JPH06244318A - 電子機器用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

電子機器用エポキシ樹脂組成物

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JPH06244318A
JPH06244318A JP2510893A JP2510893A JPH06244318A JP H06244318 A JPH06244318 A JP H06244318A JP 2510893 A JP2510893 A JP 2510893A JP 2510893 A JP2510893 A JP 2510893A JP H06244318 A JPH06244318 A JP H06244318A
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epoxy resin
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epoxy
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JP2510893A
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Shigeru Wakagi
茂 若木
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式 【化1】 で示されるビスフェノール類と、1分子中に2個以上の
エポキシ基を有するエポキシ樹脂とが配合されてなる電
子機器用エポキシ樹脂組成物。 【効果】ビスフェノール類は剛直性と疎水性とを持つと
共に低分子量で実質上単分散の分子量分布を有するの
で、エポキシ樹脂組成物につき高度の耐熱性、耐湿性お
よび低応力化が達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子機器用エポキシ樹脂
組成物に関し、さらに詳しくは耐熱性、耐湿性および熱
衝撃性に優れたパッケ−ジ材料を与える電子機器用エポ
キシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂、硬化剤およびこれに各種
添加剤を配合したエポキシ樹脂組成物は、他の熱硬化性
樹脂組成物に比較し成型性、密着性、電気特性、機械的
特性等に優れているため、電子機器用、とくに半導体装
置の封止材料として多用されている。例えば半導体装置
では、集積回路が搭載された半導体素子(シリコンチッ
プ)がエポキシ樹脂組成物で封止されている。
【0003】エポキシ樹脂の硬化剤には、有機二塩基酸
無水物、ダイマ−酸、脂肪族アミン、芳香族アミン、イ
ミダゾ−ル類、三フッ化ほう素アミン錯体およびノボラ
ック型フェノ−ル樹脂等があげられるが、電子機器封止
用途、とくに半導体装置封止用途には成型性や耐湿性等
のバランスからノボラック型フェノ−ル樹脂が多用され
ている。ノボラック型フェノ−ル樹脂は、酸触媒存在下
にフェノ−ル類とホルムアルデヒドを付加縮合重合させ
ることで製造される。
【0004】ノボラック型フェノ−ル樹脂は、その分子
量分布が広いことがよく知られている。重合初期には、
高分子量の分子種が少ないために数平均分子量および重
量平均分子量はともに小さく、分子量分布は狭い。とこ
ろが、フェノ−ルは3個の官能基を有するため、重合の
進行に伴って、高分子量の分子種は幾何級数的に官能基
数が増大する結果、分子量の大きい分子種ほど分子量の
増加速度が大きくなる。このため、ノボラック型フェノ
ール樹脂は、数平均分子量の増加よりも重量平均分子量
の増加が大幅に上回るため、数平均分子量が比較的低く
重量平均分子量が高いという分子量分布になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、電子
機器、とくに半導体装置は小形化、薄型化しており、こ
れに対応して電子機器用樹脂成形物にも小形化、薄型化
が要求されている。一方、例えば半導体装置では、半導
体素子(シリコンチップ)のチップサイズはますます大
型化しつつある。このため、従来のノボラック型フェノ
−ル樹脂を硬化剤に用いるエポキシ樹脂成型材料では、
解決できない問題が表面化してきた。
【0006】第1に、半導体装置は、線膨脹係数が大き
く異なる、半導体素子(シリコンチップ)と、この半導
体素子をパッケージする封止用樹脂組成物とで構成され
ている。このため、内部発熱による温度変化や環境の温
度変化によって半導体素子とパッケージとが剥離して水
分の浸入が容易になり、半導体装置の耐湿信頼性が低下
するという問題が明らかになってきた。具体的には、封
止済みの半導体素子に冷熱サイクルを加えたときに、リ
ードフレームと半導体素子とをつなぐボンディングワイ
ヤーの断線や、半導体素子表面の損傷、チップクラック
やパッケージクラック等が発生した。これらの欠陥は、
パッケージが軽薄短小化するほど、チップサイズが大き
くなるほど深刻になり、半導体装置の信頼性を低下させ
ていた。
【0007】半導体装置の耐湿信頼性向上(エポキシ樹
脂組成物の耐湿性向上)の対策として、エポキシ樹脂組
成物の線膨脹係数を半導体素子のそれにまで近づけるに
は無機充填剤の配合量を増加すればよい。しかしなが
ら、硬化剤として上記分子量分布の広いノボラック型フ
ェノール樹脂を使用する場合、重量平均分子量が高いた
めに溶融粘度が高い。このため、成型性を損なわない範
囲で添加できる無機充填剤の配合量は80重量%前後が
限界である。しかしながら、この程度の配合量では封止
用樹脂組成物の線膨脹率の低下は十分ではないため、半
導体装置の耐湿信頼性を向上することは困難であった。
そこで、数平均分子量が低く、したがって、重合があま
り進行していないノボラック型フェノール樹脂を用いる
と、重量平均分子量が低い(すなわち、高分子量の分子
種が少ない)ので溶融粘度を低下させることができる
が、架橋密度が小さくなり耐熱性が低下する。このた
め、高温のはんだ浸漬工程や今後ますます高くなること
が予想される使用温度に対応できないという不都合生じ
る。したがって、分子量分布の広い多分散系のノボラッ
ク型フェノール樹脂を硬化剤として使用する限り、他の
性能を低下させずに耐湿性だけを向上させることは困難
である。
【0008】第2に、表面実装時に加わる熱衝撃の問題
がある。ピン挿入タイプと異なり面取付実装タイプの上
記薄型パッケ−ジでは表面実装時に高温のはんだ浴に浸
漬されるため、パッケ−ジの樹脂中の水分が急激に蒸
発、膨脹し、樹脂組成物内部に大きな引張応力を発生さ
せることが報告[SEMICON NEWS P5
0(’86)]されている。ノボラック型フェノール樹
脂で硬化されたパッケ−ジは、薄型化されると、この応
力に弱く、パッケージクラックや半導体素子上のアルミ
ニウム配線の変形または断線が起きやすい。この対策と
して、シリコンゴムの添加による応力の低減が特開昭6
1−168619号公報に開示されているが、この方法
では、ゴム成分の添加量が多くなると、熱時機械強度が
低下してしまう。加えて、室温での機械強度が低下する
ので長期間にわたる信頼性の低下や、捺印性の低下、お
よび成形時に金型汚れが多発し大量生産できないといっ
た多くの問題が生じ、好ましくない。
【0009】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であって、高い耐熱性を確保しながら高度の耐湿性と低
応力化とを達成することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決すべく、ベ−ス樹脂系に着目し検討を行った結
果、硬化剤として特定のジフェノール類を用いることに
よりエポキシ樹脂組成物の低応力化と耐湿性向上とを達
成できることを見いだし、本発明を完成するにいたっ
た。
【0011】本発明の電子機器用エポキシ樹脂組成物
は、一般式
【化2】 で示されるビスフェノール類と、1分子中に2個以上の
エポキシ基を有するエポキシ樹脂とが配合された構成と
する。
【0012】本発明の電子機器用エポキシ樹脂組成物
は、主剤としてのエポキシ樹脂および硬化剤としてのビ
スフェノール類を必須成分とするベース樹脂についての
発明であって、このベース樹脂の他に、必要に応じて以
下に説明するように充填剤や添加剤を配合してもよい。
【0013】本発明の電子機器用エポキシ樹脂組成物
は、集積回路等の半導体装置の封止材料その他の用途に
用いられる。例えば、半導体装置では、集積回路が搭載
された半導体素子(シリコンチップ)がエポキシ樹脂組
成物で封止されている。
【0014】本発明に用いられるビスフェノール類は、
ビフェニール骨格を有するフェノール誘導体であって、
上記式中の(R)mのRは、それぞれ炭素数1から8のアル
キル基、アリル基およびアリール基のうちから選ばれた
基、又はハロゲン原子である。mは、0≦m≦4の範囲
である。また、上記式中の(R)nのRにおいても、それぞ
れ炭素数1から8のアルキル基、アリル基およびアリー
ル基のうちから選ばれた基、又はハロゲン原子である。
nは、0≦n≦4の範囲である。(R)mおよび(R)nの各R
は、同一あっても異なっていてもよい。Xは、上記式中
の7種からなる群から選ばれる。
【0015】ビスフェノール類の具体的としては、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ジ(4−ヒド
ロキシフェニル)メチルベンゼン等があげられ、これら
又はその他のビスフェノール類の一種又は二種以上を混
合して使用することができる。
【0016】ビスフェノール類は、その分子構造が剛直
性と疎水性とを有し、剛直性がエポキシ樹脂組成物の線
膨脹係数の低下および耐熱性の向上を、疎水性が吸湿量
の低下をそれぞれ高いレベルで達成する。
【0017】また、ビスフェノール類は、分子量が小さ
いと共に実質上分子量分布が単分散である。このため、
ビスフェノール類の溶融粘度は、同一の数平均分子量を
示すノボラック型フェノール樹脂よりも低い。つまり、
ビスフェノール類は、低分子量のであって分子量分布が
実質上単分散であるので、分子のほとんどが分子量のそ
ろった低分子量成分であり、その溶融粘度は低い。これ
に対して、同一の数平均分子量であってもノボラック型
フェノール樹脂は、分子量分布が高分子量側に広いため
に高分子量の分子種が多く、その溶融粘度は高い。
【0018】本発明に用いられるエポキシ樹脂は、1分
子中に2個以上のエポキシ基を有する樹脂であって、電
子機器で一般に用いられるものであれば特に制限はな
い。このエポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノ
ボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂をはじめとするフェノール類とアルデヒド類か
ら得られるノボラック樹脂をエポキシ化したノボラック
型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシア
ヌール酸等のポリアミンとエピハロヒドリンの反応によ
り得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ナフタレ
ン骨格を有するエポキシ樹脂等があげられるが、耐熱性
の観点からエポキシ当量230以下のノボラック型エポ
キシ樹脂が好ましい。これらエポキシ樹脂は単独で用い
てもよく、2種以上を混合してもよい。なお、用いられ
るエポキシ樹脂は、上記のものに限定されるものではな
い。
【0019】本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
エポキシ樹脂中のエポキシ基のモル量に対するフェノー
ル性水酸基のモル量を0.8から1.2になるようにエ
ポキシ樹脂と硬化剤を配合することが好ましい。
【0020】本発明のエポキシ樹脂組成物には、エポキ
シ基とフェノール性水酸基の硬化反応を促進する硬化促
進剤を、必要に応じて用いることができる。この硬化促
進剤としては、例えば、トリス(ジメチルアミノ)フェ
ノール、1,8−ジアザービシクロ(5,4,0)ウン
デセン−7、トリエタノールアミン、ベンジルジメチル
アミン、等の三級アミン、2−メチルイミダゾール、2
−フェニルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、等
のイミダゾール類、トリブチルホスフィン、メチルジフ
ェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニ
ルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン
類、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレー
ト、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニ
ルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボ
レート、N−メチルモルホリンテトラフェニルボレート
等のテトラフェニルボロン塩があげられる。これらの硬
化促進剤の使用量は、上述のエポキシ樹脂100重量部
に対し0.01から10重量部がよく、好ましくは0.
3から5.0重量部がよい。
【0021】本発明のエポキシ樹脂組成物には必要に応
じて、ゴム成分を配合することができる。ゴム成分の例
としては、天然ゴムやポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、スチレンーブタジエン共重合体などの汎用の合成ゴ
ム、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルなどのアルキレングリコール類、その他キシレン樹
脂、ポリビニールアルコール、熱可塑性エラストマー、
ATBN、CTBN、フッ素ゴムまたは、ジメチルシロ
キサン、メチルフェニルシロキサンなどのオルガノシロ
キサンおよびこれらの分子末端に、ヒドロキシ基、カル
ボキシル基、アミノ基、エポキシ基、メルカプト基、な
どの官能基をもつ化合物があげられる。これらのゴム成
分は、エポキシ樹脂組成物に10重量%を超えない範囲
で添加することができる。これらのゴム状樹脂は単独で
用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0022】また、本発明の電子機器用エポキシ樹脂組
成物には、無機充填剤を用いることができる。無機充填
剤の具体例としては、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シ
リカ、アルミナけい酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭
化けい素、窒化けい素、窒化ホウ素、ベンガラ、マイ
カ、タルク、三酸化アンチモン、チタンホワイト等があ
げられる。これらの中でも、シリカ粉末やアルミナが好
ましく、その配合割合は樹脂組成物全体に対し50重量
%から95重量%が好ましい。50重量%未満では硬化
物の線膨張係数および硬化収縮を低下させる効果が少な
くなり好ましくない。95重量%を超えると成型性が悪
化し低圧トランスファー成型が困難になる。
【0023】本発明のエポキシ樹脂組成物には、上記成
分以外にブロム化エポキシ樹脂に代表される公知の難燃
化剤、高級脂肪酸、エステル系ワックスに代表される公
知の離型剤、エポキシシラン、ビニルシラン、アミノシ
ラン、ボラン化合物アルコキシチタネート化合物、アル
ミキレート化合物に代表される公知のカップリング剤、
カーボンブラックに代表される公知の顔料を配合するこ
とができる。
【0024】本発明のエポキシ樹脂組成物は、ビスフェ
ノール類と、エポキシ樹脂と、必要に応じて用いられる
他の成分とを、ロール、エクストルーダー、ニーダー、
ヘンシェルミキサーなどの混合装置を用いて均一に混練
することにより容易に製造される。
【0025】なお、各成分のうちゴム成分は一般にエポ
キシ樹脂や硬化剤であるポリフェノールとの相溶性が低
いので、ゴム成分を均一に分散させるためには、あらか
じめエポキシ樹脂、硬化剤、あるいは無機充填剤と予備
混合する方法や、加熱処理により一部反応させる方法な
どを採用することが好ましい。また、無機充填剤とエポ
キシ樹脂との密着性を良好にするため、この無機充填剤
を上記カップリング剤によりあらかじめ処理することも
有効である。
【0026】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例を説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0027】(エポキシ樹脂組成物の配合成分)本発明
の実施例に係るエポキシ樹脂組成物は、硬化剤として、
50重量%の4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ルと、50重量%のジ(4−ヒドロキシフェニル)メチ
ルベンゼンを均一に溶融混合した混合物(混合ビスフェ
ノール)を用いた。エポキシ樹脂として、クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂(EOCN−1025、日本化
薬(株)製)を用いた。さらに、表1に示すように、充
填剤として合成シリカ粉末、各種添加剤を用いた。そし
て、以下の(1)〜(6)に説明するように、エポキシ
樹脂組成物の調製と評価とを行った。
【0028】
【表1】
【0029】(1)エポキシ樹脂組成物の調整 実験番号1〜5について、表1に示す配合割合で合成シ
リカ粉末、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、その他
の成分をミルでドライブレンドして、粉末状の配合物を
得た。
【0030】この配合物を温度100℃にて、連続ニー
ダーで加熱混練した。混練後、すみやかに5℃に冷却
し、ミルで微粉砕し粉末状の樹脂組成物の試料(粉末状
試料)を得た。この粉末の一部を錠剤成形器で打錠し、
タブレット化された錠剤状試料を得た。
【0031】(2)成形物試料の耐湿信頼性 2本のアルミニウム配線をシリコンチップ上に有するテ
ストチップを、上記(1)で調製した錠剤状試料を用い
て、金型温度180℃、硬化時間90秒で低圧トランス
ファー成形を行った後、175℃で7時間のポストキュ
ア(後硬化)処理を行い、成形物試料を得た。なお、シ
リコンチップの外形寸法は幅5.1mm、長さ14.1
mm、厚み0.4mm、成形物試料の外形寸法は幅8m
m、長さ16mm、厚み2.5mmである。
【0032】得られたテスト部品100個について、シ
リコンチップ上のアルミニウム配線間に15ボルトのバ
イアス電圧を印加した状態で、温度133℃、相対湿度
100%に設定された環境試験装置内に収容しておき、
アルミニウム配線の断線率が50%になる時間を求め、
成形物試料の耐湿信頼性を評価した。
【0033】(3)はんだ耐熱性 上記(2)の成形物試料20個について、あらかじめ温
度120℃のオーブンで排湿処理を行ったサンプルチッ
プを得た。このサンプルチップを、温度85℃、相対湿
度85%に設定された環境試験装置内で168時間の吸
湿処理をおこなった後、260℃のはんだ浴に10秒間
浸漬し、クラックの発生数で耐熱性を評価した。
【0034】(4)エポキシ樹脂組成物の溶融粘度測定 溶融粘度は、高化式フローテスターを用い、以下に説明
する方法で測定した。上記(1)で調製した粉末状試料
2gを天秤で精秤し、錠剤成形器で打錠することによっ
て直径10.3mmのペレットを得た。このペレットに
ついて、シリンダー温度175℃、ノズル寸法1mmφ
×10mm、荷重10kgの条件にて測定を行った。溶
融粘度は、フローカーブの最大勾配から算出した。
【0035】(5)成形物試料の線膨張係数測定 上記(2)の成形物試料について、封止樹脂のガラス転
移点以前における線膨張係数を、熱機械分析(TMA)
法により測定した。
【0036】(6)成形物試料の吸湿量測定 上記(2)の成形物試料50個を吸湿量測定サンプルに
供した。これらのサンプルは、10個ずつ5ロットに区
分しておき、あらかじめ125℃のオーブン内で15時
間の排湿処理を行った後、温度85℃、相対湿度85%
に設定された環境試験装置内で168時間の吸湿処理を
行った。吸湿前後の重量を測定して重量増加率を求め、
この重量増加率より封止樹脂における吸湿量を算出し
た。
【0037】(比較例)硬化剤としてノボラック型フェ
ノール樹脂(MP−120、群栄化学(株)製)を用い
た。硬化剤以外の配合成分は、本発明の実施例と同じも
のを用いた。そして、表1に示す配合割合にしたがっ
て、本発明の実施例と同様の方法でエポキシ樹脂組成物
の調製と評価とを行った。
【0038】本発明の実施例および比較例についての、
上記(2)〜(6)の評価の結果は、表2に示す通りで
あった。
【0039】
【表2】
【0040】表2から明らかなように、本発明の実施例
に係るエポキシ樹脂組成物は、比較例よりも封止樹脂の
線膨脹率が小さく、成形物試料について高い耐湿信頼性
と低い吸湿量とを示した。また、はんだ耐熱性に優れて
いることも確認し得、(2)〜(6)の評価項目のすべ
てにバランスよく好成績をあげていることが分かった。
【0041】これに対して、比較例では、(2)〜
(6)の評価項目の一部について優れている場合もある
が、評価項目のすべてについてバランスよく好成績をあ
げることはできないことが分かった。
【0042】
【発明の効果】本発明のビスフェノール類はその分子構
造が剛直性と疎水性とを有し、剛直性がエポキシ樹脂組
成物の線膨脹係数の低下および耐熱性の向上を、疎水性
が吸湿量の低下をそれぞれ高いレベルで達成するので、
ビスフェノール類を硬化剤として用いるエポキシ樹脂組
成物は、耐湿性、はんだ耐熱性が高いレベルで確保され
る。
【0043】また、ビスフェノール類は分子量が小さく
且つ分子量分布が実質的に単分散であるので、同一の数
平均分子量を示すノボラック型フェノール樹脂に比較
し、その溶融粘度は著しく低いという利点を持つ。この
ため、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度を低下することが
できる。このため、同一の数平均分子量を示すノボラッ
ク型フェノール樹脂に比較し、無機充填剤量を大幅に増
加させることができ、エポキシ樹脂組成物の線膨脹係数
を低下させ得る。したがって、剛直性による線膨脹係数
の低下と相俟って、半導体パッケージの線膨脹率をシリ
コンチップのそれに近づけることができ、低応力化が可
能になる。
【0044】以上の結果、分子量分布の広いノボラック
型フェノール樹脂では達成困難であった高度の耐熱性を
確保しつつ耐湿性と低応力化とを高いレベルで達成する
ことが可能になり、半導体装置をはじめとする電子機器
の信頼性の向上をもたらす。例えば、半導体装置では、
トランスファー成形時のチップ表面損傷、耐湿信頼性の
向上、チップクラックの防止、パッケージクラックの防
止等を図ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 で示されるビスフェノール類と、 1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
    とが配合されてなることを特徴とする電子機器用エポキ
    シ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】上記エポキシ樹脂は、少なくともノボラッ
    ク型エポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載
    の電子機器用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】上記エポキシ樹脂は、少なくともナフタレ
    ン骨格を有するエポキシ樹脂を含むことを特徴とする請
    求項1記載の電子機器用エポキシ樹脂組成物。
JP2510893A 1993-02-15 1993-02-15 電子機器用エポキシ樹脂組成物 Withdrawn JPH06244318A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010184993A (ja) * 2009-02-12 2010-08-26 Nippon Steel Chem Co Ltd エポキシ樹脂組成物および硬化物
JP2013237860A (ja) * 2013-07-25 2013-11-28 Nippon Steel & Sumikin Chemical Co Ltd エポキシ樹脂組成物および硬化物

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