c、4dパターンとして形成する。導体層4の厚みは、例えば、2〜50μm、好ましくは、5〜30μmであり、各配線4a、4b、4c、4dの幅は、例えば、5〜500μm、好ましくは、10〜200μmであり、各配線4a、4b、4c、4d間の間隔は、例えば、5〜500μm、好ましくは、10〜200μmである。
導体層4を配線回路パターンとして形成するには、例えば、アディティブ法、サブトラクティブ法などの公知のパターンニング法が用いられる。アディティブ法によれば、簡易かつ確実に、導体層4を配線回路パターンとして形成することができる。
アディティブ法では、図4(a)に示すように、銅薄膜11の表面に、めっきレジスト12を、配線回路パターンの反転パターンで形成する。めっきレジスト12は、例えば、ドライフィルムレジストなどを用いて公知の方法により、上記した配線回路パターンの反転パターンとして形成する。
次いで、図4(b)に示すように、めっきレジスト12から露出する銅薄膜11の表面に、導体層4を形成する。導体層4の形成は、特に制限されないが、例えば、電解めっき、好ましくは、電解銅めっきが用いられる。
その後、図4(c)に示すように、めっきレジスト12を除去することにより、導体層4を配線回路パターンとして形成する。めっきレジスト12の除去は、例えば、化学エッチング(ウェットエッチング)などの公知のエッチング法を用いるか、または、剥離する。
そして、図4(d)に示すように、導体層4が形成されている部分以外の銅薄膜11を除去する。銅薄膜11の除去は、例えば、硝酸過酸化水素混合液などをエッチング液として用いて、化学エッチング(ウェットエッチング)する。このように、銅薄膜11を除去すれば、次に述べるように、導体層4のみに無電解ニッケルめっき層14を形成することができる。
また、サブトラクティブ法では、図5(a)に示すように、まず、銅薄膜11の全面に、導体層4を形成する。導体層4の形成は、特に制限されないが、例えば、電解めっき、好ましくは、電解銅めっきが用いられる。
次いで、図5(b)に示すように、導体層4の上に、エッチングレジスト13を配線回路パターンと同一パターンで形成する。エッチングレジスト13は、例えば、ドライフィルムレジストなどを用いて公知の方法により、上記したレジストパターンとして形成する。
その後、図5(c)に示すように、エッチングレジスト13から露出する導体層4、および、その露出する導体層4が形成されている部分の銅薄膜11を、エッチングする。エッチングは、例えば、上記と同様のエッチング液などを用いる化学エッチング(ウェットエッチング)などの公知のエッチング法が用いられる。
そして、図5(d)に示すように、エッチングレジスト13を除去することにより、導体層4を配線回路パターンとして形成する。エッチングレジスト13の除去は、例えば、化学エッチング(ウェットエッチング)などの公知のエッチング法を用いるか、または、剥離する。
次いで、この方法では、図3(i)に示すように、導体層4を被覆する無電解ニッケルめっき層14を形成する。
無電解ニッケルめっき層14の形成は、例えば、塩化パラジウム触媒液で活性化処理した後、無電解ニッケルめっき液に浸漬して、無電解ニッケルめっきする。これによって、導体層4の表面(上面および側面)を被覆するように、無電解ニッケルめっき層14が形成される。この無電解ニッケルめっき層14は、硬質のニッケル薄膜として形成され、その厚みは、導体層4の表面が露出しない程度であればよく、例えば、0.05〜0.2μmである。
次いで、この方法では、図3(j)に示すように、無電解ニッケルめっき層14によって被覆されている部分以外のクロム薄膜10を除去する。クロム薄膜10の除去は、例えば、フェリシアン化カリウム溶液、過マンガン酸カリウム溶液、メタケイ酸ナトリウム溶液などをエッチング液として用いて、化学エッチング(ウェットエッチング)する。
その後、この方法では、図3(k)に示すように、導体層4を被覆するためのカバー絶縁層15を、所定パターンで形成する。カバー絶縁層15を形成するための絶縁体としては、ベース絶縁層3と同様の絶縁体が用いられ、好ましくは、感光性ポリイミド樹脂が用いられる。
また、感光性ポリイミド樹脂を用いて、カバー絶縁層15を形成する場合には、ベース絶縁層3と同様に、ベース絶縁層3および無電解ニッケルめっき層14の上に、感光性ポリイミド樹脂の前駆体(ポリアミック酸樹脂)の溶液を塗工した後、加熱により感光性ポリイミド樹脂の前駆体の皮膜を形成し、次いで、その皮膜を、フォトマスクを介して露光させ、必要により露光部分を所定の温度に加熱した後、現像することにより、皮膜を所定パターンに形成し、その後、皮膜を、例えば、最終的に250℃以上に加熱することによって、硬化(イミド化)させる。これによって、ポリイミド樹脂からなるカバー絶縁層15が、無電解ニッケルめっき層14によって被覆されている導体層4を含むベース絶縁層3の上に形成される。なお、カバー絶縁層15の厚みは、例えば、1〜30μm、好ましくは、2〜20μmである。
なお、このカバー絶縁層15の形成においては、カバー絶縁層15は、図示しないが、磁気ヘッド側接続端子6および外部側接続端子7を形成するための端子部分と、電解めっきのためのリード部分とが露出する所定パターンとして形成しておき、各端子部分において、まず、無電解ニッケルめっき層14を剥離した後、露出した導体層4の表面に、ニッケルめっき層および金めっき層を電解めっきにより順次形成することにより、磁気ヘッド側接続端子6および外部側接続端子7を形成する。
ニッケルめっき層および金めっき層の形成は、例えば、露出した導体層4の表面に、電解ニッケルめっきによりニッケルめっき層を形成し、そのニッケルめっき層の上に、電解金めっきにより金めっき層を形成する。なお、ニッケルめっき層および金めっき層の厚さは、いずれも、0.2〜5μm程度であることが好ましい。
そして、図示しないリード部分を、化学エッチングなどにより除去し、支持基板2を、化学エッチングなど公知の方法によって、ジンバル5などの所定形状に切り抜き、洗浄および乾燥することにより、図1に示すような回路付サスペンション基板1を得る。
このような方法によれば、金属基板2の表面にクロム薄膜10が形成されている状態で、無電解ニッケルめっき層14を導体層4のみに形成し、その後に、クロム薄膜10を除去する。そのため、無電解ニッケルめっき層14の形成時には、支持基板2がクロム薄膜10で被覆されているので、無電解ニッケルめっきにより、その支持基板2の表面が腐食したり、あるいは、その表面にパラジウムが析出することを防止することができる。その結果、支持基板2に起因する外観不良や製品不良を防止することができる。また、この方法では、クロム薄膜10と導体層4とが電気的に導通している状態で、無電解ニッケルめっきするので、めっき電位を安定化させることができ、均一な厚みの無電解ニッケルめっき層14を導体層4のみに確実に形成することができる。
なお、上記した回路付サスペンション基板1の製造方法は、工業的には、例えば、ロールツーロール法などの公知の方法により、製造することができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何ら実施例に限定されることはない。
実施例1
幅300mm、厚さ20μm、長さ120mのロール状のステンレス箔を用意して(図2(a)参照)、ロールツーロール法により、以下のように回路付サスペンション基板を製造した。すなわち、まず、ステンレス箔の上に、ポリアミック酸樹脂の溶液を塗工した後、130℃で加熱することにより、ポリアミック酸樹脂の皮膜を形成し(図2(b)参照)、次いで、その皮膜を、フォトマスクを介して露光(405nm、1500mJ/cm2)させ(図2(c)参照)、露光部分を180℃に加熱した後、アルカリ現像液を用いて現像することにより、その皮膜をネガ型の画像で、ステンレス箔の表面の幅方向両端部が露出する所定パターンに形成した(図2(d)参照)。
幅300mm、厚さ20μm、長さ120mのロール状のステンレス箔を用意して(図2(a)参照)、ロールツーロール法により、以下のように回路付サスペンション基板を製造した。すなわち、まず、ステンレス箔の上に、ポリアミック酸樹脂の溶液を塗工した後、130℃で加熱することにより、ポリアミック酸樹脂の皮膜を形成し(図2(b)参照)、次いで、その皮膜を、フォトマスクを介して露光(405nm、1500mJ/cm2)させ(図2(c)参照)、露光部分を180℃に加熱した後、アルカリ現像液を用いて現像することにより、その皮膜をネガ型の画像で、ステンレス箔の表面の幅方向両端部が露出する所定パターンに形成した(図2(d)参照)。
次いで、所定パターンに形成されたポリアミック酸樹脂の皮膜を、350℃で加熱して、硬化(イミド化)させ、これによって、厚さ25μmのポリイミド樹脂からなるベース絶縁層を、ステンレス箔の表面の幅方向両端部が露出する所定パターンで形成した(図2(e)参照)。
次いで、ベース絶縁層から露出するステンレス箔の表面とベース絶縁層の全面とに、厚さ500Åのクロム薄膜と厚さ1000Åの銅薄膜とをスパッタ蒸着法によって順次形成した(図2(f)、(g)参照)。
その後、銅薄膜の表面に、アディティブ法により、導体層を配線回路パターンで形成した(図3(h)参照)。すなわち、アディティブ法では、銅薄膜の表面に、配線回路パターンと反転するパターンのめっきレジストを、ドライフィルムレジストを用いて形成し(図4(a)参照)、次いで、めっきレジストから露出する銅薄膜の表面に、電解銅めっきにより、導体層を配線回路パターンで形成した(図4(b)参照)。なお、この導体層は、厚さ15μmで、その配線回路パターンを、各配線の幅20μm、各配線間の間隔が30μmの、互いに所定間隔を隔てて平行状に配置される、4本の配線パターンとした。その後、めっきレジストを化学エッチングによって除去した(図4(c)参照)。
次いで、導体層が形成されている部分以外の銅薄膜を、硝酸過酸化水素混合液を用いて、化学エッチング(ウェットエッチング)により除去した(図4(d)参照)。
その後、導体層の表面に、無電解ニッケルめっきによって、厚さ0.1μmの硬質の無電解ニッケルめっき層を形成した後(図3(i)参照)、無電解ニッケルめっき層によって被覆されている部分以外のクロム薄膜を、フェリシアン化カリウム溶液を用いて、化学エッチング(ウェットエッチング)により除去した(図3(j)参照)。
そして、ベース絶縁層および無電解ニッケルめっき層の上に、ポリアミック酸樹脂の溶液を塗工した後、130℃で加熱することにより、ポリアミック酸樹脂の皮膜を形成し、次いで、皮膜を、フォトマスクを介して露光(405nm、1500mJ/cm2)させ、露光部分を180℃に加熱した後、アルカリ現像液を用いて現像することにより、この皮膜を、導体層が被覆されるような所定パターンに形成した。
次いで、所定パターンに形成されたポリアミック酸樹脂の皮膜を、350℃で加熱して、硬化(イミド化)させ、これによって、厚さ20μmのポリイミド樹脂からなるカバー絶縁層を形成した(図3(k)参照)。
なお、このカバー絶縁層は、導体層における磁気ヘッド側接続端子および外部側接続端子を形成する端子部分には、導体層が露出する所定パターンで形成した。
その後、導体層における磁気ヘッド側接続端子および外部側接続端子の端子部分に形成されている無電解ニッケルめっき層を剥離し、露出した導体層の表面に、電解ニッケルめっきと電解金めっきとを順次実施して、厚さ2μmのニッケルめっき層および厚さ1μmの金めっき層を形成した。
その後、電解めっきで用いた図示しないリード部分を、化学エッチングにより除去し、ステンレス箔を、化学エッチングによって所定形状に切り抜き、洗浄および乾燥することにより、回路付サスペンション基板を得た。
得られた回路付サスペンション基板のステンレス箔を観察し、腐食やパラジウムの析出がないことを確認した。
実施例2
銅薄膜の表面に、サブトラクティブ法により、導体層を配線回路パターンで形成した以外は、実施例1と同様の操作により、回路付サスペンション基板を得た。
銅薄膜の表面に、サブトラクティブ法により、導体層を配線回路パターンで形成した以外は、実施例1と同様の操作により、回路付サスペンション基板を得た。
すなわち、実施例2では、銅薄膜の全面に、電解銅めっきにより導体層を形成した後(図5(a)参照)、その導体層の上に、ドライフィルムレジストからなるエッチングレジストを配線回路パターンと同一パターンで形成した(図5(b)参照)。その後、エッチングレジストから露出する導体層、および、その露出する導体層の部分に形成されている銅薄膜を、化学エッチングにより除去し(図5(c)参照)、続いて、エッチングレジストを、化学エッチングによって除去した(図5(d)参照)。上記以外は、すべて、実施例1と同様の操作により、回路付サスペンション基板を得た。
得られた回路付サスペンション基板のステンレス箔を観察し、腐食やパラジウムの析出がないことを確認した。
1 回路付サスペンション基板
2 支持基板
3 ベース絶縁層
4 導体層
10 クロム薄膜
11 銅薄膜
12 めっきレジスト
13 エッチングレジスト
14 無電解ニッケルめっき層
2 支持基板
3 ベース絶縁層
4 導体層
10 クロム薄膜
11 銅薄膜
12 めっきレジスト
13 エッチングレジスト
14 無電解ニッケルめっき層
Claims (3)
- 金属支持層の上に、前記金属支持層の表面が部分的に露出するように、絶縁層を形成する工程、
前記絶縁層から露出する前記金属支持層の表面および前記絶縁層の表面に、クロム薄膜と銅薄膜とを順次形成する工程、
前記絶縁層の上における前記銅薄膜の表面に、前記導体層を配線回路パターンで形成する工程、
前記銅薄膜を除去した後、前記導体層を被覆する無電解ニッケルめっき層を形成し、次いで、前記クロム薄膜を除去する工程
を備えていることを特徴とする、回路付サスペンション基板の製造方法。 - 前記導体層を配線回路パターンで形成する工程は、
前記銅薄膜の表面に、めっきレジストを、前記配線回路パターンの反転パターンで形成する工程、
前記めっきレジストから露出する前記銅薄膜の表面に、導体層を形成する工程、
前記めっきレジストを除去する工程
を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の回路付サスペンション基板の製造方法。 - 前記導体層を配線回路パターンで形成する工程は、
前記銅薄膜の表面に、導体層を形成する工程、
前記導体層の上に、エッチングレジストを前記配線回路パターンと同一パターンで形成する工程、
前記エッチングレジストから露出する導体層を、エッチングする工程、
前記エッチングレジストを除去する工程
を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の回路付サスペンション基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003367455A JP2005135981A (ja) | 2003-10-28 | 2003-10-28 | 回路付サスペンション基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005135981A true JP2005135981A (ja) | 2005-05-26 |
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ID=34645454
Family Applications (1)
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JP2003367455A Pending JP2005135981A (ja) | 2003-10-28 | 2003-10-28 | 回路付サスペンション基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005135981A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013131268A (ja) * | 2011-12-21 | 2013-07-04 | Dainippon Printing Co Ltd | サスペンション用基板、サスペンション、素子付サスペンション、ハードディスクドライブおよびサスペンション用基板の製造方法 |
JP2016215458A (ja) * | 2015-05-19 | 2016-12-22 | 大日本印刷株式会社 | ロール状積層基板の製造方法及び積層基板 |
CN112640091A (zh) * | 2018-08-03 | 2021-04-09 | 哈钦森技术股份有限公司 | 使用镍和磷形成电路材料的方法 |
-
2003
- 2003-10-28 JP JP2003367455A patent/JP2005135981A/ja active Pending
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