JP2023000691A - エポキシ樹脂組成物および硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形性に優れ、無機充填材と複合化させた場合の熱伝導率が高く、かつ低熱膨張性で耐熱性、耐湿性および難燃性に優れた成形物を与えるエポキシ樹脂組成物を提供し、更にそれを用いた硬化成形物を提供する。【解決手段】エポキシ樹脂及び硬化剤、またはこれらと無機充填材を主成分とするエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂成分として、ベンゾニトリル構造を持つエポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分中50wt%以上用い、硬化剤成分として、二官能フェノール性化合物を硬化剤成分中50wt%以上用いて得られるエポキシ樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、信頼性に優れた半導体封止、積層板、放熱基板等の電気・電子材料用絶縁材料として有用なエポキシ樹脂組成物及びそれを用いた硬化物に関する。
従来、ダイオード、トランジスタ、集積回路等の電気、電子部品や、半導体装置等の封止方法として、例えばエポキシ樹脂やシリコン樹脂等による封止方法やガラス、金属、セラミック等を用いたハーメチックシール法が採用されていたが、近年では信頼性の向上と共に大量生産が可能で、コストメリットのあるトランスファー成形による樹脂封止が主流を占めている。
トランスファー成形による樹脂封止に用いられる樹脂組成物においては、エポキシ樹脂と、硬化剤としてフェノール樹脂を主成分とする樹脂組成物からなる封止材料が一般的に使用されている。
パワーデバイスなどの素子を保護する目的で使用されるエポキシ樹脂組成物は、素子が放出する多量の熱に対応するため、結晶シリカなどの無機充填材を高密度に充填している。
パワーデバイスには、ICの技術を組み込んだワンチップで構成されるものやモジュール化されたものなどがあり、封止材料に対する熱放散性、耐熱性、熱膨張性の更なる向上が望まれている。
これらの要求に対応するべく、熱伝導率を向上するために熱伝導率の大きい結晶シリカ、窒化珪素、窒化アルミニウム、球状アルミナ粉末等の無機充填材を含有させるなどの試みがなされている(特許文献1、2)が、無機充填材の含有率を上げていくと成形時の粘度上昇とともに流動性が低下し、成形性が損なわれるという問題が生じる。従って、単に無機充填材の含有率を高める方法には限界があった。
上記背景から、マトリックス樹脂自体の高熱伝導率化によって組成物の熱伝導率を向上する方法も検討されている。例えば、特許文献3、特許文献4および特許文献5には、剛直なメソゲン基を有する液晶性のエポキシ樹脂およびそれを用いたエポキシ樹脂組成物が提案されている。しかし、これらのエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤としては、芳香族ジアミン化合物を用いており、無機充填材の高充填率化に限界があるとともに、電気絶縁性の点でも問題があった。また、芳香族ジアミン化合物を用いた場合、硬化物の液晶性は確認できるものの、硬化物の結晶化度は低く、高熱伝導性、低熱膨張性、低吸湿性等の点で十分ではなかった。さらには液晶性発現のために、強力な磁場をかけて分子を配向させる必要があり、工業的に広く利用するためには設備的にも大きな制約があった。また、無機充填材との配合系では、マトリックス樹脂の熱伝導率に比べて無機充填材の熱伝導率が圧倒的に大きく、マトリックス樹脂自体の熱伝導率を高くしても、複合材料としての熱伝導率向上には大きく寄与しないという現実があり、十分な熱伝導率向上効果は得られていなかった。
特開平11-147936号公報 特開2002-309067号公報 特開平11-323162号公報 特開平2004-331811号公報 特開平9-118673号公報
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、成形性に優れ、無機充填材と複合化させた場合の熱伝導率が高く、かつ低熱膨張性で耐熱性、耐湿性、さらには難燃性に優れた成形物を与えるエポキシ樹脂組成物を提供し、更にそれを用いた成形物を提供することである。
本発明者らは、ベンゾニトリル構造を持つエポキシ樹脂と二次元的に反応が進行する特定の二官能の硬化剤を組み合わせた場合において、熱伝導率、耐熱性、低熱膨張性等の物性が特異的に向上することを見出し、本発明に到達した。
このことについて、従来の樹脂ではビフェニル骨格に代表される剛直な構造を導入すると、熱伝導率、耐熱性等の物性は向上するが、樹脂の融点が高くなったり、硬化剤等との相溶性や溶剤溶解性が低下する等のハンドリング上の問題があった。そのため、本発明においては、極性の高いニトリル基を導入するベンゾニトリル構造を採用することで、剛直構造を導入しても高融点化が抑制されるとともに、硬化剤等との相溶性、溶剤溶解性等が確保できることに着目している。さらには、ニトリル基は、立体的に、分子のパッキングを大きく阻害しないので剛直構造に由来する熱伝導率、耐熱性等の向上効果を損なわないことにも着目した。
本発明は、エポキシ樹脂及び硬化剤、又はこれらと無機充填材を主成分とするエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂の50質量(wt)%以上がベンゾニトリル構造を持つエポキシ樹脂であり、硬化剤の50wt%以上が二官能フェノール性化合物であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物である。
上記ベンゾニトリル構造を持つエポキシ樹脂は、下記式(1)で表される。
Figure 2023000691000001
(但し、mは1~3、nは0~50の数を示す。)
上記の二官能フェノール性化合物として、好ましくは、ヒドロキノン、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジヒドロキシジフェニルメタン類、ナフタレンジオール類からなる群より選ばれる少なくとも1種の二官能フェノール性化合物が好ましく挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は無機充填材を含むことができ、この場合エポキシ樹脂組成物中に無機充填材を50~96wt%含有することが好ましい。また、無機充填材としては、球状のアルミナが好ましく挙げられ、この使用量は無機充填材の50wt%以上であることがよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、電子材料用、とりわけ封止材用又は絶縁基板用のエポキシ樹脂組成物として適する。
更に、本発明は、上記のエポキシ樹脂組成物を反応させて成形硬化して得られることを特徴とする硬化成形物(以下、単に「硬化物」ということもある)である。
上記硬化成形物は、熱伝導率が4W/m・K以上であることが好ましい。
さらに、この硬化成形物については、走査示差熱分析における融点のピークが120℃から280℃の範囲にあることが好ましく、該熱分析における樹脂成分換算の吸熱量が5J/g以上であることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、成形性、信頼性に優れ、かつ高熱伝導性、低吸水性、低熱膨張性、高耐熱性、難燃性に優れた硬化成形物を与え、半導体封止、積層板、放熱基板等の電気・電子材料用絶縁材料として好適に応用され、優れた高放熱性、高耐熱性、難燃性および高寸法安定性が発揮される。このような特異的な効果が生ずる理由は、ベンゾニトリル構造の剛直構造と、硬化剤にフェノール性化合物、なかでも二官能フェノール性化合物を用いたことにより樹脂骨格の配向性が良くなったためと推察される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂は、下記式(1)で表されるベンゾニトリル構造を持つエポキシ樹脂を50wt%以上含む。
Figure 2023000691000002
(但し、mは1~3、nは0~50の数を示す。)
式(1)において、mは独立して1~3の数を表すが、好ましい括弧内の構造としては、1,4-フェニレン基、4,4’-ビフェニレン基、4,4’’-p-ターフェニレン基、4,4’’-m-ターフェニレン基を挙げることができるが、特に好ましくは、1,4-フェニレン基、または4,4’-ビフェニレン基である。また、これらの構造の混合物であってもよい。
nは0から50の数を表すが、好ましいnの値は、適用する用途に応じて異なる。例えば、フィラーの高充填率化が要求される半導体封止材の用途には、低粘度であるものが望ましく、nの値は0~5、好ましくは0.1~2、さらに好ましくは、nが0のものが50wt%以上含まれるものである。本発明のエポキシ樹脂がnの値が異なる混合物である場合は、nの数平均値として0~5、好ましくは0.1~2、更に好ましくは、nが0のものが50wt%以上含まれるものであり、nの数平均値が0.1~1のものである。これらの低分子量のエポキシ樹脂は、場合により結晶化され、常温で固体として使用される。また、プリント配線板等の用途には、高分子量のエポキシ樹脂が好適に使用され、この場合のnの値は、5~50、好ましくは10~40、更に好ましくは、20~40である。nの値が異なる混合物である場合は、nの数平均値としても、上記の範囲がよい。この場合、数平均値が50以下となれば、nの値が50以上の整数となる分子が含まれてもよい。
本発明に用いるエポキシ樹脂の製法は、特に限定されるものではないが、下記式(2)のベンゾニトリル構造を持つフェノール性化合物とエピクロルヒドリンを反応させることにより製造することができる。この反応は、通常のエポキシ化反応と同様に行うことができる。
Figure 2023000691000003
(但し、mは1~3の数を示す。)
一般式(2)で、mは上記一般式(1)のmと同じであるが、エポキシ樹脂の原料に用いる場合、単一の化合物であってもよいが、mの値が異なる化合物である多量体の混合物であってもよい。
ここで、この式(2)で表されるフェノール性化合物については、限定されないが、例えば、2,4-ジクロロベンゾニトリル、2,5-ジクロロベンゾニトリル、2,6-ジクロロベンゾニトリル、3,5-ジクロロベンゾニトリル、2,4-ジブロモベンゾニトリル、2,5-ジブロモベンゾニトリル、2,6-ジブロモベンゾニトリル、3,5-ジブロモベンゾニトリルなどのベンゾニトリル化合物に対して、ハイドロキノン、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’’-ジヒドロキシ-p-ターフェニル、4,4’’-ジヒドロキシ-m-ターフェニルなどのジヒドロキシ化合物を塩基性触媒の存在下に反応させる方法により得ることができる。
式(2)のフェノール性化合物とエピクロルヒドリンとの反応は、例えば、フェノール性化合物を過剰のエピクロルヒドリンに溶解した後、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の存在下に、50~150℃、好ましくは、60~100℃の範囲で1~10時間反応させる方法が挙げられる。この際の、アルカリ金属水酸化物の使用量は、ジヒドロキシ体中の水酸基1モルに対して、0.8~2.0モル、好ましくは、0.9~1.5モルの範囲である。エピクロルヒドリンは、フェノール性化合物中の水酸基に対して過剰量が用いられ、通常は、フェノール性化合物中の水酸基1モルに対して、1.5から15モルである。反応終了後、過剰のエピクロルヒドリンを留去し、残留物をトルエン、メチルイソブチルケトン等の溶剤に溶解し、濾過し、水洗して無機塩を除去し、次いで溶剤を留去することにより目的のエポキシ樹脂を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂は、ベンゾニトリル構造を持つフェノール性化合物とベンゾニトリル構造を持たない他のフェノール性化合物と混合させたものを用いて合成することもできる。この場合のベンゾニトリル構造を持つフェノール性化合物の混合比率は50wt%以上である。また、他のフェノール性化合物には特に制約はなく、一分子中に水酸基を2個以上有するものの中から選択される。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポキシ樹脂のエポキシ当量は、通常200から600の範囲であるが、無機フィラーの高充填率化および流動性向上の観点からは低粘度性のものが良く、エポキシ当量が200から400の範囲のものが好ましい。
このベンゾニトリル構造を持つエポキシ樹脂は、通常、常温で結晶性を有するものが好適に使用される。好ましい融点の範囲は70℃~250℃であり、より好ましくは、100℃~200℃の範囲である。これより低いとブロッキング等が起こりやすくなり固体としての取扱い性に劣ることがあり、これより高いと硬化剤等との相溶性、溶剤への溶解性等が低下することがある。
このベンゾニトリル構造を持つエポキシ樹脂の純度、特に加水分解性塩素量は、適用する電子部品の信頼性向上の観点より少ない方がよい。特に限定するものではないが、好ましくは1000ppm以下、さらに好ましくは500ppm以下である。なお、本発明でいう加水分解性塩素とは、以下の方法により測定された値をいう。すなわち、試料0.5gをジオキサン30mlに溶解後、1N-KOH、10mlを加え30分間煮沸還流した後、室温まで冷却し、さらに80%アセトン水100mlを加え、0.002N-AgNO水溶液で電位差滴定を行い得られる値である。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必須成分として使用される式(1)のベンゾニトリル構造を持つエポキシ樹脂以外に、エポキシ樹脂成分として分子中にエポキシ基を2個以上有する他のエポキシ樹脂を併用してもよい。例を挙げれば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、3,3’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、フルオレンビスフェノール、2,2’-ビフェノール、レゾルシン、カテコール、t‐ブチルカテコール、t‐ブチルハイドロキノン、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック等の2価のフェノール類、あるいは、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o‐クレゾールノボラック、m‐クレゾールノボラック、p‐クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ‐p‐ヒドロキシスチレン、トリス-(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2-テトラキス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、フルオログリシノール、ピロガロール、t‐ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4‐ベンゼントリオール、2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノン、フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂等の3価以上のフェノール類、または、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビスフェノール類から誘導されるグリシジルエーテル化物等がある。これらのエポキシ樹脂は、1種または2種以上を用いることができる。また、メソゲン基を持つエポキシ樹脂についても、1種または2種以上を用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる式(1)のベンゾニトリル構造を持つエポキシ樹脂の配合割合は、全エポキシ樹脂の50wt%以上であり、好ましくは70wt%以上、より好ましくは90wt%以上である。さらには、二官能性エポキシ樹脂の合計量が90wt%以上、好ましくは95wt%以上であることが望ましい。これより少ないと硬化物とした際の熱伝導率等の物性向上効果が小さくなるおそれがある。これは、ベンゾニトリル構造を持つエポキシ樹脂の含有率が高く、かつ二官能性エポキシ樹脂の含有率が高いものほど、成形物としての配向度が高くなるためである。
式(1)のベンゾニトリル構造を持つエポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂としては、下記一般式(3)で表されるビスフェノール系エポキシ樹脂が好ましい。
Figure 2023000691000004
(但し、Zは単結合、メチレン基、酸素原子または硫黄原子であり、rは0~1の数を示す。)
これらの他のエポキシ樹脂は、例えば、ヒドロキノン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィドを原料として、通常のエポキシ化反応を行うことで合成することができる。これらのエポキシ樹脂は、原料段階でメソゲン基を持つジヒドロキシ化合物と混合させたものを用いて合成してもよい。
硬化剤として用いる二官能フェノール性化合物は、一分子中に2個のフェノール性水酸基を有するものであり、特に限定されるものではないが、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4-ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’-ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、2,2’-ジヒドロキシビフェニル、10-(2,5-ジヒドロキシフェニル)-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン-10-オキサイド、ヒドロキノン、レゾルシン、t‐ブチルハイドロキノン、1,2‐ジヒドロキシナフタレン、1,3‐ジヒドロキシナフタレン、1,4‐ジヒドロキシナフタレン、1,5‐ジヒドロキシナフタレン、1,6‐ジヒドロキシナフタレン、1,7‐ジヒドロキシナフタレン、1,8‐ジヒドロキシナフタレン、2,3‐ジヒドロキシナフタレン、2,6‐ジヒドロキシナフタレン、2,7‐ジヒドロキシナフタレン、さらには、上記式(2)のベンゾニトリル構造を持つビスフェノール化合物等を挙げることができる。これらは2種類以上を使用してもよい。
硬化剤として用いる二官能フェノール性化合物としては、メソゲン基を有するものが好ましく用いられ、具体的には、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルケトン、1,5-ナフタレンジオール、2,6-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオール、さらには、上記式(2)のベンゾニトリル構造を持つビスフェノール化合物を例示することができる。また、メソゲン基を持たないもので、好ましい二官能フェノール性化合物としては、ヒドロキノン、レゾルシン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4-ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィドを挙げることができる。
硬化剤として用いる二官能フェノール性化合物の使用量は全硬化剤の50wt%以上、好ましくは70wt%以上、より好ましくは80wt%以上である。これより少ないと硬化物とした際の熱伝導率等の物性向上効果が小さい。これは、二官能フェノール性化合物の含有率が高いものほど、成形物としての配向度が高くなるためである。
本発明のエポキシ樹脂組成物にて用いる硬化剤としては、上記の二官能フェノール性化合物以外に、硬化剤として一般的に知られている他の硬化剤を併用して用いることができる。例を挙げれば、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、ポリメルカプタン系硬化剤、ポリアミノアミド系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。これら他の硬化剤の配合量は、配合する硬化剤の種類や得られる熱伝導性エポキシ樹脂成形体の物性を考慮して適宜設定すればよい。しかし、全硬化剤の50wt%を超えない。
本発明のエポキシ樹脂組成物では、エポキシ樹脂と硬化剤の配合比率は、エポキシ基と硬化剤中の官能基が当量比で0.8~1.5の範囲であることが好ましい。この範囲外では硬化後も未反応のエポキシ基、または硬化剤中の官能基が残留し、電子部品用絶縁材料に関しての信頼性が低下する場合がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、無機充填材が配合されることが好ましい。この場合の無機充填材の添加量は、通常、エポキシ樹脂組成物に対して50~98wt%であるが、好ましくは75~96wt%、さらに好ましくは85~96wt%である。これより少ないと高熱伝導性、低熱膨張性、高耐熱性等の効果が十分に発揮されない場合がある。これらの効果は、無機充填材の添加量が多いほど向上するが、その体積分率に応じて向上するものではなく、特定の添加量以上となった時点から飛躍的に向上する。これらの物性は、高分子状態での高次構造が制御された効果によるものであり、この高次構造が主に無機充填材表面で達成されることから、特定量の無機充填材を必要とするものであると考えられる。一方、無機充填材の添加量がこれより多いと粘度が高くなり、成形性が悪化する場合がある。
無機充填材は球状のものが好ましく、断面が楕円上であるものも含めて球状であれば特に限定されるものではないが、流動性改善の観点からは、極力真球状に近いものであることが特に好ましい。これにより、面心立方構造や六方稠密構造等の最密充填構造をとり易く、充分な充填量を得ることができる。球形でない場合、充填量が増えると充填材同士の摩擦が増え、上記の上限に達する前に流動性が極端に低下して粘度が高くなり、成形性が悪化する場合があるため、適用用途などに応じて、適宜選択・調整して用いるようにする。
熱伝導率向上の観点からは、無機充填材の50wt%以上、好ましくは80wt%以上を、熱伝導率が5W/m・K以上のものとすることがよい。かかる無機充填材としては、アルミナ、窒化アルミニウム、結晶シリカ等が好適である。これらの中でも、球状アルミナが優れる。その他、必要に応じて形状に関係なく無定形無機充填材、例えば溶融シリカ、結晶シリカなどを併用してもよい。
また、無機充填材の平均粒径は30μm以下であることが好ましい。平均粒径がこれより大きいとエポキシ樹脂組成物の流動性が損なわれ、また強度も低下する場合がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、従来より公知の硬化促進剤を用いることができる。例を挙げれば、アミン類、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ルイス酸等があり、具体的には、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン-7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの三級アミン、2-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-へプタデシルイミダゾールなどのイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレートなどのテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2-エチル-4-メチルイミダゾール・テトラフェニルポレート、N-メチルモルホリン・テトラフェニルポレートなどのテトラフェニルボロン塩などがある。
上記硬化促進剤の添加量は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計に対して、0.1~10.0wt%が好ましい。0.1wt%未満ではゲル化時間が遅くなって加熱反応時の剛性低下による作業性の低下をもたらし、逆に10.0wt%を超えると成形途中で反応が進んでしまい、未充填が発生し易くなるため、使用する場合には上記の範囲とすることが望ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、上記成分の他に、離型剤、カップリング剤、熱可塑性のオリゴマー類、その他の一般的にエポキシ樹脂組成物に使用可能なものを適宜配合して用いることができる。例えば、リン系難燃剤、ブロム化合物や三酸化アンチモン等の難燃剤、及びカーボンブラックや有機染料等の着色剤等を使用することができる。
離型剤としては、ワックスが使用できる。ワックスとしては、例えばステアリン酸、モンタン酸、モンタン酸エステル、リン酸エステル等が使用可能である。
カップリング剤としては、例えばエポキシシランが使用可能である。カップリング剤の添加量は、エポキシ樹脂組成物に対して、0.1~2.0wt%が好ましい。0.1wt%未満では添加の効果が望めず、逆に2.0wt%を超えると連続成形性での成形品汚れが生じるおそれがある。カップリング剤は無機充填材と樹脂成分の接着力を向上させるために用いられる。
熱可塑性のオリゴマー類としては、C5系およびC9系の石油樹脂、スチレン樹脂、インデン樹脂、インデン・スチレン共重合樹脂、インデン・スチレン・フェノール共重合樹脂、インデン・クマロン共重合樹脂、インデン・ベンゾチオフェン共重合樹脂等が例示さえる。添加量としては、通常、エポキシ樹脂100重量部に対して、2~30重量部の範囲である。熱可塑性のオリゴマー類は、エポキシ樹脂組成物の成形時の流動性改良およびリードフレーム等の基材との密着性向上のために用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、式(1)のエポキシ樹脂と硬化剤を必須成分として含み、必要により無機充填材等の成分を含む配合成分(カップリング剤を除く)をミキサー等によって均一に混合した後、必要によりカップリング剤を添加し、加熱ロール、ニーダー等によって混練して製造することができる。これらの成分の配合順序にはカップリング剤を除き特に制限はない。更に、混練後に溶融混練物の粉砕を行い、パウダー化することやタブレット化することも可能である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、特に電子部品封止用および放熱基板用として優れるので、電子材料用のエポキシ樹脂組成物として適する。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、ガラス繊維等の繊維状基材と複合させて複合材とすることができる。例えば、式(1)のエポキシ樹脂および硬化剤を主成分としたエポキシ樹脂組成物を有機溶剤に溶解させたものを、シート状繊維基材に含浸し加熱乾燥して、エポキシ樹脂を部分反応させて、プリプレグとすることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて硬化成形物を得るためには、例えば、トランスファー成形、プレス成形、注型成形、射出成形、押出成形等の加熱成形方法が適用されるが、量産性の観点からは、トランスファー成形が好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂および硬化剤がともに二官能性のもののみから構成された場合においても、加熱反応させた場合、エポキシ樹脂と硬化剤が反応して生成する水酸基の一部がさらにエポキシ樹脂中のエポキシ基と反応するため、通常は三次元硬化物を与えるが、場合により有機溶剤の使用、硬化促進剤種の選択、および反応温度等の加熱反応条件の制御により、実質的に二次元高分子のみで構成された熱可塑性の成形物とすることができる。
本発明の硬化成形物は、高耐熱性、低熱膨張性および高熱伝導性の観点から結晶性を有するものであることが好ましい。成形物の結晶性の発現は、走査示差熱分析で結晶の融解に伴う吸熱ピークを融点として観測することにより確認することができる。好ましい融点は120℃から280℃の範囲であり、より好ましくは150℃から250℃の範囲である。また、硬化成形物の好ましい熱伝導率は4W/m・K以上であり、特に好ましく6W/m・K以上である。
ここで結晶性発現の効果を簡単に説明する。一般的に、エポキシ樹脂硬化物においては耐熱性の指標としてガラス転移点が用いられる。これは、通常のエポキシ樹脂硬化物が結晶性を持たないアモルファス状(ガラス状)の成形物でありガラス転移点を境として物性が大きく変化するためである。従って、エポキシ樹脂硬化物の耐熱性を高くするため、すなわちガラス転移点を高くするためには架橋密度を高くする必要があるが、逆に可撓性が低下し脆くなる欠点があった。これに対して、本発明の硬化成形物は、結晶性を発達させる点に特徴があるが、融点まで物性変化が少ないことから融点を耐熱性の指標とすることができる。高分子物質は、融点の方がガラス転移点よりも高い温度にあるため、本発明の硬化成形物は、低い架橋密度により高い可撓性を維持しつつ、高い耐熱性を確保できる。また、結晶性発現は、分子間に高い凝集力が働くことを意味しており、これにより分子の運動が抑制され、低熱膨張性の達成とともに、高い熱拡散率が発揮され熱伝導率が向上する。さらには、分子間の高い凝集力により水の拡散が大幅に抑制され、水蒸気透過度および吸水率を低減させることができる。
従って、本発明の硬化成形物の結晶化度は高いものほどよい。ここで結晶化の程度は走査示差熱分析での結晶の融解に伴う吸熱量から評価することができる。好ましい吸熱量は、充填材を除いた樹脂成分の単位重量あたり5J/g以上である。より好ましくは10J/g以上であり、特に好ましくは15J/g以上である。これより小さいと成形物としての耐熱性、低熱膨張性および熱伝導率の向上効果が小さい。なお、ここでいう吸熱量は、示差走査熱分析計により、約10mgを精秤した試料を用いて、窒素気流下、昇温速度10℃/分の条件で測定して得られる吸熱量を指す。また、結晶化した本発明の硬化成形物は、広角X線回折においても、明確なピークとして観察することができる。この場合、結晶化度は、全体のピーク面積から結晶化していないアモルファス状樹脂のピークを差引いた面積を全体のピーク面積で除することにより求めることができる。このようにして求めた望ましい結晶化度は10%以上、より望ましくは20%以上、特に望ましくは30%以上である。
本発明の硬化成形物は、上記成形方法により加熱反応させることにより得ることができるが、通常、成形温度としては80℃から250℃であるが、成形物の結晶化度を上げるためには、成形物の融点よりも低い温度で反応させることが望ましい。好ましい成形温度は100℃から200℃の範囲であり、より好ましくは130℃から180℃である。また、好ましい成形時間は30秒から1時間であり、より好ましくは1分から30分である。さらに成形後、ポストキュアにより、さらに結晶化度を上げることができる。通常、ポストキュア温度は130℃から250℃であり、時間は1時間から20時間の範囲であるが、示差熱分析における吸熱ピーク温度よりも5℃から40℃低い温度で、1時間から24時間かけてポストキュアを行うことが望ましい。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
参考例1(ヒドロキシ樹脂Aの製造)
2Lの4口セパラブルフラスコに4,4’-ジヒドロキシビフェニル115.7gをNMP700gに溶解した後、炭酸カリウム56.7gを加え、窒素気流下、攪拌しながら120℃に昇温した。その後、2,6-ジクロロベンゾニトリル35.6gを加え、145℃に昇温し6時間反応させた。反応液に酢酸49.2gを加えて中和した後、減圧下、NMPを留去した。反応液にMIBK500mLを加えて生成物を溶解した後、水洗により生成塩を除去した。その後、MIBKを減圧蒸留により除いて、ヒドロキシ樹脂129gを得た(ヒドロキシ樹脂A)。得られたヒドロキシ樹脂Aの水酸基当量は170g/eq.、融点は272℃であった。
参考例2(エポキシ樹脂Aの製造)
参考例1で得たヒドロキシ樹脂A 50.0g、エピクロルヒドリン380g、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)96gを仕込み、減圧下(約130Torr)、65℃にて48.6%水酸化ナトリウム水溶液27.5gを3時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、留出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、さらに1時間反応を継続し脱水した。その後、エピクロルヒドリン及びジグライムを減圧留去し、メチルイソブチルケトン200mLに溶解した後、濾過により生成した塩を除いた。その後、48%水酸化ナトリウム水溶液0.4gを加え、80℃で2時間反応させた。反応後、濾過、水洗を行った後、溶媒であるメチルイソブチルケトンを減圧留去し、常温固形のエポキシ樹脂43gを得た(エポキシ樹脂A)。得られたエポキシ樹脂Aの融点は139℃、エポキシ当量は226g/eq.、加水分解性塩素は80ppmであった。なお、ここで加水分解性塩素は、樹脂試料0.5gを1,4-ジオキサン30mlに溶解させたものに1N-KOH、10mlを加え30分間煮沸還流した後、室温まで冷却し、さらに80%アセトン水100mlを加え、0.002N-AgNO水溶液で電位差滴定を行うことにより求めた。
参考例3(ヒドロキシ樹脂Bの製造)
2Lの4口セパラブルフラスコにハイドロキノン128.1gをN-メチルピロリドン(NMP)700gに溶解した後、炭酸カリウム139.3gを加え、窒素気流下、攪拌しながら120℃に昇温した。その後、2,6-ジクロロベンゾニトリル50.0gを加え、150℃に昇温し6時間反応させた。反応液に酢酸121.1gを加えて中和した後、減圧下、NMPを留去した。反応液にメチルイソブチルケトン(MIBK)500mLを加えて生成物を溶解した後、水洗により生成塩および未反応のハイドロキノンを除去した。その後、MIBKを減圧蒸留により除いて、黄色粉末状の多価ヒドロキシ樹脂71gを得た(ヒドロキシ樹脂B)。得られたヒドロキシ樹脂Bの水酸基当量は162g/eq.、融点は255℃であった。
参考例4(エポキシ樹脂Bの製造)
参考例3で得たヒドロキシ樹脂B15gをエピクロルヒドリン130g及びジグライム33gに溶解し、減圧下(約100mmHg)、60℃にて48%水酸化ナトリウム水溶液7.8gを4時間かけて滴下した。この間、生成する水はエピクロルヒドリンとの共沸により系外に除き、留出したエピクロルヒドリンは系内に戻した。滴下終了後、更に1時間反応を継続した。その後、エピクロルヒドリン及びジグライムを減圧留去し、メチルイソブチルケトン120mLに溶解した後、濾過により生成した塩を除いた。その後、48%水酸化ナトリウム水溶液0.4gを加え、80℃で2時間反応させた。反応後、濾過、水洗を行った後、溶媒であるメチルイソブチルケトンを減圧留去し、黄色粉末状のエポキシ樹脂16gを得た(エポキシ樹脂B)。得られたエポキシ樹脂Bの融点は147.3℃、エポキシ当量は230g/eq.、加水分解性塩素は340ppmであった。
実施例1~4、比較例1~5
エポキシ樹脂として、参考例2で得たエポキシ樹脂(エポキシ樹脂A)、参考例4で得たエポキシ樹脂(エポキシ樹脂B)、ビフェニル系エポキシ樹脂(エポキシ樹脂C:ジャパンエポキシレジン製、YX-4000H、エポキシ当量193、融点105℃)を使用する。硬化剤として、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル(硬化剤A)、4,4’-ジヒドロキシビフェニル(硬化剤B)、フェノ-ルノボラック(硬化剤C:アイカ工業製,BRG-557,OH当量105 g/eq.,軟化点82℃)を使用する。硬化促進剤としてトリフェニルホスフィン、無機充填材として、球状アルミナ(デンカ製、DAW-10、平均粒径12.2μm)を使用する。
表1に示す成分を配合し、ミキサーで十分混合した後、加熱ロールで約5分間混練したものを冷却し、粉砕してそれぞれ実施例1~4、比較例1~5のエポキシ樹脂組成物を得た。このエポキシ樹脂組成物を用いて170℃、5分の条件で成形後、170℃で12時間ポストキュアを行い、硬化成形物を得て、その物性を評価した。結果をまとめて表1に示す。なお、表1中の各成分の数字は重量部を表す。
[評価]
(1)熱伝導率
熱伝導率は、NETZSCH製LFA447型熱伝導率計を用いて非定常熱線法により測定した。
(2)融点、融解熱の測定(DSC法)
日立ハイテクサイエンス製TG/DTA7300型示差走査熱量分析装置を用い、約10mgの精秤した試料を用いて、窒素気流下、昇温速度10℃/分で測定した。なお、無機充填材を含んだ硬化物を試料とした場合、融解熱は樹脂成分のみに換算した。
(3)線膨張係数、ガラス転移温度
線膨張係数およびガラス転移温度は、日立ハイテクサイエンス製TMA7100型熱機械測定装置を用いて、昇温速度10℃/分にて測定した。
(4)吸水率
直径50mm、厚さ3mmの円盤を成形し、ポストキュア後、85℃、相対湿度85%の条件で100時間吸湿させた後の重量変化率とした。
(5)熱変形温度
東洋精機製533型HDT試験装置を用いて、JIS K 7191-1に準拠して測定した。
Figure 2023000691000005

Claims (8)

  1. エポキシ樹脂及び硬化剤を含むエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂の50wt%以上が下記式(1)で表されるベンゾニトリル構造を持つエポキシ樹脂であり、硬化剤の50wt%以上が二官能フェノール性化合物であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2023000691000006
    (但し、mは1~3、nは0~50の数を示す。)
  2. 二官能フェノール性化合物が、ヒドロキノン、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、ジヒドロキシジフェニルメタン類、ナフタレンジオール類からなる群より選ばれる少なくとも1種のフェノール性化合物である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 無機充填材を50~96wt%含有することを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 電子材料用のエポキシ樹脂組成物であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1~4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物。
  6. 熱伝導率が4W/m・K以上である請求項5に記載の硬化物。
  7. 走査示差熱分析における融点のピークが120℃から280℃の範囲にある請求項5または6に記載の硬化物。
  8. 走査示差熱分析における樹脂成分換算の吸熱量が5J/g以上である請求項5~7のいずれかに記載の硬化物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023149493A1 (ja) * 2022-02-04 2023-08-10 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物およびエポキシ樹脂硬化物

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