JP4792768B2 - 封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 - Google Patents

封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 Download PDF

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Description

本発明は、封止用エポキシ樹脂組成物及びそれを用いて封止した素子を備えた電子部品装置に関する。
従来から、トランジスタ、IC、LSI等の電子部品装置に搭載される素子の封止技術の分野では、生産性及びコスト等の面から樹脂を用いた封止が主流となっており、エポキシ樹脂をベースとした封止材料が広く用いられている。その理由としては、各種樹脂の中でもエポキシ樹脂は電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性などの諸特性において優れたバランスを有するためである。
近年、電子部品装置の分野では、装置の小型・軽量化、高性能・高機能化を図るために、素子の高密度実装化、配線の微細化、多層化、及び多ピン化、パッケージに対する素子の占有面積の増大化等が進んでいる。これに伴って、電子部品装置におけるパッケージは、従来型のDIP(Dual Inline Package)、PGA(Pin Grid Aray)等にかわって、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-lead package)、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等が主流となり、さらに、小型薄型化したTSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)、より一層高密度化、多機能化したCSP(Chip Size Package)、マルチチップパッケージ、ウエハレベルCSP、積層パッケージ等の開発が進められている。また、封止技術の分野においても、成形方法に関する様々な開発が進められている。例えば、BGA、CSP等のパッケージについては、従来の個片成形にかわって、比較的大きなサイズを有する基板等に多数のチップを搭載してそれらを一括成形した後に個々のパッケージを切り出す、いわゆるマップ成形が主流となりつつある。このような様々な開発が進む中で、封止材料としてのエポキシ樹脂組成物に対する要求は益々厳しいものとなっている。特に、素子占有面積の増大化、パッケージの薄型化、及び成形方法の変化等の要因は、パッケージ成形時の封止材料のフル充填化を困難にする傾向があり、最終的に未充填やボイド(気泡)の発生を招くことが多い。そのため、未充填やボイド(気泡)の低減をはじめとして各種特性に優れたエポキシ樹脂組成物の開発が望まれている。
従来からパッケージ成形時の未充填やボイドの発生を改善するために様々な方法が検討されている。例えば、エポキシ樹脂組成物中に特定のポリオルガノシロキサンを添加する方法(特許文献1、2を参照)があるが、信頼性及びパッケージ外観等を含む連続成形性の点で、それらの効果は必ずしも充分ではない。したがって、エポキシ樹脂組成物のさらなる開発が望まれている。
特開2000−273277号公報 特開2001−151994号公報
本発明は、かかる状況に鑑みなされたもので、成形時のボイドの発生を低減させてパッケージの信頼性を高めるとともに、パッケージ外観を含む連続成形性に優れた封止用エポキシ樹脂組成物、及びその組成物を用いて封止した素子を備えた電子部品装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上述の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、封止用エポキシ樹脂組成物に、特定の構造単位を有する共重合体を添加することによって所期の目的が達成可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下に関する。
(1)(A)エポキシ樹脂と、(B)硬化剤と、(C)下記構造単位(Ia)及び(Ib)を有する共重合体を含む分散剤とを含有することを特徴とする封止用エポキシ樹脂組成物。
(化1)
−(C2n)− (Ia)

−(C2mO)− (Ib)
[式中、n及びmは、それぞれ独立して正の整数を示し、互いに同じであっても異なってもよい。]
(2)上記(C)分散剤が、さらに、下記構造単位(IIa)、(IIb)及び(IIc)を有する共重合体を含有することを特徴とする上記(1)に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
Figure 0004792768

[式中、Rはアルキレン基であり、Rは水素原子及び飽和又は不飽和の一価の炭化水素基からなる群より選ばれる基であり、R〜Rは水素原子及び飽和又は不飽和の一価の炭化水素基からなる群より選ばれる基であり、互いに同じでも異なってもよく、l、m、及びnは0又は正の整数を示し(但し、l、m、及びnの2以上が同時に0となることはない)、xは正の整数を示す。]
(3)さらに、(D)無機充填剤を含有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
(4)上記(D)無機充填剤が、下記一般式(III)で示される化合物を含有することを特徴とする上記(3)に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
(化3)
l(M1 ab)・m(M2 cd)・n(M3 )・h(H2O) (III)
[式中、M1、M2及びMは互いに異なる金属元素を示し、a、b、c、d、e及びfは、それぞれ独立して正の数を示し、l、m、nおよびhは、それぞれ独立して0または正の数を示す(但し、l、m、n及びhの全てが同時に0とはならない)。]
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂組成物によって封止された素子を備えることを特徴とする電子部品装置。
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物は、成形時のボイド発生が少なく、パッケージ外観を含む連続成形性及び各種特性にも優れているため、かかる組成物を封止材料として用いてIC、LSI等の電子部品の素子を封止することによって信頼性の高い電子部品装置を実現することが可能であり、その工業的価値は高い。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、及び(C)分散剤を含有するものであって、(C)分散剤が特定の構造単位を有する共重合体を含むことを特徴とする。本発明による封止用エポキシ樹脂組成物は、上記(A)〜(C)成分以外に、必要に応じて(D)無機充填材、さらに離型剤、硬化促進剤、及びカップリング剤等の各種添加剤を含んでもよい。以下、本発明による封止用エポキシ樹脂組成物を構成する各種成分について詳細に説明する。
(A)エポキシ樹脂
上記(A)エポキシ樹脂は、封止用エポキシ樹脂組成物に一般に使用されているエポキシ樹脂であってよく、それらの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。特に限定されるものではないが、本発明において使用可能な(A)エポキシ樹脂として、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールA/D等のジグリシジルエーテル、アルキル置換又は非置換のビフェノールのジグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂やナフトール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル樹脂等のエポキシ化物、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、シクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物であるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、硫黄原子を含むエポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、及びこれらのエポキシ樹脂をシリコーン、アクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン系ゴム、ポリアミド系樹脂等により変性したエポキシ樹脂が挙げられる。
先に例示したエポキシ樹脂の中でも、薄型パッケージへの適用を考えた場合には、流動性、信頼性等の観点から、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニル・アラルキル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、及び硫黄原子含有エポキシ樹脂を選択することが好ましく、これらエポキシ樹脂の少なくとも1種を(A)エポキシ樹脂成分として使用することが好ましい。それら好適なエポキシ樹脂のいずれか1種を単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよいが、それら樹脂の性能を発揮するために、(A)エポキシ樹脂成分の全量を基準として上記エポキシ樹脂の配合量を合計で20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上とすることがより好ましく、50重量%以上とすることがさらに好ましい。
また、BGAパッケージ等への適用を考えた場合には、硬化物に高いガラス転移点を付与するトリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂を使用することが好ましい。そのようなエポキシ樹脂を単独で又は上記エポキシ樹脂と併用することによって、硬化物の反り特性等の形状安定性の点で有利となる。トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記一般式(IV)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 0004792768

[式中、Rは水素原子又は一価の炭化水素基であり、nは0〜10の整数である。]
一般式(IV)で示されるエポキシ樹脂は、市販品として入手可能である。例えば、Rが水素である商品名「エピコート1032H60」(ジャパンエポキシレジン株式会社)が挙げられる。
(B)硬化剤
上記(B)硬化剤は、封止用エポキシ樹脂組成物に一般に使用されている硬化剤であってよく、それらの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。特に限定されるものではないが、本発明において使用可能な(B)硬化剤として、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、トリフェニルメタン型フェノール樹脂が挙げられ、これら樹脂を単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
先に例示したフェノール樹脂の中でも、薄型パッケージへの適用を考えた場合には、特に信頼性の観点からは、フェノール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル樹脂及びナフトール・アラルキル樹脂を選択することが好ましく、それらフェノール樹脂の少なくとも1種を(B)硬化剤成分として使用することが好ましい。それら好適なフェノール樹脂のいずれか1種を単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよいが、それら樹脂の配合量は、(B)硬化剤の全重量を基準として合計で60重量%以上とすることが好ましく、80重量%以上とすることがより好ましい。
また、BGAパッケージ等への適用を考えた場合には、硬化物に高いガラス転移点を付与するトリフェニルメタン骨格を有するフェノール樹脂を使用することが好ましい。そのようなフェノール樹脂を単独で又は上述のフェノール樹脂と併用することによって、硬化物の反り特性等の形状安定性の点で有利となる。トリフェニルメタン骨格を有するフェノール樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、下記一般式(V)で示される樹脂が挙げられる。
Figure 0004792768

[式中、Rは水素原子又は一価の炭化水素基である。nは0〜10の整数である。]
一般式(V)で示されるフェノール樹脂は、市販品として入手可能である。例えば、Rが水素である商品名「MEH−7500」(明和化成株式会社)が挙げられる。
上記(A)エポキシ樹脂と上記(B)硬化剤との当量比(すなわち、エポキシ樹脂中のエポキシ基数/硬化剤中の水酸基数の比)は、特に制限されるものではない。しかし、それぞれの成分が過不足なく反応して組成物中に未反応のまま残らないようにするためには、上記当量比は好ましくは0.5〜2の範囲、より好ましくは0.6〜1.5の範囲とすることが好ましい。成形性、耐リフロー性に優れる封止用エポキシ樹脂組成物を実現するために、上記当量比は0.8〜1.2の範囲に設定されることがさらに好ましい。
(C)分散剤
本発明の封止用樹脂組成物における(C)分散剤は、以下に示す構造単位(Ia)及び(Ib)を有する共重合体を含有することを特徴とする。
(化6)
−(C2n)− (Ia)

−(C2mO)− (Ib)
本発明において分散剤として使用する特定の構造単位を有する共重合体は、疎水性となるアルキレン基部分(C2n)と、親水性となるアルキレンオキサイド基部分(C2mO)とを同一分子内に有する、いわゆる界面活性剤であり、組成物に含まれる各種成分を均一に分散させる役割を果たす。共重合体における構造単位(Ia)及び(Ib)の配列は特に限定されるものではなく、共重合体はランダム型共重合体又はブロック型共重合体のいずれであってもよい。しかし、分散剤としての機能面では、ブロック共重合体が好ましい。(C)分散剤として使用可能なブロック共重合体は、下記一般式(I)で示すことが可能である。
(化7)
R−(C2n−(C2mO)−H (I)
[式中、Rは、水素、置換又は非置換の炭化水素基、及び置換又は非置換のアリール基からなる群より選ばれる基であり、n、m、a及びbは、それぞれ独立して正の整数を示し、互いに同じであっても異なってもよい。]
上記一般式(I)で示されるブロック共重合体は、酸素同士の結合を有する有機過酸化物やアゾ系化合物等の重合開始剤の存在下で、エチレン、プロピレン又はブチレン等のアルケン類と、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、又はブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類とを共重合させることによって得られる。共重合体の分子量は、重合開始剤の種類や濃度を変化させること等によって調整可能である。また共重合体における各々の構造単位の比率は、使用するアルケン類及びアルキレンオキサイド類の濃度等によって調整可能である。
式(I)におけるRは重合開始剤に由来する残基であるが、その構造が式(I)の分散能を大きく変えることはない。
式(I)における「n」は、自由な選択が可能であるが、工業的な観点から、2≦n≦4の範囲であることが好ましい。「m」は、分散剤としての機能面から、2≦m≦4であることが好ましい。mが4を超えると分子全体の疎水性が増大し、組成物全体を均一に分散させる目的を達成することが困難となる可能性がある。また、上記構造単位(Ia)及び(Ib)からなる各ブロック単位は、直鎖型であっても分岐型であってもよく、同じ構造単位から構成されてもよいし、2種以上の複数の構成単位から構成されてもよい。
式(I)における「a」、「b」は、それぞれ共重合体の原材料となるモノマーから誘導されるブロック単位を示すものであり、(a+b)≦200であることが好ましい。(a+b)が200を超えると共重合体の粘度の増加を招き、組成物の流動性に悪影響を与える可能性がある。なお、特に限定されるものではないが、本発明における一般式(I)で示される共重合体の好ましい一形態として、m≦4において、(a+b)≦150となることが望ましい。aとbとの比率(すなわちa/b)は自由な選択が可能であるが、a/b=1/9〜9/1程度の範囲であることが好ましい。
特に限定されるものではないが、(C)分散剤として使用可能な上記一般式(I)で示される共重合体の第1の例として、Rが水素、n=m=2、a/b=4、a+b=30である共重合体が挙げられる。このような共重合体を主成分とする化学薬品は、東洋ペトロライト株式会社から商品名「ユニトックス420」として販売されている。また第2の例として、上記一般式(I)においてRが水素、n=m=2、a/b=1、a+b=40である共重合体が挙げられる。このような共重合体を主成分とする化学薬品は、東洋ペトロライト株式会社から商品名「ユニトックス450」として販売されている。さらに第3の例として、上記一般式(I)においてRが水素、n=m=2、a/b=0.25、a+b=80である共重合体が挙げられる。このような共重合体を主成分とする化学薬品は、東洋ペトロライト株式会社から商品名「ユニトックス480」として販売されている。
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物における(C)分散剤としては、上記構造単位(Ia)及び(Ib)を有する共重合体の少なくとも1種、特に好ましくは上記式(I)で示されるブロック共重合体を含有するものであればよく、そのような共重合体を単独で又は2種以上組み合わせて使用することが可能である。また、本発明で使用可能な(C)分散剤としては、上記特定の共重合体を主成分として、さらに分散剤として機能する他の化合物を併用することも可能である。併用可能な化合物の一例として、下記構造単位(IIa)、(IIb)及び(IIc)を有する共重合体が挙げられる。なお、共重合体を構成する構造単位l、m及びnの配列は、ランダム型又はブロック型のいずれであってもよい。
Figure 0004792768

[式中、Rはアルキレン基であり、Rは水素原子及び飽和又は不飽和の一価の炭化水素基からなる群より選ばれる基であり、R〜Rは水素原子及び飽和又は不飽和の一価の炭化水素基からなる群より選ばれる基であり、互いに同じでも異なってもよく、l、m、及びnは0又は正の整数を示し(但し、l、m、及びnの2以上が同時に0となることはない)、xは、正の整数を示す。]
構造単位(IIa)のRとして記載した「アルキレン基」は、分散剤としての機能面から炭素数2〜4の飽和炭化水素基であることが好ましい。具体的には、エチレン基やプロピレン基、ブチレン基等である。また、Rとしては、水素や炭素数1〜30程度の飽和又は不飽和炭化水素基が挙げられる。R2の炭素数を変化させることによって、共重合体全体の親水・疎水性のバランスを調整することが可能である。R2の飽和又は不飽和炭化水素基は置換基を有していてもよい。
特に限定されるものではないが、上記構造単位(IIa)、(IIb)及び(IIc)を有する共重合体の具体例として、Rが炭素数3の飽和炭化水素基であり、Rが炭素数3の飽和炭化水素基であり、x=13〜15、l/m=1/1、n/(l+m)=1/3である共重合体が挙げられる。このような共重合体を主成分とする化学薬品は、日本油脂株式会社から、商品名「マリアリムAAB−0851」として販売されている。
(C)分散剤の配合量は、組成物中に含まれる各種成分によって多少変動はするが、組成物の全重量を基準として0.01〜1重量%の範囲とすることが好ましい。配合量が0.01重量%未満になると組成物全体の均一化が不充分となる可能性がある。一方、配合量が1重量%を超えると信頼性等のパッケージ特性の低下を招く可能性がある。なお、(C)分散剤として、構造単位(Ia)及び(Ib)を有する共重合体を2種以上組み合わせて使用する場合、又はそれ以外の化合物を分散剤として併用する場合においても、使用する分散剤の全配合量が、組成物の全重量を基準として0.01〜1重量%の範囲であることが好ましい。
以下、本発明で使用される(C)分散剤の好ましい使用形態について具体的に例示するが、それらは各種成分と分散剤として使用する共重合体との組み合わせを特定することを意図するものではないことに留意されたい。
第1の例として、(A)エポキシ樹脂として2官能のビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、硫黄原子含有型エポキシ樹脂等を主成分とし、(B)硬化剤としてトリフェニルメタン型フェノールを含有するフェノール系硬化剤を使用する場合、これら樹脂からなるベース樹脂の相溶性を改善するために、(C)分散剤として一般式(I)においてRが水素、n=2、m=2、0.1≦a/b≦5、20≦(a+b)≦100の共重合体を、(A)エポキシ樹脂の全重量を基準として0.5〜5重量%の範囲で添加する。
第2の例として、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤とからなるベース樹脂に加えて、(D)無機充填剤(例えば、一般式(III)で示される化合物であり、それらについては後述する)を使用する場合、そのような無機充填剤のベース樹脂への分散性を改善するために、(C)分散剤として前記一般式(I)においてRが水素、n=2、m=2、0.1≦a/b≦5、20≦(a+b)≦100の共重合体を、(D)無機充填剤の全重量を基準として0.05〜0.5重量%の範囲で添加する。
第3の例として、封止用エポキシ樹脂組成物の一般的な成形温度(150〜200℃)よりも低温の軟化点を有する、常温で固体又は液体のシリコーン系化合物を含有する場合について例示する。そのような組成物は(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤とからなるベース樹脂に加えて、シリコーン系化合物を含有する。シリコーン系化合物のベース樹脂への分散性を改善する為に、組成物には(C)分散剤として上記一般式(I)においてRが水素、n=2、m=2、0.1≦a/b≦5、20≦(a+b)≦100の共重合体を(A)成分全体の0.5〜5重量%、及び上記一般式(II)の構造単位を有する共重合体を(A)成分全体の0.5〜5重量%の範囲で併用する。一般式(I)で示される共重合体と、構造単位(IIa)、(IIb)及び(IIc)を有する共重合体(以下、「一般式(II)による共重合体」と称す)との配合比率は特に限定されるものではないが、(I)/(II)=1/1前後であることが好ましい。一般式(I)の共重合体又は一般式(II)による共重合体のどちらか、又は両者の一部又は全部を(A)成分、又は(B)成分の一部又は全部と予備混合しても良い。また、一般式(I)又は一般式(II)による共重合体とともに、シリコーン化合物を予備混合しても構わない。シリコーン系化合物を含む組成物では、分散剤として一般式(I)で示される共重合体と、一般式(II)による共重合体とを併用することによって、各々の共重合体を単独で使用した場合と比べてシリコーン系化合物の分散性をより一層高めることが可能となる。
(D)無機充填剤
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物では、吸湿性の低下、線膨張係数の低減、熱伝導性及び強度等の向上を目的として、(D)無機充填剤を配合することが好ましい。本発明において使用可能な(D)無機充填剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられ、これらを単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。例示した無機充填剤の中でも、流動性等の成形性、及びパッケージの信頼性といった観点からは、溶融シリカ、結晶シリカ、及び合成シリカからなる群より選ばれるシリカを選択することが好ましい。溶融シリカ及び合成シリカから選ばれるシリカが好ましく、それらの中でも球状形状を有するシリカを使用することが特に好ましい。
また、本発明では、高難燃性又は高放熱性の実現といった観点から、(D)無機充填剤として下記一般式(III)で示される化合物を使用することが好ましい。
(化9)
l(M1 ab)・m(M2 cd)・n(M3 )・h(H2O) (III)
[式中、M1、M2及びMは、互いに異なる金属元素を示し、a、b、c、d、e、及びfは、それぞれ独立して正の数を示し、l、m、nおよびhは、それぞれ独立して0または正の数を示す(但し、l、m、nおよびhの全てが同時に0とはならない)。]
なお、上記一般式(III)においてM1、M2及びMとして記載した「金属元素」には、一般に金属元素と呼ばれる元素だけでなく、半金属元素と呼ばれる元素も含まれる。すなわち、本明細書に記載の用語「金属元素」は、非金属元素を除く全ての元素を含むものとする。なお、金属元素の分類は、典型元素をA亜族、遷移元素をB亜族とする長周期型の周期律表(出典:共立出版株式会社発行「化学大辞典4」1987年2月15日縮刷版第30刷)に基づくものとする。
上記一般式(III)で示される化合物の中でも、難燃効果のある化合物としては、例えば、一般式(III)においてM1がマグネシウムであり、M2が亜鉛であり、lが7、mが3、hが10であり、a、b、c及びdがそれぞれ1であり、nが0である水酸化マグネシウム・亜鉛固溶体複合金属水酸化物(タテホ化学工業株式会社製、商品名「エコーマグZ−10」)が挙げられる。また、放熱効果のある化合物としては、例えば、一般式(III)においてM1がアルミニウムであり、lが1であり、aが2であり、bが3であり、m、n、及びhがそれぞれ0である酸化アルミニウム(アルミナ)が挙げられる。
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物において、(D)無機充填剤の配合量は、組成物の全重量を基準として、60〜95重量%の範囲とすることが好ましく、70〜95重量%の範囲とすることがより好ましく、75〜93重量%の範囲とすることが特に好ましい。(D)無機充填剤の配合量が60重量%未満となると、無機充填剤の配合によって得られる吸湿性の低下及び線膨張係数の低減といった効果が不充分となる傾向がある。一方、配合量が95重量%を超えると、組成物の流動性が低下し、成形時に未充填及びボイド発生等の不具合が生じる可能性が高くなる。
(その他添加剤)
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物では、先に説明した(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)分散剤、及び(D)無機充填剤以外にも、必要に応じて、各種添加剤を追加することが可能である。本発明において使用可能な代表的な添加剤を以下に例示するが、例示の添加剤に限定されることなく、当技術分野で周知の各種添加剤を追加して封止用エポキシ樹脂組成物を構成することも可能である。
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物には、成形金型からの円滑な脱型を目的として離型剤を添加してもよい。離型剤としては、例えば、ステアリン酸やモンタン酸等の高級脂肪酸系ワックス、高級脂肪酸エステル系ワックス、高級脂肪酸アミド系ワックス、ポリエチレン等、封止用エポキシ樹脂組成物用途に従来公知のものを使用することが可能であり、それらを単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。離型剤の添加量は、封止用エポキシ樹脂組成物の全重量を基準として、0.05〜0.5重量%程度が好ましい。添加量が0.05重量%未満の場合、離型性の改善効果が不充分となる傾向がある。一方、添加量が0.5重量%を超えると、半導体インサートに対する密着力の低下を招きパッケージの信頼性に悪影響を与える可能性がある。
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物には、生産性を向上させる目的で、硬化促進剤を添加してもよい。硬化促進剤としては、封止用エポキシ樹脂組成物に一般に使用されている硬化促進剤を使用することが可能である。特に限定されるものではないが、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等の有機リン化合物系硬化促進剤、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等のアミン化合物系硬化促進剤、及びイミダゾール化合物系硬化促進剤等が挙げられ、それらを単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。流動性と信頼性とを両立させる観点からは、有機リン化合物とキノン化合物との付加物を単独で使用するか又はそれらを他の硬化促進剤と組み合わせて使用することが好ましい。硬化促進剤の添加量は、組成物の全重量を基準として、0.01〜1重量%の範囲とすることが好ましい。添加量が0.01重量%未満の場合、硬化促進効果が不充分となる可能性があり、添加量が1重量%を超えると組成物の流動性が低下し、成形時に未充填及びボイド発生等の不具合が生じる可能性が高くなる。
本発明による封止用エポキシ樹脂成形材料には、IC等の半導体素子の耐湿性、高温放置特性を向上させる目的で、陰イオン交換体を添加してもよい。本発明において使用可能な陰イオン交換体としては、特に制限されるものではなく、公知の陰イオン交換体を適用することが可能である。例えば、ハイドロタルサイト、アンチモン、ビスマス、ジルコニウム、チタン、スズ、マグネシウム、及びアルミニウムからなる群より選ばれる元素の含水酸化物等が挙げられ、これらを単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、下記一般式(VI)で示されるハイドロタルサイト及びビスマスの含水酸化物が好ましい。
(化10)
Mg1−XAl(OH)(COX/2・mHO (VI)
(0<X≦0.5、mは正の数)
陰イオン交換体の添加量は、組成物中のハロゲンイオン等のイオン性不純物を捕捉するのに充分な量であればよい。特に制限されるものではないが、例えば、(A)エポキシ樹脂の全重量を基準として0.1〜30重量%の範囲が好ましく、1〜10重量%の範囲がより好ましく、2〜5重量%の範囲がさらに好ましい。添加量が0.1重量%未満の場合、イオン性不純物の捕捉が不充分になる傾向がある。一方、30重量%を超えた量で陰イオノン交換体を添加してもその効果に大差はないが、経済面を考慮すると不利である。
(カップリング剤)
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、樹脂成分と無機充填剤との接着性を高める目的で、カップリング剤を添加してもよい。本発明において使用可能なカップリング剤としては、特に限定されるものではなく、公知のカップリング剤を適用することが可能である。例えば、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等が挙げられ、それらを単独で使用しても又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。カップリング剤の添加量は、無機充填剤の全重量を基準として、0.05〜5重量%の範囲とすることが好ましく、0.1〜2.5重量%の範囲とすることがより好ましい。添加量が0.05重量%未満の場合、耐湿性が低下する傾向がある。一方、添加量が5重量%を超えるとパッケージの成形性が低下する傾向がある。
以上、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物において使用可能な添加剤について例示したが、本発明による効果を低減しない範囲で、必要に応じて、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、及びベンガラ等の着色剤、又はイミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアジン等及びこれらの誘導体、アントラニル酸、没食子酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アミノフェノール、キノリン等及びこれらの誘導体、脂肪族酸アミド化合物、ジチオカルバミン酸塩、チアジアゾール誘導体等の接着促進剤といった他の添加剤を使用することも可能である。
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物は、各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いても調製することが可能である。一般的な手法として、所定の配合量の原材料をミキサー等によって充分に混合した後、ミキシングロール、ニーダ、押出機等によって溶融混練を行い、次いで冷却し、粉砕する方法を挙げることができる。なお、組成物は取り扱いを容易にするために、成形条件に合うような寸法及び重量でタブレット化してもよい。また、本発明による封止用エポキシ樹脂組成物は各種有機溶剤に溶かして液状の成形材料として使用することも可能である。さらに、そのような液状の成形材料を板又はフィルム上に薄く塗布し、次いで樹脂の硬化反応が過度に進行しない条件下で有機溶剤を飛散させることによって得られるシートあるいはフィルムの形態で使用することも可能である。
本発明による電子部品装置は、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載したものであって、素子部が先に説明した本発明による封止用エポキシ樹脂組成物によって封止されていることを特徴とする。本発明による電子部品装置の一例としては、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明による封止用エポキシ樹脂組成物を用いるトランスファー成形などによって封止した、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC、
テープキャリアにバンプで接続した半導体チップを、本発明による封止用エポキシ樹脂組成物で封止したTCP(Tape Carrier Package)、
配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明による封止用エポキシ樹脂組成物で封止した、COB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール、
配線板接続用の端子を形成した有機基板に素子を搭載し、バンプまたはワイヤボンディングによって素子と有機基板に形成された配線を接続した後、本発明による封止用エポキシ樹脂組成物で素子を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、が挙げられる。また、プリント回路板においても本発明による封止用エポキシ樹脂組成物を有効に使用することが可能である。
本発明による封止用エポキシ樹脂組成物を用いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファー成形法が最も一般的である。しかし、インジェクション成形法、圧縮成形法等の他の成形法を用いてもよい。封止用エポキシ樹脂組成物が、常温において液状又はペースト状となる場合、ディスペンス方式、注型方式、印刷方式等を適用することも可能である。また、封止方法は、素子を樹脂によって直接封止する一般的な方法に限定されるものではなく、素子に電子部品封止用エポキシ樹脂組成物が直接接触しない形態(中空パッケージ方式)での封止方法であってもよい。本発明による封止用エポキシ樹脂組成物はそのような中空パッケージ方式の封止方法においても成形材料として好適に使用することが可能である。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明の範囲は以下の実施例によって限定されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1〜6)
以下、各実施例及び各比較例で使用した各種原材料を示す。
(A)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂1:エポキシ当量196、融点106℃のビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名「エピコートYX−4000H」)。
エポキシ樹脂2:エポキシ当量195、融点68℃のビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名「YSLV−80XY」)。
エポキシ樹脂3:エポキシ当量244、融点113℃の硫黄原子含有エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名「YSLV−120TE」)。
(B)硬化剤
硬化剤1:軟化点70℃、水酸基当量175のフェノール・アラルキル樹脂(三井化学株会社製、商品名「ミレックスXL−225」)。
硬化剤2:軟化点67℃、水酸基当量203のビフェニル・アラルキル樹脂(明和化成株式会社製、商品名「MEH−7851」)。
硬化剤3:軟化点83℃、水酸基当量103のトリフェニルメタン型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、商品名「MEH−7500」)。
(C)分散剤
C1成分:東洋ペトロライト株式会社製、商品名「ユニトックス420」。
C2成分:東洋ペトロライト株式会社製、商品名「ユニトックス450」。
C3成分:東洋ペトロライト株式会社製、商品名「ユニトックス480」。
C4成分:一般式(II)による共重合体:日本油脂株式会社製、商品名「マリアリムAAB−0851」。
(D)無機充填剤
球状溶融シリカ:平均粒径17.5μm、比表面積3.8m/g。
複合金属水酸化物:水酸化マグネシウム・亜鉛固溶体複合金属水酸化物(タテホ化学工業株式会社製、商品名「エコーマグZ−10」(一般式(III)において、M1がマグネシウムであり、M2が亜鉛であり、lが7であり、mが3であり、hが10であり、a、b、c及びdがそれぞれ1であり、nが0である化合物)。
アルミナ:平均粒径5μm、比表面積0.5m2/gである酸化アルミニウム(一般式(III)において、M1がアルミニウムであり、lが1であり、aが2であり、bが3であり、m、n、及びhがそれぞれ0である化合物)。
(その他添加剤)
硬化促進剤:トリフェニルホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加物。
離型剤:酸化型ポリエチレンワックス。
カップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)
難燃剤:三酸化アンチモン、及びエポキシ当量375、軟化点80℃、臭素含量48重量%のビスフェノールA型ブロム化エポキシ樹脂(住友化学工業株式会社製、商品名「ESB−400T」)。
着色剤:カーボンブラック(三菱化学株式会社製商品名MA−100)。
低応力剤:軟化点45℃のポリエーテル変性シリコーン。
上述の各種原材料をそれぞれ表1に示す重量部で配合し、混練温度80℃、混練時間10分の条件下でロール混練を行い、実施例1〜6及び比較例1〜6に該当する封止用エポキシ樹脂組成物を調製した。
Figure 0004792768
次に、先に調製した各種封止用エポキシ樹脂成形材料を用いてパッケージを成形し、ボイドの発生及びパッケージ外観(LQFP)について検討した。パッケージの成形は、TOWAプレス(藤和精機株式会社製Yシリーズ、LQFP144p用、パッケージ厚み1.4mm)を用いて、180℃、6.9MPa、60秒の成形条件下で、300ショットの連続成形として実施した。パッケージにおけるボイドの有無については、連続成形50ショット目と100ショット目のリードフレームに、10mm×10mm四方、厚さ0.3mmのダミーチップを搭載し、外観ボイドの有無は目視によって、内部ボイドの有無はSAT(日立建機製)によって観察し、ボイドの発生しているパッケージ数をカウントした。LQFPについては、50ショット目の成形品を目視によって観察し、パッケージ汚れの有無とその程度を確認した。検討結果を表2に示す。



Figure 0004792768

表2から明らかなように、(C)分散剤を含まない比較例1〜6は、実施例1〜6と比較してボイド発生数が多く、さらに比較例1、4、6についてはパッケージ外観についても劣っている。一方、本発明による(C)分散剤を含む実施例1〜6については、ボイド発生数において優れた結果を示すとともに、パッケージ外観についても優れていることが分かる。

Claims (5)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、及び(C)下記一般式(I)で示される成分C1、C2及びC3の少なくとも1種を含む分散剤とを含有することを特徴とする封止用エポキシ樹脂組成物。
    R−(C2n−(C2mO)−H (I)
    成分C1:上記一般式(I)において、Rが水素、n=m=2、a/b=4、a+b=30である共重合体。
    成分C2:上記一般式(I)において、Rが水素、n=m=2、a/b=1、a+b=40である共重合体。
    成分C3:上記一般式(I)において、Rが水素、n=m=2、a/b=0.25、a+b=80である共重合体。
  2. 前記(C)分散剤が、さらに下記構造単位(IIa)、(IIb)及び(IIc)を有する成分C4を含有することを特徴とする請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
    成分C4:下記構造単位(IIa)、(IIb)及び(IIc)を有する共重合体であって、各構造単位において、R が炭素数3の飽和炭化水素基であり、R が炭素数3の飽和炭化水素基であり、x=13〜15、l/m=1/1、n/(l+m)=1/3である共重合体。
    Figure 0004792768
  3. さらに、(D)無機充填剤を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記(D)無機充填剤が、水酸化マグネシウム・亜鉛固溶体複合金属水酸化物、又は酸化アルミニウムを含有することを特徴とする請求項3に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物によって封止された素子を備えることを特徴とする電子部品装置。
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