JP5309415B2 - 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 - Google Patents

封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 Download PDF

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Description

本発明は、封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこの封止用エポキシ樹脂成形材料で封止した素子を備えた電子部品装置に関する。
従来から、トランジスタ、IC、LSI等の電子部品装置に搭載される素子の封止技術の分野では、生産性及びコスト等の面から樹脂を用いた封止が主流となっており、エポキシ樹脂をベース樹脂とした成形材料が広く用いられている。その理由としては、各種樹脂の中でもエポキシ樹脂は電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の諸特性において優れたバランスを有するためである。
近年、電子部品装置の分野では、装置の小型・軽量化、高性能・高機能化を図るために、素子の高密度実装化、配線の微細化、多層化、及び多ピン化、素子のパッケージに対する占有面積の増大化等が進んでいる。同時に、電子部品装置では、従来型のDIP(Dual Inline Package)及びPGA(Pin Grid Array)等から、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)及びSOJ(Small Outline J−lead package)へと、さらにはTSOP(Thin Small Outline Package)及びTQFP(Thin Quad Flat Package)等へとパッケージの薄型化が進んでいる。このような開発が進む中で、封止材に対する要求は益々厳しくなっている。
封止用エポキシ樹脂成形材料には、一般に、パッケージ成形時の金型からの円滑な脱型を目的として、成形材料中に離型剤を添加することが多い。代表的な封止用エポキシ樹脂成形材料で使用される離型剤は、成形材料を構成するエポキシ樹脂及び硬化剤等のベース樹脂に相溶性のない化合物であることが多いため、ベース樹脂への分散性に乏しく分散不具合が生じる傾向がある。したがって、そのような離型剤の使用は、パッケージの外観不良を招き易いという本質的な問題を抱えている。パッケージの薄型化は、金型内での成形材料の流動挙動を、その充填位置によって大きく変動させる要因になっており、ベース樹脂での離型剤の分散不具合と併せて、パッケージの外観不良を助長させる一因となっている。
また、パッケージ成形に使用される金型には、成形時に金型内部の空気を抜くための10〜30μm程度の厚みを持った溝(エアベント)が設けられている。成形時、成形材料がエアベント部にも流れ出し、バリが形成されることが多い。そのようなバリが金型に残ると、連続成形時に金型内部の空気抜きが円滑に行われずに、成形材料の充填不具合(未充填)等の問題が発生し易くなるという問題も存在する。このようなバリによる不具合は、金型を長時間にわたって放置した後に特に発生し易く、中でも比較的分子量が小さいか又は結晶性の低い酸化型ポリエチレンを離型剤として用いた場合に顕著に見られる。
上記パッケージの外観不良防止や連続成形性の改善に向けて、様々な離型剤が検討されている。例えば、離型剤として、α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合物や、スチレンと無水マレイン酸との共重合物を使用する方法(特許文献1参照)、α−オレフィンと無水マレイン酸との共重合物のエステル化物と酸化型ポリオレフィンを組み合わせて使用する方法(特許文献2及び3参照)、酸化アルファオレフィンとイソシアネートとの反応物を使用する方法(特許文献4参照)等の報告がある。
特開平10−36486号公報 特開2001−247748号公報 特開2003−64239号公報 特開2003−96164号公報
しかし、特に、低分子量エポキシ樹脂をベース樹脂とする封止用成形材料を薄型パッケージに適用する場合には、上記方法のいずれにおいても、金型離型性と良好なパッケージ外観との両立という点においてそれらの効果は必ずしも充分ではない。本発明は、かかる状況に鑑みて、低分子量エポキシ樹脂をベース樹脂とする封止用成形材料であって、薄型パッケージに適用した場合であっても良好な成形性及び良好なパッケージ外観の双方を実現し得る封止用エポキシ樹脂成形材料、及びかかる成形材料によって封止した素子を備えた電子部品装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、封止用エポキシ樹脂成形材料において、離型剤又は分散剤として作用する特定の化合物を組み合わせて使用することによって所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下に関する。
(1)(A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール系硬化剤と、(C)分子内に、イソシアネート基を変性してなる官能基を有し、180℃におけるICI粘度が0.2Pa・s以下であるポリオレフィンと、(D)前記(A)、(B)及び(C)成分の少なくとも1つに可溶である炭化水素系化合物及びシリコーン系化合物からなる群より選ばれる化合物とを含有することを特徴とする封止用エポキシ樹脂成形材料。
(2)上記(D)成分における炭化水素系化合物が、α−オレフィン、無水マレイン酸誘導体、ポリアルキレンオキシド誘導体、スチレン誘導体、及びアクリル酸誘導体からなる群より選ばれる2種以上のモノマーからなる共重合体を含有することを特徴とする上記(1)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
(3)上記(1)又は(2)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料によって封止された素子を備えることを特徴とする電子部品装置。
本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料は、パッケージ成形時における不具合、特に、薄型パッケージにおけるパッケージ汚れの低減に効果的であり、またそれらは優れた連続成形性を示すためパッケージ成形時の生産性を高めることが可能である。したがって、本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料を使用して、IC、LSI等の電子部品装置に搭載される素子を封止することによって、信頼性に優れた電子部品装置を生産性よく提供することが可能となり、その工業的価値は高い。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明において使用される(A)エポキシ樹脂は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されるエポキシ樹脂であってよく、それらの1種又は2種以上を組み合わせて使用することが可能である。特に限定されるものではないが、本発明において使用可能な(A)エポキシ樹脂として、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールA/D等のジグリシジルエーテル、アルキル置換又は非置換のビフェノールのジグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂やナフトール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル型樹脂等のエポキシ化物、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、シクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物であるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、及びこれらのエポキシ樹脂をシリコーン、アクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン系ゴム、ポリアミド系樹脂等により変性したエポキシ樹脂が挙げられる。これらエポキシ樹脂のいずれか1種を単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
先に例示したエポキシ樹脂の中でも、薄型パッケージへの適用を考えた場合には、流動性、信頼性等の観点から、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニル・アラルキル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、及び硫黄原子含有エポキシ樹脂を選択することが好ましく、それら好適なエポキシ樹脂の少なくとも1種を(A)エポキシ樹脂成分として使用することが好ましい。
好ましい樹脂として先に例示した上記4種のエポキシ樹脂は、それらのいずれか1種を単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよいが、それら樹脂の性能を発揮するために、(A)エポキシ樹脂の全重量を基準としてそれら樹脂の配合量を合計で20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上とすることがより好ましく、50重量%以上とすることがさらに好ましい。
本発明において使用される(B)フェノール系硬化剤は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているフェノール化合物又は樹脂であってよく、それらの1種又は2種以上を組み合わせて使用することが可能である。特に限定されるものではないが、本発明において使用可能な(B)フェノール系硬化剤として、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂などが挙げられる。これらフェノール系硬化剤のいずれかを単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
先に例示したフェノール系硬化剤の中でも、薄型パッケージへの適用を考えた場合、特にパッケージの信頼性等の観点から、下記一般式(I)で示されるフェノール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル樹脂及びナフトール・アラルキル樹脂が好ましく、これらのフェノール樹脂の少なくとも1種を(B)フェノール系硬化剤成分として含有していることが好ましい。
Figure 0005309415

(一般式(I)中、nは0又は1〜10の整数を示し、ベンゼン環、ナフタレン環の任意の水素原子は炭化水素基で置換されていてもよい。)
上記一般式(I)で示されるフェノール・アラルキル樹脂の具体例として、例えば下記一般式(II)で示される樹脂が挙げられる。
Figure 0005309415

(一般式(II)中、nは0又は1〜10の整数を示し、ベンゼン環の任意の水素原子は炭化水素基で置換されていてもよい。)
なお、上記一般式(II)で示されるフェノール・アラルキル樹脂は、市販品として入手可能である。例えば、商品名「XLC」(三井化学株式会社)が挙げられる。
上記一般式(I)で示されるビフェニル・アラルキル樹脂の具体例としては、例えば下記一般式(III)で示される樹脂が挙げられる。
Figure 0005309415

(一般式(III)中、nは0又は1〜10の整数を示し、ベンゼン環の任意の水素原子は炭化水素基で置換されていてもよい。)
なお、上記一般式(III)で示されるビフェニル・アラルキル樹脂は、市販品として入手可能である。例えば、商品名「MEH−7851」(明和化成株式会社)が挙げられる。
上記一般式(I)で示されるナフトール・アラルキル樹脂としては、例えば下記一般式(IV)及び(V)で示される樹脂が挙げられる。
Figure 0005309415

(一般式(IV)中、nは0又は1〜10の整数を示し、ベンゼン環、ナフタレン環の任意の水素原子は炭化水素基で置換されていてもよい。)
なお、上記一般式(IV)で示されるナフトール・アラルキル樹脂は、市販品として入手可能である。例えば、商品名「SN−170」(新日鐵化学株式会社)が挙げられる。
Figure 0005309415

(一般式(V)中、nは0又は1〜10の整数を示し、ベンゼン環、ナフタレン環の任意の水素原子は炭化水素基で置換されていてもよい。)
なお、上記一般式(V)で示されるナフトール・アラルキル樹脂としては、市販品として入手可能である。例えば、商品名「SN−475」(新日鐵化学株式会社)が挙げられる。
上記フェノール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル樹脂、及びナフトール・アラルキル樹脂は、それら樹脂のいずれか1種を単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよいが、それら樹脂の配合量は、(B)フェノール系硬化剤成分の全重量を基準として合計で60重量%以上とすることが好ましく、80重量%以上とすることがより好ましい。
上記(A)エポキシ樹脂と上記(B)フェノール系硬化剤との当量比(すなわち、エポキシ樹脂中のエポキシ基数/硬化剤中の水酸基数の比)は、特に制限されるものではない。しかし、それぞれの成分が過不足なく反応して成形材料中に未反応のまま残留しないようにするためには、上記当量比は好ましくは0.5〜2の範囲、より好ましくは0.6〜1.5の範囲とすることが望ましい。成形性、耐リフロー性に優れる封止用エポキシ樹脂成形材料を得るために、上記当量比は0.8〜1.2の範囲に設定されることがさらに好ましい。
本発明において使用される(C)成分は、分子内にイソシアネート基を変性してなる官能基を有し、180℃におけるICI粘度が0.2Pa・s以下となる特定のポリオレフィンであり、離型剤として作用する。このような特定のポリオレフィンの使用によって、良好な連続成形性、特に金型におけるエアベント部への成形材料(樹脂)の付着防止の実現が可能となる。ポリオレフィンの180℃におけるICI粘度が0.2Pa・sを超えると、エアベント部への染み出しが不充分となり、樹脂付着防止の効果が不充分となる可能性がある。したがって、上記付着防止の充分な効果を得るためには、上記(C)特定のポリオレフィンは、より低いICI粘度を有するものが好ましい。具体的には、ポリオレフィンのICI粘度は、180℃において0.2Pa・s以下であることを必須とし、0.1Pa・s以下であることが好ましく、0.05Pa・s以下であることが特に好ましい。なお、本明細書で使用する用語「ICI粘度」とは、ICIコーンプレート回転粘度計で測定した値を意味する。
また、本発明で使用する(C)特定のポリオレフィンは、180℃におけるICI粘度が0.2Pa・s以下であり、かつ、分子内にイソシアネート基を変性してなる官能基を有することを必須とする。イソシアネート基を変性してなる官能基を有するポリオレフィンは、カルボキシル基のみを有するいわゆる酸化型ポリオレフィンと比べて、熱分解温度が高いという利点を有する。このような特定のポリオレフィンの使用によって、本発明では、特に金型放置後の良好な連続成形性を確保することが可能となる。なお、「イソシアネート基を変性してなる官能基を有するポリオレフィン」とは、エチレン、プロピレン等のオレフィンの1種又は2種以上のモノマーからなる重合体を主成分とし、イソシアネート基とカルボキシル基、イソシアネート基とアルコール性水酸基、及びイソシアネート基と1級アミノ基のいずれか1種以上から選ばれる反応によって形成される反応残基を有する化合物を意味する。180℃におけるICI粘度の観点からは、本発明で使用する(C)ポリオレフィンは、数平均分子量が500〜5000であることが好ましく、500〜3000であることがより好ましく、500〜2000であることがさらに好ましい。数平均分子量が500より小さいと、ベース樹脂からの滲み出しが不充分となることによってパッケージ等の離型不具合が発生する可能性がある。また、数平均分子量が5000を超えると、(C)成分の粘度の上昇によるエアベント等への樹脂付着による連続成形性等の不具合が発生する可能性がある。本発明で使用する(C)ポリオレフィンにおける「イソシアネート基を変性してなる官能基」の量は、イソシアネート量の換算値で5〜50mgKOH/gの範囲が好ましく、10〜40mgKOH/gの範囲がより好ましく、15〜30mgKOH/gの範囲がさらに好ましい。分子内における官能基の量が5mgKOH/g未満の場合、ベース樹脂への分散不具合が生じ、パッケージ外観に不具合が生じる可能性がある。一方、5mgKOH/gを超えると、ポリオレフィンの親水性が高くなり、金型からの離型性が低下し、不具合が生じる可能性がある。なお、イソシアネート基の変性率は、特に金型高温放置後の離型性確保の観点から、50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましく、70%以上であることがさらに好ましい。本発明で使用する特定のポリオレフィンは、市販品として入手可能である。例えば、商品名「OK11315」(Honeywell社)が挙げられる。
本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料における(C)成分の配合量は、成形材料の全重量を基準として、0.03〜5重量%程度とすることが好ましく、0.05〜3重量%程度とすることがより好ましく、0.1〜2重量%とすることが特に好ましい。配合量が0.03重量%未満の場合、金型からのパッケージ離型性の改善効果が不充分となる傾向がある。一方、配合量が5重量%を超えると、パッケージ汚れの改善に対する効果が、不充分となる可能性がある。
本発明において使用される(D)炭化水素系化合物及びシリコーン系化合物からなる群より選ばれる化合物は、分散剤として作用するものであり、それら化合物は、上記(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール系硬化剤及び(C)特定のポリオレフィンの少なくとも1つに可溶であることを特徴とする。本発明では上記(D)成分を使用することによって、パッケージの外観不良を改善することが可能となる。すなわち、本発明では、離型剤として作用する(C)成分と、分散剤として作用する(D)成分とを併用することによって、良好な金型離型性(連続成形性)と良好なパッケージ外観との両立を実現することが可能となる。
本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料において、優れたパッケージ外観を得るためには、(D)成分となる炭化水素系化合物及びシリコーン系化合物からなる群より選ばれる化合物が、成分(A)〜(C)の少なくとも1つと相溶性を有することが必須である。「相溶性」とは、(D)成分が、その他の成分(A)、(B)又は(C)と親和性を示し、均一な溶液または混合物として存在することを意味する。より具体的には、例えば(A)成分又は(C)成分と(D)成分とを1/1の重量比で混合し、それら成分を180℃にて完全に溶解し、引き続き攪拌を行って得られる混合液に関し、30分にわたり静置した後に混合液の一部を取り出して目視した場合、成分間の分離がない透明な液体として確認できる状態を意味する。このような状態を本発明では「可溶」と称し、成分が分離し不透明な液体となる場合を「不溶」と称す。
特に限定されるものではないが、(D)成分は、(A)成分又は(B)成分と可溶であり、(C)成分と可溶であるか又は(C)成分と不溶であっても乳化分散可能なものが好ましい。特に、本発明において(C)成分と(D)成分との併用による効果を高めるためには、(A)成分又は(B)成分と可溶であり、(C)成分と乳化分散可能な化合物を(D)成分として選択することが好ましい。また、(A)成分又は(B)成分に可溶であり、かつ(C)成分と可溶な化合物、及び(C)成分と乳化分散可能な化合物の2種を(D)成分として選択すると、パッケージ外観の不具合防止の点でより一層効果的である。なお、(C)成分と乳化分散可能な(D)成分は、(C)成分といわゆるミセル構造を形成し、(C)成分を分子レベルまで分散させることがない為にそれらの離型効果を損なうことがなく、かつ目視での不均一性の確認が不可能な分散状態を実現する為に良好なパッケージ外観を呈することが可能になると思われる。
(D)成分として使用される「炭化水素系化合物」は、アルキル基、アルキレン基、フェニル基、及びアリール基等を含む、炭素及び水素から構成される原子団を分子内に有し、炭素及び水素の合計量が分子量の50%以上を占める化合物を指す。これら炭化水素系化合物は、水酸基、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、又はアミド基等、有機化合物において通常知られる官能基を有するものであってもよい。本発明においては、例えば、α−オレフィン、無水マレイン酸誘導体、ポリアルキレンオキシド誘導体、スチレン誘導体、及びアクリル酸誘導体からなる群より選ばれる2種以上の成分を単位モノマーとする共重合体を(D)成分として使用することが特に効果的である。特に限定されるものではないが、炭化水素系化合物として有用な共重合体の具体例を以下に示す。
第1に、下記一般式(VI)で示される構造単位を有する共重合体が挙げられる。
Figure 0005309415

(式中、Rはアルキレン基であり、Rは水素原子及び飽和又は不飽和の一価の炭化水素基からなる群より選ばれる基であり、R〜Rはそれぞれ独立して水素原子及び飽和又は不飽和の一価の炭化水素基からなる群より選ばれ、互いに同じでも異なっていてもよく、l、m、及びnはそれぞれ独立して0又は正の整数を示し(但し、それらの2者以上が同時に0となることはない)、xは正の整数を示す。)
なお、一般式(VI)で示される共重合体は、l、m、及びnの比率、R及びR等の炭素数等によって、(A)、(B)、又は(C)成分との相溶性を調整することが可能である。特に限定されるものではないが、より具体的な共重合体として、例えば、一般式(VI)においてR=炭素数3の飽和炭化水素基、R=炭素数3の飽和炭化水素基、R、R4、7、及びRが水素原子であり、x=13〜15であり、l/n=1/1、m=0である共重合体(日本油脂株式会社、商品名「マリアリムAAB0851」)が挙げられる。この共重合体は、(A)成分又は(B)成分に可溶であり、かつ(C)成分と可溶な(D)成分として有用である。
第2に、下記一般式(VII)で示される構造単位を有する共重合体が挙げられる。
Figure 0005309415

(式中、Rは一価の飽和炭化水素基であり、Rは水素原子及び炭素数1〜6の飽和又は不飽和の一価の炭化水素基からなる群より選ばれ、OGはグリシジルエーテル基を示し、p及びqは正の整数を示す。)
なお、一般式(VII)で表される共重合体は、p、qの比率、Rの炭素数等によって(A)〜(C)成分との相溶性を調整することが可能である。特に限定されるものではないが、より具体的な共重合体として、一般式(VII)において、R=18、20、22の飽和炭化水素基の混合物、R=メチル基、p/q=1/1である共重合体(日本油脂株式会社、商品名「マープルーフG−017581」)が挙げられる。この共重合体は、(A)成分又は(B)成分に可溶であり、かつ(C)成分と乳化分散可能な(D)成分として有用である。
第3に、下記一般式(VIII)で示される構造単位を有する共重合体が挙げられる。
Figure 0005309415

(式中、Rは水素原子又は一価の脂肪族炭化水素基を示し、R、R、及びRはそれぞれ独立して飽和又は不飽和の一価の炭化水素基を示し、互いに同じでも異なってもよく、R〜R10はそれぞれ独立して水素原子及び飽和又は不飽和の一価の炭化水素基からなる群より選ばれ、互いに同じでも異なっていてもよく、pは正の整数を示し、q、r、及びsは0又は正の整数を示す(但し、q=r=s=0を除く)。)
なお、一般式(VIII)で表される共重合体も、p、q、r、及びs等の比率、又はR、R及びR等の炭素数によって(A)〜(C)成分との相溶性を調整することが可能である。特に限定されるものではないが、より具体的な共重合体として、一般式(VIII)において、R=18、20、22の飽和炭化水素基の混合物、RとRが水素原子であり、p/q=1/1である共重合体が挙げられる。このような共重合体は、市販品として入手可能である。例えば、商品名「ニッサン エレクトールD121」(日本油脂株式会社)が挙げられる。
一方、(D)成分として使用される「シリコーン系化合物」とは、珪素原子と酸素原子の繰り返しよりなるシロキサン結合を分子骨格として有し、前記珪素原子と酸素原子の繰り返し数が少なくとも5以上である化合物を指す。シリコーン系化合物の具体例としては、ポリエーテル変性シリコーン、グリシジルエーテル変性シリコーン、ヒドロキシ変性シリコーン、及びエポキシポリエーテル変性シリコーン等の他、前記官能基を2種以上有する変性シリコーン、その他の官能基を含む変性シリコーン等が挙げられる。本発明で使用可能であり、かつ市販品として入手可能なシリコーンの例として、例えば、エポキシポリエーテル変性シリコーンである商品名「BY16−876」(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)等が挙げられる。
本発明では、(D)成分として、先に例示した一般式(VI)〜(VIII)で示される炭化水素系化合物又はシリコーン系化合物を、それぞれ単独で使用してもそれらを組み合わせて使用してもよい。また、3種以上の炭化水素系化合物又はシリコーン系化合物を使用してもよい。さらに、先に例示した化合物以外に、分散剤として公知の炭化水素系化合物やシリコーン系化合物を併用してもよい。本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料における(D)成分の配合量は、(A)成分の全重量を基準として0.1〜20重量%が好ましく、0.3〜10重量%がより好ましく、0.5〜5重量%とすることが最も好ましい。配合量が0.1重量%未満の場合、分散剤としての効果が不充分となる可能性がある。また、配合量が20重量%を超えると、特に流動性や硬化性等の成形性において悪影響を及ぼす可能性がある。なお、本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料において、(C)成分と(D)成分との重量比は、10/1〜1/3の範囲とすることが好ましく、5/1〜1/1の範囲とすることがより好ましい。(C)成分が相対的に多いとパッケージ外観不良の防止効果が低減する可能性があり、(D)成分が相対的に多いとエアベント樹脂付着等の連続成形性が低下する可能性がある。
本発明で使用する(D)成分は、(C)成分の全部及び(A)成分の一部又は全部、あるいは(B)成分の一部又は全部と合わせて予備混合した後に使用することによって、半導体インサートに対する密着力の向上及びパッケージ外観の不良防止の効果をさらに高めることが可能である。予備混合の方法は特に限定されるものではないが、一例として、(A)成分と(C)成分の重量比を(A)/(C)=20/1〜2/1程度に設定し、さらに(C)成分と(D)成分の重量比が(C)/(D)=10/1〜1/3の範囲内となる量で(D)成分を添加し、それら全成分を100〜200℃で概ね0.5〜6時間にわたって溶融攪拌混合する方法が挙げられる。なお、(D)成分のみを後添加することも可能である。その場合、例えば、(A)成分と(C)成分とを100〜200℃で概ね0.5〜4時間にわたって攪拌混合した後に(D)成分を添加し、さらに概ね0.5〜2時間にわたって攪拌混合を行う方法を適用すればよい。
本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料では、先に説明した(A)〜(D)成分以外にも、必要に応じて、各種添加剤を追加することが可能である。本発明において使用可能な代表的な添加剤を以下に例示するが、例示の添加剤に限定されることなく、当技術分野で周知の各種添加剤を追加して封止用エポキシ樹脂成形材料を構成することも可能である。
本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料には、パッケージ成形の生産性を向上させる目的でアミン系硬化剤等のフェノール系硬化剤以外の硬化剤又は硬化促進剤を添加してもよい。硬化促進剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)が挙げられる。硬化促進剤は、特に限定されるものでなく、封止用エポキシ樹脂成形材料において通常使用されるリン系硬化促進剤を使用することが可能である。リン系硬化促進剤は、パッケージの成形性及び信頼性の観点から好ましい硬化促進剤である。
硬化促進剤の添加量は、硬化促進効果が達成される範囲において特に制限されるものではないが、例えば、(A)エポキシ樹脂の全重量を基準として0.1〜10重量%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜5重量%の範囲である。添加量が0.1重量%の未満の場合、短時間での硬化性に劣る傾向がある。一方、添加量が10重量%を超えると、硬化速度が速くなりすぎて未充填等の不具合が生じ、良好な成形品を得ることが困難になる傾向がある。
本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料には、吸湿性の低下、線膨張係数の低減、熱伝導性及び強度等の向上を目的として、無機充填剤を配合することが可能である。本発明において使用可能な無機充填剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維が挙げられる。さらに、難燃効果のある無機充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛が挙げられる。これら無機充填剤は、単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。流動性又は線膨張係数の低減の観点からは、溶融シリカ又は結晶シリカを使用することが好ましく、球状溶融シリカを使用することがより好ましい。
無機充填剤の配合量は、成形性、吸湿性、線膨張係数の低減及び強度向上の観点から、封止用エポキシ樹脂成形材料の全重量を基準として80重量%以上とすることが好ましく、82〜96重量%の範囲とすることがより好ましく、85〜92重量%の範囲とすることがさらに好ましい。配合量が80重量%未満の場合、パッケージの信頼性が低下する傾向があり、96重量%を超えると成形性が低下する傾向がある。
本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料には、IC等の半導体素子の耐湿性、高温放置特性を向上させる目的から陰イオン交換体を添加してもよい。本発明において使用可能な陰イオン交換体としては、特に制限されるものではなく、公知の陰イオン交換体を適用することが可能である。例えば、ハイドロタルサイトや、アンチモン、ビスマス、ジルコニウム、チタン、スズ、マグネシウム、及びアルミニウムからなる群より選ばれる元素の含水酸化物等が挙げられ、これらを単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、下記一般式(IX)で示されるハイドロタルサイト及びビスマスの含水酸化物が好ましい。
(化9)
Mg1−XAl(OH)(COX/2・mHO (IX)
(0<X≦0.5、mは正の数)
陰イオン交換体の添加量は、成形材料中のハロゲンイオン等のイオン性不純物を捕捉するのに充分な量であればよい。特に制限されるものではないが、例えば(A)エポキシ樹脂成分の全重量を基準として0.1〜30重量%の範囲が好ましく、1〜10重量%の範囲がより好ましく、2〜5重量%の範囲がさらに好ましい。添加量が0.1重量%未満の場合、イオン性不純物の捕捉が不充分になる傾向がある。一方、30重量%を超える量で陰イオン交換体を添加したとしてもその効果に大差はないため、経済的に不利である。
本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料には、樹脂成分と無機充填剤との接着性を高める目的でカップリング剤を添加してもよい。本発明において使用可能なカップリング剤は特に制限されるものではなく、公知のカップリング剤を適用することが可能である。例えば、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物が挙げられ、それらを単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。カップリング剤の添加量は、無機充填剤の全重量を基準として0.05〜5重量%の範囲であることが好ましく、0.1〜2.5重量%の範囲がより好ましい。添加量が0.05重量%未満の場合、耐湿性が低下する傾向がある。一方、添加量が5重量%を超えると、パッケージの成形性が低下する傾向がある。
以上、本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料において使用可能な添加剤について例示したが、本発明による効果を低減しない範囲で、必要に応じて、封止用エポキシ樹脂成形材料に通常使用される公知のその他添加剤を使用することも可能である。その他の添加剤としては、例えば、公知の可撓化剤、臭素化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む公知の有機又は無機化合物、及び金属水酸化物等の難燃剤、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の着色剤、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアジン等及びこれらの誘導体、アントラニル酸、没食子酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アミノフェノール、キノリン等とそれらの誘導体、脂肪族酸アミド化合物、ジチオカルバミン酸塩、及びチアジアゾール誘導体等の接着促進剤が挙げられる。
本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料は、各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いても調製できるが、一般的な手法として、所定の配合量の原材料をミキサー等によって充分に混合した後、ミキシングロール、ニーダ、押出機等によって溶融混練した後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。成形条件に合うような寸法及び重量でタブレット化すると使いやすい。
また、本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料は、各種有機溶剤に溶かして液状の封止用エポキシ樹脂成形材料として使用することも可能である。さらに、そのような液状の成形材料を板又はフィルム上に薄く塗布し、次いで樹脂の硬化反応が過度に進行しない条件下で有機溶剤を飛散させることによって得られるシート又はフィルム状の封止用エポキシ樹脂成形材料として使用することも可能である。
本発明による電子部品装置は、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載したものであって、素子部が先に説明した本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料によって封止されていることを特徴とする。本発明による電子部品装置の一例としては、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いてトランスファ成形などにより封止してなる、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J−lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC、
テープキャリアにバンプで接続した半導体チップを、本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したTCP(Tape Carrier Package)、
配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール、
配線板接続用の端子を形成した有機基板に素子を搭載し、バンプまたはワイヤボンディングにより素子と有機基板に形成された配線を接続した後、本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料で素子を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)などが挙げられる。また、プリント回路板においても、本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料を有効に使用することが可能である。
本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料を使用して素子を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法が最も一般的である。しかし、インジェクション成形法、圧縮成形法等の他の成形法を用いてもよい。封止用エポキシ樹脂成形材料が常温において液状又はペースト状となる場合、ディスペンス方式、注型方式、印刷方式等の成形法を適用することも可能である。また、封止方法は、素子を樹脂によって直接封止する一般的な封止方法に限定されるものではなく、素子に封止用エポキシ樹脂成形材料が直接接触しない形態(中空パッケージ方式)での封止方法であってもよい。本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料は、そのような中空パッケージ方式の封止方法においても好適に使用することが可能である。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明の範囲は以下の実施例によって限定されるものではない。
(実施例1〜5、比較例1〜8)
以下、各実施例及び各比較例で使用した各種原材料を示す。
(A)エポキシ樹脂
エポキシ当量196、融点106℃のビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名「エピコートYX−4000H」)。
(B)フェノール系硬化剤
軟化点70℃のフェノール・アラルキル樹脂(三井化学株式会社製、商品名「ミレックスXL−225」)。
(C)離型剤
(C)成分:180℃におけるICI粘度が0.01Pa・s以下である酸化型アルファオレフィン・イソシアネート反応物(Honeywell社製、商品名「OK11315」)。
比較成分1:180℃におけるICI粘度が0.01Pa・sである酸化型ポリエチレン(Honeywell社製、商品名「A−C6702」)。
比較成分2:180℃におけるICI粘度が0.06Pa・sである酸化型ポリエチレン(クラリアントジャパン社製、商品名「PED522」)。
(D)分散剤
D−1:一般式(VI)において、R=炭素数3の飽和炭化水素基、R=炭素数3と4の飽和炭化水素基、R、R4、7、及びRが水素原子であり、x=13〜15であり、l/n=1/1、m=0である共重合体(日本油脂株式会社、商品名「マリアリムAAB0851」、(A)成分、(B)成分、及び(C)成分のいずれにも可溶である。)
D−2:一般式(VII)において、R=18、20、22の飽和炭化水素基の混合物、R=メチル基、p/q=1/1である共重合体(日本油脂株式会社、商品名「マープルーフG-017581」、(A)成分に可溶、(B)成分及び(C)成分に不溶(但し、(C)成分とは乳化分散可能))である)。
D−3:一般式(VIII)において、R=18、20、22の飽和炭化水素基の混合物、RとRが水素原子であり、p/q=1/1である共重合体(日本油脂株式会社、商品名「ニッサン エレクトールD121」、(A)成分及び(C)成分に可溶、(B)成分に不溶である)。
D−4:エポキシポリエーテル変性シリコーン(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、商品名「BY16‐876」、(A)成分及び(C)成分に可溶、(B)成分に不溶である)。
(その他添加剤)
硬化促進剤:トリフェニルホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加物。
無機充填剤:平均粒径17.5μm、比表面積3.8m/gの球状溶融シリカ。
カップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)。 難燃剤:三酸化アンチモン、及びエポキシ当量375、軟化点80℃、臭素含量48重量%のビスフェノールA型ブロム化エポキシ樹脂(住友化学工業株式会社製商品名ESB−400T)。
着色剤:カーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名「MA−100」)。
上述の各種原材料をそれぞれ表1及び表2に示す重量部で配合し、混練温度80℃、混練時間10分の条件下でロール混練を行い、実施例1〜5及び比較例1〜8に該当する封止用エポキシ樹脂成形材料をそれぞれ調製した。なお、(D−1)及び(D−3)成分は、(C)成分の全て及び(A)成分の一部と予備混合した後に添加した。また、(D−2)及び(D−4)成分は、(C)成分の全て及び(B)成分の一部と予備混合した後に添加した。それぞれの予備混合は、各成分を170℃で2〜4時間にわたって溶融攪拌することによって実施した。なお、(C)成分に記載される「ICI粘度」は、東亜工業株式会社製のコーンプレート粘度計(モデル:CV‐1S、コーン:10ポアズ)を使用した測定値である。
Figure 0005309415
Figure 0005309415

次に、先に調製した各種封止用エポキシ樹脂成形材料を用いてパッケージを成形し、パッケージ汚れ及びエアベント樹脂付着の有無(LQFP)について検討した。結果を表3及び4に示す。なお、パッケージの成形は、TOWAプレス(藤和精機株式会社製Yシリーズ、LQFP144p用 パッケージ厚み1.4mm)を用いて、180℃、6.9MPa、60秒の成形条件下で300ショットの連続成形として実施した。300ショット後のパッケージ表面の汚れについて検討し、併せて金型におけるエアベント部への成形材料(樹脂)の付着の有無について検討した。その後、金型の温度を変化させずに12時間にわたって放置し、さらに10ショットの連続成形を行い、エアベントへの成形材料(樹脂)の付着の有無について検討した。なお、パッケージ表面の汚れについては、ゲート口からの汚れの広がりの有無とその程度を目視によって観察し、以下に示す5段階で評価した。
(パッケージ汚れの評価)
◎ :汚れなし
○ :汚れの広がりがパッケージ表面の10面積%以下
△ :汚れの広がりがパッケージ表面の10面積%超〜20面積%以下
× :汚れの広がりがパッケージ表面の20面積%超〜50面積%以下
××:汚れの広がりがパッケージ表面の50面積%超
Figure 0005309415
Figure 0005309415

本発明で使用される(C)成分を含まない比較例3〜8では、パッケージ外観又は金型放置後の連続成形性のいずれか、又はそれら特性の両方とも劣る結果となった。また(C)成分を含んでいても(D)成分を含まない比較例1、2では、パッケージ外観に劣る結果となった。一方、(C)成分と(D)成分とを併用する本発明による実施例1〜5では、パッケージ外観及び金型放置前後の連続成形性の両方において優れる結果となった。

Claims (2)

  1. (A)エポキシ樹脂と、(B)フェノール系硬化剤と、(C)180℃におけるICI粘度が0.01Pa・s以下である酸化型アルファオレフィン・イソシアネート反応物と、(D)以下に示すD1〜D4からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有する封止用エポキシ樹脂成形材料であって、
    前記(C)成分の配合量は、前記成形材料の全重量を基準として、0.03〜5重量%であり、
    前記(D)成分の配合量は、前記(A)成分の全重量を基準として0.1〜20重量%であることを特徴とする、電子部品装置に搭載される素子の封止用エポキシ樹脂成形材料。
    D1:下記一般式(VI)において、R=炭素数3の飽和炭化水素基、R=炭素数3と4の飽和炭化水素基、R、R4、7、及びRが水素原子であり、x=13〜15であり、l/n=1/1、m=0である共重合体。
    Figure 0005309415
    D2:下記一般式(VII)において、R=18、20、22の飽和炭化水素基の混合物、R=メチル基、p/q=1/1である共重合体。
    Figure 0005309415
    D3:下記一般式(VIII)において、R=18、20、22の飽和炭化水素基の混合物、RとRが水素原子であり、p/q=1/1である共重合体
    (式中、R、R、及びRはそれぞれ独立して飽和又は不飽和の一価の炭化水素基を示し、互いに同じでも異なってもよく、
    〜R10はそれぞれ独立して水素原子及び飽和又は不飽和の一価の炭化水素基からなる群より選ばれ、互いに同じでも異なっていてもよく、
    r及びsは0又は正の整数を示す。)。
    Figure 0005309415
    D4:エポキシポリエーテル変性シリコーン。
  2. 請求項1に記載の電子部品装置に搭載される素子の封止用エポキシ樹脂成形材料によって封止された素子を備えることを特徴とする電子部品装置。
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