JP6838345B2 - 封止用エポキシ樹脂組成物、並びに半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

封止用エポキシ樹脂組成物、並びに半導体装置及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、封止用エポキシ樹脂組成物、並びに半導体装置及びその製造方法に関する。
電子機器の小型・薄型化による高密度実装の要求が、近年、急激に増加している。このため、半導体パッケージは、従来のピン挿入型に代わり、高密度実装に適した表面実装型が主流になっている。この表面実装型は、リードをプリント基板等に直接はんだ付けする。実装時の加熱方法としては、赤外線リフロー、ベーパーフェーズリフロー、はんだディップ等があり、これらの加熱方法では、パッケージ全体を加熱して半導体が実装される。
表面実装型のうち、片面樹脂封止型パッケージでは、その形状が片面封止であるために、封止樹脂、基板等のパッケージ構成部材間の線膨張係数の差、弾性率の差等によって発生する熱応力による反りが発生し、搬送性の低下、リフロー工程時の実装信頼性の低下等の問題を引き起こしている。
このことから、封止樹脂、基板等のパッケージ構成部材間の線膨張係数の差、弾性率の差等によって発生する熱応力の低減化が要望されている。特に、最近の半導体パッケージでは、封止樹脂層の厚みが薄いパッケージが増えつつある。このため、半導体素子の上部側に封止樹脂層が形成されているパッケージ形態において、常温時に上方に反り(以下、「Cry反り」という。)が発生し、リフロー時に下方に反り(以下、「Smile反り」という。)が発生する傾向にある。
そのため、加熱時のパッケージ収縮量を増加させ、基板によるCry反りを抑制し、リフロー時の加熱下におけるパッケージの信頼性を向上させることが強く要求されている。そこで、例えば、反りを低減するために充填剤量を増加することによって、熱膨張率を低減し、反りを抑制する検討が進められている(特許文献1参照)。しかし、充填剤量の増加には限界があり、曲げ弾性率の低下によって、実装時にクラックが発生することがある。
また、半導体装置の小型化・薄型化には半導体素子の厚みを薄くすることが求められるが、半導体素子の薄型化が進むにつれて、半導体素子に対する熱応答挙動の影響(反り、膨張等)が大きくなってくる。これは一般的に基板等の熱膨張係数の方が、半導体素子の熱膨張係数よりも大きいことに起因する。特に、半導体素子と基板とを接続するはんだバンプ等の接続部材には半導体素子及び基板の熱応答挙動の相違に起因する応力が集中しやすく、場合によっては接合部に破断が生じることがある。
特開2006−225464号公報
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、半導体素子と基板との熱応答挙動の差を緩和するため、成形温度時に高い収縮率を有する硬化物を形成することができる封止用エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。また、反りが低減された半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)金属水酸化物を含有し、(C)金属水酸化物が組成物全量基準で40〜80質量%である、封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。このような封止用エポキシ樹脂組成物によれば、成形温度時に高い収縮率を有する硬化物を形成することができる。これによって、半導体装置の製造に用いられたときに、半導体素子と基板との熱応答挙動の差を緩和することができる。したがって、半導体素子、バンプ等の金属、及び基板を一体成形して半導体装置を製造したときに、反りの発生を十分に抑制することができる。
(C)金属水酸化物の平均粒径は、1.0〜10.0μmであることが好ましい。また、(C)金属水酸化物の比表面積は、1.0〜6.0m/gであることが好ましい。
(C)金属水酸化物は、マグネシウム又は亜鉛を含むことが好ましく、マグネシウム及び亜鉛の両方を含むことがより好ましい。
本発明の別の側面は、上述の封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止されている素子を備える半導体装置を提供する。この半導体装置における封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物は、成形温度時に高い収縮率を有する。このため、反りの発生が十分に低減されている。素子としては、例えば半導体素子が挙げられる。
本発明のさらに別の側面は、上述の封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、トランスファー成形又はコンプレッション成形によって、素子を封止する工程を備える、半導体装置の製造方法を提供する。封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物は、成形温度時に高い収縮率を有する。このため、反りの発生が十分に低減された半導体装置を製造することができる。
本発明によれば、成形温度時に高い収縮率を有する硬化物を形成することができる封止用エポキシ樹脂組成物が提供される。また、上記封止用エポキシ樹脂組成物を用いることによって、反りが低減された半導体装置、及びそのような半導体装置の製造方法が提供される。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<封止用エポキシ樹脂組成物>
一実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)金属水酸化物を含有する。以下、各成分について詳細に説明する。
[(A)エポキシ樹脂]
(A)エポキシ樹脂は、封止用エポキシ樹脂組成物に一般的に使用されているもので特に制限はない。エポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン骨格を有するエポキシ樹脂(トリフェニルメタン型エポキシ樹脂)をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類と、α−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物と、を酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したものが挙げられる。
また、エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、アルキル置換若しくは非置換のビフェノール等のジグリシジルエーテル、又はスチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂(ナフタレン型エポキシ樹脂)、フェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂のエポキシ化物、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂が挙げられる。
これらは1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。これらのエポキシ樹脂のうち、信頼性・成形性の点から、ビフェニル型エポキシ樹脂、又は、低級アルキル基をフェニル環に付加したような低吸湿型のエポキシ樹脂を含むことが好ましい。このようなエポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ当量150〜250g/eqであり、軟化点又は融点が50〜130℃のものが好適である。
充填性及び耐リフロー性の観点からは、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂及び硫黄原子含有エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールF型エポキシ樹脂比率を高くすることがより好ましい。硬化性の観点からは、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、低吸湿性の観点からは、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましく、耐熱性及び低反り性の観点からは、ナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂が好ましく、エポキシ樹脂は、これらのエポキシ樹脂の少なくとも1種を含んでいることが好ましい。
ビフェニル型エポキシ樹脂としては、例えば、下記一般式(I)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(II)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。スチルベン型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(III)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。硫黄原子含有エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(IV)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 0006838345
一般式(I)中、R〜Rは、水素原子及び置換若しくは非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。
Figure 0006838345
一般式(II)中、R〜Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換若しくは非置換の炭素数6〜10のアリル基、及び置換若しくは非置換の炭素数6〜10のアラルキル基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。
Figure 0006838345
一般式(III)中、R〜Rは水素原子及び置換若しくは非置換の炭素数1〜5の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜10の整数を示す。
Figure 0006838345
一般式(IV)中、R〜Rは水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基及び置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。nは0〜3の整数を示す。
置換若しくは非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基としては、置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基及び置換若しくは非置換の炭素数6〜10のアリル基が挙げられる。
置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等が挙げられる。置換若しくは非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
上記一般式(I)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂としては、例えば、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)ビフェニル又は4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂、エピクロルヒドリンと4,4’−ビフェノール又は4,4’−(3,3’,5,5’−テトラメチル)ビフェノールとを反応させて得られるエポキシ樹脂が挙げられる。なかでも4,4’−ビス(2,3−エポキシプロポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニルを主成分とするエポキシ樹脂が好ましい。
上記一般式(II)で示されるビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えば、R、R、R及びRがメチル基で、R、R、R及びRが水素原子であり、n=0を主成分とするYSLV−80XY(商品名、新日鐵化学株式会社製)が市販品として入手可能である。
上記一般式(III)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂は、原料であるスチルベン系フェノール類とエピクロルヒドリンとを塩基性物質存在下で反応させて得ることができる。この原料であるスチルベン系フェノール類としては、例えば3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベン、3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5’,6−トリメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−6,6’−ジメチルスチルベンが挙げられ、なかでも3−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベン及び4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベンが好ましい。これらのスチルベン型フェノール類は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記一般式(IV)で示される硫黄原子含有エポキシ樹脂のなかでも、R、R、R及びRが水素原子で、R、R、R及びRがアルキル基であるエポキシ樹脂が好ましく、R、R、R及びRが水素原子で、R及びRがt−ブチル基で、R及びRがメチル基であるエポキシ樹脂がより好ましい。このような化合物としては、商品名YSLV−120TE(新日鐵化学株式会社製)等が市販品として入手可能である。
上記一般式(I)〜(IV)で示されるエポキシ樹脂は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。その含有量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して合計で40質量%以上とすることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、80質量%以上とすることがさらに好ましい。
ノボラック型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(V)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 0006838345
一般式(V)中、Rはそれぞれ独立して、水素原子及び置換若しくは非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基から選ばれ、nは0〜10の整数を示す。
上記一般式(V)で示されるノボラック型エポキシ樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂にエピクロルヒドリンを反応させることによって容易に得られる。なかでも、一般式(V)中のRとしては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基等の炭素数1〜10のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。nは0〜3の整数が好ましい。上記一般式(V)で示されるノボラック型エポキシ樹脂のなかでも、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
ノボラック型エポキシ樹脂を使用する場合、その含有量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して20質量%以上とすることが好ましく、30質量%以上がより好ましい。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(VI)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 0006838345
一般式(VI)中、Rはそれぞれ独立して、水素原子又は置換若しくは非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示し、Rはそれぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基を示す。nは0〜10の整数を示し、mは0〜6の整数を示す。
上記式(VI)中のRとしては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基置換アルキル基の置換若しくは非置換の炭素数1〜5の一価の炭化水素基が挙げられ、なかでもメチル基、エチル基等のアルキル基及び水素原子が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
上記式(VI)中のRとしては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブテニル基等のアルケニル基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基置換アルキル基、メルカプト基置換アルキル基などの置換若しくは非置換の炭素数1〜5の一価の炭化水素基が挙げられる。なかでもmが0であることが好ましい。
ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を使用する場合、その含有量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して20質量%以上とすることが好ましく、30質量%以上がより好ましい。
ナフタレン型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(VII)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。トリフェニルメタン型エポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(VIII)で示されるエポキシ樹脂が挙げられる。
Figure 0006838345
一般式(VII)中、R〜Rは置換若しくは非置換の炭素数1〜12の一価の炭化水素基から選ばれ、全てが同一でも異なっていてもよい。pは1又は0で、l、mはそれぞれ0〜11の整数であって、(l+m)が1〜11の整数でかつ(l+p)が1〜12の整数となるよう選ばれる。iは0〜3の整数、jは0〜2の整数、kは0〜4の整数を示す。
上記一般式(VII)で示されるナフタレン型エポキシ樹脂としては、l個の構成単位及びm個の構成単位をランダムに含むランダム共重合体、交互に含む交互共重合体、規則的に含む共重合体、ブロック状に含むブロック共重合体が挙げられ、これらのいずれか1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 0006838345
一般式(VIII)中、Rは水素原子及び置換若しくは非置換の炭素数1〜10の一価の炭化水素基から選ばれ、nは1〜10の整数を示す。
上記一般式(VII)及び(VIII)で示されるエポキシ樹脂は、いずれか1種を単独で用いても両者を組み合わせて用いてもよいが、その含有量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して合わせて20質量%以上とすることが好ましく、30質量%以上がより好ましく、50質量%以上とすることがさらに好ましい。
上記のビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂及びトリフェニルメタン型エポキシ樹脂は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂の含有量は、組成物全量基準で10〜35質量%であることが好ましく、15〜30質量%であることがより好ましい。エポキシ樹脂の含有量が10質量%以上であると、封止用エポキシ樹脂組成物の粘度上昇をより抑えることができる傾向にある。エポキシ樹脂の含有量が30質量%以下であると、封止用エポキシ樹脂組成物の粘度低下をより抑えることができ、生産性がより向上する傾向にある。
[(B)硬化剤]
(B)硬化剤は、封止用エポキシ樹脂組成物に一般的に使用されているもので特に制限はない。硬化剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂、フェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、耐リフロー性向上の観点から、フェノール・アラルキル樹脂を用いることが好ましい。
硬化剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して、エポキシ基との反応基(例えば、上記ノボラック樹脂のフェノール性水酸基)が0.5〜1.5当量になるように配合されることが好ましく、0.7〜1.2当量配合することがより好ましい。
硬化剤の含有量は、組成物全量基準で7〜17質量%であることが好ましく、9〜14質量%であることがより好ましい。硬化剤の含有量が7質量%以上であると、封止用エポキシ樹脂組成物の粘度上昇をより抑えることができる傾向にある。硬化剤の含有量が15質量%以下であると、封止用エポキシ樹脂組成物の粘度低下をより抑えることができ、生産性がより向上する傾向にある。
[(C)金属水酸化物]
(C)金属水酸化物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、複合金属水酸化物等の金属化合物が挙げられる。(C)金属水酸化物は、構成元素としてマグネシウム又は亜鉛を含むことが好ましく、マグネシウム及び亜鉛の両方を含むことがより好ましい。
複合金属水酸化物は、下記組成式(XX)で示される化合物が好ましい。
Figure 0006838345
組成式(XX)中、M、M及びMは互いに異なる金属元素を示し、a、b、c、d、e、f、p、q及びmは正の整数、rは0又は正の整数を示す。
これらの中でも、上記組成式(XX)中のrが0である化合物、すなわち、下記組成式(XXI)で示される化合物がより好ましい。
Figure 0006838345
組成式(XXI)中、M及びMは、互いに異なる金属元素を示し、a、b、c、d、p、q及びmは正の整数を示す。
上記組成式(XX)及び(XXI)中のM及びMは、互いに異なる金属元素であれば特に制限はないが、難燃性の観点からは、MとMが同一とならないように、Mが第3周期の金属元素、アルカリ土類金属元素、及び3族、4族、8〜14族に属する金属元素、Mが3〜12族の遷移金属元素からそれぞれ選ばれることが好ましい。Mがマグネシウム、カルシウム、アルミニウム、スズ、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛、Mが鉄、コバルト、ニッケル、銅及び亜鉛からそれぞれ選ばれることがより好ましい。流動性の観点から、Mがマグネシウム、Mが亜鉛又はニッケルであることが好ましく、MがマグネシウムでMが亜鉛であることがより好ましい。
上記組成式(XX)中のp、q及びrのモル比は、本発明の効果が阻害されない範囲で適宜設定することができる。例えば、r=0のとき、qに対するpのモル比(p/q)を99/1〜50/50とすることができる。すなわち、上記組成式(XXI)中のnに対するmのモル比(m/n)を99/1〜50/50とすることができる。
金属水酸化物の形状は、特に制限されないが、流動性、充填性の観点から、平板状よりも適度の厚みを有する多面体形状が好ましい。複合金属水酸化物は、単独の金属からなる水酸化物よりも多面体形状の結晶を得やすい傾向にある。
金属水酸化物の平均粒径は、1.0〜10.0μmであることが好ましく、1.1〜9.0μmであることがより好ましい。平均粒径が1.0μm以上であると、封止用エポキシ樹脂組成物の粘度上昇をより抑えることができる傾向にある。平均粒径が10.0μm以下であると、封止用エポキシ樹脂組成物が狭いギャップへより充填されやすくなる傾向にある。ここで、平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置によって測定される値を意味する。
金属水酸化物の比表面積は、1.0〜6.0m/gであることが好ましく、1.5〜5.5m/gであることがより好ましい。比表面積が1.0m/g以上であると、封止用エポキシ樹脂組成物が狭いギャップへより充填されやすくなる傾向にある。平均粒径が6.0m/g以下であると、封止用エポキシ樹脂組成物の粘度上昇をより抑えることができる傾向にある。ここで、比表面積は、粉体粒子の表面に吸着占有面積が既知のガス分子を吸着させ、その量から比表面積を算出するBET法によって測定される値を意味する。
金属水酸化物の含有量は、組成物全量基準で40〜80質量%である。金属水酸化物の含有量は、43〜78質量%であることが好ましく、45〜75質量%であることがより好ましい。金属水酸化物の含有量が40質量%以上であると、成形温度時に高い収縮率が得られる。金属水酸化物の含有量が80質量%以下であること、良好な流動性を確保することができる。
[その他の成分]
一実施形態の封止用エポキシ樹脂組成物には、上記(A)〜(C)成分以外に必要に応じて、無機充填剤、カップリング剤、硬化促進剤、離型剤、着色剤等を他の成分として含有していてもよい。
無機充填剤としては、シリカ粉末、アルミナ粉末等が挙げられる。シリカ粉末としては、溶融シリカ粉末、結晶性シリカ粉末等が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。無機充填剤は、高充填性及び高流動性の観点から溶融シリカ粉末であることが好ましい。溶融シリカ粉末としては、例えば、球状溶融シリカ粉末、破砕溶融シリカ粉末が挙げられる。溶融シリカ粉末は、流動性の観点から、球状溶融シリカ粉末であることが好ましい。また、熱伝導性が要求される場合には、アルミナ粉末を用いることが好ましい。
カップリング剤は、封止用エポキシ樹脂組成物に一般に使用されているもので特に制限はない。そのようなカップリング剤としては、例えば、1級及び/又は2級及び/又は3級アミノ基を有するシラン化合物、エポキシシラン、メルカプトシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物が挙げられる。より具体的には、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジメチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N,N−ジエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N,N−ジブチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N−メチル)アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N−エチル)アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−(N,N−ジメチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジブチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N−メチル)アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N−エチル)アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N,N−ジメチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N,N−ジエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N,N−ジブチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N−メチル)アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(N−エチル)アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、N−(ジメトキシメチルシリルイソプロピル)エチレンジアミン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、充填性の観点から、(メタ)クリロイル基を有するγ−(メタ)クリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤であることが好ましい。このようなシランカップリング剤を用いると、(A)エポキシ樹脂及び(B)硬化剤と、(C)金属水酸化物との濡れ性が向上し、樹脂組成物全体の流動性がより向上する傾向にある。
カップリング剤を用いる場合、その含有量は、組成物全量基準で0.1〜1.0質量%であることが好ましく、0.2〜0.7質量%であることがより好ましい。
硬化促進剤は、封止用エポキシ樹脂組成物に一般に使用されているもので特に制限はない。そのような硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン、5,6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物;これらの化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂などのπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物;ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類及びこれらの誘導体;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類及びこれらの誘導体;トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(4−メチルフェニル)ホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類;これらの有機ホスフィン類に無水マレイン酸、上記キノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有するリン化合物;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチルモルホリンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩及びこれらの誘導体が挙げられる。これらは1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、充填性及び耐リフロー性の観点から、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)ノネンのジアザビシクロアルケン系化合物等を用いることが好ましい。
硬化促進剤を用いる場合、硬化促進効果が達成される量であれば特に制限されないが、その含有量は、組成物全量基準で0.005〜2質量%であることが好ましく、0.01〜0.5であることがより好ましい。
離型剤としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸カルシウム等の化合物が挙げられる。例えば、カルナバワックス、ポリエチレン系ワックスが挙げられる。これらは1種を単独で含んでもよいし、2種以上を組み合わせて含んでもよい。
一実施形態の封止用エポキシ樹脂組成物は、例えば、以下のように製造することができる。すなわち、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)金属水酸化物、及び必要に応じて他の成分を常法に準じて適宜配合し、ミキシングロール機等の混練機を用いて加熱状態で溶融混練して混練物を得る。その後、混練物を室温下で冷却固化させる。その後、公知の手段により粉砕し、必要に応じて打錠する。このような一連の工程により目的とする封止用エポキシ樹脂組成物を製造することができる。
一実施形態に係る封止用エポキシ樹脂組成物は、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)金属水酸化物を含有する。(C)金属水酸化物が組成物全量基準で40〜80質量%である。これにより、封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物の線膨張係数を高くすることができ、さらに成形収縮率を高くすることができる。このため、金属及び基板を一体成形された半導体のパッケージの反りを低減することができる。
<半導体装置>
続いて、本実施形態の半導体装置について説明する。また、かかる半導体装置の説明を通じて本実施形態の封止用エポキシ樹脂組成物の好適な用途及び使用方法について説明する。
本実施形態の半導体装置は、上述の封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物により封止された素子を備える半導体装置である。半導体装置は、例えば、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材と、支持部材上に搭載された素子と、当該素子を封止するエポキシ樹脂組成物の硬化物と、を備える。
素子としては、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、並びに、コンデンサ、抵抗体、及びコイル等の受動素子等が挙げられる。このような素子が、上記実施形態に係るエポキシ樹脂組成物を用いてトランスファー成形又はコンプレッション成形によって封止される工程を経て、半導体装置が製造される。
半導体装置の具体例としては、半導体チップを、上記実施形態に係るエポキシ樹脂組成物で封止したTCP(Tape Carrier Package);配線板又はガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、若しくはサイリスタ等の能動素子、及び/又はコンデンサ、抵抗体、若しくはコイル等の受動素子を、上記実施形態に係るエポキシ樹脂組成物で封止したCOB(Chip On Board)モジュール;ハイブリッドIC;マルチチップモジュール;裏面に配線板接続用の端子を形成した有機基板の表面に素子を搭載し、バンプ又はワイヤボンディングにより素子と有機基板に形成された配線を接続した後、上記実施形態に係るエポキシ樹脂組成物で素子を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)などが挙げられる。また、プリント回路板においても上記実施形態に係るエポキシ樹脂組成物を有効に使用することができる。
以下、本発明を以下の実施例及び比較例にてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1〜3)
<封止用エポキシ樹脂組成物の調製>
(A)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂として、以下を用いた。
エポキシ樹脂1:o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製、商品名:EOCN−1020、エポキシ当量:195g/eq、融点:67℃
エポキシ樹脂2:エポキシ樹脂、日立化成株式会社製、商品名:PYB−3K2、エポキシ当量:192g/eq、融点:106℃
(B)硬化剤
硬化剤として、以下を用いた。
硬化剤:ヒドロキシベンズアルデヒド/フェノ−ル重縮合物、明和化成株式会社製、商品名:MEH−7500−3S、水酸基当量:103g/eq
(C)金属水酸化物
金属水酸化物として、以下を用いた。
金属水酸化物:複合金属水酸化物、タテホ化学株式会社製、商品名:ECOMAG Z−10、平均粒径:1.2μm、比表面積:2.9m/g、金属元素として、マグネシウム及び亜鉛を含む
無機充填剤
無機充填剤として、以下を用いた。
無機充填剤:溶融シリカ、電気化学工業株式会社製、商品名:SFP−30M、平均粒径0.7μm
カップリング剤
カップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製、商品名:KBM−403
硬化促進剤
硬化促進剤:トリブチルホスフィンとベンゾキノンとの付加物
その他の成分として、以下を使用した。
着色剤:カーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名:MA−600MJ)
離型剤:ヘキストワックス(クラリアント社製、商品名:HW−E)
各成分を表1に示す割合で配合し、ミキサーにて十分に混合した後、2軸混練機を用いて約100℃にて2分間溶融混練した。この溶融物を冷却した後、固体状になったものを粉末状に粉砕して、実施例1〜3及び比較例1〜3の粉末状エポキシ樹脂組成物をそれぞれ調製した。なお、実施例1〜3の金属水酸化物量と比較例1〜3の無機充填剤量とが同量になるように調製した。表1中の配合単位は特に記載のない限り質量部である。また、「−」は未配合であることを示す。また、金属水酸化物量は、組成物全量を基準とした含有量である。
ガラス転移温度及び熱膨張係数は、熱機械分析装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社、商品名:TMAQ400)を用い、エポキシ樹脂組成物を175℃で硬化した試験片を荷重1g、測定温度30℃〜240℃、昇温速度5℃/分の条件で測定した。ガラス転移温度以下の熱膨張係数をCTE−1、ガラス転移温度以上の熱膨張係数をCTE−2とした。熱膨張係数を表1に示す。
成形収縮率は、JIS−K−6911に準拠した試験方法に従い測定した。成形収縮率を表1に示す。
Figure 0006838345
実施例1と比較例1との対比、実施例2と比較例2との対比、及び実施例3と比較例3との対比から、実施例の封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物が、比較例のものよりも大きな線膨張係数を有し、且つ高い成形収縮率を有することが判明した。これら結果から、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物が、成形温度時に高い収縮率を有する硬化物を与えることが確認された。

Claims (5)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤及び(C)金属水酸化物を含有し、
    前記(C)金属水酸化物が構成元素としてマグネシウム及び亜鉛を含む複合金属水酸化物であり、
    前記(C)金属水酸化物の含有量が組成物全量基準で45〜75質量%である、封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. 前記(C)金属水酸化物の平均粒径が1.0〜10.0μmである、請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  3. 前記(C)金属水酸化物の比表面積が1.0〜6.0m/gである、請求項1又は2に記載の封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止されている素子を備える、半導体装置。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の封止用エポキシ樹脂組成物を用いて、トランスファー成形又はコンプレッション成形によって、素子を封止する工程を備える、半導体装置の製造方法。
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