JP5306225B2 - 固体状チタン触媒成分、オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 - Google Patents

固体状チタン触媒成分、オレフィン重合用触媒およびオレフィンの重合方法 Download PDF

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Description

本発明は、オレフィン重合、とりわけα-オレフィンの重合に好ましく用いられる固体状チタン触媒成分に関する。また本発明は、上記固体状チタン触媒成分を含むオレフィン重合用触媒に関する。更に本発明は、上記オレフィン重合用触媒を用いたオレフィンの重合方法に関する。
従来から、エチレン、α-オレフィンの単独重合体あるいはエチレン・α-オレフィン共重合体などのオレフィン重合体を製造するために用いられる触媒として、活性状態のハロゲン化マグネシウムに担持されたチタン化合物を含む触媒が知られている。(以下、重合とは共重合を包含して用いることがある。)
このようなオレフィン重合用触媒としては、チーグラー-ナッタ触媒と称される、四塩化チタンや三塩化チタンを含む触媒や、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体からなる固体状チタン触媒成分と有機金属化合物からなる触媒等が広く知られている。
後者の触媒は、エチレンの他、プロピレン、ブテン-1などのα-オレフィンの重合に高い活性を示す。また、得られるα-オレフィン重合体は高い立体規則性を有することがある。
これらの触媒の中で特に、フタル酸エステルを典型的な例とするカルボン酸エステルから選択される電子供与体が担持された固体状チタン触媒成分と、助触媒成分としてアルミニウム-アルキル化合物と、少なくとも一つのSi-OR(式中、Rは炭化水素基である)を有するケイ素化合物とを用いた場合に優れた重合活性と立体特異性を発現することが特開昭57−63310号公報(特許文献1)等で報告されている。
上記の触媒を用いて得られた重合体は、チーグラー-ナッタ触媒で得られる重合体に比して分子量分布が狭いことが多い。分子量分布が狭い重合体は、「溶融流動性が低い」、「溶融張力が低い」、「成形性に劣る」、「剛性がやや低い」等の傾向があることが知られている。一方で、生産性向上、コストダウン等の観点から、例えば延伸フィルムの生産性向上を目的とした高速延伸技術などの様々な高速成形技術が進化している。
上記の様な比較的狭分子量分布の重合体をたとえば高速延伸しようとすると、溶融張力不足からフィルムのネックインやバタツキなどがより顕著となり、生産性向上が困難になるケースがある。よって、より高い溶融張力を有する重合体が市場から求められている。
このような問題を解決させるために、分子量の異なる重合体を多段重合で製造して重合体の分子量分布を広げる方法(特開平5−170843号公報(特許文献2)等)や、複数種の電子供与体を含む触媒(特開平3−7703号公報(特許文献3))や、固体状チタン触媒成分に含まれる電子供与体に不斉炭素を有するコハク酸エステルを使用した触媒(国際公開第01/057099号パンフレット(特許文献4)、国際公開第00/63261号パンフレット(特許文献5)、国際公開第02/30998号パンフレット(特許文献6))等の数多くの報告がある。
一方、特開2001−114811号公報(特許文献7)および特開2003−40918号公報(特許文献8)には、チタン化合物、マグネシウム化合物および電子供与性化合物を接触させて得られるオレフィン(類)重合用固体触媒成分、ならびにこの触媒成分を含むオレフィン(類)重合用触媒が開示されている。この電子供与性化合物として、特許文献7に記載の発明では、トランス純度80%以上を有する1,2-シクロヘキサンジカルボン酸エステルが使用され、特許文献8に記載の発明では、シクロヘキセンジカルボン酸ジエステルが使用され、このシクロヘキセンジカルボン酸ジエステルの具体例としては、1−シクロヘキセンのシクロヘキセン環の1位及び2位にアルコキシカルボニル基が結合した1−シクロヘキセンジカルボン酸ジエステルのみが開示されている(段落[0021]〜[0024]および実施例)。しかしながら、特許文献7および8には、オレフィン重合体の分子量分布に関する記載は一切ない。
また、本出願人は国際公開2006/077945号パンフレットに特定の環状エステル化合物を電子供与体成分とする固体状チタン触媒成分が極めて分子量分布の広いオレフィン重合体を与えることを開示している。(特許文献9)
特開昭57−63310号公報 特開平5−170843号公報 特開平3−7703号公報 国際公開第01/057099号パンフレット 国際公開第00/63261号パンフレット 国際公開第02/30998号パンフレット 特開2001−114811号公報 特開2003−40918号公報 国際公開2006/077945号パンフレット
特許文献1〜8の触媒は、本発明者らの検討によるとオレフィン重合体の分子量分布を広くする効果が不充分であったり、低分子量成分を増加させることによって分子量分布を広げる触媒であった。一方、これらの触媒はオレフィン重合体の溶融張力の向上が充分とは言えないと言う市場の評価があり、更に、市場からはコストダウンの観点等から、より簡略なプロセスで広分子量分布化したオレフィン重合体を製造可能とする触媒の登場が待ち望まれていた。
特許文献9に記載の固体状チタン触媒成分に含まれる環状エステル化合物は、従来の固体状チタン触媒成分に含まれている電子供与体に比して高価な化合物である場合が多い。その為、特許文献9に開示される固体状チタン触媒成分は、広分子量分布化の面で高性能でありながらも製造コスト高となり、その改善が望まれている。
従って、本発明は、分子量分布が広く、立体規則性が高く、溶融張力が高く、高速延伸、高速成形により適したオレフィン重合体を簡便に、且つ従来と同等レベルのコストで製造可能な触媒成分および触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究した結果、複数のカルボン酸エステル基を有する特定の環状エステル化合物を複数種含む固体状チタン触媒成分を用いると、1:分子量分布が広いオレフィン重合体を製造できること、また、2:電子供与体が立体規則性制御剤として効果を発揮し、環状エステル化合物を単独で用いた場合には発現しなかった立体規則性制御に関する改善効果を得られることを見出し、本発明を完成させた。なお、特許文献7および8のいずれにも、下記式(1)で表わされる、置換基Rを有する環状エステル化合物(a)は、記載も示唆もされていない。
本発明の固体状チタン触媒成分(I)は、チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび下記式(1)で特定される環状エステル化合物(a)と下記式(2)で特定される環状エステル化合物(b)を含むことを特徴としている;
Figure 0005306225
式(1)において、nは5〜10の整数である。
2およびR3はそれぞれ独立にCOOR1またはRであり、R2およびR3のうち少なくとも1つはCOOR1である。
環状骨格中の単結合(Ca−Ca結合、およびR3がRである場合のCa−Cb結合を除く)は、二重結合に置き換えられていてもよい。
1は、それぞれ独立に炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。
複数個あるRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、窒素含有基、酸素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基およびケイ素含有基から選ばれる原子または基であり、互いに結合して環を形成していてもよいが、少なくとも1つのRは水素原子ではない。
Rが互いに結合して形成される環の骨格中に二重結合が含まれていてもよく、該環の骨格中に、COOR1が結合したCaを2つ以上含む場合は、該環の骨格をなす炭素原子の数は5〜10である。
Figure 0005306225
式(2)において、nは5〜10の整数である。
4およびR5はそれぞれ独立にCOOR1または水素原子であり、R4およびR5のうち少なくとも1つはCOOR1である。R1は、それぞれ独立に炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。環状骨格中の単結合(Ca−Ca結合、およびR5がRである場合のCa−Cb結合を除く)は、二重結合に置き換えられていてもよい。
前記式(1)において、前記環状骨格中の炭素原子間結合のすべては単結合であることが好ましい。
前記式(1)において、n=6であることが好ましい。
前記環状エステル化合物(a)としては、下記式(1a)で表わされる化合物が好まし
い;
Figure 0005306225
式(1a)において、nは5〜10の整数である。
環状骨格中の単結合(Ca−Ca結合、およびCa−Cb結合を除く)は、二重結合に置き換えられていてもよい。
1は、それぞれ独立に炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。
複数個あるRは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、窒素含有基、酸素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基およびケイ素含有基から選ばれる原子または基であり、互いに結合して環を形成していてもよいが、少なくとも1つのRは水素原子ではない。
Rが互いに結合して形成される環の骨格中に二重結合が含まれていてもよく、該環の骨格中に、COOR1が結合したCaを2つ以上含む場合は、該環の骨格をなす炭素原子の数は5〜10である。
前記式(2)において、前記環状骨格中の炭素原子間結合のすべては単結合であることが好ましい。
前記式(2)において、n=6であることが好ましい。
前記環状エステル化合物(b)としては、下記式(2a)で表わされる化合物が好ましい;
Figure 0005306225
式(2a)において、nは5〜10の整数である。
1は、それぞれ独立に炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。環状骨格中の単結合(Ca−Ca結合、およびCa−Cb結合を除く)は、二重結合に置き換えられていてもよい。
本発明のオレフィン重合用触媒は、
上記の固体状チタン触媒成分(I)と、
周期表の第1族、第2族および第13族から選ばれる金属元素を含む有機金属化合物触媒成分(II)とを含むことを特徴としている。
本発明のオレフィン重合用触媒は、さらに、電子供与体(III)を含んでいてもよい。
本発明の、オレフィン重合体の製造方法は、前記オレフィン重合用触媒の存在下にオレフィンの重合を行うことを特徴としている。
本発明の固体状チタン触媒成分、オレフィン重合用触媒、およびオレフィンの重合体の製造方法は、広い分子量分布を有するオレフィン重合体を、高活性で製造するのに適している。
また、本発明の固体状チタン触媒成分、オレフィン重合用触媒、オレフィンの重合体の製造方法を用いれば、たとえば高速延伸性、高速成形性などの成形性に加え、剛性にも優れたオレフィン重合体が製造可能になると期待できる。
環状エステル化合物(a)は、従来の固体状チタン触媒成分に含まれている電子供与体に比して高価な化合物である場合が多い。一方、環状エステル化合物(b)は環状エステル化合物(a)の1/10以下の価格である場合が多い。その為、環状エステル化合物(a)の含有量を低減させつつ、広分子量分布化の効果を維持できる本発明の固体状チタン触媒成分は、その製造コストを低減できる効果がある。
さらに、複数のカルボン酸エステル基を有する特定の環状エステル化合物を複数種含む固体状チタン触媒成分を用いると、電子供与体(III)が立体規則性制御剤として効果を発揮し、環状エステル化合物を単独で用いた場合には発現しなかった立体規則性制御に関する改善効果がある。
図1に、DMCHIBUの添加割合とMw/Mn値との関係を示した。
図1は、DMCHIBUの添加割合とMw/Mn値との関係を示す図である。
以下、本発明に係る固体状チタン触媒成分(I)、オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法についてさらに詳細に説明する。
[固体状チタン触媒成分(I)]
本発明に係る固体状チタン触媒成分(I)は、チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび環状エステル化合物(a)と環状エステル化合物(b)を含むことを特徴としている。
<環状エステル化合物(a)>
前記環状エステル化合物(a)は、複数のカルボン酸エステル基を有し、下記式(1)で表される。
Figure 0005306225
式(1)において、nは、5〜10の整数、好ましくは5〜7の整数であり、特に好ましくは6である。またCaおよびCbは、炭素原子を表わす。
2およびR3はそれぞれ独立にCOOR1またはRであり、R2およびR3のうちの少なくとも1つはCOOR1である。
環状骨格中の炭素原子間結合は、すべてが単結合であることが好ましいが、環状骨格中の、Ca−Ca結合およびR3がRである場合のCa−Cb結合以外のいずれかの単結合は、二重結合に置き換えられていてもよい。
複数個あるR1は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜10、より好ましくは2〜8、さらに好ましくは4〜8、特に好ましくは4〜6の1価の炭化水素基である。この炭化水素基としては、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基などが挙げられ、中でも分子量分布が広いオレフィン重合体を製造しやすくなる点で、n−ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基が好ましく、更にはn−ブチル基、イソブチル基が特に好ましい。
複数個あるRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、窒素含有基、酸素含有基、リン含有基、ハロゲン含有基およびケイ素含有基から選ばれる原子または基であるが、少なくとも1つのRは水素原子ではない。
水素原子以外のRとしては、これらの中でも炭素原子数1〜20の炭化水素基が好ましく、この炭素原子数1〜20の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、ビニル基、フェニル基、オクチル基などの脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられる。中でも脂肪族炭化水素基が好ましく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基が好ましい。
またRは、互いに結合して環を形成していてもよく、Rが互いに結合して形成される環の骨格中には二重結合が含まれていてもよく、該環の骨格中に、COOR1が結合したCaを2つ以上含む場合は、該環の骨格をなす炭素原子の数は5〜10である。
このような環の骨格としては、ノルボルナン骨格、テトラシクロドデセン骨格などが挙げられる。
また複数個あるRは、カルボン酸エステル基、アルコキシ基、シロキシ基、アルデヒド基やアセチル基などのカルボニル構造含有基であってもよく、これらの置換基には、炭化水素基1個以上を含んでいることが好ましい。
このような環状エステル化合物(a)としては、国際公開2006/077945号パンフレット(特許文献9)に記載がある
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジ2-エチルヘキシル、
3-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジ2-エチルヘキシル、
4-メチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
5-メチルシクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
5-メチルシクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジ2-エチルヘキシル、
3,4-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジ2-エチルヘキシル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジ2-エチルヘキシル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジ2-エチルヘキシル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-メチル-6-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチル-6-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-メチル-6-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-メチル-6-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3-メチル-6-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル-6-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3-メチル-6-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3-メチル-6-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3-メチル-6-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジ2-エチルヘキシル、
3-メチル-6-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-ヘキシルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-ヘキシルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6-ジヘキシルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-ヘキシル-6-ペンチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
4-メチルシクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
4-メチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
5-メチルシクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
5-メチルシクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,4-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,4-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3,5-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,5-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,5-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,5-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-ヘキシルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,5-ジヘキシルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-ヘキシル-5-ペンチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル-5-n-プロピルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチル-5-n-プロピルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-メチル-5-n-プロピルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-メチル-5-n-プロピルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3-メチル-5-n-プロピルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル
3-メチル-5-n-プロピルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3-メチル-5-n-プロピルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3-メチル-5-n-プロピルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
4-メチルシクロヘプタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロヘプタン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
4-メチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
5-メチルシクロヘプタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
5-メチルシクロヘプタン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,4-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,4-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,4-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3,7-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,7-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,7-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,7-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-ヘキシルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,7-ジヘキシルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-ヘキシル-7-ペンチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル-7-n-プロピルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチル-7-n-プロピルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3-メチル-7-n-プロピルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-メチル-7-n-プロピルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3-メチル-7-n-プロピルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル-7-n-プロピルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3-メチル-7-n-プロピルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3-メチル-7-n-プロピルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-メチルシクロオクタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-メチルシクロデカン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-ビニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6-ジフェニルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6-ジシクロヘキシルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
ノルボルナン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
テトラシクロドデカン-2,3-ジカルボン酸ジイソブチル
3,6-ジメチル-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3,6-ジメチル-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
3,6-ジメチル-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3,6-ジメチル-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
3,6-ジメチル-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6-ジメチル-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
3,6-ジメチル-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3,6-ジメチル-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
3,6-ジメチル-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジ2-エチルヘキシル、
3,6-ジメチル-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3,6-ジヘキシル-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-ヘキシル-6-ペンチル-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
などが挙げられる。
また、これらに対応する環状ジオール化合物のジカルボン酸エステルも好適な化合物として挙げることが出来る。このような化合物として、特には、
3,6-ジメチルシクロヘキシル-1,2-ジアセテート、
3,6-ジメチルシクロヘキシル-1,2-ジブタネート、
3-メチル-6-プロピルシクロヘキシル-1,2-ジオールアセテート、
3-メチル-6-プロピルシクロヘキシル-1,2-ジブタネート、
3,6-ジメチルシクロヘキシル-1,2-ジベンゾエート、
3,6-ジメチルシクロヘキシル-1,2-ジトルエート、
3-メチル-6-プロピルシクロヘキシル-1,2-ジベンゾエート、
3-メチル-6-プロピルシクロヘキシル-1,2-ジトルエート、
等を好ましい例として挙げることが出来る。
上記のようなジエステル構造を持つ化合物には、式(1)における複数のCOOR1基に由来するシス、トランス等の異性体が存在するが、どの構造であっても本発明の目的に合致する効果を有するが、よりトランス体の含有率が高い方が好ましい。トランス体の含有率が高い方が、分子量分布を広げる効果だけでなく、活性や得られる重合体の立体規則性がより高い傾向がある。
前記環状エステル化合物(a)としては、下記式(1−1)〜(1−6)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005306225
Figure 0005306225
Figure 0005306225
Figure 0005306225
Figure 0005306225
Figure 0005306225
〔上記式(1−1)〜(1−6)中の、R1およびRは前記同様である。
上記式(1−1)〜(1−3)において、環状骨格中の単結合(ただしCa−Ca結合およびCa−Cb結合を除く。)は、二重結合に置き換えられていてもよい。
上記式(1−4)〜(1−6)において、環状骨格中の単結合(ただしCa−Ca結合を除く。)は、二重結合に置き換えられていてもよい。
また、上記式(1−3)および(1−6)においてnは7〜10の整数である。〕
前記環状エステル化合物(a)としては、特には下記式(1a)で表わされる化合物が
好ましい。
Figure 0005306225
〔式(1a)中の、n、R1およびRは前記同様(すなわち、式(1)での定義と同様)であり、環状骨格中の単結合(ただしCa−Ca結合およびCa−Cb結合を除く。)は、二重結合に置き換えられていてもよい。〕
上記式(1a)で表わされる化合物としては、具体的には
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ヘキシル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-オクチル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ヘキシル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-オクチル、
3-メチル-6-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル-6-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ヘキシル、
3-メチル-6-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-オクチル、
3,6-ジエチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6-ジエチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ヘキシル、
3,6-ジエチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-オクチル、
3,5-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,5-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジn-ヘキシル、
3,5-ジメチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジn-オクチル、
3-メチル-5-エチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル-5-エチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジn-ヘキシル、
3-メチル-5-エチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジn-オクチル、
3-メチル-5-n-プロピルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジn-ヘキシル、
3-メチル-5-n-プロピルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジn-オクチル、
3,5-ジエチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,5-ジエチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジn-ヘキシル、
3,5-ジエチルシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジn-オクチル、
3,7-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,7-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジn-ヘキシル、
3,7-ジメチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジn-オクチル、
3-メチル-7-エチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル-7-エチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジn-ヘキシル、
3-メチル-7-エチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジn-オクチル、
3-メチル-7-n-プロピルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジn-ヘキシル、
3-メチル-7-n-プロピルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジn-オクチル、
3,7-ジエチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,7-ジエチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジn-ヘキシル、
3,7-ジエチルシクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジn-オクチル
などが挙げられる。
上記の化合物の中では、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ヘキシル、
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-オクチル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ヘキシル、
3-メチル-6-エチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-オクチル、
3-メチル-6-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-メチル-6-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ヘキシル、
3-メチル-6-n-プロピルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-オクチル、
3,6-ジエチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3,6-ジエチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ヘキシル、
3,6-ジエチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-オクチル
がさらに好ましい。これらの化合物はDiels Alder 反応を利用して製造できるが、原材料となるポリエン化合物が比較的高価であるため、従来の電子供与体化合物に比してやや製造コストが高価となる傾向がある。
上記のようなジエステル構造を持つ環状エステル化合物(a)には、シス、トランス等の異性体が存在し、どの構造であっても本発明の目的に合致する効果を有するが、よりトランス体の含有率が高い方が好ましく、トランス体の含有率が高い方が、分子量分布を広げる効果だけでなく、活性や得られる重合体の立体規則性がより高い傾向がある。シス体およびトランス体のうちのトランス体の割合は、好ましくは51%以上であることが好ましい。より好ましい下限値は55%であり、更に好ましくは60%であり、特に好ましくは65%である。一方、好ましい上限値は100%であり、より好ましくは90%であり、更に好ましくは85%であり、特に好ましくは79%である。
<環状エステル化合物(b)>
前記環状エステル化合物(b)は、複数のカルボン酸エステル基を有し、下記式(2)で表される。
Figure 0005306225
式(2)において、nは、5〜10の整数、好ましくは5〜7の整数であり、特に好ましくは6である。またCaおよびCbは、炭素原子を表わす。
環状骨格中の炭素原子間結合は、すべてが単結合であることが好ましいが、環状骨格中の、Ca−Ca結合およびR5が水素原子である場合のCa−Cb結合以外のいずれかの単結合は、二重結合に置き換えられていてもよい。
また、R4およびR5はそれぞれ独立にCOOR1または水素原子であり、R4およびR5のうちの少なくとも1つはCOOR1であり、R1はそれぞれ独立に炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。
複数個あるR1は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜20、好ましくは1〜10、よ
り好ましくは2〜8、さらに好ましくは4〜8、特に好ましくは4〜6の1価の炭化水素
基である。この炭化水素基としては、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基などが挙げられ、中でも分子量分布が広いオレフィン重合体を製造しやすくなる点で、n−ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基が好ましく、更にはn−ブチル基、イソブチル基が特に好ましい。
このような環状エステル化合物(b)としては、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジ2-エチルヘキシル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
シクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
シクロペンタン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
シクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
シクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
シクロヘプタン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
シクロヘプタン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロオクタン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
シクロデカン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジn-プロピル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
4-シクロヘキセン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
4-シクロヘキセン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
3-シクロペンテン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
3-シクロペンテン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
3-シクロペンテン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジイソプロピル、
4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
4-シクロヘプテン-1,2-ジカルボン酸ジデシル、
4-シクロヘプテン-1,3-ジカルボン酸ジエチル、
4-シクロヘプテン-1,3-ジカルボン酸ジイソブチル、
5-シクロオクテン-1,2-ジカルボン酸ジエチル、
6-シクロデセン-1,2-ジカルボン酸ジエチル
などが挙げられる。
また、これらに対応する環状ジオール化合物のジカルボン酸エステルも好適な化合物として挙げることが出来る。このような化合物として、特には、
シクロヘキシル-1,2-ジアセテート、
シクロヘキシル-1,2-ジブタネート、
シクロヘキシル-1,2-ジベンゾエート、
シクロヘキシル-1,2-ジトルエート
などが挙げられる。
上記のようなジエステル構造を持つ化合物には、シス、トランス等の異性体が存在するが、どの構造であっても本発明の目的に合致する効果を有する。
シス体およびトランス体のうちのトランス体の割合は、好ましくは51%以上であることが好ましい。より好ましい下限値は55%であり、更に好ましくは60%であり、特に好ましくは65%である。一方、好ましい上限値は100%であり、より好ましくは90%であり、更に好ましくは85%であり、特に好ましくは79%である。この理由は不明であるが、後述する立体異性体のバリエーションが、広分子量分布化に適した領域にあると推測される。
特に上記式(2)においてn=6であるシクロヘキサン1,2−ジカルボン酸ジエステルのトランス純度は上記の範囲である。
トランス純度が51%未満であると広分子量分布化の効果、活性、立体特異性等が不充分となることがある。また、トランス純度が79%を超えると広分子量分布化の効果が不充分となることがある。すなわち、トランス純度が上記の範囲内であれば、得られる重合体の分子量分布を広げる効果と、触媒の活性や得られる重合体の高い立体規則性とを高いレベルで両立する上で有利なことが多い。
前記環状エステル化合物(b)としては、特には下記式(2a)で表わされるシクロアルカン-1,2-ジカルボン酸ジエステル構造を有する化合物が好ましく、特に、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジn-ブチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジ2-エチルヘキシル、
シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジヘプチル、
シクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘプタン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル
などが好ましい。
Figure 0005306225
〔式(2a)中の、n、R1は前記同様(すなわち、式(2)での定義と同様)であり、環状骨格中の単結合(ただしCa−Ca結合およびCa−Cb結合を除く。)は、二重結合に置き換えられていてもよい。〕
上記の化合物の中では、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジヘキシル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジへプチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジオクチル、
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジ2-エチルヘキシル
がさらに好ましい。その理由は、触媒性能だけでなく、これらの化合物がDiels Alder 反応を利用して比較的安価に製造できる点にある。
これらの化合物は、各々単独で用いてもよく各2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発明の目的を損なわない限り、これらの環状エステル化合物(a)および(b)と後述する触媒成分(c)とを組み合わせて用いてもよい。
環状エステル化合物(a)と環状エステル化合物(b)の組合せモル比(環状エステル化合物(a)/(環状エステル化合物(a)+環状エステル化合物(b))×100(モル%))は10モル%以上であることが好ましい。更に好ましくは、30モル%以上、特に好ましくは40モル%以上、特により好ましくは50モル%以上である。好ましい上限値は99モル%、好ましくは90モル%。より好ましくは85モル%、特に好ましくは80モル%である。
また環状エステル化合物(a)及び(b)は、固体状チタン触媒成分(I)を調製する過程で形成されてもよい。たとえば、固体状チタン触媒成分(I)を調製する際に、環状エステル化合物(a)及び(b)に対応する無水カルボン酸やカルボン酸ジハライドと、対応するアルコールとが実質的に接触する工程を設けることで、環状エステル化合物(a)および(b)を固体状チタン触媒成分中に含有させることもできる。
本発明のオレフィン重合体の製造方法では、分子量分布の広い重合体が得られる。この理由は現時点で不明であるが、下記のような原因が推定される。
環状炭化水素構造は、イス型、舟型など多彩な立体構造を形成することが知られている。更に、環状構造に置換基を有すると、取りうる立体構造のバリエーションは更に増大する。また、環状エステル化合物の環状骨格を形成する炭素原子のうちの、エステル基(COOR1基)が結合した炭素原子とエステル基(COOR1基)が結合した他の炭素原子との間の結合が単結合であれば、取りうる立体構造のバリエーションが広がる。この多彩な立体構造を取りうることが、固体状チタン触媒成分(I)上に多彩な活性種を形成することに繋がる。その結果、固体状チタン触媒成分(I)を用いてオレフィンの重合を行うと、多様な分子量のオレフィン重合体を一度に製造することができる、即ち分子量分布の広いオレフィン重合体を製造することができる。
本発明の固体状チタン触媒成分(I)は、広範囲の環状エステル化合物(a)の組合せモル比の条件で、即ち固体状チタン触媒成分(I)の環状エステル化合物(a)の含有量が低くても極めて分子量分布の広いオレフィン重合体を与えることが出来る。この効果の要因は不明であるが、本発明者らは以下のように推測している。
環状エステル化合物(a)は置換基Rの存在により環状エステル化合物(b)に比して形成し得る立体構造のバリエーションが極めて多いことは自明である。このため、分子量分布については環状エステル化合物(a)の影響が支配的になり、組合せモル比が低くても極めて広い分子量分布のオレフィン重合体を与えることが出来ると考えられる。
一方、環状エステル化合物(a)と環状エステル化合物(b)とは比較的構造が似ているので、活性、立体規則性などの基本性能には互いの化合物の効果に影響を与え難い。 (構造が異なる化合物を用いると、活性、立体規則性等が激変したり、一方の化合物の効果が支配的になる例が多い。)
このため、本発明の固体状チタン触媒成分(I)は環状エステル化合物(a)の含有率が低くても極めて広い分子量分布かつ高い立体規則性を有するオレフィン重合体を高い活性で与えることが出来る。
本発明の固体状チタン触媒成分(I)の調製には、上記の環状エステル化合物(a)および(b)の他、マグネシウム化合物およびチタン化合物が用いられる。
<マグネシウム化合物>
このようなマグネシウム化合物としては、具体的には、
塩化マグネシウム、臭化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;
メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、フェノキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;
エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、2-エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;
フェノキシマグネシウムなどのアリーロキシマグネシウム;
ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩
などの公知のマグネシウム化合物を挙げることができる。
これらのマグネシウム化合物は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。またこれらのマグネシウム化合物は、他の金属との錯化合物、複化合物あるいは他の金属化合物との混合物であってもよい。
これらの中ではハロゲンを含有するマグネシウム化合物が好ましく、ハロゲン化マグネシウム、特に塩化マグネシウムが好ましく用いられる。他に、エトキシマグネシウムのようなアルコキシマグネシウムも好ましく用いられる。また、該マグネシウム化合物は、他の物質から誘導されたもの、たとえばグリニャール試薬のような有機マグネシウム化合物とハロゲン化チタンやハロゲン化珪素、ハロゲン化アルコールなどとを接触させて得られるものであってもよい。
<チタン化合物>
チタン化合物としては、たとえば一般式;
Figure 0005306225
(Rは炭化水素基であり、Xはハロゲン原子であり、gは0≦g≦4である。)
で示される4価のチタン化合物を挙げることができる。より具体的には、
TiCl4、TiBr4などのテトラハロゲン化チタン;
Ti(OCH3)Cl3、Ti(OC25)Cl3、Ti(O-n-C49)Cl3、Ti(OC25)Br3、Ti(O-isoC49)Br3などのトリハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)2Cl2、Ti(OC25)2Cl2などのジハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)3Cl、Ti(O-n-C49)3Cl、Ti(OC25)3Brなどのモノハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)4、Ti(OC25)4、Ti(OC49)4、Ti(O-2-エチルヘキシル)4などのテトラアルコキシチタン
などを挙げることができる。
これらの中で好ましいものは、テトラハロゲン化チタンであり、特に四塩化チタンが好ましい。これらのチタン化合物は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の様なマグネシウム化合物およびチタン化合物としては、たとえば前記特許文献1、特許文献2などに詳細に記載されている化合物も挙げることができる。
本発明の固体状チタン触媒成分(I)の調製には、環状エステル化合物(a)および(b)を使用する他は、公知の方法を制限無く使用することができる。具体的な好ましい方法としては、たとえば下記(P-1)〜(P-4)の方法を挙げることができる。
(P-1) マグネシウム化合物および触媒成分(c)からなる固体状付加物と、環状エステル化合物(a)および(b)と、液状状態のチタン化合物とを、不活性炭化水素溶媒共存下、懸濁状態で接触させる方法。
(P-2) マグネシウム化合物および触媒成分(c)からなる固体状付加物と、環状エステル化合物(a)および(b)と、液状状態のチタン化合物とを、複数回に分けて接触させる方法。
(P-3) マグネシウム化合物および触媒成分(c)からなる固体状付加物と、環状エステル化合物(a)および(b)と、液状状態のチタン化合物とを、不活性炭化水素溶媒共存下、懸濁状態で接触させ、且つ複数回に分けて接触させる方法。
(P-4) マグネシウム化合物および触媒成分(c)からなる液状状態のマグネシウム化合物と、液状状態のチタン化合物と、環状エステル化合物(a)および(b)とを接触させる方法。
固体状チタン触媒成分(I)の調製の際の好ましい反応温度は、−30℃〜150℃、より好ましくは−25℃〜130℃、更に好ましくは−25〜120℃の範囲である。
また上記の固体状チタン触媒成分の製造は、必要に応じて公知の媒体の存在下に行うこともできる。この媒体としては、やや極性を有するトルエンなどの芳香族炭化水素やヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサンなどの公知の脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素化合物が挙げられるが、これらの中では脂肪族炭化水素が好ましい例として挙げられる。
上記の範囲で製造された固体状チタン触媒成分(I)を用いてオレフィンの重合反応を行うと、広い分子量分布の重合体を得られる効果と、触媒の活性や得られる重合体の高い立体規則性とをより高いレベルで両立することが出来る。
(触媒成分(c))
上記の固体状付加物や液状状態のマグネシウム化合物の形成に用いられる触媒成分(c)としては、室温〜300℃程度の温度範囲で上記のマグネシウム化合物を可溶化できる公知の化合物が好ましく、たとえばアルコール、アルデヒド、アミン、カルボン酸およびこれらの混合物などが好ましい。これらの化合物としては、たとえば前記特許文献1や特許文献2に詳細に記載されている化合物を挙げることができる。
上記のマグネシウム化合物可溶化能を有するアルコールとして、より具体的には
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、2-メチルペンタノール、2-エチルブタノール、n-ヘプタノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、デカノール、ドデカノールのような脂肪族アルコール;
シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールのような脂環族アルコール;
ベンジルアルコール、メチルベンジルアルコールなどの芳香族アルコール;
n-ブチルセルソルブなどのアルコキシ基を有する脂肪族アルコール
などを挙げることができる。
カルボン酸としては、カプリル酸、2-エチルヘキサノイック酸などの炭素数7以上の有機カルボン酸類を挙げることができる。アルデヒドとしては、カプリックアルデヒド、2-エチルヘキシルアルデヒドなどの炭素数7以上のアルデヒド類を挙げることができる。
アミンとしては、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、ラウリルアミン、2-エチルヘキシルアミンなどの炭素数6以上のアミン類を挙げることができる。
上記の触媒成分(c)としては、上記のアルコール類が好ましく、特にエタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、デカノールなどが好ましい。
上記の固体状付加物や液状状態のマグネシウム化合物を調製する際のマグネシウム化合物および触媒成分(c)の使用量については、その種類、接触条件などによっても異なるが、マグネシウム化合物は、該触媒成分(c)の単位容積あたり、0.1〜20モル/リットル、好ましくは、0.5〜5モル/リットルの量で用いられる。また、必要に応じて上記固体状付加物に対して不活性な媒体を併用することもできる。上記の媒体としては、ヘプタン、オクタン、デカンなどの公知の炭化水素化合物が好ましい例として挙げられる。
得られる固体状付加物や液状状態のマグネシウム化合物のマグネシウムと触媒成分(c)との組成比は、用いる化合物の種類によって異なるので一概には規定できないが、マグネシウム化合物中のマグネシウム1モルに対して、触媒成分(c)は、好ましくは2.0モル以上、より好ましくは2.2モル以上、さらに好ましくは2.3モル以上、特に好ましくは2.4モル以上、5モル以下の範囲である。
上記の様な環状エステル化合物(a)および(b)、触媒成分(c)は、当該業者では電子供与体と呼ばれる成分に属すると考えても差し支えない。上記の電子供与体成分は、触媒の高い活性を維持したまま、得られる重合体の立体規則性を高める効果や、得られる共重合体の組成分布を制御する効果や、触媒粒子の粒形や粒径を制御する凝集剤効果などを示すことが知られている。
上記の環状エステル化合物(a)は、それ自身が電子供与体であることによって、さらに分子量分布を制御する効果をも示していると考えられる。
本発明の固体状チタン触媒成分(I)において、ハロゲン/チタン(原子比)(すなわち、ハロゲン原子のモル数/チタン原子のモル数)は、2〜100、好ましくは4〜90であることが望ましく、
環状エステル化合物(a)/チタン(モル比)(すなわち、環状エステル化合物(a)のモル数/チタン原子のモル数)および環状エステル化合物(b)/チタン(モル比)(すなわち、環状エステル化合物(b)のモル数/チタン原子のモル数)は、0.01〜100、好ましくは0.2〜10であることが望ましく、
触媒成分(c)は、触媒成分(c)/チタン原子(モル比)は0〜100、好ましくは0〜10であることが望ましい。
ここで、環状エステル化合物(a)と環状エステル化合物(b)の好ましい比率としては、100 × 環状エステル化合物(a)/(環状エステル化合物(a)+環状エステル化合物(b))の値(モル%)の下限が10モル%、好ましくは30モル%、より好ましくは40モル%、特により好ましくは50モル%であり、上限は99モル%、好ましくは90モル%、より好ましくは85モル%、特に好ましくは80モル%である。
マグネシウム/チタン(原子比)(すなわち、マグネシウム原子のモル数/チタン原子のモル数)は、2〜100、好ましくは4〜50であることが望ましい。
また、前述した環状エステル化合物(a)および(b)以外に含まれても良い成分、たとえば触媒成分(c)の含有量は、好ましくは環状エステル化合物(a)および(b)100重量%に対して20重量%以下であり、より好ましくは10重量%以下である。
固体状チタン触媒成分(I)のより詳細な調製条件として、環状エステル化合物(a)および(b)を使用する以外は、たとえばEP585869A1(欧州特許出願公開第0585869号明細書)や前記特許文献2等に記載の条件を好ましく用いることができる。
[オレフィン重合用触媒]
本発明に係るオレフィン重合用触媒は、
上記の本発明に係る固体状チタン触媒成分(I)と、
周期表の第1族、第2族および第13族から選ばれる金属元素を含む有機金属化合物触媒成分(II)と
を含むことを特徴としている。
<有機金属化合物触媒成分(II)>
前記有機金属化合物触媒成分(II)としては、第13族金属を含む化合物、たとえば、有機アルミニウム化合物、第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物、第2族金属の有機金属化合物などを用いることができる。これらの中でも有機アルミニウム化合物が好ましい。
有機金属化合物触媒成分(II)としては具体的には、前記EP585869A1等の公知の文献に記載された有機金属化合物触媒成分を好ましい例として挙げることができる。
<電子供与体(III)>
また、本発明のオレフィン重合用触媒は、上記の有機金属化合物触媒成分(II)と共に、必要に応じて既述の電子供与体(III)を含んでいてもよい。電子供与体(III)として好ましくは、有機ケイ素化合物が挙げられる。この有機ケイ素化合物としては、たとえば下記一般式(3)で表される化合物を例示できる。
Figure 0005306225
(式中、RおよびR’は炭化水素基であり、nは0<n<4の整数である。)
上記のような一般式(3)で示される有機ケイ素化合物としては、具体的には、ジイソプロピルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジメトキシシラン、t-ブチルメチルジエトキシシラン、t-アミルメチルジエトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、t-ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリメトキシシラン、2-メチルシクロペンチルトリメトキシシラン、シクロペンチルトリエトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジエトキシシラン、トリシクロペンチルメトキシシラン、ジシクロペンチルメチルメトキシシラン、ジシクロペンチルエチルメトキシシラン、シクロペンチルジメチルエトキシシランなどが用いられる。
このうちビニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシランが好ましく用いられる。
また、国際公開第2004/016662号パンフレットに記載されている下記式(4)で表されるシラン化合物も前記有機ケイ素化合物の好ましい例である。
Figure 0005306225
式(4)中、Raは、炭素数1〜6の炭化水素基であり、Raとしては、炭素数1〜6の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基などが挙げられ、特に好ましくは炭素数2〜6の炭化水素基が挙げられる。具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられ、これらの中でもエチル基が特に好ましい。
式(4)中、Rbは、炭素数1〜12の炭化水素基または水素であり、Rbとしては、炭素数1〜12の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基または水素などが挙げられる。具体例としては水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、これらの中でもエチル基が特に好ましい。
式(4)中、Rcは、炭素数1〜12の炭化水素基であり、Rcとしては、炭素数1〜12の不飽和あるいは飽和脂肪族炭化水素基または水素などが挙げられる。具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、これらの中でもエチル基が特に好ましい。
上記式(4)で表される化合物の具体例としては、
ジメチルアミノトリエトキシシラン、
ジエチルアミノトリエトキシシラン、
ジエチルアミノトリメトキシシラン、
ジエチルアミノトリエトキシシラン、
ジエチルアミノトリn-プロポキシシラン、
ジ-n-プロピルアミノトリエトキシシラン、
メチル-n-プロピルアミノトリエトキシシラン、
t-ブチルアミノトリエトキシシラン、
エチル-n-プロピルアミノトリエトキシシラン、
エチル-iso-プロピルアミノトリエトキシシラン、
メチルエチルアミノトリエトキシシラン
が挙げられる。
また、前記有機ケイ素化合物の他の例としては、下記式(5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005306225
式(5)中、RNは、環状アミノ基であり、この環状アミノ基として、例えば、パーヒドロキノリノ基、パーヒドロイソキノリノ基、1,2,3,4-テトラヒドロキノリノ基、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリノ基、オクタメチレンイミノ基等が挙げられる。上記式(5)で表される化合物として具体的には、
(パーヒドロキノリノ)トリエトキシシラン、
(パーヒドロイソキノリノ)トリエトキシシラン、
(1,2,3,4-テトラヒドロキノリノ)トリエトキシシラン、
(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリノ)トリエトキシシラン、
オクタメチレンイミノトリエトキシシラン
等が挙げられる。
これらの有機ケイ素化合物は、2種以上組み合わせて用いることもできる。
また、電子供与体(III)として他に有用な化合物としては、芳香族カルボン酸エステルおよび/または複数の炭素原子を介して2個以上のエーテル結合を有する化合物であるポリエーテル化合物も好ましい例として挙げられる。
これらのポリエーテル化合物の中でも、1,3-ジエーテル類が好ましく、特に、2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)1,3-ジメトキシプロパンが好ましい。
これらの化合物は、単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
なお、本発明のオレフィン重合用触媒は、上記のような各成分以外にも必要に応じてオレフィン重合に有用な他の成分を含んでいてもよい。この他の成分としては、たとえば、シリカなどの担体、帯電防止剤等、粒子凝集剤、保存安定剤などが挙げられる。
[オレフィンの重合体の製造方法]
本発明に係るオレフィン重合体の製造方法は、本発明のオレフィン重合用触媒を用いてオレフィン重合を行うことを特徴としている。本発明において、「重合」には、ホモ重合の他、ランダム共重合、ブロック共重合などの共重合の意味が含まれることがある。
本発明のオレフィン重合体の製造方法では、本発明のオレフィン重合用触媒の存在下にα-オレフィンを予備重合(prepolymerization)させて得られる予備重合触媒の存在下で、本重合(polymerization)を行うことも可能である。この予備重合は、オレフィン重合用触媒1g当り0.1〜1000g好ましくは0.3〜500g、特に好ましくは1〜200gの量でα-オレフィンを予備重合させることにより行われる。
予備重合では、本重合における系内の触媒濃度よりも高い濃度の触媒を用いることができる。
予備重合における前記固体状チタン触媒成分(I)の濃度は、液状媒体1リットル当り、チタン原子換算で、通常約0.001〜200ミリモル、好ましくは約0.01〜50ミリモル、特に好ましくは0.1〜20ミリモルの範囲とすることが望ましい。
予備重合における前記有機金属化合物触媒成分(II)の量は、固体状チタン触媒成分(I)1g当り0.1〜1000g、好ましくは0.3〜500gの重合体が生成するような量であればよく、固体状チタン触媒成分(I)中のチタン原子1モル当り、通常約0.1〜300モル、好ましくは約0.5〜100モル、特に好ましくは1〜50モルの量であることが望ましい。
予備重合では、必要に応じて前記電子供与体(III)等を用いることもでき、この際これらの成分は、前記固体状チタン触媒成分(I)中のチタン原子1モル当り、0.1〜50モル、好ましくは0.5〜30モル、さらに好ましくは1〜10モルの量で用いられる。
予備重合は、不活性炭化水素媒体にオレフィンおよび上記の触媒成分を加え、温和な条件下に行うことができる。
この場合、用いられる不活性炭化水素媒体としては、具体的には、
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;
シクロヘプタン、シクロヘプタン、メチルシクロヘプタン、4-シクロヘプタン、4-シクロヘプタン、メチル4-シクロヘプタンなどの脂環族炭化水素;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;
エチレンクロリド、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、
あるいはこれらの混合物などを挙げることができる。
これらの不活性炭化水素媒体のうちでは、特に脂肪族炭化水素を用いることが好ましい。このように、不活性炭化水素媒体を用いる場合、予備重合はバッチ式で行うことが好ましい。
一方、オレフィン自体を溶媒として予備重合を行うこともできるし、また実質的に溶媒のない状態で予備重合することもできる。この場合には、予備重合を連続的に行うのが好ましい。
予備重合で使用されるオレフィンは、後述する本重合で使用されるオレフィンと同一であっても、異なっていてもよく、具体的には、プロピレンであることが好ましい。
予備重合の際の温度は、通常約−20〜+100℃、好ましくは約−20〜+80℃、さらに好ましくは0〜+40℃の範囲であることが望ましい。
次に、前記の予備重合を経由した後に、あるいは予備重合を経由することなく実施される本重合(polymerization)について説明する。
本重合(polymerization)において使用することができる(すなわち、重合される)オレフィンとしては、炭素原子数が3〜20のα-オレフィン、たとえば、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの直鎖状オレフィンや、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン等の分岐状オレフィンを挙げることができ、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテンが好ましい。また、剛性の高い樹脂において分子量分布の広い重合体のメリットが発現し易い観点から、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテンが特に好ましい。
これらのα-オレフィンと共に、エチレンやスチレン、アリルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;ビニルシクロヘキサン、ビニルシクロヘプタン等の脂環族ビニル化合物を用いることもできる。更に、シクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、テトラシクロドデセン、イソプレン、ブタジエンなどのジエン類などの共役ジエンや非共役ジエンのような多不飽和結合を有する化合物をエチレン、α-オレフィンとともに重合原料として用いることもできる。これらの化合物を1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。(以下、上記のエチレンあるいは「炭素原子数が3〜20のα-オレフィン」と共に用いられるオレフィンを「他のオレフィン」ともいう。)
上記他のオレフィンの中では、エチレンや芳香族ビニル化合物が好ましい。また、オレフィンの総量100重量%のうち、少量、たとえば10重量%以下、好ましくは5重量%以下の量であれば、エチレン等の他のオレフィンが併用されてもよい。
本発明では、予備重合および本重合は、バルク重合法、溶解重合、懸濁重合などの液相重合法あるいは気相重合法のいずれにおいても実施できる。
本重合がスラリー重合の反応形態を採る場合、反応溶媒としては、上述の予備重合時に用いられる不活性炭化水素を用いることもできるし、反応温度において液体であるオレフィンを用いることもできる。
本発明の重合体の製造方法における本重合においては、前記固体状チタン触媒成分(I)は、重合容積1リットル当りチタン原子に換算して、通常は約0.0001〜0.5ミリモル、好ましくは約0.005〜0.1ミリモルの量で用いられる。また、前記有機金属化合物触媒成分(II)は、重合系中の予備重合触媒成分中のチタン原子1モルに対し、通常約1〜2000モル、好ましくは約5〜500モルとなるような量で用いられる。前記電子供与体(III)は、使用される場合であれば、前記有機金属化合物触媒成分(II)1モルに対して、0.001〜50モル、好ましくは0.01〜30モル、特に好ましくは0.05〜20モルの量で用いられる。
本重合を水素の存在下に行えば、得られる重合体の分子量を調節することができ、メルトフローレートの大きい重合体が得られる。
本発明における本重合において、オレフィンの重合温度は、通常、約20〜200℃、好ましくは約30〜100℃、より好ましくは50〜90℃である。圧力は、通常、常圧〜100kgf/cm(9.8MPa)、好ましくは約2〜50kgf/cm(0.20〜4.9MPa)に設定される。本発明の重合体の製造方法においては、重合を、回分式、半連続式、連続式の何れの方法においても行うことができる。さらに重合を、反応条件を変えて二段以上に分けて行うこともできる。このような多段重合を行えば、オレフィン重合体の分子量分布を更に広げることが可能である。
このようにして得られたオレフィンの重合体は、単独重合体、ランダム共重合体およびブロック共重合体などのいずれであってもよい。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いてオレフィンの重合、特にプロピレンの重合を行うと、デカン不溶成分含有率が70%以上、好ましくは85%以上、特に好ましくは90%以上である立体規則性の高いプロピレン系重合体が得られる。
さらに本発明のオレフィン重合体の製造方法によれば、多段重合を行わなくても、少ない段数の重合、例えば単段重合でも、分子量分布の広いポリオレフィン、特にポリプロピレンを得ることができる。本発明のオレフィン重合体の製造方法においては、特に、メルトフローレート(MFR)が同等である従来のオレフィン重合体よりも、分子量の高い成分の比率が従来に比して高く、かつ(特にベタ成分と呼ばれる)分子量の低い成分の比率が低いオレフィン重合体が得られる場合が多いことが特徴である。この特徴は、後述するゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により確認することができ、Mw/Mn値およびMz/Mw値の両方が高い重合体を得ることができる。
従来のマグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を含む固体状チタン触媒成分を用いて得られるポリプロピレンは、たとえばMFRが1〜10g/10分の領域では、GPC測定で求められる分子量分布の指標であるMw/Mn値が5以下、Mz/Mw値は4未満となることが一般的であったが、本発明のオレフィン重合体の製造方法を用いると、上記の同様の重合条件でMw/Mn値が6〜30、好ましくは7〜20のオレフィン重合体を得ることができる。また好ましくはMz/Mw値が4〜15、より好ましくは4.5〜10のオレフィン重合体を得ることができる。特に、本発明のオレフィンの重合体の製造方法によれば、Mz/Mw値の高い重合体が得られることが多い。Mz/Mn値の上限は、好ましくは300、より好ましくは250、特に好ましくは200である。特に、前記ポリプロピレン樹脂の製造方法では、Mz/Mw値、Mz/Mn値の高い重合体が得られることが多い。
Mw/Mn値が高いポリプロピレンは、成形性や剛性に優れることが当該業者では常識とされている。一方、Mz/Mw値が高いことは、分子量の高い成分の含有比率が高いことを表しており、得られるポリプロピレンの溶融張力が高く、成形性に優れる可能性が高いことが予想される。
本発明のオレフィンの重合体の製造方法を用いれば、多段重合を行わなくても分子量分布の広い重合体を得ることができるので、重合体製造装置をよりシンプルにする事ができる可能性がある。また、従来の多段重合法に適用すると、より溶融張力や成形性に優れた重合体を得ることができることが予想される。
分子量分布の広い重合体を得る他の方法としては、分子量の異なる重合体を溶解混合や、溶融混練する方法もあるが、これらの方法により得られる重合体は、作業が比較的煩雑な割には、溶融張力や成形性の向上が充分でない場合がある。これは分子量の異なる重合体は基本的に混ざり難い為と推定されている。一方、本発明のオレフィンの重合体の製造方法で得られる重合体は、触媒レベル、即ちナノレベルで、極めて広い範囲の分子量の異なる重合体が混合しているので、溶融張力が高く、成形性に優れていることが予想される。
さらに、本発明のオレフィンの重合体の製造方法は、立体規則性が制御されたオレフィン重合体が得られるという特徴を有する。この特徴は、後述するデカン可溶成分量の測定において、デカン可溶成分量の少ないオレフィン重合体を得ることができるという事実より確認することができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下の実施例において、プロピレン重合体の嵩比重、メルトフローレート、デカン可溶(不溶)成分量、分子量分布等は下記の方法によって測定した。
(1)嵩密度(BD):
JIS K-6721に従って測定した。
(2)メルトフローレート(MFR):
ASTM D1238Eに準拠し、測定温度は230℃とした。
(3)デカン可溶(不溶)成分量:
ガラス製の測定容器にプロピレン重合体約3グラム(10-4グラムの単位まで測定した。また、この重量を、下式においてb(グラム)と表した。)、デカン500ml、およびデカンに可溶な耐熱安定剤を少量装入し、窒素雰囲気下、スターラーで撹拌しながら2時間で150℃に昇温してプロピレン重合体を溶解させ、150℃で2時間保持した後、8時間掛けて23℃まで徐冷した。得られたプロピレン重合体の析出物を含む液を、磐田ガラス社製25G-4規格のグラスフィルターにて減圧濾過した。濾液の100mlを採取し、これを減圧乾燥してデカン可溶成分の一部を得、この重量を10-4グラムの単位まで測定した(この重量を、下式においてa(グラム)と表した。)。この操作の後、デカン可溶成分量を下記式によって決定した。
デカン可溶成分含有率=100 × (500 × a) / (100 × b)
デカン不溶成分含有率=100 − 100 × (500 × a) / (100 × b)
(4)分子量分布:
液体クロマトグラフ : Waters製 ALC/GPC 150-C plus型 (示唆屈折計検出器一体型)
カラム : 東ソー株式会社製 GMH6-HT×2本およびGMH6-HTL×2本を直列接続した。
移動相媒体 : o-ジクロロベンゼン
流速 : 1.0ml/分
測定温度 : 140℃
検量線の作成方法 : 標準ポリスチレンサンプルを使用した
サンプル濃度 : 0.10%(w/w)
サンプル溶液量 : 500μl
の条件で測定し、得られたクロマトグラムを公知の方法によって解析することでMw/Mn値およびMz/Mw値を算出した。1サンプル当たりの測定時間は60分であった。
[実施例1]
(固体状チタン触媒成分(α1)の調製)
内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業製)を充分窒素置換した後、この装置に精製デカン700ml、市販塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよび商品名レオドールSP-S20(花王(株)製ソルビタンジステアレート)3gを入れ、この懸濁液を撹拌しながら系を昇温し、懸濁液を120℃にて800rpmで30分撹拌した。次いでこの懸濁液を、沈殿物が生じないように高速撹拌しながら、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め−10℃に冷却された精製デカン1リットルを張り込んである2リットルのガラスフラスコ(撹拌機付)に移した。移液により生成した固体を濾過し、精製n-ヘプタンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウム1モルに対してエタノールが2.8モル配位した固体状付加物を得た。
デカンで懸濁状にした、マグネシウム原子に換算して23ミリモルの上記固体状付加物を、−20℃に保持した四塩化チタン100ml中に、撹拌下、全量導入して混合液を得た。この混合液を5時間かけて80℃に昇温し、80℃に達したところで、3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物;DMCHIBU)を、固体状付加物のマグネシウム原子1モルに対して0.14モルの割合の量で添加し、40分間で120℃まで昇温した。120℃に到達したところで更にシクロヘキサン1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を固体状付加物のマグネシウム原子1モルに対して0.035モルの割合の量で添加し、温度を120℃で90分間撹拌しながら保持することによりこれらを反応させた。
90分間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を100mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、昇温して130℃に達したところで、45分間撹拌しながら保持することによりこれらを反応させた。45分間の反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、100℃のデカンおよびヘプタンで、洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。
以上の操作によって調製した固体状チタン触媒成分(α1)はデカンスラリーとして保存したが、この内の一部を、触媒組成を調べる目的で乾燥した。
(本重合)
内容積2リットルの重合器に、室温で500gのプロピレンおよび水素1NLを加えた後、トリエチルアルミニウムを0.5ミリモル、シクロヘキシルメチルジメトキシシランを0.1ミリモル、および固体状チタン触媒成分(α1)をチタン原子換算で0.004ミリモル加え、速やかに重合器内を70℃まで昇温した。70℃で1時間重合した後、少量のメタノールにて反応停止し、プロピレンをパージした。更に得られた重合体粒子を80℃で一晩、減圧乾燥した。
触媒の活性、得られた重合体のMFR、デカン不溶成分量、嵩比重、分子量分布(Mw/Mn、Mz/Mw)を表1に示した。
[実施例2]
(固体状チタン触媒成分(α2)の調製)
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を0.13モル、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を0.04モル添加した以外は実施例1と同様にして、固体状チタン触媒成分(α2)を得た。
(本重合)
固体状チタン触媒成分(α1)に替えて固体状チタン触媒成分(α2)を用いた以外は実施例1と同様にプロピレンの重合を行った。結果を表1に示した。
[実施例3]
(固体状チタン触媒成分(α3)の調製)
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を0.12モル、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を0.06モル添加した以外は実施例1と同様にして、固体状チタン触媒成分(α3)を得た。
(本重合)
固体状チタン触媒成分(α3)を用いた以外は実施例1と同様にプロピレンの重合を行った。結果を表1に示した。
[実施例4]
(固体状チタン触媒成分(α4)の調製)
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を0.09モル、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を0.09モル添加した以外は実施例1と同様にして、固体状チタン触媒成分(α4)を得た。
(本重合)
固体状チタン触媒成分(α4)を用いた以外は実施例1と同様にプロピレンの重合を行った。結果を表1と表2に示した。
[比較例1]
(固体状チタン触媒成分(β1)の合成)
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を0.175モル、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)は添加しないこと以外は実施例1と同様にして、固体状チタン触媒成分(β1)を得た。
(本重合)
固体状チタン触媒成分(β1)を用いた以外は実施例1と同様にプロピレンの重合を行った。結果を表1と表2に示した。
[比較例2]
(固体状チタン触媒成分(β2)の合成)
シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)のかわりに80℃で0.175モル添加し、120℃では添加しないこと以外は実施例1と同様にして、固体状チタン触媒成分(β2)を得た。
(本重合)
固体状チタン触媒成分(β2)を用いた以外は実施例1と同様にプロピレンの重合を行った。結果を表1に示した。
[比較例3]
(固体状チタン触媒成分(β3)の調製)
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を0.13モル、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)のかわりに,2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパンを0.04モル添加したこと以外は実施例1と同様にして、固体状チタン触媒成分(β3)を得た。
(本重合)
固体状チタン触媒成分(β3)を用いた以外は実施例1と同様にプロピレンの重合を行った。結果を表1に示した。
[比較例4]
(固体状チタン触媒成分(β4)の調製)
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を0.12モル、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)のかわりに2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパンを0.06モル添加したこと以外は実施例1と同様にして、固体状チタン触媒成分(β4)を得た。
(本重合)
固体状チタン触媒成分(β4)を用いた以外は実施例1と同様にプロピレンの重合を行った。結果を表1に示した。
[比較例5]
(固体状チタン触媒成分(β5)の調製)
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を0.13モル、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)のかわりにジイソブチルフタレートを0.04モル添加したこと以外は実施例1と同様にして、固体状チタン触媒成分(β5)を得た。
(本重合)
固体状チタン触媒成分(β5)を用いた以外は実施例1と同様にプロピレンの重合を行った。結果を表1に示した。
[比較例7]
(固体状チタン触媒成分(β6)の調製)
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)のかわりにジイソブチルフタレートを0.15モル添加し、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を添加しないこと以外は実施例1と同様にして、固体状チタン触媒成分(β6)を得た。
(本重合)
固体状チタン触媒成分(β6)を用いた以外は実施例1と同様にプロピレンの重合を行った。結果を表1に示した。
[比較例7]
(固体状チタン触媒成分(β7)の調製)
3,6-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)のかわりに2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパンを0.15モル添加し、シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸ジイソブチル(シス体、トランス体混合物)を添加しないこと以外は実施例1と同様にして、固体状チタン触媒成分(β7)を得た。
(本重合)
固体状チタン触媒成分(β7)を用いた以外は実施例1と同様にプロピレンの重合を行った。結果を表1に示した。
[実施例5]
(本重合)
固体状チタン触媒成分(α4)を使用し、シクロヘキシルメチルジメトキシシランの代わりにジシクロペンチルジメトキシシランを用いた以外は実施例1と同様にプロピレンの重合を行った。結果を表2に示した。
[実施例6]
(固体状チタン触媒成分(α5)の調製)
無水塩化マグネシウム75g、デカン280.3gおよび2−エチルヘキシルアルコール308.3gを130℃で3時間加熱反応させて均一溶液とした後、この溶液中にエチルベンゾエート17.7gを添加し、さらに130℃にて1時間撹拌混合を行った。
このようにして得られた均一溶液を室温まで冷却した後、この均一溶液38mlを−24℃に保持した四塩化チタン100ml中に撹拌回転数200rpmでの撹拌下45分間にわたって全量滴下装入した。装入終了後、この混合液の温度を4.6時間かけて80℃に昇温し、80℃になったところで混合液中に3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル(シス、トランス体混合物)をMg原子の0.0875モル倍添加し、再び昇温を行い、120℃に達したところで今度はシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチルをMg原子の0.0625モル倍添加した。その後、この温度で35分間維持した。反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を100mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、再び120℃で35分、加熱反応を行った。反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、100℃デカンおよびヘキサンで洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。以上の操作によって調製した固体状チタン触媒成分[α5]はデカンスラリーとして保存したが、この内の一部を、触媒組成を調べる目的で乾燥した。このようにして得られた固体状チタン触媒成分[α5]の組成はチタン3.0質量%,マグネシウム18質量%,3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル8.6質量%、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル4.2質量%および2-エチルヘキシルアルコール残基0.6質量%であった。
(本重合)
内容積2リットルの重合器に、室温で500gのプロピレンおよび水素1NLを加えた後、トリエチルアルミニウム0.5ミリモル、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.1ミリモル、および固体状チタン触媒成分(α5)をチタン原子換算で0.004ミリモルを加え、速やかに重合器内を70℃まで昇温した。70℃で1時間重合した後、少量のメタノールにて反応停止し、プロピレンをパージした。さらに得られた重合体粒子を80℃で一晩、減圧乾燥した。活性、MFR、デカン不溶成分量、嵩比重、分子量分布(Mw/Mn、Mz/Mw)を表2に示した。
[実施例7]
(本重合)
シクロヘキシルメチルジメトキシシランの代わりにジシクロペンチルジメトキシシランを用いた以外は実施例6と同様にプロピレンの重合を行った。結果を表2に示した。
[比較例8]
(本重合)
固体状チタン触媒成分(β2)を使用し、シクロヘキシルメチルジメトキシシランの代わりにジシクロペンチルジメトキシシランを用いた以外は実施例1と同様にプロピレンの重合を行った。結果を表2に示した。
[比較例9]
(固体状チタン触媒成分(β9)の調製)
無水塩化マグネシウム75g、デカン280.3gおよび2−エチルヘキシルアルコール308.3gを130℃で3時間加熱反応させて均一溶液とした後、この溶液中にエチルベンゾエート17.7gを添加し、さらに130℃にて1時間撹拌混合を行った。
このようにして得られた均一溶液を室温まで冷却した後、この均一溶液38mlを−24℃に保持した四塩化チタン100ml中に撹拌回転数200rpmでの撹拌下45分間にわたって全量滴下装入した。装入終了後、この混合液の温度を4.6時間かけて80℃に昇温し、80℃になったところで混合液中に3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル(シス、トランス体混合物)をMg原子の0.15モル倍添加し、再び昇温を行い、120℃に達したところで、この温度を35分間維持した。反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、この固体部を100mlの四塩化チタンにて再懸濁させた後、再び120℃で35分、加熱反応を行った。反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、100℃デカンおよびヘキサンで洗液中に遊離のチタン化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。以上の操作によって調製した固体状チタン触媒成分[β9]はデカンスラリーとして保存したが、この内の一部を、触媒組成を調べる目的で乾燥した。このようにして得られた固体状チタン触媒成分[β9]の組成はチタン2.8質量%,マグネシウム17質量%,3,6−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジイソブチル11.5質量%および2-エチルヘキシルアルコール残基0.6質量%であった。
(本重合)
内容積2リットルの重合器に、室温で500gのプロピレンおよび水素1NLを加えた後、トリエチルアルミニウム0.5ミリモル、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン0.1ミリモル、および固体状チタン触媒成分(β9)をチタン原子換算で0.004ミリモルを加え、速やかに重合器内を70℃まで昇温した。70℃で1時間重合した後、少量のメタノールにて反応停止し、プロピレンをパージした。さらに得られた重合体粒子を80℃で一晩、減圧乾燥した。活性、MFR、デカン不溶成分量、嵩比重、分子量分布(Mw/Mn、Mz/Mw)を表2に示した。
[比較例10]
(本重合)
固体状チタン触媒成分(β9)を使用し、シクロヘキシルメチルジメトキシシランの代わりにジシクロペンチルジメトキシシランを用いた以外は比較例9と同様にプロピレンの重合を行った。結果を表2に示した。
Figure 0005306225
















Figure 0005306225

Claims (4)

  1. チタン、マグネシウム、ハロゲンおよび下記式(1)で特定される環状エステル化合物(a)と下記式(2)で特定される環状エステル化合物(b)を含むことを特徴とするオレフィン重合体製造用固体状チタン触媒成分(I);
    Figure 0005306225
    式(1)において、nはである
    式(1a)において環状骨格中の炭素原子間結合はすべて単結合である。
    1は、それぞれ独立に炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。
    複数個あるRは、それぞれ独立に水素原子、および炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる原子または基であり、少なくとも1つのRは水素原子ではない
    Figure 0005306225
    式(2)において、nはである
    式(2a)において環状骨格中の炭素原子間結合はすべて単結合である。
    1は、それぞれ独立に炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。
  2. 請求項1に記載のオレフィン重合体製造用固体状チタン触媒成分(I)と、
    周期表の第1族、第2族および第13族から選ばれる金属原子を含む有機金属化合物(II)とを含むオレフィン重合用触媒。
  3. さらに電子供与体(III)を含むことを特徴とする請求項に記載のオレフィン重合用触媒。
  4. 請求項またはに記載のオレフィン重合用触媒の存在下にオレフィンの重合を行うことを特徴とするオレフィン重合方法。
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