JP3655626B1 - 手動制御バケット - Google Patents

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Abstract

【課題】
枝部の先端にすくい部を取り付けているスコップにおいて角度変更機能を有する特開2000−192494号公報は、浅い場所から土砂を地上に引き上げることは出来ても、中に人が入ることなくマンホールの間口が小さく(半径300mm)、その中の深い場所から土砂を地上に引き上げるのは出来ない。また、人が入ることの出来ない狭い場所(例えばサイズが300mm×300mm)の深い場所から土砂を地上に引き上げることは出来ない。また水深の深い場所も土砂を地上に引き上げるのは出来ない。
【解決手段】
バケットの天井側の中心部近傍に誘導棒を結合し、バケットの天井側の入口部に前方吊るしロープを結合し、奥部に後方吊るしロープを結合したことを特徴とする手動制御バケットを手動制御により、深い場所、狭い場所(例えばサイズが300mm×300mm)でも、また水深の深い場所でも、手動(人の力)だけで簡単に土砂を地上にあげることが出来る。
また、水の中でもバケット本体1に多数の小孔をつけることにより、より効率よく土砂を地上に上げることが出来る。
【選択図】 図1

Description

地表部において、地表部より深い作業位置から、手動作業だけで土砂等を地表まで持ち上げることができる手動制御バケットに関する。
枝部の先端にすくい部を取り付けているスコップにおいて角度変更機能を有する特開2000−192494号公報のようなものがあった。
枝部の先端にすくい部を取り付けているスコップにおいてヒンジを有してその廻りを回転する角度変更機能を有する特開2000−192494号公報のスコップには、次のような課題があった。
当該公報に開示のスコップ(以下、当該スコップともいう。)の柄部は、せいぜい人の身長より短いと考えられ、地表より人の身長より深い(例えば、2m、あるいは3m、あるいは4m、あるいは5m以上、あるいは10m以上より深く)場所であって、特に、そこに至るまで中に人が入ることができない場合においては、当該スコップでは、土砂を掘り砕くことができず、また、当該スコップを用いても、土砂等を、地表より深い作業場所から地上に引き上げる作業ができない。当該スコップの柄の長さに限界があるため、当該スコップ自体が地表より深い作業場所に届かないためであるというのが第一の理由である。当該スコップの角度を変更させる場合、引き線を引っ張る。その場合、ヒンジを介して当該スコップの柄部には圧縮力が作用する。圧縮力が作用すれば、細長い当該柄部は座屈するおそれがあり、当該スコップの柄の長さに限界があり、当該スコップ事態が地表より深い作業場所に届かないためであるというのが第二の理由である。
また、当該公報に記載のスコップでは、水中の土砂を掬い上げる場合に、スコップの中に水が混じった土砂をも持ち上げることになり大きな力を必要とするという欠点があった。かかる欠点を解消しようとすれば、水中ポンプにより当該スコップの中の水を抜くということが考えられるが、水中ポンプを備える必要があり、態々水中ポンプを用意するのは作業器具準備が煩雑であり、水中ポンプでスコップの中の水を抜く作業時間が必要となり、全体の土砂持ち上げ作業時間の長期化という従来技術の欠点が指摘されていた。
特開2000−192494
本発明が解決しようとする課題は、以下に示す通りである。
本発明は、地表部において、地表部より深い作業位置から、手動作業だけで土砂等を地表まで持ち上げることができる手動制御バケットを提供することである。
本発明は、地表部において、狭い穴の底部(人が中に入ることができないような穴を含む。)から、地表部より深い作業位置から、手動作業だけで、土砂等を掘ることができ掘った土砂等を地表まで持ち上げることができる手動制御バケットを提供することである。
本発明は、地表部において、地表部より深い作業位置から、手動作業だけで水を除去して土砂等のみを地表まで持ち上げることができる手動制御バケットを提供することである。
なお、地表部より深い作業位置まで降りていくとなるとハシゴが必要となり、足場が滑りやすい等危険があることも多く、地表で手動コントロール可能な手動制御バケットを提供することが望まれている。
本願の特許請求の範囲に記載した各請求項、明細書に記載の用語の解釈上の疑義を解消すべく、用語について以下説明する。
<用語の説明>
○手動制御とは、 機械などを動力を用いないで人の力だけで、すなわち手動作業だけで、目的の状態にするために必要制御をすることをいう。
○バケットとは、土砂などを入れて運搬する容器をいう。バケットの形状は、図1に示すように、バケットの断面が矩形状、もしくは楕円形状等であってもよい。バケットは、土砂等を中に容れて地表より深い作業場所から地表まで持ち上げるのみならず、地表より深い作業場所において、そこにある土砂等をスコップのように掘る作業も行なうことをも可能である。従って、バケットの入口部のバケット周辺はギザギサの刃が付いている。スコップの先端部の刃と同じようになっている。
○作業場所とは、地表部より深い位置で手動制御するバケットが土砂等を取り入れの作業をする場所をいう。作業場所が地表より深ければ深いほど地表から作業場所まで人が降りて行くことは足場等の関係から困難なことが多く、また、作業場所が狭くて深い穴(例えば井戸を掘る場合の穴)のように、人が入って行くことができない場合もある。
○土砂等とは、土砂もしくは、有害物質等を含んだヘドロ、泥、ごみ等をいう。
○誘導棒とは、バケットを吊るすための棒をいう。一般には、地表で人が導棒の一端を把持してバケットを吊るし、人力によりバケットに土砂等を容れて地表まで持ち上げる。また、地表より深い作業場所の土砂等を掘る場合には、地表で人が導棒の一端を把持したまま、バケット自重により下に落下させて、バケットの刃を地表に突き刺して、土砂を彫る作業を行うように設計することも可能である。誘導棒は、誘導棒をγ方向に回転させることにより(すなわち、誘導棒をγ方向に捻ることにより)、地表より深い作業場所にあるバケットの入口部から奥部に至る向きを変えることができるように誘導棒とバケットは結合されている。換言すれば、誘導棒とバケットとは捩り方向(γ回り方向)には固定されて結合されている。前方吊るしロープを引っ張ることにより、(あるいは、後方吊るしロープを引っ張ることにより、)バケット入口部とバケット奥部とを結ぶ線が、誘導棒とバケットとの結合点の廻り(β回り方向)に首振り回転をするようになっている。
バケットを誘導棒により吊るした状態で、重量挙げのスナッチのように、一気に誘導棒を上に引っ張り上げることにより、バケットを反動により持ち上げて、バケットが重力により、落下して地表に衝突する際の衝撃力を利用して土砂等にバケットの刃を突き刺して土砂等を掘るようにすることも可能である。
○小孔とは、土砂と一緒に含まれている空気および水を取り除くための小径の孔をいう。小径は、水を切って土砂等はバケット内から外に逃げないような径の穴を選択するものとする。
○前方吊るしロープとは、バケットの天井側の入口部のロープのことをいう。前方吊るしロープは、地表から人力により上に引っ張ることにより、土砂等を中に容れて、そのまま地表まで持ち上げるために使用される。
○後方吊るしロープとは、バケットの天井側の奥部のロープのことをいう。後方吊るしロープは、例えば、バケットを地表より深い作業場所に下ろす際に、バケットを吊るしたまま吊り下ろすのに用いられる。
○前方U字鉤とは、バケットの天井側の入口部の前方吊るしロープを結ぶのに用いられるU字型金具をいう。
後方U字鉤とは、バケットの天井側の奥部の後方吊るしロープを結ぶのに用いられるU字型金具をいう。
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本発明の課題を解決するための手段は、本願特許請求の範囲に記載した各請求項の発明である。具体的には、以下に示す通りである。
[請求項1]バケットの天井側の中心部近傍に誘導棒を結合し、バケットの天井側の入口部に前方吊るしロープを結合し、奥部に後方吊るしロープを結合したことを特徴とする手動制御バケット。
バケットの天井側の中心部近傍にて結合した誘導棒を、地表面において、人が誘導棒の一端を把持しながら、握りを変えることにより、下方にバケットを吊るしながら、下方に下ろす。
あるいは、バケットの奥部にて結合した後方吊るしロープを、地表面において、人が誘導棒の一端を把持しながら、握りを変えることにより、下方にバケットを吊るしながら、下方に下ろすこともできる。この場合、バケット部の刃先部を下方に向けたまま、バケットを吊りおろすことになる。
地表より深い作業場所にバケットを下ろしたら、前方吊るしロープと後方吊るしロープを地表において、人が地表において人形使いのように手動で操作してバケットを制御して土砂等をバケット内に容れる。土砂等を入れることができたならば、前方吊るしロープを引き上げるようにして、バケット部の刃先を上に向けて、バケットに入った土砂等がこぼれ落ちないようにして地表に人力により持ち上げる。
また、地表から、後方吊るしロープでバケットを吊るすことにより、バケットの刃先を下方に向けるようにコントロールして、バケットの重力により、勢い良く、地表より深い作業場所の土砂等にぶっつけて、その衝撃力により土砂等にバケットの刃先を突き刺す。そして、その後、前方吊るしロープを、人が地表において手動で上に引っ張って、バケットの刃先を下から上に向かせるように制御して土砂等をバケット内に容れる。土砂等を入れることができたならば、前方吊るしロープを引き上げるようにして、バケット部の刃先を上に向けて、バケットに入った土砂等がこぼれ落ちないようにして地表に人力により持ち上げる。
このようにして、地表部において、地表部より深い作業位置から、手動作業だけで土砂等を地表まで持ち上げることができる手動制御バケットを提供することが可能となる。
〔請求項1〕手動制御バケットの側部と底部に多数の小孔が空いていることを特徴とする請求項1記載の手動制御バケット。
本発明のように、手動制御バケットの側部と底部に多数の小孔を空けることにより、土砂に混じってバケット内に入った水を水面から空中に持ち上げる時に、バケット外に逃がすことができる。これにより、土砂を持ち上げる力が少なくてすみ、効率的に土砂を地表に持ち上げることができる。
水中ポンプにより当該スコップの中の水を抜くということが考えられるが、上述のように、手動制御バケットの側部と底部に多数の小孔が空けることにより、水中ポンプを備える必要がなくなり、態々水中ポンプを用意する作業器具準備が不要となり、かつ、水中ポンプでスコップの中の水を抜く作業時間が必要なくなり、全体の土砂持ち上げ作業時間の長期化という従来技術の欠点が解消された。
〔請求項2〕誘導棒によりバケットを吊るした場合、バケット重力により、バケットの入口側が下を向き、バケットの奥側が上を向くようにしたことを特徴とする請求項1〜2記載の手動制御バケット。
本発明は、バケットの刃先を下方に向けたまま、バケットを吊るし下ろすのが望ましい。何故ならば、バケットの刃先を水平方向に向けたまま吊り下ろすとバケットの姿勢が不安定になりブラブラしながら吊りおろすことになり、バケットの刃先等を物にぶっつけるおそれがあり望ましくない。
本願の構成とすることにより、誘導棒によりバケットを吊るした場合、特に難しい手動コントロールをすることなく、簡単にバケットの刃先を下方に向けたまま吊るし下ろしことができる。さらに、誘導棒によりバケットを吊るしたまま、急にバケットの先端刃を下方に向けた状態で落下させると共に、誘導棒でバケットを下方に押すことによって加速度がつき、土砂にパレット先端を突き刺す衝撃力を大きくすることが可能となる。これにより、バケットによる土砂等を掘る作業が効率化することが可能となる。
〔請求項3〕バケット入口先端がギザギザ状になっていることを特徴とする請求項1〜3記載の手動制御バケット。
バケット入口先端がギザギザ状にすることにより、バケットにより土砂等を掘る作業が効率化できる。
〔請求項5〕バケットの天井側の入口部に前方吊るしロープを結合し、その結合部が前方U字鉤と前方吊るしロープを結んだものとなっていると共に、奥部に後方吊るしロープを結合して、その結合部が後方U字鉤と後方吊るしロープを結んだものとなっていることを特徴とする請求項1〜4記載の手動制御バケット。
結合部がU字鉤と吊るしロープを結んだものとなっているという構成により、吊るしロープが使っているうちに痛んだ場合にも、容易に取り替えることが可能となる。
〔請求項6〕吊るしロープが吊るし棒であることを特徴とする請求項1〜5記載の手動制御バケット。
吊るしロープが吊るし棒であるというのは、吊るしロープには主として引っ張り力が作用するので吊るしロープで設計上は十分であるのであるが、圧縮力に対して強度を有する吊るし棒で代行させることも可能である。吊るしロープを用いた場合に比較して、吊るし棒を用いた利点はバケットの姿勢をコントロールする自由度が増えてよりコントロールし易くなる。
〔請求項7〕バケットの天井側の入口部に前方吊るし棒を結合し、奥部に後方吊るし棒を結合して、バケットの刃先が下向きになるようにでき、あるいは、バケットの先端刃先を上に向けることもできることを特徴とする手動制御バケット。
請求項1〜6記載の発明は、バケットの天井側の中心部近傍に誘導棒を結合し、バケットの天井側の入口部に前方吊るしロープを結合し、奥部に後方吊るしロープを結合したことを特徴とする手動制御バケットであるのに対して、請求項7記載発明は、バケットの天井側の中心部近傍に結合した誘導棒を除去して、前方吊るしロープを前方吊るしロープで置換し、奥部に後方吊るしロープを後方吊るし棒で置換したことを特徴とする発明である。
かかる構成とすることにより、ロープは圧縮力に対する部材強度はないが、棒の場合は圧縮力に対する部材強度を有するので、バケットを手動制御し易くなるという顕著な効果を有する。
〔請求項8〕手動制御バケットの側部と底部に多数の小孔が空いていることを特徴とする請求項7記載の手動制御バケット。
請求項8記載発明は、請求項2記載発明に対応する発明である。
〔請求項9〕バケット入口先端がギザギザ状になっていることを特徴とする請求項7〜8記載の手動制御バケット。
請求項9記載発明は、請求項4記載発明に対応する発明である。
本発明の構成を採ることにより、前述した本発明が解決しようとする課題を全て達成することができた。
具体的には、本発明の構成とすることにより、以下のような当業者が予測できない顕著な効果を発揮することができた。
本発明により、地表部において、地表部より深い作業位置から、手動作業だけで土砂等を地表まで持ち上げることができる手動制御バケットを提供することができた。
本発明により、地表部において、狭い穴の底部(人が中に入ることができないような穴を含む。)から、地表部より深い作業位置から、手動作業だけで、土砂等を掘ることができ掘った土砂等を地表まで持ち上げることができる手動制御バケットを提供することができた。
本発明により、地表部において、地表部より深い作業位置から、手動作業だけで水を除去して土砂等のみを地表まで持ち上げることができる手動制御バケットを提供することができた。
以下、発明を実施するための最良の形態を説明する。
<実施例1>
(1)実施例1について、図1に従い説明する。
図1、図3のように、xyz座標系を定義する。右ねじの法則に従って、図1、図3のように回転方向αβγを定義する。
誘導部2の先端にバケット本体1を取り付けてなるめ手動制御バケットにおいて、バケット1のサイズは、約150mm×150mm×75mmで、鉄、ステンレスなどを使用する。誘導棒2は、パイプ、角材等を用いる。バケットの中心付近に位置する誘導棒2の結合部8は、ヒンジからなり、ヒンジ廻りにバケットの入口部から奥部方向を結ぶ線がβ方向に回転するようになっている。誘導棒のγ方向の捻りに対してはバケットはγ方向に回転するようになっている。換言すれば、誘導棒とバケットとは捩り方向には固定されて結合されている。誘導棒と連結部には、大な力が掛かっても強度上十分耐えられるように設計する。前方吊るしロープ3と後方吊るしロープ4は、共に力が掛かるので約φ10mmとした。前方吊るしロープ4は、土砂等をバケット内に容れる際に、上方に前方吊るしロープ4を吊るし上げる。これにより、バケットの先端刃先は上方(z方向)を向き、この姿勢のまま、バケットを吊るし上げることにより、土砂等はバケット内からこぼれ落ちることなく地表まで手動制御により持ち上げることができた。
バケットの天井側の中心部近傍に誘導棒2を結合し、バケットの天井側の入口部(前側)と奥部(後側)にそれぞれ吊るしロープを結合する。手動制御バケットの側部と底部に多数の小孔(土砂と一緒に混ざっている水をバケット外に排出するための小孔)をつくり、水面から空中にバケットを持ち上げる際に多数の小孔から水を排出して水の分だけ軽くして、バケットを持ち上げる力が少なくてすみ、効率的に土砂等の入ったバケットを手動制御で持ち上げることが可能となった。
バケット入口先端がギザギザ状になっていることにより土砂を掘りながら土砂を砕く場合に大きな効果をもたらす。バケットで深い孔を掘る時や土砂が硬い時にバケット入口先端がギザギザ状になっていると便利である。
バケットとロープが一体化しているのではなく結合部がU字鉤とロープを結ぶことによりロープを交換することができる。
(2) 実施例1による手動バケットの使用状態
次に、実施例1による手動バケットの使用状態実施形態を図2に従い説明する。
誘導部2の先端をバケット1の結合部(ヒンジ)iに結合してなる手動制御バケットにおいて、まず誘導棒2と後方のロープ4を、手で把持しながらバケット1の刃先が下向きになるように後方のロープ4を引く。バケット1が下向きの状態のまま保持しつつ、誘導棒2と後方のロープ4を持ちバケット1の刃先を土砂に向けて、深い作業場所の土砂等に向けて勢い良く落下させる。土砂が硬い場合であっても、誘導棒2と後方のロープ4を手で把持したまま、従来のスコップのように、そのまま土砂等に落下させて、その際のバケット重力による衝撃力により土砂等にバケットの先端刃先を突き刺すことができる。特に地表から作業場所までが深ければ深い程、落下による衝撃エネルギーは大きくなるので、本発明のバケットによる位置エネルギーを用いて地底の土砂等を掘り砕くという発想が有効となってくる。次に後方吊るしロープ4を緩め 誘導棒2と前方吊るしロープ3でバケット1をコントロールしながら前方吊るしロープ3を握りを変えながら人力により引きあげる。このとき誘導棒2の人形使いのようにバケットをコントロールすることが非常に重要となる。バケット1に土砂が入ったら 誘導棒2と前方吊るしロープ3を引いたまま、バケットの先端刃先を上に向けて、バケット内に入った土砂等をこぼさないように地上まで引っ張り上げる。
このようにして、誘導棒2、前方吊るしロープ3、後方吊るしロープ4の手動制御により、人が入ることの出来ない狭い場所(例えば、穴サイズが300mm×300mm)で、かつ深さ5m以上の(深さ10m以上も可能である。)場所からでも、人が穴の中に入ることなくかつ深い作業場所に降りていくことなく、あるいは、地表からの簡単な手動作業で、特開2000−192494号公報に記載のスコップのように土砂を掘り砕くことができ、バケット内に取り込んだ土砂を地表に持ち上げることが可能となった。
また、人が深い作業場所に下りていくことなく、しかも水中ポンプでバケット内の水を抜くことなく、水深の深い場所からでもバケット1を手動操作するという簡単な作業で、特開2000−192494号公報に記載のスコップのように土砂を掘り砕くことができ、バケット内に取り込んだ土砂を地表に持ち上げることが可能となった。
また、バケット1に多数の小孔をつけることにより水の中でも、より効率よく土砂を地上に上げることが出来る。
土砂を捨てたい場所がある場合、前方吊るしロープ3を緩めて後方吊るしロープ4を上方に引っ張って、バケットの先端刃先が下を向くようにして、バケット内の土砂等を捨てることができる。
<実施例2>
(1)実施例2について、図3に従い説明する。
実施例2は、下記に説明する事項以外は、実施例1に記載した事項と同じ条件により行った。
実施例2においては、実施例1において用いた誘導部2を削除し、実施例1において用いた先方吊るしロープ3の代わりに先方吊るし棒12を用い、実施例1において用いた後方吊るしロープ4の代わりに後方吊るし棒13を用いた。
先方吊るし棒の結合部15と後方吊るし棒の結合部16は、共に、ヒンジからなり、ヒンジ廻りにバケットの入口部から奥部方向を結ぶ線がβ方向に回転するようになっている。先方吊るし棒12と後方吊るし棒13のγ方向の捻りに対してはバケットはγ方向に回転するようになっている。換言すれば、先方吊るし棒12、後方吊るし棒13とバケットとは、夫々捩り方向には固定されて結合されている。先方吊るし棒の結合部15と後方吊るし棒の結合部16には、大な力が掛かっても強度上十分耐えられるように設計する。先方吊るし棒12と後方吊るし棒13は、共に力が掛かるので実施例1の誘導棒2と同じ寸法とした。先方吊るし棒12は、土砂等をバケット内に容れる際に、上方に先方吊るし棒12を吊るし上げる。これにより、バケットの先端刃先は上方を向き、この姿勢のまま、バケットを吊るし上げることにより、土砂等はバケット内からこぼれ落ちることなく地表まで手動制御により持ち上げることができた。
バケットの天井側の入口部(前側)と奥部(後側)にそれぞれ吊るし棒を結合する。手動制御バケットの側部と底部に多数の小孔(土砂と一緒に混ざっている水をバケット外に排出するための小孔)をつくり、水面から空中にバケットを持ち上げる際に多数の小孔から水を排出して水の分だけ軽くして、バケットを持ち上げる力が少なくてすみ、効率的に土砂等の入ったバケットを手動制御で持ち上げることが可能となった。
バケット入口先端がギザギザ状になっていることにより土砂を掘りながら土砂を砕く場合に大きな効果をもたらす。バケットで深い孔を掘る時や土砂が硬い時にバケット入口先端がギザギザ状になっていると便利である。
(2) 実施例2による手動バケットの使用状態
次に、実施例2による手動バケットの使用状態実施形態を図4と図5に従い説明する。
前方吊るし棒12の先端と後方吊るし棒13の先端とをバケット1の結合部(ヒンジ)に結合してなる手動制御バケットにおいて、まず前方吊るし棒12と後方吊るし棒13の先端を、手で把持しながらバケット1の刃先が下向きになるように後方の後方吊るし棒13を引く。バケット1が下向きの状態のまま保持しつつ、前方吊るし棒12と後方吊るし棒13を持ちバケット1の刃先を土砂に向けて、深い作業場所の土砂等に向けて勢い良く落下させる。土砂が硬い場合であっても、前方吊るし棒12と後方吊るし棒13を手で把持したまま、従来のスコップのように、そのまま土砂等に落下させて、その際のバケット重力による衝撃力により土砂等にバケットの先端刃先を突き刺すことができる。特に地表から作業場所までが深ければ深い程、落下による衝撃エネルギーは大きくなるので、本発明のバケットによる位置エネルギーを用いて地底の土砂等を掘り砕くという発想が有効となってくる。次に後方吊るし棒13を緩め前方吊るし棒12でバケット1をコントロールしながら前方吊るし棒12の握りを変えながら人力により引きあげる。このとき後方吊るし棒13の人形使いのようにバケットをコントロールすることが非常に重要となる。バケット1に土砂が入ったら後方吊るし棒13と前方吊るし棒12を引いた状態のままで、バケットの先端刃先を上に向けて、バケット内に入った土砂等をこぼさないように地上まで引っ張り上げる。
このようにして、先方吊るし棒12、後方吊るし棒13の手動制御により、人が入ることの出来ない狭い場所(例えば、穴サイズが300mm×300mm)で、かつ深さ5m以上の(深さ10m以上も可能である。)場所からでも、人が穴の中に入ることなくかつ深い作業場所に降りていくことなく、あるいは、地表からの簡単な手動作業で、特開2000−192494号公報に記載のスコップのように土砂を掘り砕くことができ、バケット内に取り込んだ土砂を地表に持ち上げることが可能となった。
また、人が深い作業場所に下りていくことなく、しかも水中ポンプでバケット内の水を抜くことなく、水深の深い場所からでもバケット1を手動操作するという簡単な作業で、特開2000−192494号公報に記載のスコップのように土砂を掘り砕くことができ、バケット内に取り込んだ土砂を地表に持ち上げることが可能となった。
また、バケット1に多数の小孔をつけることにより水の中でも、より効率よく土砂を地上に上げることが出来る。
土砂を捨てたい場所がある場合、先方吊るし棒12を緩めて後方吊るし棒13を上方に引っ張って、バケットの先端刃先が下を向くようにして、バケット内の土砂等を捨てることができる。
実施例1による手動バケットを示す斜視図 実施例1による手動バケットの使用状態を表す図 実施例2による手動バケットを示す斜視図 実施例2による手動バケットの使用状態を表す図 実施例2による手動バケットの使用状態を表す図
符号の説明
1 バケット本体
2 誘導棒
3 前方吊るしロープ
4 後方吊るしロープ
5 多数の小孔
6 前方U字鉤
7 後方U字鉤
8 誘導棒の結合部

12 前方吊るし棒
13 後方吊るし棒
14 多数の小孔
15 前方吊るし棒の結合部
16 後方吊るし棒の結合部

Claims (9)

  1. バケットの天井側の中心部近傍に誘導棒を結合し、バケットの天井側の入口部に前方吊るしロープを結合し、奥部に後方吊るしロープを結合したことを特徴とする手動制御バケット。
  2. 手動制御バケットの側部と底部に多数の小孔が空いていることを特徴とする請求項1記載の手動制御バケット。
  3. 誘導棒によりバケットを吊るした場合、バケット重力により、バケットの入口側が下を向き、バケットの奥側が上を向くようにしたことを特徴とする請求項1〜2記載の手動制御バケット。
  4. バケット入口先端がギザギザ状になっていることを特徴とする請求項1〜3記載の手動制御バケット。
  5. バケットの天井側の入口部に前方吊るしロープを結合し、その結合部が前方U字鉤と前方吊るしロープを結んだものとなっていると共に、奥部に後方吊るしロープを結合して、その結合部が後方U字鉤と後方吊るしロープを結んだものとなっていることを特徴とする請求項1〜4記載の手動制御バケット。
  6. 吊るしロープが吊るし棒であることを特徴とする請求項1〜5記載の手動制御バケット。
  7. バケットの天井側の入口部に前方吊るし棒を結合し、奥部に後方吊るし棒を結合して、バケットの刃先が下向きになるようにでき、あるいは、バケットの先端刃先を上に向けることもできることを特徴とする手動制御バケット。
  8. 手動制御バケットの側部と底部に多数の小孔が空いていることを特徴とする請求項7記載の手動制御バケット。
  9. バケット入口先端がギザギザ状になっていることを特徴とする請求項7〜8記載の手動制御バケット。
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