JP2009073862A - 封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低熱膨張性および成形性に優れ、無機充填材と複合化させた場合の熱伝導率が高く、かつ低熱膨張性で耐熱性および耐湿性に優れたパッケージを与える封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、及び(C)無機充填材よりなる封止用エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分として、下記一般式(1)、
【化1】
(但し、nは0以上の数、mは1〜3の整数を示す。)で表されるジフェニルエーテル構造を持つエポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分中50wt%以上用い、無機充填材の含有率が全組成物中80〜95質量%であり、かつ無機充填材成分中、球状無機充填材が50wt%以上である封止用エポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、及び(C)無機充填材よりなる封止用エポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分として、下記一般式(1)、
【化1】
(但し、nは0以上の数、mは1〜3の整数を示す。)で表されるジフェニルエーテル構造を持つエポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分中50wt%以上用い、無機充填材の含有率が全組成物中80〜95質量%であり、かつ無機充填材成分中、球状無機充填材が50wt%以上である封止用エポキシ樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、半導体装置の封止用エポキシ樹脂組成物に関し、又、それを用いた半導体装置に関する。
従来、ダイオード、トランジスタ、集積回路等の電気、電子部品や、半導体装置等の封止方法として、例えばエポキシ樹脂やシリコン樹脂等による封止方法やガラス、金属、セラミック等を用いたハーメチックシール法が採用されていたが、近年では信頼性の向上と共に大量生産が可能な、又、コストメリットのあるトランスファー成形による樹脂封止が主流を占めている。
上記トランスファー成形による樹脂封止方法に用いられる樹脂組成物においては、エポキシ樹脂と、硬化剤としてフェノール樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる封止材料が一般的に使用されている。
現在、パワーデバイスなどの素子を保護する目的で使用されるエポキシ樹脂組成物は、素子が放出する多量の熱に対応するため、結晶シリカなどの無機充填材を高密度に充填している。
さらには、近年、パワーデバイスは、ICの技術を組み込んだワンチップで構成されるものやモジュール化されたものなどがあり、封止材料に対する熱放散性、熱膨張性の更なる向上が望まれている。
これらの要求に対応するべく、熱伝導率を向上するために結晶シリカ、窒化珪素、窒化アルミニウム、球状アルミナ粉末を使用するといった試みがなされている(特許文献1、2)が、無機充填材の含有率を上げていくと成形時の粘度上昇とともに流動性が低下し、成形性が損なわれるといった問題が生じる。従って、単に無機充填材の含有率を高める方法には限界があった。
上記背景から、マトリックス樹脂自体の高熱伝導率化が求められており、例えば、特許文献3および特許文献4には、剛直なメソゲン基を有する液晶性の樹脂を用いた樹脂組成物が提案されている。しかし、これらメソゲン基を有するエポキシ樹脂は、ビフェニル構造、アゾメチン構造等の剛直な構造を有する高結晶性で高融点の分子量分布を持たない実質上単一のエポキシ化合物であるため、エポキシ樹脂組成物とする際の作業性に劣る欠点があった。さらには、硬化状態において分子を効率よく配向させるためには強力な磁場をかけて硬化させる必要があり、工業的に広く利用するためには設備上の大きな制約があった。一方、マトリックス樹脂の熱伝導率に比べて無機充填材の熱伝導率が圧倒的に大きく、マトリックス樹脂自体の熱伝導率を高くしても、現実問題として、複合材料としての熱伝導率向上には大きく寄与しない問題があった。
特許文献5には、フリップチップ方式等により半導体素子が実装された半導体装置の接続用電極部にかかる負荷を効率的に封止樹脂層に分散させて軽減し、温度サイクル等の過酷な環境条件下においても、半導体装置の導通性を確保するためのエポキシ樹脂組成物が開示されているが、エポキシ樹脂としてはビスフェノール型エポキシ樹脂等が開示されているにとどまる。特許文献6には、ビスフェノール型エポキシ樹脂を使用した半導体封止用のエポキシ樹脂組成物が開示されているが、硬化剤の検討はなされておらず、また低吸湿性及び耐熱性の向上を目的とする。特許文献7には、流動性が良好であり、金型摩耗が少なく、高熱伝導性を有する硬化物を与える球状クリストバライトを含有する高熱伝導性エポキシ樹脂組成物が開示されているが、これを達成する手段は充填材の改良であって、樹脂を改良しようとするものではない。特許文献8には、無機充填材が高充填されて、熱伝導性に優れた成形物を得ることができるエポキシ樹脂組成物が開示されているが、これを達成する手段は充填材の改良であって、樹脂を改良しようとするものではない。また、本発明者らの発明に係わる特許文献9では、無機充填材を配合した系での熱伝導率の挙動は明らかにされていない。
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、成形性に優れ、無機充填材と複合化させた場合の熱伝導率が高く、かつ低熱膨張性で耐熱性および耐湿性に優れたパッケージを与える封止用エポキシ樹脂組成物を提供し、更にそれを用いた半導体装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、及び無機充填材よりなる封止用エポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂成分として、下記一般式(1)、
(但し、nは0以上の数、mは1〜3の整数を示す。)で表されるジフェニルエーテル構造を持つエポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分中50wt%以上用い、無機充填材の含有率が全組成物中80〜95質量%であり、かつ無機充填材成分中、球状無機充填材が50wt%以上であることを特徴とする封止用エポキシ樹脂組成物である。すなわち、樹脂層と球状無機充填材の界面における熱抵抗が小さくなるためと推察されるが、本エポキシ樹脂と球状無機充填材を組み合わせた場合において、複合材料としての熱伝導率が特異的に向上することを見出し、本発明に到達したものである。
さらに本発明は、上記の封止用エポキシ樹脂組成物を用いて得られる半導体装置である。
本発明をさらに説明する。
上記一般式(1)で表されるエポキシ樹脂は、下記一般式(3)、
(但し、mは1〜3の整数を示す。)で表されるビスフェノール化合物とエピクロルヒドリンを反応させることにより製造することができる。この反応は、通常のエポキシ化反応と同様に行うことができる。
例えば、上記一般式(3)のビスフェノール化合物を過剰のエピクロルヒドリンに溶解した後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下に、50〜150℃、好ましくは、60〜100℃の範囲で1〜10時間反応させる方法が挙げられる。この際の、アルカリ金属水酸化物の使用量は、ビスフェノール化合物中の水酸基1モルに対して、0.8〜1.2モル、好ましくは、0.9〜1.0モルの範囲である。エピクロルヒドリンは、ビスフェノール化合物中の水酸基に対して過剰量が用いられ、通常は、ビスフェノール化合物中の水酸基1モルに対して、1.5から15モルである。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解し、濾過し、水洗して無機塩を除去し、次いで溶剤を留去することにより目的のエポキシ樹脂を得ることができる。
上記一般式(1)において、nは0以上の数であるが、nの値はエポキシ樹脂の合成反応時に用いるエピクロルヒドリンのビスフェノール化合物に対するモル比を変えることにより、容易に調整することができる。また、nの平均値としては、0.01〜1.0の範囲が融点および粘度の点で好ましい。これより大きいと融点および粘度が高くなり取り扱い性が低下する。
本発明に用いるエポキシ樹脂の原料として用いるビスフェノール化合物は、上記一般式(3)で表され、mは1、2又は3であるが、好ましくは1又は2である。具体的には、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ジフェニルエーテルを挙げることができる。エポキシ樹脂の原料としては、これらの混合物であっても良いが、好ましくは4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテルの含有率が50wt%以上のものである。
本発明に用いるエポキシ樹脂は、一般式(1)で表されるエポキシ樹脂を全エポキシ樹脂中50wt%以上、好ましくは70wt%以上含む。一般式(1)で表されるエポキシ樹脂のエポキシ当量は、通常160から500の範囲であるが、好ましいエポキシ当量は、用いるビスフェノール化合物の構造によって異なるが、無機充填材の高充填率化および流動性向上の観点から低粘度性のものが好ましく、上記一般式(1)においてn=0体を主成分とするエポキシ当量が160から300の範囲のものが好ましい。
一般式(1)で表されるエポキシ樹脂は、常温で固形の結晶性のものが好ましく、望ましい融点は70℃以上である。また、好ましい150℃での溶融粘度は0.005から0.1Pa・sである。この融点および溶融粘度は、2種類以上のエポキシ樹脂を使用する場合においては、混合物としてこれを満足することが好ましい。
本発明に用いるエポキシ樹脂の純度、特に加水分解性塩素量は、適用する電子部品の信頼性向上の観点より少ない方がよい。特に限定するものではないが、好ましくは1500ppm以下、さらに好ましくは700ppm以下である。なお、本発明でいう加水分解性塩素とは、以下の方法により測定された値をいう。すなわち、試料0.5gをジオキサン30mlに溶解後、1N−KOH、10mlを加え30分間煮沸還流した後、室温まで冷却し、さらに80%アセトン水100mlを加え、0.002N−AgNO3水溶液で電位差滴定を行い得られる値である。
本発明に用いるエポキシ樹脂には、本発明の必須成分として使用される一般式(1)で表されるエポキシ樹脂以外に、分子中にエポキシ基を2個以上有する通常のエポキシ樹脂を併用してもよい。例を挙げれば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−ジヒドロキシジフェニルケトン、フルオレンビスフェノール、4,4'−ビフェノール、3,3',5,5'−テトラメチル−4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,2'−ビフェノール、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、t‐ブチルカテコール、t‐ブチルハイドロキノン、1,2‐ジヒドロキシナフタレン、1,3‐ジヒドロキシナフタレン、1,4‐ジヒドロキシナフタレン、1,5‐ジヒドロキシナフタレン、1,6‐ジヒドロキシナフタレン、1,7‐ジヒドロキシナフタレン、1,8‐ジヒドロキシナフタレン、2,3‐ジヒドロキシナフタレン、2,4‐ジヒドロキシナフタレン、2,5‐ジヒドロキシナフタレン、2,6‐ジヒドロキシナフタレン、2,7‐ジヒドロキシナフタレン、2,8‐ジヒドロキシナフタレン、上記ジヒドロキシナフタレンのアリル化物又はポリアリル化物、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック等の2価のフェノール類、あるいは、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o‐クレゾールノボラック、m‐クレゾールノボラック、p‐クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ‐p‐ヒドロキシスチレン、トリス−(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、フルオログリシノール、ピロガロール、t‐ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4‐ベンゼントリオール、2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノン、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂等の3価以上のフェノール類、または、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導されるグリシジルエーテル化物等がある。これらのエポキシ樹脂は、1種または2種以上を混合して用いることができる。
一般式(1)で表されるエポキシ樹脂のエポキシ樹脂組成物中の配合割合は、エポキシ樹脂成分中50wt%以上であるが、好ましくは70wt%以上である。これより少ないと硬化物とした際の熱伝導率の向上効果が小さい。
本発明に用いる硬化剤としては、一般的にエポキシ樹脂硬化剤として知られているものは全て使用できるが、好ましい硬化剤はフェノール系の硬化剤であり、その具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4'−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4'−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,2'−ジヒドロキシビフェニル、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o‐クレゾールノボラック、m‐クレゾールノボラック、p‐クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ‐p‐ヒドロキシスチレン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、t‐ブチルカテコール、t‐ブチルハイドロキノン、フルオログリシノール、ピロガロール、t‐ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4‐ベンゼントリオール、2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノン、1,2‐ジヒドロキシナフタレン、1,3‐ジヒドロキシナフタレン、1,4‐ジヒドロキシナフタレン、1,5‐ジヒドロキシナフタレン、1,6‐ジヒドロキシナフタレン、1,7‐ジヒドロキシナフタレン、1,8‐ジヒドロキシナフタレン、2,3‐ジヒドロキシナフタレン、2,4‐ジヒドロキシナフタレン、2,5‐ジヒドロキシナフタレン、2,6‐ジヒドロキシナフタレン、2,7‐ジヒドロキシナフタレン、2,8‐ジヒドロキシナフタレン、上記ジヒドロキシナフタレンのアリル化物又はポリアリル化物、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック、アリル化ピロガロール等が挙げられる。
本発明に用いる硬化剤成分は2種類以上の硬化剤を混合して使用しても良いが、特に好ましいものは、硬化剤成分として二官能性フェノール化合物を硬化剤成分中50wt%以上、さらに好ましくは70wt%以上含むものである。この場合の二官能性フェノール化合物としては、4,4'-ジヒドロキシビフェニル、4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、1,5-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオール、2,6-ナフタレンジオール、ハイドロキノン、レゾルシンより選択される。これらの中で、特に4,4'-ジヒドロキシビフェニル、4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'-ジヒドロキシジフェニルメタンが好ましい。
本発明の硬化剤としては、上記のフェノール系硬化剤以外に、硬化剤として一般的に知られている硬化剤を併用して用いることができる。例を挙げれば、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、ポリメルカプタン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。これらの硬化剤の配合量は、配合する硬化剤の種類や得られる熱伝導性エポキシ樹脂成形体の物性を考慮して適宜設定すればよい。
アミン系硬化剤の具体例としては、脂肪族アミン類、ポリエーテルポリアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等が挙げられる。脂肪族アミン類としては、エチレンジアミン、1,3‐ジアミノプロパン、1,4‐ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、2,5‐ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N‐ヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラ(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等が挙げられる。ポリエーテルポリアミン類としては、トリエチレングリコールジアミン、テトラエチレングリコールジアミン、ジエチレングリコールビス(プロピルアミン)、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン類等が挙げられる。脂環式アミン類としては、イソホロンジアミン、メタセンジアミン、N‐アミノエチルピペラジン、ビス(4‐アミノ‐3‐メチルジシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9‐ビス(3‐アミノプロピル)2,4,8,10‐テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、ノルボルネンジアミン等が挙げられる。芳香族アミン類としては、テトラクロロ‐p‐キシレンジアミン、m‐キシレンジアミン、p‐キシレンジアミン、m‐フェニレンジアミン、o‐フェニレンジアミン、p‐フェニレンジアミン、2,4‐ジアミノアニゾール、2,4‐トルエンジアミン、2,4‐ジアミノジフェニルメタン、4,4'‐ジアミノジフェニルメタン、4,4'‐ジアミノ‐1,2‐ジフェニルエタン、2,4‐ジアミノジフェニルスルホン、4,4'‐ジアミノジフェニルスルホン、m‐アミノフェノール、m‐アミノベンジルアミン、ベンジルジメチルアミン、2‐ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエタノールアミン、メチルベンジルアミン、α‐(m‐アミノフェニル)エチルアミン、α‐(p‐アミノフェニル)エチルアミン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、α,α'‐ビス(4‐アミノフェニル)‐p‐ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤の具体例としては、ドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート、無水ヘット酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、5‐(2,5‐ジオキソテトラヒドロ‐3‐フラニル)‐3‐メチル‐3‐シクロヘキサン‐1,2‐ジカルボン酸無水物、3,4‐ジカルボキシ‐1,2,3,4‐テトラヒドロ‐1‐ナフタレンコハク酸二無水物、1‐メチル‐ジカルボキシ‐1,2,3,4‐テトラヒドロ‐1‐ナフタレンコハク酸二無水物等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物では、エポキシ樹脂と硬化剤の配合比率は、エポキシ基と硬化剤中の官能基が当量比で0.8〜1.5の範囲であることが好ましい。この範囲外では硬化後も未反応のエポキシ基、又は硬化剤中の官能基が残留し、封止機能に関しての信頼性が低下するため好ましくない。
本発明に使用する球状無機充填材の添加量は、エポキシ樹脂組成物に対して80〜95質量%であるが、好ましくは83〜93質量%である。これより少ないと高い熱伝導性、低い熱膨張性といった本発明が目的とする効果を発揮できず、又、これより多いと粘度が高くなり、成形性が悪化するため好ましくない。
本発明に用いる球状無機充填材は、断面が楕円上であるものも含めて球状であれば特に限定されるものではないが、流動性改善の観点からは、極力真球状に近いものであることが好ましい。これにより、面心立方構造や六方稠密構造等の最密充填構造をとり易く、充分な充填量を得ることができる。球形でない場合、充填量が増えると充填材同士の摩擦が増え、上記の上限に達する前に流動性が極端に低下して粘度が高くなり、成形性が悪化するため好ましくない。
使用する球状無機充填材のうち、熱伝導率が5W/m・K以上のものが50wt%以上であることが好ましく、アルミナ、窒化アルミニウム、結晶シリカ等が好適に使用される。これらの中で特に好ましいものは、球状アルミナである。その他、必要に応じて形状に関係なく無定形無機充填材、例えば溶融シリカ、結晶シリカなどを併用しても良い。
本発明に使用する球状無機充填材の平均粒径は30μm以下であることが好ましい。平均粒径がこれより大きいとエポキシ樹脂組成物の流動性が損なわれ、また強度も低下するため好ましくない。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、従来より公知の硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば、アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸等があり、具体的には、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−へプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレートなどのテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルポレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルポレートなどのテトラフェニルボロン塩などがある。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、0.2〜10重量部の範囲である。これらは単独で用いても良く、併用しても良い。
上記硬化触媒の添加量は、エポキシ樹脂(難燃剤としての含ハロゲンエポキシ樹脂を含む)と硬化剤の合計に対して、0.1〜10.0質量%が好ましい。0.1質量%未満ではゲル化時間が遅くなって硬化時の剛性低下による作業性の低下をもたらし、逆に10.0質量%を超えると成形途中で硬化が進んでしまい、未充填が発生し易くなる。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、封止用エポキシ樹脂組成物に一般的に用いられる離型剤としてワックスが使用できる。ワックスとしては、例えばステアリン酸、モンタン酸、モンタン酸エステル、リン酸エステル等が使用可能である。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、無機充填材と樹脂成分の接着力を向上させるため、封止用エポキシ樹脂組成物に一般的に用いられるカップリング剤を用いることができる。カップリング剤としては、例えばエポキシシランが使用可能である。カップリング剤の添加量は、封止用エポキシ樹脂組成物に対して、0.1〜2.0質量%が好ましい。0.1質量%未満では樹脂と基材のなじみが悪く成形性が悪くなり、逆に2.0質量%を超えると連続成形性での成形品汚れが生じる。
また本発明のエポキシ樹脂組成物には、成形時の流動性改良およびリードフレーム等との密着性向上の観点より、熱可塑性のオリゴマー類を添加することができる。熱可塑性のオリゴマー類としては、C5系およびC9系の石油樹脂、スチレン樹脂、インデン樹脂、インデン・スチレン共重合樹脂、インデン・スチレン・フェノール共重合樹脂、インデン・クマロン共重合樹脂、インデン・ベンゾチオフェン共重合樹脂等が例示さえる。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、2〜30重量部の範囲である。
さらに本発明のエポキシ樹脂組成物には、一般的に封止用エポキシ樹脂組成物に使用可能なものを適宜配合して用いることができる。例えば、リン系難燃剤、ブロム化合物や三酸化アンチモン等の難燃剤、及びカーボンブラックや有機染料等の着色剤等を使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材と、カップリング剤以外のその他の成分をミキサー等によって均一に混合した後、カップリング剤を添加し、加熱ロール、ニーダー等によって混練して製造する。これらの成分の配合順序には特に制限はない。更に又、混練後に溶融混練物の粉砕を行い、パウダー化することやタブレット化することも可能である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、特に半導体装置に封止用として用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて硬化物を得るためには、例えば、トランスファー成形、プレス成形、注型成形、射出成形、押出成形等の方法が適用されるが、量産性の観点からは、トランスファー成形が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、高熱伝導性の観点から結晶性を有するものであることが好ましい。硬化物の結晶性の発現は、走査示差熱分析で結晶の融解に伴う吸熱ピークを融点として観測により確認することができる。好ましい融点は150℃から300℃の範囲であり、より好ましくは170℃から250℃の範囲である。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物の結晶化度は高いものほどよく、結晶化の程度は走査示差熱分析での結晶の融解に伴う吸熱量から評価することができる。好ましい吸熱量は、充填材を除いた樹脂成分の単位重量あたり10J/g以上である。より好ましくは15J/g以上であり、特に好ましくは30J/g以上である。これより小さいとエポキシ樹脂硬化物としての熱伝導率向上効果が小さい。また、低熱膨張性および耐熱性向上の観点からも結晶性が高いほど好ましい。なお、ここでいう吸熱量は、示差熱分析計により、約10mgを精秤した試料を用いて、窒素気流下、昇温速度10℃/分の条件で測定して得られる吸熱量を指す。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物の熱伝導率は高いものほどよく、好ましくは3W/m・K以上である。
本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、上記成形方法により加熱硬化させることにより得ることができるが、通常、成形温度としては80℃から250℃であるが、エポキシ樹脂硬化物の結晶化度を上げるためには、硬化物の融点よりも低い温度で硬化させることが望ましい。好ましい硬化温度は100℃から200℃の範囲であり、より好ましくは130℃から180℃である。また、好ましい硬化時間は30秒から1時間であり、より好ましくは1分から30分である。さらに成形後、ポストキュアにより、さらに結晶化度を上げることができる。通常、ポストキュア温度は130℃から250℃であり、時間は1時間から20時間の範囲であるが、好ましくは、示差熱分析における吸熱ピーク温度よりも5℃から40℃低い温度で、1時間から24時間かけてポストキュアを行うことが望ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、成形性、信頼性に優れ、かつ高熱伝導性に優れた硬化物を与え、半導体素子等の封止材として好適に応用され、優れた高放熱性および寸法安定性が発揮される。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
参考例1
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル 202gをエピクロルヒドリン1400gに溶解し、減圧下(約120mmHg、60℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液161.6gを4時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、溜出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに1時間反応を継続した。その後、濾過により生成した塩を除き、さらに水洗したのちエピクロルヒドリンを留去し、淡黄白色の粗製エポキシ樹脂302gを得た。エポキシ当量は171であり、加水分解性塩素は4200ppmであった。得られたエポキシ樹脂をメチルイソブチルケトン6000mlに溶解し、20%水酸化ナトリウム水溶液15.0gを加え、80℃で2時間反応させた。反応後、濾過、水洗を行った後、溶媒であるメチルイソブチルケトンを減圧留去し、淡黄白色のエポキシ樹脂278gを得た(エポキシ樹脂A)。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は163、加水分解性塩素は280ppm、融点は78から84℃、150℃での粘度は6.2mPa・sであった。また、得られた樹脂のGPC測定より求められた一般式(1)における各成分比は、n=0が91.5%、n=1が8.5%であった。
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル 202gをエピクロルヒドリン1400gに溶解し、減圧下(約120mmHg、60℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液161.6gを4時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、溜出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに1時間反応を継続した。その後、濾過により生成した塩を除き、さらに水洗したのちエピクロルヒドリンを留去し、淡黄白色の粗製エポキシ樹脂302gを得た。エポキシ当量は171であり、加水分解性塩素は4200ppmであった。得られたエポキシ樹脂をメチルイソブチルケトン6000mlに溶解し、20%水酸化ナトリウム水溶液15.0gを加え、80℃で2時間反応させた。反応後、濾過、水洗を行った後、溶媒であるメチルイソブチルケトンを減圧留去し、淡黄白色のエポキシ樹脂278gを得た(エポキシ樹脂A)。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は163、加水分解性塩素は280ppm、融点は78から84℃、150℃での粘度は6.2mPa・sであった。また、得られた樹脂のGPC測定より求められた一般式(1)における各成分比は、n=0が91.5%、n=1が8.5%であった。
ここで、加水分解性塩素とは、試料0.5gをジオキサン30mlに溶解後、1N−KOH、10mlを加え30分間煮沸還流した後、室温まで冷却し、さらに80%アセトン水100mlを加えたものを、0.002N−AgNO3水溶液で電位差滴定を行うことにより測定された値である。また融点とは、キャピラリー法により昇温速度2℃/分で得られる値である。粘度はBROOKFIELD製、CAP2000Hで測定し、軟化点はJIS K−6911に従い環球法で測定した。また、GPC測定は、装置;日本ウォーターズ(株)製、515A型、カラム;TSK−GEL2000×3本およびTSK−GEL4000×1本(いずれも東ソー(株)製)、溶媒;テトラヒドロフラン、流量;1 ml/min、温度;38℃、検出器;RIの条件に従った。
参考例2
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル150g、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン50gと、エピクロロヒドリン1400gを用いて参考例1と同様に反応を行い、淡黄白色のエポキシ樹脂284gを得た(エポキシ樹脂B)。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は171、加水分解性塩素は240ppm、150℃での粘度は9.2mPa・sであった。
4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル150g、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン50gと、エピクロロヒドリン1400gを用いて参考例1と同様に反応を行い、淡黄白色のエポキシ樹脂284gを得た(エポキシ樹脂B)。得られたエポキシ樹脂のエポキシ当量は171、加水分解性塩素は240ppm、150℃での粘度は9.2mPa・sであった。
参考例3
参考例1で得たエポキシ樹脂A9.3g、硬化剤として4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル5.7g、および硬化促進剤としてのトリフェニルホスフィン0.15gを120℃にて溶融混合させてエポキシ樹脂組成物とした。その後、150℃にて1時間、加熱硬化を行い成形物とした。得られた成形物をさらに175℃にて12時間ポストキュアを行い、試験片を作成して熱伝導率を測定した。エポキシ樹脂硬化物の熱伝導率は0.30W/m・Kであった。
参考例1で得たエポキシ樹脂A9.3g、硬化剤として4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル5.7g、および硬化促進剤としてのトリフェニルホスフィン0.15gを120℃にて溶融混合させてエポキシ樹脂組成物とした。その後、150℃にて1時間、加熱硬化を行い成形物とした。得られた成形物をさらに175℃にて12時間ポストキュアを行い、試験片を作成して熱伝導率を測定した。エポキシ樹脂硬化物の熱伝導率は0.30W/m・Kであった。
参考例4
ビフェニル系エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製、YX−4000H;エポキシ当量195)9.9g、硬化剤として4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル5.1gを用いて、参考例3と同様に組成物の調整、成形を行い、試験片を作成して熱伝導率を測定した。エポキシ樹脂硬化物の熱伝導率は0.26W/m・Kであった。
ビフェニル系エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製、YX−4000H;エポキシ当量195)9.9g、硬化剤として4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル5.1gを用いて、参考例3と同様に組成物の調整、成形を行い、試験片を作成して熱伝導率を測定した。エポキシ樹脂硬化物の熱伝導率は0.26W/m・Kであった。
参考例5
フェノールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成製、YDPF−638;エポキシ当量164、150℃での溶融粘度0.06Pa・s)9.9g、硬化剤としてフェノールノボラック(群栄化学製、PSM−4261;OH当量103、軟化点 82℃、150℃での溶融粘度0.16Pa・s)5.1gを用いて、参考例3と同様に組成物の調整、成形を行い、試験片を作成して熱伝導率を測定した。エポキシ樹脂硬化物の熱伝導率は0.21W/m・Kであった。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成製、YDPF−638;エポキシ当量164、150℃での溶融粘度0.06Pa・s)9.9g、硬化剤としてフェノールノボラック(群栄化学製、PSM−4261;OH当量103、軟化点 82℃、150℃での溶融粘度0.16Pa・s)5.1gを用いて、参考例3と同様に組成物の調整、成形を行い、試験片を作成して熱伝導率を測定した。エポキシ樹脂硬化物の熱伝導率は0.21W/m・Kであった。
実施例1〜6、比較例1〜3
エポキシ樹脂成分として、参考例1および2のエポキシ樹脂(エポキシ樹脂A、B)、ビフェニル系エポキシ樹脂(エポキシ樹脂C:ジャパンエポキシレジン製、YX−4000H;エポキシ当量195)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂D:東都化成製、YDPF−638;エポキシ当量164、150℃での溶融粘度0.06Pa・s)、o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂E:日本化薬製、EOCN-1020;エポキシ当量 199、軟化点54℃、150℃での溶融粘度0.09Pa・s)、硬化剤として4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(硬化剤A)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(硬化剤B)、2,6−ジヒドロキシナフタレン(硬化剤C)、フェノールノボラック(硬化剤D:群栄化学製、PSM−4261;OH当量103、軟化点 82℃、150℃での溶融粘度0.16Pa・s)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン、無機充填材として、球状アルミナ(無機充填材A:平均粒径12.2μm、熱伝導率25W/m・K)、球状溶融シリカ(無機充填材B:平均粒径14.8μm、熱伝導率1.3W/m・K)を用いて、表1に示す成分を配合し、ミキサーで十分混合した後、加熱ロールで約5分間混練したものを冷却し、粉砕してそれぞれ実施例1〜5、比較例1〜2の封止用エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を用いて表1に示す条件で硬化およびポストキュアを行い、実施例1と同様に硬化物の物性を評価した。結果をまとめて表1に示す。なお、表1中の各配合物の数字は重量部を表す
エポキシ樹脂成分として、参考例1および2のエポキシ樹脂(エポキシ樹脂A、B)、ビフェニル系エポキシ樹脂(エポキシ樹脂C:ジャパンエポキシレジン製、YX−4000H;エポキシ当量195)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂D:東都化成製、YDPF−638;エポキシ当量164、150℃での溶融粘度0.06Pa・s)、o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ樹脂E:日本化薬製、EOCN-1020;エポキシ当量 199、軟化点54℃、150℃での溶融粘度0.09Pa・s)、硬化剤として4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル(硬化剤A)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル(硬化剤B)、2,6−ジヒドロキシナフタレン(硬化剤C)、フェノールノボラック(硬化剤D:群栄化学製、PSM−4261;OH当量103、軟化点 82℃、150℃での溶融粘度0.16Pa・s)、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン、無機充填材として、球状アルミナ(無機充填材A:平均粒径12.2μm、熱伝導率25W/m・K)、球状溶融シリカ(無機充填材B:平均粒径14.8μm、熱伝導率1.3W/m・K)を用いて、表1に示す成分を配合し、ミキサーで十分混合した後、加熱ロールで約5分間混練したものを冷却し、粉砕してそれぞれ実施例1〜5、比較例1〜2の封止用エポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を用いて表1に示す条件で硬化およびポストキュアを行い、実施例1と同様に硬化物の物性を評価した。結果をまとめて表1に示す。なお、表1中の各配合物の数字は重量部を表す
[評価]
(1)熱伝導率
熱伝導率は、NETZSCH製LFA447型熱伝導率計を用いて非定常熱線法により測定した。
(2)融点、融解熱の測定(DSC法)
示差走査熱量分析装置(セイコーインスツル製DSC6200型)を用い、昇温速度10℃/分で測定した。なお、比較例1〜3の硬化物は結晶化しないため融点が存在しない。
(3)線膨張係数、ガラス転移温度
線膨張係数およびガラス転移温度は、セイコーインスツル(株)製TMA120C型熱機械測定装置を用いて、昇温速度10℃/分にて測定した。
(3)吸水率
直径50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、ポストキュア後、85℃、相対湿度85%の条件で100時間吸湿させた後の重量変化率とした。
(1)熱伝導率
熱伝導率は、NETZSCH製LFA447型熱伝導率計を用いて非定常熱線法により測定した。
(2)融点、融解熱の測定(DSC法)
示差走査熱量分析装置(セイコーインスツル製DSC6200型)を用い、昇温速度10℃/分で測定した。なお、比較例1〜3の硬化物は結晶化しないため融点が存在しない。
(3)線膨張係数、ガラス転移温度
線膨張係数およびガラス転移温度は、セイコーインスツル(株)製TMA120C型熱機械測定装置を用いて、昇温速度10℃/分にて測定した。
(3)吸水率
直径50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、ポストキュア後、85℃、相対湿度85%の条件で100時間吸湿させた後の重量変化率とした。
Claims (9)
- 球状無機充填材がアルミナ、窒化アルミニウムまたは結晶シリカである請求項1記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
- 硬化剤成分として、二官能性フェノール化合物を硬化剤成分中50wt%以上用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
- 二官能性フェノール化合物が4,4'-ジヒドロキシビフェニル、4,4'-ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4'-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、1,5-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオール、2,6-ナフタレンジオール、ハイドロキノンおよびレゾルシンからなる群れより選ばれたものである請求項4に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる熱伝導率が3W/m・K以上の硬化物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる走査示差熱分析における融点のピークが150℃から300℃の範囲にある硬化物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる走査示差熱分析における樹脂成分換算の吸熱量が10J/g以上の請求項7に記載の硬化物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物を用いてなることを特徴とする半導体装置。
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JP2007241185A JP2009073862A (ja) | 2007-09-18 | 2007-09-18 | 封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置 |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012017405A (ja) * | 2010-07-08 | 2012-01-26 | Nippon Steel Chem Co Ltd | エポキシ樹脂組成物、成形物、ワニス、フィルム状接着剤及びフィルム状接着剤付き銅箔 |
JP2019077859A (ja) * | 2017-10-23 | 2019-05-23 | 日東シンコー株式会社 | 樹脂組成物 |
JP2020139042A (ja) * | 2019-02-28 | 2020-09-03 | 日立化成株式会社 | 封止組成物及び半導体装置 |
US10961208B1 (en) * | 2019-12-24 | 2021-03-30 | Chang Chun Plastics Co., Ltd. | Product of glycidyl ether of a mono or polyhydric phenol |
JPWO2020175669A1 (ja) * | 2019-02-28 | 2021-12-23 | 昭和電工マテリアルズ株式会社 | 封止組成物及び半導体装置 |
US11767449B2 (en) * | 2011-09-29 | 2023-09-26 | Resonac Corporation | Epoxy resin composition and electronic component device |
-
2007
- 2007-09-18 JP JP2007241185A patent/JP2009073862A/ja not_active Withdrawn
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