JP2006316263A - 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 - Google Patents

封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006316263A
JP2006316263A JP2006112272A JP2006112272A JP2006316263A JP 2006316263 A JP2006316263 A JP 2006316263A JP 2006112272 A JP2006112272 A JP 2006112272A JP 2006112272 A JP2006112272 A JP 2006112272A JP 2006316263 A JP2006316263 A JP 2006316263A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
sealing
resin composition
component
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006112272A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisanori Watanabe
尚紀 渡辺
Takayoshi Kashiwabara
隆貴 柏原
Takahiro Horie
隆宏 堀江
Masahiko Kosaka
正彦 小坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP2006112272A priority Critical patent/JP2006316263A/ja
Publication of JP2006316263A publication Critical patent/JP2006316263A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】特に薄型パッケージのチップ面未充填、ウエルドボイドの発生を低減させて電子部品装置の信頼性を高めると共に、連続成形性に優れた封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)ポリオレフィン系離型剤及び、(D)下記構造単位(Ia)〜(Ib)を有する共重合体と下記構造単位(IIa)〜(IIc)を有する共重合体との少なくともいずれか、を含む封止用エポキシ樹脂組成物。 −(C2n)− (Ia) −(C2mO)− (Ib)[ここで、n及びmは独立して正の整数。]
(IIa)ビニルエーテルモノマー単位の反応ポリマー
(IIb)無水マレイン酸・モノマー単位の反応ポリマー
(IIc)ビニル芳香族モノマー単位の反応ポリマー
【選択図】なし

Description

本発明は、封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いて封止した素子を備えた電子部品装置に関する。
従来から、トランジスタ、IC、LSI等の電子部品装置に搭載される素子の封止技術の分野では、生産性及びコスト等の面から樹脂を用いた封止が主流となっており、エポキシ樹脂をベースとした封止材料が広く用いられている。その理由としては、各種樹脂の中でもエポキシ樹脂は電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性などの諸特性において優れたバランスを有するためである。
近年、電子部品装置の分野では、装置の小型・軽量化、高性能・高機能化を図るために、素子の高密度実装化、配線の微細化、多層化、及び多ピン化、パッケージに対する素子の占有面積の増大化等が進んでいる。これに伴って、電子部品装置におけるパッケージは、従来型のDIP(Dual Inline Package)、PGA(Pin Grid Aray)等にかわって、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J−lead package)、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等が主流となり、さらに、小型薄型化したTSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)、より一層高密度化、多機能化したCSP(Chip Size Package)、マルチチップパッケージ、ウエハレベルCSP、積層パッケージ等の開発が進められている。また、封止技術の分野においても、成形方法に関する様々な開発が進められている。例えば、BGA、CSP等のパッケージについては、従来の個片成形にかわって、比較的大きなサイズを有する基板等に多数のチップを搭載してそれらを一括成形した後に個々のパッケージを切り出す、いわゆるマップ成形が主流となりつつある。
このような様々な開発が進む中で、封止材料としてのエポキシ樹脂組成物に対する要求は益々厳しいものとなっている。特に、素子占有面積の増大化、パッケージの薄型化、及び成形方法の変化等の要因は、パッケージ成形時の封止材料のフル充填化を困難にする傾向があり、封止部分厚みの最も薄いチップ面に未充填やチップ面ボイド(いわゆるウエルドボイド)を誘発する要因ともなっている。チップ面未充填やウエルドボイドはパッケージの信頼性に深刻な影響を与えかねない為、未充填やボイド(気泡)の低減に優れるとともに、生産性や各種信頼性に優れたエポキシ樹脂組成物の開発が望まれている。
従来からパッケージ成形時の未充填やボイドの発生を改善するために様々な方法が検討されている。例えば、エポキシ樹脂組成物中に特定のポリオルガノシロキサンを添加する方法(特許文献1、2を参照。)が提案されている。
特開2000−273277号公報 特開2001−151994号公報
しかし、様々な樹脂系における効果の汎用性といった点で必ずしも満足できるものではなく、連続成形性等の生産性の点でも改善すべき点が多い。
本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、成形時のボイド、特に薄型パッケージにおけるチップ面未充填やウエルドボイドの発生等を低減させてパッケージの信頼性を高めるとともに、連続成形性等の生産性にも優れた封止用エポキシ樹脂組成物、及びその組成物を用いて封止した素子を備えた電子部品装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、封止用エポキシ樹脂組成物に、特定の離型剤、及び特定の構造単位を有する共重合体を添加することによって所期の目的が達成可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下に関する。
(1) (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)ポリオレフィン系離型剤並びに(D)下記構造単位(Ia)と(Ib)とを有する共重合体および下記構造単位(IIa)と(IIb)と(IIc)とを有する共重合体の少なくともいずれか、を含有することを特徴とする封止用エポキシ樹脂組成物、
(化1)
−(C2n)− (Ia)
−(C2mO)− (Ib)
[構造単位(Ia)、(Ib)中、n及びmは、それぞれ独立して正の整数を示し、互いに同じであっても異なってもよい。]
Figure 2006316263
[構造単位(IIa)、(IIb)、(IIc)中、Rはアルキレン基であり、Rは水素原子及び置換基を有していてもよい飽和又は不飽和の一価の炭化水素基からなる群より選ばれる基であり、R〜Rは水素原子及び飽和又は不飽和の一価の炭化水素基からなる群より選ばれる基であり、R〜Rは、互いに同じでも異なってもよく、l、m、及びnは0又は正の整数を示し、l、m、及びnのうち2以上が同時に0となることはなく、xは正の整数を示す。]
(2) (C)成分の180℃におけるICI粘度が0.2Pa・s以下である前記(1)に記載の封止用エポキシ樹脂組成物、
(3) (D)成分が、(A)成分及び(B)成分の少なくともいずれかと不溶、かつ(C)成分と不溶である前記(1)又は(2)に記載の封止用エポキシ樹脂組成物、
(4) さらに(E)無機充填剤を含有する前記(1)〜(3)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物、
(5) (E)成分が組成物全体の80〜95質量%である前記(4)に記載の封止用エポキシ樹脂組成物、
(6) 前記(1)〜(5)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物によって封止された素子を備えることを特徴とする電子部品装置。
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物は、成形時のボイド発生、特に薄型パッケージにおけるチップ面未充填やウエルドボイドの発生が少なく、連続成形性等の生産性にも優れているため、かかる組成物を封止材料として用いてIC、LSI等の電子部品の素子を封止することによって信頼性の高い電子部品装置の安価な供給を実現することが可能であり、その工業的価値は高い。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)ポリオレフィン系離型剤及び(D)特定の構造を有する共重合体を含有するものであって、(C)成分と、(D)成分との両者を含むことを特徴とする。本発明による封止用エポキシ樹脂組成物は、上記(A)〜(D)成分以外に、必要に応じて(E)無機充填剤、硬化促進剤、及びカップリング剤等の各種添加剤を含んでもよい。以下、本発明による封止用エポキシ樹脂組成物を構成する各種成分について詳細に説明する。
(A)エポキシ樹脂
上記(A)エポキシ樹脂は、封止用エポキシ樹脂組成物に一般に使用されているエポキシ樹脂であってよく、それらの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
特に限定されるものではないが、本発明において使用可能な(A)エポキシ樹脂として、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールA/D等のジグリシジルエーテル;アルキル置換又は非置換のビフェノールのジグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂;フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂やナフトール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル樹脂等のエポキシ化物;スチルベン型エポキシ樹脂;ハイドロキノン型エポキシ樹脂;フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂;ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物であるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ナフタレン環を有するエポキシ樹脂;トリフェニルメタン型エポキシ樹脂;トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂;テルペン変性エポキシ樹脂、硫黄原子を含むエポキシ樹脂;オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂;脂環族エポキシ樹脂;及びこれらのエポキシ樹脂をシリコーン、アクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン系ゴム、ポリアミド系樹脂等により変性したエポキシ樹脂が挙げられる。
先に例示したエポキシ樹脂の中でも、薄型パッケージへの適用を考えた場合には、流動性、信頼性等の観点から、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニル・アラルキル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、及び硫黄原子含有エポキシ樹脂を選択することが好ましく、これら4種のエポキシ樹脂の少なくとも1種を(A)エポキシ樹脂成分として使用することが好ましい。それら好適なエポキシ樹脂のいずれか1種を単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよいが、それら樹脂の性能を発揮するために、(A)エポキシ樹脂成分の全量を基準として上記4種のエポキシ樹脂の配合量を合計で20質量%以上とすることが好ましく、30質量%以上とすることがより好ましく、50質量%以上とすることがさらに好ましい。
また、BGAパッケージ等への適用を考えた場合には、硬化物に高いガラス転移点を付与するトリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂を使用することが好ましい。そのようなエポキシ樹脂を単独で又は上記エポキシ樹脂と併用することによって、硬化物の反り特性等の形状安定性の点で有利となる。トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記一般式(III)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 2006316263
[式(III)中、Rは水素原子又は一価の炭化水素基であり、nは0〜10の整数である。]
一般式(III)で示されるエポキシ樹脂は、市販品として入手可能である。例えば、Rが水素原子である商品名「エピコート(登録商標)1032H60」(ジャパンエポキシレジン株式会社)が挙げられる。
(B)硬化剤
上記(B)硬化剤は、封止用エポキシ樹脂組成物に一般に使用されている硬化剤であってよく、それらの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。特に限定されるものではないが、本発明において使用可能な(B)硬化剤として、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂;フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂;ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂;トリフェニルメタン型フェノール樹脂等が挙げられ、これらを単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
先に例示したフェノール樹脂の中でも、薄型パッケージへの適用を考えた場合には、特に信頼性の観点から、フェノール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル樹脂及びナフトール・アラルキル樹脂を選択することが好ましく、それら3種のフェノール樹脂の少なくとも1種を(B)硬化剤成分として使用することが好ましい。それら好適なフェノール樹脂のいずれか1種を単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよいが、それら3種のフェノール樹脂の配合量は、(B)硬化剤の全質量を基準として合計で60質量%以上とすることが好ましく、80質量%以上とすることがより好ましい。
また、BGAパッケージ等への適用を考えた場合には、硬化物に高いガラス転移点を付与するトリフェニルメタン骨格を有するフェノール樹脂を使用することが好ましい。そのようなフェノール樹脂を単独で又は上述のフェノール樹脂と併用することによって、硬化物の反り特性等の形状安定性の点で有利となる。トリフェニルメタン骨格を有するフェノール樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記一般式(IV)で示される樹脂が挙げられる。
Figure 2006316263
[式(IV)中、Rは水素原子又は一価の炭化水素基である。nは0〜10の整数である。]
一般式(IV)で示されるフェノール樹脂は、市販品として入手可能である。例えば、Rが水素原子である商品名「MEH−7500」(明和化成株式会社)が挙げられる。
上記(A)エポキシ樹脂と上記(B)硬化剤との当量比(すなわち、エポキシ樹脂中のエポキシ基数/硬化剤中の水酸基数の比)は、特に制限されるものではない。しかし、それぞれの成分が過不足なく反応して組成物中に未反応のまま残らないようにするためには、上記当量比は好ましくは0.5〜2の範囲、より好ましくは0.6〜1.5の範囲とすることが好ましい。成形性、耐リフロー性に優れる封止用エポキシ樹脂組成物を実現するために、上記当量比は0.8〜1.2の範囲に設定されることがさらに好ましい。
(C)ポリオレフィン系離型剤
上記(C)ポリオレフィン系離型剤は、主として良好な連続成形性を得る為に必要な成分である。本発明における「ポリオレフィン系離型剤」とは、エチレン重合体、プロピレン重合体、エチレン/プロピレン共重合体等を主成分とし、官能基を有しない、又は官能基を有する重量平均分子量が1000以上である化合物を指す。パッケージ外観や金型離型性の点からは、官能基を有する化合物が好ましい。
(C)成分の例として、例えば、官能基としてカルボキシル基を有する酸化型ポリエチレン等を例示することが可能であるが、官能基であるカルボキシル基がアミノ基、アルコール性水酸基、イソシアネート基等によって変性されていても良い。また、前記エチレンやプロピレン等の共重合体の一部に、スチレンや無水マレイン酸等を含んでいても良い。
(C)成分の重量平均分子量は2000以上であることが好ましい。
なお、(C)成分の重量平均分子量とは、高温GPCで測定した値を指すこととし、測定方法は、以下のとおりである。
測定器:Waters社製高温GPC
カラム:ポリマーラボラトリーズ社製商品名PLgel MIXED‐B
10μm(7.5mm×300mm)×2本
流量:1.0ml/分(試料濃度:0.3w/vol%)
注入量:100μl
酸化型ポリエチレンを例とした場合、その酸価は5〜50mgKOH/gであることが好ましく、10〜40mgKOH/gであることがより好ましく、15〜30mgKOH/gであることが特に好ましい。酸価が5mgKOH/g未満だとエポキシ樹脂への分散不具合に起因するパッケージの外観不具合を、酸価が50mgKOH/gを超えるとエポキシ樹脂との親和性が高くなり過ぎることに起因する金型離型不具合を、それぞれ引き起こす可能性がある。
薄型パッケージにおけるチップ面未充填やウエルドボイドの発生を防ぐ為には、上記(C)成分の、180℃におけるICI粘度が0.2Pa・s以下であることが好ましく、0.1Pa・s以下であることが特に好ましい。180℃におけるICI粘度が0.2Pa・s以下のポリオレフィン系離型剤として、例えばPED522(クラリアントジャパン株式会社製商品名。180℃におけるICI粘度0.06Pa・sの酸化型ポリエチレン)、PED121(クラリアントジャパン株式会社製商品名。180℃におけるICI粘度0.05Pa・sの酸化型ポリエチレン)、OK11315(Honeywell社製商品名。180℃におけるICI粘度0.01Pa・s以下のイソシアネート変性ポリエチレン)等を市場で入手することができる。なお、本発明における「ICI粘度」とは、ICIコーンプレート回転粘度計での測定値をいう。
(C)成分の配合量は樹脂組成物全体の0.03〜5質量%程度とすることが好ましく、0.05〜3質量%程度とすることがより好ましく、0.1〜2質量%とすることが特に好ましい。0.03質量%未満では金型離型性の効果が、5質量%を超えるとパッケージ汚れに対する効果が、それぞれ不充分となる可能性がある。
(C)成分は単独で用いても構わないし、複数成分を併用して用いても構わない。複数成分を併用して用いる場合には、180℃におけるICI粘度が0.2Pa以下の成分を(C)成分全体の50質量%以上とするように用いることが、チップ面未充填やウエルドボイドの発生を抑える観点からは好ましい。また、必要に応じて、高級脂肪酸やそのエステル類、アミド類等、封止用エポキシ樹脂組成物用途として従来公知の離型剤等を併用しても構わない。
(D)特定の構造単位を有する共重合体
(D)成分は、下記構造単位(Ia)及び(Ib)を有する共重合体ならびに下記構造単位(IIa)、(IIb)及び(IIc)を有する共重合体の少なくともいずれかであり、主として封止用エポキシ樹脂組成物と成形金型との親和性を改善することを目的とした成分である。
(化5)
−(C2n)− (Ia)
−(C2mO)− (Ib)
[構造単位(Ia)、(Ib)中、n及びmは、それぞれ独立して正の整数を示し、互いに同じであっても異なってもよい。]
Figure 2006316263
[構造単位(IIa)、(IIb)、(IIc)中、Rはアルキレン基であり、Rは水素原子及び置換基を有していてもよい飽和又は不飽和の一価の炭化水素基からなる群より選ばれる基であり、R〜Rは水素原子及び飽和又は不飽和の一価の炭化水素基からなる群より選ばれる基であり、R〜Rは、互いに同じでも異なってもよく、l、m、及びnは0又は正の整数を示し、l、m、及びnのうち2以上が同時に0となることはなく、xは正の整数を示す。]
上記構造単位(Ia)及び(Ib)を有する共重合体(以下、「共重合体d−1」と称す。)や、上記構造単位(IIa)、(IIb)及び(IIc)を有する共重合体(以下、「共重合体d−2」と称す。)は、ともに、分子内に疎水性基と親水性基の両者を有するいわゆる界面活性剤構造をしており、封止用エポキシ樹脂成形時に樹脂/金型界面に滲み出すことで、疎水性の高い溶融樹脂と親水性の高い金型表面との親和性を改善することが可能である。
共重合体d−1における構造単位(Ia)及び(Ib)の配列は、特に限定されるものではなく、共重合体はランダム型共重合体又はブロック型共重合体のいずれであってもよい。界面活性剤としての機能面からは、下記一般式(I)で表されるブロック共重合体が好ましい。
(化7)
R−(C2n−(C2mO)−H (I)
[式(I)中、Rは、水素原子、置換又は非置換の炭化水素基からなる群より選ばれる基であり、n、m、a及びbは、それぞれ独立して正の整数を示し、互いに同じであっても異なってもよい。]
上記一般式(I)で示されるブロック共重合体は、酸素同士の結合を有する有機過酸化物やアゾ系化合物等の重合開始剤の存在下で、エチレン、プロピレン又はブチレン等のアルケン類と、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、又はブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類とを共重合させることによって得られる。共重合体の分子量は、重合開始剤の種類や濃度を変化させること等によって調整可能である。また共重合体における各々の構造単位の比率は、使用するアルケン類及びアルキレンオキサイド類の濃度等によって調整可能である。
式(I)におけるRは重合開始剤に由来する残基であるが、その構造が式(I)の分散能を大きく変えることはない。
式(I)における「n」は、自由な選択が可能であるが、工業的な観点からは2≦n≦4の範囲であることが好ましい。「m」は、界面活性剤としての機能面から、2≦m≦4であることが好ましい。mが4を超えると分子全体の疎水性が増大し、樹脂/成形金型界面の親和性を改善させる目的を達成することが困難となる可能性がある。また、上記構造単位(Ia)及び(Ib)からなる各ブロック単位は直鎖型であっても分岐型であってもよく、同じ構造単位から構成されてもよいし、2種以上の複数の構成単位から構成されてもよい。
式(I)における「a」、「b」は、それぞれ共重合体の原材料となるモノマーから誘導されるブロック単位を示すものであり、(a+b)≦200であることが好ましい。(a+b)が200を超えると共重合体の粘度の増加を招き、組成物の流動性に悪影響を与える可能性がある。なお、特に限定されるものではないが、本発明における一般式(I)で示される共重合体の好ましい一形態として、m≦4において、(a+b)≦150となることが望ましい。aとbとの比率すなわちa/bは自由な選択が可能であるが、a/b=1/9〜9/1程度の範囲であることが好ましい。
特に限定されるものではないが、(D)成分として使用可能な上記一般式(I)で示される共重合体の例として、Rが水素原子、n=m=2、b/a=1、a+b=40である共重合体が挙げられる。このような共重合体を主成分とする化合物は、東洋ペトロライト株式会社から「ユニトックス(登録商標)450」として販売されている。第2例として、上記一般式(I)においてRが水素原子、n=m=2、b/a=4、a+b=80である共重合体が挙げられる。このような共重合体を主成分とする化合物は、東洋ペトロライト株式会社から「ユニトックス(登録商標)480」として販売されている。第3例として、上記一般式(I)においてRが水素原子、n=m=2、b/a=9、a+b=160である共重合体が挙げられる。このような共重合体を主成分とする化合物は、東洋ペトロライト株式会社から「ユニトックス(登録商標)490」として販売されている。
本発明では、上記共重合体d−1以外にも、上記構造単位(IIa)、(IIb)及び(IIc)を有する共重合体d−2を(D)成分として用いることが可能である。なお、共重合体d−2を構成する構造単位l、m及びnの配列は、ランダム型又はブロック型のいずれであってもよい。
構造単位(IIa)のRとして記載した「アルキレン基」は、界面活性剤としての機能面から炭素数2〜4の飽和炭化水素基であることが好ましい。具体的には、エチレン基やプロピレン基、ブチレン基等である。また、Rとしては、水素原子や炭素数1〜30程度の飽和又は不飽和炭化水素基が挙げられる。Rの炭素数を変化させることによって、共重合体全体の親水・疎水性のバランスを調整することが可能である。Rの飽和又は不飽和炭化水素基は置換基を有していてもよい。
特に限定されるものではないが、上記共重合体d−2の具体例として、Rが炭素数3の飽和炭化水素基であり、Rが炭素数18の飽和炭化水素基であり、x=13〜15、l/m=1/1、n/(l+m)=1/3である共重合体が挙げられる。このような共重合体を主成分とする化合物は、日本油脂株式会社から、ポリオキシアルキレン系共重合体「マリアリム(登録商標)AWS−0851」として販売されている。
本発明の効果、特に封止樹脂/成形金型界面の親和性を改善することによりチップ面未充填やウエルドボイドの発生を抑える為には、(D)成分が、(A)成分及び(B)成分の少なくともいずれかと不溶、かつ(C)成分と不溶であることが好ましい。なお、本発明では、(A)成分、又は(B)成分、又は(C)成分を、(D)成分と1/1質量比で混合後、180℃にて溶解、完全溶解の後に攪拌を行い、30分静置、取り出し後に成分間の分離がなく、目視確認にて透明な混合液が得られる状態を「可溶」と呼び、「可溶でない状態」を「不溶」と呼ぶこととする。
(A)成分及び(B)成分の少なくともいずれかと不溶、かつ(C)成分と不溶である(D)成分の、封止樹脂/成形金型界面の親和性改善効果が高いのは、(D)成分がベース樹脂から容易に滲み出し、同じくベース樹脂から滲み出す(C)ポリオレフィン系離型剤に溶けることなく、効果的に働くことが可能である為と思われる。
本発明では、(D)成分として、上記共重合体d−1、上記共重合体d−2のどちらか、又は両者を併用して使用することが可能であり、構造の異なる「共重合体d−1」どうし、あるいは構造の異なる「共重合体d−2」どうしを複数成分併用すること等も可能である。(D)成分として複数成分を併用する場合には、(A)成分及び(B)成分の少なくともいずれかと不溶、かつ(C)成分と不溶である成分を、(D)成分全体の50質量%以上とすることが好ましい。
(D)成分の配合量は、組成物中の構成成分等によって多少変動はするが、組成物の全質量を基準として0.01〜1質量%の範囲とすることが好ましい。配合量が0.01質量%未満になると、樹脂/金型界面への滲み出し不足による親和性改善効果が不十分となる可能性がある。一方、配合量が1質量%を超えると信頼性等のパッケージ特性の低下を招く可能性がある。(D)成分として複数成分を使用する場合には、(D)成分の全配合量が、組成物の全質量を基準として0.01〜1質量%の範囲であることが好ましい。
(E)無機充填剤
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物では、吸湿性の低下、線膨張係数の低減、熱伝導性及び強度等の向上を目的として、(E)無機充填剤を配合することが好ましい。本発明において使用可能な(E)無機充填剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられ、これらを単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。例示した無機充填剤の中でも、流動性等の成形性、及びパッケージの信頼性といった観点からは、溶融シリカ、結晶シリカ、及び合成シリカからなる群より選ばれるシリカを選択することが好ましい。溶融シリカ及び合成シリカから選ばれるシリカが好ましく、それらの中でも球状形状を有するシリカを使用することが特に好ましい。
(E)無機充填剤の配合量は、信頼性や、特にBGAパッケージにおける反り量等の観点から、組成物の全質量に対して80〜95質量%の範囲とすることが好ましく、85〜95質量%の範囲とすることがより好ましく、85〜93質量%の範囲とすることが特に好ましい。(E)無機充填剤の配合量が80質量%未満だと、パッケージの耐湿信頼性や特にBGAパッケージにおける反り量等が不充分となる可能性があり、配合量が95質量%を超えると、樹脂の流動性が低下し、チップ面未充填やウエルドボイド等の発生を招く可能性がある。
(その他添加剤)
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物では、先に説明した(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)ポリオレフィン系離型剤、(D)上記共重合体d−1および上記共重合体d−2の少なくともいずれか、(E)無機充填剤以外にも、必要に応じて各種添加剤を追加することが可能である。本発明において使用可能な代表的な添加剤を以下に例示するが、例示の添加剤に限定されることなく、当技術分野で周知の各種添加剤を追加して封止用エポキシ樹脂組成物を構成することも可能である。
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物には、生産性を向上させる目的で、硬化促進剤を添加してもよい。硬化促進剤としては、封止用エポキシ樹脂組成物に一般に使用されている硬化促進剤を使用することが可能である。特に限定されるものではないが、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスフィン化合物とキノン化合物との付加物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等の有機リン化合物系硬化促進剤、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のアミン化合物系硬化促進剤、及びイミダゾール化合物系硬化促進剤等が挙げられ、それらを単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。流動性と信頼性とを両立させる観点からは、有機リン化合物とキノン化合物との付加物を単独で使用するか又はそれらを他の硬化促進剤と組み合わせて使用することが好ましい。硬化促進剤の添加量は、組成物の全質量を基準として、0.01〜1質量%の範囲とすることが好ましい。添加量が0.01質量%未満の場合、硬化促進効果が不充分となる可能性があり、添加量が1質量%を超えると組成物の流動性が低下し、成形時に未充填及びボイド発生等の不具合が生じる可能性が高くなる。
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物には、IC等の半導体素子の耐湿性、高温放置特性を向上させる目的で、陰イオン交換体を添加してもよい。本発明において使用可能な陰イオン交換体としては、特に制限されるものではなく、公知の陰イオン交換体を適用することが可能である。例えば、ハイドロタルサイト、アンチモン、ビスマス、ジルコニウム、チタン、スズ、マグネシウム、及びアルミニウムからなる群より選ばれる元素の含水酸化物等が挙げられ、これらを単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、下記一般式(V)で示されるハイドロタルサイト及びビスマスの含水酸化物が好ましい。
(化8)
Mg1−XAl(OH)(COX/2・mHO ……(V)
(0<X≦0.5、mは正の数)
陰イオン交換体の添加量は、組成物中のハロゲンイオン等のイオン性不純物を捕捉するのに充分な量であればよい。特に制限されるものではないが、例えば、(A)エポキシ樹脂の全質量を基準として0.1〜30質量%の範囲が好ましく、1〜10質量%の範囲がより好ましく、2〜5質量%の範囲がさらに好ましい。添加量が0.1質量%未満の場合、イオン性不純物の捕捉が不充分になる傾向がある。一方、30質量%を超えた量で陰イオン交換体を添加してもその効果に大差はないが、経済面を考慮すると不利である。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物には、樹脂成分と無機充填剤との接着性を高める目的で、カップリング剤を添加してもよい。本発明において使用可能なカップリング剤としては、特に限定されるものではなく、公知のカップリング剤を適用することが可能である。例えば、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等が挙げられ、それらを単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。カップリング剤の添加量は、無機充填剤の全質量を基準として、0.05〜5質量%の範囲とすることが好ましく、0.1〜2.5質量%の範囲とすることがより好ましい。添加量が0.05質量%未満の場合、耐湿性が低下する傾向がある。一方、添加量が5質量%を超えるとパッケージの成形性が低下する傾向がある。
以上、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物において使用可能な添加剤について例示したが、本発明による効果を低減しない範囲で、必要に応じて、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、及びベンガラ等の着色剤、窒素原子含有化合物、リン原子含有化合物、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、複合金属水酸化物、錫酸亜鉛、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛、三酸化二鉄、ジシクロペンタジエニル鉄等の金属元素を含む化合物、三酸化アンチモン、ハロゲン化エポキシ樹脂などの難燃剤、又はイミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアジン等及びこれらの誘導体、アントラニル酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アミノフェノール、キノリン等及びこれらの誘導体、脂肪族酸アミド化合物、ジチオカルバミン酸塩、チアジアゾール誘導体等の接着促進剤といった他の添加剤を使用することも可能である。
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物は、各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いても調製することが可能である。一般的な手法として、所定の配合量の原材料をミキサー等によって充分に混合した後、ミキシングロール、ニーダ、押出機等によって溶融混練を行い、次いで冷却し、粉砕する方法を挙げることができる。なお、組成物は取り扱いを容易にするために、成形条件に合うような寸法及び質量でタブレット化してもよい。また、本発明による封止用エポキシ樹脂組成物は各種有機溶剤に溶かして液状の成形材料として使用することも可能である。さらに、そのような液状の成形材料を板又はフィルム上に薄く塗布し、次いで樹脂の硬化反応が過度に進行しない条件下で有機溶剤を飛散させることによって得られるシートあるいはフィルムの形態で使用することも可能である。
本発明による電子部品装置は、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載したものであって、素子部が先に説明した本発明による封止用エポキシ樹脂組成物によって封止されていることを特徴とする。
本発明による電子部品装置の一例としては、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明による封止用エポキシ樹脂組成物を用いるトランスファー成形などによって封止した、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J−lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC、
テープキャリアにバンプで接続した半導体チップを、本発明による封止用エポキシ樹脂組成物で封止したTCP(Tape Carrier Package)、
配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明による封止用エポキシ樹脂組成物で封止した、COB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール、
配線板接続用の端子を形成した有機基板に素子を搭載し、バンプまたはワイヤボンディングによって素子と有機基板に形成された配線を接続した後、本発明による封止用エポキシ樹脂組成物で素子を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、が挙げられる。
また、プリント回路板においても本発明による封止用エポキシ樹脂組成物を有効に使用することが可能である。
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物を用いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファー成形法が最も一般的である。しかし、インジェクション成形法、圧縮成形法等の他の成形法を用いてもよい。封止用エポキシ樹脂組成物が、常温において液状又はペースト状となる場合、ディスペンス方式、注型方式、印刷方式等を適用することも可能である。また、封止方法は、素子を樹脂によって直接封止する一般的な方法に限定されるものではなく、素子に電子部品封止用エポキシ樹脂組成物が直接接触しない形態(中空パッケージ方式)での封止方法であってもよい。本発明による封止用エポキシ樹脂組成物はそのような中空パッケージ方式の封止方法においても成形材料として好適に使用することが可能である。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明の範囲は以下の実施例によって制限されるものではない。
(実施例1〜11、比較例1〜8)
以下、各実施例及び各比較例で使用した各種原材料を示す。
(A)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂1:エポキシ当量196、融点106℃のビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、「エピコート(登録商標)YX−4000H」)。
エポキシ樹脂2:エポキシ当量244、融点113℃の硫黄原子含有エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名「YSLV−120TE」)。
エポキシ樹脂3:エポキシ当量240、軟化点90℃のビフェニル・アラルキル型エポキシ樹脂を主成分としたエポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名「CER−3000−L」。
(B)硬化剤
硬化剤1:軟化点70℃、水酸基当量175のフェノール・アラルキル樹脂(三井化学株会社製、商品名「ミレックス(登録商標)XL−225」)。
硬化剤2:軟化点83℃、水酸基当量103のトリフェニルメタン型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、商品名「MEH−7500」)。
(C)ポリオレフィン系離型剤
離型剤1:180℃におけるICI粘度が0.06Pa・sである酸化型ポリエチレン(クラリアントジャパン株式会社製、商品名「PED522」)。
離型剤2:180℃におけるICI粘度が0.05Pa・sである酸化型ポリエチレン(クラリアントジャパン株式会社製、商品名「PED121」)。
離型剤3:180℃におけるICI粘度が0.4Pa・sである酸化型ポリエチレン(クラリアントジャパン株式会社製、商品名「PED153」)。
離型剤4:180℃におけるICI粘度が0.01Pa・s以下であるイソシアネート変性ポリエチレン(Honeywell株式会社製、商品名「OK11315」)。
C成分の比較離型剤:カルナバワックス
(D)特定の構造を有する共重合体
D1成分:東洋ペトロライト株式会社製、「ユニトックス(登録商標)480」。
(共重合体d−1、エポキシ樹脂2と可溶、その他の成分と不溶。)
D2成分:東洋ペトロライト株式会社製、「ユニトックス(登録商標)490」。
(共重合体d−1、エポキシ樹脂1、2と可溶、その他の成分と不溶。)
D3成分:日本油脂株式会社製、「マリアリム(登録商標)AWS−0851」。
(共重合体d−2、エポキシ樹脂1、2、離型剤1〜4と可溶、その他の成分と不溶。)
(E)無機充填剤
球状溶融シリカ:平均粒径17.5μm、比表面積3.8m/g。
(その他添加剤)
硬化促進剤:トリフェニルホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加物。
カップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)
難燃剤:三酸化アンチモン、及びエポキシ当量375、軟化点80℃、臭素含量48質量%のビスフェノールA型ブロム化エポキシ樹脂(住友化学工業株式会社製、商品名「ESB−400T」)。なお、難燃剤を配合する場合、両者の配合比は一定とした。
着色剤:カーボンブラック(三菱化学株式会社製商品名MA−100)。
上述の各種原材料をそれぞれ表1及び表2に示す質量部で配合し、混練温度80℃、混練時間10分の条件下でロール混練を行い、実施例1〜11及び比較例1〜8に該当する封止用エポキシ樹脂組成物を調製した。
Figure 2006316263
Figure 2006316263
次に、先に調製した各種封止用エポキシ樹脂組成物を用いてパッケージを成形し、ボイドの発生及び連続成形性について検討した。
(1)未充填・ボイド観察
40×40×0.5mmtの試験片が得られるマップ成形金型を用い、8×8×0.4mmtのダミーチップを配置し(3×3=9ヶ取り、チップ上封止部分厚み0.1mmt)、各材料について5ショットの成形を行い、9×5=45ヶのパッケージの0.3mm径以上のチップ面未充填・ウエルドボイドの発生数をカウントした。パッケージの成形は、180℃、6.9MPa、90秒キュアの成形条件にて行った。
未充填は、目視で、各ショット後のそれぞれのカル・パッケージに関し、未充填による樹脂欠けがあるものをカウントした。
(2)連続成形性
TOWAプレス(藤和精機株式会社製Yシリーズ、LQFP144p用、パッケージ厚み1.4mm)を用いて、180℃、6.9MPa、90秒の成形条件下で、300ショットの連続成形を行い、300ショット後にカル及びパッケージのスティキングの有無を観察した。スティッキングとは、成形時の、金型への全面的または部分的な樹脂貼り付きであり、具体的には、目視によって、金型への樹脂貼り付きの有無、及びパッケージやカルの部分的な樹脂エグレや欠けの有無を観察した。
検討結果を表3に示す。
Figure 2006316263
表3から明らかなように、(C)成分、(D)成分のどちらかを含まない比較例1〜8は、チップ面未充填・ウエルドボイドが多数発生し、このうち(C)成分を含まない比較例3、5〜6、8は連続成形性にも劣る。これに対し、本発明の(C)成分、(D)成分の両者を含む実施例1〜11は、チップ面未充填・ウエルドボイドの発生が抑制され、連続成形性にも優れていることがわかる。

Claims (6)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)ポリオレフィン系離型剤、並びに(D)下記構造単位(Ia)と(Ib)とを有する共重合体および下記構造単位(IIa)と(IIb)と(IIc)とを有する共重合体の少なくともいずれか、を含有することを特徴とする封止用エポキシ樹脂組成物。
    (化1)
    −(C2n)− (Ia)
    −(C2mO)− (Ib)
    [構造単位(Ia)、(Ib)中、n及びmは、それぞれ独立して正の整数を示し、互いに同じであっても異なってもよい。]
    Figure 2006316263
    [構造単位(IIa)、(IIb)、(IIc)中、Rはアルキレン基であり、Rは水素原子及び置換基を有していてもよい飽和又は不飽和の一価の炭化水素基からなる群より選ばれる基であり、R〜Rは水素原子及び飽和又は不飽和の一価の炭化水素基からなる群より選ばれる基であり、R〜Rは、互いに同じでも異なってもよく、l、m、及びnは0又は正の整数を示し、l、m、及びnのうち2以上が同時に0となることはなく、xは正の整数を示す。]
  2. (C)成分の180℃におけるICI粘度が0.2Pa・s以下である請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. (D)成分が、(A)成分及び(B)成分の少なくともいずれかと不溶、かつ(C)成分と不溶である請求項1又は2に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. さらに(E)無機充填剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. (E)成分が組成物全体の80〜95質量%である請求項4に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物によって封止された素子を備えることを特徴とする電子部品装置。

JP2006112272A 2005-04-14 2006-04-14 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 Pending JP2006316263A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006112272A JP2006316263A (ja) 2005-04-14 2006-04-14 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005117025 2005-04-14
JP2006112272A JP2006316263A (ja) 2005-04-14 2006-04-14 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006316263A true JP2006316263A (ja) 2006-11-24

Family

ID=37537210

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006112272A Pending JP2006316263A (ja) 2005-04-14 2006-04-14 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006316263A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009235164A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Panasonic Electric Works Co Ltd 半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び該組成物を用いて半導体素子を封止して得られる片面封止型半導体装置
JP2015048423A (ja) * 2013-09-02 2015-03-16 信越化学工業株式会社 半導体封止用樹脂組成物及びその硬化物を備えた半導体装置
WO2024111574A1 (ja) * 2022-11-22 2024-05-30 株式会社レゾナック 成形用樹脂組成物及び電子部品装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1036486A (ja) * 1996-07-24 1998-02-10 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JPH11106609A (ja) * 1997-09-30 1999-04-20 Matsushita Electric Works Ltd 封止用樹脂組成物
JPH11241002A (ja) * 1998-02-24 1999-09-07 Matsushita Electric Works Ltd 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2003213080A (ja) * 2002-01-21 2003-07-30 Nitto Denko Corp 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2006104416A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Hitachi Chem Co Ltd 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2006104415A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Hitachi Chem Co Ltd 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2006241307A (ja) * 2005-03-03 2006-09-14 Hitachi Chem Co Ltd 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1036486A (ja) * 1996-07-24 1998-02-10 Sumitomo Bakelite Co Ltd 半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JPH11106609A (ja) * 1997-09-30 1999-04-20 Matsushita Electric Works Ltd 封止用樹脂組成物
JPH11241002A (ja) * 1998-02-24 1999-09-07 Matsushita Electric Works Ltd 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置
JP2003213080A (ja) * 2002-01-21 2003-07-30 Nitto Denko Corp 半導体封止用エポキシ樹脂組成物およびそれを用いた半導体装置
JP2006104416A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Hitachi Chem Co Ltd 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2006104415A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Hitachi Chem Co Ltd 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2006241307A (ja) * 2005-03-03 2006-09-14 Hitachi Chem Co Ltd 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009235164A (ja) * 2008-03-26 2009-10-15 Panasonic Electric Works Co Ltd 半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及び該組成物を用いて半導体素子を封止して得られる片面封止型半導体装置
JP2015048423A (ja) * 2013-09-02 2015-03-16 信越化学工業株式会社 半導体封止用樹脂組成物及びその硬化物を備えた半導体装置
WO2024111574A1 (ja) * 2022-11-22 2024-05-30 株式会社レゾナック 成形用樹脂組成物及び電子部品装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4792768B2 (ja) 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP7485009B2 (ja) 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP2022097508A (ja) 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP2003064239A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2001247748A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
KR101789349B1 (ko) 반도체 밀봉용 에폭시 수지 조성물 및 이것을 사용한 반도체 장치
JP2006316263A (ja) 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JPWO2019054217A1 (ja) エポキシ樹脂組成物、及び電子部品装置
WO2018181384A1 (ja) エポキシ樹脂組成物、硬化性樹脂組成物、及び電子部品装置
JP2006028264A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP5309415B2 (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP5156156B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP4431921B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP4172065B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP2002080696A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2006182913A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2006104416A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2005325159A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP3659150B2 (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP5117643B2 (ja) エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置
JP2005350500A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2006104415A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2010018668A (ja) エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた電子部品装置
JP2005255790A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置
JP2006077096A (ja) 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090305

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110714

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110719

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120131