JP5330013B2 - エポキシ樹脂組成物および硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、保存安定性に優れかつ信頼性に優れた半導体封止、積層板、放熱基板等の電気・電子材料用絶縁材料として有用なエポキシ樹脂組成物及びそれを用いた成形物に関する。
従来、ダイオード、トランジスタ、集積回路等の電気、電子部品や、半導体装置等の封止方法として、例えばエポキシ樹脂やシリコン樹脂等による封止方法やガラス、金属、セラミック等を用いたハーメチックシール法が採用されていたが、近年では信頼性の向上と共に大量生産が可能で、コストメリットのあるトランスファー成形による樹脂封止が主流を占めている。
トランスファー成形による樹脂封止に用いられる樹脂組成物においては、エポキシ樹脂と、硬化剤としてフェノール樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる封止材料が一般的に使用されている。
パワーデバイスなどの素子を保護する目的で使用されるエポキシ樹脂組成物は、素子が放出する多量の熱に対応するため、結晶シリカなどの無機充填材を高密度に充填している。
パワーデバイスには、ICの技術を組み込んだワンチップで構成されるものやモジュール化されたものなどがあり、封止材料に対する熱放散性、熱膨張性の更なる向上が望まれている。
これらの要求に対応するべく、熱伝導率を向上するために熱伝導率の大きい結晶シリカ、窒化珪素、窒化アルミニウム、球状アルミナ粉末等の無機充填材を含有させるなどの試みがなされているが(特許文献1、2)、無機充填材の含有率を上げていくと成形時の粘度上昇とともに流動性が低下し、成形性が損なわれるという問題が生じる。従って、単に無機充填材の含有率を高める方法には限界があった。
上記背景から、マトリックス樹脂自体の高熱伝導率化によって組成物の熱伝導率を向上する方法も検討されている。例えば、特許文献3、特許文献4および特許文献5には、剛直なメソゲン基を有する液晶性のエポキシ樹脂およびそれを用いたエポキシ樹脂組成物が提案されている。しかし、これらのエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤としては、芳香族ジアミン化合物が使用されており、無機充填材の高充填率化に限界があるとともに、電気絶縁性の点でも問題があった。また、芳香族ジアミン化合物を用いた場合、硬化物の液晶性は確認できるものの、硬化物の結晶化度は低く、高熱伝導性、低熱膨張性、低吸湿性等の点で十分ではなかった。さらには液晶性発現のために、強力な磁場をかけて分子を配向させる必要があり、工業的に広く利用するためには設備的にも大きな制約があった。また、無機充填材との配合系では、マトリックス樹脂の熱伝導率に比べて無機充填材の熱伝導率が圧倒的に大きく、マトリックス樹脂自体の熱伝導率を高くしても、複合材料としての熱伝導率向上には大きく寄与しないという現実があり、十分な熱伝導率向上効果は得られていなかった。
特開平11−147936号公報 特開2002−309067号公報 特開平11−323162号公報 特開平2004−331811号公報 特開平9−118673号公報
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、無機充填材と複合化させた場合の熱伝導率が高く、かつ低熱膨張性で、耐湿性に優れた成形物を与えるエポキシ樹脂組成物を提供し、更にそれを用いた硬化物または成形物を提供することである。
本発明者らは、特定のエステル構造を有するフェノール性化合物を硬化剤として用いた場合、エポキシ樹脂組成物の熱伝導率、低熱膨張性、耐熱性等の物性が特異的に向上することを見出し、本発明に到達した。
本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含むエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分中の50wt%以上がビスフェニレン構造を有する二官能性のエポキシ樹脂であり、硬化剤成分として下記式(1)で表されるジフェニルエステル構造を有する二官能性のフェノール性化合物を硬化剤成分中50wt%以上含むものであり、更に無機充填材を80〜96wt%含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
Figure 0005330013
(但し、R1、R2は、ハロゲン原子、炭素数1〜8の炭化水素基または炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、nは0〜3の数を示す。)
上記エポキシ樹脂成分としては、二官能性エポキシ樹脂であることが好ましい。二官能性エポキシ樹脂としては、下記式(2)で表されるビスフェニレン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく挙げられる。
Figure 0005330013
(但し、Yは、ハロゲン原子、炭素数1〜8の炭化水素基または炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、Xは単結合、−CH2−基、−CO−基、−O−基、−S−基、−SO2−基、−CH=CH−基、−CH=C(Me)−基、−CH=C(CN)−基、−C≡C−基、−CH=N−基、−CH=N(→O)−基、−CH=CH−CO−基、−CH=CH−CO−CH=CH−基、−N=N−基、−N=N(→O)−基、−COO−基、または−CONH−基を示し、pは1〜3の数、mは0〜4の数を示す。)
本発明のエポキシ樹脂組成物は無機充填材を含むことができ、この場合エポキシ樹脂組成物中に無機充填材を50〜96wt%含有することが好ましい。また、無機充填材としては、球状のアルミナが好ましく挙げられ、この使用量は無機充填材の50wt%以上であることがよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、電子材料用のプリント配線板、放熱基板または電子部品封止材用等の電子材料用のエポキシ樹脂組成物として適する。
更に、本発明は、上記のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られることを特徴とする硬化物である。
上記硬化物は、熱伝導率が4W/m・K以上であること、走査示差熱分析における融点のピークが120℃から280℃の範囲にあること、または走査示差熱分析における樹脂成分換算の吸熱量が10J/g以上であることのいずれか1以上を満足することが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、高熱伝導性、低吸水性、低熱膨張性等に優れた成形物を与え、半導体封止、積層板、放熱基板等の電気・電子材料用絶縁材料として好適に応用され、優れた高放熱性および寸法安定性が発揮される。このような特異的な効果が生ずる理由は、樹脂層の配向性が良くなり液晶性または結晶性が向上するためと推察される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤は、上記式(1)で表されるジフェニルエステル構造を有するフェノール性化合物(以下、ジフェニルエステル構造を有するフェノール性化合物またはフェノール性化合物ともいう)を50wt%以上含む。
上記式(1)において、置換基R1、R2はF、Cl、Br等のハロゲン原子、炭素数1〜8の炭化水素基または炭素数1〜8のアルコキシ基を示すが、硬化物における分子の配向性を損なわないために、立体障害の小さいものがよく、好ましくは、水素原子、フッ素原子、メチル基またはメトキシ基である。置換基R1、R2の数はnで表わされ、nは0〜3の整数であるが、好ましくは0である。すなわち、上記置換基を有さないものが好ましい。また、一分子中に置換基R1、R2が2つ以上ある場合、それらは同一であっても良いし、異なっていても良い。それらの置換位置としては、それぞれのベンゼン環において、同じ位置でも良いし異なった位置に置換していてもよいが、分子の対称性の高い同じ位置であることが望ましい。
ジフェニルエステル構造を有するフェノール性化合物は、分子中に上記式(1)のユニットを含むものであればよく、二官能性のフェノール性化合物であってもよいし、一分子中に3つ以上のフェノール性水酸基を有する多官能性のフェノール性化合物であってもよいが、硬化物における分子の配向性を損なわないためには、二次元的に硬化が進行する二官能性のフェノール性化合物が好ましい。
ジフェニルエステル構造を有するフェノール性化合物は、2官能性のフェノール類とジカルボン酸類から生じるエステル、またはヒドロキシ安息香酸類と2官能性のフェノール類から生じるエステルであって、末端にフェノール性OH基を1又は2、好ましくは2有するものが適する。ここで、上記2官能性のフェノール類としては、ハイドロキノン等のジヒドロキシベンゼン類、またはこれらのベンゼン環にメチル基、メトキシ基、フッ素等が置換したジヒドロキシベンゼン類、ジヒドロキシジフェニルメタン、ジヒドロキシビフェニル等が挙げられる。特に好ましくはハイドロキノン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシビフェニルが挙げられる。ジカルボン酸類としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のフタル酸類が挙げられる。また、これらのフタル酸類のベンゼン環に、メチル基、メトキシ基、フッ素等が置換したフタル酸類が挙げられる。更に、ビフェニルテトラカルボン酸類が挙げられる。また、ヒドロキシ安息香酸類のベンゼン環に、メチル基、メトキシ基、フッ素等が置換したヒドロキシ安息香酸類が挙げられる。
上記ジヒドロキシベンゼン類及びフタル酸類の説明は、ジフェニルエステル構造を有するフェノール性化合物の構造を説明するためのものであり、両者を反応原料として使用する必要はないが、有利には、フタル酸類としてその酸無水物又は酸ハライドを反応原料として使用することがよい。2官能性のフェノール類をHO-A1-OHで、フタル酸類をClOC-A2-COClで表わせば、代表的にはHO-A1-OOC-A2-COO-A1-OHで表わされるようなジフェニルエステル構造を有するフェノール性化合物が得られる。2官能性のフェノール類とフタル酸類の使用割合を変化させれば、ポリエステルのオリゴマーが得られるが、末端はOHとなるように反応させることがよい。2官能性のフェノール類をHO-A1-OHで、ヒドロキシ安息香酸類をHO-A3-COOHで表わせば、代表的にはHO-A3-COO-A1-0Hで表わされるようなジフェニルエステル構造を有するフェノール性化合物が得られる。ここで、A1、A2及びA3はそれぞれ、フタル酸類、2官能性のフェノール類及びヒドロキシ安息香酸類に由来する残基である。なお、上記原料を使用するエステル化反応ではいずれも、上記式で表わされるフェノール性化合物の他に、A1、A2又はA3が2又は3以上現れるポリエステル(オリゴマー)が得られるが、末端がOHとなるように反応させることがよく、また、上記式で表わされるフェノール性化合物を50wt%以上含むことがよい。
ジフェニルエステル構造を有するフェノール性化合物としては、下記式(a)〜(c)から選ばれる少なくとも1種のフェノール性化合物が好ましい。
HO-Ar1-OOC-Ar2-COO-Ar1-OH (a)
HO-Ar1-OOC-Ar3-OH (b)
HO-Ar3-COO-Ar2-OOC-Ar3-OH (c)
ここで、Ar1、Ar2及びAr3は、独立にフェニレン基、または一般式(1)におけるR1、R2と同様な置換基を有する置換フェニレン基である。置換フェニレン基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜8の炭化水素基または炭素数1〜8のアルコキシ基を1〜3個有する置換フェニレン基がある。また、Ar1、Ar2及びAr3は、それぞれ、フタル酸類、2官能性のフェノール類及びヒドロキシ安息香酸類に由来する残基と見ることもできる。
2官能性のフェノール類として、ビスフェノールFまたはビフェノールを使用した場合は、Ar2は‐A‐CH2‐A‐または-A-A-(ここで、Aはフェニレン基である)で表わすことができる。ここで、Aはフェニレン基であるが、上記のような置換フェニレン基であることができる。Ar2と同様に、Ar1及びAr3も‐A‐CH2‐A‐または-A-A-で表わされる基であることができる。上記式(a)〜(c)において、Ar1、Ar2及びAr3は、‐A‐CH2‐A‐または-A-A-で表わされる基であることも有利である。
好ましいジフェニルエステル構造を有するフェノール性化合物としては、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)テレフタレート、ビス(3−ヒドロキシフェニル)テレフタレート、ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソフタレート、ビス(4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−p−フェニレン、ビス(4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−m−フェニレンを例示することができる。
また、ジフェニルエステル構造を有するフェノール性化合物は、単一の化合物であってよいし、異性体の混合物であってもよい。さらには、分子量分布を持ったフェノール性樹脂であってもよい。
ジフェニルエステル構造を有するフェノール性化合物の形状については、特に制約はないが、結晶性が強く、融点が高いものは粉末状にして使用することができる点で望ましい。この場合の粒径は細かいものほどよく、好ましくは平均粒径が50μm以下、より好ましくは10μm以下である。粉体で配合することにより、エポキシ樹脂組成物としての保存安定性が向上することが期待できる。
粉末状のフェノール性化合物の調製方法としては、特に手法を問わないが、粉砕機による粉砕、あるいは溶媒中に溶解させ溶液とした後、貧溶媒中に滴下させて析出させる方法等を挙げることができる。粉砕は、機械式の粉砕機を用いてもよいが、より微粉化させるためにはジェットミル粉砕、湿式ボールミル粉砕を行うことが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤としては、本発明の必須成分であるジフェニルエステル構造を有するフェノール性化合物以外に、一般的にエポキシ樹脂硬化剤として知られているものを必要に応じて組み合わせることができるが、好ましくはフェノール性水酸基を有する他のフェノール系硬化剤が選択される。
他のフェノール系硬化剤の具体例として、ビスフェノールA、4,4’−ビスフェノールF、2,4’−ビスフェノールF、2,2’−ビスフェノールF、ビスフェノールFの異性体混合物、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o−クレゾールノボラック、m−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、フルオログリシノール、ピロガロール、t‐ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,4−ジヒドロキシナフタレン、2,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,8−ジヒドロキシナフタレン、上記ジヒドロキシナフタレンのアリル化物又はポリアリル化物、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック、アリル化ピロガロール等を挙げることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の必須成分であるジフェニルエステル構造を有するフェノール性化合物の配合割合が硬化剤成分中50wt%以上であれば、別種のフェノール系硬化剤(化合物または樹脂)を含んでいても良いが、硬化剤中に3官能以上の多官能性の化合物の含有率が高くなると、硬化後の分子の並びの規則性が低下し、高熱伝導性、低熱膨張性、低吸湿性等の効果が低下するため、二官能性のフェノール系硬化剤(ジフェニルエステル構造を有するフェノール性化合物を含めて計算する)の合計量が、硬化剤成分中好ましくは80wt%以上、より好ましくは90wt%以上とすることがよい。
本発明の必須成分であるジフェニルエステル構造を有するフェノール性化合物以外の他のフェノール系硬化剤(化合物または樹脂)として特に好ましいものは、具体的にはヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビスフェノールF(異性体混合物)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、1,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレンを例示することができる。これらフェノール系硬化剤の使用量は、硬化剤成分中50wt%以下であるが、好ましくは30wt%以下である。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤としては、上記のフェノール系硬化剤以外に、硬化剤として一般的に知られている他の硬化剤を併用して用いることができる。例を挙げれば、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、ポリメルカプタン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。これらの硬化剤の配合量は、配合する硬化剤の種類や得られる熱伝導性エポキシ樹脂成形体の物性を考慮して適宜設定すればよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物では、エポキシ樹脂と硬化剤の配合比率は、エポキシ基と硬化剤中の官能基が当量比で0.8〜1.5の範囲である。この範囲外では硬化後も未反応のエポキシ基、又は硬化剤中の官能基が残留し、電気絶縁材料としての信頼性が低下するため好ましくない。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂は、分子中にエポキシ基を2つ以上有するものであればよい。例を挙げれば、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、フルオレンビスフェノール、4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ビフェノール、レゾルシン、カテコール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5‐ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,4−ジヒドロキシナフタレン、2,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,8−ジヒドロキシナフタレン、上記ジヒドロキシナフタレンのアリル化物又はポリアリル化物、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック等の2価のフェノール類、あるいは、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o−クレゾールノボラック、m−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フルオログリシノール、ピロガロール、t−ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂等の3価以上のフェノール類、または、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導されるグリシジルエーテル化物等がある。これら他のエポキシ樹脂は、1種または2種以上を混合して用いることができる。
本発明に用いるエポキシ樹脂として特に好ましいのは、二官能性のエポキシ樹脂であるが、メソゲン基を有するものが好ましい。特に好ましいものは、上記式(2)で表されるビスフェニレン構造を有するエポキシ樹脂である。
上記式(2)において、Yは、F、Cl、Br等のハロゲン原子、炭素数1〜8の炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基を示すが、一分子中にYが2つ以上ある場合、それらが同一であっても良いし、異なっていても良い。mは0〜4の整数であるが、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。pは1〜3の数であるが、好ましくは1〜2の数である。置換基Yを2以上のベンゼン環に有する場合、それらの置換位置としては、一分子中のそれぞれのベンゼン環において、同じ位置でも良いし、異なった位置に置換していてもよく、式(2)のユニット(メソゲン基)は、必ずしも対称性のある構造である必要はない。また、Xは単結合、−CH2−基、−CO−基、−O−基、−S−基、−SO2−基、−CH=CH−基、−CH=C(Me)−基、−CH=C(CN)−基、−C≡C−基、−CH=N−基、−CH=N(→O)−基、−CH=CH−CO−基、−CH=CH−CO−CH=CH−基、−N=N−基、−N=N(→O)−基、−COO−基、または−CONH−基を示す。ここで、一分子中に2つ以上のXを有し、かつXが非対称性の基である場合、その置換位置は全てが同じ向きでも良いし異なっていても良い。
上記ビスフェニレン構造を有するエポキシ樹脂において、エポキシ基は、上記式(2)のユニットに直接、オキシラン基、グリシジル基、あるいはグリシジルエーテル基が結合したものでも良いし、柔軟性のあるスペーサー基としての炭素数2〜30程度のアルカン鎖あるいはオキシアルカン鎖を介して、オキシラン基、グリシジル基、あるいはグリシジルエーテル基が結合したものであってもよい。
中でも、好ましいビスフェニレン構造を有するエポキシ樹脂は、Xが単結合、−CH2−基、−CO−基、−O−基、−S−基、−CH=CH−基、−COO−基、−CONH−基または−CO−基で、Yが水素原子またはメチル基であり、pが0から2の数であるエポキシ樹脂である。そして、上記式(2)の両末端が水酸基であるジヒドロキシ体とエピクロルヒドリンを反応させることにより得られるエポキシ樹脂が好ましい。
ビスフェニレン構造を有するエポキシ樹脂の製法は、特に限定されるものではないが、上記のビスフェニレン構造を有するジヒドロキシ体とエピクロルヒドリンを反応させることにより製造することができる。この反応は、通常のエポキシ化反応と同様に行うことができる。
例えば、ビスフェニレン構造を有するジヒドロキシ体を過剰のエピクロルヒドリンに溶解した後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下に、50〜150℃、好ましくは、60〜100℃の範囲で1〜10時間反応させる方法が挙げられる。この際の、アルカリ金属水酸化物の使用量は、ジヒドロキシ体中の水酸基1モルに対して、0.8〜1.2モル、好ましくは、0.9〜1.0モルの範囲である。エピクロルヒドリンは、ジヒドロキシ体中の水酸基に対して過剰量が用いられ、通常は、ジヒドロキシ体中の水酸基1モルに対して、1.5から15モルである。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解し、濾過し、水洗して無機塩を除去し、次いで溶剤を留去することにより目的のエポキシ樹脂を得ることができる。
上記エピクロルヒドリンとの反応において、ビスフェニレン構造を有するジヒドロキシ体と別種のフェノール化合物と混合させたものを用いて合成することもできる。この場合のビスフェニレン構造を有するジヒドロキシ体の混合比率は50wt%以上であることが望ましい。また、他のフェノール化合物には特に制約はなく、一分子中に水酸基を2個以上有するものの中から選択される。
ビスフェニレン構造を有するエポキシ樹脂のエポキシ当量は、通常150から600の範囲であるが、無機フィラーの高充填率化および流動性向上の観点から低粘度性のものが好ましく、エポキシ当量が160から400の範囲のものが好ましい。
このビスフェニレン構造を有するエポキシ樹脂は、通常、常温で結晶性を有するものである。好ましい融点の範囲は50℃〜250℃であり、より好ましくは、60℃〜150℃の範囲である。これより低いとブロッキング等が起こりやすくなり固体としての取扱い性に劣り、これより高いと硬化剤等との相溶性、溶剤への溶解性等が低下する。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂の純度、特に加水分解性塩素量は、適用する電子部品の信頼性向上の観点より少ない方がよい。特に限定するものではないが、好ましくは1000ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下である。なお、本発明でいう加水分解性塩素とは、以下の方法により測定された値をいう。すなわち、試料0.5gをジオキサン30mlに溶解後、1N−KOH、10mlを加え30分間煮沸還流した後、室温まで冷却し、さらに80%アセトン水100mlを加え、0.002N−AgNO3水溶液で電位差滴定を行い得られる値である。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂は二官能性のエポキシ樹脂であることが望ましいが、二官能性のエポキシ樹脂として上記ビスフェニレン構造を有するエポキシ樹脂を使用する場合、その配合割合は、全エポキシ樹脂の50wt%以上が好ましく、より好ましくは80wt%以上である。さらには、二官能性エポキシ樹脂の合計量が90wt%以上、好ましくは95wt%以上であることが望ましい。これより少ないと硬化物とした際の熱伝導率等の物性向上効果が小さい。これは、ビスフェニレン構造を有するエポキシ樹脂の含有率が高く、かつ二官能性エポキシ樹脂の含有率が高いものほど、成形物としての液晶性または結晶化度が高くなるためである。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、無機充填材が配合されることが好ましい。この場合の無機充填材の添加量は、通常、エポキシ樹脂組成物に対して50〜98wt%であるが、好ましくは50〜96wt%、より好ましくは80〜96wt%、さらに好ましくは86〜96wt%である。これより少ないと高熱伝導性、低熱膨張性、高耐熱性等の効果が十分に発揮されない。これらの効果は、無機充填材の添加量が多いほど向上するが、その体積分率に応じて向上するものではなく、特定の添加量以上となった時点から飛躍的に向上する。これらの物性は、高分子状態での高次構造が制御された効果によるものであり、この高次構造が主に無機充填材表面で達成されることから、特定量の無機充填材を必要とするものであると考えられる。一方、無機充填材の添加量がこれより多いと粘度が高くなり、成形性が悪化する。
無機充填材は球状のものが好ましく、断面が楕円上であるものも含めて球状であれば特に限定されるものではないが、流動性改善の観点からは、極力真球状に近いものであることが特に好ましい。これにより、面心立方構造や六方稠密構造等の最密充填構造をとり易く、充分な充填量を得ることができる。球形でない場合、充填量が増えると充填材同士の摩擦が増え、上記の上限に達する前に流動性が極端に低下して粘度が高くなり、成形性が悪化する。
熱伝導率向上の観点からは、無機充填材の50wt%以上、好ましくは80wt%以上を、熱伝導率が5W/m・K以上のものとすることがよい。かかる無機充填材としては、アルミナ、窒化アルミニウム、結晶シリカ等が好適である。これらの中でも、球状アルミナが優れる。その他、必要に応じて形状に関係なく無定形無機充填材、例えば溶融シリカ、結晶シリカなどを併用しても良い。
また、無機充填材の平均粒径は30μm以下であることが好ましい。平均粒径がこれより大きいとエポキシ樹脂組成物の流動性が損なわれ、また強度も低下する。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、従来より公知の硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば、アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸等があり、具体的には、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−へプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレートなどのテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルポレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルポレートなどのテトラフェニルボロン塩などがある。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、0.2〜10重量部の範囲である。これらは単独で用いても良く、併用しても良い。
上記硬化促進剤の添加量は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計に対して、0.1〜10.0wt%が好ましい。0.1wt%未満ではゲル化時間が遅くなって加熱反応時の剛性低下による作業性の低下をもたらし、逆に10.0wt%を超えると成形途中で反応が進んでしまい、未充填が発生し易くなる。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、上記成分の他に、離型剤、カップリング剤、熱可塑性のオリゴマー類、その他の一般的にエポキシ樹脂組成物に使用可能なものを適宜配合して用いることができる。例えば、リン系難燃剤、ブロム化合物や三酸化アンチモン等の難燃剤、及びカーボンブラックや有機染料等の着色剤等を使用することができる。
離型剤としては、ワックスが使用できる。ワックスとしては、例えばステアリン酸、モンタン酸、モンタン酸エステル、リン酸エステル等が使用可能である。
カップリング剤としては、例えばエポキシシランが使用可能である。カップリング剤の添加量は、エポキシ樹脂組成物に対して、0.1〜2.0wt%が好ましい。0.1wt%未満では樹脂と基材のなじみが悪く成形性が悪くなり、逆に2.0wt%を超えると連続成形性での成形品汚れが生じる。カップリング剤は無機充填材と樹脂成分の接着力を向上させるために用いられる。
熱可塑性のオリゴマー類としては、C5系およびC9系の石油樹脂、スチレン樹脂、インデン樹脂、インデン・スチレン共重合樹脂、インデン・スチレン・フェノール共重合樹脂、インデン・クマロン共重合樹脂、インデン・ベンゾチオフェン共重合樹脂等が例示さえる。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、2〜30重量部の範囲である。熱可塑性のオリゴマー類は、エポキシ樹脂組成物の成形時の流動性改良およびリードフレーム等の基材との密着性向上のために用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂と硬化剤を必須成分として含み、無機充填材等の成分を含む配合成分(カップリング剤を除く)をミキサー等によって均一に混合した後、カップリング剤を添加し、加熱ロール、ニーダー等によって混練して製造することができる。これらの成分の配合順序にはカップリング剤を除き特に制限はない。更に、混練後に溶融混練物の粉砕を行い、パウダー化することやタブレット化することも可能である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、特に電子部品封止用および放熱基板用として優れるので、電子材料用のエポキシ樹脂組成物として適する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、ガラス繊維等の繊維状基材と複合させて複合材とすることができる。例えば、エポキシ樹脂および硬化剤を主成分としたエポキシ樹脂組成物を有機溶剤に溶解させたものを、シート状繊維基材に含浸し加熱乾燥して、エポキシ樹脂を部分反応させて、プリプレグとすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて硬化成形物を得るためには、例えば、トランスファー成形、プレス成形、注型成形、射出成形、押出成形等の加熱成形方法が適用されるが、量産性の観点からは、トランスファー成形が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂および硬化剤がともに二官能性のもののみから構成された場合においても、加熱反応させた場合、エポキシ樹脂と硬化剤が反応して生成する水酸基の一部がさらにエポキシ樹脂中のエポキシ基と反応するため、通常は三次元硬化物を与えるが、場合により有機溶剤の使用、硬化促進剤種の選択、および反応温度等の加熱反応条件の制御により、実質的に二次元高分子のみで構成された熱可塑性の成形物とすることができる。
本発明の硬化物又は硬化成形物は、上記成形方法により加熱反応させることにより得ることができるが、通常、成形温度としては80℃から300℃であるが、成形物の結晶化度を上げるためには、成形物の融点よりも低い温度で反応させることが望ましい。好ましい成形温度は100℃から250℃の範囲であり、より好ましくは130℃から200℃である。また、好ましい成形時間は30秒から1時間であり、より好ましくは1分から30分である。さらに成形後、ポストキュアにより、さらに結晶化度を上げることができる。通常、ポストキュア温度は130℃から280℃であり、時間は1時間から20時間の範囲であるが、示差熱分析における吸熱ピーク温度よりも5℃から40℃低い温度で、1時間から24時間かけてポストキュアを行うことが望ましい。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
参考例1(4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステルの合成例)
2Lフラスコに4−ヒドロキシ安息香酸207g(1.5mol)とハイドロキノン165g (1.5 mol)、ホウ酸3g 、キシレン900mLを加え攪拌し、濃硫酸4.1gを少しずつ滴下した。その後還流脱水し、脱水量より反応を確認して30分攪拌した後、室温でろ過し固形物を取り出した。それを再びフラスコに戻し1%炭酸水素ナトリウム水溶液500mLで中和した。ろ過後、固形物を水600mLで水洗し乾燥した。さらに、過熱してアセトンに溶解後、水を加えて結晶を析出させ、その後、ろ過、乾燥して白色固体164.6gを得た。
この生成物のDSC法に基づく融点は240.9℃、GPC測定より求められた4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル(または、4-ヒドロキシフェニル-オキシカルボニル-4-フェノール)の純度は97.5%であった。ここで、融点とは、走査示差熱分析装置を用いて昇温速度5℃/分で得られる値である。また、GPC測定は、装置;日本ウォーターズ(株)製、515A型、カラム;TSK−GEL2000×3本およびTSK−GEL4000×1本(いずれも東ソー(株)製)、溶媒;テトラヒドロフラン、流量;1 ml/min、温度;38℃、検出器;RIの条件に従った。
参考例2(ビス(4−ヒドロキシフェニル)テレフタレートの合成例)
2Lフラスコにハイドロキノン110g (1.0mol)をアセトン480 mLとピリジン81.5mL(1.0 mol)を仕込み、氷浴冷却中において攪拌しながらアセトン720mLに溶解したテレフタル酸クロライド100g(0.49 mol)を約30分かけて滴下した。1時間攪拌後、混合物をろ過し、固形分を水600mlで数回洗浄し乾燥した後、白色固体146.1gを得た。DSC法に基づく融点は291.6℃、GPC測定より求められたビス(4−ヒドロキシフェニル)テレフタレートの純度は86.2%、ハイドロキノンとテレフタル酸クロライドの3:2の反応物が7.6%、4:3の反応物が2.3%であった。水酸基当量は186g/eq.であった。
参考例3(ビス(3−ヒドロキシフェニル)テレフタレートの合成例)
2Lフラスコにレゾルシン88g (0.8mol)をアセトン384mlとピリジン65 mL(0.8 mol)を仕込み、氷浴冷却中において攪拌しながらアセトン580 mlに溶解したテレフタル酸クロライド80 g( 0.39mol)を約1時間かけて滴下した。1時間攪拌後、混合物をろ過し、ろ液を回収してアセトンを600ml留去し、1Lの水に滴下しろ過を行い、水洗を繰り返し白色固体88.0gを得た。DSC法に基づく融点のピークは153.5−161.0および270.3 ℃に認められた。GPC測定より求められたビス(3−ヒドロキシフェニル)テレフタレートの純度は48.5%、レゾルシンとテレフタル酸クロライドの3:2の反応物が34.8%、4:3の反応物が14.1%、5:4の反応物が1.8%であった。水酸基当量は263g/eq.であった。
参考例4(ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソフタレートの合成例)
2Lセパラフラスコにハイドロキノン110g (1.0 mol)をアセトン480 mLとピリジン81.5 mL( 1.0 mol)を仕込み、氷浴冷却中において攪拌しながら、アセトン700 mL中のイソフタル酸クロライド100g(0.49 mol)を1時間かけて滴下した。さらに1時間攪拌後、混合物をろ過し、固形分を水600mLで数回洗浄した後、ろ液を回収しアセトンを約300mL留去し、水2600mLに滴下した。ここで生じた固形物をろ過により取り出し、乾燥後白色固体121.0gを得た。DSC法に基づく融点のピークは162.3、および194.2℃に認められた。GPC測定より求められたビス(4−ヒドロキシフェニル)イソフタレートの純度は66.9%、ハイドロキノンとイソフタル酸クロライドの3:2の反応物が29.9%、4:3の反応物が1.9%であった。水酸基当量は244g/eq.であった。
参考例5(ビス(4−(4−ヒドロキシベンジル)フェニル)テレフタレートの合成例)
2Lセパラフラスコに4,4’−ビスフェノールF 105g (0.52 mol)をアセトン480 mlとピリジン44mL(0.55mol)中を仕込み、氷浴冷却中において攪拌しながらアセトン360 mLに溶解したテレフタル酸クロライド49.9g( 0.25mol)を約30分かけて滴下した。1時間攪拌後、混合物をろ過し、固形分を水600mLで数回洗浄し乾燥した後、白色個体を77.0g得た。DSC法に基づく融点のピークは190.8、および219.2℃に認められた。GPC測定より求められたビス(4−(4−ヒドロキシベンジル)フェニル)テレフタレートの純度は18.8%、4,4’−ビスフェノールFとテレフタル酸クロライドの3:2の反応物が35.9%、4:3の反応物が23.1%、5:4以上の反応物が10.4%、未反応4,4’−ビスフェノールFが9.7%であった。水酸基当量は557g/eq.であった。
実施例1〜7、比較例1〜4
エポキシ樹脂として、ビフェニル系エポキシ樹脂(エポキシ樹脂A:ジャパンエポキシレジン製、YL−6121(4,4’−ジヒドロキシビフェニルのエポキシ化物と3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニルのエポキシ化物との1:1の混合物)、エポキシ当量183)、ジフェニルエーテル系エポキシ樹脂(エポキシ樹脂B:東都化成製、YSLV−80DE、エポキシ当量175)を使用する。硬化剤として、
参考例1で得たジヒドロキシエステル化合物(硬化剤A)、参考例2で得たジヒドロキシエステル化合物(硬化剤B)、参考例3で得たジヒドロキシエステル化合物(硬化剤C)、参考例4で得たジヒドロキシエステル化合物(硬化剤D)、および参考例5で得たジヒドロキシエステル化合物(硬化剤E)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン(硬化剤F)、フェノ−ルノボラック(硬化剤G:群栄化学製、PSM−4261;OH当量103、軟化点 80℃)を使用する。硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン、無機充填材として、球状アルミナ(平均粒径12.2μm)を使用する。
表1に示す成分を配合し、ミキサーで十分混合した後、加熱ロールで約5分間混練したものを冷却し、粉砕してそれぞれ実施例1〜7、比較例1〜4のエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を用いて170℃、5分の条件で成形後、170℃で12時間ポストキュアを行い硬化成形物を得て、その物性を評価した。結果をまとめて表1に示す。なお、表1中の各成分の数字は重量部を表す。
[評価]
(1)熱伝導率
熱伝導率は、NETZSCH製LFA447型熱伝導率計を用いて非定常熱線法により測定した。
(2)融点、融解熱の測定(DSC法)
示差走査熱量分析装置(セイコーインスツル製DSC6200型)を用い、昇温速度10℃/分で測定した。
(3)熱(線)膨張係数、ガラス転移温度
熱膨張係数およびガラス転移温度は、セイコーインスツル(株)製TMA120C型熱機械測定装置を用いて、昇温速度10℃/分にて測定した。
(3)吸水率
直径50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、ポストキュア後、85℃、相対湿度85%の条件で100時間吸湿させた後の重量変化率とした。
Figure 0005330013

Claims (10)

  1. エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填材を含むエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分中の50wt%以上がビスフェニレン構造を有する二官能性のエポキシ樹脂であり、下記式(1)で表されるジフェニルエステル構造を有する二官能性のフェノール性化合物を硬化剤成分中50wt%以上含むものであり、更に無機充填材を80〜96wt%含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
    Figure 0005330013
    (但し、R1、R2は、ハロゲン原子、炭素数1〜8の炭化水素基または炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、nは0〜3の数を示す。)
  2. ジフェニルエステル構造を有する二官能性のフェノール性化合物が、下記式(a)〜(c)から選ばれる少なくとも1種のフェノール性化合物である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
    HO-Ar1-OOC-Ar2-COO-Ar1-OH (a)
    HO-Ar1-OOC-Ar3-OH (b)
    HO-Ar3-COO-Ar2-OOC-Ar3-OH (c)
    (但し、Ar1、Ar2及びAr3は、独立にフェニレン基、またはハロゲン原子、炭素数1〜8の炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基を1〜3個有する置換フェニレン基、または‐A‐CH2‐A‐若しくは-A-A-で表わされる基を示す。ここで、Aはフェニレン基または上記置換フェニレン基である。)
  3. ジフェニルエステル構造を有する二官能性のフェノール性化合物が、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエステル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)テレフタレート、ビス(3−ヒドロキシフェニル)テレフタレート、ビス(4−ヒドロキシフェニル)イソフタレート、ビス(4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−p−フェニレンまたはビス(4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)−m−フェニレンである請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 二官能性のエポキシ樹脂が、メソゲン基を有する二官能性のエポキシ樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 二官能性のエポキシ樹脂が下記式(2)で表されるビスフェニレン構造を有するエポキシ樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 0005330013
    (但し、Yはハロゲン原子、炭素数1〜8の炭化水素基または炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、Xは単結合、−CH2−基、−CO−基、−O−基、−S−基、−SO2−基、−CH=CH−基、−CH=C(Me)−基、−CH=C(CN)−基、−C≡C−基、−CH=N−基、−CH=N(→O)−基、−CH=CH−CO−基、−CH=CH−CO−CH=CH−基、−N=N−基、−N=N(→O)−基、−COO−基、または−CONH−基を示し、pは1〜3の数、mは0〜4の数を示す。)
  6. ビスフェニレン構造を有するエポキシ樹脂の配合割合が、全エポキシ樹脂の80wt%以上である請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 硬化剤成分中の80wt%以上が、二官能性のフェノール系硬化剤である請求項1〜6のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. エポキシ樹脂成分中の90wt%以上が、二官能性のエポキシ樹脂である請求項1〜7のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 無機充填材の50wt%以上が球状のアルミナである請求項1〜8のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を成形硬化して得られることを特徴とする硬化物。
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