JP3088164B2 - プロピレン系ブロック共重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレン系ブロック共重合体の製造方法

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JP3088164B2 JP03338979A JP33897991A JP3088164B2 JP 3088164 B2 JP3088164 B2 JP 3088164B2 JP 03338979 A JP03338979 A JP 03338979A JP 33897991 A JP33897991 A JP 33897991A JP 3088164 B2 JP3088164 B2 JP 3088164B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、プロピレン系ブロック共
重合体の製造方法に関し、さらに詳しくは、剛性、耐熱
性に優れるとともに耐衝撃性などにも優れたプロピレン
系ブロック共重合体の製造方法に関する。なお本発明に
おいて、「重合」という語は単独重合だけでなく共重合
をも包含している意味で用いられることがあり、また
「重合体」という語は単独重合体だけでなく共重合体を
も包含した意味で用いられることがある。
【0002】
【発明の技術的背景】周期律表のIV〜VI族の遷移金属化
合物と、I〜III族の金属の有機金属化合物とからな
る、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒によってプロピレ
ンを重合してポリプロピレンが得られることはよく知ら
れている。
【0003】ところで、上記のようなチーグラー系触媒
を用いて得られるポリプロピレンは剛性、耐熱性に優れ
ているが耐衝撃性が低いという問題点があった。このた
め、従来はポリプロピレンとエチレン/プロピレン共重
合体等のゴムとを混練したり、またプロピレンを重合さ
せてポリプロピレンを製造した後に、エチレンとプロピ
レン等とを共重合させるいわゆるブロック共重合を行な
うことにより、耐衝撃性に優れたプロピレン系重合体を
得ていた。特に後者の方法で得られるプロピレン系ブロ
ック共重合体は、一般的に該共重合体中でのゴム成分の
分散性がよく、耐衝撃性に優れており、自動車のバンパ
ー材などの用途に広く用いられている。
【0004】このようなプロピレン系ブロック共重合体
は、該共重合体のゴム成分(本発明においては23℃n-
デカン可溶成分のことを指す) の分子量を高くすればよ
り一層剛性、耐熱性、耐衝撃性が向上することが知られ
ている。しかしながら従来技術では、プロピレン系ブロ
ック共重合体のゴム成分の分子量を高めることが困難で
あった。
【0005】さらにプロピレン系ブロック共重合体を連
続重合で製造する場合には、ポリプロピレンを製造する
際に連鎖移動剤として使用される水素が、ゴム成分を製
造する際にも残存して、ゴム成分の分子量を低下させて
しまうという問題点があり、一方ポリプロピレンを製造
する際に水素を用いなければ、成形性に劣る重合体しか
得られないという問題があった。
【0006】このため、剛性、耐熱性のみならず耐衝撃
性にも優れる、高分子量ゴム成分含有プロピレン系ブロ
ック共重合体の出現が求められていた。本発明者らは、
上記従来技術に鑑みて研究した結果、高分子量のゴム成
分を含有し、剛性、耐熱性に優れるとともに耐衝撃性に
も優れるプロピレン系ブロック共重合体が、特定のシラ
ン化合物を含む触媒を用いて、プロピレンの重合を行っ
た後、得られたポリプロピレンと前記のシラン化合物と
は異なる特定のシラン化合物の存在下、2種以上のオレ
フィンの共重合を行うことによって得られることを見出
し、本発明を完成した。
【0007】
【発明の目的】本発明は、剛性、耐熱性に優れるととも
に耐衝撃性にも優れるプロピレン系ブロック共重合体の
製造方法を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係るプロピレン系ブロック共重
合体の製造方法は、[A]マグネシウム、チタン、ハロ
ゲンおよび電子供与体(a)を必須成分として含有する固
体状チタン触媒成分と、[B]有機金属触媒成分と、
[C]下記式(1) R1 n−Si−OR2 4-n …(1) (ただし式(1)中、R1は、炭素数1〜3の飽和また
は不飽和脂肪族炭化水素基であり、R2は、炭素数1〜
4の炭化水素基であり、nは1または2である。)で示
される電子供与体とを含むオレフィン重合用触媒の存在
下にプロピレンの重合させた後、得られるポリプロピレ
ンおよび[D]下記式(2)で示される電子供与体の存
在下に、炭素数2以上のα−オレフィンから選ばれる少
なくとも2種のα−オレフィンを共重合させることを特
徴としている;
【0009】
【化2】
【0010】(ただし、式(2)中、R3は、シクロペ
ンチル基、置換シクロペンチル基、シクロペンテニル
基、置換シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル
基、置換シクロペンタジエニル基あるいは3級炭化水素
基であり、R4は、炭素数1〜20の炭化水素基であ
り、R5およびR6はそれぞれ独立に、炭素数1〜4の炭
化水素基を示す。)。
【0011】
【発明の具体的説明】以下本発明に係るプロピレン系ブ
ロック共重合体の製造方法について具体的に説明する。
【0012】本発明においては、いわゆる多段重合法を
採用し、固体状チタン触媒成分[A]、有機金属化合物
触媒成分[B]、特定の電子供与体[C]を用いてプロ
ピレンの重合を行ない、その後に得られたポリプロピレ
ンおよび別種の特定の電子供与体[D]の存在下に、炭
素数2以上のα−オレフィンから選ばれる少なくとも2
種のα−オレフィンを共重合させてプロピレン系ブロッ
ク共重合体を製造している。
【0013】図1に本発明に係るプロピレン系ブロック
共重合体の製造方法のフローチャートの例を示す。本発
明ではまず、下記のようなオレフィン重合用触媒を用い
てポリプロピレンの製造を行なう。
【0014】このオレフィン重合用触媒は、[A]固体
状チタン触媒成分と、[B]有機金属触媒成分と、
[C]下記式(1)で示される電子供与体とからなる。
【0015】R1 n−Si−OR2 4-n …(1) (ただし式(1)中、R1は、炭素数1〜3の飽和また
は不飽和脂肪族炭化水素基であり、R2は、炭素数1〜
4の炭化水素基であり、nは1または2である。)本発
明で用いられる固体状チタン触媒成分[A]は、下記の
ようなマグネシウム化合物、チタン化合物および電子供
与体(a)を接触させることにより調製される。
【0016】固体状チタン触媒成分[A]の調製に用い
られるチタン化合物としては、具体的には、たとえば、
次式で示される4価のチタン化合物を挙げることができ
る。 Ti(OR)g4-g (Rは炭化水素基、Xはハロゲン原
子、0≦g≦4) このような化合物として、具体的には、TiCl4 、Ti
Br4 、TiI4 などのテトラハロゲン化チタン、Ti(O
CH3)Cl3 、Ti(OC25)Cl3 、Ti(On-C49)
Cl3 、Ti(OC25)Br3 、Ti(O-iso-C49)Br3
などのトリハロゲン化アルコキシチタン、Ti(OC
3)2Cl2 、Ti(OC25)2Cl2 、Ti(On-C49)
2Cl2 、Ti(OC25)2Br2などのジハロゲン化ジア
ルコキシチタン、Ti(OCH3)3Cl、Ti(OC25)3
Cl、Ti(On-C49)3Cl、Ti(OC25)3Br など
のモノハロゲン化トリアルコキシチタン、Ti(OCH3)
4 、Ti(OC25)4 、Ti(On-C49)4 、Ti(O-iso
-C49)4 、Ti(O-2-エチルヘキシル)4 などのテトラ
アルコキシチタンなどを例示することができる。
【0017】これらの中ではハロゲン含有チタン化合
物、好ましくはテトラハロゲン化チタンが好ましく、特
に好ましくは四塩化チタンが用いられる。これらチタン
化合物は単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わ
せて用いてもよい。さらにこれらのチタン化合物は、炭
化水素化合物あるいはハロゲン化炭化水素化合物などに
希釈して用いてもよい。
【0018】本発明において、固体状チタン触媒成分
[A]の調製に用いられるマグネシウム化合物として
は、還元能を有するマグネシウム化合物および還元能を
有しないマグネシウム化合物を挙げることができる。
【0019】ここで還元能を有するマグネシウム化合物
としては、たとえばマグネシウム−炭素結合あるいはマ
グネシウム−水素結合を有するマグネシウム化合物を挙
げることができる。
【0020】このような還元能を有するマグネシウム化
合物の具体的な例としては、ジメチルマグネシウム、ジ
エチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチ
ルマグネシウム、ジアミルマグネシウム、ジヘキシルマ
グネシウム、ジデシルマグネシウム、エチル塩化マグネ
シウム、プロピル塩化マグネシウム、ブチル塩化マグネ
シウム、ヘキシル塩化マグネシウム、アミル塩化マグネ
シウム、ブチルエトキシマグネシウム、エチルブチルマ
グネシウム、ブチルマグネシウムハイドライドなどを挙
げることができる。これらマグネシウム化合物は、単独
で用いることもできるし、2種以上を組み合わせて用い
ることもできる。また後述する有機金属化合物と錯化合
物を形成していてもよいし、液体であってもよく、固体
あってもよい。
【0021】還元能を有しないマグネシウム化合物の具
体的な例としては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウ
ム、沃化マグネシウム、弗化マグネシウムのようなハロ
ゲン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、エト
キシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネシウ
ム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マグネ
シウムのようなアルコキシマグネシウムハライド;フェ
ノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マグネ
シウムのようなアリロキシマグネシウムハライド;エト
キシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブト
キシマグネシウム、n-オクトキシマグネシウム、2-エチ
ルヘキソキシマグネシウムのようなアルコキシマグネシ
ウム;フェノキシマグネシウム、ジメチルフェノキシマ
グネシウムのようなアリロキシマグネシウム;ラウリン
酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムのようなマ
グネシウムのカルボン酸塩などを例示することができ
る。
【0022】これら還元能を有しないマグネシウム化合
物は、上述した還元能を有するマグネシウム化合物から
誘導した化合物あるいは触媒成分の調製時に誘導した化
合物であってもよい。還元能を有しないマグネシウム化
合物を、還元能を有するマグネシウム化合物から誘導す
るには、たとえば、還元能を有するマグネシウム化合物
を、ハロゲン、ポリシロキサン化合物やハロゲン含有シ
ラン化合物、ハロゲン含有アルミニウム化合物などのハ
ロゲン含有化合物、エステル、ケトン、アルデヒド、ア
ルコールもしくは他のOH基や活性な炭素・酸素結合を
有する化合物と接触させればよい。
【0023】なお本発明において、上記の還元能を有す
るマグネシウム化合物および還元能を有しないマグネシ
ウム化合物は、上記のマグネシウム化合物と他の金属と
の錯化合物、複化合物あるいは他の金属化合物との混合
物であってもよい。さらに、上記の化合物を2種以上組
み合わせて用いてもよい。
【0024】また上記のマグネシウム化合物は液状状態
で用いても固体状態で用いてもよく、固体の場合は後述
するアルコール類、カルボン酸類、アルデヒド類、アミ
ン類、金属酸エステル類などの電子供与体(a)を用いて
液状化することもできる。
【0025】固体状チタン触媒成分[A]の調製に用い
られるマグネシウム化合物としては、上述した以外にも
多くのマグネシウム化合物が使用できるが、最終的に得
られる固体状チタン触媒成分[A]中において、ハロゲ
ン含有マグネシウム化合物の形をとることが好ましく、
したがってハロゲンを含まないマグネシウム化合物を用
いる場合には、調製の途中でハロゲン含有化合物と接触
反応させることが好ましい。
【0026】本発明においては、これらの中でも、還元
能を有しないマグネシウム化合物が好ましく、特に好ま
しくはハロゲン含有マグネシウム化合物であり、これら
の中でも塩化マグネシウム、アルコキシ塩化マグネシウ
ム、アリロキシ塩化マグネシウムが好ましく用いられ
る。
【0027】本発明で用いられる固体状チタン触媒成分
[A]は、上記のようなマグネシウム化合物と、前述し
たようなチタン化合物および電子供与体(a)を接触させ
ることにより形成される。
【0028】固体状チタン触媒成分[A]の調製の際に
用いられる電子供与体(a)としては、具体的には下記の
ような化合物が挙げられる。メチルアミン、エチルアミ
ン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミ
ン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、トリブチルアミン、トリベンジルアミンなどのアミ
ン類;ピロール、メチルピロール、ジメチルピロールな
どのピロール類;ピロリン;ピロリジン;インドール;
ピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピル
ピリジン、ジメチルピリジン、エチルメチルピリジン、
トリメチルピリジン、フェニルピリジン、ベンジルピリ
ジン、塩化ピリジンなどのピリジン類;ピペリジン類、
キノリン類、イソキノリン類、などの含窒素環状化合
物;テトラヒドロフラン、1,4-シネオール、1,8-シネオ
ール、ピノールフラン、メチルフラン、ジメチルフラ
ン、ジフェニルフラン、ベンゾフラン、クマラン、フタ
ラン、テトラヒドロピラン、ピラン、ジヒドロピランな
どの環状含酸素化合物;メタノール、エタノール、プロ
パノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノー
ル、2-エチルヘキサノール、ドデカノール、オクタデシ
ルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコー
ル、フェニルエチルアルコール、クミルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、イソプロピルベンジルアルコー
ルなどの炭素数1〜18のアルコール類;フェノール、
クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピ
ルフェノール、ノニルフェノール、クミルフェノール、
ナフトールなどの低級アルキル基を有してもよい炭素数
6〜20のフェノール類;アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾ
フェノン、アセチルアセトン、ベンゾキノンなどの炭素
数3〜15のケトン類;アセトアルデヒド、プロピオン
アルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、
トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素数2〜1
5のアルデヒド類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シ
クロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草
酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メ
タクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサン
カルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、
安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチ
ル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息
香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、
トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メ
チル、マレイン酸n-ブチル、メチルマロン酸ジイソブチ
ル、シクロヘキセンカルボン酸ジn-ヘキシル、ナジック
酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジイソプロピル、フ
タル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジn-
ブチル、フタル酸ジ2-エチルヘキシル、γ−ブチロラク
トン、δ−バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸
エチルなどの炭素数2〜30の有機酸エステル;アセチ
ルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリ
ド、アニス酸クロリドなどの炭素数2〜15の酸ハライ
ド類;メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピル
エーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、アニソー
ル、ジフェニルエーテルエポキシ-p-メンタンなどの炭
素数2〜20のエーテル類;2-イソペンチル-2-イソプ
ロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-イソブチル-1,3-
ジメトキシプロパン、2,2-イソプロピル-1,3-ジメトキ
シプロパン、2-シクロヘキシルメチル-2-イソプロピル-
1,3-ジメトキシプロパン、2,2-イソペンチル-1,3-ジメ
トキシプロパン、2-イソブチル-2-イソプロピル-1,3-ジ
メトキシプロパン、2-シクロヘキシル-2-イソプロピル-
1,3-ジメトキシプロパン、2-シクロペンチル-2-イソプ
ロピル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロペンチ
ル-1,3-ジメトキシプロパン、1,2-ビス-メトキシメチル
-ビシクロ-2,2,1 -ヘプタン、ジフェニルジメトキシシ
ラン、イソプロピル-t-ブチルジメトキシシラン、2,2-
ジイソブチル-1,3-ジメトキシシクロヘキサン、2-イソ
ペンチル-2-イソプロピル-1,3-ジメトキシシクロヘキサ
ンなどのジエーテル類;酢酸アミド、安息香酸アミド、
トルイル酸アミドなどの酸アミド類;アセトニトリル、
ベンゾニトリル、トルニトリルなどのニトリル類;無水
酢酸、無水フタル酸、無水安息香酸などの酸無水物;チ
タン酸ブチル、チタン酸エチルなどの金属酸エステルな
どが用いられる。
【0029】また上記のようなチタン化合物、マグネシ
ウム化合物および電子供与体(a)を接触させる際に、下
記のような担体化合物を用い、担体担持型の[A]固体
状チタン触媒成分を調製することもできる。
【0030】このような担体化合物としては、Al
23、SiO2、B23、MgO、CaO、TiO2、Zn
O、ZnO2、SnO2、BaO、ThOおよびスチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体などを挙げることができる。こ
れらうちでも、SiO2、Al23、MgO、ZnO、Zn
2、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体などを好ま
しく挙げることができる。
【0031】固体状チタン触媒成分[A]を製造する方
法としては、チタン化合物、マグネシウム化合物および
電子供与体(a) から高活性チタン触媒成分を調製する公
知の方法を採用することができる。なお、上記の成分
は、反応助剤としてたとえば他のケイ素、リン、アルミ
ニウムなどを含む化合物の存在下に接触させてもよい。
【0032】これら固体状チタン触媒成分[A]の製造
方法を数例挙げて以下に簡単に述べる。 (1) マグネシウム化合物、電子供与体(a) および炭化水
素溶媒から成る溶液を、有機金属化合物と接触反応させ
て固体を析出させた後、または析出させながらチタン化
合物と接触反応させる方法。 (2) マグネシウム化合物と電子供与体(a) から成る錯体
を有機金属化合物と接触反応させた後チタン化合物を接
触反応させる方法。 (3) 無機担体と有機マグネシウム化合物との接触物に、
チタン化合物および電子供与体(a) を接触反応させる方
法。この際、予め該接触物をハロゲン含有化合物および
/または有機金属化合物と接触反応させてもよい。 (4) マグネシウム化合物、電子供与体(a) 、場合によっ
ては更に炭化水素溶媒を含む溶液と無機または有機担体
との混合物から、マグネシウム化合物の担持された無機
または有機担体を得、次いでチタン化合物を接触させる
方法。 (5) マグネシウム化合物、チタン化合物、電子供与体
(a) 、場合によっては更に炭化水素溶媒を含む溶液と無
機または有機担体との接触により、マグネシウム、チタ
ンの担持された固体状チタン触媒成分を得る方法。 (6) 液状状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有
チタン化合物、電子供与体(a) と接触反応させる方法。 (7) 液状状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有
化合物と接触反応後、チタン化合物を接触させる方法。
この際、任意の工程で電子供与体(a) を1回は用いる。 (8) アルコキシ基含有マグネシウム化合物をハロゲン含
有チタン化合物と接触反応する方法。この際、任意の工
程で電子供与体(a) を1回は用いる。 (9) アルコキシ基含有マグネシウム化合物および電子供
与体(a) から成る錯体をチタン化合物と接触反応する方
法。 (10)アルコキシ基含有マグネシウム化合物および電子供
与体(a) から成る錯体を有機金属化合物と接触後チタン
化合物と接触反応させる方法。 (11)マグネシウム化合物と、電子供与体(a) と、チタン
化合物とを任意の順序で接触、反応させる方法。この反
応は、各成分を電子供与体(a) および/または有機金属
化合物やハロゲン含有ケイ素化合物などの反応助剤で予
備処理してもよい。 (12)還元能を有しない液状のマグネシウム化合物と液状
チタン化合物とを、電子供与体(a) の存在下で反応させ
て固体状のマグネシウム・チタン複合体を析出させる方
法。 (13) (12)で得られた反応生成物に、チタン化合物をさ
らに反応させる方法。 (14) (11)あるいは(12)で得られる反応生成物に、電子
供与体(a) およびチタン化合物をさらに反応させる方
法。 (15)マグネシウム化合物と電子供与体(a) と、チタン化
合物とを粉砕して得られた固体状物を、ハロゲン、ハロ
ゲン化合物および芳香族炭化水素のいずれかで処理する
方法。なお、この方法においては、マグネシウム化合物
のみを、あるいはマグネシウム化合物と電子供与体(a)
とからなる錯化合物を、あるいはマグネシウム化合物と
チタン化合物を粉砕する工程を含んでもよい。また、粉
砕後に反応助剤で予備処理し、次いでハロゲンなどで処
理してもよい。反応助剤としては、有機金属化合物ある
いはハロゲン含有ケイ素化合物などが挙げられる。 (16)マグネシウム化合物を粉砕した後、チタン化合物と
接触・反応させる方法。この際、粉砕時および/または
接触・反応時に電子供与体(a) を1回は用いる。また反
応助剤を用いてもよい。 (17)上記(11)〜(16)で得られる化合物をハロゲンまたは
ハロゲン化合物または芳香族炭化水素で処理する方法。 (18)金属酸化物、有機マグネシウムおよびハロゲン含有
化合物との接触反応物を、電子供与体(a) およびチタン
化合物と接触させる方法。 (19)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシマグネシウ
ム、アリーロキシマグネシウムなどのマグネシウム化合
物を、チタン化合物および/またはハロゲン含有炭化水
素および電子供与体(a) と反応させる方法。 (20)マグネシウム化合物とアルコキシチタンとを少なく
とも含む炭化水素溶液、チタン化合物および電子供与体
(a) および好ましくはハロゲン含有ケイ素化合物などの
ハロゲン含有化合物とを反応させる方法。 (21)還元能を有しない液状状態のマグネシウム化合物と
有機金属化合物とを反応させて固体状のマグネシウム・
金属(アルミニウム)複合体を析出させ、次いで、電子
供与体(a) およびチタン化合物を反応させる方法。
【0033】固体状チタン触媒成分[A]を調製する際
に用いられる上記各成分の使用量は、調製方法によって
異なり一概に規定できないが、たとえばマグネシウム化
合物1モル当り、電子供与体(a)は0.01〜10モル、
好ましくは0.05〜5モルの量で用いられ、チタン化
合物は0.01〜1000モル、好ましくは0.1〜20
0モルの量で用いられる。
【0034】このようにして得られる固体状チタン触媒
成分[A]は、マグネシウム、チタン、ハロゲンおよび
電子供与体(a)を必須成分として含有している。この固
体状チタン触媒成分[A]において、ハロゲン/チタン
(原子比)は約2〜200、好ましくは約4〜100で
あり、前記電子供与体(a)/チタン(モル比)は約0.0
1〜100、好ましくは約0.05〜50であり、マグ
ネシウム/チタン(原子比)は約1〜100、好ましく
は約2〜50であることが望ましい。
【0035】次にオレフィン重合触媒を形成する有機金
属触媒成分[B]について説明する。本発明では有機金
属触媒成分[B]として、周期律表第I族〜第III族金
属の有機金属化合物が用いられ、具体的には、下記のよ
うな化合物が用いられる。 (1) R1 mAl(OR2npq (式中、R1およびR2は炭素原子を通常1〜15個、好
ましくは1〜4個含む炭化水素基であり、これらは互い
に同一でも異なってもよい。Xはハロゲン原子を表わ
し、0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、q
は0≦q<3の数であって、しかもm+n+p+q=3
である)で表わされる有機アルミニウム化合物。 (2) M1AlR1 4 (式中、M1 はLi 、Na 、Kであり、R1 は前記と同
じ)で表わされる第I族金属とアルミニウムとの錯アル
キル化物。 (3) R122 (式中、R1およびR2は上記と同様である。M2 はM
g、ZnまたはCdである)で表わされる第II族または
第III族のジアルキル化合物。
【0036】前記の(1) に属する有機アルミニウム化合
物としては、次のような化合物を例示できる。 一般式 R1 mAl(OR23-m (式中、R1およびR2は前記と同じ。mは好ましくは
1.5≦m≦3の数である)、 一般式 R1 mAlX3-m (式中、R1 は前記と同じ。Xはハロゲン、mは好まし
くは0<m<3である)、 一般式 R1 mAlH3-m (式中、R1 は前記と同じ。mは好ましくは2≦m<3
である)、 一般式 R1 mAl(OR2nq (式中、R1 およびR2 は前記と同じ。Xはハロゲン、
0<m≦3、0≦n<3、0≦q<3で、m+n+q=
3である)で表わされる化合物などを挙げることができ
る。
【0037】(1) に属するアルミニウム化合物として
は、より具体的には、トリエチルアルミニウム、トリブ
チルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;ト
リイソプレニルアルミニウムなどのトリアルケニルアル
ミニウム;ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチル
アルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウム
アルコキシド;エチルアルミニウムセスキエトキシド、
ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルア
ルミニウムセスキアルコキシド、R1 2.5Al(OR2
0.5 などで表わされる平均組成を有する部分的にアルコ
キシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニ
ウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチ
ルアルミニウムブロミドなどのジアルキルアルミニウム
ハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチル
アルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセス
キブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライ
ド;エチルアルミニウムジクロリド、プロピルアルミニ
ウムジクロリド、ブチルアルミニウムジブロミド等のア
ルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン
化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウム
ヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアル
キルアルミニウムヒドリド;エチルアルミニウムジヒド
リド、プロピルアルミニウムジヒドリド等のアルキルア
ルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化され
たアルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシ
クロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチ
ルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコ
キシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムを
挙げることができる。
【0038】また(1) に類似する化合物としては、酸素
原子や窒素原子を介して2個以上のアルミニウムが結合
した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。こ
のような化合物としては、例えば、(C252AlO
Al(C252 、(C492AlOAl(C492
【0039】
【化3】
【0040】などを挙げることができる。さらにメチル
アルミノオキサンなどのアルミノオキサン類を挙げるこ
とができる。
【0041】前記(2) に属する化合物としては、LiA
l(C254 、LiAl(C7154 などを挙げるこ
とができる。
【0042】これらの中では有機アルミニウム化合物が
好ましく用いられる。本発明で、オレフィン重合用触媒
を形成する電子供与体[C]としては下記式(1)で示
される化合物が用いられる。
【0043】R1 n−Si−OR2 4-n …(1) ただし、式(1)中、R1は、炭素数1〜3の飽和また
は不飽和脂肪族炭化水素基であり、R2は、炭素数1〜
4の炭化水素基であり、nは1または2である。
【0044】上記式(1)において、nが1の場合は、
式(1)は下記式(1a)のように示される。
【0045】
【化4】
【0046】ただし、式(1a)中、R1 は、上記と同
様であり、R2a、R2bおよびR2cはそれぞれ独立に、炭
素数1〜4の炭化水素基である。また、上記式(1)に
おいて、nが2の場合は、式(1)は下記式(1b)の
ように示される。
【0047】
【化5】
【0048】ただし、式(1b)中、R1aは炭素数2〜
3の飽和または不飽和脂肪族炭化水素基であり、R1b
炭素数1〜3の飽和または不飽和脂肪酸炭化水素基であ
って、R2aおよびR2bはそれぞれ独立に、炭素数1〜4
の炭化水素基である。
【0049】ここで本発明に係る炭化水素基とは、炭
素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、イオウ、リン、ホウ
素、ケイ素から選ばれる1種以上の原子によって構成さ
れる置換基を意味する。
【0050】炭素数2〜3の飽和または不飽和脂肪族炭
化水素基(R1 、R1a、R1b)としては、具体的には、
エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ビニル基、ア
リル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、エチニル
基、ハロゲン含有プロピル基、ピペリジノ基、置換ピペ
リジノ基等があげられ、好ましくはエチル基、プロピル
基、ビニル基、3,3,3-トリフロロプロピル基が挙げられ
る。
【0051】また炭素数1〜4の炭化水素基(R2、R
2a、R2b、R2c)としては、具体的には、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ビニル基、
アリル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、1-ブテ
ニル基、2-ブテニル基、エチニル基、シクロプロピル基
等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、プロピ
ル基等が挙げられる。
【0052】上記式(1)で表されるケイ素化合物のさ
らに具体的な例としては、エチルトリメトキシシラン、
プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメト
キシシラン、1-プロペニルトリメトキシシラン、イソプ
ロペニルトリメトキシシラン、エチニルトリメトキシシ
ラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキ
シシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、1-プロ
ペニルトリエトキシシラン、イソプロペニルトリエトキ
シシラン、エチニルトリエトキシシラン、エチルトリプ
ロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、イソ
プロピルトリプロポキシシラン、ビニルトリプロポキシ
シラン、アリルトリプロポキシシラン、1-プロペニルト
リプロポキシシラン、イソプロペニルトリプロポキシシ
ラン、エチニルトリプロポキシシラン、ジエチルジメト
キシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジイソプロ
ピルジメトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジ
アリルジメトキシシラン、ジ1-プロペニルジメトキシシ
ラン、ジイソプロペニルジメトキシシラン、ジエチニル
ジメトキシシラン、エチルメチルジメトキシシラン、プ
ロピルメチルジメトキシシラン、3,3,3-トリフロロプロ
ピルメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラ
ン、ジプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジエ
トキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ジアリルジ
エトキシシラン、ジ1-プロペニルジエトキシシラン、ジ
イソプロペニルジエトキシシラン、ジエチニルジエトキ
シシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジプロピルジ
プロポキシシラン、ジイソプロピルジプロポキシシラ
ン、ジビニルジプロポキシシラン、ジアリルジプロポキ
シシラン、ジ1-プロペニルジプロポキシシラン、ジイソ
プロペニルジプロポキシシラン、ジエチニルジプロポキ
シシランなどを挙げることができる。
【0053】これらの化合物は単独で用いても2種以上
組み合わせて用いてもよい。また必要に応じて、上記式
(1)で表される電子供与体とともに、下記のような窒
素含有化合物、他の酸素含有化合物、燐含有化合物など
を併用することができる。
【0054】このような窒素含有化合物としては、具体
的には、以下に示すような化合物を用いることができ
る。
【0055】
【化6】
【0056】
【化7】
【0057】などの2,6-置換ピペリジン類:
【0058】
【化8】
【0059】などの2,5-置換ピペリジン類:N,N,N',N'-
テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N',N'-テトラエチ
ルメチレンジアミンなどの置換メチレンジアミン類:1,
3-ジベンジルイミダゾリジン、1,3-ジベンジル-2-フェ
ニルイミダゾリジンなどの置換メチレンジアミン類な
ど。
【0060】燐含有化合物としては、具体的には、以下
に示すような亜リン酸エステル類を用いることができ
る。トリエチルホスファイト、トリn-プロピルホスファ
イト、トリイソプロピルホスファイト、トリn-ブチルホ
スファイト、トリイソブチルホスファイト、ジエチルn-
ブチルホスファイト、ジエチルフェニルホスファイトな
どの亜リン酸エステル類など。
【0061】また、酸素含有化合物としては、以下に示
すような化合物を用いることができる。
【0062】
【化9】
【0063】などの2,6-置換テトラヒドロピラン類:
【0064】
【化10】
【0065】などの2,5-置換テトラヒドロピラン類な
ど。これらのうち、特に好ましくはプロピルトリエトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3-トリフロ
ロプロピルメチルジメトキシシランを挙げることができ
る。
【0066】本発明において、ポリプロピレンを製造す
る際に、上記の電子供与体[C]を用いると、得られる
ポリプロピレンの分子量を、少量の水素(連鎖移動剤)
で調節することが可能となり、連続重合においてもゴム
成分を製造する際に残存する水素量を低減することがで
きる。
【0067】本発明に係るプロピレン系ブロック共重合
体の製造方法においては、まず上記のような固体状チタ
ン触媒成分[A]、有機金属化合物触媒成分[B]およ
び電子供与体[C]からなるオレフィン重合用触媒の存
在下に、プロピレンを重合させる。
【0068】この重合は、溶媒懸濁重合法、液体状プロ
ピレンを溶媒とする懸濁重合法、気相重合法などによっ
て行なわれる。溶媒懸濁重合を実施する際には、重合溶
媒として、不活性炭化水素を用いることができる。この
ような不活性炭化水素としては、具体的には、プロパ
ン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シ
クロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン
などの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベン
ゼンなどのハロゲン化炭化水素、あるいはこれらの接触
物などを挙げることができる。これらの不活性炭化水素
のうちでは、とくに脂肪族炭化水素が好ましい。
【0069】重合系内においては、固体状触媒成分
[A]は、重合容積1リットル当りチタン原子に換算し
て、通常は約0.0001〜50ミリモル、好ましくは
約0.001〜10ミリモルの量で用いられる。また、
有機金属触媒成分[B]は、重合系中のチタン原子1モ
ルに対し、有機金属触媒成分[B]に含まれる金属原子
が、通常約1〜2000モル、好ましくは約2〜100
0モルとなるような量で用いられる。さらに電子供与体
[C]は、有機金属触媒成分[B]中の金属原子1モル
あたり、通常約0.001〜10モル、好ましくは約
0.01〜5モルとなるような量で用いられる。このほ
か電子供与体として、前述の窒素含有化合物、酸素含有
化合物、燐含有化合物および後述する電子供与体[E]
を必要に応じて用いることもできる。電子供与体[E]
は、有機金属触媒成分[B]中の金属原子1モルあたり
0.001〜10モル、好ましくは0.005〜1モルと
なるような量で使用することも可能である。
【0070】また、上記のように水素(連鎖移動剤)を
用いて、ポリプロピレンの分子量を調節することができ
る。重合温度は、通常、約−50〜200℃、好ましく
は約50〜100℃であり、圧力は、通常、常圧〜10
0Kg/cm2、好ましくは約2〜50Kg/cm2に設定され
る。
【0071】重合は回分式、半連続式、連続式の何れの
方法においても行なうことができる。さらに、該重合を
反応条件を変えて2段以上に分けて行うこともできる。
【0072】また上記の重合工程においては、プロピレ
ンに少量のエチレン、後述する炭素数4以上のα−オレ
フィンおよび/または後述するポリエン化合物を加えて
共重合を行なうこともできる。
【0073】上記のような重合工程において得られるポ
リプロピレンにおいて、エチレン、炭素数4以上のα−
オレフィン、ポリエン化合物から導かれる構成単位の含
有率は0〜20モル%であり、好ましくは0〜10モル
%であり、特に好ましく0〜7モル%である。
【0074】このようにして得られるポリプロピレンの
135℃のデカリン中で測定される極限粘度[η]は4
0〜0.001dl/gであり、好ましくは30〜0.0
1dl/gであり、特に好ましくは20〜0.05dl/g
である。
【0075】本発明に係るプロピレン系ブロック共重合
体の製造方法は、上記のような方法でポリプロピレンを
製造した後、得られるポリプロピレンの触媒失活処理を
行なうことなく、電子供与体[D]の存在下に、炭素数
2以上のα−オレフィンから選ばれる2種類以上のα−
オレフィンを共重合させる。
【0076】本発明に係るプロピレン系ブロック共重合
体の製造方法において用いられる電子供与体[D]は、
下記式(2)で示される。
【0077】
【化11】
【0078】(ただし、式(2)中、R3は、シクロペ
ンチル基、置換シクロペンチル基、シクロペンテニル
基、置換シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル
基、置換シクロペンタジエニル基あるいは3級炭化水素
基であり、R4は、炭素数1〜20の炭化水素基であ
り、R5およびR6はそれぞれ独立に、炭素数1〜4の炭
化水素基を示す。
【0079】置換シクロペンチル基としては、アルキル
基を有するシクロペンチル基を挙げることができ、具体
的には、2-メチルシクロペンチル基、3-メチルシクロペ
ンチル基、2-エチルシクロペンチル基、2-n-ブチルシク
ロペンチル、2,3-ジメチルシクロペンチル基、2,4-ジメ
チルシクロペンチル基、2,5-ジメチルシクロペンチル
基、2,3-ジエチルシクロペンチル基、2,3,4-トリメチル
シクロペンチル基、2,3,5-トリメチルシクロペンチル
基、2,3,4-トリエチルシクロペンチル基、テトラメチル
シクロペンチル基、テトラエチルシクロペンチル基など
を例示することができる。
【0080】置換シクロペンテニル基としては、アルキ
ル基を有するシクロペンテニル基を挙げることができ、
具体的には、2-メチルシクロペンテニル基、3-メチルシ
クロペンテニル基、2-エチルシクロペンテニル基、2-n-
ブチルシクロペンテニル基、2,3-ジメチルシクロペンテ
ニル基、2,4-ジメチルシクロペンテニル基、2,5-ジメチ
ルシクロペンテニル基、2,3,4-トリメチルシクロペンテ
ニル基、2,3,5-トリメチルシクロペンテニル基、2,3,4-
トリエチルシクロペンテニル基、テトラメチルシクロペ
ンテニル基、テトラエチルシクロペンテニル基などを例
示することができる。
【0081】置換シクロペンタジエニル基としては、ア
ルキル基を有するシクロペンタジエニル基を挙げること
ができ、具体的には、2-メチルシクロペンタジエニル
基、3-メチルシクロペンタジエニル基、2-エチルシクロ
ペンタジエニル基、2-n-ブチルシクロペンテニル基、2,
3-ジメチルシクロペンタジエニル基、2,4-ジメチルシク
ロペンタジエニル基、2,5-ジメチルシクロペンタジエニ
ル基、2,3-ジエチルシクロペンタジエニル基、2,3,4-ト
リメチルシクロペンタジエニル基、2,3,5-トリメチルシ
クロペンタジエニル基、2,3,4-トリエチルシクロペンタ
ジエニル基、2,3,4,5-テトラメチルシクロペンタジエニ
ル基、2,3,4,5-テトラエチルシクロペンタジエニル基、
1,2,3,4,5-ペンタメチルシクロペンタジエニル基、1,2,
3,4,5-ペンタエチルシクロペンタジエニル基などを例示
することができる。
【0082】また3級炭化水素基としては、t-ブチル
基、t-アミル基、α, α'-ジメチルベンジル基、アドマ
ンチル基などを例示することができる。また、炭素数1
〜20の炭化水素基(R4)としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブ
チル基、sec-ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、
ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ピペリジノ基、2-メチルピペ
リジノ基や4-メチルピペリジノ基などの置換ピペリジノ
基、3,3,3-トリフロロプロピル基等のハロゲン含有アル
キル基、および前記したようなシクロペンチル基、置換
シクロペンチル基、シクロペンテニル基、置換シクロペ
ンテニル基、シクロペンタジエニル基、置換シクロペン
タジエニル基、t-ブチル基、t-アミル基、α,α’−ジ
メチルベンジル基、アドマンチル基等を例示することが
できる。
【0083】さらに炭素数1〜4の炭化水素基(R5
よびR6)としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブ
チル基、tert-ブチル基、ビニル基、アリル基、1-プロ
ペニル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニ
ル基、エチニル基、シクロプロピル基等を例示すること
ができる。
【0084】このような前記式(2)で表されるケイ素
化合物のさらに具体的な例としては、ジシクロペンチル
ジメトキシシラン、ジシクロペンテニルジメトキシシラ
ン、ジシクロペンタジエニルジメトキシシラン、ジt-ブ
チルジメトキシシラン、ジ(2-メチルシクロペンチル)
ジメトキシシラン、ジ(3-メチルシクロペンチル)ジメ
トキシシラン、ジ(2-エチルシクロペンチル)ジメトキ
シシラン、ジ(2,3-ジチルシクロペンチル)ジメトキシ
シラン、ジ(2,4-ジメチルシクロペンチル)ジメトキシ
シラン、ジ(2,5-ジメチルシクロペンチル)ジメトキシ
シラン、ジ(2,3-ジエチルシクロペンチル)ジメトキシ
シラン、ジ(2,3,4-トリメチルシクロペンチル)ジメト
キシシラン、ジ(2,3,5-トリメチルシクロペンチル)ジ
メトキシシラン、ジ(2,3,4-トリエチルシクロペンチ
ル)ジメトキシシラン、ジ(テトラメチルシクロペンチ
ル)ジメトキシシラン、ジ(テトラエチルシクロペンチ
ル)ジメトキシシラン、ジ(2-メチルシクロペンテニ
ル)ジメトキシシラン、ジ(3-メチルシクロペンテニ
ル)ジメトキシシラン、ジ(2-エチルシクロペンテニ
ル)ジメトキシシラン、ジ(2-n-ブチルシクロペンテニ
ル)ジメトキシシラン、ジ(2,3-ジメチルシクロペンテ
ニル)ジメトキシシラン、ジ(2,4-ジメチルシクロペン
テニル)ジメトキシシラン、ジ(2,5-ジメチルシクロペ
ンテニル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4-トリメチルシ
クロペンテニル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,5-トリメ
チルシクロペンテニル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4-
トリエチルシクロペンテニル)ジメトキシシラン、ジ
(テトラメチルシクロペンテニル)ジメトキシシラン、
ジ(テトラエチルシクロペンテニル)ジメトキシシラ
ン、ジ(2-メチルシクロペンタジエニル)ジメトキシシ
ラン、ジ(3-メチルシクロペンタジエニル)ジメトキシ
シラン、ジ(2-エチルシクロペンタジエニル)ジメトキ
シシラン、ジ(2-n-ブチルシクロペンテニル)ジメトキ
シシラン、ジ(2,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジ
メトキシシラン、ジ(2,4-ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジメトキシシラン、ジ(2,5-ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジメトキシシラン、ジ(2,3-ジエチルシクロ
ペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4-トリメ
チルシクロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ(2,
3,5-トリメチルシクロペンタジエニル)ジメトキシシラ
ン、ジ(2,3,4-トリエチルシクロペンタジエニル)ジメ
トキシシラン、ジ(2,3,4,5-テトラメチルシクロペンタ
ジエニル)ジメトキシシラン、ジ(2,3,4,5-テトラエチ
ルシクロペンタジエニル)ジメトキシシラン、ジ(1,2,
3,4,5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジメトキシ
シラン、ジ(1,2,3,4,5-ペンタエチルシクロペンタジエ
ニル)ジメトキシシラン、ジt-アミル-ジメトキシシラ
ン、ジ(α, α'-ジメチルベンジル)ジメトキシシラ
ン、ジ(アドマンチル)ジメトキシシラン、アドマンチ
ル-t-ブチルジメトキシシラン、シクロペンチル-t-ブチ
ルジメトキシシラン、t-ブチル(ピペリジノ)ジメトキ
シシラン、t-ブチル(4-メチルピペリジノ) ジメトキシ
シラン、t-ブチル(2-メチルピペリジノ)ジメトキシシ
ラン、t-ブチル(2,4-ジメチルピペリジノ)ジメトキシ
シラン、t-ブチル(2,4,6-トリメチルピペリジノ)ジメ
トキシシラン、シクロペンチル(ピペリジノ)ジメトキ
シシラン、シクロペンチル(2-メチルピペリジノ)ジメ
トキシシラン、シクロペンチル(4-メチルピペリジノ)
ジメトキシシラン、シクロペンチル(2,4-ジメチルピペ
リジノ)ジメトキシシラン、シクロペンチル(2,4,6-ト
リメチルピペリジノ)ジメトキシシラン、t-ブチルメチ
ルジトキシシラン、t-ブチルメチルジメトキシシラン、
t-アミルメチルジエトキシシラン、t-ブチルトリエトキ
シシラン、シクロペンチルメトルジメトキシシラン、シ
クロペンチルエチルジメトキシシラン、シクロペンチル
メチルジエトキシシラン、シクロペンチルエチルジエト
キシシラン、シクロペンチル(3,3,3-トリフロロプロピ
ル)ジメトキシシラン、t-ブチル(3,3,3-トリフロロプ
ロピル)ジメトキシシランなどを例示することができ
る。
【0085】上記ケイ素化合物の中でも、好ましくはジ
シクロペンチルジメトキシシラン、ジ-t-ブチルジメト
キシシラン、ジ(2-メチルシクロペンチル)ジメトキシ
シラン、ジ(3-メチルシクロペンチル)ジメトキシシラ
ン、ジ(2,4-ジメチルペンチル)ジメトキシシラン、ジ
-t-アミルジメトキシシラン、t-ブチル(2-メチルピペ
リジノ)ジメトキシシラン、t-ブチル(4-メチルピペリ
ジノ)ジメトキシシラン、シクロペンチル(3,3,3-トリ
フロロプロピル)ジメトキシシラン、t-ブチル(3,3,3-
トリフロロプロピル)ジメトキシシラン、シクロペンチ
ル(2-メチルピペリジノ)ジメトキシシラン、シクロペ
ンチル(4-メチルピペリジノ)ジメトキシシランなどを
例示することができる。
【0086】またこれらとともに、必要に応じてピペリ
ジン類、メチレンジアミン類、イミダゾリジン類、亜リ
ン酸エステル類、テトラヒドロピラン類等の窒素含有化
合物、酸素含有化合物、燐含有化合物などを用いること
もできる。
【0087】電子供与体[D]は、任意の方法で反応系
に存在させることができる。例えば、反応系に電子供与
体[D]を供給することもできるし、電子供与体[D]
の存在する反応器に、前記の触媒失括処理を行っていな
いポリプロピレンを供給することもできる。
【0088】また本発明では、前記ポリプロピレンおよ
び電子供与体[D]の存在下に、炭素数2以上のα−オ
レフィンから選ばれる2種類以上のα−オレフィンを共
重合させるに際して、さらに固体状チタン触媒成分
[A]、有機金属化合物触媒成分[B]、前述の窒素含
有化合物、酸素含有化合物、燐含有化合物や電子供与体
[E]を追加することもできる。
【0089】上記のような電子供与体[D]を用いて、
前記ポリプロピレンの存在下に炭素数2以上のα−オレ
フィンから選ばれる2種類以上のα−オレフィンを共重
合させることにより、従来の触媒系では製造が困難であ
った極限粘度[η]の高いゴム成分(23℃デカン可溶
成分)を含有するプロピレン系ブロック共重合体が得ら
れる。
【0090】ここで炭素数2以上のα−オレフィンとし
ては、具体的には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、
1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-
ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリ
デセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデ
セン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-ノナデセ
ン、1-エイコセン等の炭素数3〜20のα−オレフィン
を挙げることができる。
【0091】上記のようなα−オレフィンの中でも、プ
ロピレン、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセ
ンなどを用いることが特に好ましい。上記のα−オレフ
ィンを共重合させる際に、少量ポリエン化合物を重合系
内に共存させることもできる。
【0092】このようなポリエン化合物としては、後述
するポリエン化合物を挙げることができる。重合は、通
常、気相あるいは液相で行なわれる。
【0093】重合が溶媒懸濁重合で行なわれる場合、重
合溶媒として、前述した不活性炭化水素を用いることが
できる。共重合系内においては、前記ポリプロピレンは
重合容積1リットル当り、10〜1000g、好ましく
は10〜800g、特に好ましくは30〜500gの量
で用いられる。
【0094】該共重合は重合容積1リットル当り、固体
状触媒成分[A]のチタン原子に換算して、通常は約
0.0001〜50ミリモル、好ましくは約0.001〜
10ミリモルの量で存在する。また、有機金属触媒成分
[B]は、重合系中のチタン原子1モルに対し、有機金
属触媒成分[B]に含まれる金属原子が、通常約1〜2
000モル、好ましくは約2〜1000モルとなるよう
な量で用いられる。さらに電子供与体[D]は、有機金
属触媒成分[B]中の金属原子1モル当り、通常約0.
001〜10モル、好ましくは約0.01〜5モルとな
るような量で用いられる。
【0095】該共重合時に、水素(連鎖移動剤)を添加
して分子量を調節することもできる。上記の共重合にお
いて、重合温度は、通常、約−50〜200℃、好まし
くは約20〜100℃であり、圧力は、通常、常圧〜1
00Kg/cm2、好ましくは約2〜50Kg/cm2に設定され
る。
【0096】重合は回分式、半連続式、連続式の何れの
方法においても行なうことができる。さらに該共重合
を、反応条件を変えて2段以上に分けて行なうこともで
きる。上記のようにして得られるプロピレン系ブロック
共重合体では、ゴム成分(23℃、デカン可溶成分)を
1〜70重量%、好ましくは1〜50重量%、より好ま
しくは2〜30重量%、特に好ましくは3〜20重量%
の割合で含有している。このゴム成分(デカン可溶成
分)は、135℃、デカリン中での極限粘度[η]が
3.0dl/g以上、好ましくは4.0dl/g以上、より好
ましくは4.5dl/g以上、特に好ましくは5.0dl/
g〜20dl/gである。
【0097】本発明では、上述したように固体状チタン
触媒成分[A]、有機金属化合物触媒成分[B]および
特定の電子供与体[C]とを含むオレフィン重合用触媒
の存在下にプロピレンを重合させ、その後、炭素数2以
上のα−オレフィンから選ばれる2種以上のα−オレフ
ィンを特定の電子供与体[D]の存在下に共重合させて
いる。このような本発明によれば、重合を回分式、半連
続式、連続式いずれの方法で実施しても、高分子量のゴ
ム成分(n-デカン可溶成分)を含有するプロピレン系ブ
ロック共重合体を容易に製造することができる。
【0098】また本発明では、固体状チタン触媒成分
[A]単位量当りの、プロピレン系ブロック共重合体の
収率が高いので、生成物中の触媒残渣、特にハロゲン含
量を相対的に低減させることができる。したがって、生
成物中の触媒を除去する操作を省略できるとともに、得
られたプロピレン系ブロック共重合体を用いて成形体を
成形する際に、金型の発錆を有効に防止することができ
る。
【0099】上記のような製法によって得られるプロピ
レン系ブロック共重合体は、ゴム成分の分子量が高く、
剛性、耐熱性および耐衝撃性に優れている。本発明に係
るプロピレン系ブロック共重合体の製造方法では、固体
状チタン触媒成分[A]と有機金属触媒成分[B]とに
オレフィンを予備重合させて得られる予備重合触媒を用
いてもよい。
【0100】予備重合に用いられるオレフィンとして
は、エチレン、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブ
テン、1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-
ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチ
ル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチ
ル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘ
キセン、アリルナフタレン、アリルノルボルナン、スチ
レン、ジメチルスチレンなどの置換スチレン類、ビニル
シクロヘキサン、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロ
ヘプタンなどのビニルシクロアルカン、アリルトリメチ
ルシラン等のアリルトリアルキルシラン類等のオレフィ
ンを挙げることができ、好ましくはエチレン、プロピレ
ン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチ
ル-1-ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、アリルトリメ
チルシラン、ジメチルスチレンなど、特に好ましくはプ
ロピレン、3-メチル-1-ブテン、ビニルシクロヘキサ
ン、アリルトリメチルシランを挙げることができる。
【0101】また上記オレフィンとともに、必要に応じ
て下記のようなポリエン化合物を用いることもできる。
4-メチル-1,4- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジ
エン、6-メチル-1,6-オクタジエン、7-メチル-1,6- オ
クタジエン、6-エチル-1,6- オクタジエン、6-プロピル
-1,6- オクタジエン、6-ブチル-1,6- オクタジエン、6-
メチル-1,6- ノナジエン、7-メチル-1,6- ノナジエン、
6-エチル-1,6- ノナジエン、7-エチル-1,6- ノナジエ
ン、6-メチル-1,6- デカジエン、7-メチル-1,6- デカジ
エン、6-メチル-1,6- ウンデカジエン、1,3-ペンタジエ
ン、1,4-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、1,4-ヘキサ
ジエン、1,5-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オ
クタジエン、1,8-ノナジエン、1,9-デカジエン、1,13-
テトラデカジエン、1,5,9-デカトリエン、ブタジエン、
イソプレンなどの脂肪族ポリエン化合物、ビニルシクロ
ヘキセン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、2,5-
ノルボルナジエン、1,4-ジビニルシクロヘキサン、1,3-
ジビニルシクロヘキサン、1,3-ジビニルシクロペンタ
ン、1,5-ジビニルシクロオクタン、1-アリル-4- ビニル
シクロヘキサン、1,4-ジアリルシクロヘキサン、1-アリ
ル-5- ビニルシクロオクタン、1,5-ジアリルシクロオク
タン、1-アリル-4- イソプロペニルシクロヘキサン、1-
イソプロペニル-4- ビニルシクロヘキサン、1-イソプロ
ペニル-3- ビニルシクロペンタンなどの脂環族ポリエン
化合物、ジビニルベンゼン、ビニルイソプロペニルベン
ゼンなどの芳香族ポリエン化合物など。
【0102】これらのうち、1,7-オクタジエン、1,9-デ
カジエン、1,13- テトラデカジエン、1,5,9-デカトリエ
ン、1,4-ジビニルシクロヘキサン、1,3-ジビニルシクロ
ペンタン、1,5-ジビニルシクロオクタン、6-メチル-1,6
- オクタジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジエンなどが特
に好ましく用いられる。
【0103】これらのオレフィン、ポリエン化合物は単
独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
予備重合は、前記の不活性炭化水素媒体や液状状態のオ
レフィンの存在下に行ってもよく、実質的に溶媒のない
状態で行ってもよい。
【0104】予備重合は、温和な条件下に行うことが好
ましい。予備重合では、上述したプロピレンを重合させ
る際の触媒濃度よりもかなり高濃度で触媒を用いること
ができる。
【0105】予備重合における固体状チタン触媒成分
[A]の濃度は、例えば不活性炭化水素存在下で行う場
合は、不活性炭化水素媒体1リットル当り、チタン原子
換算で、通常約0.01〜200ミリモル、好ましくは
約0.05〜100ミリモルの範囲とすることが望まし
い。
【0106】有機金属触媒成分[B]の量は、固体状チ
タン触媒成分[A]1g当り0.1〜1000g、好ま
しくは0.3〜500gの重合体が生成するような量で
あればよく、固体状チタン触媒成分[A]中のチタン原
子1モル当り、通常約0.1〜500ミリモル、好まし
くは約0.5〜50ミリモルの範囲とすることが望まし
い。
【0107】また予備重合を行う際には、固体状チタン
触媒成分[A]、有機金属触媒成分[B]とともに電子
供与体[E]を用いてもよい。この電子供与体[E]と
して、具体的には、前述した電子供与体(a) 、電子供与
体[C]、電子供与体[D]さらに以下のようなケイ素
化合物を例示することができる。
【0108】トリメチルメトキシシラン、トリメチルエ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニ
ルメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラ
ン、ビスo-トリルジメトキシシラン、ビスm-トリルジメ
トキシシラン、ビスp-トリルジメトキシシラン、ビスp-
トリルジエトキシシラン、ビスエチルフェニルジメトキ
シシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロ
ヘキシルメチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチ
ルジエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシ
ルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、
γ- クロルプロピルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、n-ブチルトリエトキシシラン、iso-ブ
チルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、γ- アミノプロピルトリエトキシシラン、クロルト
リエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラ
ン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、2-ノルボルナ
ントリメトキシシラン、2-ノルボルナントリエトキシシ
ラン、2-ノルボルナンメチルジメトキシシラン、ケイ酸
エチル、ケイ酸ブチル、トリメチルフェノキシシラン、
メチルトリアリロキシ(allyloxy)シラン、ジメチルテト
ラエトキシジシロキサン;ヘキセニルトリメトキシシラ
ン、トリシクロペンチルメトキシシラン、トリシクロペ
ンチルエトキシシラン、ジシクロペンチルメチルメトキ
シシラン、ジシクロペンチルエチルメトキシシラン、ジ
シクロペンチルメチルエトキシシラン、シクロペンチル
ジメチルメトキシシラン、シクロペンチルジエチルメト
キシシラン、シクロペンチルジメチルエトキシシランな
どを用いることができる。
【0109】また、前記の窒素含有化合物、酸素含有化
合物、燐含有化合物を用いてもよい。電子供与体[E]
は、固体状チタン触媒[A]成分中のチタン原子1モル
当り0.1〜50モル、好ましくは0.3〜30モル、さ
らに好ましくは0.3〜10モルの量で必要に応じて用
いられる。
【0110】予備重合は、生成する予備重合体が実質的
に溶解しないような温度で実施されればばよく、通常約
−20〜+100℃、好ましくは約−20〜+80℃、
さらに好ましくは0〜+40℃の範囲にあることが望ま
しい。
【0111】なお、予備重合においては、水素のような
連鎖移動剤を用いることもできる。このような連鎖移動
剤は、135℃のデカリン中で測定した予備重合により
得られる重合体の極限粘度[η]が、約0.2dl/g以
上、好ましくは約0.5以上となるような量で用いるこ
とが望ましい。なお、予備重合に用いるオレフィンやポ
リエン化合物によっては、得られる重合体のデカリンに
不溶となる場合がある。
【0112】このような予備重合は回分式あるいは連続
式で行なうことができる。本発明では、上記のようにし
て得られるプロピレン系ブロック共重合体に、核剤、ゴ
ム成分、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリッ
プ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔
料、天然油、合成油、ワックスなどを配合することがで
き、その配合割合は適宜量である。たとえば、任意成分
として配合される安定剤として具体的には、テトラキス
メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)
プロピオネート メタン、β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒド
ロキシフェニル) プロピオン酸アルキルエステル、2,2'
-オキザミドビス エチル-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロ
キシフェニル) プロピオネートなどのフェノール系酸化
防止剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、
12-ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金
属塩、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノラ
ウレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリスリ
トールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステ
アレート、ペンタエリスリトールトリステアレート等の
多価アルコールの脂肪酸エステルなどを挙げることがで
きる。これらは単独で配合してもよいが、組み合わせて
配合してもよく、たとえば、テトラキス メチレン-3(3,
5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート
メタンとステアリン酸カルシウムおよびグリセリンモノ
ステアレートとの組合せ等を例示することができる。
【0113】本発明では特に、フェノール系酸化防止剤
および多価アルコールの脂肪酸エステルとを組み合わせ
て用いることが好ましく、該多価アルコールの脂肪酸エ
ステルは3価以上の多価アルコールのアルコール性水酸
基の一部がエステル化された多価アルコール脂肪酸エス
テルであることが好ましい。このような多価アルコール
の脂肪酸エステルとしては、具体的には、グリセリンモ
ノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリ
ンモノミリステート、グリセリンモノパルミテート、グ
リセリンジステアレート、グリセリンジラウレート等の
グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールモノ
ステアレート、ペンタエリスリトールモノラウレート、
ペンタエリスリトールジラウレート、ペンタエリスリト
ールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステア
レート等のペンタエリスリトールの脂肪酸エステルが用
いられる。このようなフェノール系酸化防止剤は、プロ
ピレン系ブロック共重合体100重量部に対して0〜1
0重量部好ましくは0〜5重量部さらに好ましくは0〜
2重量部の量で用いられ、また多価アルコールの脂肪酸
エステルはプロピレン系ブロック共重合体100重量部
に対して0〜10重量部、好ましくは0〜5重量部の量
で用いられる。
【0114】また本発明においては、本発明の目的を損
なわない範囲で、プロピレン系ブロック共重合体にシリ
カ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウ
ム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイ
ト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウ
ム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アス
ベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、
ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、
グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロ
ン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロ
ピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の充
填剤を配合してもよい。
【0115】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、分子量の高いゴム成分を含有するプロピレン系ブロ
ック共重合体を製造することができる。本発明で得られ
るこのようなプロピレン系ブロック共重合体は剛性およ
び耐熱性に優れるとともに耐衝撃性にも優れている。
【0116】
【実施例】以下本発明を実施例によって説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0117】
【実施例1】 [固体状チタン触媒成分[A]の調製]無水塩化マグネ
シウム95.2g、デカン442mlおよび2-エチルヘキ
シルアルコール390.6gを130℃で2時間加熱反
応を行なって均一溶液とした後、この溶液中に無水フタ
ル酸21.3gを添加し、さらに、130℃にて1時間
攪拌混合を行ない、無水フタル酸を溶解させた。このよ
うにして得られた均一溶液を室温に冷却した後、−20
℃に保持した四塩化チタン200ml中にこの均一溶液の
75mlを1時間にわたって滴下装入した。装入終了後、
この混合液の温度を4時間かけて110℃に昇温し、1
10℃に達したところでフタル酸ジイソブチル(DIB
P)5.22gを添加し、これより2時間同温度にて攪
拌保持した。2時間の反応終了後、熱濾過にて固体部を
採取し、この固体部を275mlの四塩化チタンに再懸濁
させた後、再び110℃で2時間、加熱反応を行なっ
た。反応終了後、再び熱濾過にて固体部を採取し、11
0℃のデカンおよびヘキサンにて溶液中に遊離のチタン
化合物が検出されなくなるまで充分洗浄した。以上の操
作によって調製した固体状チタン触媒成分[A]はデカ
ンスラリーとして保存したが、この内の一部を触媒組成
を調べる目的で乾燥した。このようにして得られた固体
状チタン触媒成分[A]の組成は、チタン2.4重量
%、塩素60重量%、マグネシウム20重量%、DIB
P13.0重量%であった。 [固体状チタン触媒成分[A]の予備重合]400mlの
攪拌機付き四ツ口ガラス製反応器に窒素雰囲気下精製ヘ
キサン100ml、トリエチルアルミニウム3ミリモルお
よび上記固体状チタン触媒成分[A]をチタン原子換算
で1.0ミリモル添加した後、3.2リットル/時間の
速度でプロピレンを1時間この反応器に供給した。重合
温度は、20℃に保った。
【0118】プロピレンの供給が終了したところで反応
器内を窒素で置換し、上澄液の除去および精製ヘキサン
の添加からなる洗浄操作を2回行なった後、精製ヘキサ
ンで再懸濁して触媒瓶に全量移液して予備重合触媒
[I]を得た。 [重合]充分に窒素置換された内容積2リットルのオー
トクレーブに、分散剤として塩化ナトリウム150gを
加え、90℃に加熱しながらオートクレーブの内圧が5
0mmHg以下になるように真空ポンプで2時間減圧処理を
行なった。次いで、オートクレーブの温度を室温に下げ
オートクレーブ内をプロピレンで置換した後に、60℃
に昇温し、トリエチルアルミニウム1.0ミリモル、プ
ロピルトリエトキシシラン(PTES)0.2ミリモ
ル、予備重合触媒[I]をチタン原子換算で0.02ミ
リモル添加し、系を密閉した後に70℃に昇温し48分
間プロピレンを重合させた。重合中の圧力はプロピレン
ガスの補給により7Kg/cm2Gに保った。
【0119】重合終了後、未反応のプロピレンをパージ
し、エチレン25モル%、プロピレン75モル%からな
る混合ガスで置換した後、ジシクロペンチルジメトキシ
シラン(DCPMS)1.0ミリモルおよび水素60ml
を加えて70℃に昇温して5分間共重合を行なった。重
合圧力は、上記混合ガスの供給により3Kg/cm2Gに保
った。ポリプロピレンと共重合体の生成比は重量比で約
85/15であった。
【0120】重合終了後、オートクレーブ内容物を水約
1リットルに投入した。約5分間の攪拌で塩化ナトリウ
ムはほぼ全量溶解し、ポリマーのみが水面上に浮いた。
このポリマーを回収しメタノールで充分洗浄した後、8
0℃で一晩減圧乾燥した。
【0121】結果を表1に示した。
【0122】
【比較例1】 [重合]充分に窒素置換された内容積2リットルのオー
トクレーブに、分散剤として塩化ナトリウム150gを
加え、90℃に加熱しながらオートクレーブの内圧が5
0mmHg以下になるように真空ポンプで2時間減圧処理を
行なった。次いで、オートクレーブの温度を室温に下げ
オートクレーブ内をプロピレンで置換した後に、60℃
に昇温し、トリエチルアルミニウム1.0ミリモル、ジ
フェニルジメトキシシラン(DPMS)0.33ミリモ
ル、予備重合触媒[I]をチタン原子換算で0.02ミ
リモル添加し、系を密閉した後に70℃に昇温し62分
間プロピレンの重合を行なった。重合中の圧力はプロピ
レンガスの補給により7Kg/cm2Gに保った。
【0123】重合終了後、未反応のプロピレンをパージ
し、エチレン25モル%、プロピレン75モル%からな
る混合ガスで置換した後、水素60mlを加え、70℃に
昇温して14分間共重合を行なった。重合圧力は、上記
混合ガスの供給により3Kg/cm2Gに保った。ポリプロ
ピレンと共重合体の生成比は重量比で約85/15であ
った。
【0124】重合終了後、オートクレーブ内容物を水約
1リットルに投入した。約5分間の攪拌で塩化ナトリウ
ムはほぼ全量溶解し、ポリマーのみが水面上に浮いた。
このポリマーを回収しメタノールで充分洗浄した後、8
0℃で一晩減圧乾燥した。
【0125】結果を表1に示した。
【0126】
【実施例2】 [重合]17リットルのオートクレーブに室温プロピレ
ン雰囲気下でプロピレンを3Kg 注入し、水素20リッ
トルを添加し、50℃に昇温した後トリエチルアルミニ
ウムを15ミリモル、プロピルトリエトキシシラン(P
TES)を5.0ミリモル、予備重合触媒[I]をチタ
ン原子換算で0.05ミリモル添加し、更に70℃昇温
し、52分間重合反応を行なった。
【0127】反応終了後、温度を室温まで下げ、未反応
のプロピレンおよび水素をパージし、更に重合系内を窒
素で置換した後、生成したポリプロピレン(PP)を一
部採取した。
【0128】オートクレーブにジシクロペンチルジメト
キシシラン(DCPMS)を15ミリモルを装入した
後、60℃に昇温し、エチレンを280リットル/時
間、プロピレンを920リットル/時間、水素を1.6
リットル/時間の速度で重合系内に供給した。重合中の
圧力は、10Kg/cm2Gに保ち、70℃で65分間共重
合を行なった。
【0129】共重合終了後、直ちに少量のエタノールを
添加して触媒を分解し未反応のエチレン、プロピレンお
よび水素をパージし、白色粉末状重合体を得た。減圧乾
燥後の白色粉末状重合体の収量は、2.0Kgであった。
【0130】分析結果を表2に示した。 [造粒、試験片の射出成形および物性評価]上記の重合
体100重量部に対し、テトラキス(メチレン(3,5-ジ
-t- ブチル-4- ヒドロキシ)ヒドロシンナメート)メタ
ン0.05重量部、トリス(ミクストモノ&ジノニルフ
ェニルフォスファイト)0.05重量部、ステアリン酸
カルシウム0.1重量部を混合し、該混合物を250℃
にてスクリュー口径20mmのサーモプラスチック社製押
出造粒機を用いて造粒した。次いで、該造粒物を200
℃にて東芝機械製射出成形機を用いて試験片を作成し、
曲げ弾性率、熱変形温度、アイゾット衝撃強度の測定を
行なった。
【0131】結果を表2に示した。
【0132】
【比較例2】 [重合]17リットルのオートクレーブに室温プロピレ
ン雰囲気下でプロピレンを3Kg 注入し、水素60リッ
トルを添加し、50℃に昇温した後トリエチルアルミニ
ウムを15ミリモル、ジフェニルジメトキシシラン(D
PMS)5ミリモル、予備重合触媒[I]をチタン原子
換算で0.05ミリモル添加し、更に70℃昇温し、4
6分間重合反応を行なった。
【0133】反応終了後、温度を室温まで下げ、未反応
のプロピレンおよび水素をパージし、更に重合系内を窒
素で置換した後、生成したポリプロピレン(PP)を一
部採取した。
【0134】60℃に昇温した後、エチレンを240リ
ットル/時間、プロピレンを960リットル/時間、水
素を4.5リットル/時間の速度で重合系内に供給し
た。重合中の圧力は、10Kg/cm2Gに保ち、70℃で
90分間共重合を行なった。
【0135】共重合終了後、直ちに少量のエタノールを
添加して触媒を分解し未反応のエチレン、プロピレンお
よび水素をパージし、白色粉末状重合体を得た。減圧乾
燥後の白色粉末状重合体の収量は、2.2Kgであった。
【0136】分析および測定結果を表2に示した。
【0137】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係るプロピレン系ブロック
共重合体の製造方法の一例を示すフローチャートであ
る。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−77413(JP,A) 特開 平1−240507(JP,A) 特開 昭63−168414(JP,A) 特開 昭63−101405(JP,A) 特開 昭61−215613(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 295/00 C08F 4/658 C08F 297/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A]マグネシウム、チタン、ハロゲンお
    よび電子供与体(a)を必須成分として含有する固体状チ
    タン触媒成分と、[B]有機金属触媒成分と、[C]下
    記式(1) R1 n−Si−OR2 4-n …(1) (ただし式(1)中、R1は、炭素数1〜3の飽和また
    は不飽和脂肪族炭化水素基であり、R2は、炭素数1〜
    4の炭化水素基であり、nは1または2である。)で示
    される電子供与体とを含むオレフィン重合用触媒の存在
    下にプロピレンを重合させた後、 得られるポリプロピレンおよび[D]下記式(2)で示
    される電子供与体の存在下に、 炭素数2以上のα−オレフィンから選ばれる少なくとも
    2種のα−オレフィンを共重合させることを特徴とする
    プロピレン系ブロック共重合体の製造方法; 【化1】 (ただし、式(2)中、R3は、シクロペンチル基、置
    換シクロペンチル基、シクロペンテニル基、置換シクロ
    ペンテニル基、シクロペンタジエニル基、置換シクロペ
    ンタジエニル基あるいは3級炭化水素基であり、R
    4は、炭素数1〜20の炭化水素基であり、R5およびR
    6はそれぞれ独立に、炭素数1〜4の炭化水素基を示
    す。)。
  2. 【請求項2】以下に示す条件を満たすプロピレン系ブロ
    ック共重合体を製造することを特徴とする請求項1に記
    載のプロピレン系ブロック共重合体の製造方法: (i) 該プロピレン系ブロック共重合体中の、23℃、n-
    デカン可溶成分の含有率が1〜70重量%であり、 (ii)該デカン可溶成分は、135℃、デカリン中での極
    限粘度[η]が3.0dl/g以上であること。
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