JP2006104415A - 封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 - Google Patents

封止用エポキシ樹脂成形材料及び電子部品装置 Download PDF

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尚紀 渡辺
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Abstract

【課題】特に薄型電子部品のパッケージに、良好な金型離型性と良好なパッケージ外観を与える封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこれにより封止した素子を備えた電子部品装置を提供する。
【解決手段】(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)酸化型ポリオレフィン、(D)前記(A)成分及び(C)成分の少なくとも1種成分と可溶である炭化水素系化合物、を含有し、180℃における(D)成分のICI粘度が0.02Pa・s以上2.0Pa・s以下、かつ、(C)成分と(D)成分の180℃におけるICI粘度比((C)/(D))が0.1以上10.0以下である封止用エポキシ樹脂成形材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこの封止用エポキシ樹脂成形材料で封止した素子を備えた電子部品装置に関する。
従来から、トランジスタ、IC、LSI等の電子部品装置の素子封止の分野では生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂成形材料が広く用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性などの諸特性にバランスがとれているためである。
近年は、電子部品装置の小型・軽量化、高性能・高機能化を図るために素子の高密度実装化、配線の微細化、多層化、多ピン化、素子のパッケージに対する占有面積増大化等が進んでおり、同時に、従来のDIP(Dual Inline Package)、PGA(Pin Grid Array)等から、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-lead package)、さらにはTSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等へと、電子部品装置の薄型化が進んでいる。
封止材には、金型からの円滑な脱型を目的に離型剤を内部添加することが多いが、離型剤には、基本的に 封止用エポキシ樹脂成形材料を構成するエポキシ樹脂、硬化剤等とは相溶しない化合物が用いられる為、樹脂への分散不具合等に起因するパッケージの外観不良の原因となり易いという本質的な問題を抱える。パッケージの薄型化は、金型内での樹脂の流動挙動を、その充填位置によって大きく変動させる要因ともなっており、離型剤の樹脂への分散不具合と併せ、パッケージの外観不良を助長させる一因となっている。
また、前述のように、封止材成形時には金型が用いられるが、金型には、成形時に内部の空気抜きを行う為に、10〜30μm程度の厚みを持った溝(エアベント)が加工された箇所が存在する。成形時、樹脂は前記エアベントにも流れ出し樹脂バリを形成することが多いが、連続成形時に樹脂バリが金型に残ると、金型内部の空気抜きが円滑に行われずに、樹脂の充填不具合等(未充填)の問題が発生し易くなるといった問題も存在する。
パッケージの外観不良防止に対しては、離型剤として例えばα-オレフィンと無水マレイン酸との共重合物や、スチレンと無水マレイン酸との共重合物を用いた手法(例えば、特許文献1参照。)、α-オレフィンと無水マレイン酸との共重合物のエステル化物と酸化型ポリオレフィンを組み合わせる手法(例えば、特許文献2、特許文献3参照。)等の報告がある。
特開平10-36486号公報 特開2001-247748号公報 特開2003-64239号公報
しかし、特に低分子系エポキシ樹脂を原材料とした封止用成形材料を薄型パッケージに適用した場合の金型離型性と良好なパッケージ外観の両立といった点で、上記特許文献記載の手法の効果は必ずしも充分ではない。本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、特に低分子系エポキシ樹脂を原材料とした封止用成形材料において、良好な成形性と良好なパッケージ外観を与える封止用エポキシ樹脂成形材料、及びこれにより封止した素子を備えた電子部品装置を提供しようとするものである。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、封止用エポキシ樹脂成形材料に、特定の粘度比を有する2種以上の離型剤を添加することにより上記の目的を達成しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、
(1)(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)酸化型ポリオレフィン、(D)前記(A)成分及び(C)成分の少なくとも1種成分と可溶である炭化水素系化合物、を含有し、180℃における(D)成分のICI粘度が0.02Pa・s以上2.0Pa・s以下、かつ、(C)成分と(D)成分の180℃におけるICI粘度比((C)/(D))が0.1以上10.0以下である封止用エポキシ樹脂成形材料、
(2)(C)成分と(D)成分の重量比((C)/(D))が0.2以上5.0以下である前記(1)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(3)(C)成分の180℃におけるICI粘度が1.5Pa・s以下である前記(1)又は(2)に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(4)(C)成分の一部又は全部及び(D)成分の一部又は全部が、(A)成分の一部又は全部と予め予備混合されてなる前記(1)〜(3)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料、
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備えた電子部品装置、
に関する。
本発明になる封止用エポキシ樹脂成形材料は、特に薄型パッケージのパッケージ汚れ低減に優れ、この封止用エポキシ樹脂成形材料を用いてIC、LSI等の電子部品を封止すれば信頼性に優れた電子部品装置を得ることができるので、その工業的価値は大である。
本発明において用いられる(A)成分のエポキシ樹脂は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているもので特に制限はないが、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールA/D等のジグリシジルエーテル、アルキル置換又は非置換のビフェノールのジグリシジルエーテルであるビフェニル型エポキシ樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂やナフトール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル型樹脂等のエポキシ化物、スチルベン型エポキシ樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、シクロペンタジエンとフェノール類の共縮合樹脂のエポキシ化物であるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン環を有するエポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリメチロールプロパン型エポキシ樹脂、テルペン変性エポキシ樹脂、硫黄原子含有エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、及びこれらのエポキシ樹脂をシリコーン、アクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン系ゴム、ポリアミド系樹脂等により変性したエポキシ樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、薄型パッケージへの適用を考えた場合、流動性、信頼性等の観点から、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニル・アラルキル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、及び硫黄原子含有エポキシ樹脂が好ましく、これらの樹脂の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
上記4種のエポキシ樹脂はいずれか1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよいが、その配合量は、その性能を発揮するためにエポキシ樹脂全量に対して合わせて20重量%以上とすることが好ましく、30重量%以上がより好ましく、50重量%以上とすることがさらに好ましい。
本発明において用いられる(B)硬化剤は、封止用エポキシ樹脂成形材料に一般に使用されているもので特に制限はないが、たとえば、フェノール、クレゾール、レゾルシン、カテコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェニルフェノール、アミノフェノール等のフェノール類及び/又はα−ナフトール、β−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン等のナフトール類とホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物とを酸性触媒下で縮合又は共縮合させて得られるノボラック型フェノール樹脂、フェノール類及び/又はナフトール類とジメトキシパラキシレン又はビス(メトキシメチル)ビフェニルから合成されるフェノール・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル樹脂等のアラルキル型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、薄型パッケージへの適用を考えた場合、特に信頼性等の観点から、下記一般式(I)で表されるフェノール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル樹脂及びナフトール・アラルキル樹脂が好ましく、これらのフェノール樹脂の少なくとも1種を含有していることが好ましい。
Figure 2006104415
(一般式(I)で、nは0又は1〜10の整数を示す。ベンゼン環、ナフタレン環の任意の水素原子は炭化水素基で置換されていても良い。)
上記一般式(I)で示されるフェノール・アラルキル樹脂や、ビフェニル・アラルキル樹脂としては、たとえば、下記一般式(II)及び(III)で示されるフェノール樹脂等が挙げられる。
Figure 2006104415
(一般式(II)で、nは0又は1〜10の整数を示す。ベンゼン環の任意の水素原子は炭化水素基で置換されていても良い。)
Figure 2006104415
(一般式(III)で、nは0又は1〜10の整数を示す。ベンゼン環の任意の水素原子は炭化水素基で置換されていても良い。)
上記一般式(II)で示されるフェノール・アラルキル樹脂としては、市販品として三井化学株式会社製商品名XLCが挙げられ、上記一般式(III)で示されるビフェニル・アラルキル樹脂としては、市販品として明和化成株式会社製商品名MEH−7851が挙げられる。
上記一般式(I)で示されるナフトール・アラルキル樹脂としては、たとえば、下記一般式(IV)及び(V)で示される樹脂等が挙げられる。
Figure 2006104415
(一般式(IV)で、nは0又は1〜10の整数を示す。ベンゼン環、ナフタレン環の任意の水素原子は炭化水素基で置換されていても良い。)
Figure 2006104415
(一般式(V)で、nは0又は1〜10の整数を示す。ベンゼン環、ナフタレン環の任意の水素原子は炭化水素基で置換されていても良い。)
上記一般式(IV)で示されるナフトール・アラルキル樹脂としては、市販品として新日鐵化学株式会社製商品名SN−170が挙げられ、上記一般式(V)で示されるナフトール・アラルキル樹脂としては、市販品として新日鐵化学株式会社製商品名SN−475が挙げられる。
上記フェノール・アラルキル樹脂、ビフェニル・アラルキル樹脂、ナフトール・アラルキル樹脂は、いずれか1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよいが、その配合量は硬化剤全量に対して合わせて60重量%以上とすることが好ましく、80重量%以上がより好ましい。
(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分の硬化剤との当量比、すなわち、エポキシ樹脂中のエポキシ基数/硬化剤中の水酸基数の比は、特に制限はないが、それぞれの未反応分を少なく抑えるために0.5〜2の範囲に設定されることが好ましく、0.6〜1.5がより好ましい。成形性、耐リフロー性に優れる封止用エポキシ樹脂成形材料を得るためには0.8〜1.2の範囲に設定されることがさらに好ましい。
本発明における(C)成分、酸化型ポリオレフィンは離型剤として働くものである。(C)成分が離型剤として働く為には、ポリオレフィンが酸化型であることが必要で、これは、酸化型ポリオレフィンの有するカルボキシル基とエポキシ樹脂(A)とが反応することでポリオレフィンの分散が促進される為である。酸化型ポリオレフィンの酸価は5〜50mgKOH/gであることが好ましく、10〜40mgKOH/gであることがより好ましく、15〜30mgKOH/gであることが特に好ましい。酸価が5mgKOH/g未満ではエポキシ樹脂との反応が不十分となって分散不具合の可能性が生じ、酸価が50mgKOH/gを超えるとエポキシ樹脂との親和性が高くなって離型効果が不十分となる可能性が生じる。なお、本発明におけるポリオレフィンとは、エチレン重合体、プロピレン重合体、エチレン/プロピレン共重合体等を主成分とした化合物である。(C)成分に用いられる酸化型ポリオレフィンは又、エアベントへの染み出し易さの点から、180℃におけるICI粘度が1.5Pa・s以下であることが好ましく、1.0Pa・s以下であることがより好ましく、0.5Pa・s以下であることが特に好ましい。1.5Pa・sを超えると、(C)成分のエアベントへの染み出しが不充分となり、エアベント樹脂付着を招く可能性がある。なお、本発明でのICI粘度とは、ICIコーンプレート回転粘度計での測定値をいう。
(C)成分の配合量は樹脂成形材料全体の0.03〜5重量%程度とすることが好ましく、0.05〜3重量%程度とすることがより好ましく、0.1〜2重量%とすることが特に好ましい。0.03重量%未満では金型離型性の効果が、5重量%を超えるとパッケージ汚れに対する効果が、それぞれ不充分となる可能性がある。
本発明における(D)成分、すなわち(A)成分及び(C)成分の少なくとも1種成分と可溶である炭化水素系化合物は、主として(A)成分と(C)成分の分散剤として働くものである。(D)成分は、フローマークの点から(A)成分及び(C)成分の少なくとも1種成分と可溶であることが必要である。本発明において「可溶」とは、(A)成分又は(C)成分と(D)成分を1/1重量比で混合後、180℃にて溶解、完全溶解の後に攪拌を行い、30分静置、取り出し後に成分間の分離がなく、目視確認にて透明な混合液が得られる状態を指す。
(D)成分は又、やはりフローマークの点から、180℃におけるICI粘度が0.02Pa・s以上2.0Pa・s以下であることが必要であり、(C)成分とのICI粘度比(180℃時)(C)/(D)が0.1〜10.0の範囲にあることも必要である。(D)成分の180℃におけるICI粘度が0.02Pa・s未満でも2.0Pa・sを超えても、ともに(C)成分との流動挙動の相異からフローマークの原因となる可能性がある。(C)成分と(D)成分との180℃におけるICI粘度比が上記範囲を外れた場合も又、流動挙動の相異がフローマークを引き起こす原因となる可能性がある。
本発明の(D)成分の、炭化水素系化合物とは、アルキル基やアルキレン基、フェニル基、アリール基等、炭素と水素よりなる原子団を分子内に有し、炭素及び水素の合計量が分子量の50%以上を占める化合物を指す。これら化合物は、水酸基やカルボキシル基、エステル基、アミノ基、アミド基等有機化合物において通常知られる官能基を有していても良い。
(D)成分としては、例えば下記一般式(VI)や下記一般式(VII)で表される化合物を例示することが可能である。
Figure 2006104415
(一般式(VI)で、Rは水素原子又は一価の脂肪族炭化水素基を表し、Rは水素原子、又は飽和又は不飽和の一価の炭化水素基を表し、R、Rは飽和又は不飽和の一価の炭化水素基を表し、R〜Rは互いに同じでも異なっていても良い。R〜R10は水素原子又は飽和又は不飽和の一価の炭化水素基を表し、互いに同じでも異なっていてもよい。pは正の整数を、q、r、sは0又は正の整数を表す。ただし、q=r=s=0を除く。)
Figure 2006104415
(一般式(VII)で、Rはアルキレン基、Rは水素原子又は飽和又は不飽和の一価の炭化水素基を表す。R〜Rは水素原子又は飽和又は不飽和の一価の炭化水素基を表し、互いに同じでも異なっていてもよい。l、m、nは0又は正の整数を表し、二者以上が同時に0となることはない。xは正の整数を表す。)
一般式(VI)や一般式(VII)で表される化合物はともに、その単位構造、それらの比率等を調整することにより、(A)成分や(C)成分との相溶性、180℃におけるICI粘度を変化させることが可能である。
一般式(VI)で表される化合物は、(p+r+s)に対して相対的にqを大きくした場合には(A)成分との相溶性が上がり、180℃におけるICI粘度は上昇する。逆に、(p+r+s)に対して相対的にqを小さくした場合には(C)成分との相溶性が上がり、180℃におけるICI粘度は低下する。又、R〜R10の炭素数が増えるほど(C)成分との相溶性が相対的に上がる。
一般式(VI)で表される化合物は、例えば無水マレイン酸又はその誘導体とα-オレフィンをランダム又はブロック共重合させた後、水又は一価アルコール等を任意のモル比率にて付加重合させることにより得ることができる。
上記一般式(VI)で表される化合物は、一般式(VI)に記載した通りの順番の重合形態に限定されず、また、ブロック共重合物に限定もされない。また、Rは一般式(VI)中の単量体部分の二つの炭素原子のどちらと結合していても良いし、Rは式中の単量体部分の二つの酸素原子のどちらと結合していても良い。一般式(VI)のp〜s、及びそれらの構成比は、酸化型ポリオレフィンに応じて決定されることが好ましい。
一般式(VI)で表される化合物の構造は、Rが炭素数10〜40のアルキル基、R〜Rが炭素数5〜30のアルキル基であることが好ましく、Rが炭素数15〜30のアルキル基、R〜Rが炭素数8〜25のアルキル基であることがより好ましく、Rが炭素数18〜25のアルキル基、R〜Rが炭素数10〜20のアルキル基であることが特に好ましい。R〜R10は水素原子又は炭化水素基を表し、R〜R10のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましく、全てが水素原子であることがより好ましい。一般式(VI)で表される化合物として、構造の異なる2種以上の化合物を用いても構わない。
また、無水マレイン酸の他、無水マレイン酸誘導体としては、メチルマレイン酸無水物、ジメチルマレイン酸無水物等、下記一般式(VI−a)で表される化合物を挙げることができ、やはり単独で用いても2種以上を組み合わせても良い。
Figure 2006104415
(一般式(VI−a)で、R、Rはアルキル基、又はアリール基を表し、互いに同じでも異なっていても良い。)
一般式(VI)で表される化合物の分子量は、金型・パッケージ汚れ防止と成形性の観点から、70000以下が好ましく、5000〜50000がより好ましく、10000〜40000がさらに好ましい。ここで、一般式(VI)で表される化合物の分子量とは常温GPCにより測定された重量平均分子量を指し、常温GPCによる重量平均分子量の測定方法は以下のとおりである。
溶媒:THF(テトラヒドロフラン)、温度:室温(25℃)、標準物質:ポリスチレン
測定器:島津製作所製LC−6C
カラム:shodex KF‐802.5+KF‐804+KF‐806
流量:1.0ml/分(試料濃度 約0.2wt/vol%)
注入量:200μl
市販品として、一般式(VI)のRが炭素数18、20、22の飽和炭化水素基の混合物、R、Rがともに水素原子、p/q=1/1、r=s=0、重量平均分子量が25000の日本油脂株式会社製商品名ニッサンエレクトールD121や、これをステアリルアルコールでモノエステル化した化合物でRが炭素数18の飽和炭化水素基、R、Rがともに水素原子、p/r=1/1、q=s=0、重量平均分子量が30000である日本油脂株式会社製商品名ニッサンエレクトールD121−41等が入手可能である。
上記一般式(VII)で表される化合物は、一般式(VII)に記載した通りの順番の重合形態に限定されず、また、ブロック共重合物に限定もされない。また、Rは一般式(VII)中の単量体部分の二つの炭素原子のどちらと結合していても良いし、ベンゼン環は式中の単量体部分の二つの炭素原子のどちらと結合していても良い。R〜Rは水素原子又は炭化水素基を表し、少なくとも1つが水素原子であることが好ましく、全てが水素原子であることがより好ましい。
一般式(VII)で表される化合物もまた、構造の異なる2種以上の化合物を併用しても構わない。
一般式(VII)で表される化合物については、lに対し(m+n)の比率を相対的に大きくすると180℃におけるICI粘度が上昇し、逆にlに対し(m+n)の比率を相対的に小さくすると180℃におけるICI粘度が低下する。又、Rの炭素数を増やすと相対的に(C)成分との相溶性が上がり、逆にRの炭素数を減らした場合には(A)成分との相溶性が上がる。
一般式(VII)で表される化合物は、1級飽和アルコール、アルキレングリコール、及び1級不飽和アルコールとを脱水付加重合させた後、無水マレイン酸、又はスチレン、又は無水マレイン酸とスチレンの両者をランダム又はブロック共重合させることにより得ることができる。市販品として、一般式(VII)でR=炭素数3の飽和炭化水素基、R=炭素数3の飽和炭化水素基、R〜Rは水素原子、x=13〜15、l/m=1/1、n/(l+m)=1/3である化合物を主成分とする日本油脂株式会社製商品名マリアリムAAB−0851、R=炭素数3の飽和炭化水素基、R=炭素数12の飽和炭化水素基、R〜Rは水素原子、x=13〜15、l/m=1/1、n/(l+m)=1/3である化合物を主成分とする日本油脂株式会社製商品名マリアリムAWS−0851等を入手できる。
本発明の(D)成分は、一般式(VI)や一般式(VII)等で例示される化合物を単独で用いても構わないし、2種以上を併用して用いても構わないし、これら以外の化合物を用いても構わない。単独で用いる場合には、(A)成分に可溶で、かつ(C)成分にも可溶又は相分離の観られない懸濁液を作り得る構造を有する化合物を用いることが好ましく、2種以上の化合物を併用して用いる場合には、(A)成分と可溶な成分(以下、(D1)成分とする。)、(C)成分と可溶な成分(以下、(D2)成分とする。)を少なくとも1種ずつ含有することが好ましく、(D1)成分と(D2)成分が可溶、又は相分離の観られない懸濁液を作り得ることが好ましい。
本発明の(D)成分は、(C)成分との重量比(C)/(D)が0.1〜10.0となるように添加されることが好ましく、0.2〜5.0となるように添加されることがより好ましい。(C)成分との重量比(C)/(D)が0.1より小さいとフローマークが、(C)/(D)が10.0より大きいとエアベント樹脂付着が、それぞれ不充分となる可能性がある。(D)成分として複数成分を用いる場合には、それらの合計量が前記範囲となることが好ましい。
本発明の効果、特に良好なパッケージ外観を得る為には、(C)成分の一部又は全部及び(D)成分の一部又は全部を、(A)成分の一部又は全部と予め予備混合しておくことが好ましく、(C)成分の全部及び(D)成分の全部を(A)成分の一部又は全部と予め予備混合しておくことがより好ましい。予備混合の具体的方法として、(A)成分と(C)成分を(A)/(C)=20/1〜1/2程度の重量比とした上でこれらを150〜200℃程度で2〜6時間ほど攪拌混合し、(D)成分を添加、さらに10分〜4時間ほど攪拌混合を行う等の例を挙げることが可能である。
本発明には、(A)〜(D)成分以外にも、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)等、封止用エポキシ樹脂成形材料において通常使用されるリン系硬化促進剤やアミン系硬化剤を、特に制限なく用いることができる。成形性、信頼性の点からはリン系硬化促進剤が好ましく、有機ホスフィン及び有機ホスフィンとキノン化合物との付加物等がより好ましい。
硬化促進剤の配合量は、硬化促進効果が達成される量であれば特に制限されるものではないが、エポキシ樹脂(A)に対して0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは1〜5重量%である。0.1重量%未満では短時間での硬化性に劣る傾向があり、10重量%を超えると硬化速度が速すぎて未充填等により良好な成形品を得ることが困難になる傾向がある。
本発明では又、吸湿性、線膨張係数低減、熱伝導性向上及び強度向上のために、無機充填剤を配合することが可能である。無機充填剤としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、チタン酸カリウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミ、窒化ホウ素、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられる。さらに、難燃効果のある無機充填剤としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛等が挙げられる。これらの無機充填剤は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。流動性や線膨張係数低減の観点からは溶融シリカや結晶シリカを用いることが好ましく、球状溶融シリカを用いることがより好ましい。
無機質充填剤の配合量は、成形性、吸湿性、線膨張係数の低減及び強度向上の観点から、封止用エポキシ樹脂成形材料に対して80重量%以上が好ましく、84〜96重量%の範囲がより好ましく、88〜92重量%がさらに好ましい。80重量%未満では信頼性が低下する傾向があり、96重量%を超えると成形性が低下する傾向がある。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、本発明の効果が達成できる範囲内で、ステアリン酸、モンタン酸等の高級脂肪酸系ワックス、ステアリン酸エステル、モンタン酸エステル等の高級脂肪酸エステル系ワックス、ステアリン酸アミド、モンタン酸アミド等の高級脂肪酸アミド等系ワックス等、従来公知の離型剤を、(C)成分や(D)成分以外に併用することができる。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、IC等の半導体素子の耐湿性、高温放置特性を向上させる観点から陰イオン交換体を添加することもできる。陰イオン交換体としては特に制限はなく、従来公知のものを用いることができるが、例えば、ハイドロタルサイトや、アンチモン、ビスマス、ジルコニウム、チタン、スズ、マグネシウム、アルミニウムから選ばれる元素の含水酸化物等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、下記一般式(VIII)で示されるハイドロタルサイト及びビスマスの含水酸化物が好ましい。
(化9)
Mg1−XAl(OH)(COX/2・mHO ……(VIII)
(0<X≦0.5、mは正の数)
陰イオン交換体の配合量は、ハロゲンイオン等のイオン性不純物を捕捉できる十分な量であれば特に制限はないが、(A)成分のエポキシ樹脂に対して0.1〜30重量%が好ましく、1〜10重量%がより好ましく、2〜5重量%がさらに好ましい。配合量が0.1重量%未満ではイオン性不純物の捕捉が不十分になる傾向があり、30重量%を超えた場合それ以下に比べて効果に大差がないため経済的に不利である。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、樹脂成分と無機充填剤との接着性を高めるために、必要に応じて、エポキシシラン、メルカプトシラン、アミノシラン、アルキルシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン等の各種シラン系化合物、チタン系化合物、アルミニウムキレート類、アルミニウム/ジルコニウム系化合物等の公知のカップリング剤を、単独又は併用して添加することができる。
上記カップリング剤の配合量は、無機充填剤に対して0.05〜5重量%であることが好ましく、0.1〜2.5重量%がより好ましい。0.05重量%未満では耐湿性が低下する傾向があり、5重量%を超えるとパッケージの成形性が低下する傾向がある。
さらに、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料には、その他の添加剤として、シリコーンオイルやシリコーンゴム粉末等の可撓化剤、臭素化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のハロゲン原子、アンチモン原子、窒素原子又はリン原子を含む公知の有機又は無機の化合物、金属水酸化物などの難燃剤、カーボンブラック、有機染料、有機顔料、酸化チタン、鉛丹、ベンガラ等の着色剤、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、トリアジン等及びこれらの誘導体、アントラニル酸、没食子酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アミノフェノール、キノリン等及びこれらの誘導体、脂肪族酸アミド化合物、ジチオカルバミン酸塩、チアジアゾール誘導体等の接着促進剤などを必要に応じて配合することができる。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、各種原材料を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いても調製できるが、一般的な手法として、所定の配合量の原材料をミキサー等によって十分混合した後、ミキシングロール、ニーダ、押出機等によって溶融混練した後、冷却、粉砕する方法を挙げることができる。成形条件に合うような寸法及び重量でタブレット化すると使いやすい。
また、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は、各種有機溶剤に溶かして液状封止用エポキシ樹脂成形材料として使用することもでき、この液状封止用エポキシ樹脂成形材料を板又はフィルム上に薄く塗布し、樹脂の硬化反応が余り進まないような条件で有機溶剤を飛散させることによって得られるシートあるいはフィルム状の封止用エポキシ樹脂成形材料として使用することもできる。
本発明で得られる封止用エポキシ樹脂成形材料により素子を封止して得られる電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子等の素子を搭載し、必要な部分を本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止した、電子部品装置などが挙げられる。このような電子部品装置としては、例えば、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いてトランスファ成形などにより封止してなる、DIP(Dual Inline Package)、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-lead package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC、テープキャリアにバンプで接続した半導体チップを、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したTCP(Tape Carrier Package)、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で封止したCOB(Chip On Board)モジュール、ハイブリッドIC、マルチチップモジュール、配線板接続用の端子を形成した有機基板に素子を搭載し、バンプまたはワイヤボンディングにより素子と有機基板に形成された配線を接続した後、本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料で素子を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)などが挙げられる。また、プリント回路板にも本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料は有効に使用できる。
本発明の封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて素子を封止する方法としては、低圧トランスファ成形法が最も一般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形法等を用いてもよい。封止用エポキシ樹脂成形材料が常温で液状又はペースト状の場合は、ディスペンス方式、注型方式、印刷方式等が挙げられる。
また、素子を直接樹脂封止する一般的な封止方法ばかりではなく、素子に直接電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料が接触しない形態である中空パッケージの方式もあり、中空パッケージ用の封止用エポキシ樹脂成形材料としても好適に使用できる。
実施例1〜9、及び比較例1〜11
(A)成分のエポキシ樹脂としてエポキシ当量196、融点106℃のビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製商品名エピコートYX−4000H)、 (B)成分の硬化剤として軟化点70℃のフェノール・アラルキル樹脂(三井化学株式会社製商品名ミレックスXL−225)を用意した。
(C)成分として、180℃のICI粘度が0.05Pa・sの酸化型ポリエチレン(ポリエチレン1。三井化学株式会社製商品名ハイワックス4202E)、180℃のICI粘度が0.15Pa・sの酸化型ポリエチレン(ポリエチレン2。大日化学工業株式会社製商品名ダイワックスPE‐B)、180℃のICI粘度が1.0Pa・sの酸化型ポリエチレン(ポリエチレン3。大日化学株式会社製商品名PE‐A)を用意した。
(D)成分として、上記一般式(VI)でq=s=0、p/r=1/1、R7、が水素、Rが炭素数18、20、22の飽和炭化水素基の混合物、Rが炭素数12の飽和炭化水素基である化合物(D‐1。(A)成分及び(C)成分に可溶。180℃のICI粘度0.06Pa・s)、
上記一般式(VI)でr=s=0、p/q=1/1、R5、が水素、Rが炭素数18、20、22の飽和炭化水素基の混合物である化合物((A)成分、ポリエチレン2、ポリエチレン3に可溶。日本油脂株式会社製商品名ニッサンエレクトールD121)と、上記一般式(VII)でR=炭素数3の飽和炭化水素基、R=炭素数3の飽和炭化水素基、R〜Rは水素原子、x=13〜15、l/m=1/1、n/(l+m)=1/3である化合物を主成分とする物質((A)成分に可溶。日本油脂株式会社製商品名マリアリムAAB−0851)との10/1(重量比)混合物(D‐2。180℃のICI粘度0.8Pa・s)、
同じくニッサンエレクトールD121とマリアリムAAB−0851との3/1混合物(D‐3。180℃のICI粘度0.3Pa・s)、
上記一般式(VII)でR=炭素数4の飽和炭化水素基、R=炭素数12の飽和炭化水素基、x=10〜12、l/m=1/1、n/(l+m)=1/3である化合物を主成分とする物質(D‐4。(A)成分に可溶。180℃のICI粘度0.3Pa・s)を、
(D)成分の比較成分として、前記ニッサンエレクトールD121(比較成分1。180℃のICI粘度1.5Pa・s)、
前記マリアリムAAB−0851(比較成分2。180℃のICI粘度0.015Pa・s)、
炭素数18の飽和脂肪酸であるステアリン酸(比較成分3。(A)成分及び(C)成分に可溶。180のICI粘度0.01Pa・s未満)、
炭素数28の飽和脂肪酸であるモンタン酸(比較成分4。(A)成分及び(C)成分に可溶。180℃のICI粘度0.01Pa・s未満)、
モンタン酸エチレンジアミド(比較成分5。(A)成分及び(C)成分に可溶。180℃のICI粘度0.01Pa・s未満)を用意した。
また、硬化促進剤としてトリフェニルホスフィンとp−ベンゾキノンとの付加物、無機充填剤として平均粒径17.5μm、比表面積3.8m/gの球状溶融シリカ、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(エポキシシラン)、難燃剤として三酸化アンチモン及びエポキシ当量375、軟化点80℃、臭素含量48重量%のビスフェノールA型ブロム化エポキシ樹脂(住友化学工業株式会社製商品名ESB−400T)、着色剤としてカーボンブラック(三菱化学株式会社製商品名MA−100)を用意した。
これらを、それぞれ表1及び表2に示す重量部で配合し、混練温度80℃、混練時間10分の条件でロール混練を行い、実施例及び比較例の封止用エポキシ樹脂成形材料を作製した。
なお、実施例、比較例の(C)成分及び(D)成分は、そのすべてを(A)成分の一部と170℃6時間の攪拌混合後に用いた。混合は、(A)成分と(C)成分を170℃3時間攪拌混合後、(D)成分を添加、さらに3時間の攪拌混合を行うことにより行った。
なお、(C)成分及び(D)成分のICI粘度は、東亜工業株式会社製コーンプレート粘度計(モデル:CV‐1S、コーン:10ポアズ)での測定値である。
Figure 2006104415
Figure 2006104415
作製した実施例及び比較例の封止用エポキシ樹脂成形材料を、次の各試験により評価した。評価結果を表3及び表4に示す。
(1)パッケージ汚れ、エアベント樹脂付着の有無(LQFP)
封止用エポキシ樹脂成形材料をTOWAプレス(藤和精機株式会社製Yシリーズ、LQFP144p用 パッケージ厚み1.4mm)を用いて、180℃、6.9MPa、60秒の条件で500ショットの連続成形を行い、500ショット後のパッケージ表面を目視により観察することで、パッケージ汚れの有無と程度を確認した。併せて、500ショット後のエアベントへの樹脂付着の有無を確認した。パッケージ汚れについては、ゲート口からの汚れの広がりの有無と程度から、次の5段階に評価した。
◎:汚れなし
○:汚れの広がりがパッケージ表面の10面積%以下
△:汚れの広がりがパッケージ表面の10面積%超〜20面積%以下
×:汚れの広がりがパッケージ表面の20面積%超〜50面積%以下
××:汚れの広がりがパッケージ表面の50面積%超
Figure 2006104415
Figure 2006104415
本発明の(C)成分と(D)成分の粘度比が適正値より外れる比較例1〜11は、パッケージ汚れ、又はパッケージ汚れとエアベント樹脂付着の両者に劣る。
これに対し、(C)成分と(D)成分の粘度比が適正範囲内であり、(D)成分の粘度も適正である実施例1〜9は、パッケージ汚れ、エアベント樹脂付着の両者に優れることがわかる。

Claims (5)

  1. (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)酸化型ポリオレフィン、(D)前記(A)成分及び(C)成分の少なくとも1種成分と可溶である炭化水素系化合物、を含有し、180℃における(D)成分のICI粘度が0.02Pa・s以上2.0Pa・s以下、かつ、(C)成分と(D)成分の180℃におけるICI粘度比((C)/(D))が0.1以上10.0以下である封止用エポキシ樹脂成形材料。
  2. (C)成分と(D)成分の重量比((C)/(D))が0.2以上5.0以下である請求項1に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  3. (C)成分の180℃におけるICI粘度が1.5Pa・s以下である請求項1又は2に記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  4. (C)成分の一部又は全部及び(D)成分の一部又は全部が、(A)成分の一部又は全部と予め予備混合されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の封止用エポキシ樹脂成形材料により封止された素子を備えた電子部品装置。
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