JP5322829B2 - 縦穴の掘削工法およびハンマーグラブの飛散防止カバー - Google Patents

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Description

本発明は、縦穴の掘削工法およびハンマーグラブの飛散防止カバー関するもので、さらに詳しくはハンマーグラブを使用した掘削工法およびハンマーグラブと共に使用される飛散防止カバーに関するものである。
地中の縦穴掘削工法あるいは排土工法の一つとしてオールケーシング工法が知られている。この工法は、下端部に掘削用の爪が複数個設けられている鋼管すなわちケーシングを回転して、爪によって地盤を切削しながら地中に差し込み、差し込んだケーシング内の土砂を掘削機により掘削、排土して縦穴を掘削する工法である。この縦穴にコンクリートを打設して杭が構築される。このような縦穴の掘削にハンマーグラブが使用されている。ハンマーグラブは、従来周知のように、円筒状のグラブ本体を備えている。この本体の内部には複数個のシーブからなる開閉機構が設けられ、その下端部には複数個のシェルが設けられている。このように構成されているグラブ本体は、支持金具すなわちクラウンに脱着自在に保持されるようになっている。クラウンは、複数本の吊りロープにより、例えばクレーンにより吊り下げられている。クレーンには操作用ワイヤロープも設けられ、このワイヤロープを操作することにより、開閉機構を駆動して複数個のシェルを開閉し、グラブ本体をクラウンまで引き上げて脱着できるようになっている。
ハンマーグラブは、概略上記のように構成されているので、このハンマーグラブを使用し次のようにして縦穴を掘削することができる。すなわち、土中に差し込まれたケーシング内の所定位置に、グラブ本体をクレーンにより吊り下げ、そうして操作用ワイヤロープを緩める。そうすると、複数個のシーブからなる開閉機構が作動してシェルが開く。また、クラウンから切り離される。グラブ本体はシェルを下にして重力により落下し、シェルはその先端部から土中に食い込む。そこで、操作用ワイヤロープを巻き上げる。この動作により開閉機構が作動してシェルは閉じる。閉じるので複数個のシェルの内側に位置する泥、砂、障害物等の被掘削物は複数個のシェルにより挟み込まれるようにして掴み取られる。さらに操作用ワイヤロープを巻き上げると、グラブ本体は被排出物を掴んだ状態でクラウンに連結される。以降は、クラウンを吊っている吊りロープによりグラブ本体を吊り、例えば被掘削部を堆積しておく場所へ移動させる。操作用ワイヤロープを緩める。そうすると、開閉機構が作動してシェルが開き、被掘削物は排出される。以上の操作を繰り返して縦穴を掘削することができる。
以上のようにして掘削するとき、色々な問題が生じる。例えば、被掘削物をケーシングの上方に吊り上げてから、被掘削部を一時的に堆積しておく場所すなわち排土位置へ移動するまでの間に、シェルに掴み取られている泥、土砂、障害物、泥水等の被掘削物がシェルから漏れて当たりに飛散し、環境を汚染するという問題がある。そこで、このような飛散の問題を解決したハンマーグラブのカバー装置が特許文献1により提案されている。
特開2001−323768号
特許文献1に記載のカバー装置は、地上に吊り上げられたハンマーグラブ本体を包み込むもので、ハンマーグラブ本体よりも大径の上下のリングと、樹脂シートから構成されている。樹脂シートの上下端部は、上下のリングにそれぞれ取り付けられている。したがって、カバー装置を地上に設置しておき、上記したようなハンマーグラブにより掘削してグラブ本体を地上まで吊り上げると、グラブ本体はシェルに掴み込まれた被掘削物と共にカバー装置内に収まる。そこで、グラブ本体を排土位置まで移動させる。グラブ本体がカバー装置内に収っているので、シェルから被掘削物の一部が漏れて、あたりに飛散しようとしても樹脂シートにより阻止される。これにより、工事現場近傍の環境汚染が防止される。
提案されているハンマーグラブのカバー装置は、地上に吊り上げられたグラブ本体を包み込むようになっているので、被掘削物を掴んでいるグラブ本体を排土位置まで移動させるときの問題すなわち地上での問題は解決しているといえる。しかしながら、ケーシング内において生じる問題は解決されてはいない。さらに詳しく説明すると、シェルに掴み取られた被掘削物は、引き上げるときにシェルから落下することがある。特に、掴み込まれた被掘削物がシェルに比して大きい場合、被掘削物はシェルに対して不安定な状態で掴まれているので、グラブ本体の巻き上げ時のワイヤロープから伝わる振動、グラブ本体あるいはシェルのケーシングへの接触時の振動等により、被掘削物はシェルから落下することがある。落下すると、ケーシングはシリンダ状の密閉空間を呈しているので、ケーシングの内部は落下物により一時的に圧縮状態となり、圧縮された空気によってケーシング内に溜まっている地下水、泥土等が勢いよくケーシングから外部へ吹き上げ、周囲に飛散する。ケーシングの内周面に実質的に接するような大きな塊状の被掘削物が落下するときは、空気の圧縮の効果が大きくなるので、吹き上げ力は大きく、吹き上げ高さは例えば20〜30mにもなって環境への影響は一層大きくなる。吹き上げ物による人体への災害もあり得るし、特に、都市部においてオールケーシング工法が実施される場合には、周辺環境に影響を与えてしまう。
特許文献1により提案されているハンマーグラブのカバー装置もケーシングの上方に配置されるようになっているので、吹き上げによる飛散は防止することができると思われるが、上記カバー装置は一対のリングと、これらのリングに取り付けられている樹脂シートとから略円筒状に構成され、上部は開放されているので、吹き上げ物は開口部を通って飛散する。また、たとえ上方の開口部を塞いだとしても、特許文献1に記載のカバー装置は上下の一対のリングと樹脂シートから構成されているので、すなわち一対のリングは比重の大きい鉄製であるとしても、リングは軽量構造であるので、全体として軽量で、吹き上げ力をカバー装置の重量により抑えることはできない。また、弱い吹き上げは防止することができるとしても、提案されているカバー装置は、構造的に見てケーシングの上方への配置は容易ではないと思われる。換言すると、カバー装置はハンマーグラブを使用した掘削作業には一般に邪魔になるが、取り外し、取り付けは容易とは思えない。さらには、カバー装置のケーシングへの位置合わせも難しいことが予想される。
本発明は、上記したような従来の問題を解決した、ハンマーグラブを使用した縦穴掘削方法およびハンマーグラブの飛散防止カバーを提供することを目的としている。さらに具体的には、複数個のシェルにより被掘削物を掴み込んでハンマーグラブ本体をケーシング内で吊り上げるときの問題も、地上に吊り上げて被掘削部を一時的に堆積しておく排土位置まで移動するときの問題も解決した、ハンマーグラブを使用した縦穴掘削方法およびハンマーグラブの飛散防止カバーを提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、いわゆるオールケーシング工法において、地盤に打ち込まれたケーシング内に、ワイヤで吊り下げられたハンマーグラブを挿入して、ケーシング内の切削された被堀削物を挟み込んで引き上げるとき、ケーシングの開口部を飛散防止カバーによって覆うように構成する。具体的には、飛散防止カバーは、ケーシングの開口部より大径の、略逆漏斗状を呈する鋼板製の天板部と、天板部の外周部の下端部に一体的に接続されている鋼板製のスカート部とから構成する。そして、天板部の中央部には所定大きさの穴が明けられて、天板部とスカート部には、穴に達するスリットが入れられている。また、スカート部の外周部には、下方に伸ばすことができる折り畳み自在の可撓性シートが設けられている。このような飛散防止カバーを、ケーシング内にワイヤで吊り下げられたハンマーグラブを引き上げる前に、ケーシングの開口部に載せる。すなわち、開口部を覆う。このとき、飛散防止カバーの穴には、スリットを介してワイヤが通される。さらに、可撓性シートを下方に伸ばす。そうしておいて、ハンマーグラブによって被堀削物を挟み込んで引き上げる。ハンマーグラブと被堀削物がケーシングから引き上げられたら、可撓性スカートでこれらの周囲を覆う。
かくして、請求項1に記載の発明は、円筒状のケーシングを地盤に縦方向に打ち込んで、前記ケーシング内にワイヤで吊り下げられたハンマーグラブを挿入して、前記ケーシング内の切削された被堀削物を前記ハンマーグラブで挟み込み、挟み込んだ状態で前記ハンマーグラブを引き上げ、そして所定箇所へ移動させて前記被堀削物を排出して縦穴を掘削する工法において、前記ハンマーグラブを引き上げる工程は、前記ケーシングの開口部を、前記ワイヤを通す所定大きさの穴が設けられた鋼板製の飛散防止カバーで覆った状態で実施するように構成される。
そして、請求項2に記載の発明は、円筒状のケーシングを地盤に縦方向に打ち込んで、前記ケーシング内にワイヤで吊り下げられたハンマーグラブを挿入して、前記ケーシング内の切削された被堀削物を前記ハンマーグラブで挟み込み、挟み込んだ状態で前記ハンマーグラブを引き上げ、そして所定箇所へ移動させて前記被堀削物を排出して縦穴を掘削する工法において、前記ハンマーグラブを引き上げる工程は、前記ケーシングの開口部を、前記ワイヤを通す所定大きさ穴が設けられた鋼板製の飛散防止カバーで覆った状態で実施し、前記ハンマーグラブを移動させる工程は、前記ハンマーグラブと前記被堀削物を前記鋼板製の飛散防止カバーと飛散防止カバーの外周部に設けられている可撓性シートとで覆った状態で実施するように構成される。
請求項3に記載の発明は、円筒状のケーシングを地盤に縦方向に打ち込んで、前記ケーシング内にワイヤで吊り下げられたハンマーグラブを挿入して、前記ケーシング内の切削された被堀削物を前記ハンマーグラブで挟み込み、挟み込んだ状態で前記ハンマーグラブを引き上げ、そして所定箇所へ移動させて前記被堀削物を排出して縦穴を掘削するときに使用される飛散防止カバーであって、前記飛散防止カバーは、前記ケーシングの開口部より大径の、略逆漏斗状を呈する鋼板製の天板部と、該天板部の外周部の下端部に一体的に接続されている鋼板製のスカート部とから構成され、前記天板部の中央部には所定大きさの穴が明けられており、該穴に前記ワイヤを通すことにより、前記ハンマーグラブが前記ケーシング内に挿入されている状態において、前記飛散防止カバーは前記ケーシングの開口部に載置することができるように構成される。
そして、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の飛散防止カバーにおいて、前記天板部と前記スカート部には、前記天板部の穴に達するスリットが入れられており、前記ワイヤは、前記スリットを介して前記穴に通すことができるように構成される。
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の飛散防止カバーにおいて、前記天板部と前記スカート部には、前記スリットを開閉する開閉部材が設けられるように構成される。
さらには、請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれかに記載の飛散防止カバーにおいて、前記スカート部の外周部には、下方に伸ばすことができる折り畳み自在の可撓性シートが設けられるように構成される。
以上のように、本発明によると、縦穴を掘削する、いわゆるオールケーシング工法において、ケーシング内に挿入されたハンマーグラブを引き上げる工程は、ケーシングの開口部を、ケーシングの吊り下げ用のワイヤを通す所定大きさの穴が設けられた鋼板製の飛散防止カバーで覆った状態で実施するように構成されているので、ハンマーグラブによって挟み込まれている被堀削物が、ケーシング内で落下してケーシング内に溜まっている地下水や泥土が吹き上げられても、飛散防止カバーによって飛散を確実に防止することができ、環境を汚染することがない。さらに他の発明によると、ハンマーグラブを引き上げた後に実施される、ハンマーグラブを移動させる工程は、ハンマーグラブと被堀削物を鋼板製の飛散防止カバーと飛散防止カバーの外周部に設けられている可撓性シートとで覆った状態で実施するように構成されているので、地上に吊り上げられたハンマーグラブと被堀削物から、水や泥土は飛散しない。従って、良好な環境が維持される。また、他の発明によると、飛散防止カバーは、ケーシングの開口部より大径の、略逆漏斗状を呈する鋼板製の天板部と、該天板部の外周部の下端部に一体的に接続されている鋼板製のスカート部とから構成され、天板部の中央部には所定大きさの穴が明けられている、シンプルな構造なので、製造は比較的容易であり飛散防止カバーを安価に提供することが可能になる。そして、天板部と前記スカート部には、天板部の穴に達するスリットが入れられており、ワイヤはスリットを介して穴に通すことができるようになっている発明によると、飛散防止カバーによってケーシングの開口部を覆うときに、ハンマーグラブを吊り下げているワイヤが妨げになることがなく、容易にワイヤを飛散防止カバーの穴に通すことが可能になる。さらには、スカート部の外周部に、下方に伸ばすことができる折り畳み自在の可撓性シートが設けられている発明によると、可撓性シートは安価であり、構成がシンプルでありながら、水や泥土の飛散を確実に防止することが可能になるという効果が得られる。
本発明の実施の形態に係る飛散防止カバーとハンマーグラブを模式的に示す図であり、その(ア)は飛散防止カバーを一部断面にして示す正面図であり、その(イ)はハンマーグラブの正面図である。 本発明の形態に係る縦穴掘削工程の各段階における飛散防止カバーとハンマーグラブとを模式的に示す正面図である。
はじめに、本発明の実施の形態に係る飛散防止カバーに付いて説明する。飛散防止カバー1は、図1の(ア)に示されているように概略的には天板部2とスカート部3と貫通部4とから構成されている。天板部2は、上端部から下端部に向かってテーパ状に拡径している。換言すると、漏斗を逆さまに伏せた形をしている。天板部2の下端部は最大径になっているが、この下端部の径は適用されるケーシングの径よりも充分大きく選定されている。このような天板部2の下端部からは、スカート部3が所定長さだけ下方へ延び、天板部2の上端部からは貫通部4が所定高さだけ立ち上がっている。貫通部4の径は適用されるハンマーグラブの一部は通るが、後述するようにハンマーグラブに取り付けられているリング状の支持部材は通過できない大きさに選定されている。
本実施の形態によると、天板部2は略同じ形状の2重構造になっていて、内側に位置する天板はハンマーグラブが吊り上げられるとき案内するガイド部2aとなっている。本実施の形態によると、ガイド部2aを有するので、吊り上げるとき吊りワイヤが揺れてハンマーグラブの軸心が多少ずれても貫通部4にスムーズに案内されることになる。さらには、本実施の形態によると、スカート部3の一部も2重構造になっている。すなわち、外側に位置する長いスカート部3と、内側に位置する短い補助スカート部3aとからなっている。これらのスカート部3、3aの上端部は円盤状のスペーサ5により所定の間隔Sに保持されている。この間隔Sの間に、後述するケーシングが入り、その上端縁にスペーサ5が載ることになる。
ハンマーグラブは、一般に吊りワイヤにより吊り下げられ、そして操作用ワイヤによりシェルが開閉されるようになっているので、ハンマーグラブがこれらのワイヤで吊られてケーシングに挿入されている状態で飛散防止カバー1を脱着できるように、すなわち飛散防止カバー1にはこれらのワイヤが通るスリット10が形成されている。スリット10は、図1の(ア)に示されているように貫通部4、天板部2、スカート部3および図1には現れていないが、ガイド部2a、スペーサ5にわたって形成されている。これにより、貫通部4のフック4a、4aにワイヤ4b、4bをかけて吊り下げ、スリット10がハンマーグラブを吊り下げているワイヤ、操作用ワイヤに位置するようにして、横方向に移動させると飛散防止カバー1を装着および取り外すことができる。天板部2とスカート部3には、スリット10の近傍に長方形状を呈する扉6a、6bが所定の蝶番によって回動自在に設けられているので、飛散防止カバー1を装着した後に扉6a、6bによってスリット10を塞ぐことができるようになっている。
上記のように構成されている飛散防止カバー1すなわち天板部2とスカート部3と貫通部4は、望ましくはガイド部2aと補助スカート3aとスペーサ5と扉6a、6bも、本実施の形態によると所定の重量と強度を有するように、鋼板から構成されている。これにより、前述したような吹き上げを飛散防止カバー1の重量により抑えることができる。
スカート部3の外周部には可撓性のスカート部シート12が設けられている。すなわち、スカート部20には円周方向に所定の間隔をおいて複数個のフック状の掛け具12a、12a、…が設けられ、スカート部シート12は、掛け具12a、12a、…に着脱自在に取り付けられている。掛け具12a、12a、…には、ゴム紐12b、12b、…が接続されており、ゴム紐12b、12b、…の先端にはフック12c、12c、…が設けられている。スカート部シート12は折り畳まれた状態で、ゴム紐12b、12b、…に押さえられ、先端のフック12c、12c、…はスカート部3の下端部に引っかけられている。したがって、フック12c、12c、…を外すと、折り畳まれているスカート部シート12はゴム紐12b、12b、…から解放されて広がり、図1の(ア)において鎖線12dで示されているようにスカート部3の下方に垂れ下がり、ハンマーグラブを包み込むことになる。垂れ下がった末端部をロープ等で絞るように実施することもできる。
貫通部4の外周部にも同様な可撓性の貫通部シート13が着脱自在に同様に設けられている。ハンマーグラブを引き上げるときには、貫通部4の真下にグラブ本体が位置するようになるので、吹き上げはグラブ本体により遮られ、貫通部4を通って吹き上げる量は少ないので、このシートは必要に応じて使用される。
ハンマーグラブは、機械式のグラブも油圧式のグラブも従来周知で、このような周知のグラブが適用できるので、以下簡単に機械式のハンマーグラブ20を図1の(イ)によって説明する。ハンマーグラブ20は、複数本の棒状部材から枠状に形成されたグラブ本体21を備えている。この本体21の内部には複数個のシーブ、滑車等からなる開閉機構22が設けられ、その下端部にはピン結合された2個のシェル23、23が開閉自在に設けられている。このように構成されているグラブ本体21は、吊り下げ鎖25によって吊り下げられるようになっており、吊り下げ鎖25はブラケット26に固定されている。ハンマーグラブ20を操作する操作ワイヤ27は、ブラケット26の透孔を貫通し、開閉機構22を構成している滑車等に掛け回され、その終端部は枠体に固定されている。したがって、操作ワイヤ27を巻き上げたると、開閉機構22に作用し、シェル23、23が閉じて、被掘削物は掴み込まれる。また吊り下げ鎖25を巻き上げると、被掘削物がシェル23、23によって掴み込まれた状態でグラブ本体21がケーシング外へ搬出される。グラブ本体21を別のワイヤで吊った状態で操作ワイヤ27を緩めると、一対のシェル23、23は開き、掴み込まれていた被掘削物は排出される。
このように構成されているハンマーグラブ20の本体部21には、リング状の支持部材28が設けられている。この支持部材28の外径寸法は、前述したグラブ本体21の外径よりも小さいが、飛散防止カバー1の貫通部4の内径より充分小さく、ハンマーグラブ1を引き上げるとき、支持部材28が貫通部4に当接し、グラブ本体21を支持するようになっている。
次に主として図2を使用して、上記実施の形態の作用について説明する。図2の(ア)に示されているように、鋼管すなわちケーシングCを従来周知のように回転させながら土中に押し込む。そうすると、ケーシングCの先端に設けられている爪、すなわちカッタビットC1によって地中の固い岩盤も切削される。地中に巨大な転石や、建築物の基礎の残骸が埋まっている場合には、これらが切削され、塊状の被掘削物Hが形成される。このようにケーシングCを土中に押し込むとき、地表に出ている部分C’を所定の高さ以上残すようにする。飛散防止カバー1は、地表に出ている部分C’に載置されるからであり、出ている部分C’は飛散防止カバー1を位置決めして支持する部材を兼用していることになる。ハンマーグラブ20を一対のシェル23、23が開いた状態でケーシングC内に降ろす。ケーシングCの底部に土砂や、比較的柔らかい地盤が露出している場合には、シェル23、23は、これらに突き刺さる。しかしながら、ケーシングCによって切削された被掘削物Kが固い岩盤、転石、建築物の基礎の残骸等からなり、比較的大きい場合には、シェル23、23は、被掘削物KとケーシングCとの隙間に差し込まれる。このような状態が、図2の(ア)に示されている。
操作ワイヤ27を巻き上げると、被掘削物Kが柔らかい場合には、前述したように、グラブ本体21のシェル23、23が完全に閉じ被掘削物は一対のシェル23、23によって挟み込まれ、実質的に掬い上げられる。しかしながら、被掘削物Kが固く大きい場合にはシェル23、23は完全に閉じない。従って、被掘削物Kは、その側部をシェル23、23によって挟持されるだけになる。そうすると、グラブ本体21を引き上げるときに、被掘削物Kは摩擦力によって挟持されているだけなのでケーシングC内で落下する可能性があり、ケーシングC内に溜まっている地下水、泥水等が吹き上げられる可能性がある。そこで、グラブ本体21の引き上げの前に、本実施の形態に係る飛散防止カバー1をケーシングCにセットする。具体的には、飛散防止カバー1をケーシングCの地表に出ている部分C’に載せる。すなわち、飛散防止カバー1を吊りワイヤ4b、4bで吊って、スリット10がハンマーグラブ20の吊り下げ鎖25に整合するようにして横方向に移動させ、飛散防止カバー1の軸心をグラブ本体21軸心つまり吊り下げ鎖25の軸心に一致させる。そうして、吊りワイヤ4b、4bを緩めて、飛散防止カバー1をケーシングCの上に降ろす。飛散防止カバー1のスペーサ5が地表に出ている部分C’に上端に載る。この状態が図2の(イ)に示されている。載せるまでは、スカート部シート12も貫通部シート13も巻き上げておき、スリット10の扉6a、6bは開いておく。なお、図2の(イ)には、スリット10、扉6a、6b等は示されていない。
吊り下げ鎖25を巻き上げる。巻き上げの途中の段階が図2の(ウ)に示されている。巻き上げを開始したら、あるいは開始する前にスカート部シート12を降ろし、貫通部シート13を上げ、そしてスリット10の扉6a、6bを閉める。
巻き上げを続行する。そうすると、ハンマーグラブ20の上方部分の一部は飛散防止カバー1の貫通部4を突き抜けるが、グラブ本体21に取り付けられている支持部材28が飛散防止カバー1の貫通部4に当接する。このような状態が、図2の(エ)に示されている。支持部材28が貫通部4に当接していると、貫通部4は実質的に閉塞されるので、被掘削物KがケーシングC内で落下して地下水、泥水等が吹き上げられても貫通部4から噴出することはない。必要に応じて貫通部シート13を外す。以降、飛散防止カバー1はハンマーグラブ20と共に引き上げられる。ケーシングCよりも上方へ引き上げられ、水平方向に移動した状態が、図2の(オ)に示されている。この状態で、ハンマーグラブ20を排土位置まで移動する。そうして、ハンマーグラブ20の枠部材を、図には示されていないが、別の吊り下げ装置で吊って、吊り下げ鎖25を緩める。あるいは操作ワイヤ27を弛める。そうすると、前述したようにして、一対のシェル23、23が開き被掘削物Hは排出される。
飛散防止カバー1はハンマーグラブ20に吊られた状態で、スカート部シート12は折り畳むなどして、ハンマーグラブ20をケーシングC内に降ろす。そうすると、飛散防止カバー1のスペーサ5がケーシングCの上端部に当接し、保持される。以下同様に操作を繰り返して掘削する。
本実施の形態によると、金属製すなわち鋼板製の飛散防止カバー1をケーシングCの上端部に被せて、ハンマグラブ1を引き上げるので、シェルから被掘削物Hが落下し、ケーシング内の地下水、泥土等が勢いよく吹き上げようとしても、飛散防止カバー1により防止される。吹き上げ力が強くても、鋼板製の飛散防止カバー1は重量が大きいので、飛散は阻止される。また、地上まで引き上げられると、グラブ本体21を被掘削物Hを掴み込んでいるシェル23、23もスカート部3およびスカート部シート12により包み込まれるので、排土位置まで移送するときの環境の汚染も防止される。
本発明は、上記実施の形態に限定されることなく色々な形で実施できる。例えば、天井部2にはガイド部2aが設けられているので、このガイド部2aによりハンマーグラブ20を引き上げるときガイドされるが、ガイド部2aが無くても実施できる。また、スリット10の幅は、一般に狭いので、吹き上げる泥水等の量も少ないと考えられるので、扉はなくても良い。扉がないときは、汚泥が吹き出しても問題が小さい方向にスリット10が向くように載置すればよい。さらには、本実施の形態によると、飛散防止カバー1はスカート部3を有するので、スカート部シート12は必ずしも設ける必要はない。ハンマーグラブ20の巻き上げ時には、貫通部4の実質的に真下にグラブ本体21が位置するようになり、グラブ本体21によりある程度の吹き上げは阻止されるので、貫通部シート13も無くても良い。また、上記実施の形態ではハンマーグラブ20に支持部材28が特別に設けられているが、既存の枠部材の形状によってはその一部を支持部材として利用することもできる。
また、本実施の形態においては、飛散防止カバー1にはスリット10が設けられており、ハンマーグラブ20の吊り下げ用ワイヤ25はスリット10から挿入して貫通部4に通されるように説明されているが、スリット10を設けずに吊り下げ用ワイヤ25を飛散防止カバー1の貫通部4に通した後にハンマーグラブ20に接続するようにしてもよい。この場合、飛散防止カバー1は、常に吊り下げ用ワイヤ25に貫通された状態になり、ハンマーグラブ20と共に搬送されることになるが、スリット10が設けられていないので、構造がシンプルになる。
さらには、本実施の形態ではケーシングCの地上から出ている部分C’に、飛散防止カバー1が載置されるようになっているが、ケーシングCと同心状に、該ケーシングCよりも大径の別の鋼管を設置して、飛散防止カバー1乗せるように実施することもできる。このように実施すると、ケーシングCの打ち込み量に融通性が得られる。
1 飛散防止カバー 2 天板部
3 スカート部 4 貫通部
6a、6b 扉
12 スカート部シート 13 貫通部シート
20 ハンマーグラブ 25 ワイヤ
C ケーシング
H 被堀削物

Claims (6)

  1. 円筒状のケーシング(C)を地盤に縦方向に打ち込んで、前記ケーシング(C)内にワイヤ(25)で吊り下げられたハンマーグラブ(20)を挿入して、前記ケーシング(C)内の切削された被堀削物(H)を前記ハンマーグラブ(20)で挟み込み、挟み込んだ状態で前記ハンマーグラブ(20)を引き上げ、そして所定箇所へ移動させて前記被堀削物(H)を排出して縦穴を掘削する工法において、
    前記ハンマーグラブ(20)を引き上げる工程は、前記ケーシング(C)の開口部を、前記ワイヤ(25)を通す所定大きさの穴(4)が設けられた鋼板製の飛散防止カバー(1)で覆った状態で実施することを特徴とする縦穴の掘削工法。
  2. 円筒状のケーシング(C)を地盤に縦方向に打ち込んで、前記ケーシング(C)内にワイヤ(25)で吊り下げられたハンマーグラブ(20)を挿入して、前記ケーシング(C)内の切削された被堀削物(H)を前記ハンマーグラブ(20)で挟み込み、挟み込んだ状態で前記ハンマーグラブ(20)を引き上げ、そして所定箇所へ移動させて前記被堀削物(H)を排出して縦穴を掘削する工法において、
    前記ハンマーグラブ(20)を引き上げる工程は、前記ケーシング(C)の開口部を、前記ワイヤ(25)を通す所定大きさ穴(4)が設けられた鋼板製の飛散防止カバー(1)で覆った状態で実施し、
    前記ハンマーグラブ(20)を移動させる工程は、前記ハンマーグラブ(20)と前記被堀削物(H)を前記鋼板製の飛散防止カバー(1)と飛散防止カバー(1)の外周部に設けられている可撓性シート(12)とで覆った状態で実施することを特徴とする縦穴の掘削工法。
  3. 円筒状のケーシング(C)を地盤に縦方向に打ち込んで、前記ケーシング(C)内にワイヤ(25)で吊り下げられたハンマーグラブ(20)を挿入して、前記ケーシング(C)内の切削された被堀削物(H)を前記ハンマーグラブ(20)で挟み込み、挟み込んだ状態で前記ハンマーグラブ(20)を引き上げ、そして所定箇所へ移動させて前記被堀削物(H)を排出して縦穴を掘削するときに使用される飛散防止カバー(1)であって、
    前記飛散防止カバー(1)は、前記ケーシング(C)の開口部より大径の、略逆漏斗状を呈する鋼板製の天板部(2)と、該天板部(2)の外周部の下端部に一体的に接続されている鋼板製のスカート部(3)とから構成され、
    前記天板部(2)の中央部には所定大きさの穴(4)が明けられており、該穴(4)に前記ワイヤ(25)を通すことにより、前記ハンマーグラブ(20)が前記ケーシング(C)内に挿入されている状態において、前記飛散防止カバー(1)は前記ケーシング(C)の開口部に載置することができるようになっていることを特徴とするハンマーグラブの飛散防止カバー。
  4. 請求項3に記載の飛散防止カバーにおいて、前記天板部(2)と前記スカート部(3)には、前記天板部(2)の穴(4)に達するスリット(10)が入れられており、前記ワイヤ(25)は、前記スリット(10)を介して前記穴(4)に通すことができるようになっていることを特徴とするハンマーグラブの飛散防止カバー。
  5. 請求項4に記載の飛散防止カバーにおいて、前記天板部(2)と前記スカート部(3)には、前記スリット(10)を開閉する開閉部材(6a、6b)が設けられていることを特徴とするハンマーグラブの飛散防止カバー。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の飛散防止カバーにおいて、前記スカート部(3)の外周部には、下方に伸ばすことができる折り畳み自在の可撓性シート(12)が設けられていることを特徴とするハンマーグラブの飛散防止カバー。
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