JP5332451B2 - Iii族窒化物系化合物半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物系化合物半導体発光素子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明はIII族窒化物系化合物半導体発光素子及びその製造方法に関する。本願においてIII族窒化物系化合物半導体とは、AlxGayIn1-x-yN(x、y、x+yはいずれも0以上1以下)で示される半導体、及び、n型化/p型化等のために任意の元素を添加したものを含む。更には、III族元素及びV族元素の組成の一部を、B又はTl、或いは、P、As、Sb又はBiで置換したものをも含むものとする。
紫乃至緑色の発光ダイオード又はレーザダイオードとして、発光層又は活性層が多重量子井戸構造となっているIII族窒化物系化合物半導体発光素子が汎用されている。
多重量子井戸構造は、原理的には発光の主体となるバンドギャップの最も狭い井戸層と、井戸層のバンドギャップよりもバンドギャップの広い障壁層との繰り返し構造を指すものである。しかし、例えば井戸層、保護層その他の層、障壁層の3層の繰り返しにより構成されるものもある。例えばIII族窒化物系化合物半導体発光素子においては、InGaN井戸層、それと同じ温度で形成され、直下の層からのInの蒸発を回避する層であるGaNから成る保護層、AlGaN障壁層の構成が挙げられる。
ここで、GaNから成る保護層の役割は概ね次の通りである。
良く知られているようにInを含む層を気相形成させる際には、例えば850℃以下、更には800℃未満でエピタキシャル成長させることが好ましい。これは、高い温度ではIn−Nの結合が容易に解離し、In原子が失われて所望の組成の層が形成できないことによる。例えば発光素子において井戸層の組成は発光波長を決定するものであるので、組成にInを含む井戸層を発光層として形成する際には上記800℃未満でエピタキシャル成長が行われる。
一方、Alを含む層は、例えば800℃未満では結晶性良くエピタキシャル成長ができない。例えば多重量子井戸構造の障壁層をAlを含む層で形成する場合には、井戸層にキャリアを閉じ込めるためのエネルギー障壁を十分に形成しなければならない。そこで例えば850℃以上で形成されることとなる。
ところが、Inを含む井戸層を800℃未満でエピタキシャル成長させ、続けてAlを含む層を850℃以上でエピタキシャル成長させようとすると、連続的に形成できず、間に昇温させるための時間が必要である。実はこの間に、先に形成したInを含む井戸層の表面に分解が生じ、一旦所望の組成で形成されたInを含む井戸層が、Alを含む障壁層を形成する前に表面の組成が変化し、更には凹凸を形成するなど、発光素子の特性に重大な影響を与えることとなっていた。
そこで、Inを含む井戸層を800℃未満でエピタキシャル成長させたのち、例えばGaNから成る保護層を同じ温度で形成することで、Inを含む井戸層からのInの解離を回避することが一般的に行われていた。
特開2001−237456号公報 特開2000−261106号公報
例えば上記のような構成の量子井戸構造の、Inを組成に含む井戸層の直後に同温度でのエピタキシャル成長により形成される保護層として、GaNから成る層を用いる場合、当該GaNから成る保護層の膜厚が薄いと、先に形成したInを含む井戸層からのInの蒸発が回避できない。一方、GaNから成る保護層の膜厚が厚いと、比較的低温で形成することから平坦性が悪化する。また、発光層である量子井戸構造中のGaNから成る保護層は、通常、不純物無添加であるため、当該保護層の膜厚の増加は抵抗を上げることとなる。
本発明者は上記問題を解決すると、井戸層へのキャリア閉じ込め効果が向上し、量子井戸構造の発光層等からの発光効率が大幅に向上することを見出し、本願発明を完成させた。
本発明は、多重量子井戸構造の発光層又は活性層を有するIII族窒化物系化合物半導体発光素子において、当該多重量子井戸構造の、井戸層と井戸層よりもバンドギャップの広い障壁層との間に、障壁層よりもバンドギャップの広い層を保護層として形成した発光素子を特徴とする。或いは、当該保護層を、井戸層の形成温度と同じ温度で形成することを特徴とするものである。
請求項1に係る発明は、多重量子井戸構造を有するIII族窒化物系化合物半導体発光素子において、多重量子井戸構造は、組成にインジウムを含む井戸層と、井戸層に接して正電極側に形成された、井戸層のバンドギャップよりも広いバンドギャップを有する第1の保護層と、第1の保護層に接して正電極側に形成され、組成にアルミニウムを含み、第1の保護層のバンドギャップよりも広いバンドギャップを有する第2の保護層と、第2の保護層に接して正電極側に形成され、第1の保護層のバンドギャップよりも広く、第2の保護層のバンドギャップよりも狭いバンドギャップを有する障壁層との繰り返し構造から成ることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、第1の保護層の厚さは2Å以上18Å以下であり、第2の保護層の厚さは2Å以上18Å以下であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、第1の保護層の厚さと第2の保護層の厚さの和は18Å以下であることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明において、井戸層の厚さは15Å以上50Å以下であり、障壁層の厚さは15Å以上50Å以下であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、多重量子井戸構造を有するIII族窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法において、多重量子井戸構造を形成する際に、第1の温度で、組成にインジウムを含む井戸層を形成し、第1の温度を保持したまま、井戸層に接して正電極側に位置し、組成にアルミニウムを含み、井戸層のバンドギャップよりも広いバンドギャップを有する第1の保護層を形成し、第1の温度を保持したまま、第1の保護層に接して正電極側に位置する、第1の保護層のバンドギャップよりも広いバンドギャップを有する第2の保護層を形成し、第1の温度よりも10度以上高く、第1の温度よりも200度以上の高くない第2の温度で、第2の保護層に接して正電極側に位置する、第1の保護層のバンドギャップよりも広く、第2の保護層のバンドギャップよりも狭いバンドギャップを有する障壁層を形成することを所定回数繰り返すことを特徴とする。
本発明によれば、Inを含む井戸層の直後に障壁層よりもバンドギャップの広いIII族窒化物系化合物半導体から成る保護層を形成する。例えば障壁層がAlGaNから成るのであれば、保護層は当該障壁層よりもAl組成の高い層を用いる。こうして、障壁層を形成するために、井戸層の形成温度よりも高温にする際、保護層がAl組成の高い層であるので、従来のGaNから成る保護層よりもInを含む井戸層の保護が強力になる。これは、Ga原子とN原子の結合よりもAl原子とN原子の結合の方が強いからである。また、これにより、Al組成の高いAlGaNから成る保護層の膜厚は、従来のGaNから成る保護層の膜厚に比較して薄くすることができる。これは、量子井戸構造の発光層又は活性層全体の、抵抗の低下に寄与する。即ち、発光素子として動作させるための順方向に閾値電圧を低下させることができる。また、Al組成の高いAlGaNから成る保護層の膜厚は、従来のGaNから成る保護層の膜厚に比較して薄くすることができるので、Inを含む井戸層と同じ温度である比較的低温で保護層を形成しても、表面の平坦性が悪化しない。更には、障壁層よりもバンドギャップが広いので、障壁層の作用を補助する効果もある。
これらにより、量子井戸構造の発光層又は活性層を有するIII族窒化物系化合物半導体発光素子の、光取り出し効率を向上させることができる。
本発明者の実験によれば、保護層のAl組成が高い場合には、井戸層との格子不整合に基づく歪による悪影響が生ずるものと考えられる。そこで、保護層を2層とし、例えばGaNから成る第1の保護層を井戸層直上に形成し、その上にAlGaNから成る第2の保護層を形成することで本発明の効果を十分に引き出すことも可能である。
本発明の実施には、上記本発明の範囲において、III族窒化物系化合物半導体発光素子に関する公知の又は任意の技術を組み合わせて良いが、例えば本発明の特徴である多重量子井戸構造の発光層又は活性層については次のようにすると良い。
井戸層としてはInxGa1-xNから成るIII族窒化物系化合物半導体が好ましい。Inの組成比は、上記組成式においてxが0.05〜0.3の範囲内であることが好ましい。膜厚は15〜50Åが好ましく、より好ましくは20〜30Åである。井戸層の形成温度は、Inの分解及び離脱を回避するため、850℃以下が好ましく、より好ましくは800℃未満である。
障壁層(バリア層)としてはAlxGa1-xNから成るIII族窒化物系化合物半導体が好ましい。Alの組成比は、組成式としてxが0.05〜0.1の範囲内であることが好ましい。膜厚は5〜50Åが好ましく、より好ましくは20〜30Åが好ましい。障壁層の形成温度は800℃以上が好ましく、より好ましくは850℃以上である。これは、Alが組成に含まれる場合、比較的低温でエピタキシャル成長させるとその結晶性が極端に悪化することによる。しかし、形成温度は950℃以下が好ましく、より好ましくは900℃以下である。これは、障壁層の形成中に下層に形成済みの井戸層の分解を回避するためである。
障壁層(バリア層)の形成温度と、井戸層、単層又は複層の保護層の形成温度との差は、10℃以上200℃未満が好ましい。10℃未満では、井戸層の分解の回避が回避できないか、障壁層の結晶性が向上しない。200℃以上では、障壁層を形成するために温度を上昇させる間に井戸層内部で分解等の結晶性の劣化が生ずる。
本発明の特徴である、保護層を単層とする場合は、AlxGa1-xNから成るIII族窒化物系化合物半導体を用いると良い。Alの組成比は、上記組成式としてxが0.05〜0.5の間が好ましい。膜厚は2〜18Åが好ましい。
保護層を第1の保護層と第2の保護層の2層とする場合、第1の保護層としては膜厚が2〜18ÅのGaN層が好ましい。第2の保護層としては膜厚が2〜18ÅのAlxGa1-xNが好ましい。Alの組成比は、上記組成式としてxが0.05〜0.5の間が好ましい。
本発明の特徴である保護層を形成する際には、直下に形成される井戸層の形成温度から温度変化を生じさせずに、且つ連続的に行うことが好ましい。保護層を第1の保護層と第2の保護層の2層とする場合も、井戸層の形成から第1の保護層、第2の保護層の順に形成が終了するまで、温度変化を生じさせずに、且つ連続的に行うことが好ましい。
図1.Aは、本発明の効果を評価するために形成した、具体的な8つの実施例及び比較例に係るIII族窒化物系化合物半導体発光素子100の構成を示す断面図である。III族窒化物系化合物半導体発光素子100は、サファイア基板10の上に図示しない窒化アルミニウム(AlN)から成る膜厚約15nmのバッファ層が設けられ、その上にシリコン(Si)ドープのGaNから成る膜厚約4μmのnコンタクト層11が形成されている。このnコンタクト層11の上には、静電耐圧改善層110として、膜厚300nmのアンドープのGaN層と膜厚30nmのシリコン(Si)ドープのGaN層との積層構造が形成されている。この静電耐圧改善層110の上には、アンドープのIn0.1Ga0.9NとアンドープのGaNとシリコン(Si)ドープのGaNを1組として10組積層した多重層から成る膜厚約74nmのnクラッド層12が形成されている。
尚、多重層構造のnクラッド層12の積層は、20組以下であれば良く、総膜厚は50nm以上150nm以下で構成して良い。
そしてnクラッド層12の上には、膜厚約3nmのIn0.2Ga0.8Nから成る井戸層132wと、保護層133cと膜厚3nmのAl0.05Ga0.95Nから成る障壁層131bとが7組積層された多重量子井戸構造(MQW)の発光層13が形成されている。発光層13の上にはp型Al0.3Ga0.7Nとp型In0.08Ga0.92Nの多重層から成る膜厚約33nmのpクラッド層14が形成されている。更に、pクラッド層14の上には、マグネシウム濃度の異なる2層のp型GaNの積層構造から成る膜厚約80nmのpコンタクト層15が形成されている。
また、pコンタクト層15の上には酸化インジウムスズ(ITO)から成る透光性電極20が、nコンタクト層11の露出面上には電極30が形成されている。電極30は膜厚約20nmのバナジウム(V)と、膜厚約2μmのアルミニウム(Al)で構成されている。透光性電極20上の一部には、金(Au)合金から成る電極パッド25が形成されている。
図1のIII族窒化物系化合物半導体発光素子100は次のようにして形成された。
用いられたガスは、アンモニア(NH3)、キャリアガス(H2,N2)、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)、シラン(SiH4)とシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)である。
まず、有機洗浄及び熱処理により洗浄したa面を主面とした単結晶のサファイア基板10をMOCVD装置の反応室に載置されたサセプタに装着する。次に、常圧でH2を流速2L/分(Lはliter)で約30分間反応室に流しながら温度1100℃でサファイア基板10をベーキングした。
次に、温度を400℃まで低下させて、H2を20L/分、NH3を10L/分、TMAを1.8×10-5モル/分で約1分間供給してAlNバッファ層を約15nmの厚さに形成した。
次に、サファイア基板10の温度を1150℃に保持し、H2を20L/分、NH3を10L/分、TMGを1.7×10-4モル/分、H2ガスにより0.86ppmに希釈されたシランを20×10-8モル/分で40分間供給し、膜厚約4.0μm、電子濃度2×1018/cm3、シリコン濃度4×1018/cm3のn型GaNから成るnコンタクト層11を形成した。
次に、サファイア基板10の温度を850℃に保持し、キャリアを窒素に切り替えて、厚さ300nmのi−GaN層と、厚さ30nm、シリコン濃度4×1018/cm3のn型GaN層とを順に積層して、2重層から成る静電耐圧改善層110を形成した。
次に、N2又はH2を10L/分、NH3を10L/分で供給し、TMG、TMI、H2ガスにより0.86ppmに希釈されたシランの供給量を切り替えて、サファイア基板10の温度を800℃に保持してアンドープのIn0.1Ga0.9NとアンドープのGaNを、サファイア基板10の温度を840℃としてシリコン(Si)ドープのGaNを、これらを10組積層した多重層から成る膜厚約74nmのnクラッド層12を形成した。
上記のnクラッド層12を形成した後、TMG、TMI、TMAの供給量を切り替えて次のように、量子井戸構造の発光層13を形成した。
まず、サファイア基板10の温度を885℃として膜厚約3nmのAl0.05Ga0.95Nから成る障壁層131bを形成した。
次に、サファイア基板10の温度を770℃として膜厚約3nmのIn0.2Ga0.8Nから成る井戸層132wと、保護層133cを形成した。
次に、サファイア基板10の温度を885℃として膜厚約3nmのAl0.05Ga0.95Nから成る障壁層131bを形成した。
こうして、1層のAl0.05Ga0.95Nから成る障壁層131bの上に、In0.2Ga0.8Nから成る井戸層132wと保護層133cとAl0.05Ga0.95Nから成る障壁層131bの3層の組から成る積層構造が7組積層された多重量子井戸構造(MQW)の発光層13を形成した(図1.B)。
尚、保護層については、単層又は複層とし、それらの厚さ及び組成については1つの比較例と8つの実施例で異なるものを用い、合計9個の発光素子100を形成した。この点は後に詳述する。
次に、サファイア基板10の温度を840℃に保持し、N2又はH2を10L/分、NH3を10L/分で供給し、TMG、TMI、TMA、Cp2Mgの供給量を切り替えて、p型Al0.3Ga0.7Nとp型In0.08Ga0.92Nの多重層から成る膜厚約33nmのpクラッド層14を形成した。
次に、サファイア基板10の温度を900℃に保持し、N2又はH2を20L/分、NH3を10L/分で供給し、TMGとCp2Mgの供給量を切り替えて、マグネシウム(Mg)濃度5×1019/cm3とマグネシウム(Mg)濃度1×1020/cm3の、マグネシウム濃度の異なる2つのGaN層から成る合計膜厚80nmのpコンタクト層15を形成した。
次に、p型GaN層15の上にフォトレジストの塗布、フォトリソグラフにより所定領域に窓を形成して、マスクで覆われていない部分のp型GaN層15、pクラッド層14、発光層13、nクラッド層12、n型GaN層11の一部を塩素を含むガスによる反応性イオンエッチングによりエッチングして、n型GaN層11の表面を露出させた。次に、レジストマスクを除去した後、以下の手順で、n型GaN層11に対するn電極30nと、p型GaN層15に対するp電極20を形成した。
ウエハ全面に、透光性電極20を厚さ200nmに形成した。次に、フォトレジストの塗布、フォトリソグラフによりp電極20のマスクをパターニングした後、ドライエッチングによりp電極20を所望の形状に成形した。
次にフォトレジストの塗布、フォトリソグラフにより所定領域に窓を形成したのち、10-6Torrオーダ以下の高真空にてn型GaN層11に対するn電極30を真空蒸着法により形成した。
次に、フォトレジストをリフトオフにより除去し、n電極30は所望の形状に形成された。この後、窒素を含む雰囲気下600℃5分間の加熱処理によりn電極30のn型GaN層11に対する合金化と、p型GaN層15及びpクラッド層14の低抵抗化を行った。
上記III族窒化物系化合物半導体発光素子100において、保護層の構成を9通り変えて実施した。この結果を表1に示す。表1の左端欄で、refと示したものは従来例に当たるものであり、保護層をGaN層の単層とした場合である。表1の左端欄でex1〜ex8と示したものが本願発明の実施例1〜実施例8に当たる。
Figure 0005332451
表1では、保護層を構成する、GaN層の膜厚(AlGaN単層の場合は0Åと記載)、AlGaN層の膜厚とAl組成(atom%)、ただし比較例の場合はいずれも×印を記載した。
実施例3、7及び8(ex3、7及び8)が本願発明において保護層をAlGaN単層とした場合であり、実施例1、2、4乃至6(ex1、2、4乃至6)が本願発明において保護層をGaNから成る第1の保護層とAlGaNから成る第2の保護層とした場合である。
表1においては、比較例(ref)との相対値によって、実施例1〜8(ex1〜8)の放射光の強度、放射光の全放射束、閾値電圧である順電圧、逆バイアスを印加したときの逆電流を示した。放射光の強度と、放射光の全放射束は相対値が大きいほど特性が良く、順電圧と逆電流は小さいほど特性が良い。
〔結果の考察〕
表1の結果から、次の通り結論付けられる。
InGaN井戸層/保護層/AlGaN障壁層の3層の繰り返し構造から成るMQW構造において、InGaN井戸層と同温度で形成される保護層は単層である場合、GaN層よりもAlGaN層の方が好ましい。
即ち比較例(表1でref)で示した18Å厚のGaN単層から成る保護層よりも、実施例1〜3(表1でex1〜3)に示された通り、6ÅのAl0.06Ga0.94N層を少なくとも有する保護層の方が、相対強度、全放射束、順電圧、逆電流全て良好であり、6ÅのAl0.06Ga0.94N層よりも先に、即ちInGaN井戸層を形成すぐにGaN層を第1保護層として形成する意味は小さい。
実施例2と実施例4乃至6(表1でex2とex4〜6)から、膜厚6Åの第1保護層を形成した後に6Åの第2保護層を形成する場合、第2保護層のAl組成が大きくなるほど、放射強度と全放射束が向上することが分かる。順電圧はほとんど変化しないが、逆電流は比較例の2倍程度に増加する。
膜厚6ÅのGaNから成る第1保護層を形成した後に6ÅのAlGaNから成る第2保護層を形成する場合と、膜厚12ÅのAlGaN単層から成る保護層を形成する場合を比較すると、次の通りである。
Al組成が6%と小さい場合は、実施例2と実施例7(表1でex2,7)の比較からは、放射強度の大きなけ向上が見られるが逆電流が大幅に増加することが分かる。
Al組成が24%と大きい場合は、実施例6と実施例8(表1でex6,8)の比較からは、放射強度、全放射束、順電圧はほとんどは変化しないが、逆電流の増加が見られる。
このように、InGaN井戸層と同温度で直上に形成される保護層は、6Å、即ち単位結晶格子の基本ベクトルcの長さ程度の膜厚のAlGaN層で十分に効果を生ずる。保護層は、GaN層とAlGaN層の2層構造でも良いが、GaN層の膜厚が厚いと効果が小さくなってしまう。ただし、保護層としてアルミニウム組成の高いAlGaNを用いる場合は、保護層を2層構造とし、井戸層と当該AlGaNから成る第2保護層の間にGaNから成る第1保護層を設けた方が良い。
1.Aは、実施例に係るIII族窒化物系化合物半導体発光素子100の構成を示す断面図、1.Bは量子井戸構造の発光層13の層構成を示す断面図。
100:III族窒化物系化合物半導体発光素子(青色LED)
13:量子井戸構造の発光層
131b:障壁層(バリア層)
132w:井戸層
133c:保護層

Claims (5)

  1. 多重量子井戸構造を有するIII族窒化物系化合物半導体発光素子において、
    前記多重量子井戸構造は、
    組成にインジウムを含む井戸層と、
    前記井戸層に接して正電極側に形成された、前記井戸層のバンドギャップよりも広いバンドギャップを有する第1の保護層と、
    前記第1の保護層に接して正電極側に形成され、組成にアルミニウムを含み、前記第1の保護層のバンドギャップよりも広いバンドギャップを有する第2の保護層と、
    前記第2の保護層に接して正電極側に形成された、前記第1の保護層のバンドギャップよりも広く、前記第2の保護層のバンドギャップよりも狭いバンドギャップを有する障壁層との繰り返し構造から成ることを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体発光素子。
  2. 前記第1の保護層の厚さは、2Å以上18Å以下であり、
    前記第2の保護層の厚さは、2Å以上18Å以下であることを特徴とする請求項1に記載のIII族窒化物系化合物半導体発光素子。
  3. 前記第1の保護層の厚さと前記第2の保護層の厚さの和は、18Å以下であることを特徴とする請求項2に記載のIII族窒化物系化合物半導体発光素子。
  4. 前記井戸層の厚さは15Å以上50Å以下であり、
    前記障壁層の厚さは15Å以上50Å以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のIII族窒化物系化合物半導体発光素子。
  5. 多重量子井戸構造を有するIII族窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法において、
    前記多重量子井戸構造を形成する際に、
    第1の温度で、組成にインジウムを含む井戸層を形成し、
    前記第1の温度を保持したまま、前記井戸層に接して正電極側に位置する、前記井戸層のバンドギャップよりも広いバンドギャップを有する第1の保護層を形成し、
    前記第1の温度を保持したまま、前記第1の保護層に接して正電極側に位置し、組成にアルミニウムを含み、前記第1の保護層のバンドギャップよりも広いバンドギャップを有する第2の保護層を形成し、
    前記第1の温度よりも10度以上高く、前記第1の温度よりも200度以上の高くない第2の温度で、前記第2の保護層に接して正電極側に位置する、前記第1の保護層のバンドギャップよりも広く、前記第2の保護層のバンドギャップよりも狭いバンドギャップを有する障壁層を形成することを所定回数繰り返すことを特徴とするIII族窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法。
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